JP2006115770A - 遺伝子組換えノックイン非ヒト哺乳動物 - Google Patents

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Abstract

【課題】BiPの遺伝子欠損マウスの提供を試みBiPの個体レベルでの機能評価と疾患との関係をより明確にすることを提供する。
【解決手段】BiPゲノム遺伝子に変異を有するノックイン非人哺乳動物であって、該変異によってKDEL受容体によるBiP蛋白質の小胞体への局在機構が機能しないノックイン非ヒト哺乳動物とする。また、前記BiP蛋白質のカルボキシ末端のリジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン(KDEL)アミノ酸残基をコードする部分のBiP遺伝子が欠失したノックイン非ヒト哺乳動物とすることからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は遺伝子組換えノックイン非ヒト哺乳動物に関し、特に小胞体分子シャペロンBiP変異体遺伝子組換えノックイン非ヒト哺乳動物に関する。
分泌蛋白や膜蛋白は、小胞体膜上で合成された後小胞体に挿入され、小胞体に局在するBiP、carleticulin、PDI(Protein dislfide isomerase)、GRP94
(Glucose regulatory protein 94)などの分子シャペロンと相互作用して折り畳み構造となり、糖鎖付加、複合体形成がなされ、機能的にも成熟し、小胞体から分泌されていく。
しかし上記の過程が虚血、再灌流、低栄養、低酸素、スーパーオキシド、毒物などの外界からの侵襲や遺伝子変異によって阻害されると、小胞体内に折り畳み構造の異常な蛋白質が蓄積し、分子シャペロンの産生増加、蛋白合成の抑制、異常蛋白質の分解、細胞死といった小胞体ストレス反応が起こることが知られている。そして近年、こうした小胞体ストレス反応がアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病などの神経変性疾患や躁鬱病、糖尿病を始めとする種々の疾患に関与しているのではないかとの研究も行われている。
また分子シャペロンの一つであるBiPは、折り畳み構造の異常な蛋白質と結合してその増加を感知し、小胞体ストレス反応を開始する機構にも重要な働きをしていると考えられている。具体的には、安静時においてBiPはIRE1、PERK、ATF6などの小胞体膜蛋白質と会合してそれらの小胞体膜蛋白質を不活性な状態に保持しているが、異常な蛋白質が増加した場合はその小胞体膜蛋白質から離れて異常蛋白質と結合するため、IRE1、PERK、ATF6を活性化し、小胞体ストレス反応を起こすと考えられている。
また単細胞生物である酵母の研究から、BiP(酵母ではKar2)が欠損すると細胞は生存することは出来ないことが分ってきており、BiPは小胞体分子シャペロンの中でも最も重要な蛋白質の一つであると考えられる。Kar2のカルボキシ末端にはヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン(HDEL)アミノ酸配列があり、Kar2は小胞体に局在する。この配列を除いた変異Kar2のみが発現する酵母では、変異Kar2は小胞体から分泌されるが、代償性に小胞体ストレス反応が起こることによってKar2の産生が増大し、酵母は生存することができる(例えば下記非特許文献1参照)。哺乳類のBiPではカルボキシ末端のリジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン(KDEL)アミノ酸配列が同様な機能を持つ。
哺乳類でも培養細胞の実験から遺伝子導入によってBiPを予め多く発現させておくと細胞は侵襲に強くなることが示されている(例えば下記非特許文献2参照)。ヒト、ラット、マウスなど個体レベルでも、侵襲を加えるとBiPの発現が増大することから、BiPが個体レベルでも侵襲に対して保護的に働いていると推測されているが、分子生物学的な裏付けに乏しい。特に、神経系や免疫系などの高次機能や神経変性疾患などの諸疾患との関わりについては推測の域を出ない。
