JP2006115775A - バイオセパレーション用キットおよびその使用方法 - Google Patents

バイオセパレーション用キットおよびその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 被検体にダメージを与えず、B/F分離効率が高く、濾過抵抗が低く、被検体および粒子液の減耗が少なく、簡便且つ迅速にターゲット物質の分離が可能なバイオセパレーション用キットおよびその使用方法を提供する。
【解決手段】
バイオセパレーション用フィルター1は、軸線がストレートな細孔3が形成されたフィルター部1と、このフィルター部1を収納する容器12と、を備え、容器12の内部におけるフィルター部1が配置された位置から離間した領域に、被検体とプローブ担持粒子とを反応させる反応部41を有している。また、B/F分離を行うためのB/F分離用フィルター部と、プローブ担持粒子に捕捉されたターゲット物質を剥離するための剥離用フィルター部の2つのフィルター部を容器12に収納し、B/F分離およびターゲット物質の剥離を別のフィルターで行うようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、核酸、蛋白質、細胞などの生体成分をB/F分離により分離するバイオセパレーション用キットおよびその使用方法に関する。
核酸、蛋白質、細胞などの生体成分を分離するバイオセパレーションは、医療、診断およびバイオテクノロジーの分野において不可欠な技術である。バイオセパレーションには各種の方法があるが、プローブを固定化した担体に被検体中のターゲット物質を捕捉させた後、担体に捕捉されない他の物質から担体を分離するいわゆるB/F(Bound form / Free form)分離は、現在でも有力な方法として使用され、各種の方法が知られている。
例えば、遠心分離法は、ビーズなどのプローブ固定化担体と、この固定化担体に捕捉されない非捕捉物との比重差を利用して遠心分離により固定化担体を沈降させた後、上清を除去する方法であり、広く用いられている。この方法では、遠心力および遠心分離の時間を調整することで、固定化担体と非捕捉物との重力差がかなり小さい場合であっても分離できるが、過剰の遠心力を与えると、固定化担体の凝集、捕捉物質の破壊などを生じることがある。
また、ビーズなどのプローブ担持粒子をフィルターで分離する方法も広く用いられている。分離用のフィルターとしては、ガラス繊維濾紙、メンブレンフィルター、ポリエステルフィルムもしくはポリカーボネートフィルムに電子線で孔を形成したフィルター(商品名:サイクロポア ワットマン株式会社製)、アルミニウムを陽極酸化した孔径が200μm以下のフィルター(商品名アノポア ワットマン株式会社製)等が使用されている。この場合、反応の際にフィルターへ被検体が吸着することを避けるために、別の容器でプローブ担持粒子と被検体との反応を行い、その容器からB/F分離用の容器に反応溶液を移してB/F分離を行うことが好ましいとされている。
また、B/F分離後の剥離液によるターゲット物質の剥離工程においても、B/F分離用容器とは別の容器で剥離を行うことが、B/F分離によって生じる被検体による汚染を剥離工程に持ち込まないために好ましいとされている。
しかし、このように2つの容器を使用するので、被検体が非常に少量である場合に、被検体は容器への付着により減耗する。
また、容器から容器へ液を移動させる場合、シリンジを経由する方法が一般的であるが、この場合にはさらに、シリンジ壁への粒子液もしくは被検体の付着によりこれらが減耗する。
また、容器から容器への液の移動は手作業で行っているので、操作が煩雑である。ハンドリングロボットを使用しても、一括で移動できる反応液の数は制限され、反応数が増えるとともに作業時間は長くなる。
また、プローブを固定したゲルを担体とし、ゲルを充填したカラムを用いてターゲット物質を捕捉分離するアフィニティークロマトグラフも広く用いられている。この方法では、ゲルをカラムに充填する必要があり、充填操作が煩雑でコストを要し、また、カラムに流す液体の流速とカラム背圧は逆相関の関係にあるため、分離能力を上げるために流速を上げると被検体の濾過圧力が高くなり、その結果、ゲルの変形、カラムの破壊などが起き
易くなるので流速が制限される。
上記のような現状において、バイオセパレーションでは、被検体にダメージを与えず、B/F分離効率が高く、濾過抵抗が低く、被検体および粒子液の減耗が少なく、簡便且つ迅速にターゲット物質の分離が可能な技術が求められている。
特開昭63−270000号公報 Nucleic Acid Research 第14巻 p5037−5048(1986)
本発明は、被検体にダメージを与えず、B/F分離効率が高く、濾過抵抗が低く、被検体および粒子液の減耗が少なく、簡便且つ迅速にターゲット物質の分離が可能なバイオセパレーション用キットおよびその使用方法を提供することを目的としている。
本発明のバイオセパレーション用キットは、軸線がストレートな細孔が形成されたフィルター部と、前記フィルター部を収納する容器と、を備え、
前記容器の内部における前記フィルター部が配置された位置から離間した領域に、被検体とプローブ担持粒子とを反応させる反応部を有することを特徴とする。
上記の発明において、前記容器の内部における前記反応部および前記フィルター部の近傍位置のうち、少なくともいずれかの位置に、攪拌板を設けることが好ましい。
上記の発明において、前記容器に、B/F分離を行うためのB/F分離用フィルター部と、前記プローブ担持粒子に捕捉されたターゲット物質を剥離するための剥離用フィルター部の2つのフィルター部を収納することが好ましい。
上記の発明において、前記容器における前記B/F分離用フィルター部および前記剥離用フィルター部を収納するフィルター部収納空間の両端面が外部へ開放され、
前記フィルター部収納空間における前記B/F分離用フィルター部および前記剥離用フィルター部で挟まれた内側空間が、該内側空間から分岐する少なくとも1つの分岐空間を介して外部へ開放されていることが好ましい。
上記の発明において、前記容器における前記B/F分離用フィルター部および前記剥離用フィルター部を収納するフィルター部収納空間から分岐し、その一端側に外部へ開放された開口が設けられた分岐空間を少なくとも1つ有し、該開口から該分岐空間を介して、プローブ担持粒子の分散液、被検体、洗浄液、および剥離液のうち少なくとも1つの液を前記フィルター部収納空間へ投入するように構成することが好ましい。
上記の発明において、前記分岐空間に、被検体とプローブ担持粒子とを反応させる前記反応部を有することが好ましい。
上記の発明において、前記分岐空間を少なくとも2つ有し、1つの該分岐空間から前記フィルター部収納空間へ洗浄液を投入し、他の1つの該分岐空間から前記フィルター部収納空間へ剥離液を投入するように構成することが好ましい。
上記の発明において、前記容器における前記B/F分離用フィルター部および前記剥離用フィルター部を収納するフィルター部収納空間から分岐し、その一端側に外部へ開放された開口が設けられた分岐空間を少なくとも1つ有し、
該分岐空間と、前記フィルター部収納空間との分岐点から延びる3本の流路空間l,m,nについて、流路空間mの断面積Mを流路空間nの断面積Nよりも小さくし、流路空間
lから、流路空間mおよび流路空間nのうち流路空間mへ選択的に液を移動させるように構成することが好ましい。
上記の発明において、複数の前記バイオセパレーション用キットが同一基板上に集積搭載されていることが好ましい。
本発明のバイオセパレーション方法は、上記のバイオセパレーション用キットを用いて、前記反応部でプローブ担持粒子と被検体とを反応させた後、前記フィルター部にプローブ担持粒子を移動させ、次いで、洗浄液をプローブ担持粒子に接触させることにより、プローブ担持粒子に捕捉されたターゲット物質と、それ以外の物質とを分離することを特徴とする。
本発明のバイオセパレーション方法は、上記のバイオセパレーション用キットを用いて、前記反応部でプローブ担持粒子と被検体とを反応させた後、前記B/F分離用フィルター部にプローブ担持粒子を移動させ、次いで、洗浄液をプローブ担持粒子に接触させることにより、プローブ担持粒子に捕捉されたターゲット物質と、それ以外の物質とを分離した後、前記剥離用フィルター部にプローブ担持粒子を移動させ、次いで、剥離液をプローブ担持粒子に接触させることにより、プローブ担持粒子からターゲット物質を剥離することを特徴とする。
上記の発明において、プローブ担持粒子を前記フィルター部の近傍に位置させ、被検体、洗浄液、および剥離液のうち少なくとも1つの液を、前記フィルター部収納空間内で複数回往復移動させることにより、プローブ担持粒子を前記フィルター部に対して接離させながら当該液とプローブ担持粒子とを接触させることが好ましい。
上記の発明において、被検体、洗浄液、および剥離液のうち少なくとも1つの液を、プローブ担持粒子と接触させた後、当該液を、前記フィルター部を通して排出するとともにプローブ担持粒子を該フィルター部上に残留させ、次いで、次の当該液を該フィルター部へ投入してプローブ担持粒子と接触させることが好ましい。
