JP2006117815A - コンミテータ用フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

コンミテータ用フェノール樹脂成形材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 フェノール樹脂成形材料の特徴である機械的強度、寸法安定性、耐熱性を損なうことなく、成形金型からの脱型性及び成形性に優れるコンミテータ用フェノール樹脂成形材料を提供する。
【解決手段】 レゾール型フェノール樹脂と、無機充填材とを必須成分とし、エラストマとしてアクリルニトリルブタジエンゴム及び/又はポリビニルアセタールと、離型剤として部分ケン化エステルワックスと、を含有することを特徴とするコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、コンミテータ用フェノール樹脂成形材料に関するものである。
広範囲の分野に利用されているフェノール樹脂成形材料の用途のひとつとしてコンミテータ(整流子)がある。コンミテータはモーターの一部品であり、一般的には、銅セグメントと絶縁体としてフェノール樹脂成形材料に代表される熱硬化性樹脂成形材料の成形品により構成されている。コンミテータの絶縁体に使用される材料に要求される基本的な特性には、機械的強度、耐熱性(特に、熱時の機械的強度・加熱寸法安定性)や寸法安定性などがあるため、ガラス繊維で強化されたフェノール樹脂成形材料が多く使用されている。
このようなフェノール樹脂成形材料の優れた特徴を充分に発揮するためには、成形段階で充填性を向上させ充填密度の高い成形品を得ることが必要である。充填性を向上させるためには、金型に積極的にエアベントを設け、材料が硬化反応する際に発生するガスやキャビティ内のエアを成形時に効率良く逃がすことが重要とされている。こうすることで充填密度の高い成形品を得ることができ、また成形品の外観についても、小ブクレ、ガス焼け、流れジワ等の成形不具合の無い成形品が得られる。
しかし、一方でフェノール樹脂成形材料は、金型内で一時的に溶融粘度が非常に低くなるためエアベント等の狭い隙間にも成形材料が流れ込みバリが発生する。しかも、このような薄いバリはエアベントに残りやすく、バリが残ったまま成形すると充填性が著しく低下してしまう恐れがあるため、金型に付着したバリを除去してから次の成形を行う必要があり、短時間で容易にバリが除去できないと製品の生産性低下につながる。また、成形品についてもバリを取る工程が必要となり工程増加の要因となることから、エアベントを設けずバリの発生しない構造の金型にて成形を実施する場合がある。この場合、金型において袋小路となる個所が存在するため、成形材料の流動性が低い場合にはガス焼けを発生しやすい傾向がある。
また、十分に充填密度の高い成形品を得るためには成形圧力を高くする必要がある。成形圧力を高くすることで、金型から成形品を取り出す時の取り出し荷重(以下、脱型荷重という)は高くなる傾向にあり、成形条件によっては脱型荷重が高いために成形品が取り出せない場合がある。更に、ハイサイクル化を達成するためには硬化時間は短い方が望ましく、硬化時間が短いと硬化性不足による特性低下、小ブクレ等の成形性が悪化することがあり、金型温度を高めにすることで硬化性不足を補う必要が生じる。しかし、金型温度を高くすることでも脱型荷重は高くなる傾向にあり、脱型性と成形性を両立させることが困難となる場合がある。
脱型性が問題となるケースは、銅セグメントを有するコンミテータに特有の現象であり、更には圧縮成形でより顕著に起こる問題であると考えられる。移送成形及び射出成形では、スプル・ランナが存在するため、金型内への材料充填が完了し硬化が進行する段階において、射出圧力は成形品そのものには作用せず、金型内圧は一旦ピークをむかえた後に低下する。これは成形品が熱収縮しているためと考えられる。一方、圧縮成形においては、脱型時まで金型圧力は成形品にかかり続けるため、脱型荷重は増加する傾向がある。
離型性を改良するために、従来手法として、離型性の高い離型剤を使用すること、融点の異なる離型剤を併用すること等がこれまでに開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、コンミテータの脱型性問題においては、離型剤の変更だけでは解決できず、離型性を含んだ脱型性の改良が必要とされていた。
特開2002−317100号公報
本発明は、フェノール樹脂成形材料の特徴である機械的強度、寸法安定性、耐熱性、成形性を損なうことなく、成形金型からの脱型性及び成形性に優れるコンミテータ用フェノール樹脂成形材料を提供するものである。