Beh,C.T. and Rose,M.D.、"Two redundant systems maintain levels of resident proteins within the yeast endplastic reticulum"、Proc Natl Acad Sci、USA、1995、92、pp9820−9823 Morris,J.A.、Dorner,A.J.、Edwards,C.A.、Hendershot,L.M. and Kaufman,R.J.、"Immunoglobulin binding protein(BiP) function is required to protect cells from endoplasmic reticulum stress but is not required for the secretion of selective proteins"、J Biol Chem、1997、272、pp4327−4334
上記の通りBiPの個体レベルでの機能評価と疾患との関係をより明確にしてそれを臨床応用することが今後の課題であり、そのために遺伝子導入マウス(トランスジェニックマウス)が広く用いられている。
しかしながら、トランスジェニックマウスでは元々ある内在性のその蛋白質が存在している上に、さらにその蛋白質を人工的に発現誘導することになり、発現量、発現時期、発現組織が本来のその蛋白質固有のものとは異なり、表現型の評価は複雑で、必ずしも一定の結論が得られない。これに対して、遺伝子欠損マウス(ノックアウトマウス)では相同組換えによって
ゲノム遺伝子を改変しその蛋白質の遺伝子発現をなくしてしまうので、少なくとも個体レベルで現れた表現型がその蛋白質がないことに起因すると結論付けることができる。小胞体分子シャペロンcalreticulinの遺伝子が欠損したマウスは致死となるが、胎生期のある時期までは生存することが示されている。だがこれに対し細胞レベルで必須の蛋白質であると考えられているBiPの遺伝子欠損では、おそらく細胞としてさえ生存できず、胎児発生にも至らないと考えられ、遺伝子欠損マウスの報告もない。
BiPの様な小胞体分子シャペロンは小胞体ストレス反応によって産生が誘導されることから、トランスジェニックマウスの様に人工的な発現ではなく、内在性の発現誘導機構を残した状態でないと個体レベルでの上記機能評価は困難である。
そこで本発明は、BiPの遺伝子欠損マウスの提供を試み、このマウスを提供することでBiPの個体レベルでの機能評価と疾患との関係をより明確にすることを更なる目的とする。
上記を鑑み、本発明は以下の具体的な手段を採用する。
第一の手段として、BiPゲノム遺伝子に変異を有するノックイン非人哺乳動物であって、該変異によってKDEL受容体によるBiP蛋白質の小胞体への局在機構が機能しないノックイン非ヒト哺乳動物を採用する。ここで「機能しない」とは、BiP蛋白質が小胞体から分泌された場合に、ゴルジ体でKDEL受容体に認識され小胞体に逆輸送される機序が働かない場合をいう。この手段において、BiP蛋白質のカルボキシ末端の第652から655までのリジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン(KDEL)アミノ酸残基をコードする部分のBiP遺伝子が欠失している態様もある。また、カルボキシ末端のKDELアミノ酸配列が欠失した変異BiPが産生される態様もある。また、この手段において、配列番号1に記載の塩基配列からなる遺伝子のうち一又は複数の塩基が欠失、置換若しくは付加される態様もある。またこの手段において、非ヒト哺乳動物はノックインマウスとする態様もある。また、この手段において、非ヒト哺乳動物はノックインホモマウス若しくはノックインへテロマウスであるとする態様もある。
また第二の手段として、配列番号2に記載のBiP変異体HA遺伝子組み換えノックイン非ヒト哺乳動物作製用遺伝子断片を採用する。
また、第三の手段として、配列番号3に記載の塩基配列のうち一又は複数の塩基が欠失、置換若しくは付加された遺伝子断片を採用する。また、この手段において、BiPゲノム遺伝子が選択的に欠失するような変異が導入される態様もある。またこの手段において、変異は、HA tag(YPYDVPDYA)をコードする遺伝子による置換とする態様もある。
また、第四の手段として、配列番号2に記載のBiP変異体HA遺伝子組み換えノックイン非ヒト哺乳動物作成用遺伝子断片を含有するノックインベクターを採用する。またこの手段において、ネオマイシン耐性遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子、loxP遺伝子を含んでなる態様もある。
