JP2006122052A - ヒト前立腺上皮不死細胞の細胞株およびクローンおよびそれらの研究および前立腺癌治療に対する応用 - Google Patents

ヒト前立腺上皮不死細胞の細胞株およびクローンおよびそれらの研究および前立腺癌治療に対する応用 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、不死化された、悪性ヒト先人前立腺上皮細胞株またはそれから誘導された前立腺癌の診断および治療に有用な細胞株に関する。
【解決手段】より具体的には、本発明は、染色体8p上に存在する、少なくとも一つのヘテロ接合体性の対立遺伝子欠失を有することを特徴とする、クローン化され、不死化された、圧生のヒト成人前立腺上皮細胞株及び癌の診断及び治療のためのこれらの細胞株の使用に関する。さらにまた、本発明は特異的染色体欠失の分析によるこれらの細胞株の特性決定を提供する。
【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は不死化された悪性のヒト成人前立腺上皮細胞株に関連する。本発明はまた、それらの細胞株の個々の細胞クローンにも関連する。本発明はさらに対立遺伝子ヘテロ接合性の喪失の解析によって特徴づけられた、不死化された悪性のヒト成人前立腺上皮細胞の細胞株およびクローンにも関連する。とくに、本発明は自家組織の正常および悪性前立腺上皮細胞の細胞株およびクローンおよびそれらの研究への応用に関連する。本発明はまた前立腺癌の診断および治療におけるその細胞の使用にも関連する。
発明の背景
長期のヒト前立腺癌細胞株をin vitroで確立することが困難であることは前立腺腫瘍形成の理解および前立腺癌に対する新しい治療法の発達に向けての進歩を阻害してきた。今日まで転移損傷から生成された4つの前立腺癌細胞株だけが前立腺腫瘍形成を制御している生物学的および分子的なことがらに関する生体内での実験の大部分に対する基礎を提供してきた。従って、長期の前立癌細胞株が確立されることは学術的、診断的、および治療的に大きな必要性がある。
近年、前立腺癌は米国の男性において最も一般的診断される癌となってきた。本年だけても、新規の前立腺癌は300,000件近く、40,000件以上が死亡していると見積もられており、癌の致死率は肺癌に続いて2位となっている(1)。前立腺癌による死亡は主に転移した疾患に起因しているにも関わらず、新しく診断された患者の60%近くは局在した一次腫瘍を有している。局在した疾患に対しては外科手術および放射線治療がしばしば有効であるが、伝播した転移性の疾患は多くの場合治療不能である。あらゆる科学的努力にも関わらず、前立腺癌の発生及び進行を引き起こす生物学的な事柄に関しては比較的僅かしか知られていない。前立腺癌の治療のための新しい方策の発達には一次前立腺癌の形成及びその転移の進行に関与する細胞および分子的な事柄に対する理解の向上が必要である。
転移性の損傷から生成された4つのヒト前立腺癌細胞株(LNCaP,Du145,PC−3,TSU−Pr1)は大部分の前立腺癌に関する生体内での実験の基盤を提供してきた。一次(非転移性)前立腺癌から短期の細胞株を生体外で培養するための大きな進歩がなされた。それらの進歩は培溶液の発達および新鮮な組織の調製および前立腺上皮細胞の培養技術の改良を含む(3,4)。しかしながら、一次腫瘍由来の長期のヒト前立腺上皮細胞株の確立及びその維持は、生体外での不死化ができない限り不可能であった。そのために、長期の不死化した細胞株を記載した報告は僅かであり、それらは正常な前立腺上皮の培養に限られていた(5,6,7,8)。従って本研究の目標は一次腫瘍に由来する永続的に分裂する前立腺癌細胞株を生成するための信頼できる方法を確立することであった。
さらに、不死前立腺上皮細胞株の確立に固有の困難なことは、正常な上皮細胞と培養された前立腺癌細胞を区別することに伴う問題である。複数の短期前立腺上皮培養細胞に関する過去の細胞遺伝学的な見積りによって局在した前立腺癌から生じた細胞株の大部分は正常な男性の核型を示すことが明らかにされた(9,10,11)。このことは、短期培養細胞の顕微鏡形態の顕著でないこと、および異種移植の完全な不成功とあわせて、ヒト一次前立腺癌細胞の同定及び特徴付けを極度に困難にしていた。
前立腺癌の発生は対立遺伝子の染色体欠失によって表れる潜在的な癌抑制遺伝子の不活化を含む細胞内の複数の遺伝的変化の結果として起こると信じられている(12に解説されている)。新鮮な(培養されていない)一次前立腺癌標本における染色体欠失を調べた初期の研究は染色体10qおよび16q上の対立遺伝子ヘテロ接合性の消失(allelic loss of heterozygosity,LOH)を示している(13,14,15)。それに続く研究は8番染色体短腕上に顕著に高い頻度で対立遺伝子の消失があることを示しており、従って前立腺癌に関連した腫瘍抑制遺伝子の位置の候補のリストの上位に染色体8pはなっている(16,17,18)。さらに、近年の99の微小切除された腫瘍(19)および54の微小切除されたPIN損傷(20)についての、染色体8pの短腕上におけるLOHの調査は、相当する正常な対照群と比べて染色体8p12−21上の腫瘍抑制遺伝子(群)の不活性化の強力な証拠を示した。従って、染色体8p12−21上のこの小さな欠失領域内のLOHを調べることは一次腫瘍に由来するヒト前立腺上皮細胞株の同定および特徴付けのための強力な代替的方法になりうる。
本発明は一次前立腺腫瘍に由来する複数のヒト腫瘍細胞株の生成の成功および特徴的な遺伝学的解析である。
発明の概要
本発明は腫瘍性および正常の前立腺組織に由来する長期のヒト上皮細胞株の単離、不死化、および解析および、これらの細胞株の研究及び前立腺癌治療における応用を提供する。とくに、本発明の目的は、悪性および良性の自家標本の両方に由来する無限増殖能を持った前立腺上皮細胞株を用いて達成された。
本発明の細胞株は上皮細胞腫瘍形成のモデルとして有用である。例えば、本発明の不死化した前立腺上皮細胞株はとくに前立腺癌の腫瘍形成の理解のために有用である。本発明は不死化した良性の成人前立腺細胞株を、不死化した自家性の悪性成人前立腺細胞株とともに、良性から悪性の細胞表現型への変化を引き起こす遺伝学的な出来事を決定することおよび、前立腺癌における遺伝の役割を調べるための試薬として使用することを提供する。
本発明は単離された不死化した悪性のヒト成人前立腺上皮細胞株である。本発明のもう一つの側面は、少なくとも一つの対立遺伝子ヘテロ接合性の消失(LOH)をもつものとして特徴付けられたクローン化された不死化した悪性の成人前立腺上皮細胞株である。本発明のさらなる側面は染色体1、8P、10および/または16上の一つまたはそれ以上の対立遺伝子の消失をもつものとして特徴づけられたクローン化された不死化した悪性のヒト成人前立腺細胞株である。
本発明の細胞株は前もって選択されたタンパク質を生成する方法及び上皮細胞起源のタンパク質を生成する方法において利用され得る。例えば、本発明の細胞株は、診断の指標または免疫学的治療の標的として用いられ得る悪性の前立腺関連タンパク質の単離において有用である。本発明の一つの態様においてはタンパク質の生成の方法は本発明の上皮細胞株の培養の段階および新しい細胞によって生産された一つまたはそれ以上のタンパク質を採集する段階からなる。このようなタンパク質をコードする遺伝子の同定はそのタンパク質またはその一部の効率的な大量生産のための組み替えベクターの構築を可能にする。
本発明の細胞株はまた、例えば化学治療用薬剤、生物学的応答修飾剤、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドのような治療用試薬の前立腺癌に対する効果の生体外での試験にも有用である。
本発明の細胞株はまた前立腺癌の再発を治療または予防するための全細胞ワクチンとしても有用である。全細胞ワクチンはそのままの状態でアジュバンドとともに投与されるかまたは、例えば様々なサイトカイン、ケモカイン、接着分子またはMHC分子をコードする外来遺伝子によって修飾されて投与され得る。
本発明の細胞株はまた、前立腺癌反応性の抗体または末梢血由来の免疫細胞またはリンパ節細胞を増大させるための刺激として前立腺癌患者に対して投与するために治療上有用である。
本発明はまた、免疫系によって認識される前立腺関連抗原の分子クローニングに用いる不死の前立腺細胞株を提供する。これらの抗原はさらに前立腺癌の予防または治療のための組み替えワクチンへと発展される。
本発明はさらに本発明の細胞株の一つまたはそれ以上からなる薬剤組成物、および薬理学的、治療的、および診断的な不死細胞株の利用、および不死細胞株からなる薬理学的組成物を提供する。
本発明のこれらおよびその他の目的は付属の明細書および添付の図表によって明らかになる。
発明の詳細な説明
本発明は正常な前立腺および前立腺癌細胞株を含む数多くの新鮮な外科的標本に由来するヒト成人前立腺上皮細胞株およびそのクローンの単離、不死化、および解析および、それらの研究及び治療に対する潜在的な応用を提供する。
本発明は一般的に不死細胞株および細胞株のクローンおよびここに述べた細胞株の一つまたはそれ以上からなる薬剤組成物、およびそれらの薬剤活性試薬としての使用を提供する。