上記の発明において、前記フィルター部収納空間を減圧した後、被検体、洗浄液、および剥離液のうち少なくとも1つの液を当該空間へ投入することが好ましい。
上記の発明において、被検体、洗浄液、および剥離液のうち少なくとも1つの液を、容器の内部で移動させるに際して、当該液を水平方向もしくは重力方向に移動させることが好ましい。
上記の発明において、液を移動させる容器内の対象空間の内径もしくは内幅を5mm以下として、差圧で液を移動させることが好ましい。
本発明のバイオセパレーション用キットは、被検体にダメージを与えず、B/F分離効率が高く、濾過抵抗が低く、被検体および粒子液の減耗が少なく、簡便且つ迅速にターゲット物質の分離が可能である。
本発明のバイオセパレーション方法によれば、被検体にダメージを与えず、B/F分離効率が高く、濾過抵抗が低く、被検体および粒子液の減耗が少なく、簡便且つ迅速にターゲット物質の分離が可能である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態におけるバイオセパレーション用キットの断面図である。図示したように、このバ
イオセパレーション用キット11は、容器12にフィルター部1が収納されている。
<フィルター部>
フィルター部1は、被検体、洗浄液および剥離液などの各液を、細孔3を通じて透過するとともに、プローブ担持粒子の通過を遮断し、このフィルター部1においてB/F分離、プローブ担持粒子からのターゲット物質の剥離などを行う。
フィルター部1の底部にはフィルター2が設けられている。フィルター2には、孔の軸線がストレートな細孔3が形成されている。
フィルター2の上面側には、必要に応じて、フィルター2と実質的に一体化されたリブ4が設けられる。この場合、リブ4を側面とし、フィルター2を底面としてウエル5を構成するようにしてもよい。
リブ4は、フィルター2を補強するための補強材の機能を担う他、ウエル5の側壁としても機能する。リブ4は任意の形状とすることができるが、フィルター2の強度を維持するためには、リブ4は、ウエル5の側面を構成する周囲が閉ざされた孔部が形成された連続した壁であることが望ましい。即ち、リブ4が連続して一体に形成され、その中にフィルター2を底面としたウエル5が存在する構造が、機械的な強度の点で好ましい。このようなリブ4を実際に形成した例を図25の電子顕微鏡写真に示した。
フィルター部1に設けられるウエルの数は任意であり、必要に応じて適宜の数とすることができる。なお、フィルター2を底面ではなく上面としてリブ4がその下方となるようにしてもよい。
本明細書において「フィルターとリブが実質的に一体化された」とは、フィルターとリブが同一材料から一体に形成されることを意味している。フィルターとリブを一体に形成する方法としては、同一材料からフィルターとリブを、エッチング等のサブトラクティブ法、電鋳によるアディティブ法、ナノプリント法等で作製する方法が挙げられる。
また、シリコンウエハーなどの金属の表面に酸化膜を形成し、金属と酸化膜とのエッチングレートの差異を利用してフィルターとリブを作製することができ、この場合も金属と酸化膜が一体に形成されているので、フィルターとリブが実質的に一体化されたものとみなされる。
フィルターとリブとを一体構造とすることで、フィルターの機械的な強度が増し、さらにフィルターとリブとの間に被検体などの不純物が入り込まず、B/F分離能力の高いフィルター部とすることができる。
本明細書において、フィルターに形成された「ストレート」な細孔とは、細孔が途中で分岐することなく形成され、孔の軸線(中心線)が直線状であることを意味する。例えば、一方のフィルター表面に形成された開口の中心から他方のフィルター表面への垂線と、他方のフィルター表面に形成された開口の中心から前記一方のフィルター表面への垂線とがずれていても、圧力損失という点ではそれほど遜色がないため、このような細孔であってもよい。貫通方向と垂直な細孔断面の形状は特に限定されず、孔の形状は円柱、四角錐、多角錐などいずれの形状であってもよいが、メニスカスを最小限にする点では細孔断面が鈍角形状あるいは円形であることが望ましい。このようにストレートな細孔とすることにより、細孔の長さが最小となるため、流通液と細孔壁との接触面積が減少し、濾過に伴う圧送抵抗を最小限とすることができる。また、被検体中における非特異吸着物の細孔への付着を最小化することができ、非特異吸着物の洗浄除去が容易となる。例えば厚さ2μmで孔径が4μmのシリカ層フィルターの場合、10〜50gf/cm2の差圧で濾過す
ることが可能であり、フィルター部を収納する容器を、その機械的な耐圧強度を最小にし
た薄い容器壁構造とすることができるので、極めて微小な容器を使用できる。
本発明では、フィルターの細孔は、孔径が均一であっても分布を有していてもよい。孔径を均一にする場合、孔径のCV(Coefficient of Variation)値は10%以下であることが好ましい。孔径が分布を有する場合は、孔径のCV値は20%よりも大きく、好ましくは50〜300%、より好ましくは100〜200%である。なお、このCV値を算出する際に、他の多数の細孔に比べてその径が、意図しない程度に特に大きく形成された細孔は除外するものとする。
フィルターの細孔径に分布を与えることで、濾過の際に、プローブ担持粒子が細孔を閉塞することによる濾過圧の上昇を有効に防止することができる。
フィルター細孔が孔径分布を有する場合、その孔径パターンはランダムであってもよいが、所定の孔径パターンとすることもできる。孔径分布を有する所定の孔径パターンの一つの形態として、隣り合わせた細孔の孔径が異なると共に、1つおきに孔径が同一となるパターンが挙げられる。この場合、均一な粒子径を有するプローブ担持粒子を使用した際に、粒子が孔を塞ぐ確率が低下するために、フィルターの濾過性が良好になる。この場合において、プローブを担持する粒子が実質的に均一な粒子径を有し、その粒子径dと、フィルターに形成された細孔の孔径hと、隣り合う2つの細孔3,3間の孔間隔pとの関係が、d>h+pであることが好ましい。なお、ここで細孔の孔径hおよび孔間隔pは、ウエルの上面もしくは下面を構成するフィルター部全体での平均値である。上記の関係を満たす場合、粒子がフィルター細孔を塞ぐ確率が著しく低下する。
また、孔径分布を有する所定の孔径パターンの他の形態として、ウエル中心付近の細孔の孔径を大きくし、あるいは孔間隔を密にすることでこの領域の開口面積を大きくすると共に、ウエル周縁付近の細孔の孔径を小さくし、あるいは孔間隔を疎にすることでこの領域の開口面積を小さくしたパターンが挙げられる。この場合、フィルターの強度を高めることができる。
また、孔径分布を有する所定の孔径パターンの他の形態として、ウエル中心付近の細孔の孔径を小さくし、あるいは孔間隔を疎にすることでこの領域の開口面積を小さくすると共に、ウエル周縁付近の細孔の孔径を大きくし、あるいは孔間隔を密にすることでこの領域の開口面積を大きくしたパターンが挙げられる。この場合、被検体が均一にフィルター孔を通過するためにフィルターの濾過性を向上することができる。
フィルター細孔の孔径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは3μm〜20μmである。孔径が1μm未満である場合、被検体が目詰りし易くなる。また、孔径が50μmよりも大きいと、プローブを担持する粒子として大きな粒子を使用する必要があり、プローブ量が少なくなるので、被検体からのターゲット物質の濾過性が低下する。
フィルターの孔間隔(隣接する各細孔の間における孔が開いていない部分の最短距離)は、特に制限は無いが、好ましくは1μm〜10μmであり、孔間隔が均一である方がフィルター強度の点で好ましい。フィルターの孔間隔が1μm未満である場合、機械的な強度が不足することがあり、孔間隔が10μmを超えるとフィルターの開口率が低下し過ぎることがある。
フィルターの厚さは、好ましくは1μm〜100μmであり、より好ましくは1μm〜25μmであり、さらに好ましくは2μm〜15μmである。厚さが1μm未満である場合、フィルターの強度が不足することがあり、厚さが100μmを超えると細孔の側面の面積が大きくなり濾過抵抗が過剰に大きくなることがある。
フィルターの開口率は、好ましくは3〜50%、より好ましくは5〜40%、さらに好ましくは7〜35%である。開口率が3%未満である場合には濾過性が低下し易く、開口率が40%を超えるとフィルターの強度が低下し易くなる。
フィルターの材質は、フィルターを形成できるものであれば特に限定されないが、例えば金属、金属酸化物、有機物などが挙げられる。特に好ましいのは、機械的強度が高い材料であり、具体的には、例えば液晶ポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホンなどのエンジニアリングプラスチック;鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、シリコン、チタン、タンタル、マグネシウム、モリブデン、タングステン、ロジウム、パラジウム、銀、金、白金、ステンレス、真鍮、黄銅、青銅、燐青銅、アルミ銅合金、アルミマグネシウム合金、アルミマグネシウムシリコン合金、アルミ亜鉛マグネシウム銅合金、鉄ニッケル合金などの金属;シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化タンタルなどの金属酸化物;SiN、TiN、TaNなどの金属窒化物;SiC、WCなどの金属炭化物;ダイヤモンド、グラファイト、Diamond Like Carbon(DLC)などの炭素材料;ソーダガラス、ホウ珪酸ガラス、パイレックス(登録商標)、石英ガラスなどのガラスが挙げられる。
