JP2006117873A - メソポーラスシリカポリマー、その製造方法およびプロトン伝導性材料 - Google Patents

メソポーラスシリカポリマー、その製造方法およびプロトン伝導性材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 電気化学素子への応用に好適な、熱安定性、機械的安定性、耐溶媒性が良好で、低湿度においてもプロトン伝導性の優れた経済的に安価なハイブリッドシリカポリマーとその製造方法を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1):
(HOS-CH-CH-CH-SiO3/2)(HS-CH-CH-CH-SiO3/2)(SiO)1-n-m ‥(1)
(式中、n=0.30〜0.63、m=0.03〜0.40、n+m=0.33〜0.70である。)
で表される無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーであるメソポーラスなシリカポリマー。このポリマーをプロトン伝導性材料として、燃料電池、キャパシター、電解セルなどの電気化学素子に応用する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プロトン伝導性を有するメソポーラスシリカポリマーに関し、特に、燃料電池、キャパシター、電解セルなどの電気化学素子への応用に好適なメソポーラスシリカポリマーとその製造方法及びプロトン伝導性材料に関するものである。
従来、プロトン伝導体としては、有機化合物から構成されているパーフルオロポリマー、例えば、Nafion(デュポン社製、登録商標)がある。このパーフルオロポリマーは、パーフルオロ化された線状の主鎖と、スルホン酸基を有するパーフルオロ化された側鎖とから形成されており、スルホン酸基がプロトン供給サイト(部位)としての役割を担っている。このNafionの場合、通常、分子量1100当たり、1個のスルホン酸基(プロトン供給部位)を含んでおり、分子量当たりのプロトン供給部位の比率(重量比)は、必ずしも大きくない。また、プロトン伝導性は、湿度によって影響を受け、例えば、低湿度状態(RH<11%)でのプロトン伝導性は、10-6S/cmよりも低いという問題がある。
それに対して近年、特許文献1に記載されているように、プロトン伝導性材料としてテトラアルコキシシランにリン酸を添加して加水分解によりゲル状とし、これを高温で加熱処理することによってホスホシリケートとしたものが開発されている。
また非特許文献1では、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランと、テトラエチルオルトシリケートと、非イオン性界面活性剤(pluronic123コポリマー)と、塩酸とを用いて、合成ゲル中のシリカに結合した置換SHが10モル%および20モル%のものを製造し、次いで酸化してシリカに対するスルホン酸含量が8.2モル%のハイブリッドシリカポリマー((HOS-CH-CH-CH-SiO3/2)0.082(HS-CH-CH-CH-SiO3/2)0.058(SiO)0.86)を得ている。
また非特許文献2では、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランと、テトラエチルオルトシリケートと、非イオン性界面活性剤(pluronic123コポリマー)と、塩酸とを用いて、合成ゲル中のシリカに結合した置換SHが2〜20モル%のものを製造し、次いで酸化してシリカに対するスルホン酸含量が17.2モル%のハイブリッドシリカポリマー((HOS-CH-CH-CH-SiO3/2)0.172(HS-CH-CH-CH-SiO3/2)0.088(SiO)0.74)を得ている。
さらに非特許文献3〜5では、いずれも3−メルカプトプロピルトリメトキシシランと、テトラエチルオルトシリケートと、界面活性剤とを用いて、合成ゲル中のシリカに結合した置換SHが6〜50モル%のものまでが製造されている。
特開2002−80214号公報 Microporous and Mesoporous Materials,52(2002)29-37 Chem.Mater.2000,12,2448-2459(SBA-15) Chem.Mater.2003,15,327-334 Chem.Mater.2003,15,3184-3189 Chem.Mater.2001,13,2173-2178
しかしながら、特許文献1に記載されているホスホシリケートは、プロトン伝導性の点では十分なものではない。
また、非特許文献1のハイブリッドシリカポリマーではスルホン酸の含量が少なく、プロトン伝導性については、低湿度で10−8S/cmであり、高湿度で7.2×10−3S/cmと報告されている。よって特に低湿度におけるプロトン伝導性が満足できるものではない。またこの方法で高スルホン酸含量のものを製造しようとした場合には、アモルファスになる。