特に、本発明は不死化した悪性の成人前立腺上皮細胞株を提供するおよび適合する自家不死化した悪性および正常な前立腺上皮細胞株を提供する。不死化した前立腺上皮細胞株は本明細書において1510−CP(前立腺腫瘍)、1512−NP(正常前立腺)、1512−CP、1519−CP、1532−NP(1532−NPTXと記してある1532−NPは1996年2月2日に12301 Parklawn Drive,Rockville,MarylandのAmerican Type Culuture Collection(ATCC)に登録番号RL−12036として寄託された。)、1532−CP,1532CP(1532−CPTXと記してある1532−CPは1996年2月2日にRockville,MarylandのATCCに登録番号CRL−12038として寄託された。)、1535−NP(1535−NPTXと記してある1535−NPは1996年2月2日にRockville,MarylandのATCCに登録番CRL−12039として寄託された。)、1535−SV(貯精嚢、seminal vesicle)、1535−CP(1535−CPTXと記してある1535−CPは1996年2月2日にRockville,MarylandのATCCに登録番号CRL−12041として寄託された。)、1535−CP、1542−NP(1542−NPTXと記してある1542−NPは1996年2月2日にRockville,MarylandのATCCに登録番号CRL−12040として寄託された。)、1542−SV、1542−CP、1542−CP、および1542−CP(1542−CPXと記してある1542−CPは1996年2月2日に12301 Parklawn Drive,Rockville,MarylandのATCCに登録番号CRL−12037として寄託された)。
本発明はまたクローン化された不死化した悪性の前立腺上皮細胞株をも提供する。さらに本発明はまた少なくとも1つの対立遺伝子ヘテロ接合性の消失(LOH)を持つものとして特徴づけられたクローンをも提供する。
一つの態様においてはクローン化された不死化した悪性のヒト成人前立腺上皮細胞株は少なくとも1つの対立遺伝子のヘテロ接合性の消失を持つものとして特徴づけられている。ヘテロ接合性の消失は染色体1、8、10および16といった染色体のうちの一つまたはそれ以上の上に起こり得る。一つの態様においてはクローン化された不死の悪性ヒト成人前立腺上皮細胞株は染色体8pの上の一つまたはそれ以上の遺伝子座にヘテロ接合性の消失をもつものとして特徴づけられている。さらなる態様においてはクローン化された不死の悪性ヒト成人前立腺上皮細胞株は染色体8pの上の遺伝子座12から21に一つまたはそれ以上の対立遺伝子のヘテロ接合性の消失をもっている。
ある態様においてはクローン化された不死の悪性ヒト成人前立腺上皮細胞株はD8S133、D8S136およびD8S131の上部の対立遺伝子の消失をもつものとして特徴づけられる。クローン化された不死化した細胞株はATCC CRL−12265として1997年1月15日にブダペスト条約の規定に基づいてRockville,MarylandのAmerican Type Culture Collectionに供与されたクローン化された不死の悪性ヒト成人前立腺上皮細胞株である1542−CPTX.8.1と同定される特徴を持っている。
もう一つのある態様においてはクローン化された不死の悪性ヒト成人前立腺上皮細胞株はD8S133、D8S136およびD8S131の上位の対立遺伝子の消失をもつものとして特徴づけられている。クローン化された不死化した細胞株はATCC CRL−12264として1997年1月15日にブダペスト条約の規定に基づいてRockville,MarylandのAmerican Type Culture Collectionに供与されたクローン化された不死の悪性ヒト成人前立腺上皮細胞株である1542−CPTX.8.4と同定される特徴を持っている。
もう一つのある態様においてはクローン化された不死の悪性ヒト成人前立腺上皮細胞株はSFTP−2、D8S136およびC8S131の下位の対立遺伝子およびC8S133およびNEFLの上位の対立遺伝子の消失をもつものとして特徴づけられている。クローン化された細胞株はATCC CRL−12263として1997年1月15日にブダペスト条約の規定に基づいてRockville,MarylandのAmnerican Type Culture Collectionに供与されたクローン化された不死の悪性ヒト成人前立腺上皮細胞株である1535−CPTX.14.3と同定される特徴を有する。
本発明の細胞系およびクローン細胞はヒトパピローマウィルス(HPV)遺伝子またはその一部を用い、不死化される。ある具体例として、悪性細胞は組換えレトロウィルスのE6およひE7をコードするHPVの部分を用い不死化される。本発明の不死化した悪性前立腺上皮細胞の培養細胞は、1年以上にわたり安定で生存可能のままである。
本発明はヒト成人前立腺上皮細胞の純粋な細胞系の単離およびクローン化の方法を提供するものである。特に、この方法は細胞培養から非上皮細胞、特に線維芽細胞を除去するのに効果的である。この方法は一次腫瘍を、形態的に正常な前立腺および悪性の前立腺に類似の細胞または組織へ精密に切開することを必要とする。線維芽細胞の成長を阻害するために牛胎児血清および/またはコレラトキシンをほとんど含まない、またはまったく含まない培地で培養される。分別トリプシン処理も培養中の前立腺上皮細胞から線維芽細胞を除去するために用いられる。その結果、上皮細胞系は90%以上、好ましくは100%純粋である。引き続き行う細胞系のクローン化の結果、細胞は100%純粋な上皮細胞となる。
本発明のもう一つの面は不死化した悪性前立腺上皮細胞の選択の方法である。以前の当該技術分野においては、悪性前立腺上皮細胞を正常な前立腺上皮細胞から区別する方法として、PSA発現、PAP発現、アンドロゲンによるPSA系の正の制御(up−regulation)、ヌードマウスにおける悪性腫瘍の増殖、および異数体の核型などのマーカーを用いてきた。しかし、これらのマーカーでは、悪性の前立腺上皮細胞を正常細胞から確実に区別することはできない。ヘテロ接合体の喪失を指標とする、本発明の不死化した悪性の前立腺上皮細胞の選択の方法は、恒常的で再現性のある選択の方法を提供する。この方法は特定の染色体上の対立遺伝子座の特異的な欠失を同定する、少なくとも一つのDNAマーカーを利用する。この方法の態様として、DNAマーカーは8番染色体上の対立遺伝子座の特異的欠失を同定する。この方法は、特定の染色体上の一つ以上の対立遺伝子座の欠失、または複数の染色体上の対立遺伝子座欠失を同定するために多くのDNAマーカーを用いるだろう。
悪性細胞を検出および同定する方法において、特定の染色体上の遺伝子座に特異なPCRプライマーを、不死化した前立腺上皮細胞系から単離したDNAと保温し、PCR検定を行う。既知の正常細胞から得たDNAコントロールとの比較により、増幅産物を一つまたはより多くの遺伝子座位についてLOHを解析する。LOHの基準は、正常なDNAコントロールとの比較で、最低75%の対立遺伝子座欠失が悪性細胞で放射線写真により検出されることである。当該技術分野において通常の知識を有するものに知られる他の方法は、差異を検出するためのデンシトメーター解析を含み、LOHの基準は悪性細胞で最低30%の対立遺伝子座欠失が検出されることである。
本発明の不死化した悪性前立腺上皮の細胞系およびクローンは、正常な前立腺細胞では見いだされないまたは活性でない、悪性前立腺上皮細胞に特異的または過剰発現している新規遺伝子の同定にも役立つ。この新規遺伝子には癌誘導遺伝子、増殖因子遺伝子、癌遺伝子、癌抑制遺伝子が含まれるが、これに限らない。これらの遺伝子は当該技術分野において通常の知識を有するものに知られる、標準差し引きハイブリッド形成、差異表示法、または標本差異解析(RDA)(51,52)などのRNA差し引き解析の方法を用いて同定される。新規遺伝子は当該技術分野において通常の知識を有するものに知られる標準的分子生物学の技術を用いてクローニングされる。前立腺ガンの発達に関与する新規遺伝子の同定は、前立腺ガンの阻害または抑制に役立つ反コード鎖オリゴヌクレオチドの開発(42)または組換えDNAワクチンの開発を可能とするだろう。
本発明の細胞系は上皮細胞癌遺伝子学のモデルとして役立つ。例えば、本発明の前立腺上皮細胞系は、とくに前立腺ガンの腫瘍化を理解する上で役立つ。本発明は良性から悪性へと細胞の表現型が変わるときの遺伝学的出来事を規定する指示薬として、同じ患者由来の悪性前立腺細胞系との組み合わせに用いるため、および前立腺ガンの遺伝形質の役割の調査のための良性の前立腺細胞系を提供する。
本発明の細胞系は前選択タンパク質またはその一部の生産方法や悪性前立腺上皮細胞起源タンパク質の生産の方法に利用することが可能である。例えば、本発明の細胞系は診断のためのマーカーまたは免疫治療の標的として働く前立腺ガン関連タンパク質の単離に役立つ。発明の具象において、タンパク質の生産方法は、本発明の上皮細胞系の培養の工程、および新規細胞により産生される一つまたはそれ以上のタンパク質の回収の工程を含むように規定される。そのようなタンパク質をコードする遺伝子の同定は、標準的科学技法を用い、組換えベクター、およびタンパク質またはその一部の効率的大容量生産のための宿主細胞の構築を可能とする。
本発明は、前立腺ガン関連タンパク質またはその一部を発現する新規組換えウィルスを含む。組換えウィルスは一つまたはそれ以上の共刺激分子、サイトカイン、MHC分子、ケモカイン、および前立腺ガン関連タンパク質またはその一部に対する免疫応答を増強する類似の分子を発現するだろう。組換ウィルスベクターによる外因性遺伝子産物の構築および発現は、当該技術分野において通常の知識を有するものに知られる方法でおこなう(43−50)。
