JP2006122005A - 釣り糸 - Google Patents

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Abstract

【課題】 釣り糸に適した柔軟性と強度を有するナイロン(ポリアミド)について、寸法安定性(伸びの低さ)を備えた釣り糸を提供することにより、魚信を取り易いものとし、更に、表面滑性を著しく向上させて、釣竿のガイドから円滑に出し入れできる釣り糸を提供する。
【解決手段】 本願発明では、上記の通り、本願発明に係る釣り糸は、水冷にて、低速多段延伸方式により形成され、固有粘度1.2以上のナイロン6及びナイロン66の共重合ナイロンと、ポリアリレートと、を含有するモノフィラメントである。
【選択図】 なし

Description

本願発明は、釣り糸に関するものである。
釣人が、釣り糸に求める特性の中で重要なものとして、魚信(当たり)の感知のし易さを挙げることができる。このような特性は、釣り糸の伸び難さに大きく依存している。即ち、テンションが掛かることにより、釣り糸が伸びてしまうと、魚信(あたり)は取り難くなり、伸びの少ない釣り糸ほど、敏感に魚信を感知することができるのである。
その一方で、釣り糸には、巻き癖(メモリー)の付き難さから柔軟性が要求される。
しかし、柔軟性を備えた釣り糸では、伸び易いものが多く、上記の伸び難さと柔軟性とを両立させるの困難とされた。例えば、広く用いられているナイロン(PA)製の釣り糸は、安価で柔軟性や強度の面で優れるものであるが、伸びやすく(即ち吸水性が大きくて寸法安定性が悪く)、上記の通り、魚信の感知し易さという面では、劣るものであった。
また、釣竿のガイドから円滑に糸の出し入れを行うためには表面滑性が重要であるが、ナイロン糸では、このような表面滑性が十分でない。
そのような中、現在まで、本願発明の発明者は、上記の通り、柔軟性、強度、経済性の面で優れたナイロンについて、表面滑性や、当たりの採りやすさ付与する種々の研究・提案を行ってきた(特許文献1及び2)。
特許文献1に示すものは、ポリアミド系重合体にポリエステル系重合体を混練した組成物から製糸したナイロン/ポリエステル系モノフィラメントであり、柔軟性を有するナイロンについて、表面滑性に優れ、引張強度や結節強度が高い割りに伸びが少ないという特性を有している。また、特許文献2は、ポリアミド系重合体にフッ素系重合体を混練した組成物から製糸したナイロン/フッ素系モノフィラメントであり、表面活性に優れ、当たりを取りやすいという特性を得ている。
本願発明者は、このような特許文献1及び特許文献2に示す素材にとどまらず、同様の優れた特性を示すナイロンを主成分とする釣り糸を研究した。
また、表面滑性について、上記の文献が示すデータに飽き足らず更に改善の余地があるのではないかと考えた。
その結果、本願発明者は、ポリアリレートに着目し、柔軟性や強度に優れ、安価なナイロンの特性を生かしつつ、伸びを抑制した釣り糸を提供できるのではないか、即ち、ナイロンを主成分とする釣り糸において、ポリアリレートをその成分に加えることによって、ポリエチレン又はフッ素を含有するナイロン製の釣り糸と同様、上記の伸びの抑制と、柔らかさの両立をできるのではないかという発想に至った。
特開2000−273721号公報 特開平10−331033号公報 特開昭56−91012号公報
一方、釣り糸以外の分野では、カーペットや衣料などの繊維製品に用いられるポリアミド糸条として、特許文献3に見られる提案が行われている。
しかし、この特許文献3に見られるものは、ポリアミドを淡染化する目的でアリレートモノマー又はポリアリレートを含有するポリアミド糸条を得ようとするものであり、釣り糸の製造を目的とするものではなく、釣り糸について上記の必要とされる特性を確保しようとするものではない。
従って、この文献に示されたものは、釣り糸に適した調整が行われておらず、このような繊維を直ちに釣り糸に利用することはできない。
本願発明は、上記の問題点を鑑みて、柔軟性、強度、経済性の面で優れたナイロンについて、伸びを抑制したものを、釣り糸のバリエーションの一つとして加えることを可能とし、需要者の釣り糸の選択肢を広げると共に、特に、表面滑性について従来にない、より優れた釣り糸を提供することにより、上記の課題の解決を図るものである。