上記目的は、下記(1)〜(5)に記載の本発明により達成される。
(1)レゾール型フェノール樹脂と、無機充填材とを必須成分とし、エラストマとしてアクリルニトリルブタジエンゴム及び/又はポリビニルアセタールと、離型剤として部分ケン化エステルワックスと、を含有することを特徴とするコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(2)前記レゾール型フェノール樹脂の含有量は、成形材料全体に対して25〜40重量%である(1)に記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(3)前記アクリルニトリルブタジエンゴム及び/又はポリビニルアセタールの含有量は、成形材料全体に対して1〜15重量%である(1)又は(2)に記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(4)前記部分ケン化エステルワックスの含有量は、成形材料全体に対して0.5〜3重量%である(1)〜(3)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
(5)前記無機充填材の含有量は、成形材料全体に対して40〜65重量%である(1)〜(4)のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
本発明のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料は、レゾール型フェノール樹脂と、無機充填材とを必須成分とし、エラストマとしてアクリルニトリルブタジエンゴム及び/又はポリビニルアセタールと、離型剤として部分ケン化エステルワックスと、を含有することを特徴とするものであり、フェノール樹脂成形材料の特徴である機械的強度、寸法安定性、耐熱性、成形性を損なうことなく、成形金型からの脱型性及び成形性に優れたコンミテータ用フェノール樹脂成形材料を提供することができる。
以下、本発明のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料(以下、単に「成形材料」ということがある)について説明する。
本発明の成形材料は、レゾール型フェノール樹脂と、無機充填材とを必須成分とし、エラストマとしてアクリルニトリルブタジエンゴム(以下、単に「NBR」ということがある)及び/又はポリビニルブチラール(以下、単に「PVB」ということがある)と、離型剤として部分ケン化エステルワックスと、を含有することを特徴とする。
本発明の成形材料に用いられるレゾール型フェノール樹脂の含有量は、特に限定されないが、成形材料全体に対して、25〜40重量%であることが好ましく、更に好ましくは25〜35重量%である。レゾール型フェノール樹脂が上記下限値未満であると、成形材料の生産性が低下すること及び材料の流動性が低下するため成形が困難になることがある。上記上限値を超えると成形収縮や後収縮による寸法変化が大きくなることがある。
本発明の成形材料において、レゾール型フェノール樹脂を使用することで、耐熱性を向上させることができる。コンミテータにおいては、フュージングと呼ばれる、銅セグメントとリード線とを熱圧着する工程が存在する。この際に耐熱性が必要となることから、レゾール型フェノール樹脂を用いることは耐熱劣化を小さくする上で有効である。また、密閉系のモーターに適用される場合においては、ノボラック型フェノール樹脂とは異なり、ヘキサメチレンテトラミンの分解によるアンモニアが残存することは無く、従ってモーター内の金属部品及び銅セグメントを腐食したり或いはアンモニアガスによる臭気を発生することも無いので好ましい。
本発明には基材として無機充填材を用いる。
無機充填材としては特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、焼成クレイ、未焼成クレイ、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化マグネシウム、ウォラストナイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラス粉末等の無機粉末、或いはガラス繊維等の無機繊維が挙げられる。これらを単独、或いは2種類以上配合して用いることができる。
本発明の成形材料においては、上記無機充填材のうち、ガラス繊維を用いることが好ましい。これにより、コンミテータに基本的な機械的強度、耐熱性を付与することができる。