本発明は不死化したヒト成人前立腺上皮細胞系またはクローン由来のDNAまたはRNAを含む。興味深いことは、不死化したヒト悪性成人前立腺上皮細胞から単離したDNAまたはRNAはLOHを示す。また、興味深いのは、調和した自家移植をした、不死化ヒト正常細胞、および悪性成人前立腺上皮細胞由来のDNAおよびRNAである。単離したDNA、およびRNAまたはそれらのオリゴヌクレオチドは前立腺ガンまたは個体の前癌の検出および診断に用いられるだろう。DNA、および器Aまたはオリゴヌクレオチドは、サザンブロット解析、ノザンブロット解析、PCR、RT−PCRおよび前立腺ガンまたは前癌の検出および診断に用いられる解析などの標準的分子生物学の技法で用いられるプローブ探査および/またはプライマーとして用いられる。興味深いことは、1、8、10および16番染色体などの一つまたはそれ以上の染色体上の対立遺伝子座の欠失を有するDNAと対応するRNAである。特に興味深いのは、8番染色体上の一つまたはそれ以上の対立遺伝子座の欠失を有するDNAと対応するRNAである。
前立腺ガン抗原またはその抗原基(エピトープ)をコードするむき出しのDNAは前立腺癌に対する活発な免疫治療のために用いられるだろう。当該技術分野において知られる技術を用いて、コードされる前立腺ガン抗原またはその抗原基に対する細胞性および体液性の両方の免疫反応を誘導するために、むき出しのDNAまたは脂質に結合させたむき出しのDNAを筋肉または皮膚へ注射することができる(33−41)。
本発明の細胞系は生体内または試験管内での前立腺癌に対する治療薬の効果の検定にも役立つ。例えば、化学治療薬、生体反応調節剤、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドなどの遺伝的試薬について、この効果をスクリーニングできる。検定すべき化学試料または薬剤は生体内または試験管内で細胞存在下に置かれる。適当な期間の露出後、細胞に対する化学試料または薬剤の効果は、細胞毒素検定、タンパク質阻害検定、腫瘍増殖の阻害などの当該技術分野において知られる方法により検定される。生命維持に必要な代謝機能を阻害する、または細胞を殺す化学試料または薬剤は効果的な治療薬と考えられる。
本発明の細胞系およびクローンは、前立腺ガンの治療または再発を防ぐための全細胞ワクチンとしても役立つ。全細胞ワクチンは、そのままで、佐剤との組み合わせで、又は例えはさまざまなサイトカイン、ケモカイン、共刺激分子、接着分子、MHC分子などをコードする外因遺伝子(トランスジーン)により修飾した形で投与される。そのような修飾は、本発明の免疫原およびワクチンの免疫治療効果を高めるために用いられる。
遺伝子は、エレクトロポレーション、ポリブレン誘導DNA導入、プラスミドや組換えウィルスなどを介して、などでの当該技術分野において知られる方法により、不死化したヒト悪性前立腺上皮細胞系またはクローンへ組み込まれる。一つまたはそれ以上の目的の遺伝子を含む組換えウィルスはWO94/16716,WO96/11279およびWO96/10419に記載されるように構築される。
本発明において用いることができる共刺激分子は、B7−1,B7−2,B7−3,ICAM−1,LFA−1,LFA−3,CD72などを含むがこれらには限らない。
本発明において利用できるサイトカインはIL−2,GM−CSF,TNFα,IFNγ,IL−12,IL−4,IL7などを含むがこれらには限らない。
MHC分子はクラスI、クラスII分子などを含むがこれに限らない。非標準MHC分子、またはCD1などのMHC類似分子もまた用いられるだろう。
ケモカインは、RANTES,IL−8,MIP1−α,MIP−βなどを含むがこれらには限らない。
本発明の細胞系は、前立腺ガン反応性抗体を生じる刺激剤、または末梢血またはリンパ節の細胞由来の免疫細胞の刺激剤として、前立腺ガン患者の処置のための治療上有益である。
本発明は免疫系に認識される前立腺ガン関連抗原の分子クローニングへの使用のための不死化した前立腺細胞系を提供する。クローニングされた抗原は前立腺癌の抑制または治療のための組換えワクチンへと開発される。
さらに本発明は、本発明の不死化細胞系からなる薬剤化合物、並びに不死化細胞系および不死化細胞系からなる薬剤組成物の薬理的、治療的、および診断的使用を提供する。
薬剤組成物、ワクチンおよび免疫原は薬理分野において通常の技術を有するものに知られる標準的技術に従い調製される。そのような組成物は、患者に対し患者に必要な投薬量を当該技術分野において通常の技術を有するものに知られる技術で、患者ごとの年齢、体重、及び体調などの因子およびを考慮に入れ、適した投薬方法により投薬されることが可能である。
組成物、ワクチンおよび免疫原による免疫化の方法は、非経口的方法(静脈注射、腹膜下注射、皮内注射、筋肉注射または皮下注射)であろう。組成物、ワクチン、および免疫原は腫瘍隗へ直接投与してもよい。さらに、組成物は試験管内において抗原特異な細胞毒性Tリンパ球を刺激するために用い、そののちこのリンパ球を患者に戻すこともできる。
組成物、ワクチン、および免疫原は、ミョウバン、不完全フロイント佐剤、およびその類似物、サイトカイン、共刺激分子、ケモカイン、接着分子、HMC分子などの佐剤とともに共投与または連続投与されるだろう。さらに、組成物、ワクチン、および免疫原は、抗新生物薬、抗腫瘍薬、抗癌薬として、および/または抗新生物薬、抗腫瘍薬、抗癌薬の副作用を減少させるあるいは緩和させる薬剤とともに共投与または連続投与されるだろう。
ワクチンまたは本発明の組成物の例は、懸濁液、シロップ剤、エリキシル薬、および非経口として皮下注射、皮内注射、筋注射、または静脈注射などのための調製などの液体製剤を含む。薬剤組成物は、滅菌水、生理食塩水、グルコースなどの安定な担体、希釈液、または補形剤とともに混合されるだろう。
処置の効果は、悪性細胞または前立腺癌のペプチドまたはそれらの一部分を認識する抗体または免疫細胞の産生、抗原特異細胞毒性の評価、特異的サイトカインの産生、または腫瘍の後退により検定されることが可能である。
不死化したヒト成人前立腺上皮細胞またはその一部分はキットの型式で供給されるだろう。そのキットは一つまたはそれ以上の不死化ヒト成人前立腺上皮細胞またはその一部分を含むだろう。その一部分とは溶解した細胞、細胞断片、細胞間物質、細胞外成分、タンパク質、DNA、RNA、糖脂質などを含む。キットは自己由来のヒト成人悪性不死化前立腺上皮細胞またはその一部分を、自己由来のヒト成人正常不死化前立腺上皮細胞またはその一部分との組み合わせで含んでもよい。ある態様において、キットは不死化したヒト成人正常細胞系、1532−NPと自己由来不死化ヒト成人悪性細胞系、1532−CPおよび/または1532−CPの組み合わせからなる。別の態様においては、キットは不死化したヒト成人正常上皮細胞系、1535−NPと自己由来不死化ヒト成人悪性細胞系、1535−CP、1535−CPおよび/または1535−CPTX.14.3.の組み合わせからなる。また、別の態様において、キットは不死化したヒト成人正常上皮細胞系、1542−NPと自己由来不死化ヒト成人悪性細胞系、1542−CP、1542−CP、1542−CP、1542−CPTX.8.1.および/または1542−CP3TX.8.4.のうち一つまたはそれ以上との組み合わせからなる。キットは適当な担体、希釈液、補形剤を含む個別の容器を含んでもよい。キットは、佐剤、サイトカイン、共刺激分子、ケモカイン、接着分子、MHC分子、抗新生物剤、抗腫瘍剤、免疫検定試薬、PCR試薬、放射線標識なども含んでもよい。付加的に、キットは材料の混合または結合、および/または投与の教本を含むだろう。
ここで用いられた「不死化した」という用語は、細胞系が、ガラス器具ないにおいて最適な増殖培地で培養したとき、老化することなく連続的に増殖するということを意味する。
本発明はこの発明の細胞系に対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体を含む。これらの抗体は本発明の方法で用いる抗体含有組成物の調製に用いられることが可能である。抗体は当該技術分野において通常の技術を有するものに知られる方法に従い調製される。特に、本発明の不死化した前立腺細胞系に対し産生されたモノクローナル抗体は、前立腺ガンの検出および治療への使用に有用である。抗体またはその抗原結合部位は悪性前立腺細胞に結合する。抗体またはその抗原結合部位は、少なくとも一つの前立腺腫瘍拒絶抗原、または少なくとも一つの前立腺ガン関連抗原およびその抗原基に対し免疫反応性を有する。
例示的抗体分子は、完全イムノグロブリン分子、実質的完全イムノグロブリン、またはF(ab)、F(ab)2、およびF(v)を含む抗原結合部位を有するイムノグロブリン分子の部分である。ポリクローナルまたはモノクローナル抗体は当該技術分野において通常の技術を有するものに知られる方法に従い調製される(Kohler and Milstein,1975 Nature 256:495−497;Campbellモノクローナル抗体技術、ゲッシ動物とヒトのハイブリドーマの製造と特徴Burdon et al(eds)(1985),生化学および分子生物学における研究技術13巻、Elsevier Science Publishers,Amsterdam)。抗体またはその一部分は、Traunecker et al The EMBO J.10(2):3655−3659,1991およびMilenic,D.E.et al Cancer Research 51,6363−6371,191およびヒト型抗体に関しては米国特許第5,530,101に記載されるように、キメラ抗体、一本鎖抗体技術を含む遺伝工学的技術により製造されるだろう。