以上により、BiPの遺伝子欠損マウスの提供が可能となり、BiPの個体レベルでの機能評価と疾患との関係をより明確にすることに寄与する。
以下、本発明の一実施形態に係る遺伝子組換えノックインマウスの作製及び評価について説明する。
(BiP変異体HA遺伝子組換えノックインベクターおよびノックインマウスの作製)
129/SvJマウス系統のλFIXIIゲノム遺伝子ライブラリー(Strategene社)に対して、ラットBiPcDNA全コード断片とのハイブリダイゼーションを行い、BiP遺伝子の全exonを含むBiPゲノム遺伝子を得た。なお表1にゲノム遺伝子におけるexonとintronの境界を、図1にBiP変異体HAゲノム遺伝子の図を、配列番号1にBiP遺伝子のcDNAの塩基配列を、それぞれ示す。
また、PCR反応を用いて、BiP蛋白質のカルボキシ末端部分を含むが最後のKDEL配列の代わりにHA tagをコードする遺伝子を含む約0.6kbのBamHI−XhoI断片(配列番号2)を得、更にこれをBiPゲノム遺伝子の3’側の最後の4つのexonを含む遺伝子断片(配列番号3)のSTOPコドンより5’側において入れ替えた約2.1kbの遺伝子断片を得た。
また、PCR反応を用いた、stop codonから3’側の約0.5kbを含むXbal−KpnI遺伝子断片(配列番号4)を得た。
そして上記の2.1kbのBamHI−Xhol断片を含む遺伝子断片、loxP遺伝子配列に挟まれたネオマイシン耐性遺伝子を含むXhoI−XbaI遺伝子断片、上記Xbal−KpnI遺伝子断片、この3’側の2.5kb遺伝子断片、チミジンキナーゼ遺伝子を含む2.7kb遺伝子断片をpBluescript SK+プラスミドベクターに順次サブクローニングし、BiP変異体HA遺伝子組換えノックインベクターを作製した。図1にマウスのBiPゲノム遺伝子、BiP変異体HA遺伝子組み換えノックインマウス作製用の遺伝子断片、及び相同組み換え後のBiP変異体HAゲノム遺伝子の図をそれぞれ示す。
次に、ノックインベクターを電気穿孔法によってES細胞に遺伝子導入し、ネオマイシン、ガンシクロビル存在下で培養し、変異ES細胞を樹立した。
そして、この樹立した変異ES細胞を用いて凝集法(aggregation chimera)によりキメラマウスを作製し、これとC57BL/6系統の野生マウスとを交配させることで第一世代のヘテロマウスを得た。
更に、このヘテロマウスと、Cre遺伝子を発現するCAG−Creトランスジェニックマウスとを交配させ、ゲノム遺伝子に組込まれていたloxP遺伝子配列に挟まれたネオマイシン耐性遺伝子が欠失しBiPゲノム遺伝子にネオマイシン耐性遺伝子を含まないヘテロマウスを得た。そして更にこのヘテロマウス同士の交配によって第二世代のホモマウスを得た。
ES細胞の遺伝子型はサザンブロット法によって、マウスの遺伝子型はPCR法によって分析した(PCR法におけるBiPゲノム検出用の5’側プライマーの塩基配列を配列番号5に、3’側プライマーの塩基配列を配列番号6に、BiP変異体HAゲノム遺伝子検出用の5’側プライマーの塩基配列を配列番号7に、3’側のプライマーの塩基配列を配列番号8にそれぞれ示す。)。図2(a)にサザンブロット法の分析結果を、図2(b)にPCR法による分析結果を示す。なお図2(a)の結果は、ノックインベクターの5’側、3’側両側においてマウス胚性幹細胞での相同組み換えが起こっていることを示し、図2(b)の結果は、野生型(+/+)、BiP変異体HA遺伝子組み換えノックインへテロマウス(B/+)、BiP変異体HA遺伝子組み換えノックインホモマウス(B/B)の存在を示しており、いずれも所望の結果を得ることができている。
(胚性線維芽細胞の調整)
胚性線維芽細胞(MEF)は胎生13.5日の胚から調整し、15%ウシ胎仔血清を含むDulbecco’s modified Eagle’s medium(DMEM)培地中で培養し、ツニカマイシン(2.5μg/ml)により12時間刺激した。
(初代培養神経細胞の調整)
初代培養神経細胞は胎生18.5日の胚から調整し、10%ウシ胎仔血清を含むHam’s F−12、DMEM混合培地中で培養し、ツニカマイシン(2.5μg/ml)により12時間刺激した。
(胚性線維芽細胞、マウス胎児の解析)
