JP2006116652A - 研磨方法及び研磨体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 磁性粒子、研磨粒子及び媒体を含有する磁気研磨流体1を用いる研磨方法であって、研磨対象となる被研磨物2の一方の面に上記磁気研磨流体1を配し、他方の面に外方に離れて磁極3を配し、上記磁極に磁界を発生させることにより上記磁気研磨流体1を増粘させると共に、上記被研磨物を移動させる研磨方法。
【選択図】 図1
Description
津田穣 著 「超LSIレジストの分子設計」共立出版(1990)
上記被研磨物が円盤である場合、上面に磁気研磨流体を配し、下面側に離れて磁極を配し、上記被研磨物を水平回転させてもよい。上記研磨方法において、上記磁極は微小振動させることが好ましい。
上記磁性粒子が、エポキシ基又はアミノ基を有するシランカップリング剤によって処理されていることが好ましい。
上記磁気研磨流体が、ポリジメチルシロキサンを主鎖としその側鎖又は末端にアミノ基を含有するアミノ変性シリコーンオイルを添加剤として含有することが好ましい。
上記アミノ変性シリコーンオイルは、ポリジメチルシロキサンを主鎖としその側鎖にアミノ基を含有するものであることが好ましい。
上記研磨体は、研磨面の最大高さ(Ry)で表した表面粗さが1μm以下であり、断面視で間隔が0.1〜5μmで、深さが0.05〜0.5μmの溝を有することを特徴とすることが好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる磁性粒子としては、磁性を有するものであれば特に限定されず、例えば、鉄、窒化鉄、炭化鉄、カルボニル鉄、二酸化クロム、低炭素鋼、ニッケル、コバルト;アルミニウム含有鉄合金、ケイ素含有鉄合金、コバルト含有鉄合金、ニッケル含有鉄合金、バナジウム含有鉄合金、モリブデン含有鉄合金、クロム含有鉄合金、タングステン含有鉄合金、マンガン含有鉄合金、銅含有鉄合金等の鉄合金;これらの混合物等から成る粒子を挙げることができる。
X−(Y)−SiR3−bLb・・・(1)
式中、Xはエポキシ基、環状エポキシ基又はアミノ基を表し;Yは(CH2)k、エーテル結合、エステル結合又はケトン結合を含む炭化水素基を表し;Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基を表し;Lは、ハロゲン原子、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、又は、ホルミル基、アセトキシ基、ピロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等のアシルオキシ基を表し;bは1〜3の整数を表す。
上記シリコーンオイルの粘度は、25℃において10〜1000cpsであることが好ましい。10cps未満であると、沸点が低いため、著しい粘度上昇が起こった場合に溶媒の揮発による組成変化が起き、1000cpsを超えると、粘度が高すぎるために、流動性が悪化し、良好な研磨特性が得られない。より好ましくは、下限が10cpsであり、上限が100cpsである。
また、上記シリコーンオイルとしては、25℃における粘度と120℃における粘度とに変化が少ないものが好ましい。研磨部位においては摩擦熱発生による温度上昇が不可避であり、120℃程度まで温度が上昇するが、温度変化によっても粘度が変化しなければ、安定した研磨を行うことができる。
上記アミノ変性シリコーンオイルは下記一般式(2)で表されるポリジメチルシロキサンを主鎖としその側鎖又は末端にアミノ基を含有するものであることが好ましい。
上記アミノ変性シリコーンオイルとして、上記一般式(2)で表されるポリジメチルシロキサンを主鎖としその側鎖又は末端にアミノ基を含有するアミノ変性ポリジメチルシロキサンを用いる代わりに、フェニルシロキサン等を骨格とするアミノ変性シリコーンオイルを用いた場合は、フェニル基等による立体障害により磁性粒子にアミノ基が有効に吸着反応できず、優れた分散安定性を得ることはできない。
本発明で用いられるアミノ変性シリコーンオイルとしては、特にポリジメチルシロキサンを主鎖としその側鎖にアミノ基を含有するものが好ましい。
上記磁気研磨流体の作製方法としては、初めに材料を容器に投入しヘラ等で予備混合し、その後ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、3本ロール等の分散機で混合すればよい。
上記磁極3としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、永久磁石(フェライト、サマリウムコバルト、ネオジウム、アルニコ等)、電磁コイル等を挙げることができる。
上記被研磨物(円盤)の水平回転における回転数は、100〜3000rpmであることが好ましい。これにより、研磨粒子が被研磨物(円盤)の表面を好適に研磨することができるため、規則的な加工面を好適に得ることができる。
下記の表1に示す配合に従い、磁気研磨流体を調製した。単位は質量部である。
1)BASF社製 粒径5μm
2)チタン工業社製 0.3μm
3)大同特殊鋼社製 70μm
4)フジミインコーポレッド社製 粒径0.6μm
5)フジミインコーポレッド社製 粒径5.5μm
6)ポリビス0N 日本油脂製
7)日本ユニカー社製 10cSt
8)日本ユニカー社製 1000mm2/s