抗体またはその一部は免疫治療に用いられるだろう。抗体またはその一部は単独で、または当該技術分野において知られる化学治療剤または免疫抑制剤とともに投与されるだろう。
抗体またはその一部は特に悪性前立腺細胞を標的し、殺傷するための免疫毒素としても用いられるだろう。免疫毒素は2つの構成要素により特徴づけられ、試験管内、または生体内において選択的に細胞を殺傷するのに特に有用である。一つの構成成分は、細胞が接触または吸収されたとき、通常は細胞に致死的に作用する細胞毒性剤である。2つめの構成成分は、輸送媒体として知られ、毒性剤を悪性前立腺細胞など、特定の細胞型に対し輸送する手段を提供する。2つの構成成分は、さまざまなよく知られる化学的段階により互いに結合される。例えば細胞毒性剤がタンパク質のとき、抗体への連結はヘテロ二官能性架橋剤、例えばSPDP、カルボジイミド、グルタルアルデヒド、およびその類似体などによって行われるだろう。さまざまな免疫毒素の産生の手順は、当該技術分野においてよく知られている、例えば「モノクローナル抗体−毒素融合体:魔法の弾薬を目指して」、Thorpe et al,臨床薬におけるモノクロナル抗体,Academic Press,pp.168−190(1982)の中に見られる。構成成分は、Chaudhary et al Nature 339,394(1989)に概説されているようにして連結することもできる。
さまざまな細胞毒素は免疫毒素における使用に適している。細胞毒薬剤は、ヨウ素−131または他のヨウ素同位体、イットリウム−90、レニウム−188、ビスマス−212、または他のα線放出体などの放射線核種や、ビンデシン、メトトレキサート、アドリアミシン、タキソール、およびシスプラチナムなどの多くの化学治療薬や、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、シュードモナス外毒素A、リシン、ジフテリア毒、リシンA鎖およびこれらの類似物(Chimeric oxins,Olsnes and Phill,Phannac.Ther.25,355−381(1982)のようなリボソーム阻害タンパク質、およびMonoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy,eds.Baldwin and Byers,pp.159−179,224−266,Academic Press,1985を参照)などの細胞毒タンパク質を含むが、これらに限らない。
診断の目的に対し、抗体は標識または非標識のどちらでも用いられるだろう。非標識抗体は他の標識された抗体との組み合わせで用いられるだろう。放射線核種、蛍光、酵素、酵素基質、酵素共因子、酵素阻害剤、試薬、およびそのようなものなど多くの種類の標識が用いられる。多くの型の免疫検定が有用であり、当該技術分野において通常の技術を有するものにより知られる。
本発明中の細胞系、遺伝子、タンパク質、および抗体はさまざまな治療および診断に有用である。より特異的な例証を以下に記載する。
明記した参考文献は参照により本明細書に援用される。
実施例1
(1)培養上皮細胞系列が生成された患者の性質
前立腺上皮細胞系列が、中ないし高度の段階(Gleason段階6−8)の腫瘍を持つ点で一貫性のある6人の患者に由来する根治的前立腺切除の標本から生成された。(表1を参照のこと。)細胞の培養は、新鮮な根治的前立腺切除標本から切除された一次腫瘍結節の機械的な破壊または酵素的な消化によって生成された。培養方法の詳細な記述は実施例2を参照のこと。
表1:前立腺癌患者:臨床情報
Figure 2006122052
(2)組織標本の病理学的解析
前立腺癌細胞系列の生成に使用した新鮮な組織標本の病理学的解析によって、ある癌標本は純粋な腫瘍であり、別のものは良性および悪性細胞の混合物から成ることが明らかになった。標本の予備的同定は、技術を有する病理学者による肉眼による試験に委ねられた。表2を参照のこと。顕微鏡による同定は技術を有する病理学者による10ヶ所の高拡大視野の試験に委ねられた。BPH=良性前立腺肥大、PIN=前立腺上皮細胞間新生物。a=細胞型の混合物、b=80%の標本が良性の筋繊維間質からなる。c=ひとつの顕微鏡学的な癌の細胞増殖巣が認められた。
表2:新鮮な前立腺標本の病理学的解析
Figure 2006122052
(3)前立腺由来細胞系列の上皮起源の確認
前立腺由来細胞系列の上皮起源はサイトケラチン染色により確認された。高分子量および低分子量サイトケラチンの両方が、6個の根治的前立腺切除標本(正常前立腺、前立腺癌、正常精嚢)に由来する16の細胞系列すべてにおいて発現されていた。いずれの前立腺由来の細胞系列も(但し、1519−CPの早期継代は除く)PSAまたはPAPを発現しなかった。表3を参照のこと:F=線維芽細胞、NP=正常前立腺、SV=精嚢、CP=癌腫前立腺、a=高分子量および低分子量サイトケラチンの両方を含む、b=PSAおよびPAPの発現が培養継代数5において記録されたが、試験管内(in vitro)での継代を続けた後に消えた。c=観察された染色はバックグラウンドである可能性があった。
表3:不死の前立腺上皮細胞系列の免疫細胞化学的解析
Figure 2006122052
(4)細胞表面の表現型の確認
細胞表面の表現型の確認は実施例II表6に記載した。
(5)前立腺上皮細胞系列の遺伝学的解析
第8染色体における対立遺伝子の欠失はPINおよび侵食性前立腺癌と関連しており、したがって、前立腺癌標本由来の上皮細胞系列の性質決定のための代替的方法を示唆している。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を用いた、染色体8p上の10個の分離した遺伝子座における対立遺伝子の欠失試験により、試験を行った9系統のクローン化されていない癌由来の細胞系列中の1系統において、1個の遺伝子座におけるヘテロ接合性の欠失(LOH)が明らかになり、これが確立された長期の一次前立腺腫瘍細胞系列であることを示唆している。試験管内(in vitro)での培養のためには、最も純粋な腫瘍断片を分離することに細心の注意を払ったが、引き続きいて、元の腫瘍標本を顕微鏡で評価したところでは、良性の上皮、BPH、PIN、および/または侵食性の腫瘍からなる変動性の混合物であり(表2を参照)、LOHが隠されているおそれがあったため、正確な性質決定のためには上皮細胞のクローン化を必要とした。本明細書に記載されている前立腺細胞系列の最終的な遺伝学的性質決定、および前述の系列の単一細胞のクローン化は以下に記載した。
実施例2
不死悪性前立腺上皮細胞の単一細胞のクローン化および性質決定
材料および方法
一次細胞培養の生成
細胞系列の産生に使用した組織標本は、中度から高度の局地的前立腺癌(Gleason段階6−8、腫瘍段階T2CからT3C)の治療のためにNCIにおいて根治的前立腺切除を実行中の6人の連続的患者から得られた。手術室から直接得られた新鮮な切除前立腺は無菌条件下で熟練病理学者によって分離された。肉眼による検査において正常な前立腺、前立腺癌、または正常な精嚢と称される組織は、細胞培養を産生する目的で別個に分離された。培養は機械的な破壊(直径<1cmの断片)または酵素的な消化(>1cm断片)(21)によって生成された。1510番および1512番の患者から得られた標本は酵素的な消化により調製され、その後の培養は機械的な破壊によって生成された。酵素的消化のために、細分された組織は100mlの消化培地に懸濁し、撹拌板上に室温で一晩放置した。その結果生じた単一細胞の懸濁液を滅菌されたPBSによって洗浄し、増殖培地(以下を参照)に再懸濁し、ラット尾部I型コラーゲン(Collaborative Biomedical Products,Bedford,MA)で覆われた6穴プレートに分配した。標本の機械的破壊のためには、組織断片を少量の増殖培地中で2−3mm四方の立方体に注意深く細分し、その結果生じた組織および細胞の懸濁液を6穴プレートに分配した。全ての培養は1穴あたり1mlの体積で生成され、37度、5%COで保温された。生育中の細胞および組織を固定化し、およびプレートに接着させるために、それらを2−3日間静置した。次に、未接着の残留断片を注意深く吸い取り、穴を3−5mlの新鮮な培地で満たした。培養培地は規則的に2−4日毎に取り替え、増殖している着生細胞は次にトリプシンによる脱離処理を行った。確立した増殖培養物は組織培養フラスコ(Falcon,Becton Dickinson,Lincoln Park,NJ)の中で維持した。前立腺および精嚢上皮細胞系列のための増殖培地は、25μg/mlウシ脳下垂体抽出物、5ng/ml上皮増殖因子、2mM L−グルタミン、10mM HEPES緩衝液、抗生物質、および5%熱不活化ウシ胎仔血清(FBS)(Biofluids,Rockville,MD)を含む、ケラチノサイト血清欠乏培地(ケラチノサイト−SFM。GIBCO−BRL,Grand Island,NY)からなる。新鮮な組織標本からの上皮培養の生成のためには、FBSの濃度を1−2%に減少し、および/または夾雑的線維芽細胞の増殖から保護するために10−20ng/mlの濃度でコレラ毒素(Sigma,St.Louis,MO)を添加した。まれに上皮細胞培養液に線維芽細胞が残存する場合は、純粋な上皮細胞培養物を獲得するために、分別的トリプシン処理(37℃で1−2分保温し、次に、さらに着生した上皮細胞を残すために遊離の線維芽細胞を洗浄除去する)が非常に成功した。