本願第1の発明は、固有粘度1.2以上のポリアミドと、ポリアリレートとを含有する釣り糸を提供する。
固有粘度(Intrinsic viscosity )は、重合体の無限希釈における(還元粘度又は)インヘレント粘度の極限値であり、インヘレント粘度は、相対粘度の自然対数の、重合体の質量濃度に対する比である(還元粘度では、質量温度に対する相対粘度の増加分の比となり、単位が特定されねばならない)。
尚、この固有粘度の記述については、インターネットのPoLyInfo高分子データベース(独立行政法人物質・材料研究機構 材料基盤情報ステーション 材料データベース研究グループ/153-0061東京都目黒区中目黒 2-2-54 )のホームページ(http://polymer.nims.go.jp/)のポリマーの説明(http://polymer.nims.go.jp/guide/guide/term_polymer.html#chap19 )による。
具体的には、上記の固有粘度ηは、湿度65%温度25℃の環境下において、98%濃度の硫酸100mlに対して1gのポリマを溶かした場合の相対粘度(ポリマを溶かしていない98%濃度の硫酸100mlに対する相対粘度)を固有粘度と(98%硫酸)相対粘度の関係を示す図1のグラフにて、固有粘度へ換算したものである。図1に示すグラフの、縦軸は固有粘度の値を、横軸は相対粘度の値を示している。この図1に示すグラフにおいて、マーク・ホーウインク式、即ち、ポリマーの固有粘度の分子量依存性を記述する下記式(式1)について、Kの値を0.00063 とし、aの値を0.764 としている。
[η]=Κ* Mr a …式1
(Mr は通常分子量の1つである。)
例えば、図1から、相対粘度が3.5の場合、固有粘度は1.41であり、相対粘度が4.5の場合、固有粘度は1.82であることが分かる。
従って、上記の固有粘度1.2以上のポリアミドというは、この場合、相対粘度で3以上のポリアミドということになる。
本願第2の発明では、上記本願第1の発明にあって、上記のポリアミドは、アミノ末端基を25〜40g当量/104 gとするナイロンであり、当該ナイロン100重量部に対して、上記ポリアリレート0.1〜30重量部を含有するモノフィラメントの釣り糸を提供する。
本願第3の発明は、上記の本願第1又は第2の発明にあって、上記のナイロン100重量部に対して、上記のポリアリレートを0.4〜15重量部含有する釣り糸を提供する。
本願第4の発明では、上記の本願第1乃至第3の何れかの発明にあって、上記のナイロンが、ナイロン6とナイロン66の共重合ナイロンである釣り糸を提供する。
本願第5の発明は、上記本願第4の発明にあって、上記のナイロン以外に、MXナイロンとフロロカーボンの少なくとも何れか一方を含有する釣り糸を提供する。
本願第6の発明では、上記本願第1の発明にあって、上記のポリアミドとポリアリレートの合計が、釣り糸全体の70重量%以上を占めるものである釣り糸を提供する。
上記の通り、本願発明に係る釣り糸は、固有粘度(Intrinsic viscosity )1.2以上のポリアミドと、ポリアリレートとを含有するモノフィラメントである。ポリアミドには、共重合系ポリアミドを採用するのが好ましい。
このモノフィラントの釣り糸は、20デニール以上とするのが好ましく、特に30デニール以上とするのが好ましい。釣り糸は、水冷にて、低速多段延伸方式にて形成するのが好ましい。このように水冷にて低速多段延伸方式を採用することにより、50デニール以上の高強力のモノフィラメントの釣り糸を得ることができるからである。
上記のポリアミドとポリアリレートの合計は、釣り糸全体の70重量%以上を占める。例えば、ポリアミド(ナイロン)とポリアリレート(全芳香族ポリエテスル)以外の成分として、ポリエチレンテレフタレート(PET)或いはポリブチレンテレフタレート(PBT)を釣り糸中に含有するものとすることができるが、その場合も、ポリアミドとポリアリレートの合計重量は、釣り糸全体(100重量%)中80〜95重量%とするのが好ましい。尚、ポリアミドとポリアリレート以外の成分として、上記のPETやPBTに限定するものではない。
また、後述のナイロンMXD6やフロロカーボン、可塑剤、紫外線吸収剤、着色剤も、ポリアミドとポリアリレート以外の成分であり、これらを含有する釣り糸全体(100重量%)中、少なくとも70重量%を、ポリアミドとポリアリレートの合計で占める。
