JP2006116807A - 音響材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルロース系材料に、リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合したビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体を複合化して音響材料とする。こうすることで、優れた音響特性を有する音響材料が得られる。
【選択図】 なし
Description
音響材料であって、
セルロースおよび/またはヘミセルロースからなるセルロース系材料を含有するセルロース系材料と、
該基材に複合化された、以下の(a)〜(d);
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1−ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(b)(a)のリグニン誘導体の前記1,1−ビスアリールプロパンユニット中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体、
(c)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体
(d)(c)の架橋性誘導体の前記架橋性反応基が架橋された架橋体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体と、
を備える、音響材料が提供される。この形態においては、前記リグニン誘導体は前記(a)のリグノフェノール誘導体であることが好ましく、また、前記セルロース系材料は、その集合体、その交絡体およびその緻密体のいずれかであることも好ましい態様である。さらに、前記セルロース系材料は、シート状あるいはシート状以外の三次元形状を有する成形体であることも好ましい態様である。
音響材料用組成物であって、
以下の(a)〜(c);
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1−ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(b)(a)のリグニン誘導体の前記1,1−ビスアリールプロパンユニット中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体、
(c)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体を含有する、組成物が提供される。この組成物は、フェノール化合物を含有することが好ましく、セルロースおよび/またはヘミセルロースを含有することが好ましく、さらに酸を含有することも好ましい。
セルロース系材料と、
以下の(a)〜(c);
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1−ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(b)(a)のリグニン誘導体の前記1,1−ビスアリールプロパンユニット中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体、
(c)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体と、
を含有する、組成物が提供される。
音響材料の製造方法であって、
セルロースおよび/またはヘミセルロースを含有するセルロース系材料に、
以下の(a)〜(c);
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1−ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(d)(a)のリグニン誘導体の前記1,1−ビスアリールプロパンユニット中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体、
(c)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体を供給して、該リグニン誘導体と前記セルロース系材料とを複合化する工程を備える、
音響材料の製造方法が提供される。この製造方法においては、前記複合化工程で用いる前記セルロース系材料は、シート状あるいはシート状以外の三次元形状を有する成形体であることが好ましく、また、非分散状の前記セルロース系材料と前記リグニン誘導体とを複合化するとともにこれらの所定の形状を付与する工程であることも好ましい。
本発明の音響材料の一構成成分であるセルロース系材料、セルロースおよび/またはヘミセルロースを含有するセルロース系材料を含有している。セルロース系材料としては特に限定しないが、樹木や草本あるいは廃棄物としてのリグノセルロース系材料から得られる繊維材料、粉末材料、不定形材料等を挙げることができる。また、セルロース系材料として、リグノセルロース系材料を含んでいてもよく、木質ファイバーやチップなども用いることができる。すなわち、リグノセルロース系材料にさらにリグニン誘導体を複合化してもよい。
本音響材料のもう一方の構成成分であるリグニン誘導体は、リグノフェノール誘導体およびその二次誘導体である。まず、リグノフェノール誘導体について説明する。リグノフェノール誘導体は、リグノセルロース系材料などのリグニン含有材料からフェノール化合物によって誘導される誘導体であって、以下の(a)及び(b)のユニットの双方あるいはいずれかを有する化合物である。