これらの中でもシリカ、チタニア、アルミナ、ニッケル、金、チタン、またはステンレスが好ましい。これらは機械的な強度が高く、フィルターを薄い膜厚とすることができる。そして比較的親水性であるので、水系のバイオ溶液との親和性が高く、被検体をフィルター細孔へ容易に入れることができる。なお、これらの材料を基材として使用し、その表面を酸化するか、あるいは別の材料により表面処理剤で表面処理してもよい。表面処理方法としてはコロナ処理などが挙げられる。表面処理剤としては、例えば、アルコール、親水化剤、疎水化剤、および蛋白等のバイオ材料の非特異吸着防止剤が挙げられる。
フィルター部は、フィルターなどを電気メッキにより積み上げる方法で製造することができる。この方法では、予め導電性を付与する処理がなされた基板を用意し、その上にフォトリソグラフィー法、インプリント法等でレジストパターニングを行い、電気メッキしない部分をレジストで保護して、基板とメッキ溶液との間に電流を流すことにより基板の所定部分にのみ金属材料を形成する。
先ず、導電性を付与する処理がなされた基板を用意し、その上にレジストを塗布して膜形成する。次に、フォトマスクを用意してUV光で露光現像し、前記基板の上にフィルターの反転パターンであるレジストのポストを形成する。パターン限界はレジストの解像度に依存するが、例えばTHB−110N(商品名:JSR株式会社製)を使用することで、パターンピッチが5μm、アスペクト比が2であるレジストポストを作製することができる。
次に、これらのポストの間に、電気メッキ法により、金属を、交流もしくは直流の電流を流して電気的に充填する。電気メッキ法により充填される金属材料としては、例えば、金、ニッケル、銅、鉄、鉄ニッケル合金等が挙げられる。ニッケル電鋳のためのメッキ液としては、スルファミン酸ニッケル浴(スルファミン酸60%液700g/l、臭化ニッケル5g/l、硼酸35g/lの混合液、浴温50℃)などが用いられ、銅電鋳のためのメッキ液としては、硫酸銅浴(硫酸銅200g/l、硫酸60g/l、塩素イオン30mg/lの混合液、浴温30℃)などが用いられ、鉄電鋳のためのメッキ液としては、スルファミン酸鉄浴(スルファミン酸鉄400g/l、スルファミン酸アンモニウム30g/l、ホルマリン100mg/lの混合液、浴温46℃)などが用いられる。例えば、スルファミン酸ニッケル浴の場合、電圧6V、電流密度3A/dm2で10分〜20分程度直
流を流すことによって厚さ5μmの電気メッキ物を得ることができる。
このようにしてフィルターを作製した後、必要に応じて、フィルターの形成方法と同様に、リブを電気メッキ法により形成する。即ち、上記と同様にフィルターの上にレジスト膜を形成し、フォトエッチングによりパターンを形成し、次いで電気メッキ用材料の充填を行う。この場合、一般にリブの高さはフィルターの厚さ以上であるためにレジスト膜も厚くなり、このためレジストはドライフィルムレジストを積層して使用することが好ましい。一般に、線幅と厚さのアスペクト比が2を超えるメッキ物の形成は1回では困難であり、このような場合にはフォトエッチングと電気メッキ法によるメッキ物の形成を数回繰り返すことで所定の高さのリブとする。
また、フィルター部は、フィルター、リブの少なくともいずれかをエッチングで作製することにより製造することができる。エッチングの対象物は、フィルター等を形成できるものであれば、金属、金属酸化物、有機物など特に限定されないが、特に好ましいのは機械的強度が高い材料であり、具体的には、例えば液晶ポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホンなどのエンジニアリングプラスチック;鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、シリコン、チタン、タンタル、マグネシウム、モリブデン、タングステン、ロジウム、パラジウム、銀、金、白金、ステンレス、真鍮、黄銅、青銅、燐青銅、アルミ銅合金、アルミマグネシウム合金、アルミマグネシウムシリコン合金、アルミ亜鉛マグネシウム銅合金、鉄ニッケル合金などの金属;シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化タンタルなどの金属酸化物;SiN、TiN、TaNなどの金属窒化物;SiC、WCなどの金属炭化物;ダイヤモンド、グラファイト、Diamond Like Carbon(DLC)などの炭素材料;ソーダガラス、ホウ珪酸ガラス、パイレックス(登録商標)、石英ガラスなどのガラスが挙げられる。
エッチングは通常の方法によって行うことができる。但し、アスペクト比が余りに大きいエッチングはその孔径や形状が不均一になる可能性があり、実質的には、通常の化学エッチングで得られるアスペクト比としては5以下、好ましくは3以下である。但し、このアスペクト比の範囲で積極的に逆テーパ形状を形成したフィルターを使用することで、濾過性を向上させることもできる。
ウエル、リブあるいはこれらの両方をエッチングで作製する場合、そのアスペクト比が5以上であることが望ましいが、異方性エッチングによりアスペクト比が5以上のエッチングを行うことができる。例えば、シリコンなどの単結晶材料が、KOH水溶液やエチレンジアミン・ピロカテコール(EDP)、4メチル水酸化アンモニウム(TMAH)などのエッチング液に対して大きな結晶面依存性を示すことを利用する。シリコンの場合は(111)面のエッチング速度が他の結晶面に対して極端に遅く、(110)面を表面としたシリコンウエハーを用いて、マスク材の開口の辺を(111)面方向と揃えて化学的エッチングを行うことでアスペクト100程度のエッチングを行うことができる。これらの方法は、精密工学会、編著:「ナノスケール加工技術」、日刊工業新聞社(1993)に記載されている。
また、必要に応じて、プラズマを用いた反応性イオンエッチング(RIE)を行うことができる。例えば、SF6にフレオン系の塩素ガスを含むガスによって、基板に垂直な異
方性エッチングを行うことができる。これらの方法は、「’02最新半導体プロセス技術」、プレスジャーナル社(2001)に記載されている。
エッチングによりフィルターとリブを作製する方法の中で特に好ましい方法は、組成の異なる複数の材質からなるプレート、例えばアルミ/アルミナ、金属シリコン/シリカ、
あるいは金属チタン/チタニアなどについて、それぞれ両側からパターンエッチングを行うことによりフィルターとリブを形成する方法である。具体的には、片側組成層、例えばアルミナ、シリカ、チタニアなどの金属酸化物層を、酸化物層と金属層との境界までパターンエッチングしてフィルターを形成し、次いでアルミ、金属シリコン、金属チタンなどの金属層を、金属層と酸化物層との境界までパターンエッチングすることにより、リブとフィルターとを一体に形成することができる。
このように組成の異なる2層が一体化した材料としては、例えばアルミ板の表面を所定の厚さまで酸化してアルミナとしたアルミ/アルミナ板、金属チタンを同様に酸化した金属チタン/チタニア、酸化膜付きシリコンウエハー、あるいはSOI(Silicone
On Insulator)ウエハーなどが使用できる。
また、フィルター部をインプリント法により作製することができる。即ち、予めMEMSプロセスなどにより作製した2段の凸型金型を用いて、樹脂プレートをプレス成形することにより当該フィルターを作製できる。
なお、孔径分布を有する孔径パターンが形成されたフィルターは、前記フォトレジスト用マスクまたはインプリント金型において、マスクパターンあるいは凸型金型を、孔径分布を有するように設計することで得ることができる。
<反応部>
本発明のバイオセパレーション用キットでは、図1にも示したように、容器12の内部におけるフィルター部1が配置された位置から離間した領域(反応部41:図中点線で囲んだ領域)において、被検体とプローブ担持粒子とを反応させるようにしている。反応は、プローブ担持粒子分散液31と被検体32とを、例えば正逆方向へ液を移動させる等の方法で混合して行う。反応部41は、フィルター部1の上面側、下面側のいずれの位置であってもよい。
このように、フィルター部が配置された位置から離間した領域に反応部を設ける構成とすることで、フィルターの濾過抵抗、特にプローブ担持粒子がフィルターの細孔3の一部を閉塞することによる濾過抵抗の負荷を防止もしくは低減することができ、さらに被検体のフィルター面への非特異的な吸着を防止もしくは低減することができる。
