JP2006118543A - ディスクブレーキ用パッド保持部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明はブレーキパッドをマウント部材に保持するディスクブレーキ用パッド保持部材に関し、ブレーキパッドの振動に起因したブレーキ鳴きの発生を防止することを課題とする。
【解決手段】 ブレーキパッド17Aをマウンティング部材12Aに保持するディスクブレーキ用パッド保持部材であって、基部21Aに短辺外周壁26と当接する第1の当接部P1を設け、上腕部22Aに第1の長辺外壁28と当接する第2の当接部P2を設け、前記第1の当接部P1と第2の当接部P2との間に収納室16の側壁16Aと当接する第3の当接部P3を設ける。そして、制動時においてブレーキパッド17Aが第1の当接部P1を押圧することにより、第3の当接部P3を支点として第2の当接部P2が第1の長辺外壁28を押圧付する構成とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 ブレーキパッド17Aをマウンティング部材12Aに保持するディスクブレーキ用パッド保持部材であって、基部21Aに短辺外周壁26と当接する第1の当接部P1を設け、上腕部22Aに第1の長辺外壁28と当接する第2の当接部P2を設け、前記第1の当接部P1と第2の当接部P2との間に収納室16の側壁16Aと当接する第3の当接部P3を設ける。そして、制動時においてブレーキパッド17Aが第1の当接部P1を押圧することにより、第3の当接部P3を支点として第2の当接部P2が第1の長辺外壁28を押圧付する構成とする。
【選択図】 図2
Description
本発明はディスクブレーキ用パッド保持部材に係り、特にブレーキパッドをマウント部材に保持するディスクブレーキ用パッド保持部材に関する。
一般に車両を制動する手段として、ディスクブレーキが広く用いられている。このディスクブレーキは、例えば特許文献1に開示されているように、車輪と一体的に回転するディスクロータと、このディスクロータの一側にて車両の非回転部材に固定され、ディスクロータを跨いで位置するマウンティング部材と、このマウンティング部材に装着されるブレーキパッド、このブレーキパッドをディスクロータに押し付けるためのピストン等により構成されている。
また、ブレーキパッドのディスクロータ周方向に離間した両端には各々外側に向け突出する凸部が形成されており、またマウンティング部材のブレーキパッドが装着される装着部の内壁には凹部が形成されている。この凸部と凹部は、ブレーキパッドがマウンティング部材に装着された際に係合するよう構成されている。
また、単に凸部と凹部とを係合された構成では、車両に衝撃が印加時された時、また制動開始時や制動終了時等の状態変化があった時において、ブレーキパッドがマウンティング部材に対して変位し、ブレーキパッドがマウンティング部材に対して変位して凸部と凹部とが衝突してしまう。このように凸部と凹部とが衝突した場合、ブレーキパッドとマウンティング部材との間に衝突音が発生してしまう。このため、従来からブレーキパッドの凸部とマウンティング部材の凹部との間にディスクブレーキ用パッド保持部材を装着することが行われている。
従来のディスクブレーキ用パッド保持部材は、ブレーキパッドの凸部とマウンティング部材の凹部との係合部において、凸部と凹部との間に弾性変形可能な構成で介装される。そして、車両への衝撃印加時或は制動開始時等の状態変化時にあっては、ディスクブレーキ用パッド保持部材が弾性的に変形し、これにより凸部と凹部とが衝突するのを防止する機能を奏する。これにより、ブレーキパッドとマウンティング部材との間で発生する衝突音の低減を図ることができる。
特開2002−39239号公報
しかしながら、上記した従来のディスクブレーキ用パッド保持部材では、ブレーキパッドがマウンティング部材に対して変位した時の衝突音が発生は抑制できるが、ディスクブレーキ用パッド保持部材によるブレーキパッドの保持力が十分ではなかった。このため、制動時にマウンティング部材内でブレーキパッドが振動してしまい、この振動に起因したブレーキ鳴きが発生してしまうという問題点があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、マウンティング部材内におけるブレーキパッドの保持力を高めることにより、ブレーキパッドの振動に起因したブレーキ鳴きの発生を防止することを目的とする。