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位の炭素原子が結合した第1の1,1−ビスアリールプロパンユニット(第1のユニット)
(b)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してパラ位の炭素原子が結合した第2の1,1−ビスアリールプロパンユニット(第2のユニット)
本発明で用いる「リグニン含有材料」は、アリールプロパンユニットを有するリグニン由来の構造を維持していればよい。具体的には、木質化した材料、主として木材である各種材料、例えば、木粉、チップなどのリグノセルロース系材料の他、廃材、端材、古紙などの木材資源に付随する農産廃棄物や工業廃棄物を挙げることができる。また用いる木材の種類としては、針葉樹、広葉樹など任意の種類のものを使用するこができる。さらに、リグニン含有材料としては、各種草本植物、それに関連する農産廃棄物や工業廃棄物なども使用できる。また、パルプ製造の過程で副生するリグニンの変性物も用いることができる。
フェノール化合物としては、1価のフェノール化合物、2価のフェノール化合物、または3価のフェノール化合物などを用いることができる。
1価のフェノール化合物の具体例としては、1以上の置換基を有していてもよいフェノール、1以上の置換基を有していてもよいナフトール、1以上の置換基を有していてもよいアントロール、1以上の置換基を有していてもよいアントロキノンオールなどが挙げられる。2価のフェノール化合物の具体例としては、1以上の置換基を有していてもよいカテコール、1以上の置換基を有していてもよいレゾルシノール、1以上の置換基を有していてもよいヒドロキノンなどが挙げられる。3価のフェノール化合物の具体例としては、1以上の置換基を有していてもよいピロガロールなどが挙げられる。
本プロセスにおいて、リグニン含有材料に添加する酸としては、特に限定しないが、セルロースを膨潤させる作用を有していることが好ましい。例えば、65重量%以上の硫酸(好ましくは、72重量%の硫酸)、85重量%以上のリン酸、38重量%以上の塩酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ギ酸などを挙げることができる。好ましい酸は、65重量%以上(より好ましくは72重量%以上)の硫酸、85重量%以上(より好ましくは95重量%以上)のリン酸、トリフルオロ酢酸、又はギ酸である。
リグニン含有材料中のリグニンを、リグノフェノール誘導体に変換し、分離する方法としては以下の3つの方法を挙げることができる。なお、これらの方法に限定されるものではなく、また、これらの方法を適宜変更して用いることもできる。また、以下に示すリグノフェノール誘導体の製造プロセスにおいては、リグノセルロース系材料を原料として用いて説明するが、セルロースなど多く含まないあるいはほとんど含まないリグニン含有材料一般に適用することができる。なお、以下に示す各種の粗精製画分における炭水化物は、原料としてリグノセルロース系材料を主体とする場合において含まれるものである。
(1)重量平均分子量が約2000〜約20000程度である。重量平均分子量は、カラムクロマトグラフィー法によりポリスチレン換算にて測定することができる。
(2)分子内に共役系をほとんど有さずその色調は極めて淡色である。典型的には淡いピンク系白色粉末である。
(3)針葉樹由来で約150℃〜180℃、広葉樹由来で約130℃〜160℃に固−液相転移点を有する。
(4)メタノール、エタノール、アセトン、ジオキサン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル(以下、これらを、リグノフェノール誘導体親和性溶媒ともいう。)、アルカリ水溶液などに容易に溶解する。
また、本発明において用いるリグニン誘導体は、このリグノフェノール誘導体に対してさらに化学的な修飾を行って得られる二次誘導体を含んでいる。二次誘導体としては、リグノフェノール誘導体の架橋性誘導体およびクマラン誘導体が挙げられる。
クマラン誘導体は、図1に示すように、リグノフェノール誘導体のビスアリールプロパンユニットの導入フェノール化合物をクマラン化したクマランユニットを有する誘導体である。このような誘導体は、第1のユニットを有するリグノフェノール誘導体を、アルカリと接触させることにより得ることができる。好ましくは同時に加熱する。例えば、導入したフェノール化合物のフェノール性水酸基のオルト位がC1位に導入された第1のユニットを有するリグノフェノール誘導体においては、アルカリ処理により、導入フェノール化合物のフェノキシドイオンによるC2位炭素の攻撃が生じる。すなわち、緩和なアルカリ処理では、当該導入フェノール化合物の当該フェノール性水酸基が解離し、生じたフェノキシドイオンが、C2アリールエーテル結合を構成するC2位を分子内求核反応的にアタックしてC2アリールエーテル結合を開裂させて導入フェノール核が、それが導入されたフェニルプロパン単位の一部とクマラン骨格を形成する。同時に、この分子内求核反応によりリグノフェノール誘導体は低分子化されるとともに、C2アリールエーテル結合の開裂により、当該エーテル結合により結合されていた隣のリグニンの母核にフェノール性水酸基が生成される。