上記のポリアミドの固有粘度について、より具体的には、1.2以上2以下(図1に示す前述の相対粘度では、3以上5以下)とする。固有粘度1.2以下では、分子量が下がり、(引張及び結節)強力・強度が著しく低下し、また、固有粘度2以上になると、粘度が高すぎて、糸を製造する延伸装置に大きなテンション(を掛けることが可能な装置やその作業)が求められ、生産効率・コストの面で、望ましくない。
特に、上記のポリアミドには、アミノ末端基を25〜40g当量/104 gとするナイロンを採用することによって、上記の固有粘度の範囲を得ることができる。
尚、上記成分のモノフィラメントを撚ってマルチフイラメントの釣り糸として実施することも可能である。
ポリアリレート(ポリアリレート系繊維)は、単量体が全て芳香族化合物で、その結合部分がエステル結合による長鎖状合成高分子からなる繊維である(JIS L0204:2001 繊維用語(原料部門 第2部 附属書1(参考)番号10))。
この釣り糸において、上記のポリアミド100重量部に対して、上記ポリアリレート0.1〜30重量部を含有するのが好ましい(全体100.1〜130重量部)。特に、上記のポリアミド100重量部に対して、上記のポリアリレートを0.4〜15重量部含有するのが好ましく、上記のポリアミド100重量部に対して、上記のポリアリレートを1〜10重量部含有するのがより好ましい。ポリアミド100重量部に対して、上記ポリアリレート1重量部以上含有させることによって、釣り糸の表面活性を著しく向上することができるからである。
ポリアミド100重量部に対して、ポリアリレートが0.1重量部より少ないと従来のナイロン製の釣り糸(ポリアリレートがブレンドされないもの)と同様大きな伸びが生じ魚信が取り難くく、また、ポリアリレートが30重量を超えると硬くなりすぎ釣り糸としての取り扱いが不便であり強度(引張強度、結節強度)も低下して釣り糸としての使用に耐えない。
釣り糸の主成分となる上記のポリアミドには、ナイロンを採用することができる。
即ち、モノフィラメントを構成するポリアミド系重合体としては周知の各種ナイロン系重合体を使用することができ、例えば、ナイロン6(構成単位:カプロアミド)の他、ナイロン66(構成単位:ヘキサメチレンアジパミド)、ナイロン12(構成単位:ドデカンアミド)、ナイロン610(構成単位:ヘキサメチレンセバチド)、ナイロンMXD6(構成単位:メタキシレンアジパミド)などの各種のポリアミド(ナイロン)またはそれらの共重合体、特に、ナイロン6を主成分とし、これにナイロン66やナイロン12が共重合したナイロン6/66コポリマーやナイロン6/12コポリマーなどが挙げられ、これらを混合して用いることもできる。
特に、この釣り糸の主成分となる上記のナイロン(ポリアミド)には、ナイロン6とナイロン66の共重合ナイロンを採用するのが好ましい。但し、このような共重合ナイロンに限定するものではなく、ナイロン6又はナイロン66を単独で用いることも可能である。
ここでは、このようなナイロン6とナイロン66の共重合ナイロンを主成分となるナイロンに採用するものとして説明する。
共重合ナイロンは、ナイロン6/ナイロン66の比率98〜70/3〜30の範囲で設定するのが好ましい。特に、ナイロン6/ナイロン66の比率95〜80/5〜20の範囲で設定するのが好ましい。
この釣り糸には、上記の主成分であるナイロン(ポリアミド)と、ポリアリレート以外に、MXナイロン又はフロロカーボンの少なくとも何れか一方を含有するものが好ましい。MXナイロン又はフロロカーボンを付加することで、安定した高結節強力糸が得られるからである。MXナイロンは、一般にナイロンMXD6と呼ばれる。ナイロンMXD6は、メタキシリレンジアミン(MXDA)とアジピン酸との重縮合反応から得られる結晶性のポリアミドである。ナイロンMXD6は、吸水性が、他のナイロン(ナイロン6やナイロン66)に比して、低い。
ナイロンMXD6は、前記のポリアミド、即ち、主成分であるナイロン(ナイロン6とナイロン66の共重合ナイロン)100重量部に対して、0.5〜15重量部含有するのが好ましい。また、主成分であるナイロン100重量部に対して、ナイロンMXD6を1〜12重量部含有するのがより好ましい。ナイロンMXD6は、(主成分の)ナイロンの劣化を抑制して耐候性を向上する。その結果、耐磨耗性と、摩擦強度が著しく向上する。