なお、反応部とフィルター部とを分離分割した形態である2つの分割体を用意し、反応部からフィルター部への液の移動に際してこれらの分割体を結合して液の流路を形成するように構成してもよい。後述するように2つのフィルター部を用いる場合も同様に、2つのフィルター部を分離分割した形態である2つの分割体を用意し、両フィルター部間の液の移動に際してこれらの分割体を結合して液の流路を形成するように構成してもよい。各分割体を結合する方法としては、例えば、液を移動させる空間を2分割したこれらの両分割体の結合位置に凹部と凸部とを設けて、これらの凹部と凸部とを嵌め合わせる方法が挙げられる。
<容器>
本発明のバイオセパレーション用キットにおける容器の形成材には、無機材料、有機材料、有機無機ハイブリッド材料を使用できる。無機材料としては、例えば、ニッケル、アルミニウム、シリコン、チタン、金、ステンレス等の金属;シリカ、アルミナ、チタニア等の金属酸化物、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラス、パイレックス(登録商標)、石英ガラス等のガラスが挙げられる。
有機材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、液晶ポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレ
フィン、ポリメチルペンテン、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン,ポリエチレンビニルアルコール、架橋ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸、ポリアミド、ポリイミド、セルロースアセテート、トリアセチルセルロース、硝酸セルロース、エポキシ、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリレートとの共重合体などの各種アクリレートの共重合体が挙げられる。
また、容器の形成材の表面に、プラズマ処理、コロナ処理、イオン処理などを施して、ヒドロキシル基、カルボキシル基などを形成してもよい。また、メッキなどにより表面に親水性の金属または金属酸化物を形成してもよく、例えば2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリレートとの共重合体、ポリエチレングリコール誘導体などの親水性材料をコーティングしてもよく、グリシジルメタクリレートを塗布した後にエポキシ基を開環してもよい。
容器は、例えば、プレス成形、射出成形、ブロー成形などの一般的な成形方法により作製することができ、またドリリング、レーザー、エッチングによる穴開けを適用してもよい。
本発明のバイオセパレーション用キットにおける一つの態様では、フィルター部が容器に固定され、一体化される。例えば、容器内部に段差部を設けて、この段差部にフィルター部を嵌め合わせてフィルター部を容器に接合する。あるいは、Oリングなどのシール材を介して容器にフィルター部を挟んでシールすることによりフィルター部を容器に固定することができる。容器とフィルター部とは、接着剤で接着する方法、容器を成形する際にフィルター部と共にインサート成形する方法などで互いに固定することができる。
また、フィルター部を着脱可能に容器内に収納するようにしてもよい。この場合、例えば、容器内部に段差部を設けて、この段差部にフィルター部を嵌め合わせてフィルター部を容器に装着するか、あるいは、Oリングなどのシール材を介して容器にフィルター部を挟んでシールすることによりフィルター部を容器に装着することができる。
<プローブ担持粒子>
プローブ担持粒子として、それぞれ同一のプローブが担持された各粒子を用いて被検体との反応を行ってもよく、互いに異なるプローブが担持された各粒子を用いて被検体との反応を行ってもよい。なお、本明細書において「プローブ担持粒子」には、リガンドを担持した粒子を含むものとする。
粒子に担持するプローブまたはリガンドとしては、例えば、核酸、分子量500〜100万のタンパク質、脂質、糖鎖、細胞、タンパク質発現細胞、アプタマー、ウイルス、酵素、薬理活性を有する分子量50〜100万のリード化合物、あるいは特定の生理活性作用を持つか、これを持つ可能性のある化学物質が挙げられる。
プローブを担持する粒子としては、有機粒子、無機粒子、有機無機複合粒子を挙げることができる。有機粒子としては、例えば、ブタジエン系、スチレン系、ジビニルベンゼン系、アクリロニトリル系、アクリレート系、メタクリレート系、アクリルアミド系、ベンゾグアナミン系、ナイロン系、ポリビニルアルコール系、またはフッ素系等のモノマーを、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いたモノマー原料から、乳化重合あるいはサスペンション重合により得られた粒子が挙げられる。あるいは、均一孔を持つ多孔質プレートから樹脂を押し出して粒子を作製する膜乳化による方法で得られた粒子も使用できる。これらの粒子は必要に応じて分級機にて粒子径を揃えてもよい。
また、重合時にあるいは重合後にフェライト等の磁性体を添加して得られた粒子、あるいは特開平10−83902などの方法にて粒子をフェライトメッキしたもの、あるいは
セルロース、デンプン、アガロース、ガラクトース等の天然物架橋ゲル、アクリルアミド等の合成架橋ゲルも使用できる。
無機粒子としては、例えば、金属酸化物粒子、金属硫化物粒子、金属粒子が挙げられる。金属酸化物粒子として最も好ましいのはシリカ粒子であり、市販されている各種のシリカ粒子を使用できる。
上記粒子の表面を、アミノ基、カルボキシル基、カルボジイミド基、エポキシ基、トシル基、N−サクシイミド基、マレイミド基、チオール基、スルフィド基、ヒドロキシル基、トリメトキシシリル基、ニトリル三酢酸基、ベンゾスルホアミド基、ポリエチレンイミン基等の各種官能基、あるいはγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランなどにより表面修飾して、プローブ結合サイトとすることができる。
プローブを担持する粒子として有機粒子を使用する場合、その粒子径は0.1μm〜120μmが好ましく、より好ましくは0.5μm〜60μmである。粒子径が小さい場合にはハンドリング性に難点が生じ、これらの粒子を捕捉するフィルターの作製が困難となり、またフィルター孔が小さいために被検体が目詰まりし易くなる。また粒子径が大きい場合には、立体障害のために反応性が低下することがある。
好ましくは、プローブを担持する粒子が実質的に均一な粒子径を有し、その粒子径dと、フィルター2に形成された細孔3の孔径hと、隣り合う2つの細孔3,3間の孔間隔pとの関係が、d>h+pである。なお、ここで細孔3の孔径hおよび細孔3,3間の孔間隔pは、ウエルの上面もしくは下面を構成するフィルター部全体の平均値である。
上記の関係を満足させて、粒子数を細孔数よりも多くすることにより、粒子をフィルターに多段に積層して洗浄および濾過を行う際に、粒子が多くの細孔を閉塞することがないため、濾過性の低下を有効に防止することができる。
図2は、本発明のバイオセパレーション用キットにおける他の実施形態を示した断面図である。図示したように、容器12の内部空間に2つのフィルター部1を収納するようにしてもよく、この場合、例えば後述するように、これらのフィルター部1の間の空間で被検体とプローブ担持粒子との反応を行った後(同図の反応部41)、片方のフィルター部1へプローブ担持粒子を移動させて洗浄液をプローブ担持粒子と接触させることによりプローブ担持粒子に捕捉されたターゲット物質以外の非捕捉物質を洗浄除去し、次いで、他方のフィルター部1へプローブ担持粒子を移動させて剥離液をプローブ担持粒子と接触させることによりプローブ担持粒子からターゲット物質を剥離することができる。
被検体とプローブ担持粒子は、容器のフィルター部収納空間へ連通する、当該空間から分岐した分岐空間15から各フィルター部1の間の反応部41へ導入することができる。
図23(a)は、本発明のバイオセパレーション用キットにおける他の実施形態を示した断面図である。図2の実施形態では、反応部41とフィルター部1とが、フィルター部1のフィルター面の法線方向に位置しており、反応部41および容器12の外部への開口がフィルター部の面方向と垂直に設けられているが、本実施形態では、反応部41、そして容器12の外部への開口が、フィルター部の面方向と平行に設けられている。即ち、フィルター部1を収納する空間から、この空間とは流路方向が垂直となる分岐空間15A,15Bが分岐し、これらの分岐空間15A,15Bの一端が外部へ開放されており、また分岐空間15Aの内部を被検体とプローブ担持粒子との反応部41としている。
図23(a)において、フィルター部1を収納する空間の断面径d1(あるいは断面積)と、分岐空間15Aの断面径d2(あるいは断面積)とは、同一でも異なっていてもよ
いが、d1<d2とすれば、毛細管作用あるいは表面張力差によって、分岐空間15Aからフィルター部1の収納空間への液の流入が容易になり、また、このフィルター部1の収納空間における液の流速を分岐空間15Aにおける流速よりも大きくすることができるため、液をフィルター部へ均一に浸透させることができる。
また、図2の実施形態では、フィルター部1と反応部41とを、流路方向の孔径が均一であるストレートな容器内空間で接続する場合に、フィルター部1の断面積が大きくなると反応部41の断面積も大きくせざるを得ないが、本実施形態では、フィルター部1の断面積が大きい場合であってもフィルター部1の断面積と反応部41の断面積とを独立に設定できる。