自己由来の線維芽細胞系列は良性の前立腺間質組織の機械的な破壊から産生され、10%熱不活化FBSを含むRPMI 1640培地で培養された。自己由来のエプスタイン−バーウイルス感染B細胞系列は標準的な技術を用いて産生され、RPMI 1640+10%FBSにおいて培養された。
転移性前立腺癌細胞の培養
着生の細胞系列LNCaP、DU145、PC−3(ATCC,CRL1740,HTB81,CRL1435の各々)およびTSU−Pr1(Johns Hopkins大学,Baltimore,寛大にもMDのWilliam Issacs博士より提供された;Iizumi et al.,J.Urol.137:1304−1306,1987に記載されている)を10%FBSを添加したRPMI 1640培地において維持した。
一次細胞培養の不死化
細胞培養の不死化は、活性的に増殖している細胞を、ヒト乳頭腫ウイルス血清型16(HPV16)のE6およびE7形質転換タンパク質および真核生物選択マーカーであるネオマイシンリン酸転移酵素をコードするLXSN16E6E7と称されるレトロウイルス(寛大にもDenise Galloway博士,Fred Hutchinson Cancer Research Center,Seattle,WAより提供された)(22)によって形質導入することにより達成された。不死化の調製において、短期上皮細胞培養(培養継代1−3)を1:2に分け、少なくとも48時間、6穴プレートにおいて再接着させ、50−60%の集密状態の培養を得た。LXSN16E6E7組換えウイルスによる形質導入は、培養培地を、10μg/ml DEAE−デキストラン(Sigma)の存在下で24時間の間レトロウイルス産生系列PA317(22)から収集した培養上清に置き換えることにより達成された。
不死化された細胞培養の単一細胞のクローン化
不死上皮細胞培養のクローン集団はLOH性質の研究のために産生された。簡潔に述べると、集密的な細胞培養をトリプシンにより採収し、洗浄および計数をおこなった。細胞は、ケラチノサイト増殖培地(上を参照)において2−5細胞/mlの濃度に連続的に希釈し、96穴・平底微小培養プレートの穴8−10個に200μl/穴(≦1細胞穴)ずつ分配した。DNA抽出および低温保存のための十分な細胞を確保するために、<1細胞/穴の希釈に起源をもつ集密細胞を24穴プレートに展開した。
免疫細胞化学的解析
不死化された培養細胞の免疫細胞化学的研究のために、細胞をトリプシンで採収し、洗浄し、ペレットにした。細胞のペレットは次に10%緩衝化ホルマリンで固定し、パラフィンで包囲した。前立腺標本由来の新鮮な組織断片もまたホルマリンで固定し、パラフィンで包囲した。新鮮な腫瘍標本および培養した細胞塊から5ミクロンの切片を調製し、帯電したスライドの上に乗せた(Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)(23)。アビジン−ビオチン・ペルオキシダーゼ複合体法および以下の一次抗体を用いて免疫細胞化学を行った:抗ヒト前立腺特異的抗原(PSA)モノクローナル抗体(Dako Corp,Carpenteria,CA);抗ヒト前立腺アシッドホスファターゼ(PAP)ポリクローナル抗体(Dako Corp,Carpentania,CA);抗ヒトサイトケラチンCAM5.2(Becton−Dickinson,San Jose,CA);および抗ヒトサイトケラチンAE1/AE3(Boelinger−Mannheim,Indianapolis,IN)。細胞系列および腫瘍組織断片は細胞の染色の割合(<25%,25−50%,50−75%または>75%)および染色強度(1+から4+まで)をもとに評価した。
フローサイトメトリー
将来的な研究およびさらなる性質決定のために、長期前立腺上皮細胞系列における免疫学的に重要な表面分子の発現量を決定することは興味深いことであった。不死化された細胞培養を採収し、以下のモノクローナル抗体による染色をおこなった:CD54(抗ICAM−1),CD80(抗7.1),CD86(抗7.2)(Becton−Dickinson),W6/32(抗HLA−A,B,C)およびL243(抗HLA−DR)(ATCC,Rockville,MD)(21)。MHC分子の表面での発現を増強させるために、フローサイトメトリー解析の前に細胞をIFN−γ500U/mlの存在下で72時間培養した。
顕微解剖およひDNA抽出
ホルマリンで固定しパラフィンで包囲した組織試料由来の正常な前立腺上皮細胞または侵食性腫瘍細胞の、選択した細胞増殖巣の顕微解剖は既に記載したとおり直射光顕微鏡可視化のもとで行われた(24,25,26)。簡潔に述べると、未染色のホルマリン固定およびパラフィン包囲した5ミクロンの組織学的組織断片をスライドグラス上に調製し、およびキシレンによって2回脱パラフィン化し、95%エタノールで2回洗浄し、エオシンで染色して風乾した。隣接した断片はヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。興味のある特異的細胞をエオシン染色したスライドグラスから選択し、改良を加えた使い捨ての30ゲージの針で顕微解剖した。DNAは顕微解剖により得られた1−5X10個の細胞から抽出した。場合によっては、癌または正常な上皮の分離した隣接する一つ以上の細管に由来する細胞を組み合わせた。DNAはまた活性的に増殖している不死化された培養から得られた1−5X10個の細胞からも抽出した。細胞は即座に、0.01M TRIS−HC1 pH8.0,1mM EDTA,1%Tween 20,および0.1mg/mlプロテイナーゼKを含む溶液(顕微解剖した細胞に対しては20μl、または培養細胞に対しては200μl)に再懸濁し、37℃で一晩インキュベートした。インキュベーションに続いて、プロテイナーゼKを不活化するためにその混合物を5−10分煮沸し、次のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)解析のために4℃で保存した。
ヘテロ接合性の欠失の検出
染色体8p12−21におけるLOHの検出のために使用した多DNAマーカーにはSFTP−2,D8S133,D8S136,NEFL,D8S137,D8S131,D8S339,およびANKを含めた。DNAミクロサテライトマーカーを増幅するために使用したPCRプライマーの組は以下の通りである:
Figure 2006122052
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PCRは既に記載されたように行われた(19)。簡潔に述べれば、12.5μl PCR反応混合物は、200μM dATP,dGTPおよびdTTP;40μM dCTP;0.8mMプライマー(Research Genetics,Huntsville,Ala.,またはApplied Biosystems DNA合成機において合成された);2μCi[α32P]dCTP;16μM塩化テトラメチルアンモニウム(27);1X PCR反応緩衝液(1.25mM MgClを含む)および1ユニットのTaqポリメラーゼ(Boelinger Mannheim)を含めた。マーカーD8S133およびD8S137においては生成産物の増幅および精度を改善するために5%DMSOを加えた。すべてのマーカーについて反応は以下のように行われた:95℃2分、次に28から40サイクル(マーカーに依存する)のアニーリングおよび伸長反応(95℃30秒、アニーリング温度で30秒、および72℃30秒)および72℃で2分間の保温と続けた。各々のマーカーに対するアニーリング温度は、プライマーの長さおよび組成に基づく最初の推算から経験的に決定した。
標識された増幅DNA試料を90℃で5−10分変性し、7%アクリルアミド(30:0.8アクリルアミド:ビスアクリルアミド)、5.6M尿素、32%ホルムアミドおよび1X TBE(0.089M Tris pH8.3、0.089Mホウ酸、0.002M EDTA)からなるゲルにのせた(28)。試料は95で2−4時間電気泳動した。ゲルは配列決定用ゲルろ紙(Bio−Rad)に転写し、Kodak X−OMATフィルムによって放射線写真を行った。LOHの基準は、一つのアリルにおいて、自己由来の新鮮なPBL対照と比較して少なくとも75%の欠失として、3人の独立な検査員による直接可視化によって決定された。十分な量のDNAが使用可能な場合は、LOHは少なくとも2種類の独立した実験によって証明した。
結果
細胞培養のための組織獲得
一次(非転移性)標本由来の不死前立腺腫瘍細胞系列の生産には従来困難が伴うことが知られていたため、先ず最も大きな粗悪な外見の癌小結節(1から3cm)が、培養細胞を生産するための新鮮な組織原として選択された。次に最初の3試験(患者1510、1512、1519)由来の隣接する組織分画の顕微鏡観察にから、「癌」標本には良性前立腺上皮、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺上皮内腫瘍形成(PIN)および浸潤性癌細胞の様々な混合物が含まれることが判明した。しかし、患者1512および1519由来の「正常」標本は良性の前立腺上皮のみから構成されていた(表2)。