特に、ナイロンMXD6は、ポリアリレート1に対して、1〜10の重量比率で含有させるのが好ましい。ナイロンMXD6は、ポリアリレートと共に用いられることにより、硬化に寄与する傾向があり、ポリアリレート1に対して10より大きな比率を含有するものとすると、釣り糸として使用するには硬くなりすぎてしまう。
また、フロロカーボンを用いる場合、ポリアリレート1に対して、1〜10の重量比率で含有させるのが好ましい(この比率は、ナイロンMXD6と併用する場合も同様である。従って、併用する場合、ポリアリレート:ナイロンMXD6:フロロカーボン=1:1〜10:1〜10の範囲で用いるのが好ましい)。
フロロカーボンを用いることにより、釣り糸の表面の滑り(表面滑性)をより向上させ、更に、ナイロンMXD6と同様耐水性の改善にも寄与する。
この釣り糸には、上記以外に、可塑剤を含有させるのが好ましい。可塑剤には、周知の材料を採用することができる。例えば、可塑剤として、ベンゼンスルホン酸ブチルアミドを用いることができる。
可塑剤は、主成分のナイロン100重量部に対して1重量部1以下とするのが好ましく、特に、0.1重量部以上0.3重量部以下とするのが好ましい。
また、耐候性を向上させる上で、この釣り糸には、上記以外に、紫外線吸収剤を含有させるのが好ましい。紫外線吸収剤には、周知のものを採用することができる。例えば、ヒンダードアミン系光安定剤又はベンゾトリアゾール系光安定剤を採用することができる。
紫外線吸収剤は、主成分のナイロン100重量部に対して、0.1重量部以下用いるのが好ましく、特に、0.01重量部以上0.03重量部以下とするのが好ましい。
また、上記に加えて、必要に応じ、着色剤(染料又は顔料)を釣り糸に含有させる。
本願の各発明は、固有粘度1.2以上とする釣り糸に適した柔軟性と強度を有するナイロン(ポリアミド)について、ポリアリレートを含有させることにより、ナイロン製の釣り糸に欠落していた寸法安定性(伸びの低さ)を備えた釣り糸を提供し得た。
また、従来同様の目的を有する、即ち、ナイロン製の釣り糸において柔軟性と寸法安定性との両立を目的とするものに比して、表面滑性を著しく向上した。
即ち、本願発明は、柔軟性に優れるナイロンを主成分とする釣り糸において、伸びを抑制して魚信を取り易いものとすると共に、特に、表面滑性を向上して、釣竿のガイドから円滑に出し入れできる釣り糸を提供し得た。
以下、本願発明の実施例について説明する。表1及び表2に、実施例1〜11の11の実施例と、比較例1及び2の2つの比較例を示す。表1は、当該実施例及び比較例について、引張強力、引張強度、引張伸度、結節強力、結節強度、結節伸度を示す。表2は表1に示す当該実施例及び比較例について、その表面滑性(滑性A及び滑性B)、初期弾性率、柔軟度のデータを示す。
Figure 2006122005
Figure 2006122005
実施例1は、主成分のナイロン100重量部に対して、ポリアリレート2重量部、MXD6ナイロン2重量部、可塑剤0.2重量部、紫外線吸収剤0.02重量部、の合計(全体)104.22重量部とした。
実施例2は、主成分のナイロン100重量部に対して、ポリアリレート5重量部、MXD6ナイロン2重量部、可塑剤0.2重量部、紫外線吸収剤0.02重量部、の合計(全体)107.22重量部とした。
実施例3は、主成分のナイロン100重量部に対して、ポリアリレート10重量部、MXD6ナイロン2重量部、可塑剤0.2重量部、紫外線吸収剤0.02重量部、の合計(全体)112.22重量部とした。
実施例4は、主成分のナイロン100重量部に対して、ポリアリレート2重量部、MXD6ナイロン1重量部、フロロカーボン0.2重量部、可塑剤0.2重量部、紫外線吸収剤0.02重量部、の合計(全体)103.42重量部とした。
実施例5は、主成分のナイロン100重量部に対して、ポリアリレート5重量部、MXD6ナイロン1重量部、フロロカーボン0.2重量部、可塑剤0.2重量部、紫外線吸収剤0.02重量部、の合計(全体)106.42重量部とした。
実施例6は、主成分のナイロン100重量部に対して、ポリアリレート10重量部、MXD6ナイロン1重量部、フロロカーボン0.2重量部、可塑剤0.2重量部、紫外線吸収剤0.02重量部、の合計(全体)111.42重量部とした。