クラマン構造の形成とそれに伴う低分子化のための処理の好ましい一例としては、0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ溶液として用い、オートクレーブ内140℃で加熱時間60分という条件を挙げることができる。特に、この処理条件は、p−クレゾール又は2,4−ジメチルフェノールで誘導体化したリグノフェノール誘導体に好ましく用いられる。
本音響材料は、セルロース系材料とリグニン誘導体とが複合化されて形成されている。複合化形態は特に限定しないが、リグニン誘導体のマトリックスにセルロース系材料が分散状に存在している形態や、セルロース系材料のマトリックスにリグニン誘導体が分散状に存在している形態や、両者がともに連続相を形成している形態であってもよいが、典型的には、二次元あるいは三次元構造を有するセルロース系基材にリグニン誘導体が担持された複合形態を有している。
セルロース系材料が交絡状態や集合状態などを構成することで所定形状を有するセルロース系基材に対してリグニン誘導体を付与するには、リグニン誘導体を溶解したリグニン誘導体溶液にセルロース系基材を浸漬して含浸させ、あるいは該溶液をセルロース系基材にスプレーや刷毛により塗布して含浸させた後、リグニン誘導体溶液の溶媒を留去する方法を採用できる。溶媒留去することで、リグニン誘導体がセルロース系基材に担持される。また、溶媒留去に伴ってあるいは溶媒留去後に、必要に応じて加熱および/または加圧することができる。また、リグニン誘導体を一旦担持したセルロース系基材を加熱および/または加圧して最終形状を付与することもできる。リグニン誘導体は、溶媒留去に伴い、セルロース系基材表面に移行する傾向がある。したがって、たとえば、ジクロロメタン(沸点39.8℃、20℃蒸気圧356mmHg)、アセトン(沸点56.5℃、20℃蒸気圧180mmHg)、テトラヒドロフラン(沸点66.0℃、20℃蒸気圧176mmHg)等沸点が100℃以下の低沸点のリグニン誘導体の溶解溶剤を用いると、セルロース系基材の表面側に高濃度のリグニン誘導体を担持する音響材料を得ることができる。また、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点124.3℃、20℃蒸気圧6.2mmHg)、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点134.8℃、20℃蒸気圧3.8mmHg)、エチレングリコールモノブチルエーテル(沸点171.2℃、20℃蒸気圧0.6mmHg)、エチレングリコール(沸点197.6℃)等沸点が100℃超の高沸点の溶解溶媒を用いると、セルロース系基材の全体にリグニン誘導体がおおよそ均一に担持された音響材料を得ることができる。このような高沸点溶媒としては、沸点が120℃以上であることが好ましい。また、溶解性の観点からは、グリコールあるいはリコールモノアルキルエーテルを用いることが好ましい。なお、高沸点溶媒を用いた場合の基材に対するリグニン誘導体の担持効果は、セルロース系基材だけでなく、これらのリグニン誘導体の溶解溶媒に溶解しない基材であれば特に限定されることなく発揮される。
粉末状等など分散状のセルロース系材料に対してリグニン誘導体を付与するには、乾式法と湿式法との2種類がある。乾式法としては、セルロース系繊維などを含む分散状のセルロース系材料と粉状のリグニン誘導体とを乾式にて混合し、この混合物をそのまま加熱および/または加圧して成形するか、あるいは、一旦仮成形して、その後、加熱および/または加圧して成形する方法を採ることができる。仮成形は、加熱および/または加圧によることもできるし、セルロース系材料の形状(繊維状等)によってはニードルパンチングやエアフェルティングを採用することができる。
アセトン脱脂したスギ木粉1kgをp−クレゾール500gをアセトン7Lに溶解して調製した液を浸透させ、その後、溶媒を留去することによってp−クレゾール収着(3mol/C9ユニット)を調製した。この収着木粉全量1.5kg(木粉1kg+クレゾール0.5kg)に対して72%硫酸5Lを加えて、30℃で1時間攪拌後、硫酸量の10倍量の水に分散させ、以降、水による洗浄を繰り返して、上澄み液が中性になるまで洗浄した。得られた沈殿物を40℃で乾燥し、粗リグノフェノール誘導体(ここでは、粗リグノクレゾール)を得た。粗リグノクレゾールは、さらに、真空乾燥(50mmHg、72時間)することにより乾燥した。
FOSTEX社10cmフルレンジスピーカー(FE103E)のコーン紙(バナナコーンパルプ製)に対して、調製したリグノフェノール誘導体20wt%エチレングリコールモノメチルエーテル溶液をスプレーにて全体的に供給して含浸させるとともに、部分的に刷毛を利用して塗布して含浸させた。なお、コーン紙にリグノフェノール誘導体溶液を供給するのにあたり、コーン紙以外の部分にはマスキングを行った。コーン紙に対するリグノフェノール誘導体溶液の全供給量は約2mlであった。その後、一晩ドラフト内にて風乾し、さらに、40℃で24時間送風乾燥機を用いて溶媒を留去することで音響材料を作製した。この音響材料においては、セルロース系材料100重量部に対してリグノフェノール誘導体は約25重量部担持されていた。なお、対照として、同量の溶媒を同様の方法にて同様のコーン紙に供給して風乾した。コーン紙に対してこれらの処理を行ったスピーカーユニットを、FOSTEX社のバスレフ式スピーカーボックス(E102)に納めてスピーカーを完成させた。