また、非特許文献2のハイブリッドシリカポリマーではスルホン酸の含量が17.2モル%と少なく、プロトン伝導性については測定されていない。本発明者が行ったところでは、低湿度で10−8S/cm以下であり、高湿度で10−3S/cm以下であった。またこの方法で高スルホン酸含量のものを製造しようとした場合には、非特許文献1と同様にアモルファスになる。
さらに、非特許文献3〜5ではいずれもスルホン酸基を有するものはなく、プロトン伝導性についても測定されておらず、不明である。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、新しい種類の材料を提供することで、経済的に安価に製造でき、かつ熱安定性、機械的安定性、耐溶媒性などが良好で、低湿度においてもプロトン伝導性の優れたハイブリッドシリカポリマーとその製造方法及び各種電気化学素子への応用に好適なプロトン伝導性材料を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、新規なハイブリッドシリカポリマーを新たに見出し、このハイブリッドシリカポリマーを用いることによって優れたプロトン伝導性材料を提供できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1):
(HOS-CH-CH-CH-SiO3/2)(HS-CH-CH-CH-SiO3/2)(SiO)1-n-m ‥(1)
(式中、n=0.30〜0.63、m=0.03〜0.40、n+m=0.33〜0.70である。)
で表される無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーであることを特徴とするメソポーラスシリカポリマーである。
ここで、前記メソポーラスシリカポリマーは、一般式(1)におけるnが、0.37〜0.60であることが好ましい。
上記メソポーラスシリカポリマーの製造方法は、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシランと、テトラエチルオルトシリケートと、界面活性剤と、酸または塩基と、水との混合物を0〜180℃で反応させて33〜70原子%のケイ素原子にプロピル基を介してチオール基が結合した無機−有機ハイブリッドチオール含有メソポーラスシリカポリマーを製造し、次いで該メソポーラスシリカポリマーを過酸化水素で酸化して、
下記一般式(1):
(HOS-CH-CH-CH-SiO3/2)(HS-CH-CH-CH-SiO3/2)(SiO)1-n-m ‥(1)
(式中、n=0.30〜0.63、m=0.03〜0.40、n+m=0.33〜0.70である。)
で表される無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーを製造することを特徴とする。
ここで、界面活性剤としては、一般式(2):
CH−(CH−N(CH・X ・・・(2)
(式中、n=7,9,11,13,15,17,19または21であり、X=Br、ClまたはOHである。)
または一般式(3):
CH−(CH−NH2 ・・・(3)
(式中、n=7,9,11,13,15,17,19または21である。)
を用いることが好ましい。
また、本発明によれば、下記一般式(1):
(HOS-CH-CH-CH-SiO3/2)(HS-CH-CH-CH-SiO3/2)(SiO)1-n-m ‥(1)
(式中、n=0.30〜0.63、m=0.03〜0.40、n+m=0.33〜0.70である。)
で表される無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーからなるプロトン伝導性材料が提供される。
本発明のメソポーラスシリカポリマーは、良好な熱的安定性と機械的安定性とを有し、水性あるいは非水性溶媒に対して安定で耐溶媒性に優れ、かつ低湿度および高湿度共に優れたプロトン伝導性を有するものである。
すなわち、電気化学素子(例えば、燃料電池)の使用環境(約−20〜130℃)に耐えられる熱安定性(150℃以上:TG−DTA測定)と、機械的、化学的安定性を有し、自己保湿性が良好で低湿度下でもプロトン伝導性が優れたハイブリッドシリカポリマーが提供される。そのため、プロトン伝導性材料として、燃料電池、キャパシター、電解セルなどの電気化学素子へ広く応用することが可能である。
また、本発明のメソポーラスシリカポリマーの製造方法によれば、上記の特性を有するメソポーラスシリカポリマーを容易に製造することができる。
本発明の無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーは、下記一般式(1)に示すように、ポリマー構成成分中に有機成分と無機成分とが複合して結合(ハイブリッド)したものである。
すなわち、下記一般式(1):
(HOS-CH-CH-CH-SiO3/2)(HS-CH-CH-CH-SiO3/2)(SiO)1-n-m ‥(1)
(式中、n=0.30〜0.63、m=0.03〜0.40、n+m=0.33〜0.70である。)
で表される無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーであり、一般式(1)中に含有されるチオール基およびスルホン酸基によってプロトン伝導性が発現する。