実施例7は、主成分のナイロン100重量部に対して、ポリアリレート5重量部、紫外線吸収剤0.02重量部、の合計(全体)105.02重量部とした。
実施例8〜10は、夫々、主成分のナイロン100重量部に対して、ポリアリレート5重量部、MXD6ナイロン2重量部、紫外線吸収剤0.02重量部、の合計(全体)107.02重量部とした。
実施例11は、主成分のナイロン100重量部に対して、ポリアリレート0.5重量部、MXD6ナイロン2重量部、紫外線吸収剤0.02重量部、の合計(全体)102.52重量部とした。
比較例1は、主成分のナイロン100重量部に対して、MXD6ナイロン5重量部、紫外線吸収剤0.02重量部、の合計(全体)105.02重量部とした。
比較例2は、主成分のナイロン100重量部に対して、紫外線吸収剤0.02重量部、の合計(全体)100.02重量部とした。
各実施例及び比較例において、主成分のナイロンは、ナイロン6とナイロン66の共重合ナイロンである。この共重合ナイロンは、ナイロン6とナイロン66の重量比率(ナイロン6/ナイロン66)を80/15としたものである(その融点温度は、195℃である)。具体的には、三菱エンジニアリングプラスチック製の、ノパミッド2030A(商品名)を共重合ナイロンとして採用した。
ナイロン樹脂粘度(前述の相対粘度)について、実施例1〜7、比較例1及び2は4.5とし、実施例8は5.0とし、実施例9は2.7とし、実施例10は3.5とし、実施例11は4.5とした。
各実施例(実施例1〜6)において、可塑剤には、ベンゼンスルホン酸ブチルアミドを用いた。具体的には、可塑剤には、丸菱油化製のAK551(商品名)を採用した。
各実施例及び比較例において、紫外線吸収剤については、ヒンダードアミン系光安定剤を用いた。具体的には、紫外線吸収剤には、Ciba(チバスペシャリティケミカルズ)のTINUVIN770(商品名)を採用した。
表1に示す、引張強力、引張伸度、結節強力及び結節伸度の測定方法は、JIS L 1013−1981に基く。
具体的には、引張強力、引張伸度、引張強度について、インストロン型試験機の一種である島津オートグラフS−500Dを用い、各釣糸サンプルに一定の引張強度で荷重を加えて切断するまでの応力を測定し、切断時の荷重を引張強力(kg)、その時の伸び率を引張伸度(%)、また、切断時の荷重を糸の断面積(d:デニール)で除した値を引張強度(g/d )とした。
結節強力、結節伸度、結節強度について、各釣糸をまむすびで一回強く結節した後、上記と同様に島津オートグラフS−500Dを用いて各サンプルに一定の引張速度で荷重を加え、切断時の荷重を結節強力(kg)、伸び率を結節伸度(%)、切断時の荷重を糸の断面積で除した値を結節強度(g/d )とした。
表2に示す表面滑性について、先ず、滑性A(速度)について説明する。
図2に示す通り、釣り糸1(実施例及び比較例)の一端を固定(固定端1a)し、他端1bに錘2を付け、釣り糸1が水平面に対して10度の角度(仰角θ)を有するように滑車3で錘2を吊るした。錘2の重さは、釣り糸1デニール当たり1gのテンションが掛かるように設定した。また、固定端1aから滑車3までの釣り糸1の長さw0を300cm(3m)とした。このような釣り糸1に、環状の滑走用の錘4を通して、滑車3のある位置から、釣り糸の固定端1aまで滑らせて、その時間(秒)を計った。滑走用錘4は、金属製の0.4gのものであり、具体的には、紙を固定するゼムクリップ(コクヨ製ゼムクリップ小/コクヨ株式会社:大阪市東成区大今里南6丁目1番1号)を用いた。
また滑性B(荷重)は、島津オートグラフS−500Dを用い、ポリプロピレン製の板で材料をはさみ下部のチャックに固定し、各サンプルに一定の引張速度で荷重を加え抜けた時点における強力(kg)を表面滑性の尺度とした。この値が小さいほど表面滑性が優れていることになる。この滑性Bは、特許文献1に示す滑性と対応する。
表2に示す初期弾性率の測定方法については、JIS L 1013−1981に基く。
表2に示す柔軟度について説明する。これは、図3(A)に示す通り、長さw1が6cmの釣り糸を、3cmの間隔w2を開けて固定された2つの環状部材n1,n1の間に通して水平に配置し、釣り糸の長手方向の中央部にフックfを掛けて、図3(B)へ示す通り上方に引き上げ、フックに掛かる最大荷重を測定したものである。環状部材n1,n1の内径は、釣り糸の外径より大きなものとする。