後の患者から癌細胞系列を生成するための純粋癌細胞を得る可能性を上昇させるために、小組織断片(<1cm)が組織培養、凍結およびパラフィン切片用の隣接切片とともに獲得された。さらに、可能な場合には、複数の別々の癌組織断片が培養細胞作製のために個々の標本から選択された。これらのより緊縮な条件を用いることにより、3つの根本的前立腺除去手術標本(患者1532、1535、1542)について7回中6回の試験で少なくとも95%の腫瘍形成細胞(PINと侵入腫瘍)を含む組織切片を獲得することが可能であった。さらに、3つの良性前立腺上皮細胞系列および2つの良性精嚢上皮細胞系列の生成に適した組織断片が、これらの根本的前立腺除去手術標本から解剖摘出することに成功した(表2)。
前立腺由来細胞系列の不死化および免疫細胞化学的分析
表2に示された17組織標本(患者1519由来正常前立腺)のうち1つを除いて全てが短期間培養で容易に確立された。しかし、細胞増殖は比較的遅く、5−6週間以上の生存能力のある活発に成長する培養細胞を確立するためには、試験管内での上皮培養細胞の不死化が必要であった。粘着性単層培養細胞が、HPV16のE6およびE7形質転換タンパク質をコードする組換えレトロウイルスで2または3継代に渡って形質転換され、その結果16個の長期上皮細胞系列が生じた。そのうち4個は正常前立腺由来、2個は精嚢由来、10個は一次癌標本由来である。さらに、4患者の前立腺ストロマから生成した不死繊維芽細胞系列が確立された。形質転換の成功は、1mg/ml濃度のG418中での細胞生存率、および同時に観察された非不死化培養細胞に比べて、50培養継代以上の細胞生存率の増加と増殖の速さにより確認された(図1A)。顕微鏡下で、全ての不死化前立腺上皮細胞系列は良性組織由来か悪性組織由来かによらず同じ形態を示した。即ち、培養細胞の形態は良性細胞を悪性細胞から区別するための指標にはならない(図1B)。
前立腺由来の細胞系列の上皮および前立腺起源を確認するために、免疫細胞化学分析が活発に増殖する不死培養由来の細胞塊に対して行われた(表3)。正常前立腺由来、正常精嚢由来および前立腺腫瘍標本由来のものを含む、当研究室で生成した全ての上皮細胞系列により、高および低分子量サイトケラチンが発現された。75%以上の細胞が、確立された転移性前立腺腫瘍細胞系列LNCaP、DU145、PC−3およびTSU−Pr1で観察された染色と同程度の強度4+で染色された。即ち、これらの培養の上皮起源が確証された。対照の繊維芽細胞系列または黒色腫細胞ではいかなる有意なサイトケラチン発現も観察されなかった。
サイトケラチン発現陽性によって、一次前立腺腫瘍標本から生成した細胞系列が事実上皮起源であることが示されたが、これらの培養細胞による前立腺関連タンパク質PSAおよびPAPの発現を検査することも同様に重要であった。患者1519から生成した不死前立腺腫瘍由来細胞系列(1519−CPTX)のみが、5培養継代後もこれらのタンパク質を検出可能なレベルで発現した(各々、>75%の強度2−3+の細胞染色、および>75%の強度4+の細胞染色)。しかし30培養継代後では、PSAおよびPAPの発現は1519−CPTXにおいてもはや検出されなかった。さらに、この細胞系列の継代の後期では、発現はIFN−5−アザ−2'−デオキシシチジンまたはジヒドロキシテストステロンにより誘導されなかった。PSAおよびPAPの発現のための固定された前立腺腫瘍組織切片の免疫組織化学的検定からは、しばしば癌炭化の弱い不均質の染色と、これらのタンパク質のいかなる検出可能な発現も示さないいくつかの癌フォーカスが見られた。反対に、同じ顕微鏡下の分画でのすべての正常な腺はPSAおよびPAPについて強く均一に染色された(図2)。前立腺腫瘍細胞による生体内(in situ)でのPSAおよびPAPの弱い不均質な発現は、不死化前立腺癌由来細胞系列で発現が見られないことを説明し得る。しかし、良性前立腺上皮細胞系列で発現がないことは相当する組織分画で観察される強い発現と相関せず、PSAおよびPAPの発現の欠損は試験管内での細胞培養の結果としても生じ得るということが示唆される。
顕微解剖された組織でのLOHについての染色体8pの検定
上述したように、本発明の「前立腺腫瘍」細胞系列は多くの場合、良性および悪性の細胞型の混合物を含む組織試料に事実上由来する(図2)。全ての培養細胞は長期増殖を誘導するためにレトロウイルスでの形質転換を必要とし、また良性および悪性の形質転換された前立腺上皮細胞は形態的にも組織化学的にも区別が不可能であるため、新規に生成した培養細胞の特性決定のための代替法としてLOH分析の使用が開発された。まず対応する新鮮な組織切片から顕微解剖された癌フォーカスまたは正常上皮細胞において、染色体8p12−21上のLOHが検査された。顕微解剖された前立腺腫瘍標本における高割合のLOHを検出することが示されている(19)、8つのミクロサテライトマーカーのついたパネルが染色体8p欠失を同定するために選択された。8つのミクロサテライトマーカーのパネルは、図3に示すように、染色体8の遺伝子座11から21の欠失を同定することができる。顕微鏡下で正常な外見をもつ細胞が悪性形質転換の前駆体としてLOHを含むと仮定することにより、低温保存された新鮮な、自己由来のPBLがLOH分析のための正常の対照として用いられた。6患者全てが、新鮮なPBL由来のDNAの分析により、検査された4または8つ以上の遺伝子座でヘテロ接合している(情報を与える)ことが示された。しかし、2患者(1519および1532)については、顕微解剖された癌標本はLOHの証拠を示さず、LOH分析はこれらの標本に由来する培養細胞の特性決定に有用であり得ないことが示唆された(表4)。
表4 前立腺腫瘍または良性上皮の顕微解剖病巣における染色体8p上のLOH
Figure 2006122052
異型接合性の保持(○)
異型接合性の欠失(●)
非情報的(同型接合性対立遺伝子)(−)
非決定(nd)
反対に、患者1510および1512からの顕微解剖された腫瘍は検査された全ての情報座位においてLOHを示した。患者1535については、6つの別々の顕微解剖された癌フォーカスが検査され、全てがLOHの同様のパターンを示した。興味深いことに、患者1542からの顕微解剖された異なる12の癌のLOH分析からはLOHについて異なるパターンが示され、12中4つは検査された16全ての情報対立遺伝子の保持を示した(表5)。顕微解剖された正常上皮は、患者1510由来の標本を例外として、染色体8p上のLOHの証拠を示さなかった。患者1510由来の顕微解剖された「正常な」3つのフォーカスはすべて、自己由来の癌で観察されたLOHのパターンと一致した大きなLOHを示し、この種の研究のための正常対照としてPBLを使用することの重要性が強調される。
表5 患者1542由来の顕微解剖された前立腺組織および不死化細胞系列における染色体8p上のLOH
Figure 2006122052
LOHなし(NL)
上部対立遺伝子の欠失(LU)
下部対立遺伝子の欠失(LL)
非決定(nd)
a連続的培養継代番号
b7つの個々のクローンの代表
c30個の個々のクローンの代表
dクローン1542−CPTX.8.1
eクローン1542−CPTX.8.4
患者1542由来の不死化細胞系列のLOH分析
患者1542から生産された細胞培養の異型接合性の欠損は、12の異なる顕微解剖された癌フォーカスにおいて表れたLOHの様々なパターンにてらして特に興味深い。この患者はD8S133、D8S136、D8S137、D8S131、D8S339およびANKについて情報を示している。これらの座位のうち4つにおいて、癌、正常前立腺、正常精嚢、および正常繊維芽細胞由来の培養細胞における対立遺伝子の欠失に関して詳細に検査した(表5)。1542−CPTXとして示す癌由来の初期継代の大量培養(継代3、6、13)を反復的に分析することからは、検査された4つのミクロサテライトマーカーのいずれについてもLOHが見られなかった。しかし、21連続培養継代(約6カ月)後、1542−CPTXは検査された4つの位置全てにおいて上部対立遺伝子の欠失を示した。この欠失パターンは、顕微解剖された癌位置7番に見られるパターンと同じであった。30の単一細胞クローンが1542−CPTXの継代23より生成され、全てが非クローン化後期継代培養および顕微解剖された癌7番と同じLOHパターンを示し、大量後期継代細胞系列のクローンの、またはクローンに近い組成を示した。これらの知見はまた1542−CPTXの初期継代におけるLOHの検出の失敗は、大量培養における異なるパターンを持つ複数の癌クローンの存在を示唆し、PCRに基づく方法でのLOHの検出が阻害されたと思われる。このことを調べるため、1542−CPTXの初期継代(継代8)から単細胞クローンが生成され、LOHを検査された(図4)。9クローンのうち7つは、患者1542由来の顕微解剖された癌のうちの12個中3個と同様、D8S136またはD8S131においてLOHを示さなかった。しかし、1つのクローン(クローン4)(1542−CPTX.8.4)は顕微解剖された癌7番、1542−CPTXの後期継代およびその派生クローンのパターンと同じLOHのパターンを示し、後期継代大量培養中の多くを占める癌クローンは明らかに非常に初期の培養継代に存在したことが示唆された。興味深いことに、初期継代1542−CPTX由来のクローン1(1542−CPTX.8.1)は他の8つの初期継代クローンについて観察されたのとは異なるLOHパターンを示し、D8S133、D8S136およびD8S131の下部対立遺伝子の欠失が伴った。このことは、再び、2つの顕微解剖された癌(1番および3番)において検出されたLOHパターンと一致している。注意すべきは、患者1542由来の初期および後期継代の不死化培養正常前立腺上皮、精嚢、または繊維芽細胞を用いた反復的実験ではLOHが検出されなかったことである。このことは癌から派生した細胞において観察されたLOHは培養によるアーティファクトであったという可能性に対する反証となる。