また、無機充填材として、上記ガラス繊維とともに、粉末状の無機充填材を用いることが好ましい。これにより、上記効果に加えて、コンミテータに寸法安定性を付与することができる。
上記無機充填材の含有量は、ガラス繊維を含めて、成形材料全体に対し40〜65重量%とすることが好ましい。含有量が上記下限値未満では機械的強度の向上効果が充分でないことがあり、寸法変化も大きくなる傾向がみられる。また、上記上限値を越えると成形材料段階での作業性が低下し、相対的に樹脂分の含有量が低下することから機械的強度の低下につながることがある。
本発明の成形材料においては、エラストマとしてNBR及び/またはPVBを配合する。これにより、成形品を低弾性率化することができる。また、本発明の成形材料のように、レゾール型フェノール樹脂を用いた剛性の高い成形品においても、耐熱性と低弾性率化を両立させることができる。
本発明の成形材料において、上記エラストマは、単独で用いても併用しても構わない。脱型抵抗となりうる個所は、銅セグメント部、成形品部及びイジェクターピン部の3箇所であり、脱型抵抗が増加する要因としては、成形中にセグメントが外側に押し広げられることによる脱型時の抵抗増加、成形品自体の離型性不良による抵抗増加、イジェクターピン部等のクリアランスが小さい部分へバリが入り込むことによる抵抗増加等が挙げられる。十分な離型性を有する成形材料においても、成形品の表面硬度が高すぎる場合や成形品の弾性率が高い場合、脱型荷重は増加する傾向にある。
本発明のようにエラストマを使用することで、常温弾性率及び金型温度程度における熱時弾性率を下げることが可能であり、この低弾性率化によって脱型荷重を低減することができる。また、脱型時に金型からの圧力が開放された直後に、高圧成形による金型圧力に起因する応力を緩和する効果もある。
一般的に成形品の剛性及び表面硬度を下げる手法としては、成形時の金型温度を下げること、材料の硬化性を調整してよりマイルドな硬化にする方法がある。しかしながら、硬化不足に起因する成形品表面の剛性が不足する可能性があることから、小ブクレ等の成形性で不具合を起こしやすい。また硬化が不十分となることで特性も低下する傾向にあり、特に、ベーキング処理を行わない場合は不良品発生の原因となりうる。
本発明の成形材料に用いられるエラストマとしては、PVBを用いることがより好ましい。
PVBとNBRとでは、PVBの方が脱型荷重を下げる効果が高い。これは熱時の弾性率を下げる効果はPVBの方が高いためと考えられる。
エラストマの含有量は特に限定されないが、成形材料全体に対して1〜15重量%であることが好ましい。更に好ましくは3〜10重量%である。上記下限値未満では十分な脱型性を得られないことがある。また、エラストマがフェノール樹脂中に分散された場合、それ自身の持つ弾性回復により成形品としての収縮を抑える効果が作用し、寸法精度、寸法安定性の面でも優れた特性を有するが、上記上限値を超えるとエラストマ自身の持つ収縮の影響から寸法精度、寸法安定性が低下するようになる。
本発明の成形材料では、更に離型剤として部分エステル化ワックスを配合する。
通常、エラストマを配合することで成形材料が融けにくくなり流動性は低下することから、ガス焼けが発生しやすくなる傾向があるが、エラストマに部分ケン化エステルワックスを併用することで、ガス焼けを低減させる効果を向上することができる。
部分ケン化エステルワックスは、スリップ性のよい高耐熱性のペーストであり、表面光沢に優れるという特徴があり、その化学構造は極性基と長い無極性基とから構成されるものであるため、優れた内滑性と外滑性とを同時に発揮することができることから、他の離型剤を用いた場合と比較して、材料の金型内部における充填挙動は金型壁面を滑るように充填していると考えられる。
これにより、金型内部の最終充填位置における断熱圧縮によるガス焼けを低減することができると考えられる。また部分ケン化エステルワックスは、耐熱性も高いことからコンミテータのような高温雰囲気下で使用される成形品に適していると考えられる。
本発明の成形材料に用いられる部分ケン化エステルワックスの含有量は特に限定されないが、成形材料全体に対して、0.5〜3重量%が好ましい。更に好ましくは1.0〜2.5重量%である。部分ケン化エステルワックスの含有量が上記下限値未満では離型性及び成形性に及ぼす効果が不足することがあり、上記上限値を越えると成形材料の生産性が低下することがある。