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
請求項1記載の発明は、
ディスクロータに対向して配置される一対のブレーキパッドと、該ブレーキパッドを収納する収納部が形成されたマウント部材とを有するディスクブレーキに用いられ、前記ブレーキパッドを前記マウント部材に保持するディスクブレーキ用パッド保持部材であって、
前記ブレーキパッドの短辺外周壁と当接する第1の当接部と、前記ブレーキパッドの長辺外周壁の内、前記ディスクロータの径方向に対する外側に位置する第1の長辺外周壁と当接する第2の当接部と、前記第1の当接部と前記第2の当接部との間に設けられており前記収納部の内壁と当接する第3の当接部とを有し、
制動時において前記ブレーキパッドの前記短辺外周壁が前記第1の当接部に当接しこれを押圧することにより、前記第3の当接部を支点として前記第2の当接部が前記第1の長辺外周壁を押圧付する構成としたことを特徴とするものである。
ディスクロータに対向して配置される一対のブレーキパッドと、該ブレーキパッドを収納する収納部が形成されたマウント部材とを有するディスクブレーキに用いられ、前記ブレーキパッドを前記マウント部材に保持するディスクブレーキ用パッド保持部材であって、
前記ブレーキパッドの短辺外周壁と当接する第1の当接部と、前記ブレーキパッドの長辺外周壁の内、前記ディスクロータの径方向に対する外側に位置する第1の長辺外周壁と当接する第2の当接部と、前記第1の当接部と前記第2の当接部との間に設けられており前記収納部の内壁と当接する第3の当接部とを有し、
制動時において前記ブレーキパッドの前記短辺外周壁が前記第1の当接部に当接しこれを押圧することにより、前記第3の当接部を支点として前記第2の当接部が前記第1の長辺外周壁を押圧付する構成としたことを特徴とするものである。
上記発明によれば、制動時においてブレーキパッドの短辺外周壁が第1の当接部に当接し押圧することにより、第3の当接部を支点として第2の当接部が第1の長辺外周壁を押圧付勢する。このため、ブレーキパッドはディスクブレーキ用パッド保持部材により確実に保持され、よって制動時におけるブレーキパッドの振動が抑制され、いわゆる鳴きの発生を防止することができる。
また、請求項2記載の発明は、
請求項1記載のディスクブレーキ用パッド保持部材において、
非制動時において前記第1の当接部が前記収納部の内壁から離間するよう構成し、かつ前記第1の当接部が前記内壁に対して弾性的に変位可能な構成としたことを特徴とするものである。
請求項1記載のディスクブレーキ用パッド保持部材において、
非制動時において前記第1の当接部が前記収納部の内壁から離間するよう構成し、かつ前記第1の当接部が前記内壁に対して弾性的に変位可能な構成としたことを特徴とするものである。
上記発明によれば、第1の当接部はブレーキパッドの急激な変位を緩衝する機能を奏し、よってブレーキパッドがマウント部材と衝突し衝突音が発生することを防止できる。
また、請求項3記載の発明は、
請求項1または2記載のディスクブレーキ用パッド保持部材において、
更に、前記ブレーキパッドの前記ディスクロータの径方向に対する内側に位置する第2の長辺外周壁と当接する第4の当接部と、
前記第1の当接部と前記第4の当接部との間に設けられており前記収納部の内壁と当接する第5の当接部とを設けたことを特徴とするものである。
請求項1または2記載のディスクブレーキ用パッド保持部材において、
更に、前記ブレーキパッドの前記ディスクロータの径方向に対する内側に位置する第2の長辺外周壁と当接する第4の当接部と、
前記第1の当接部と前記第4の当接部との間に設けられており前記収納部の内壁と当接する第5の当接部とを設けたことを特徴とするものである。
上記発明によれば、制動時においてブレーキパッドの短辺外周壁が第1の当接部に当接し押圧することにより、第5の当接部を支点として第4の当接部が第2の長辺外周壁を押圧付勢する。このため、ブレーキパッドは、第1及び第2の長辺外周壁を第2及び第4の当接部に挟持されるよう保持されるため、ディスクブレーキ用パッド保持部材はより確実にブレーキパッドを保持する。これにより、制動時におけるブレーキパッドの振動はより効果的に抑制され、鳴きの発生を確実に防止することができる。