5つの残りの患者由来の培養細胞における染色体8p12−21のLOHの検査
患者1510および1512において、LOHは顕微解剖された癌標本中の多数の座位で検出された(表4)。しかし、対応する癌含有組織標本から生成された不死化上皮培養細胞は、初期または後期培養継代で大量レベルで試験された場合LOHを示さなかった。同様に、後期培養継代から成長したクローン(1510−CPTXについては継代23、1512−CPTXについては継代31)はLOHの証拠を示さなかった。このことは、これらの培養が生産されたもとの組織標本にはかなりの量の正常前立腺上皮が存在すること(表2)と、試験管内が正常細胞が過剰成長することを反映している。非常に初期の培養継代でこれらの細胞系列をクローニングすることがより多くの価値ある結果を生む可能性がある。
患者1519(1フォーカス)および1532(8フォーカス)由来の顕微解剖された癌フォーカスの検査はLOHを示さなかった(表4)。それにもかかわらず、これらの腫瘍から確立された培養細胞をLOHについて評価した。患者1519の場合は、大量培養1519−CPTXの検査から、検査された6つの情報座位で異型接合性の保持が示された。しかし、培養継代24由来の11の単細胞クローンのうち1つが単一の座位D8S133でLOHを示した。患者1532の場合は、獲得された2つの癌標本のうち一つから生成された大量培養系列1532−CPTX(表2)が長時間の培養後のみ(継代24)にかぎってD8S133、D8S136およびNEFLにおいてLOHを示した。後期培養継代から生成された10クローンすべても同じ欠失パターンを示した。しかし、患者1532由来の正常前立腺組織由来の不死化培養細胞の1つは20培養継代後にもLOHの証拠を示さなかった。同様に、自己由来の不死化繊維芽細胞系列は1532−CPTXで失われたのと同じ3つの対立遺伝子における異型接合性を保持した。即ち、単一の1519−CPTXクローンおよび1532−CPTXで観察されたLOHから、これらの結果が分析のために解剖されなかった生体内(in situ)腫瘍フォーカスに存在するLOHを反映し得ることが示唆される。
患者1535由来の培養細胞で興味深い結果が得られた。この場合、広範なLOHが6つの別々の顕微解剖された癌フォーカスにおいて示され、全てが同じパターンの欠失を示した(表4)。前立腺腫瘍から生成された初期および後期継代の培養細胞は、正常前立腺由来および正常精嚢由来のものと同様、LOHを示さなかった。同様に、培養継代27で生成された11の癌クローンは欠失を示さなかった。しかし初期継代癌培養(継代12)のクローニングによって、6つの顕微解剖された癌病巣と合うLOHパターンを持つ一つのクローンが明らかになった(クローン1535−CPTX.14.3)。これらの結果は、患者1542で観察された結果を再現しており、純粋な癌培養細胞を得るためには組織学的に異質な前立腺腫瘍標本から生成した不死化培養細胞の初期クローニングが必要であることを示している。
前立腺腫瘍由来の不死化細胞系列によるMHC分子の発現
不死化癌由来細胞系列における表面MHCの発現の検査は、免疫学的研究のためのこれらの系列の潜在的有用性を考慮するために重要である。6患者全てに由来する培養は、フローサイトメトリーで決定したところ有意量の表面MHC class 1と接着分子ICAM−1を発現した(表6)。
表6:不死化前立腺上皮細胞系列によるMHCおよび接着分子の細胞表面での発現
Figure 2006122052
不死化された系列のいかなるものも、MHC class IIまたはB7ファミリーの共刺激分子(B7.1、B7.2)のどちらも検出可能なレベルでは発現しなかった。しかし以前にメラノーマ細胞系列で報告されたように(29)、MHC分子の発現がIFN−γの存在下で上流制御されることができるかどうかを決定することは興味深い。細胞系列1532−CPTX、1535−CPTXおよび1542−CPTX由来の不死化された癌を500U/ml IFN−γの存在下で72時間培養し、その後MHCの発現を検査した。全てが有意量のMHCc1assII分子の発現を誘導された。さらに処理されていない対照と比較した場合、MHC class I分子の発現も増強されていた(図5Cと5Aの比較)。このことに照らし、これらの不死化癌由来細胞系列は、前立腺一次悪性腫瘍の患者におけるCD4+およびCD8+細胞媒介性免疫応答の研究または刺激のために潜在的に有益な試薬の一つである。
前立腺上皮細胞系列のHLA型決定
前立腺上皮細胞系列が由来する個々の患者についてHLA型決定を行った。A、B、C型は当該技術分野で既知の方法を用いたリンパ球の血清型決定によって決定された。DRおよびDQ型は標準的な方法を用いたリンパ球の遺伝子型決定により決定された。HLA型の結果は表7に示されている。
表7 前立腺上皮細胞系列のHLA型
Figure 2006122052
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図1Aおよび1B。死化した前立腺上皮細胞株の形態および増殖に関する特性。(1A)は前立腺癌標本より生成された培養細胞1510−CPの永続的な増殖を達成するためにレトロウィルスLXSN16E6E7による不死化が必要であった。細胞は継代3において形質導入するか(1510−CPTX)、または形質導入せず(1510−CPNV)、そして継代5及び10のそれぞれの時期に24穴プレート中での増殖を観察した。(1B)は10培養継代後の1510−CPTXの顕微鏡写真(200倍、位相差顕微鏡)。この培養像は良性または悪性の標本から生成されたその他の前立腺上皮細胞株に典型的なものである。 良性および悪性の前立腺細胞による組織内でのPSAの発現。患者1510からの前立腺全摘による正常な前立腺上皮(二重矢印)とともに浸潤した前立腺癌(矢印)の領域を含むパラフィン封埋組織切片。黒い色素は抗−PSAモノクロナール抗体の結合を示している。正常な前立腺上皮細胞によるPSAの発現は強く一様であるのに対し、癌細胞による発現は弱く、一様でない。間にあるストロマ細胞はPSAを発現していない。(200倍)。 ヘテロ接合性の消失解析に用いられたミクロサテライト指標の相対的な位置を同定した染色体8pの遺伝学的地図。 患者1542より得られた新鮮な細胞および培養された細胞上のミクロサテライトD8S136のPCR解析。レーン1、1542−NPTX、継代26。レーン2、微小切除された新鮮な腫瘍#11。レーン3、クローン化されていない1542−CPTX、継代21。レーン4−6、1542−CPTXの8継代目に由来する腫瘍クローン1542−CPTX.8.1、1542−CPTX.8.3および1542−CPTX.8.4。 5A−5F。IFN−γは1542−CPTXの表面にMHCクラスIおよびII分子の増強された発現を誘導する。未処理の1542−CPTX細胞は中程度の量のクラスI分子を発現している(モノクロナール抗体W6/32による染色)(5A)が検出できる量のクラスII分子は発現していない(モノクロナール抗体L243)(5B)。IFN−γ500U/mlに3日間さらされた後ではクラスIの発現は増大し(5C)、クラスIIの発現は誘導されている(5D)。自家のEBV−形質転換B細胞によるMHCの発現が比較のために示されている(5Eおよび5F)。

Claims (24)

  1. 染色体8p上に存在する、少なくとも一つのヘテロ接合体性の対立遺伝子欠失を有することを特徴とする、ATCCにCRL−12263として寄託されたクローン化され、不死化された、悪性前立腺上皮細胞株1535−CPTX.14.3であって、ここで、少なくとも一つの対立遺伝子欠失が遺伝子座SFTP−2、D8S133、D8S136、NEFL、及びD8S131に位置し、そして、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−A31、HLA−B7、HLA−B37、HLA−Cw6、HLA−Cw7、HLA−DRB1*07、HLA−DRB1*04、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0302、及びHLA−DRB4*0101を含む、前記細胞株。
  2. 染色体8p上に存在する、少なくとも一つのヘテロ接合体性の対立遺伝子欠失を有することを特徴とする、ATCCにCRL−12264として寄託されたクローン化され、不死化された、悪性前立腺上皮細胞株1542−CPTX.8.4であって、ここで、少なくとも一つの対立遺伝子欠失が遺伝子座D8S133、D8S136、及びD8S131に位置し、そして、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−A23、HLA−B50、HLA−B70、HLA−Cw2、HLA−DRB1*0301、HLA−DRB1*1101、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0301、及びHLA−DRB3*0202を含む、前記細胞株。
