JP2006125379A - 内燃機関の吸入空気調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内燃機関の排出ガス成分NOXの低減と吸入空気導入管や燃焼室の汚れの原因となるEGR装置の代わりになる装置。また、低中負荷運転時の燃焼効率の向上による有害な排出ガスの低減と排気ガス温度の上昇によるDPFおよび触媒の活性化。
【解決の手段】 内燃機関の吸入空気導入管に熱交換器と加湿器を取り付け吸入空気の温度と湿度を内燃機関の運転状態や排出ガスの状態等によって最適に調節する。低負荷運転時は吸入空気の高温化によって燃焼効率向上と排出ガス温度を上昇させ、DPF装置や触媒装置を活性させ有害な排出ガスを低減する。また、吸入空気中の水分量を加湿器によって調整することによって排出ガス成分NOXを低減し、EGR装置のように排出ガスを再循環させないので吸入空気導入管や燃焼室が汚れず内燃機関の寿命も延びる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の吸入空気導入管に関するものである。
従来の内燃機関の吸入空気導入管には、冷間時に吸入空気を暖めて内燃機関の燃焼を促進させるものがある。
内燃機関の排出ガスの成分NOXを低減させる装置としてEGR装置がある。これは、排出ガスの一部を循環させ吸入空気とともに燃焼室に送り込み燃焼温度を下げてNOXの低減を図る装置である。
内燃機関の排出ガスの成分NOXは吸入空気中の水分量によって排出量が変化する。また、空気中の水分が多いほど水分によって最高燃焼温度が下がるのでNOXの排出量が減る。
ディーゼルエンジンの排出ガス成分PMを低減する装置としてDPF装置がある。これは、排出ガス中のPMを触媒やフィルターを使い、捕集したり燃焼することによりPMを低減させる装置である。
ディーゼルエンジンの排出ガス対策は、エンジンの燃焼効率を高めればPMが減りNOXが増えるという相関関係がある。
吸入空気を暖めると燃焼が促進されるが、熱い空気は空気密度が低くなり、燃焼室に入る空気量が減るため出力が低下する。
NOXを低減させるEGR装置は、排出ガスを再循環させるため排出ガス中のススやPMが吸入空気導入管や燃焼室に入るため、燃焼室や吸入空気導入管にススやPMが蓄積するためエンジンに悪影響を与える。また、エンジンオイルも汚れるためさらに悪影響を与える。
DPF装置は排出ガス中のPMを触媒やフィルターを使い、捕集したり燃焼することによりPMを低減させる装置だが、排出ガス温度が低いとPMを燃焼することができないため装置にPMが蓄積され目詰まりをおこしエンジンの出力が低下する。
また、ディーゼルエンジンの低負荷運転時は排気ガス温度が低いためDPF装置の性能が発揮できない。そのため、渋滞時や都内のノロノロ運転ではDPF装置は目詰まりしてエンジンが不調になる。
本発明は、以上のようないろいろな問題を解決するのが目的である。
本発明は上述の目的を達成するために内燃機関の運転状態によって、吸入空気の温度と吸入空気中の水分を変化させ、NOX低減し、低負荷運転時の排出ガス温度を高くしDPF装置の性能を発揮させ、PM・CO・HC・CO2を低減する。
また、内燃機関の運転状態にあわせて吸入空気の温度と空気中の水分量を調整することにより有害な排出ガスを低減する。
まず、低負荷運転時に吸入空気を熱交換器によって高温にする。そして、吸入空気が高温になることによって燃焼が促進され排出ガス温度が高くなり、DPF装置の性能が向上する。そのため、DPF装置によってPM・CO・HC・CO2が低減される。
また、吸入空気が高温になるので空気密度は低くなり必要な酸素が低下するため、スロットルバルブを開くことになり、吸入行程時のポンピングロスが減るため燃料消費量を減らすことができる。
しかし、高温になった吸入空気が圧縮工程で高温になりすぎ異常燃焼を引き起こすので、加湿器によって吸入空気中の水分を多量に増加し、その水分によって異常燃焼を抑える。
加湿器の加湿量は、吸入空気導入管等に水滴として付着しない量を加湿する。また、バルブ等によって調節し、加湿が必要ないときは加湿した水分が漏れたり逆流しないようにする。
高負荷運転時には高出力が必要なため吸入空気は原則的には加熱しない。なぜなら、吸入空気が高温だと空気密度が低くなり空気中の酸素が低下し出力が低下するためである。また、高負荷運転時はNOXが増加する傾向があるので、加湿器により加湿し空気中の水分量を増加し燃焼時の最高燃焼温度を押さえNOXを低減する。
高負荷運転時は排気温度が高いのでDPF装置の性能が発揮され、PM・CO・HCが低減される。
低中負荷運転時には、通常の吸入空気と過熱した吸入空気を混合し、さらに、加湿した吸入空気を混合することによって。排気温度の高温化とNOXの低減をする。
内燃機関の種類・構造・運転状態等によって、吸入空気の温度と吸入空気中の水分量を制御し有害な排出ガス低減する。
加湿器は超音波式加湿器や加熱式加湿器等を使用し、吸入空気導入管等に水滴の付着しない範囲で加湿し、内燃機関の運転状態によって制御する。また、加湿空気が必要ないときは加湿空気用バルブにより加湿空気が漏れたり逆流しないようにする。
