JP2006118772A - 空気冷媒式冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空気冷媒式冷凍装置でデフロスト運転を実施する場合に,冷媒空気が暖められることによる被冷却部での各種トラブルを回避できる装置の提供。
【解決手段】 空気圧縮機,空気冷却器および空気膨張機を経た空気を被冷却部に供給し,被冷却部からの戻り空気を前記の空気圧縮機に循環する空気冷媒式冷凍装置において,前記の戻り空気の熱回収用熱交換器を設置すると共に膨張機と被冷却部との間の空気路に氷捕集器を設置し,空気圧縮機を経た空気を膨張機を迂回して氷捕集器に流すための第1バイパス路と,氷捕集器を経た空気を被冷却部を迂回して熱回収用熱交換器に流す第2バイパス路を設け,装置内の空気を第1バイパス路と第2バイパス路を経て循環させるデフロスト運転,第1バイパス路を閉じたうえで第2バイパス路を経て循環させる予冷運転,および第1バイパス路と第2バイパス路を閉じて循環させる冷却運転を順に実行する。
【選択図】 図1

Description

本発明は,空気を冷媒として冷凍サイクルを形成する空気冷媒式冷凍装置に関する。
フロンやアンモニア等に変えて空気を冷媒として冷凍サイクルを形成する空気冷媒式冷凍装置が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1等の空気冷媒式冷凍装置では,被冷却部(冷凍・冷蔵庫)に供給した低温空気を循環使用する構成とし,そのさい,被冷却部からの戻り空気のもつ冷熱を膨張機に入る前の空気に付与すべく空気対空気熱交換器を熱回収用に使用している。
特許第2977069号公報
前記ような空気冷媒式冷凍装置では,装置内で氷点下の空気となる(空気膨張機の出側では−50℃程度の低温空気となる)ので,系内において空気中の湿分が結露して霜や氷の発生が起きる。このため,膨張機の出側に氷捕集器を取付け,この氷捕集器で捕集された氷や霜等を取り除くために,昇温した空気を流してドレーンとして流出させることが考えられるが(いわゆるデフロスト運転を行う),デフロスト運転を行った後では装置内に昇温した空気が残ることになる。このため,デフロスト運転のあとで通常の冷却運転(冷凍サイクル)を行った場合に,被冷却部(冷凍・冷蔵庫)に暖かい空気が吹き出される。被冷却部に高い温度の空気が供給されると被冷却部の温度が上昇し,被冷却部の保管物の品質管理上問題となるほか,凝縮水の発生等によって被冷却部の床部に水滴が落下し,これが氷結して内部作業が危険となる。
この課題を解決するために,本発明では,デフロトス運転のあと,予冷運転を行ってから冷却運転を行うことができる装置構成とした。すなわち,本発明によれば,空気圧縮機,空気冷却器および空気膨張機を経た空気を被冷却部に供給し,被冷却部からの戻り空気を前記の空気圧縮機に循環する空気冷媒式冷凍装置において,前記の戻り空気と空気膨張機に入る前の空気との間で熱交換するための熱回収用熱交換器を設置すると共に膨張機と被冷却部との間の空気路に氷捕集器を設置し,空気圧縮機を経た空気を膨張機を迂回して氷捕集器に流すための第1バイパス路と,氷捕集器を経た空気を被冷却部を迂回して熱回収用熱交換器に流す第2バイパス路を設け,装置内の空気を第1バイパス路と第2バイパス路を経て循環させるデフロスト運転,第1バイパス路を閉じたうえで第2バイパス路を経て循環させる予冷運転,および第1バイパス路と第2バイパス路を閉じて循環させる冷却運転を順に実行する空気冷媒式冷凍装置を提供する。