  3. 染色体8p上に存在する、少なくとも一つのヘテロ接合体性の対立遺伝子欠失を有することを特徴とする、ATCCにCRL−12265として寄託されたクローン化され、不死化された、悪性前立腺上皮細胞株1542−CPTX.8.1であって、ここで、少なくとも一つの対立遺伝子欠失が遺伝子座D8S133、D8S136、及びD8S131に位置し、そして、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−A23、HLA−B50、HLA−B70、HLA−Cw2、HLA−DRB1*0301、HLA−DRB1*1101、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0301、及びHLA−DRB3*0202を含む、前記細胞株。
  4. ヘテロ接合体性の少なくとも一つの対立遺伝子欠失を有することを特徴とし、原発性悪性前立腺腫瘍に由来する、ATCCにCRL-12038として寄託された不死化された、悪性、ヒト、成人前立腺上皮細胞株1532-CP2TXであって、細胞株中の前記ヘテロ接合体性の対立遺伝子欠失が前立腺腫瘍中の悪性上皮細胞におけるヘテロ接合体性の欠失に特有なものであって、ここで、少なくとも一つの対立遺伝子欠失が染色体8p上に存在し、少なくとも一つの対立遺伝子欠失が遺伝子座D8S133、D8S136、及びNEFLに位置し、そして、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−B8、HLA−B57、HLA−Cw6、HLA−Cw7、HLA−DRB1*0301、HLA−DRB1*04、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0301、HLA−DRB3*0101、及びHLA−DRB4*0101を含む、前記細胞株。
  5. ATCCにCRL−12041として寄託された不死化された、悪性、ヒト、成人前立腺上皮細胞株1535−CPTXであって、ここで、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−A31、HLA−B7、HLA−B37、HLA−Cw6、HLA−Cw7、HLA−DRB1*07、HLA−DRB1*04、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0302、及びHLA−DRB4*0101を含む、前記細胞株。
  6. ヘテロ接合体性の少なくとも一つの対立遺伝子欠失を有することを特徴とする、ATCCにCRL−12037として寄託された不死化された、悪性、ヒト、成人前立腺上皮細胞株1542−CPTXであって、ここで、少なくとも一つの対立遺伝子欠失が染色体8p上に存在し、少なくとも一つの対立遺伝子欠失が遺伝子座D8S133、D8S136、D8S137、及びD8S131に位置し、そして、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−A23、HLA−B50、HLA−B70、HLA−Cw2、HLA−DRB1*0301、HLA−DRB1*1101、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0301、及びHLA−DRB3*0202を含む、前記細胞株。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項の、不死化された、ヒト、成人、悪性、前立腺上皮細胞株、そのクローン、又はその溶解した細胞、及び薬学的に許容される担体を含む、組成物。
  8. 助剤(adjuvant)、共刺激分子、サイトカイン、ケモカイン、接着分子、MHC分子またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項7の組成物。
  9. ATCCにCRL−12036として寄託された不死化された、正常、ヒト、成人前立腺上皮細胞株1532−NPTXであって、ここで、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−B8、HLA−B57、HLA−Cw6、HLA−Cw7、HLA−DRB1*0301、HLA−DRB1*04、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0301、HLA−DQB1*0101、及びHLA−DRB4*0101を含む、前記細胞株。
  10. ATCCにCRL−12039として寄託された不死化された、正常、ヒト、成人前立腺上皮細胞株1535−NPTXであって、ここで、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−A31、HLA−B7、HLA−B37、HLA−Cw6、HLA−Cw7、HLA−DRB1*07、HLA−DRB1*04、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0302、及びHLA−DRB4*0101を含む、前記細胞株。
  11. ATCCにCRL−12040として寄託された不死化された、正常、ヒト、成人前立腺上皮細胞株1542−NPTXであって、ここで、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−A23、HLA−B50、HLA−B70、HLA−Cw2、HLA−DRB1*0301、HLA−DRB1*1101、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0301、及びHLA−DRB3*0202を含む、前記細胞株。
  12. 請求項4の不死化された、悪性、成人前立腺上皮細胞株、そしてATCCにCRL−12036として寄託された不死化された、正常、ヒト、成人前立腺上皮細胞株1532−NPTXを含む組成物であって、ここで、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−B8、HLA−B57、HLA−Cw6、HLA−Cw7、HLA−DRB1*0301、HLA−DRB1*04、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0301、HLA−DRB3*0101、及びHLA−DRB4*0101を含む、前記組成物。
  13. 請求項5の不死化された、悪性、成人前立腺上皮細胞株、そしてATCCにCRL−12039として寄託された不死化された、正常、ヒト、成人前立腺上皮細胞株1535−NPTXを含む組成物であって、ここで、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−A31、HLA−B7、HLA−B37、HLA−Cw6、HLA−Cw7、HLA−DRB1*07、HLA−DRB1*04、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0302、及びHLA−DRB4*0101を含む、前記組成物。
  14. 請求項6の不死化された、悪性、成人前立腺上皮細胞株、そしてATCCにCRL−12040として寄託された不死化された、正常、ヒト、成人前立腺上皮細胞株1542−NPTXを含む組成物であって、ここで、細胞株のHLA型がHLA−A1、HLA−A23、HLA−B50、HLA−B70、HLA−Cw2、HLA−DRB1*0301、HLA−DRB1*1101、HLA−DQB1*0201、HLA−DQB1*0301、及びHLA−DRB3*0202を含む、前記組成物。
  15. 請求項1〜6のいずれか1項の、不死化された、悪性、ヒト、成人前立腺上皮細胞株、そのクローン、またはその溶解した細胞を含む、前立腺癌ワクチン。
  16. サイトカイン、ケモカイン、共刺激分子、接着分子またはMHC分子をコードする遺伝子の一つまたはそれ以上が該細胞に組み込まれていることをさらに含む、請求項15の前立腺癌ワクチン。
  17. 請求項1〜6のいずれか1項の、不死化された、悪性、成人前立腺上皮細胞株を、試験すべき剤に暴露して、該剤の該細胞株に対する効果を評価することを含む、治療剤候補のスクリーニング方法。
  18. 効果が細胞毒性である、請求項17の方法。
  19. 効果が細胞増殖の阻害である、請求項17の方法。
  20. (a)少なくとも一種の、請求項1〜6のいずれか1項の、不死化された、成人、悪性、前立腺上皮細胞株、そのクローン、またはその溶解した細胞、及び(b)一組の説明書を含む、キット。
  21. 不死化された、正常、ヒト、成人前立腺上皮細胞株をさらに含む、請求項20のキットであって、正常細胞株および悪性細胞株が同一の原発性悪性前立腺腫瘍に由来する、前記キット。
  22. 不死化された、悪性、ヒト、成人前立腺上皮細胞株がATCCにCRL−12038として寄託された1532−CPTXであり、そして不死化された、正常、ヒト、成人前立腺上皮細胞株がATCCにCRL−12036として寄託された1532−NPTXである、請求項21のキット。
  23. 不死化された、悪性、ヒト、成人前立腺上皮細胞株がATCCにCRL−12041として寄託された1535−CPTXであり、そして不死化された、正常、ヒト、成人前立腺上皮細胞株がATCCにCRL−12039として寄託された1535−NPTXである、請求項21のキット。
  24. 不死化された、悪性、ヒト、成人前立腺上皮細胞株がATCCにCRL−12037として寄託された1542−CPTXであり、そして不死化された、正常、ヒト、成人前立腺上皮細胞株がATCCにCRL−12040として寄託された1542−NPTXである、請求項21のキット。
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