本発明による上記材料は、高プロトン伝導性材料であり、色彩が透明のものが好ましい。
式中nは0.30〜0.63であり、0.37〜0.60であることが好ましい。nが0.30未満では良好なプロトン伝導性が得られない。nが0.63を超えるとメソポーラス体のシリカポリマーを製造するのが困難になる。すなわち、nがこの範囲で熱安定性、機械的安定性、耐溶媒性などの諸特性が良好で、プロトン伝導性の優れたものとなる。またm+nは、0.33〜0.70であり、好ましくは0.33〜0.68である。m+n=0.68の場合に、材料固体(ソリッド)1g当たりの硫黄原子の含有量[(S)/(ソリッド)]は、6.44mmol(S)/g(ソリッド)である。m+nが0.33未満では良好なプロトン伝導性が得られない。m+nが0.70を超えるとメソポーラス体のシリカポリマーを製造するのが困難になる。
本発明におけるシリカポリマーは、メソポーラスなシリカポリマーである。メソポーラスでない、即ち非ポーラスシリカ材料にはポアがなく、このためメタノールあるいはどのような燃料も通過することができないという特徴を有している。そして、この非ポーラスシリカ材料は、低湿度で高プロトン伝導性があるという特徴がある。一方、ポアを有するメソポーラス材料の場合には、水分子がプロトンサイト(HOS−)に近接して強く吸着している。このため、高いプロトン伝導性を有する。特に、高湿度におけるメソポーラス材料のプロトン伝導性は非ポーラス材料よりも高い。このように、ポーラスシリカポリマー及び非ポーラスシリカポリマーのいずれもそれぞれに異なる明確な特性を有しており、それらのいずれも重要であり、同様及び異なった目的のために応用することができる。
本発明における無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーのポアサイズは1.2〜12nmであり、幅の狭いポアサイズ分布を有する。一般に、ポアサイズが2nm以上、50nm以下のものがメソポーラス材料と呼ばれている。メソ−構造化した材料は、結晶性の材料であり、XRD(X線回折)において、散乱角2θが3°以下に回折ピークを有する。
前記一般式(1)で表される本発明の無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーは、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシランと、テトラエチルオルトシリケートと、界面活性剤と、酸または塩基と、水との混合物を0〜180℃で反応させて33〜70原子%のケイ素原子にプロピル基を介してチオール基が結合した無機−有機ハイブリッドチオール含有メソポーラスシリカポリマーを製造し、次いで該メソポーラスシリカポリマーを過酸化水素で酸化することによって製造することができる。
すなわち、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシランと、テトラエチルオルトシリケートと、界面活性剤と、酸または塩基と、水との混合物を加熱反応させてハイブリッド−チオール含有シリカポリマーを含むゲルとし、このゲルから界面活性剤等を除去した後、酸化反応処理してチオール基をスルホン酸基に変化させることにより本発明のハイブリッドシリカポリマーが得られる。
上記反応において用いられる3−メルカプトプロピルトリアルコキシシランとしては、限定するものではないが、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(略、3−MPTMS)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(略、3−MPTES)などが挙げられる。3−メルカプトプロピルトリアルコキシシランの配合量は、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシランとテトラエチルオルトシリケート(全シリカ材料)の合計量に対して33〜70モル%である。
反応に用いられる界面活性剤としては、一般式(2):
CH−(CH−N(CH・X ・・・(2)
(式中、n=7,9,11,13,15,17,19または21であり、X=Br、ClまたはOHである。)
または一般式(3):
CH−(CH−NH2 ・・・(3)
(式中、n=7,9,11,13,15,17,19または21である。)
で表される化合物を用いることが好ましい。このうち特に一般式(2)で表される化合物が好ましい。他の界面活性剤を用いた場合には、酸または塩基の選択によってはメソポーラス体の製造が困難となる。
ここで、アルキル基部分の具体例としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。界面活性剤の配合量は、全シリカ材料1モルに対して0.005〜0.6モルが適当である。
反応に用いられる塩基または酸としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、あるいは塩化水素、臭化水素等が例示される。このうち特に水酸化アンモニウムが好ましい。