また、図23(b)(キットをフィルター上面側から見た図である。)のように、分岐空間15をフィルター部1の接線部に沿って接続し、反応部41の液の投入速度を制御することで、この液は、フィルター部1の周縁部における細孔の無い部分を周回しながらフィルター部1の中心部へ流れ込む。これにより、フィルター全面へ均一に液を投入することができる。
図24では、基本構成は図23と同様であるが、フィルター部1の収納空間から分岐して一端が容器外部へ開放された空間(分岐空間15A〜15D)を、フィルター部1の収納空間の両側に設けている。これらの分岐空間15A〜15Dは、フィルターを挟んで上下2本づつの各空間が同一面上に設けられるようにしてもよく、あるいは、分岐空間15A〜15Dのうち少なくとも1本を、円状のフィルター部1との接線を共有しないように、別個の接線部に設けるようにしてもよい。
図3は、本発明のバイオセパレーション用キットにおける他の実施形態を示した断面図である。図示したように、フィルター部1が縦方向となるように配置してもよく、この場合、容器12の内部空間における液の移動は水平方向となるので、左右のいずれの方向への送液に際しても重力による影響を受けずに送液することができる。
図4および図5は、本発明のバイオセパレーション用キットにおける他の実施形態を示した断面図である。本実施形態では、容器の内部空間における反応部およびフィルター部の近傍位置のうち、少なくともいずれかの位置に攪拌板が設けられている。この攪拌板を設けることにより、プローブ担持粒子と、被検体、洗浄液および剥離液などの各液とを接触させる際に、乱流を発生させて効率的に反応、洗浄、ターゲット物質の剥離などを行うことができる。
図4では、被検体とプローブ担持粒子との反応部41に攪拌板17を設け、被検体31とプローブ担持粒子分散液32とを攪拌板17の一方側から他方側へ通過させることにより、被検体とプローブ担持粒子との接触を効率化している。液を正逆方向に複数回移動させることにより、被検体とプローブ担持粒子とを、攪拌板17の一方側から他方側および他方側から一方側へ複数回通過させるか、あるいは攪拌板17の内部で正逆方向へ移動させるようにしてもよい。
図5では、プローブ担持粒子を洗浄して非捕捉物質を除去する領域である、B/F分離用フィルター部1a近傍のB/F分離部42に攪拌板17を設け、洗浄液33とプローブ担持粒子21とを攪拌板17の一方側から他方側へ通過させることにより、洗浄液33とプローブ担持粒子21との接触を効率化している。また、プローブ担持粒子からターゲット物質を剥離する領域である、剥離用フィルター部1b近傍の剥離部43にも攪拌板17を設け、B/F分離部42でプローブ担持粒子を洗浄した後にプローブ担持粒子を剥離部43に移動させ、剥離液とプローブ担持粒子とを攪拌板17の一方側から他方側へ通過さ
せることにより、剥離液とプローブ担持粒子との接触を効率化している。
攪拌板の構造は、プローブ担持粒子を通過させ、乱流を発生できる構造であればどのような構造であってもよく、邪魔板の構造として知られている既知の構造などを適用できる。また、攪拌板の容器への組み込みは、フィルター部の組み込みと同様な方法で行うことができる。攪拌板の材質は、容器と同様の材質であっても、異なっていてもよい。
図6および図7は、本発明のバイオセパレーション用キットにおける他の実施形態を示した断面図である。本実施形態では、容器12におけるフィルター部収納空間14に、B/F分離を行うためのB/F分離用フィルター部1aと、プローブ担持粒子に捕捉されたターゲット物質を剥離するための剥離用フィルター部1bとが収納され、このフィルター部収納空間14の両端面14a,14bが外部へ開放されている。そして、フィルター部収納空間14におけるB/F分離用フィルター部1aおよび剥離用フィルター部1bで挟まれた内側空間に、その一端が外部へ開放された分岐空間15が設けられている。
外部へ開放された容器12の端面14a,14bは、洗浄液、剥離液の入排出、被検体、プローブ担持粒子分散液の排出、あるいはこれらの液の移動を差圧で制御するための差圧制御孔として機能する。
フィルター部収納空間14に連通する分岐空間15は、洗浄液、剥離液、被検体、プローブ担持粒子分散液の入排出、あるいはこれらの液の移動を差圧で制御するための差圧制御孔として機能する。分岐空間15は、図6のように1箇所だけ設けるのではなく、例えば被検体およびプローブ担持粒子分散液の投入用、洗浄液投入用、剥離液投入用など、各液の投入用に、図7のように2箇所に、あるいはそれ以上設けてもよい。
このように、B/F分離用フィルター部と剥離用フィルター部とを別にすることで、B/F分離の際に被検体により汚染されたフィルター部を剥離の際に使用しないために、剥離されたターゲット物質と被検体とのコンタミネーションを最小限に抑えることができる。
剥離用フィルター部の被検体による汚染を最小限とするためには、B/F分離用フィルター部と剥離用フィルター部との間に反応済のプローブ担持粒子を投入し、B/F分離用フィルター部へこのプローブ担持粒子を含む粒子液を移動させてB/F分離を行い、次いで剥離用フィルター部に粒子液を移動させて剥離を行うことが好ましい。このような操作を行うために、B/F分離用フィルター部に反応済のプローブ担持粒子を移動させてB/F分離を行った後に剥離用フィルター部を容器に取り付けるようにしてもよい。
なお、各フィルター部への粒子液の移動は、容器を上下反転させ、粒子を移動したいフィルター部を下側にして重力により液を下方へ移動させる方法、あるいは容器内部の空間にバルブを設けると共に、容器における外部への開放部に差圧ポンプを設置して、容器内部の空間から外部への所定の開放部をバルブにより閉止して差圧ポンプにより容器内部の空間を減圧することにより差圧で液を移動する方法などによって行うことができる。
図8〜図10は、本発明のバイオセパレーション用キットにおける他の実施形態を示した断面図である。本実施形態では、フィルター部収納空間14に連通する分岐空間15に被検体とプローブ担持粒子との反応部41を有しており、外部への開口16から分岐空間15に被検体とプローブ担持粒子分散液とを投入し、例えば差圧制御などによりこれらの液を正逆方向に繰り返し移動させることにより混合して反応を行う。分岐空間15で反応を行った後、プローブ担持粒子をフィルター部1へ移動させてB/F分離などの後続する各処理を行う。
図8および図9のように、分岐空間15の断面積をフィルター部収納空間14の断面積よりも小さくした場合、分岐空間15が水平面上にあり重力の影響が均等である条件では、これらの流路空間の断面積の差異による表面張力差によって、液は分岐空間に留まる。フィルター部収納空間の内径もしくは内幅を5mm以上とした場合には、分岐空間15で被検体とプローブ担持粒子とを反応させた後、粒子を含む反応液を差圧によりフィルター部収納空間14に押し出せば、重力により下方のフィルター部1(図9ではB/F分離用フィルター部1a)に落下させることができる。
一方、図10のように分岐空間15の断面積がフィルター部収納空間14の断面積よりも大きい場合には、毛細管作用あるいは表面張力差によって液がフィルター部収納空間14に容易に移動される。
図11は、本発明のバイオセパレーション用キットにおける他の実施形態を示した断面図である。本実施形態では、フィルター部収納空間14に連通する3つの分岐空間15a,15b,15cが設けられている。分岐空間15aは、被検体とプローブ担持粒子分散液とを開口16から投入して反応を行う反応部41を構成している。分岐空間15bは、洗浄液を開口16からフィルター部収納空間14のB/F分離部42へ投入する洗浄液投入部を構成し、分岐空間15cは、剥離液を開口16からフィルター部収納空間14の剥離部43へ投入する剥離液投入部を構成している。
このバイオセパレーション用キット11では、次のようにターゲット物質の分離を行う。まず、被検体とプローブ担持粒子分散液とを開口16から分岐空間15aへ投入し、被検体とプローブ担持粒子との反応を行う。次に、この反応液を差圧等によりB/F分離用フィルター1aへ移動させ、被検体をB/F分離用フィルター1aを通して外部へ排出し、プローブ担持粒子をフィルター上に残す。
次に、分岐空間15bからフィルター部収納空間14に洗浄液を投入し、B/F分離用フィルター1aを通過させてプローブ担持粒子と接触させる。この洗浄液の界面のフィルター面からの距離を変化させながら接触させることで、効率的にプローブ担持粒子から非捕捉物質を除去することができる。
次に、プローブ担持粒子を剥離用フィルター部1bへ移動させ、分岐空間15cからフィルター部収納空間14に剥離液を投入し、プローブ担持粒子と接触させる。この剥離液の界面のフィルター面からの距離を変化させながら接触させることで、効率的にプローブ担持粒子からターゲット物質を剥離することができる。
