JP2006113451A - レーザビーム走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
比較的簡素且つ低コストでありながら、例えば高画質な画像を形成できる画像形成装置を実現できるレーザビーム走査装置を提供する。
【解決手段】
圧電アクチュエータPZの駆動によって、円柱面状レンズ20を副走査方向に移動させることによりポリゴンミラー60の反射面60aへのレーザ光の入射位置を変化させ、それにより結像位置の変化を補正できるので、例えば画像形成装置に用いることによって高画質な画像を形成することができる。

【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ光源からのレーザビームを走査するレーザビーム走査装置に関し、特にポリゴンミラーの倒れなどに起因した走査線曲がりを補正することができるレーザビーム走査装置に関する。
電子写真画像形成装置等に用いられる光走査装置では、レーザビーム走査装置を用いて、レーザ光を、回転するポリゴンミラーの各反射面で反射させて、副走査方向に移動する感光面体上で主走査方向に走査させることにより、画像の形成を行うようになっている。ここで、ポリゴンミラーは、複数の反射面を外周に有しているが、感光面体上の適切な位置にレーザ光を集光させるためには、ポリゴンミラーの各反射面を、その回転軸に対して精度良く平行に配置する必要がある。ところが、各反射面を精度良く作り込むことは極めて困難であり、そのためポリゴンミラーのコストが大きく増大する。
これに対し、特許文献1に開示された技術によれば、光学系を、副走査方向に関して幾何学的にほぼ共役となるようにすることで、回転多面鏡の倒れ角誤差による走査ピッチむらの発生を防止することができる。
特開昭58−179813号公報
しかるに、特許文献1の技術では、光学的作用によって、レーザ光が斜め入射した場合でもビームスポット径を適切にしているが、かかる補正手法では限界があり、従ってある程度のポリゴンミラーの高精度な作り込みや、高精度の組立が必要となって、コストを抑えることができないという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、比較的簡素且つ低コストでありながら、例えば高画質な画像を形成できる画像形成装置を実現できるレーザビーム走査装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載のレーザビーム走査装置は、レーザ光源と、該レーザ光源からのレーザ光を感光体面上に主走査方向に走査させるポリゴンミラーと、前記レーザ光源及び前記ポリゴンミラー間に配置されレーザ光を副走査方向に集光させる円柱面状レンズと、前記ポリゴンミラー及び前記感光体面間に配置されレーザ光を前記感光体面上に集光させる走査レンズ系とを有し、前記ポリゴンミラーに対して前記走査レンズ系の光軸方向の斜め又は垂直方向からレーザ光が入射するレーザビーム走査装置において、
前記円柱面状レンズを前記ポリゴンミラーの回転に同期して副走査方向に移動させることにより、レーザ光の像面における副走査方向の光線位置を変化させる駆動手段を有することを特徴とする。
前記ポリゴンミラーの反射面に倒れが生じていたり、その反射面の平面度が悪い場合、反射面から反射したレーザ光の集光位置は、その反射面に応じて個々に異なるものの再現性がある。そこで、本発明による前記駆動手段により、前記円柱面状レンズを前記ポリゴンミラーの回転に同期して副走査方向に移動させれば、前記円柱面状レンズを移動させない場合と比較して、レーザ光の像面における副走査方向の光線位置を変化させることができ、それにより集光位置の補正を行うことができる。従って、極めて高精度に形成されたポリゴンミラーを用いる必要はなくなりコスト低減を図ることができ、前記走査レンズ系だけでは補正しきれない走査線曲がりなどの不具合を回避できる。又、前記ポリゴンミラーの反射面の倒れなどを考慮することなく、光学系の設計を行えるので、設計の自由度が高まる。更に、レーザビーム走査装置の組立調整工程が比較的ラフでも、適切な位置へのビームスポットの集光を行えるので、組立誤差の許容度が広がり組立調整工程を容易に且つ簡略化できる。特に、カラー画像形成装置の場合、複数本のレーザ光を感光面体に照射するので、それらの結像位置ずれは直ちに色ずれを引き起こすことが多いため、組み付け誤差の低減は重要であったが、本発明のように、前記駆動手段を用いて前記円柱面状レンズを前記ポリゴンミラーの回転に同期して副走査方向に移動させることで、色ずれなどの問題を容易に解消できる。尚、「副走査方向」とは、前記ポリゴンミラーの回転によって反射したレーザ光が移動する主走査方向に交差する方向をいうものとし、ここでは前記ポリゴンミラーの回転軸線の方向をいう。
請求項2に記載のレーザビーム走査装置は、請求項1の発明において、前記駆動手段は、電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の一端に固定された駆動部材と、前記円柱面状レンズに連結され且つ前記駆動部材上に移動可能に保持された可動部材と、を有し、前記電気機械変換素子を、伸び方向と縮み方向とで速度を変えて繰り返し伸縮させることで、前記可動部材を移動させるようになっていることを特徴とする。