塩基または酸の配合量は、全シリカ材料1モルに対して1〜4モルが適当である。
ハイブリッド−チオール含有シリカポリマーの製造にあたっては、上記の3−メルカプトプロピルトリアルコキシシランと、界面活性剤と、水と、塩基または酸の混合物をpH=9.5〜12.5で、0〜180℃、好ましくは20〜180℃で1〜4日間反応させる。
この結果、式、(HS−CH―CH―CH―SiO3/2(SiO1−xで表されるハイブリッド−チオール含有シリカポリマーがゲルとして得られる。ここで、xは、0.33〜0.70である。
次に、得られたハイブリッド−チオール含有シリカポリマーを過酸化水素で酸化するが、ゲルを酸化反応処理する前に、ゲル中の界面活性剤を除去することが好ましい。例えば、界面活性剤として第4級アンモニウム塩を用いる場合には、エタノールと希塩酸を用い、加熱処理してこれを除去することができる。
酸化反応する場合に用いられる過酸化物としては、高プロトン伝導性材料を製造するうえで、H水溶液による酸化方法が重要である。
酸化処理により、チオール(HS−)基は、最大で90%が酸化されてプロトン電導性を有するスルホン酸基になる。この結果、上記一般式(1)で表される無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーが得られる。Nafionがアルコールに可溶であるのに対し、このスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーはアルコールに不溶である。また、固体1g当たりのスルホン酸基のモル数は、例えばn=0.6の場合、3.85mmol(SOH)/g(ソリッド)である。
本発明のハイブリッドシリカポリマーはメソポーラス体からなり、チオールおよびスルホン酸を含有し、例えば分子量280当たり平均1個のプロトン供給部位を含んでおり、分子量当たりのプロトン供給部位の比率(重量比)が大きく(Nafionは分子量約1100当たり平均1個である。)、良好なプロトン伝導性を発現する。すなわち、低湿度において高プロトン伝導性(σ=10−4S/cm程度以上)であり、高湿度において高プロトン伝導性(σ=10−2S/cm程度以上)であって、従来報告されているものより顕著に高いものである。
また熱安定性も優れ、例えば、TG−DTAによる測定で、およそ150℃まで安定であり、更に、機械的安定性や、水性あるいは非水性溶媒に対する高い安定性(耐溶媒性)、あるいは化学安定性などを示す。低湿度におけるプロトン伝導性も優れている。このため燃料電池の応用環境(80〜130℃程度)において十分実用寿命を超えて用いることができる。
また、従来のパーフルオロポリマーなどの有機ポリマーよりも安価で容易に製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその趣旨を逸脱しない限り下記実施例に限定されるものではない。
実施例1[ハイブリッドシリカポリマーの合成]
出発原料として、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(3−MPTES)または3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(3−MPTMS)、界面活性剤(RX)、水(HO)、NH4OHを用い、界面活性剤(RX)の種類を下記のように振り、また出発原料の各成分を振って、下記モル組成を有する合成ゲル(乾燥条件下)を製造した。
[界面活性剤(RX)]
CH−(CH−N(CHX(n=7,9,11,13,15,17,19;X=Br、Cl、OH)
[合成ゲルのモル組成]
TEOS+3−MPTES(3−MPTMS):1.0(ただし、このうちTEOSは30〜67モル%)、
界面活性剤 :0.005〜0.6、
O :30〜120、
NH4OH :1〜4
pH=9.5〜12.5
合成条件:20℃〜180℃で1〜4時間
上記各出発原料の各モル成分および合成条件を振って合成したが、代表的な合成例を以下に記載する。
(代表的な合成方法)
(1)チオール基含有ハイブリッドシリカポリマーゲルの合成
1000mlのビーカに、27.67gのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(100%、Aldrich Chem.)を360gの水に撹拌しながら10分で投入する。得られた溶液に、47.04gの3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(3−MPTMS)(Azmax、Japan chem.、95%)及び、37.60gのテトラエチルオルトシリケート(Aldrich、98%)を一緒に、撹拌下10分で添加した後、63gのアンモニア水(30%、水溶液)(pH=11.84)を高速撹拌しながら30分で滴下した。
得られた均一なゲルを室温で3日間熟成する(pH=11.75)。生成物をろ過し、水洗した後、100℃で1日乾燥する。
上記で合成した最終的な合成ゲルのモル組成は以下のようであった。