以下、上述した各実施形態のバイオセパレーション用キットを用いた、被検体からターゲット物質を分離するための各操作について、図17〜図19を参照しながら説明する。最初に、図17に示したように被検体とプローブ担持粒子とを、容器内におけるフィルター部とは離間した位置で反応させる。同図のようにフィルター部収納空間14から分岐した分岐空間15を反応部41として、差圧により液を正逆方向に繰り返し往復動させて反応を行うか、あるいはフィルター部収納空間14におけるB/F分離用フィルター部1aと剥離用フィルター部1bとの間の空間にこれらを導入した後、差圧などにより液を正逆方向に繰り返し往復動させて反応を行う。
反応後、プローブ担持粒子21を、図18に示したようにB/F分離用フィルター部1aに移動させ、被検体はフィルターを通過させて外部へ排出する。次に、分岐空間15bからB/F分離用フィルター部1aに洗浄液を投入し、B/F分離を行う。このように反応とB/F分離とを別の位置で行うことにより、被検体を濃度の高い状態で混合、反応さ
せることができ、フィルターを介した液の繰り返し移動によるフィルターの損傷や、被検体のフィルターへの非特異的な吸着を最小限とすることができる。
洗浄液によりプローブ担持粒子から非捕捉物質を洗浄除去する際には、洗浄液をフィルターを挟んで(フィルターを含むように)複数回往復移動させて、これにより洗浄液と粒子とを、正逆方向から複数回接触させるようにすることが好ましい。即ち図22に示したように、液界面を位置55aから位置55bまでA方向に移動させた後、B方向に液界面を移動させ、A方向への移動とB方向への移動を交互に複数回繰り返すことにより、洗浄液とプローブ担持粒子とを効率的に接触させることができる。
即ち、プローブ担持粒子は、フィルターに張り付いた状態で洗浄液と接触する以外に、フィルターから離れた状態で洗浄液と接触するために、粒子と洗浄液との接触効率が上がると共に洗浄性が向上する。
なお、洗浄液のA方向への移動とB方向への移動時における差圧、あるいは粒子の移動距離は同じである必要はなく、例えば、A方向に10だけ移動させ、次いでB方向に1だけ移動させ、これを複数回繰り返すようにしてもよい。
被検体とプローブ担持粒子との反応および剥離液とプローブ担持粒子との接触も、上記した操作を適用することが好ましく、これにより反応性、剥離性が向上する。また、被検体とプローブ担持粒子との反応に上記の操作を適用することにより、実質的に濾過と高反応性を両立させることが可能となる。
洗浄の際に、洗浄液とプローブ担持粒子とを接触させた後、図22においてA方向に洗浄液を移動させてフィルター部1aを介して下方へ排出し、プローブ担持粒子だけをフィルター上に残留させ、その後に次の洗浄液をフィルター部1aに投入して次の洗浄を行う操作を1回または複数回行うことが好ましい。
このようにすることで、プローブ担持粒子と洗浄液の洗浄操作がバッチ操作となり、少ない液量で効率的に洗浄を行うことができる。
このプローブ担持粒子と液との接触、液の排出、次の液の投入およびプローブ担持粒子との接触の一連の操作は、プローブ担持粒子と被検体との反応、プローブ担持粒子からのターゲット物質の剥離にも好ましく適用される。プローブ担持粒子と被検体との反応にこの操作を適用した場合、反応はいわゆるバッチ反応となり、少ない液量で効率的に反応を行うことができる。
上記のように、洗浄液を排出し、次いで次の洗浄液を投入する場合、洗浄液を排出した後に容器内部の空間を減圧してから次の洗浄液を投入することが好ましい。このようにすることで、フィルター細孔へ気泡が噛み込んで洗浄液がフィルター細孔に入らず濾過性が低下することを防止することができる。この操作は、プローブ担持粒子と被検体との反応、プローブ担持粒子からのターゲット物質の剥離の際にも好ましく適用される。
減圧の程度は、例えばプローブ担持粒子と被検体との反応では被検体の種類にもよるが、通常は50Pa〜90000Pa、好ましくは100Pa〜50000Pa、より好ましくは500Pa〜10000paである。また、この操作をプローブ担持粒子と被検体との反応に適用する場合、被検体へのダメージを最小限とするために、減圧の時間は最短であることが望ましく、通常は0.1秒〜60秒、好ましくは1秒〜10秒である。
B/F分離部42でB/F分離を行った後、例えばフィルター部収納空間14を減圧して、分岐空間15bから洗浄液を投入し、洗浄液と共に図19の剥離部43にプローブ担
持粒子を移動させる。粒子液を剥離部43に移動させる際に、後述するように、流路分岐点から延びる各流路の断面積の差異、あるいは流路分岐点に設けたバルブにより粒子の移動流路を選択できる。
剥離部43にプローブ担持粒子を移動させた後、剥離用フィルター部1bを通して洗浄液を外部へ排出し、次いで必要に応じてフィルター部収納空間14を減圧し、分岐空間15cから剥離液を投入して剥離部43に導く。この場合も、流路分岐点から延びる各流路の断面積の差異により、あるいは流路分岐点にバルブを設けることにより剥離液を剥離部43側に選択的に移動させることができる。
剥離液を投入した後、剥離用フィルター部1bの近傍でターゲット物質の剥離を行う。上記したように、剥離用フィルター部1bに存在するプローブ担持粒子に剥離液を接触させ、剥離液をフィルターを挟んで複数回往復動させることでターゲット物質を粒子から効率的に剥離させることができる。B/F分離用フィルター部1aは、被検体中の非特異吸着物により汚染される可能性があるが、剥離工程を別のフィルター部1bで行うので、被検体中の非特異吸着物質の、ターゲット物質とのコンタミネーションを最小限に抑えることができる。
上述してきた一連の操作に際して、被検体、洗浄液および剥離液のうちいずれかの液をフィルター部収納空間14内で移動させる場合に、液の移動方向を、水平方向とするか、あるいは上方から下方への重力方向とするかを場合に応じて適切に選択することが好ましい。
液の移動方向を水平方向とすることが好ましい場合としては、フィルター部収納空間14が外部へ開放されている場合であって、
(i)移動液を容器外部に排出させない場合
(ii)差圧により液を移動させる場合
(iii)後述するように流路分岐点から延びる各流路の断面積を相違させて毛細管作用により液を選択的に一方の流路へ移動させる場合
である。即ち、移動前の地点と移動後の地点との重力差を無くすことができ、液は重力に逆らう移動をしないので、上記(i)〜(iii)の場合に適切である。
なお、液の移動方向を重力方向とすることが好ましい場合としては、フィルター部収納空間14が外部へ開放されている場合であって、
(i)移動液を容器外部に排出させる場合
(ii)差圧により液を移動させる場合
(iii)後述するように流路分岐点から延びる各流路の断面積を相違させて毛細管作用により液を選択的に一方の流路へ移動させる場合
である。即ち、重力を利用して液を移動させることで、上記(i)〜(iii)の液の移動を適切に行うことができる。
図20に示したように、容器を回転させることにより、フィルター部収納空間における液の移動方向を状況に応じて変えることができる。図示したように、図20(a)の状態からX軸を中心として容器12を180度回転させることにより図20(b)の状態として、液の移動を反転させることができる。この他、状況に応じて図20(a)の状態からX軸を中心として容器12を180度回転させて図20(c)の状態としてもよく、あるいは、紙面に垂直な線を中心として容器12を90度回転させれば液の移動方向は重力方向から水平方向となる。
なお、フィルター部収納空間14の上下端面が開放されている場合、差圧で液を移動さ
せるためには差圧で液を移動させる対象空間の内径もしくは内幅が5mm以下であることが好ましく、より好ましくは3mm以下、さらに好ましくは2mm以下である。なお、ここで「内径」とは、上記の平行面による容器の内部空間の断面形状が円である場合にはその直径を、楕円である場合には短軸の直径を表し、「内幅」とは、当該断面形状が正方形である場合にはその対向する両辺間の幅を、矩形である場合には対向する短辺間の幅を表し、当該断面形状がその他の場合であってもこれらと同様に規定される。このようにすることで、液を気体による差圧制御で容易に移動させることができる。
また当該空間の内径もしくは内幅が大きい場合(容器内壁の親疎水性により異なるが、その目安は5mm±2mm以上)、容器の両端面の開放部を互いに水平に位置させてフィルター部収納空間における液の移動方向を水平方向にすることで、液を容易に移動させることができる。
図12は、本発明のバイオセパレーション用キットにおける他の実施形態を示した断面図である。本実施形態では、フィルター部収納空間と分岐空間との分岐点から延びる3本の流路空間の断面積の相違により、1つの流路空間から、該流路空間から分岐する他の2本の流路空間のうち一方の流路空間へ選択的に液を移動させるようにしている。
図12では、分岐空間15aの断面積Lと、フィルター部収納空間14のB/F分離用フィルター部1a側の断面積Mと、フィルター部収納空間14の剥離用フィルター部1b側の断面積Nとの関係を、L>N>Mとしている。この場合、分岐空間15aに投入された液の液量が分岐空間15aの容量を超えるか、あるいは分岐空間15aに投入された液を加圧によりフィルター部収納空間14との分岐点まで移動させると(例えば被検体とプローブ担持粒子分散液もしくはこれらを分岐空間15aで反応させた反応液)、この液は、毛細管作用によって、その断面積Mが剥離用フィルター部1b側の断面積Nよりも小さいB/F分離用フィルター部1a側へ(流路lから流路mへ)選択的に移動する。