また、請求項4記載の発明は、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディスクブレーキ用パッド保持部材において、
前記収納部の前記第1の当接部と対向する内壁は平坦面であることを特徴とするものである。
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディスクブレーキ用パッド保持部材において、
前記収納部の前記第1の当接部と対向する内壁は平坦面であることを特徴とするものである。
上記発明によれば、収納部の第1の当接部と対向する内壁を平坦面としたことにより、マウント部材の作製を容易に行うことができると共に、収納部に対するブレーキパッドの装着脱を容易に行うことが可能となる。
上述の如く本発明によれば、ディスクブレーキ用パッド保持部材にブレーキパッドを確実に保持することができ、制動時におけるブレーキパッドの振動が抑制され、よって鳴きの発生を防止することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
図1乃至図4は、本発明の第1実施例であるディスクブレーキ用パッド保持部材20A(以下、パッド保持部材20Aという)を説明するための図である。図1は、パッド保持部材20Aを用いたディスクブレーキ10を示す正面図であり、図2はブレーキパッド17Aとマウンティング部材12Aとを拡大して示す正面図であり、図3はブレーキパッド17Aとマウンティング部材12Aとを拡大して示す平面図であり、図4はパッド保持部材20Aの動作を説明するための図である。
先ず、図1を参照してディスクブレーキ10の概略構成について説明する。ディスクブレーキ10は、車輪(図示せず)と一体に回転するディスクロータ11と、このディスクロータ11の摩擦面に対向するよう配置されるブレーキパッド17Aとを備えている。また、ブレーキパッド17Aは、ディスクロータ11を跨ぐようにマウンティング部材12Aに支持されたキャリパ13のキャリパ爪14と、キャリパ13内に液密的かつ摺動可能に収容されたピストン15とによって、ディスクロータ11の摩擦面に押圧されるようになっている。
マウンティング部材12Aは、車両の非回転部分(図示せず)に固定されており、ブレーキパッド17Aを収納する収納室16が形成されている。収納室16は、対向する一対の側壁16Aと、底面16Bとにより構成されている。側壁16Aは、凹凸のない平坦な面とされている。底面16Bも同様に平坦な面とされている。このように、本実施例では収納室16の内壁に従来のような凹部を形成する必要はなく、よってマウンティング部材12Aに収納室16を容易に形成することができる。
更に本実施例では、正面視した場合において、収納室16の上部に鍔部25がマウンティング部材12Aと一体的に形成されている。この鍔部25は、収納室16内に装着されたブレーキパッド17Aが離脱するのを防止する機能を奏する。
ブレーキパッド17Aは、裏金18Aと、この裏金18Aに固着された摩擦材19とにより構成されている。裏金18Aは摩擦材19の固着面に対する反対側の面をピストン15により押圧される。これにより、摩擦材19はディスクロータ11の摩擦面に押圧され制動が行われる。
本実施例では、裏金18Aは矩形状とされており、短辺外周壁26,27と、第1及び第2の長辺外周壁28,29を有している。この各外周壁26〜29は平坦な面であり、従来のように凸部を形成する必要はなく、よってブレーキパッド17Aを容易に製造することができる。
短辺外周壁26はディスクロータ11の半径方向(図2に矢印Yで示す方向)に略平行な面であり、図2における左側に位置する面である。短辺外周壁27もディスクロータ11の半径方向Yに略平行な面であり、図2における右側に位置する面である。第1の長辺外周壁28は、ディスクロータ11の半径方向Yに略直交する面であり、上記の半径方向Yに対して外側(図2における上側)に位置する面である。第2の長辺外周壁29もディスクロータ11の半径方向Yに略直交する面であり、上記の半径方向Yに対して内側(図2における下側)に位置する面である。
上記構成とされたブレーキパッド17Aは、マウンティング部材12Aの収納室16内に収納される。ブレーキパッド17Aの外形は、収納室16の形状よりも小さく設定されているため、ブレーキパッド17Aを収納室16内に収納した状態において、ブレーキパッド17Aの短辺外周壁26,27と収納室16の側壁16Aとの間には間隙が形成される。パッド保持部材20Aは、この短辺外周壁26,27と側壁16Aとの間に介装される。