TEOS 0.44
3−MPTMS 0.56
16TMABr 0.19
O 60
NHOH 2.78
(2)ゲル中の界面活性剤の除去
次いで、界面活性剤(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)を除去するため、10gのサンプルを1000mlのエタノールと11mlの塩酸(4M)を用い、80℃で8時間処理する。次いで、ろ過し、エタノールで洗浄した後、100℃で1日乾燥する。
得られた生成物の収率は、いずれの場合も90%以上であった。
(3)チオール基含有ハイブリッドシリカポリマーの酸化反応
酸化は、1乃至48時間行われる。上記代表的な合成方法で得られたチオール基含有試料の場合、次のように行われる。
20mlのサンプルビン中で、1.72gのチオール含有シリカを30gの30%H水溶液を用いて室温で2時間処理する。処理したサンプルを40分間、遠心分離した後、40℃で24時間乾燥する。酸化しないものの色は白色であるのに対して、酸化されたサンプルの色は透明であった。
このサンプルのモル組成は、(HO3S−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.5(HS−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.07(SiO0.43・1.9H2Oである。この生成物は、50mol%のSO3Hを含有する(すなわち、3.20mmol(SO3H)/g(ソリッド))シリカであった。
上記実施例1により得られた生成物(ハイブリッドメソポーラスシリカ)のポアサイズ分布について、BJH法を用いて等温脱離ブランチにより計算した結果を図1に、透過型電子顕微鏡(TEM)像を図1に示す。生成物はメソポーラス体であり、平均ポアサイズが2.8nmであった。
比較例1
Microporous and Mesoporous Materials,52(2002)29-37に記載された方法にしたがって、界面活性剤としてPluronic123コポリマー(Aldrich)を用い、酸又は塩基としてHClを用いて50mol%のHS−含有シリカの合成を試みたところ、メソポーラス材料は得られず、アモルファス材料のみが得られた。
比較例2
Chem.Mater.2000,12,2448-2459(SBA-15)に記載された方法にしたがって、界面活性剤としてPluronic123コポリマー(Aldrich)を用い、酸又は塩基としてHClを用いて50mol%のHS−含有シリカの合成を試みたところ、メソポーラス材料は得られず、アモルファス材料のみが得られた。
比較例3
Chem.Mater.2003,15,327-334に記載された方法にしたがって、界面活性剤としてIgepal CA−720(C17−C−(OCHCH10OH(ジブロックポリマー))を用い、酸又は塩基としてHClを用いて50mol%のHS−含有シリカの合成を試みたところ、メソポーラス材料は得られず、アモルファス材料のみが得られた。
実施例2[ハイブリッドシリカポリマーの合成]
実施例1の(代表的な合成方法)において、42gの3−MPTMSと42.73gのTEOSを用いたこと以外は実施例1と同様にして(HO3S−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.37(HS−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.14(SiO0.49で表されるハイブリッドシリカポリマーを合成した。
実施例3[ハイブリッドシリカポリマーの合成]
実施例1の(代表的な合成方法)において、46.2gの3−MPTMSと38.455gのTEOSを用いたこととした以外は実施例1と同様にして(HO3S−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.44(HS−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.12(SiO0.44で表されるハイブリッドシリカポリマーを合成した。
実施例4[ハイブリッドシリカポリマーの合成]
実施例1の(代表的な合成方法)において、57.96gの3−MPTMSと26.491gのTEOSを用いたこととした以外は実施例1と同様にして(HO3S−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.60(HS−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.08(SiO0.32で表されるハイブリッドシリカポリマーを合成した。
比較例4[ハイブリッドシリカポリマーの合成]
実施例1の(代表的な合成方法)において、8.40gの3−MPTMSと76.91gのTEOSを用いたこととした以外は実施例1と同様にして(HO3S−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.06(HS−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.06(SiO0.88で表されるハイブリッドシリカポリマーを合成した。