本発明の成形材料を製造する方法は、通常の混練方法が適用できる。即ち、上記の配合物を所定の割合で混合し、更に着色剤、離型剤、硬化触媒等を加え加熱ロール等により溶融混練し、シート状にしたものを顆粒状に粉砕して得られる。
以下、実施例により本発明を説明する。
表1に、実施例及び比較例の成形材料組成、及び、それぞれの特性評価結果について示した。
(実施例1)
ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂20重量%、メチロール型レゾールフェノール樹脂10重量%、ポリビニルブチラール6重量%、ガラス繊維50重量%、未焼成クレイ10重量%、離型剤として部分ケン化エステルワックス<1>2重量%、硬化助剤として水酸化カルシウム1重量%、顔料としてカーボンブラック1重量%を配合した原料混合物を、90℃の加熱ロールにより3分間溶融混練した後取り出し、冷却後顆粒状に粉砕して成形材料を得た。
(実施例2)
部分ケン化エステルワックス<1>に代えて部分ケン化エステルワックス<2>を配合した以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。
(実施例3)
ポリビニルブチラールに代えてアクリロニトリルブタジエンゴムを配合した以外は実施例2と同様にして成形材料を得た。
(比較例1)
ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂を24重量%、メチロール型レゾールフェノール樹脂12重量%、ガラス繊維50重量%、未焼成クレイ10重量%、離型剤としてステアリン酸2重量%、硬化助剤として水酸化カルシウム1重量%、顔料としてカーボンブラック1重量%を配合した原料混合物を、90℃の加熱ロールにより3分間溶融混練した後取り出し、冷却後顆粒状に粉砕して成形材料を得た。
(比較例2)
ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂を20重量%に減量、メチロール型レゾールフェノール樹脂を10重量%に減量、ノボラック型フェノール樹脂を6重量%追加配合した以外は比較例1と同様にして成形材料を得た。
(比較例3)
未焼成クレイを10.5重量%に増量、水酸化カルシウムを0.5重量%に減量した以外は比較例1と同様にして成形材料を得た。
(比較例4)
ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂を20重量%に減量、メチロール型レゾールフェノール樹脂を10重量%に減量、ポリビニルブチラールを6重量%追加配合した以外は比較例1と同様にして成形材料を得た。
実施例及び比較例に用いた各配合物は以下のとおりである。
1.ジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂:以下の方法にて製造した。
還流コンデンサー、撹拌機、加熱装置、真空脱水装置を備えた反応釜内に、フェノール(P)とホルムアルデヒド(F)とをモル比(F/P)=1.7で仕込み、これに酢酸亜鉛をフェノール100重量部に対して0.5重量部添加した。この反応系のpHを5.5に調整し、還流反応を3時間行った。その後、真空度100Torr、温度100℃で2時間水蒸気蒸留を行って未反応フェノールを除去し、さらに、真空度100Torr、温度115℃で1時間反応させ、数平均分子量800のジメチレンエーテル型レゾールフェノール樹脂(固形)を得た。
2.メチロール型レゾールフェノール樹脂:住友ベークライト社製 PR−51723(数平均分子量450)
3.ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製 A−1082(数平均分子量850)
4.ガラス繊維:日本板硝子社製 RES03−BM38(平均線維径11μm、平均繊維長3mm)
5.未焼成クレイ:白石工業社製 カオブライト(325メッシュパス)
6.アクリルニトリルブタジエンゴム:JSR社製 PNC−38
7.ポリビニルブチラール:積水化学工業社製 エスレックBX−5(重合度2500)
8.部分ケン化エステルワックス<1>:ユニスターH0476DP(日本油脂社製)
9.部分ケン化エステルワックス<2>:リコワックスOP(クラリアントジャパン社製)
10.ステアリン酸:ステアリン酸さくら(日本油脂社製)
11.硬化助剤(1)(水酸化カルシウム):消石灰SA074(秩父石灰社製)
12.顔料カーボンブラック#750B(三菱化学社製)
なお、上記1〜3に示したフェノール樹脂の数平均分子量は、GPC法により測定し、フェノール換算で算出したものである。