前記のように,特許文献1には,空気圧縮機,空気冷却器および空気膨張機を経た空気を被冷却部(冷凍・冷蔵庫)に供給し,被冷却部からの戻り空気を前記の空気圧縮機に循環する空気冷媒式冷凍装置が記載されており,そのさい,被冷却部からの戻り空気のもつ冷熱を膨張機に入る前の空気に付与する空気対空気熱交換器を使用する点も公知である。本発明は,この従来の空気冷媒式冷凍装置において,空気膨張機(以下,単に膨張機と呼ぶことがある)の出側に氷捕集器を設置したうえ,空気圧縮機を経た空気を膨張機を迂回して氷捕集器に流すための第1バイパス路と,氷捕集器を経た空気を被冷却部を迂回して熱回収用熱交換器に流す第2バイパス路を設ける。これにより,氷捕集器の再生(氷の融解除去)のためのデフロスト運転(第1バイパス路と第2バイパス路を空気路とする運転)と,予冷運転(第2バイパス路を空気路とする運転)を簡単に行えるようにした点に特徴がある。予冷運転のあとは両バイパス路を使用しない通常の冷却運転を行う。
本発明に従う空気冷媒式冷凍装置の構成例を図1に示した。図1の装置では,空気の流れの順に,第1空気圧縮機1,第1空気冷却器2,第2空気圧縮機3,第2空気冷却器4,熱回収用熱交換器5,空気膨張機6,氷捕集器7が配置され,これらを経た空気が被冷却部8(冷凍倉庫)に送気される。被冷却部8からの戻り空気は,熱回収用熱交換器5を経て第1空気圧縮機1に循環される。
図示の装置において,空気圧縮機は第1と第2の空気圧縮機1と3に分割され,両者の間に第1空気冷却器2が介装されている。第2の空気圧縮機3と膨張機6は動力源を共通にして一体的に組み合わされた共軸の空気圧縮膨張装置である。図中に記した圧力と温度の値は,被冷却部8に送気されるときに圧力0.1Mpaで温度−55℃の低温空気を製造し,被冷却部8から戻る空気が圧力0.1Mpaで温度−30℃の空気である場合の各機器間の圧力と温度を例示したものである。第1冷却器2と第2冷却器3はいずれも空気対水熱交換器が用いられており,これらには外部から冷却水が通水されることにより,圧縮機を出た空気が所要の温度にまで冷却される。
図1の装置において,氷捕集器7以外の構成は前記の特許文献1に記載されたものと同様であり知られたものであるが,本発明では,この装置において,膨張機6を迂回するバイパス路9と,被冷却部8を迂回するバイパス路10を設置する。
バイパス路9には開閉弁11を介装しておく。この弁11を開くと,膨張機6へは空気抵抗のために弁11が閉じている時より空気流量が減り,その分空気が流れずにバイパス路9の側に空気が流れる。したがって,装置内の循環空気は,弁11の開閉操作だけで,バイパス路9への空気流の切り換え(膨張機6を迂回するかしないかの切り換え)を行うことができる。このバイパス路9の取付けにさいして,図1には熱回収熱交換器5と膨張機6の間の空気路に一方の端を接続した例を示してあるが,この例に限らず,このバイパス路の一方の端は,第1空気圧縮機1から熱回収用熱交換器5に至る空気路の任意の位置に接続することもできる。
バイパス路10にも開閉弁12を介装するが,被冷却部8には空気抵抗は少ないので開閉弁12の開閉操作だけではバイパス路10への空気流の切り換えはできない。このため,バイパス路10の一方の接続点13と被冷却部8の空気路に開閉弁14を,バイパス路10の他方の接続点15と被冷却部8の空気路に開閉弁16を介装させる。これにより,弁12を開成,弁14と16を閉成してバイパス路10への空気の通流を行い(被冷却部8を迂回し),弁12を閉成,弁14と16を開成してバイパス路10への空気の通流を断つ(被冷却部8に通流する)ことができる。
通常の冷却運転ではバイパス路9とバイパス路10を不使用の状態(両バイパス路への空気の通流を行わない)で装置内に空気が循環されるが,この冷却運転を続けていると,氷捕集器7での氷や霜の捕集が蓄積して圧損の原因になる。氷捕集器7に氷を溶かすに十分な温度の空気を通流すると着氷をドレーンとして排出することができるが,この操作は,装置内の循環空気流を前記のバイパス路9とバイパス路10の両者に切り換えることによって実現できる。すなわち,この空気流の切り換えによって,膨張機6と被冷却部8を循環空気流は迂回するので,氷捕集器7には0℃以下の空気が流れることが制止され,空気圧縮機1または2を経た高温空気が流れることになる(デフロスト運転が行われる)。これによって氷捕集器7の着氷はドレーンとして器外が排出される。
