JP2006122484A - 生分解樹脂製食器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生分解性樹脂製の食器形状成形体を樹脂塗料で被覆する。生分解性樹脂は脂肪族ポリエステル系生分解樹脂、あるいはポリ乳酸系生分解樹脂であり、樹脂塗料はポリウレタン系樹脂塗料およびアクリル系樹脂塗料から選ばれた樹脂塗料である。生分解性樹脂製の食器形状成形体の表面を、プライマー処理またはプラズマ処理をした後、樹脂塗料で被覆する。
【選択図】なし
Description
しかしながら、生分解性樹脂には、その特徴である分解性と裏腹の関係にある製品の安定性持続性や、耐熱性、剛性といった物性面の適合性など、目的とする用途に合致した樹脂の選択が容易でないといった問題点があった。特に繰り返し使用する用途に適合する容器は提案されていない。
本発明は、十分な耐熱性を有し、軽量で安全性に優れ、使用環境に耐え、耐汚染性を有し、かつ必要なときに生分解性を発揮する樹脂製食器を提供する。
本発明により、十分な耐熱性を有し、軽量で安全性に優れた樹脂を材料とし、厳しい使用環境に耐え、表面の汚れ発生を防止できる樹脂製食器を提供されるので、樹脂製食器に求められる要求を満たすことができる。
また本発明によれば、必要なときに生分解性を発揮する樹脂製食器が提供されるので、環境にやさしい食器を提供することができる。
以下に、本発明の樹脂製食器を詳細に説明する。
本発明の生分解性樹脂としては、ポリ乳酸系生分解性樹脂が好適に使用される。
これらの市販されている生分解性樹脂から、適宜選択して使用することができる。
食器形状成形体の他の層を構成する樹脂としては、メラミン樹脂、ポリプロピレン樹脂などを挙げることができる。
本発明の生分解性樹脂製の食器形状成形体が、生分解性樹脂単独の層である態様は本発明の好ましい態様である。
本発明の生分解性樹脂製の食器形状成形体となる食器形状の成形体の表面を、樹脂塗料で被覆するにあたって表面処理してもよい。表面処理の方法は、従来公知の方法から選択して採用することができる。表面処理の例として、研磨、サンドブラストなどの機械的処理、溶剤洗浄などの液体表面処理、プライマー処理や酸化エッチングなどの化学的処理、コロナ放電処理、火炎フレーム処理、プラズマ処理などの物理的処理などを挙げることができる。表面処理としては、化学的処理および物理的処理が好ましく、中でもプライマー処理、コロナ放電処理およびプラズマ処理が好ましい。
なお、本発明で得られる樹脂製食器の物性は、以下の方法によって測定する。
(1)塗膜層の剥離強度(碁盤目テスト)
JIS K5400の6.15に従って、測定面に巾1mmまたは2mmの碁盤目100個(10×10)を作り、碁盤目の上にJIS Z1322(セロハン粘着テープ)による粘着テープ(1mm目には巾18mm、2mm目には巾24mm)を完全に付着させ、直ちにテープに一端を塗膜面に垂直に保ち、瞬間的に引き離し、完全にはがれないで残った碁盤目の数を調べる。
サンプルに着色材料を付着させて、90℃に設定した乾燥庫中に2時間放置する。サンプルを乾燥庫から取り出して、放冷によって室温まで冷却した後、中性洗剤を含むスポンジで着色材料を除去する。着色材料を付着させた箇所を目視によって観察し、下記の基準で汚染状態を判定した。
○:実質的な着色が認められない。
△:着色が認められたが、薄い着色である。
×:濃い着色が認められる。
生分解性樹脂 レイシア(商品名)(三井化学(株)製ポリ乳酸樹脂)を射出成形して、厚さ2.0mmの椀型食器状成形体を製造した。
得られた食器状成形体を、大気プラズマ処理機(日本プラズマトリート社製)を用いて大気圧プラズマ処理を行った。
プラズマ処理をした食器の表面を、ポリウレタン樹脂塗料(カシュー(株)製汚染防止クリヤー塗料)を用いて塗装し、続いて120℃で1時間乾燥させた。
得られた塗装食器を、沸騰水にて15時間煮沸したのち、常温まで放冷によって冷却したのち、碁盤目試験によって塗膜の接着強度を測定した。
資料食器は5個用意し、1個当たり異なる個所4箇所で碁盤目テストを行った結果、延べ20箇所のテストで、剥離した碁盤目数はゼロであり、塗装面の剥がれはまったく認められなかった。
得られた樹脂製食器について、着色材料としてカレー(試験1)及びケチャップ(試験2)を用いて耐汚染性試験を行った。その結果を表1に示す。表1より本発明の樹脂製食器がすぐれた耐汚染性を示すことがわかる。
実施例1において、生分解性樹脂の椀型食器状成形体のプラズマ処理及びそれに続くポリウレタン樹脂塗料塗装を省略するほかは同様にして生分解性樹脂製食器を製造し、得られた樹脂食器について実施例1と同様にして着色材料としてカレー(比較試験1)及びケチャップ(比較試験2)を用いて耐汚染性試験を行った。その結果を表1に示す。
本発明により、十分な耐熱性を有し、軽量で安全性に優れた樹脂を材料とし、厳しい使用環境に耐え、表面の汚れ発生を防止できる樹脂製食器を提供されるので、樹脂製食器に求められる要求を満たすことができる。
また本発明によれば、必要なときに生分解性を発揮する樹脂製食器が提供されるので、環境にやさしい食器を提供することができる。
Claims (6)
- 生分解性樹脂製の食器形状成形体が、樹脂塗料で被覆されている樹脂製食器。
- 前記生分解性樹脂が、脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂である請求項1に記載の樹脂製食器。
- 前記樹脂塗料が、ポリウレタン樹脂塗料およびアクリル樹脂塗料から選ばれた少なくとも一種の樹脂塗料であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂製食器。
- 前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸系生分解性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂製食器。
- 生分解性樹脂製の食器形状成形体が、生分解性樹脂の層と他の樹脂の層からなる積層体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂製食器。
- 生分解性樹脂製の食器形状成形体の表面を、プライマー処理またはプラズマ処理をした後、樹脂塗料で被覆することによって得られる請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂製食器。
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JP2004316758A JP2006122484A (ja) | 2004-10-29 | 2004-10-29 | 生分解樹脂製食器 |
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JP2004316758A JP2006122484A (ja) | 2004-10-29 | 2004-10-29 | 生分解樹脂製食器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2004-10-29 JP JP2004316758A patent/JP2006122484A/ja active Pending
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