そして、B/F分離用フィルター部1aで洗浄したプローブ担持粒子を含む液を、B/F分離用フィルター部1b側のフィルター部収納空間14から分岐空間15aとの分岐点へ移動させると、この液は、毛細管作用によって、その断面積Nが分岐空間15aの断面積Lよりも小さい剥離用フィルター部1b側のフィルター部収納空間14へ(流路mから流路nへ)選択的に移動する。
なお、このように毛細管作用を利用して流路分岐点における液の移動方向を制御する際に、液の移動が重力方向もしくは反重力方向である場合にはこれを考慮すると共に、毛細管作用が得られるように流路断面積を小さく、好ましくは空間の内径もしくは内幅を5mm以下、より好ましくは3mm以下とする(各流路が同一材料で形成され、表面張力が互いに等しい場合)必要がある。
図13は、本発明のバイオセパレーション用キットにおける他の実施形態を示した断面図である。本実施形態では、フィルター部収納空間14と分岐空間15a〜15cとの分岐点にバルブ18a〜18cを設け、この分岐点において1つの流路から他の2つの流路のうち一方の流路へ選択的に液を移動させるようにしている。
例えば、分岐空間15aから被検体とプローブ担持粒子分散液またはこれらを分岐空間15aで反応させた反応液を、B/F分離用フィルター部1aへ移動させる場合、バルブ18bの通路B2を閉止し、通路B1と通路B3を開放する。反応後の被検体をB/F分離用フィルター部1aを通過させてプローブ担持粒子から分離する際には、バルブ18cの通路C3を閉止し、通路C1と通路C2を開放する。分岐空間15bからフィルター部収納空間14のB/F分離用フィルター部1a側へ洗浄液を投入する際には、バルブ18
cの通路C2を閉止し、通路C1と通路C3を開放する。洗浄後のプローブ担持粒子を剥離用フィルター部1bへ移動させる際には、バルブ18bの通路B1を閉止し、通路B2と通路B3を開放するとともに、バルブ18aの通路A3を閉止し、通路A1と通路A2を開放する。分岐空間15cからフィルター部収納空間14の剥離用フィルター部1b側へ剥離液を投入する際には、バルブ18aの通路A1を閉止し、通路A2と通路A3を開放する。
このように、バルブを切り替えて差圧で液を移動させることにより、所望の方向に液を移動させることができる。また、バルブによる制御と、前述した毛細管作用により液の移動方向を制御する方法とを組み合わせることで、容器内におけるバルブの設置数を減らすことができる。バルブは、容器にその一部を備え付けて、外部の駆動システムと組み合わせてバルブとしての機能を果たすものであってもよい。
流路の分岐点に設けるバルブの具体例としては、電磁バルブ、圧電素子バルブ、ダイヤフラムシートバルブ、ピンチバルブ、ゲルの加熱冷却による体積変化を利用したバルブなどが挙げられる。
図14および図16は、本発明のバイオセパレーション用キットにおける他の実施形態を示した断面図である。本実施形態では、容器12の開放端面14a,14bおよび、分岐空間15a〜15cの開口16に、液を入排出する容器51a〜51eが連結されている。この液入排出用の容器を配置した例を図15に拡大して示した。
容器12の内部の液(反応後の粒子分散液と被検体との混合液、洗浄液、剥離液など)を、容器12の外部へ排出する際には、図15の容器51に予め収容した受け液の界面を排出口(開放端面14a,14bもしくは開口16)に位置させ、容器12の内部からの液を、この受け液と接触させることにより液を排出する。例えば、受け液を充填した容器51を容器12の内部からの液と接触させることで容器12内の液体を瞬時に容器51に移動させることができる。
液入排出用の容器51は、容器51を通じて大気圧に開放されている形態であっても、容器51が気密に封止されて外部から遮断されている形態であってもよい。容器51が大気圧に開放されている形態を図15(a)に、容器51を気密に封止した形態を図15(b)に示した。
バイオセパレーション用キットの容器内部への液の投入および内部からの液の排出は、容器12の開放端面14a,14bまたは分岐空間15a〜15cの開口16へ直接に、あるいはそこへ連結した上記の液入排出用の容器51a〜51eへ、差圧ポンプを連結することで行うことができる。キットの容器内部における液の移動も、この差圧ポンプにより差圧を作用させることで行うことができる。
差圧ポンプとしては、既知である各種のポンプを使用でき、例えば、ロータリーポンプ、ギアポンプ、シリンジポンプ、スクリューポンプ、チューブポンプ、真空ポンプ、ダイヤフラムポンプ、圧電素子ポンプなどを使用することができる。
このように差圧ポンプを使用することで、例えば、容器外部へ開放された分岐空間15b,15cなどの各開放部を密封し、差圧ポンプで容器内部を減圧することによってプローブ担持粒子分散液と被検体とを分岐空間15aへ投入することができる。洗浄液、剥離液などの他の液の投入も同様に、所定の開放部を密封してから差圧ポンプで容器内部を減圧することで投入することができる。
このように容器内部を減圧してこれらの液を投入することで、液は気泡を噛むことなく容器内部へ投入される。また、フィルター細孔に存在する気泡を除去してフィルター細孔に液を充填することができるので、気泡によってフィルターの濾過部分が限定されることが無く、フィルターに形成された細孔全体を使用して濾過を行うことが可能となる。
図16において、ターゲット物質の分離操作は、例えば次のように行われる。まず、プローブ担持粒子分散液と被検体とを分岐空間15aに投入し、分岐空間15aでプローブ担持粒子と被検体とを反応させる。次に、バルブ18bの通路B2を閉止し、通路B1およびB3を開放して、バルブ18cの通路C3を閉止して、通路C1およびC2を開放した状態で、反応液をフィルター部収納空間14のB/F分離側に移動し、プローブ担持粒子をB/F分離用フィルター部1bで捕捉するとともに液を容器51dに排出する。
次に、バルブ18cの通路C2を閉止して、通路C1およびC3を開放した状態で、分岐空間15bから洗浄液を投入して、B/F分離用フィルター部1aに捕捉されたプローブ担持粒子に接触させて洗浄する。
次に、バルブ18cの通路C2を閉止して、通路C1およびC3を開放し、バルブ18bの通路B1を閉止して、通路B2およびB3を開放し、バルブ18aの通路A3を閉止して、通路A1およびA2を開放した状態で、分岐空間15bから洗浄液を投入して、粒子を含む洗浄液を剥離用フィルター部1a側へ移動させ、プローブ担持粒子を剥離用フィルター部1aで捕捉するとともに洗浄液を容器51aに排出する。
次に、バルブ18aの通路A1を閉止して、通路A2およびA3を開放した状態で、分岐空間15cから剥離液を投入して、剥離用フィルター部1bに捕捉されたプローブ担持粒子に接触させて、プローブ担持粒子からターゲット物質を剥離する。このターゲット物質を含む剥離液は、容器端面14aに取り付けた容器に収容する。
なお、前述したように、各操作における液の移動は、所定の開放部をバルブ18a〜18c等で閉止すると共に差圧ポンプ54a〜54eのいずれかを用いて容器内部を減圧してから行うことができる。また、流路分岐点から延びる各流路の断面積の相違により選択的に一方の流路へ液を導く方法を組み合わせるようにしてもよい。
上述してきたバイオセパレーション用キットは、複数のキットを同一基板上に集積した構成としてもよく、その一例を図21に示した。同図のバイオセパレーション用キット11では、2つのキット11a,11bが連結され一体化されている。キットの連結数は、場合に応じて適宜の数とすることができる。このように複数のキットを連結することにより、複数の被検体を同時に処理することが可能となり、分離精製のスループットを向上させることができる。なお、各液の投入部は、同図の上面、正面、裏面、側面のいずれの位置に設けてもよい。
この複数のキットを同一基板上に集積したバイオセパレーション用キットは、第一の基板に反応部、洗浄部、濾過部、B/F分離用フィルター収納空間、剥離用フィルター収納空間などの所望の空間部位と、液通過流路となる溝とを形成して、次に別途の第二の基板を第一の基板へ張り合わせることにより得ることができる。これらの基板の張り合わせには、接着剤による接着、熱ラミネート、電磁誘導加熱などの各種方法が適用できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更が可能である。