比較例5[ハイブリッドシリカポリマーの合成]
実施例1の(代表的な合成方法)において、16.80gの3−MPTMSと68.36gのTEOSを用いたこととした以外は実施例1と同様にして(HO3S−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.13(HS−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.09(SiO0.78で表されるハイブリッドシリカポリマーを合成した。
実施例2〜4、比較例4,5で得られた酸化前のハイブリッドシリカポリマーの元素分析値を表1に、酸化後のハイブリッドシリカポリマー(無水物換算)の元素分析値を表2にそれぞれ示す。
Figure 2006117873
Figure 2006117873
[評価]
次に、種々のハイブリッドシリカポリマーを、めのう乳鉢でかき混ぜて微粉末化させ、錠剤成型器を用いて、直径13mm、厚さ0.4mmの円柱状ペレットに加圧成形した。作製した円柱状ペレットを金電極に挟持し、導電率を交流法により測定評価した。低湿度(20%未満、25℃)におけるプロトン伝導度、および高湿度(90%以上、25℃)におけるプロトン伝導度を表3に示す。
Figure 2006117873
次に、ハイブリッドシリカポリマーとして、(HO3S−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.44(HS−CH2−CH2−CH2−SiO3/20.12(SiO0.44・1.58H2Oを用い、相対湿度(RH)および温度を種々変化させてプロトン伝導度を測定した。その結果をそれぞれ表4および表5に示す。なお、表4は25℃での測定であり、表5は高温度においては相対湿度5%未満である。
Figure 2006117873
Figure 2006117873
本発明の無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーの一例のポアサイズ分布を示す図である。 本発明の無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーの一例のTEM写真である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1):
    (HOS-CH-CH-CH-SiO3/2)(HS-CH-CH-CH-SiO3/2)(SiO)1-n-m ‥(1)
    (式中、n=0.30〜0.63、m=0.03〜0.40、n+m=0.33〜0.70である。)
    で表される無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーであることを特徴とするメソポーラスシリカポリマー。
  2. 前記一般式(1)におけるnが、0.37〜0.60であることを特徴とする請求項1に記載のメソポーラスシリカポリマー。
  3. 3−メルカプトプロピルトリアルコキシシランと、テトラエチルオルトシリケートと、界面活性剤と、酸または塩基と、水との混合物を0〜180℃で反応させて33〜70原子%のケイ素原子にプロピル基を介してチオール基が結合した無機−有機ハイブリッドチオール含有メソポーラスシリカポリマーを製造し、次いで該メソポーラスシリカポリマーを過酸化水素で酸化して、
    下記一般式(1):
    (HOS-CH-CH-CH-SiO3/2)(HS-CH-CH-CH-SiO3/2)(SiO)1-n-m ‥(1)
    (式中、n=0.30〜0.63、m=0.03〜0.40、n+m=0.33〜0.70である。)
    で表される無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーを製造することを特徴とするメソポーラスシリカポリマーの製造方法。
  4. 前記界面活性剤として、一般式(2):
    CH−(CH−N(CH・X ・・・(2)
    (式中、n=7,9,11,13,15,17,19または21であり、X=Br、ClまたはOHである。)
    または一般式(3):
    CH−(CH−NH2 ・・・(3)
    (式中、n=7,9,11,13,15,17,19または21である。)
    で表される化合物を用いることを特徴とする請求項3に記載のメソポーラスシリカポリマーの製造方法。
  5. 下記一般式(1):
    (HOS-CH-CH-CH-SiO3/2)(HS-CH-CH-CH-SiO3/2)(SiO)1-n-m ‥(1)
    (式中、n=0.30〜0.63、m=0.03〜0.40、n+m=0.33〜0.70である。)
    で表される無機−有機ハイブリッドスルホン酸含有メソポーラスシリカポリマーからなることを特徴とするプロトン伝導性材料。


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