パッド保持部材20Aは、マウンティング部材12Aの収納室16内に配置され、ブレーキパッド17Aを収納室16内に保持する機能を奏する。このパッド保持部材20Aの詳細について、図2乃至図4を参照しつつ説明する。
図2及び図3は、非制動時におけるパッド保持部材20Aを示している。パッド保持部材20Aは、バネ材等の弾性力を発生しうる材料により形成されている。尚、ブレーキパッド17Aの短辺外周壁26と対向配置されるパッド保持部材20Aと、短辺外周壁27と対向配置されるパッド保持部材20Aは同一構成であり、配置される向きが左右反転しているのみである。
このパッド保持部材20Aは、基部21A,上腕部22A,下腕部23A,及び挟持部24Aを一体的に形成した構成とされている。基部21Aは、内側に向けて(ブレーキパッド17Aに向けて)湾曲状に突出した形状を有しており、その頂部においてブレーキパッド17Aの短辺外周壁26,27と当接し、これを押圧する構成とされている。
以下、この基部21Aと短辺外周壁26,27が当接する部位を第1の当接部P1というものとする。また、図2における左側の基部21Aが短辺外周壁26を押圧する押圧力をFLとし、図2における右側の基部21Aが短辺外周壁27を押圧する押圧力をFRとする。
また、前記のように基部21Aは湾曲状に内側に向けて突出した形状を有しているため、非制動時において基部21Aと側壁16Aとの間には図2に矢印ΔXL,ΔXRの間隙が形成される。従って、基部21Aは、この間隙ΔXL,ΔXRの範囲において弾性変形可能な構成となっている。
また、基部21Aの略中央位置には、一対の挟持部24Aが対向するよう形成されている。この一対の挟持部24Aは、ブレーキパッド17Aを挟持するよう構成されている。これにより、パッド保持部材20Aはブレーキパッド17Aに係合し、よってブレーキパッド17Aを収納室16内に収納する際、予めパッド保持部材20Aをブレーキパッド17Aに係合させた状態で装着することにより、マウンティング部材12Aに対するブレーキパッド17A及びパッド保持部材20Aの装着処理を同時に行うことができる。
また、基部21Aの図2における上端部は内側に向け折曲されて上腕部22Aを形成している。この際、基部21Aの上端部は角を有して折曲するのではなく、湾曲状に曲げることにより上腕部22Aが内側に延出するよう形成されている。従って、上腕部22Aはブレーキパッド17Aの第1の長辺外周壁28と当接し、この当接位置を弾性力F1で押圧する。以下、この上腕部22Aと第1の長辺外周壁28とが当接する部位を第2の当接部P2というものとする。
また、基部21Aと上腕部22Aとが接続する部分は、若干外側に突出した部分が存在し、この突出した部分は収納室16の側壁16Aと当接する。以下、この基部21Aと上腕部22Aとの接続部分が側壁16Aと当接する部位を第3の当接部P3というものとする。この第3の当接部P3は、前記した第1の当接部P1と第2の当接部P2との間に位置する。
また、基部21Aの図2における下端部は内側に向け折曲されて下腕部23Aを形成している。本実施例では、下腕部23Aは側壁16Aに対して略直角で内側に延出するよう形成されている。従って、下腕部23Aはブレーキパッド17Aの第2の長辺外周壁29と当接し、この当接位置を力F1(前記した上腕部22Aによる弾性力F1の反力)で押圧する。以下、この下腕部23Aと第2の長辺外周壁29とが当接する部位を第4の当接部P4というものとする。
また、基部21Aと下腕部23Aとが接続する部分は、若干外側に突出した部分が存在し、この突出した部分は収納室16の側壁16A或いは底面16Bと当接する。以下、この基部21Aと下腕部23Aとの接続部分が側壁16A或いは底面16Bと当接する部位を第5の当接部P5というものとする。この第5の当接部P5は、前記した第1の当接部P1と第4の当接部P4との間に位置する。
ピストン15が作動していない非制動時においては、ブレーキパッド17Aの摩擦材19はディスクロータ11から離間している。このため、非制動時においてブレーキパッド17Aに作用する力はパッド保持部材20Aからの力F1,F2,FL,FRのみとなる。ブレーキパッド17Aは図2における左右位置に配置された一対のパッド保持部材20Aにより保持される。