熱交換器は排気ガスや冷却水等の内燃機関の熱を利用した熱交換器や電気式等を使用し、内燃機関の運転状態によって制御する。また加熱空気が必要ないときは加熱空気用バルブにより、加熱空気が漏れたり逆流しないようにする。
上述したように本発明を内燃機関に使用することで、低負荷運転時の燃焼効率の向上と排出ガス温度の高温化することができ、DPF装置を使用すれば相乗効果として、有害な排出ガスCO・HC・NOX・PM・CO2が低減できます。
ディーゼルエンジンの排出ガス対策は、エンジンの燃焼効率を高めればPMが減りNOXが増えるという相関関係があるが、本発明を使用することによってNOX・PMを低減することができる。
リンバーンエンジンは燃料消費率の低減やCO2削減のために希薄燃焼だが、希薄燃焼はNOXが大量に発生する。しかし、本発明を使用し吸入空気温度と吸入空気中の水分量調整することでNOXを低減し、さらに燃料消費率の低減やCO2削減をすることができる。
EGR装置は吸入空気導入管や燃焼室に排出ガスを再循環させるので、燃焼室や吸入空気導入管にススやPMが蓄積するためエンジンに悪影響を与える。また、エンジンオイルも汚れるためさらに悪影響を与えるが、本発明は燃焼室や吸入空気導入管にススやPMが蓄積されないため、エンジンに悪影響を与えずエンジン寿命を延ばすことができる。
地球温暖化抑制のためのCO2削減問題や自動車NOX・PM法規制等内燃機関から排出されるガスをできるだけ低減し無害化するために、本発明は非常に有効である。
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は内燃機関が低負荷運転時の状態で、エアクリーナ1ACを通った外気が、熱交換器2HAを通り加熱された空気と加湿器3KAを通った加湿状態の空気と混合され燃焼室4Nに送り込まれる。そのため、高温の吸入空気で排気温度が高くなる。また、加湿器により加湿された空気中の水分によりNOXを低減する。
高温の吸入空気は燃焼を促進させるので、有害な排出ガスを低減する。また、排気温度が上昇する。
そのため従来では低負荷運転ではDPF装置や触媒装置の反応が悪いが、本発明により排気温度が上昇するのでDPF装置や触媒装置の反応が良くなり、排気ガスの浄化率が向上する。
各バルブは内燃機関の運転状態によって最適に制御される。
熱交換器を排気ガスや冷却水等の内燃機関の熱を利用した熱交換器や電気式等を使用し、内燃機関の運転状態によって制御する。
加湿器は超音波式加湿器や加熱式加湿器等を使用し、吸入空気導入管等に水滴の付着しない範囲で加湿し、内燃機関の運転状態によって制御する。また、水分が漏れたり逆流しないようにする。
図2は中高負荷運転時で図1の低負荷運転時より主空気用バルブ1MA1を開いて、運転状態に見合った吸入空気温度に調整する。また、加湿器も運転状態に応じて加湿量を調整する。
図3は高負荷運転時で加熱空気用バルブ2HA1・加熱空気用バルブ2HA2を閉じてその他のバルブと加湿器を制御し出力の向上とNOXの低減をする。
図4は高負荷運転時、冷間始動時等、または、熱交換器や加湿器等が故障したときの状態で外気がそのまま燃焼室4Nに送り込まれる。
図5は加湿状態が続いた後にエンジンを停止するときで吸入空気導入管内に水滴等の付着が予想される場合の状態で吸入空気導入管に高温空気を送り込み水滴等を蒸発させる。
上述のように内燃機関の運転状態と排気ガスの状態等により、吸入空気の温度と吸入空気中の水分等を熱交換器2HA、加湿器3KAおよび各種のバルブを制御して最適に調整することによって有害な排出ガスを低減する。
また、従来では低負荷運転時等の排出ガス温度が低くDPF装置や触媒装置等の性能が発揮できない状態のときでも排出ガス温度を高温にすることができるので、DPF装置や触媒装置等の性能を発揮させ有害な排出ガスを浄化することができる。
吸入空気が高温で加湿の状態 吸入空気が中温で加湿の状態 吸入空気が低温で加湿の状態 吸入空気が低温で無加湿の状態 吸入空気が高温で無加湿の状態
符号の説明
1AC エアクリーナ
2HA 熱交換器
2HA1 加熱空気用バルブ
2HA2 加熱空気用バルブ
1MA1 主空気用バルブ
1MA2 主空気用バルブ
3KA 加湿器
3KA1 加湿空気用バルブ
3KA2 加湿空気用バルブ
4N 内燃機関燃焼室

Claims (4)

  1. 内燃機関の吸入空気導入管内に主空気導入管のほかに加熱空気導入管と加湿空気導入管によって構成され、主吸入空気導入管には主空気用バルブ、加熱空気導入管には加熱空気用バルブと熱交換器、加湿空気導入管には加湿空気用バルブと加湿器によって構成されている。
  2. 熱交換器は内燃機関の排気ガスや冷却水等の熱を利用した熱交換器、または、電気式等の熱交換器を使用する。
  3. 加湿器は超音波式または加熱式等の加湿器を使用し、通常は水を加湿するが、その他液体を使用することもできる。
  4. 主空気用バルブ、加熱空気用バルブ、加湿空気用バルブ、熱交換器、加湿器を内燃機関の状態や排出ガスの状態によって制御し、吸入空気温度と加湿量を最適に調整する。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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