図1は、本発明のバイオセパレーション用キットの一実施形態を示した断面図である。 図2は、本発明のバイオセパレーション用キットの他の実施形態を示した断面図である。 図3は、本発明のバイオセパレーション用キットの他の実施形態を示した断面図である。 図4は、反応部に攪拌板を設けたバイオセパレーション用キットの断面図である。 図5は、フィルター部近傍に攪拌板を設けたバイオセパレーション用キットの断面図である。 図6は、容器の両端面を開放し、一対のフィルター部の間にフィルター部収納空間から外部へ開放する開口を設けたバイオセパレーション用キットの断面図である。 図7は、容器の両端面を開放し、一対のフィルター部の間にフィルター部収納空間から外部へ開放する開口を設けたバイオセパレーション用キットの断面図である。 図8は、フィルター部収納空間から分岐し一端が外部へ開放された分岐空間に、被検体とプローブ担持粒子との反応部を設けたバイオセパレーション用キットの断面図である。 図9は、フィルター部収納空間から分岐し一端が外部へ開放された分岐空間に、被検体とプローブ担持粒子との反応部を設けたバイオセパレーション用キットの断面図である。 図10は、フィルター部収納空間から分岐し一端が外部へ開放された分岐空間に、被検体とプローブ担持粒子との反応部を設けたバイオセパレーション用キットの断面図である。 図11は、洗浄液投入用および剥離液投入用の分岐空間を設けたバイオセパレーション用キットの断面図である。 図12は、分岐点から延びる各流路の断面積を相違させることにより、所定方向へ液を送液するように構成したバイオセパレーション用キットの断面図である。 図13は、バイオセパレーション用キットの流路内にバルブを設けた例を示した断面図である。 図14は、バイオセパレーション用キットの容器外部への開口に液入排出用の容器を設けた例を示した断面図である。 図15は、容器外部への開口に液入排出用の容器を設けた例を示した図である。 図16は、本発明のバイオセパレーション用キットを用いたセパレーションシステムを示した断面図である。 図17は、本発明のバイオセパレーション用キットにおける反応部にプローブ担持粒子を投入し、被検体と反応させる状態を示した断面図である。 図18は、図17の状態から、反応後のプローブ担持粒子をB/F分離部に移動させた状態を示した断面図である。 図19は、図18の状態から、洗浄後のプローブ担持粒子を剥離部に移動させた状態を示した断面図である。 図20は、垂直方向および水平方向を軸としてバイオセパレーション用キットを回転させる前後の状態を示した断面図である。 図21は、複数のキットを一体化したバイオセパレーション用キットを示した図である。 図22は、フィルター部近傍において液を正逆方向に移動させて当該液とプローブ担持粒子とを複数回接触させる攪拌操作を説明する断面図である。 図23は、本発明のバイオセパレーション用キットの実施形態を示した断面図である。 図24は、本発明のバイオセパレーション用キットの実施形態を示した断面図である。 図25は、リブを連続して一体に形成し、その中にフィルターを底面としたウエルが存在する構造としたフィルター部の電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 フィルター部
1a B/F分離用フィルター部
1b 剥離用フィルター部
2 フィルター
3 細孔
4 リブ
5 ウエル
11 バイオセパレーション用キット
12 容器
14 フィルター部収納空間
14a,14b 端面
15 分岐空間
15a 分岐空間(被検体および粒子投入用)
15b 分岐空間(洗浄液投入用)
15c 分岐空間(剥離液投入用)
15A〜15D 分岐空間
16 開口
17 攪拌板
18a〜18c バルブ
21 プローブ担持粒子
31 プローブ担持粒子分散液
32 被検体
33 洗浄液
41 反応部
42 B/F分離部
43 剥離部
51,51a〜51e 液入排出用容器
53 液入排出路
54a〜54e シリンジポンプ
55a,55b 界面

Claims (15)

  1. 軸線がストレートな細孔が形成されたフィルター部と、前記フィルター部を収納する容器と、を備え、
    前記容器の内部における前記フィルター部が配置された位置から離間した領域に、被検体とプローブ担持粒子とを反応させる反応部を有することを特徴とするバイオセパレーション用キット。
  2. 前記容器の内部における前記反応部および前記フィルター部の近傍位置のうち、少なくともいずれかの位置に攪拌板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバイオセパレーション用キット。
  3. 前記容器に2つの前記フィルター部が収納され、その一方は、B/F分離を行うためのB/F分離用フィルター部であり、その他方は、前記プローブ担持粒子に捕捉されたターゲット物質を剥離するための剥離用フィルター部であることを特徴とする請求項1または2に記載のバイオセパレーション用キット。
  4. 前記容器における前記B/F分離用フィルター部および前記剥離用フィルター部を収納するフィルター部収納空間の両端面が外部へ開放され、
    前記フィルター部収納空間における前記B/F分離用フィルター部および前記剥離用フィルター部で挟まれた内側空間が、該内側空間から分岐する少なくとも1つの分岐空間を介して外部へ開放されていることを特徴とする請求項3に記載のバイオセパレーション用キット。
  5. 前記容器における前記B/F分離用フィルター部および前記剥離用フィルター部を収納するフィルター部収納空間から分岐し、その一端側に外部へ開放された開口が設けられた分岐空間を少なくとも1つ有し、該開口から該分岐空間を介して、プローブ担持粒子の分散液、被検体、洗浄液、および剥離液のうち少なくとも1つの液を前記フィルター部収納空間へ投入するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のバイオセパレーション用キット。
  6. 前記分岐空間に、被検体とプローブ担持粒子とを反応させる前記反応部を有することを特徴とする請求項5に記載のバイオセパレーション用キット。
  7. 前記分岐空間を少なくとも2つ有し、1つの該分岐空間から前記フィルター部収納空間へ洗浄液を投入し、他の1つの該分岐空間から前記フィルター部収納空間へ剥離液を投入するようにしたことを特徴とする請求項5または6に記載のバイオセパレーション用キット。
  8. 前記容器における前記B/F分離用フィルター部および前記剥離用フィルター部を収納するフィルター部収納空間から分岐し、その一端側に外部へ開放された開口が設けられた分岐空間を少なくとも1つ有し、
    該分岐空間と、前記フィルター部収納空間との分岐点から延びる3本の流路空間l,m,nについて、流路空間mの断面積Mを流路空間nの断面積Nよりも小さくし、流路空間lから、流路空間mおよび流路空間nのうち流路空間mへ選択的に液を移動させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のバイオセパレーション用キット。
  9. 複数の前記バイオセパレーション用キットが同一基板上に集積搭載されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のバイオセパレーション用キット。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のバイオセパレーション用キットを用いて、前記反応部でプローブ担持粒子と被検体とを反応させた後、前記フィルター部にプローブ担持粒子を移動させ、次いで、洗浄液をプローブ担持粒子に接触させることにより、プローブ担持粒子に捕捉されたターゲット物質と、それ以外の物質とを分離することを特徴とするバイオセパレーション方法。
  11. 請求項3〜8のいずれかに記載のバイオセパレーション用キットを用いて、前記反応部でプローブ担持粒子と被検体とを反応させた後、前記B/F分離用フィルター部にプローブ担持粒子を移動させ、次いで、洗浄液をプローブ担持粒子に接触させることにより、プローブ担持粒子に捕捉されたターゲット物質と、それ以外の物質とを分離した後、前記剥離用フィルター部にプローブ担持粒子を移動させ、次いで、剥離液をプローブ担持粒子に接触させることにより、プローブ担持粒子からターゲット物質を剥離することを特徴とするバイオセパレーション方法。
  12. プローブ担持粒子を前記フィルター部の近傍に位置させ、被検体、洗浄液、および剥離液のうち少なくとも1つの液を、前記フィルター部収納空間内で複数回往復移動させることにより、プローブ担持粒子を前記フィルター部に対して接離させながら当該液とプローブ担持粒子とを接触させることを特徴とする請求項10または11に記載のバイオセパレーション方法。
  13. 被検体、洗浄液、および剥離液のうち少なくとも1つの液を、プローブ担持粒子と接触させた後、当該液を、前記フィルター部を通して排出するとともにプローブ担持粒子を該フィルター部上に残留させ、次いで、次の当該液を該フィルター部へ投入してプローブ担持粒子と接触させることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載のバイオセパレーション方法。
  14. 前記フィルター部収納空間を減圧した後、被検体、洗浄液、および剥離液のうち少なくとも1つの液を当該空間へ投入することを特徴とする10〜13のいずれかに記載のバイオセパレーション方法。
  15. 被検体、洗浄液、および剥離液のうち少なくとも1つの液を、容器の内部で移動させるに際して、当該液を水平方向もしくは重力方向に移動させることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載のバイオセパレーション方法。
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