具体的には、コ字状に形成した針金nの両端を環状に形成して、上記の環状部材n1,n1とする。そして、コ字状の針金nの両端を上方に向けて針金nの下部(中央部分n2)と、上記フックfの上端とを、夫々上記の島津オートグラフS−500Dにチャックさせ、フックfを釣り針1に掛け、上記の測定を行った。
このようにして測定した最大荷重即ち柔軟度は、数値が小さいほど柔軟性が高いことを示す。
以上の実施例1〜11では、滑性Aの測定結果について何れも10秒(10.00sec)以下、滑性Bの測定結果について、何れも3.10Kg以下の結果となった。特に、主成分のナイロンに対して、ポリアリレート2重量部以上含有させた実施例1〜10については、滑性Aについて何れも3.11秒以下、滑性Bについて1.07Kg以下と、極めて良好な結果を得ている。
これに対して、ポリアリレートを全く含有しない比較例1では、滑性Aについて14.00秒、滑性Bについて釣り糸が切断し計測不能であった。また、同様にポリアリレートを全く含有しない比較例2では、滑性Aについて滑走途中で、計測用錘が止まり計測不能であり、また、滑性Bについても釣り糸が切断して計測不能であった。
また、本願の実施例1〜11は、引張強力、引張強度、引張伸度、結節強力、結節強度、結節伸度の夫々について、特許文献1及び2の各実施例(サンプル)と同等の数値を獲得している。
特に、本願の実施例1〜10(主成分のナイロン100重量部に対して2重量部以上のポリアリレートを含有するもの)について、滑性B(特許文献1及び2の表面滑性に対応)は、1Kg前後と、特許文献1及び2の各サンプルのほぼ半分という、極めて良好な数値を獲得している。
尚、表1及び表2には、記載していないが、上記の主成分ナイロン100重量部に対してPET(ポリエチレンテレフタレート)を15重量部含有したサンプルA(全体115重量部、513デニール、糸径0.253mm)と、上記の主成分ナイロン100重量部に対してフロロカーボン2重量部含有したサンプルB(全体102重量部、487デニール、糸径0.246mm)とについて、引張、結節の夫々の強力、強度、伸度を、更に上記の滑性Aを計測した。
その結果、サンプルAについて、引張強力4.27Kg、引張強度8.32g/d、引張伸度21.2%、結節強力3.86Kg、結節強度7.52g/d、結節伸度14.79%、滑性A5.41秒であった。また、サンプルBについて、引張強力4.20Kg、引張強度8.62g/d、引張伸度30.7%、結節強力3.84Kg、結節強度7.89g/d、結節伸度17.83%、滑性A6.56秒であった。
ポリアリレートを含まないこれらのサンプルに対して、表面滑性という点において、本願の実施例1〜11は極めて優れた結果を得ていることが分かる。
固有粘度と(98%硫酸)相対粘度の関係を示す説明図である。 表2の滑性(速度)の測定の方法を示す説明図である。 (A)及び(B)は、表2の柔軟度を測定する方法を示す説明図である。
符号の説明
1 釣り糸
2 錘
3 滑車
4 滑走用錘

Claims (6)

  1. 固有粘度1.2以上のポリアミドと、ポリアリレートとを含有する釣り糸。
  2. 上記のポリアミドは、アミノ末端基を25〜40g当量/104 gとするナイロンであり、当該ナイロン100重量部に対して、上記ポリアリレート0.1〜30重量部を含有するモノフィラメントである請求項1記載の釣り糸。
  3. 上記のナイロン100重量部に対して、上記のポリアリレートを0.4〜15重量部含有する請求項1又は2記載の釣り糸。
  4. 上記のナイロンは、ナイロン6とナイロン66の共重合ナイロンであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の釣り糸。
  5. 上記のナイロン以外に、MXナイロンとフロロカーボンの少なくとも何れか一方を含有する請求項4に記載の釣り糸。
  6. 上記のポリアミドとポリアリレートの合計が、釣り糸全体の70重量%以上を占めるものであることを特徴とする請求項1記載の釣り糸。
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