この際、ブレーキパッド17Aに印加される力の内、ディスクロータ11の半径方向に略直交する方向(図2に矢印X1,X2で示す方向)に作用する力は、図2における左側に位置する基部21Aからの押圧力FLと、右側に位置する基部21Aからの押圧力FRである。この各押圧力FL,FRは等しい力(FL=FR)であるため、ブレーキパッド17Aは側壁16Aの略中央位置にセルフアライメントされる。
一方、ブレーキパッド17Aに印加される力の内、ディスクロータ11の半径方向に作用する力は、図2における左側に位置する上腕部22A及び下腕部23Aからの押圧力F1と、右側に位置する上腕部22A及び下腕部23Aからの押圧力F2である。この各押圧力は、ブレーキパッド17Aを挟持する力となる。このため、ブレーキパッド17Aは、パッド保持部材20Aによりマウンティング部材12Aの収納室16内に確実に保持された構成となる。
図4は、制動時におけるパッド保持部材20Aを示している。同図では、図中矢印X1方向に制動が作用している状態を示している。このような制動の場合、ブレーキパッド17Aはディスクロータ11の回転により図中矢印X1方向に付勢される。このブレーキパッド17Aに発生するX1方向の付勢力は、左側に位置するパッド保持部材20Aの基部21A(具体的には、第1の当接部P1)に作用し、これにより基部21Aは弾性変形する。
従って、ブレーキパッド17AがX1方向に急激に変位しようとしても、基部21Aが弾性変形することによりこの変位を緩衝する。このため、ブレーキパッド17Aの短辺外周壁26が収納室16の側壁16Aに強く衝突することを防止でき、衝突音が発生することを防止できる。
また、ブレーキパッド17Aに付勢されることにより、基部21Aは略直線状に変形される。即ち、非制動時においては基部21Aと側壁16Aとの存在していた間隙ΔXLが、制動時には無くなった状態となる。これに伴い、基部21Aは図2における上下方向(ディスクロータ11の半径方向)に伸長し、非制動時の位置に比べて第3の当接部P3は上方向に、第5の当接部P5は下方向に移動する。
この第3の当接部P3の上方向への移動により、上腕部22Aが第2の当接部P2を押圧する押圧力F3が増大する(F3>F1)。また、第5の当接部P5の下方向への移動により、下腕部23Aが第4の当接部P4を押圧する押圧力F3も増大する(F3>F1)。
このように基部21Aがブレーキパッド17Aに押圧されることにより、上腕部22A及び下腕部23Aが第1及び第2の長辺外周壁28,29を押圧する押圧力F3が非制動時に比べて増大するのは次の理由による。
即ち、本実施例に係るパッド保持部材20Aは、第1の当接部P1を力点とすると共に第3の当接部P3が支点で第2の当接部P2が作用点である第1の梃子と、第1の当接部P1を力点とすると共に第5の当接部P5が支点で第4の当接部P4が作用点である第1の梃子との組み合わせであると考えられる。
よって、力点である第1の当接部P1がブレーキパッド17Aの移動に伴い側壁16Aに向けて移動すると、第2の当接部P2は第3の当接部P3を支点として第1の長辺外周壁28に向けて変位し、第2の当接部P2を押圧する。同様に、力点である第1の当接部P1が側壁16Aに向け移動すると、第4の当接部P4は第5の当接部P5を支点として第2の長辺外周壁29に向けて変位し、第4の当接部P4を押圧する。
この際、前記のように第3の当接部P3及び第5の当接部P5が第1の当接部P1に対して離間するように移動することは、力点と支点との距離が大きくなることを意味する。このため、第2の当接部P2及び第4の当接部P4では、非制動時よりも強い力F3で上腕部22A及び下腕部23Aはブレーキパッド17Aを押圧(挟持)する。これにより、ブレーキパッド17Aはパッド保持部材20Aによりマウンティング部材12A内に確実に保持され、よって制動時におけるブレーキパッド17Aの振動は抑制されブレーキ鳴きが発生することを防止することができる。
この際、図7に示すように、上腕部22及び下腕部23Bをブレーキパッド17Aに対し、点接触ではなく広い面積(例えば、図中L1,L2で示す寸法を長くする)で当接させる構成とすることにより、制動時におけるブレーキパッド17Aの安定性を持って振動抑制を図ることができる。
また、ブレーキパッド17Aに発生する振動は、図8に示すように、裏金18Aの中心位置を振動の節とし、その両側所定離間位置を腹とした振動となる。よって、第2の当接部P2及び第4の当接部P4の位置を、この振動の腹となる位置(図8に矢印P2で示す位置)に設定する。これにより、振動幅の最も大きい位置がパッド保持部材20A(上腕部22A,下腕部23A)で押圧され振動の発生が抑制されるため、この振動に起因したブレーキ鳴きの発生をより効果的に防止することができる。