音響官能試験は、上記で作製した実施例のスピーカーユニット(スピーカー2個)と対照例のスピーカーユニット(スピーカー2個)にそれぞれ切り替え可能に接続したアンプ(ARCAM製A65Plus)およびCDプレーヤー(ARCAM製CD62T)を準備した。19名の被験者に対して、これらのシステムを用いてクラシック音楽5曲の各冒頭から30秒程度を、実施例のスピーカーか対照例のスピーカーかを判別不能な状態で実施例のスピーカーセットおよび対照例のスピーカーセットのそれぞれ同等の条件で視聴してもらい、いずれのスピーカーユニットでの音が好ましいかを試験した。結果を表1に示す。
Claims (18)
- 音響材料であって、
セルロースおよび/またはヘミセルロースを含有するセルロース系材料と、
該セルロース系材料と複合化された、以下の(a)〜(d);
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1−ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(b)(a)のリグニン誘導体の前記1,1−ビスアリールプロパンユニット中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体、
(c)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体
(d)(c)の架橋性誘導体の前記架橋性反応基が架橋された架橋体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体と、
を備える、音響材料。 - 前記リグニン誘導体は前記(a)のリグニン誘導体である、請求項1に記載の音響材料。
- 前記セルロース系材料は、その集合体、その交絡体およびその緻密体のいずれかである、請求項1または2に記載の音響材料。
- 前記セルロース系材料は、シート状あるいはシート状以外の三次元形状を有する成形体である、請求項1〜3のいずれかに記載の音響材料。
- 前記リグニン誘導体は、前記音響材料に対して均一に存在されている、請求項1〜4のいずれかに記載の音響材料。
- 前記リグニン誘導体は、前記音響材料の主として表面側に存在されている、請求項1〜4のいずれかに記載の音響材料。
- 音響振動材である、請求項1〜6のいずれかに記載の音響材料。
- 遮音材である、請求項1〜6のいずれかに記載の音響材料。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の音響材料を少なくとも一部に備える、楽器。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の音響材料を少なくとも一部に備える、スピーカー用音響部材。
- 音響材料用組成物であって、
以下の(a)〜(c);
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1−ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(b)(a)のリグニン誘導体の前記1,1−ビスアリールプロパンユニット中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体、
(c)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体を含有する、組成物。 - さらに、フェノール化合物を含有する、請求項11に記載の組成物。
- さらに、セルロースおよび/またはヘミセルロースを含有する、請求項11または12に記載の組成物。
- さらに、酸を含有する、請求項11〜13のいずれかに記載の組成物。
- 音響材料成形用組成物であって、
セルロース系材料と、
以下の(a)〜(c);
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1−ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(b)(a)のリグニン誘導体の前記1,1−ビスアリールプロパンユニット中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体、
(c)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体と、
を含有する、組成物。 - 音響材料の製造方法であって、
セルロースおよび/またはヘミセルロースからなるセルロース系材料に、
以下の(a)〜(c);
(a)リグニンのアリールプロパンユニットのC1位の炭素原子にフェノール化合物のフェノール性水酸基に対してオルト位及び/又はパラ位の炭素原子が結合した1,1−ビスアリールプロパンユニットを有するリグニンのフェノール誘導体、
(d)(a)のリグニン誘導体の前記1,1−ビスアリールプロパンユニット中の導入フェノール化合物をクマラン化してなるクマラン誘導体、
(c)(a)のリグニン誘導体のフェノール性水酸基のオルト位および/またはパラ位に架橋性反応基を有する架橋性誘導体
からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体を供給して、該リグニン誘導体と前記セルロース系材料とを複合化する工程を備える、
音響材料の製造方法。 - 前記複合化工程で用いる前記セルロース系材料は、シート状あるいはシート状以外の三次元形状を有する成形体である、請求項16に記載の音響材料の製造方法。
- 前記複合化工程は、非分散状の前記セルロース系材料と前記リグニン誘導体とを複合化するとともにこれらの所定の形状を付与する工程である、請求項16に記載の音響材料の製造方法。
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