図2に示した研磨装置を用い、材質SUS304で外径20mm、内径18mmのパイプに磁気研磨流体を入れ、管の外径外側の間4等分箇所に磁極(永久磁石)を配置し、磁界をかけた状態でパイプを1800rpmで回転して、パイプ内面を磁気研磨流体で研磨した。磁極(永久磁石)の磁束密度は4000Gとし、振幅±5mm、周波数0.8Hz、時間15minの条件で加工を行った。また、研磨スタート時の温度は22℃とした。
(1)外観
研磨処理後の被基材の表面状態を顕微鏡観察した。
(2)表面粗さ
研磨処理後の被基材の表面粗さ(Ry)を、表面粗さ計を用いて測定した。
図1に示した研磨装置を用い、材質SUS304の平板(厚さ:10mm)の上部に表1に示した組成を有する磁気研磨流体を配し、基材の下面に磁極(永久磁石)を配置し、磁界をかけた状態で基材を振動させ研磨を行った。磁極(永久磁石)の磁束密度は4000Gとし、振幅±2mm、周波数100Hz、時間15minの条件で加工を行った。また、研磨スタート時の温度は22℃とした。
得られた研磨体について実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
図3に示した研磨装置を用い、材質ガラス(径100mm、厚さ10mm)の円盤上部に表1に示した組成を有する磁気研磨流体を配し、基材の下面に磁極(永久磁石)を配置し、磁界をかけた状態で基材を振動させ研磨を行った。磁極(永久磁石)の磁束密度は4000Gとし、回転数400rpm、時間15minの条件で加工を行った。
得られた研磨体について実施例1と同様に評価を行った。
表1に示した組成を有する磁気研磨流体を用いて、磁極をスライドさせなかったこと以外は実施例1と同様にして研磨を行い、得られた研磨体の評価を行った。
図4で示したように、表1に示した組成を有する磁気研磨流体を磁極側に配したこと以外は、実施例1と同様にして研磨を行い、得られた研磨体の評価を行った。結果を表1に示す。
磁気研磨流体の組成を表1に示したように流動性をなくした湿った粉体状に変更したこと以外は、実施例1と同様にして研磨を行い、得られた研磨体の評価を行なった。
2 被研磨物(SUSパイプ)
3 磁極
4 振動付与源
5 チャック
6 磁極ホルダー
7 スライドテーブル
8 スプライン軸
Claims (9)
- 磁性粒子、研磨粒子及び媒体を含有する磁気研磨流体を用いる研磨方法であって、
研磨対象となる被研磨物の一方の面に前記磁気研磨流体を配し、他方の面に外方に離れて磁極を配し、
前記磁極に磁界を発生させることにより前記磁気研磨流体を増粘させると共に、前記被研磨物を移動させることを特徴とする研磨方法。 - 被研磨物が円筒であり、内径面に磁気研磨流体を配し、外径面に外方に離れて磁極を配し、
前記被研磨物を軸心回りに回転させると共に前記磁極を微小振動させることを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。 - 被研磨物が円盤であり、上面に磁気研磨流体を配し、下面側に離れて磁極を配し、
前記被研磨物を水平回転させると共に前記磁極を微小振動させることを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。 - 磁性粒子は、平均粒径が1〜10μmであり、
研磨粒子の平均粒径と磁性粒子の平均粒径との比が、0.01≦研磨粒子の平均粒径/磁性粒子の平均粒径<1であり、
媒体は、シリコーンオイルである磁気研磨流体を用いることを特徴とする請求項1、2又は3記載の研磨方法。 - 磁性粒子が、エポキシ基又はアミノ基を有するシランカップリング剤によって処理されていることを特徴とする請求項4記載の研磨方法。
- 磁気研磨流体が、ポリジメチルシロキサンを主鎖としその側鎖又は末端にアミノ基を含有するアミノ変性シリコーンオイルを添加剤として含有することを特徴とする請求項4記載の研磨方法。
- アミノ変性シリコーンオイルは、ポリジメチルシロキサンを主鎖としその側鎖にアミノ基を含有するものであることを特徴とする請求項6記載の研磨方法。
- 請求項1、2、3、4、5、6又は7のいずれかに記載の研磨方法により研磨されたことを特徴とする研磨体。
- 研磨面の最大高さ(Ry)で表した表面粗さが1μm以下であり、断面視で間隔が0.1〜5μmで、深さが0.05〜1μmの溝を有することを特徴とする請求項8記載の研磨体。
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JP2014083647A (ja) * | 2012-10-25 | 2014-05-12 | Avanstrate Inc | ガラス基板研磨用磁性流動体 |
TWI637811B (zh) * | 2012-10-25 | 2018-10-11 | 日商安瀚視特控股股份有限公司 | 玻璃基板之製造方法及玻璃基板硏磨用磁性流動體 |
CN114378675A (zh) * | 2022-03-22 | 2022-04-22 | 唯赛勃环保设备有限公司 | 一种膜壳打磨方法及设备 |
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2004
- 2004-10-21 JP JP2004306815A patent/JP2006116652A/ja active Pending
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