尚、制動が解除された場合には、ブレーキパッド17Aに対するX1方向への力がなくなるため、弾性変形していた図4における左側に位置するパッド保持部材20Aの基部21Aは弾性復元し、これに伴い前記したセルフアライメント作用により、ブレーキパッド17Aは図2に示す収納室16の中央位置に戻る。
次に、図5及び図6を参照し、本発明の他実施例について説明する。尚、図5及び図6において、図1乃至図4に示した構成と同一構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
図5は、パッド保持部材20Aを前記した第1実施例で用いたマウンティング部材12Aとは異なる形態のマウンティング部材12Bに配置したものである。同図に示すマウンティング部材12Bは、マウンティング部材12Aと異なり鍔部25が設けられていない。また、第1実施例では矩形状のブレーキパッド17Aを用いたが、ブレーキパッド17Bでは第1の長辺外周壁28の中央位置に突起部31が形成され、この突起部31に貫通孔30が形成されている。
前記した第1実施例の構成では、マウンティング部材12Aに形成された鍔部25によりブレーキパッド17Aがマウンティング部材12Aから離脱(ディスクロータ11の半径方向への離脱)するのを防止していた。これに対して図5に示す構成では、ブレーキパッド17Bをマウンティング部材12Bの収納室16に装着した後、貫通孔30にピン(図示せず)を挿通することにより離脱を防止する構成とされている。
また、ブレーキパッド17Aのメンテナンス時には、このピンを貫通孔30から離脱させた上で、フック状の治具を貫通孔30に引っ掛けることにより、マウンティング部材12Bからブレーキパッド17Bを引き抜くこと(ディスクロータ11の径方向への引き抜き)ができる。これにより、ブレーキパッド17Bのマウンティング部材12Bに対する装着脱処理及び離脱防止を容易、かつ確実に行うことができる。
このようなマウンティング部材12B及びブレーキパッド17Bを用いるディスクブレーキにおいてもパッド保持部材20Aを適用することができ、ブレーキ鳴き及び衝突音の発生を確実に防止することができる。
図6は、本発明の第2実施例であるパッド保持部材20Bを示している。
前記した第1実施例に係るパッド保持部材20Aは、基部21Aの上端部のみを湾曲状に曲げることにより上腕部22Aが内側に延出するよう形成し、基部21Aの下端部は側壁16Aに対して略直角で内側に延出するよう形成していた。
これに対して本実施例に係るパッド保持部材20Bは、基部21Aの下端部においても湾曲状に曲げる構成とし、これにより下腕部23Aが第1実施例に比べてより強いバネ性をもって第2の長辺外壁29に当接するよう構成したものである。
この構成とすることにより、制動時において下腕部23Bにおいても上腕部22Bと略同等の弾性力が発生するため、パッド保持部材20B(具体的には上腕部22Bと下腕部23B)がブレーキパッド17Aを挟持する挟持力を増大させることができる。これにより、制動時にブレーキパッド17Aに発生する振動をより確実に抑制でき、ブレーキ鳴きの発生をより確実に防止することができる。
10 ディスクブレーキ
11 ディスクロータ
12A,12B マウンティング部材
13 キャリパ
16 収納室
16A 側壁
17A,17B ブレーキパッド
18A,18B 裏金
19 摩擦材
20A〜20C パッド保持部材
21A〜21C 基部
22A〜22C 上腕部
23A〜23C 下腕部
24A〜24C 挟持部
25 鍔部
26 短辺外周壁
27 短辺外周壁
28 第1の長辺外周壁
29 第2の長辺外周壁
30 貫通孔
P1 第1の当接部
P2 第2の当接部
P3 第3の当接部
P4 第4の当接部
P5 第5の当接部
11 ディスクロータ
12A,12B マウンティング部材
13 キャリパ
16 収納室
16A 側壁
17A,17B ブレーキパッド
18A,18B 裏金
19 摩擦材
20A〜20C パッド保持部材
21A〜21C 基部
22A〜22C 上腕部
23A〜23C 下腕部
24A〜24C 挟持部
25 鍔部
26 短辺外周壁
27 短辺外周壁