ウエスタンブロット、35Sメチオニンによる蛋白質アイソトープ標識は、公知の方法(Yamamotoら、“The KDEL receptor modulates the endoplasmic reticulum stress response through mitogen−activated protein kinase signaling cascades”、J Biol Chem、2003、278、pp34525−34532を参照)により行った。なおこの検討には、抗アミノ末端BiP抗体、抗KDEL抗体、抗HA tag抗体、抗γ−tubulin抗体を用いた。
(BiP変異体HA遺伝子組換えノックインヘテロマウスの飼育、解析)
BiP変異体HA遺伝子組換えノックインヘテロマウスはSPF条件下で飼育し、rotenone(1μg/g体重)の腹腔内注入を1日1回で30日間行った。
上記胚性線維芽細胞をツニカマイシンで刺激し、細胞を回収してサンプルを調整し、ウエスタンブロット法によって蛋白質の発現を解析したところ、野生型マウスではBiPの発現増加が見られ、ノックインホモマウスでもBiP変異体HAの発現増加が見られた。即ち、変異のないアミノ末端に対する抗体では認識されるが、変異のあるカルボキシ末端は抗KDEL抗体では認識されず、抗HA tag抗体によって認識されるBiP変異体HAを発現していた。図3にこの結果を示す。なおこの結果は、ノックインへテロマウスにもBiP変異体HAが存在することも示している。
また、このBiP変異体HAにはKDEL受容体による認識部位がないので、安静状態でも小胞体に分布できないBiP変異体HAが培養液に分泌される。これを胚性線維芽細胞に対し35Sメチオニンによる蛋白質アイソトープ標識を行ない、細胞成分と培養液から免疫沈降によって、野生型BiPとBiP変異体HAを回収し、SDS−PAGEを行うことで確認した。図4にこの結果を示す。即ち安静時(control)には、野生型BiPは細胞内(chasae c)に分布するのに対してBiP変異体HAは培養液に分泌される(chase m)。
また、生後4週後にマウスの遺伝子型を調べたところ、ノックインホモマウスは存在しなかった。検討の結果、ホモマウスは胎生期には生存し生まれてくるが、生後一日で死亡することが判った。生下時体重はノックインホモマウスが有意に軽く、全般的な成長障害が示唆された。図5(a)にノックインホモマウスを、図5(b)に野生型マウス、ノックインホモマウス、ノックインへテロマウスの体重についての測定結果(生後18.5日後)を示す。
また、BiPはマウスの全組織、全細胞に発現していると考えられ、ウエスタンブロット解析を行ったところ、ノックインホモマウスの脳にも野生型BiPに替わって、BiP変異体HAが発現していることが確認できた。また、ホモマウス胎児由来の神経細胞を初代培養したところ、神経細胞にBiP変異体HAが発現していることが形態学的にも確認された。図6にその結果を示す。なおこの結果は、ノックインへテロマウスにおいてもBiP変異体HAが存在していることを示している。
また、ノックインマウス胎児18.5日から調整した初代培養神経細胞を神経細胞に特異的に発現するMAP2に対する抗体と抗HA抗体によって免疫染色し、共焦点レーザー顕微鏡によって観察を行った。この結果を図7に示す。これによりノックインホモマウス胎児の神経細胞にBiP変異体HAが発現していることを確認した。
近年小胞体ストレスが各種疾患の発症に関与するとの知見が集積しつつある。アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患や糖尿病、さらに我々は最近心筋症発症にも小胞体ストレスが関与することを報告した。本発明におけるBiP変異体HAノックインホモマウスは生後間もなく死亡したがヘテロマウスは成長した。
BiPは小胞体分子シャペロンであるとともに、小胞体ストレス反応の制御分子でもあり、BiP変異体HAノックインヘテロマウスでも、侵襲に対する小胞体ストレス反応の異常が期待され、それに伴う疾患の発症が予測される。BiP変異体HAノックインヘテロマウスは小胞体ストレスに感受性が高いことが予測され、小胞体ストレス病の発症因子の検索や、小胞体ストレス病発症モデルに用いられることが期待される。
ヒト成人の神経変性疾患で2番目に頻度が高いパーキンソン病の動物モデル誘発物質として有機リン系の農薬の一種であるrotenoneが知られている。rotenoneは黒質線状体のドーパミン産生神経細胞に作用して、ミトコンドリアと小胞体の機能を障害し、神経細胞変性、細胞死を起こし、パーキンソン病類似の病態を誘発することがラットの実験で明らかになっている。