Figure 2006117815
特性評価方法は以下のとおりである。
1.成形収縮率、曲げ強さ、曲げ弾性率
JIS K 6911に準拠して測定した。評価用試料は、得られた成形材料を用いて、圧縮成形により作成した。成形条件は、金型温度175℃、成形圧力50MPa、硬化時間3分間とした。
2.離型性
図1に示す格子状の金型の凸部(12箇所/1格子サイズ:15×15mm)に、成形材料を1gずつ乗せて成形した。成形条件は、金型温度150℃、成形圧力25MPa、硬化時間1分間で行った。成形後、凸部に0.25MPaの圧力で10秒間エア掛けを行い、12箇所の凸部に残ったバリ状成形品の面積を目視で観察し点数化した。
成形品が全部除去されていれば4点、一部残っていたら2点、全部残っていたら0点とし、4点×12箇所×2ショット=96点を満点として評価した。
3.脱型性
得られた成形材料を用い、外径30mm、高さ30mmのモデルコンミテータを圧縮成形により作成した。成形条件は、金型温度175℃、成形圧力50MPa、硬化時間3分間とした。
脱型荷重は、金型から成形品を脱型するのに必要な荷重を測定した。脱型直後の外径寸法は、脱型後10秒間経過後の外径寸法を測定した。
4.成形性
上記脱型性の評価で用いたモデルコンミテータ成形品を使用して、成形品外観において小ブクレ及びガス焼けの発生程度を比較した。符号は以下のとおりである。
○:成形性良好
△:小ブクレ又はガス焼けがわずかに認められる
×:小ブクレ又はガス焼けが認められる
エラストマとしてポオリビニルブチラール及び部分ケン化エステルワックスを配合した実施例1及び2は、比較例1〜4に示す成形材料に比べて、脱型荷重が低く、成形性においても小ブクレ及びガス焼けは発生しておらず、脱型性と成形性が両立できた結果となった。また、200℃の熱時曲げ弾性率は低く、脱型直後の外径寸法も小さいことから、脱型時の抵抗は小さいと考えられる。
エラストマとしてアクリロニトリルブタジエンゴムを配合した実施例3は実施例1及び2と比較して、熱時曲げ弾性率がやや高く脱型直後の外径寸法は若干大きいことから脱型荷重もやや高い結果となった。
エラストマ及び部分ケン化エステルワックスを配合していない比較例1は脱型荷重が高く、ノボラック樹脂を配合した比較例2及び硬化助剤量を減らした比較例3では、脱型荷重は低下するものの硬化性が低下することから表面剛性の低下が顕著であり小ブクレが発生した。エラストマは配合しているが部分ケン化エステルワックスを配合していない比較例4では、脱型荷重が僅かに増加し、成形性の悪化も観察された。
本発明のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料は、成形金型からの脱型性(離型性)、成形性及び耐熱性に優れたコンミテータ用樹脂成形材料として好適に適用されるものである。
本発明の実施例、比較例における、離型性評価で用いた金型の断面図 本発明の実施例、比較例における、離型性評価で用いた金型の平面図
符号の説明
1 上型
2 下型
3 成形材料

Claims (5)

  1. レゾール型フェノール樹脂と、無機充填材とを必須成分とし、エラストマとしてアクリルニトリルブタジエンゴム及び/又はポリビニルアセタールと、離型剤として部分ケン化エステルワックスと、を含有することを特徴とするコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
  2. 前記レゾール型フェノール樹脂の含有量は、成形材料全体に対して25〜40重量%である請求項1に記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
  3. 前記アクリルニトリルブタジエンゴム及び/又はポリビニルアセタールの含有量は、成形材料全体に対して1〜15重量%である請求項1又は2に記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
  4. 前記部分ケン化エステルワックスの含有量は、成形材料全体に対して0.5〜3重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
  5. 前記無機充填材の含有量は、成形材料全体に対して40〜65重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のコンミテータ用フェノール樹脂成形材料。
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