28 第1の長辺外周壁
29 第2の長辺外周壁
30 貫通孔
P1 第1の当接部
P2 第2の当接部
P3 第3の当接部
P4 第4の当接部
P5 第5の当接部
Claims (4)
- ディスクロータに対向して配置される一対のブレーキパッドと、該ブレーキパッドを収納する収納部が形成されたマウント部材とを有するディスクブレーキに用いられ、前記ブレーキパッドを前記マウント部材に保持するディスクブレーキ用パッド保持部材であって、
前記ブレーキパッドの短辺外周壁と当接する第1の当接部と、
前記ブレーキパッドの長辺外周壁の内、前記ディスクロータの径方向に対する外側に位置する第1の長辺外周壁と当接する第2の当接部と、
前記第1の当接部と前記第2の当接部との間に設けられており前記収納部の内壁と当接する第3の当接部とを有し、
制動時において前記ブレーキパッドの前記短辺外周壁が前記第1の当接部に当接しこれを押圧することにより、前記第3の当接部を支点として前記第2の当接部が前記第1の長辺外周壁を押圧付する構成としたことを特徴とするディスクブレーキ用パッド保持部材。 - 請求項1記載のディスクブレーキ用パッド保持部材において、
非制動時において前記第1の当接部が前記収納部の内壁から離間するよう構成し、かつ前記第1の当接部が前記内壁に対して弾性的に変位可能な構成としたことを特徴とするディスクブレーキ用パッド保持部材。 - 請求項1または2記載のディスクブレーキ用パッド保持部材において、
更に、前記ブレーキパッドの前記ディスクロータの径方向に対する内側に位置する第2の長辺外周壁と当接する第4の当接部と、
前記第1の当接部と前記第4の当接部との間に設けられており前記収納部の内壁と当接する第5の当接部とを設けたことを特徴とするディスクブレーキ用パッド保持部材。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディスクブレーキ用パッド保持部材において、
前記収納部の前記第1の当接部と対向する内壁は平坦面であることを特徴とするディスクブレーキ用パッド保持部材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004304657A JP2006118543A (ja) | 2004-10-19 | 2004-10-19 | ディスクブレーキ用パッド保持部材 |
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JP2004304657A JP2006118543A (ja) | 2004-10-19 | 2004-10-19 | ディスクブレーキ用パッド保持部材 |
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Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007051618A1 (de) * | 2005-11-03 | 2007-05-10 | Knorr-Bremse Systeme für Nutzfahrzeuge GmbH | Halterung für die bremsbeläge einer scheibenbremse und bremsbelag |
-
2004
- 2004-10-19 JP JP2004304657A patent/JP2006118543A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007051618A1 (de) * | 2005-11-03 | 2007-05-10 | Knorr-Bremse Systeme für Nutzfahrzeuge GmbH | Halterung für die bremsbeläge einer scheibenbremse und bremsbelag |
US7837015B2 (en) | 2005-11-03 | 2010-11-23 | Knorr-Bremse Systeme Fuer Nutzfahrzeuge Gmbh | Holding device for the brake linings of a disk brake and associated brake lining |
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