そこでrotenoneをBiP変異体HAノックインヘテロマウスに投与(腹腔内投与1μg/g体重1日1回を30日)したところ、野生型マウスに比べて、BiP変異体HAノックインヘテロマウスではより黒質に神経細胞死(TUNEL染色陽性)が起こっていた(図8参照)。このように、小胞体ストレス関連疾患と考えられる疾患発症に関与すると推測される物質をBiP変異体HAノックインヘテロマウスに投与し、その疾患を誘発し易いかどうかを検討することは、その疾患の成因、治療法を考える上で有用である。
BiP変異体HAノックインホモマウスは生後間もなく死亡するが、胎児由来の細胞を培養する事は可能である(図3胚性線維芽細胞、図8初代培養神経細胞)。このように各組織、臓器由来の培養細胞を用いて、その細胞に特異的に作用する物質の効果を検討することは、小胞体ストレスと様々な疾患との関係を検討する上で有用であり、疾患を誘発する物質の検索や治療に結びつく可能性がある。
マウスのBiPゲノム遺伝子、BiP変異体HA遺伝子組み換えノックインマウス作製用の遺伝子断片、及び相同組み換え後のBiP変異体HAゲノム遺伝子の図 ES細胞の遺伝子型の分析結果に関する図。図2(a)はサザンブロット法によって得た結果を示す図、図2(b)はPCR法によって得た結果を示す図。 胚性線維芽細胞をツニカマイシンで刺激した結果をウエスタンブロット法により確認した図。 胚性線維芽細胞に対し35Sメチオニンによる蛋白質アイソトープ標識を行い、細胞成分と培養液から免疫沈降によって、野生型BiPとBiP変異体HAを回収し、SDS−PAGE解析を行った場合の結果を示す図。 図5(a)は野生型マウス、ノックインホモマウスを示す図。図5(b)は野生型マウス、ノックインホモマウス、ノックインへテロマウスの体重についての測定結果(生後18.5日後)を示す図。 ノックインホモマウスの脳にも野生型BiPに替わって、BiP変異体HAが発現していることをウエスタンブロット解析によって確認した図。 ノックインマウス胎児18.5日から調整した初代培養神経細胞を神経細胞に特異的に発現するMAP2に対する抗体と抗HA抗体によって免疫染色し、共焦点レーザー顕微鏡によって観察を行った場合の結果を示す図。 BiP変異体HAノックインホモマウス胎児由来の初代培養神経細胞を示す図。

Claims (13)

  1. BiPゲノム遺伝子に変異を有するノックイン非人哺乳動物であって、該変異によってKDEL受容体によるBiP蛋白質の小胞体への局在機構が機能しないノックイン非ヒト哺乳動物。
  2. 前記BiP蛋白質のカルボキシ末端のリジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン(KDEL)アミノ酸残基をコードする部分のBiP遺伝子が欠失した請求項1記載のノックイン非ヒト哺乳動物。
  3. カルボキシ末端のKDELアミノ酸配列が欠失した変異BiPが産生されるノックイン非ヒト哺乳動物。
  4. 配列番号1に記載の塩基配列からなる遺伝子のうち一又は複数の塩基が欠失、置換若しくは付加された請求項1記載のノックイン非ヒト哺乳動物。
  5. 配列番号2に記載のBiP変異体HA遺伝子組み換えノックイン非ヒト哺乳動物作製用遺伝子断片。
  6. 配列番号3に記載の塩基配列のうち一又は複数の塩基が欠失、置換若しくは付加された遺伝子断片。
  7. BiPゲノム遺伝子が選択的に欠失するような変異が導入された請求項6記載の遺伝子断片。
  8. 前記変異は、HA tagをコードする遺伝子による置換であることを特徴とする請求項7記載の遺伝子断片。
  9. 配列番号2に記載のBiP変異体HA遺伝子組み換えノックイン非ヒト哺乳動物作成用遺伝子断片を含有するノックインベクター。
  10. ネオマイシン耐性遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子、loxP遺伝子を含んでなる請求項8記載のノックインベクター。
  11. 前記非ヒト哺乳動物はノックインマウスである請求項1記載のノックイン非ヒト哺乳動物。
  12. 前記非ヒト哺乳動物はノックインホモマウスであることを特徴とする請求項1記載の非ヒト哺乳動物。
  13. 前記非ヒト哺乳動物はノックインへテロマウスであることを特徴とする請求項1記載の非ヒト哺乳動物。
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