しかし,このデフロスト運転のあと,通常の冷却運転に切り換えると(膨張機6および被冷却部8への通流運転を開始すると),デフロスト運転によって機内に蓄積されていた熱により0℃以上となった空気が被冷却部8に吹き出され(図例の態様では30℃前後の空気が吹き出され),被冷却部8の温度が上昇する。さらには,機内に残っていた水滴がこの高温空気によって搬送され,被冷却部8で再び水滴となって床部などに落下し,そのまま氷結する。この現象は冷凍庫内の保管材の品質や作業員の歩行等に悪影響を与える。本発明装置では,デフロスト運転のあと,バイパス路9を不使用状態,バイパス路10を使用状態とした予冷運転を実行することによって,この問題を解消できる。
予冷運転は,デフロスト運転で使用していたバイパス路9と10のうち,バイパス路10は使用したままの状態として(弁12を開き弁14と16を閉じた状態として),バイパス路9だけを閉じる(開閉弁11を閉じる)操作を行えばよい。これにより,装置内の暖められていた空気は膨張機6を経て冷却され,被冷却部8を迂回して循環する。この予冷運転によって低温となった空気から氷や霜が発生するが,これは氷捕集器7で捕集される。この予冷運転で所定の温度にまで空気が冷却され且つ空気中の湿分も氷捕集器7で結氷したあと,通常の冷却運転に入ると(弁12を閉じ,弁14と16を開いてバイパス路10を不使用状態とすると),この状態では,もはや湿分を伴った暖気が被冷却部8に入るようなことは起こらないので,前記の問題を解消できる。
実稼働においては,運転モードをデフロスト運転,予冷運転,冷却運転,休止運転に4分割し,冷却運転中に膨張機6の出側の空気圧力の検出値が所定値以下に低下したときに冷却運転からデフロスト運転に切り換え,次いで,予冷運転を所定の時間実行したあと,冷却運転に切り換える操作を行うのが便宜である。
前記の例では,デフロスト運転時の昇温した空気は空気圧縮機の稼働によって製造する例を示したが,空気圧縮機に代えてヒータや温水を用いて昇温空気を製造することもできる。また,本発明を適用する空気冷媒式冷凍装置として空気圧縮機を二段に分けて使用する例を示したが,本発明は一段の空気圧縮機を使用したものにも適用できる。
以上説明したように,本発明によると,空気冷媒式冷凍装置においてデフロスト運転を実行する場合に,冷媒空気が暖められることによる被冷却部での各種トラブルの発生が非常に簡単の装置構成で且つ簡易な操作で解消できる。
本発明に従う空気冷媒式冷凍装置の機器配置を示した図である。
符号の説明
1 第1空気圧縮機
2 第1冷却器
3 第2空気圧縮機
4 第2冷却器
5 熱回収用熱交換器
6 空気膨張機
7 氷捕集器
8 被冷却部(冷凍倉庫)
9 膨張機を迂回するバイパス路
10 被冷却部を迂回するバイパス路
11,12,14,16 開閉弁

Claims (1)

  1. 空気圧縮機,空気冷却器および空気膨張機を経た空気を被冷却部に供給し,被冷却部からの戻り空気を前記の空気圧縮機に循環する空気冷媒式冷凍装置において,前記の戻り空気と空気膨張機に入る前の空気との間で熱交換するための熱回収用熱交換器を設置すると共に膨張機と被冷却部との間の空気路に氷捕集器を設置し,空気圧縮機を経た空気を膨張機を迂回して氷捕集器に流すための第1バイパス路と,氷捕集器を経た空気を被冷却部を迂回して熱回収用熱交換器に流す第2バイパス路を設け,装置内の空気を第1バイパス路と第2バイパス路を経て循環させるデフロスト運転,第1バイパス路を閉じたうえで第2バイパス路を経て循環させる予冷運転,および第1バイパス路と第2バイパス路を閉じて循環させる冷却運転を順に実行する空気冷媒式冷凍装置。
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