本発明の前記駆動手段によれば、前記電気機械変換素子に対して例えば鋸歯状の波形をしたパルスなどの駆動電圧をごく短時間印加することで、前記電気機械変換素子を微少に伸長または収縮するように変形させることができるが、そのパルスの形状により伸長又は収縮の速度を変えることができる。ここで、前記電気機械変換素子を伸長または収縮方向へ速い速度で変形したとき、前記可動部材は、その質量の慣性により、前記駆動部材の動作に追随せず、そのままの位置に留まる。一方、前記電気機械変換素子がそれよりも遅い速度で反対方向へと変形したとき、前記可動部材は、その間に作用する摩擦力で駆動部材の動作に追随して移動する。したがって、前記電気機械変換素子が伸縮を繰り返すことにより、前記可動部材は一方向へ連続して移動することができる。即ち、高い応答性を有する本発明の駆動手段を用いることで、前記可動部材に連結した円柱面状レンズを高速に移動させることもでき、且つ微小量移動させることもできるので、前記ポリゴンミラーの回転に追従させることができるのである。加えて、前記円柱面状レンズは、通常の形状で足り、特に大きな加工を必要としないため、低コストで製造できる。
請求項3に記載のレーザビーム走査装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記ポリゴンミラーの回転位置を検出する検出手段を有することを特徴とするので、前記検出手段によって検出された回転位置より特定できる前記ポリゴンミラーの反射する面に応じて、前記円柱面状レンズを移動させることによって、最適な位置へとビームスポットを集光できる。
請求項4に記載のレーザビーム走査装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記駆動手段は、前記ポリゴンミラーの前記レーザ光を反射する複数の面の各々に応じて、前記円柱面状レンズを所定の位置に移動させることを特徴とするので、前記ポリゴンミラーに設けられた複数の反射する面の倒れがバラバラであったとしても、各々の倒れに応じて前記円柱面状レンズを移動させることによって、最適な位置へとビームスポットを集光できる。又、前記ポリゴンミラーに設けられた反射する面の数を任意に変更した場合も、容易に対応できる。
請求項5に記載のレーザビーム走査装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記駆動手段は、前記ポリゴンミラーの前記レーザ光を反射する面の形状に応じて、前記円柱面状レンズを移動させることを特徴とするので、前記ポリゴンミラーに設けられた反射する面に歪みがあった場合でも、かかる面にレーザ光が反射している間に、前記円柱面状レンズを移動させることによって、最適な位置へとビームスポットを集光できる。
請求項6に記載のレーザビーム走査装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記円柱面状レンズは複数設けられ、前記駆動手段は、複数の前記円柱面状レンズを独立して移動させることを特徴とするので、より高精度な補正が可能となり、また画像形成速度の高速化を図ることができる。
請求項7に記載のレーザビーム走査装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記レーザビーム走査装置はカラー画像形成装置に用いられることを特徴とする。本発明によれば、カラー画像形成装置に用いた場合、調整が容易でありながら、色ずれを効果的に抑制できる。
請求項8に記載のレーザビーム走査装置は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記円柱面状レンズをガイドするガイド部材を有することを特徴とするので、前記円柱面状レンズの駆動を円滑に行うことができる。
請求項9に記載のレーザビーム走査装置は、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記円柱面状レンズの位置を検出する検出器を有することを特徴とするので、サーボ制御等を用いて前記円柱面状レンズを所定の位置に高精度に位置決めできる。
請求項10に記載のレーザビーム走査装置は、請求項2〜9のいずれかに記載の発明において、前記電気機械変換素子を冷却する冷却手段を有することを特徴とするので、前記電気機械変換素子が発熱した場合でも、前記レーザ光源や前記走査レンズ系が熱の影響を受けることを防止できる。尚、冷却手段は、併せて前記ポリゴンミラーの駆動手段(例えばモータ)を冷却すると好ましい。
請求項11に記載のレーザビーム走査装置は、請求項2〜10のいずれかに記載の発明において、前記電気機械変換素子を遮蔽する遮蔽部材を有することを特徴とするので、前記電気機械変換素子が発熱した場合でも、前記レーザ光源や前記走査レンズ系が熱の影響を受けることを防止でき、また駆動部からの塵埃などの飛散付着を回避できる。尚、遮蔽部材は、併せて前記ポリゴンミラーの駆動手段(例えばモータ)を遮蔽すると好ましい。ここで、遮蔽とは、完全に遮蔽する場合に限らず部分的に遮蔽する場合も含む。
請求項12に記載のレーザビーム走査装置は、請求項2〜11のいずれかに記載の発明において、前記電気機械変換素子は、圧電素子であることを特徴とするので、動作精度が高く、作動音を低くでき、更にコンパクトな駆動手段を提供できる。
本発明によれば、比較的簡素且つ低コストでありながら、例えば高画質な画像を形成できる画像形成装置を実現できるレーザビーム走査装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は、画像形成装置に組み込まれると好適な、本実施の形態にかかるレーザビーム走査装置の走査光学系を示す平面図であるが、一部は簡略化して図示している。図1において、感光面体90の面に沿った上下方向を主走査方向とし、紙面垂直方向を副走査方向とする。レーザ光源1、レーザ光源1から出射される光束の発散角を変更するコリメートレンズ10、レーザ光を副走査方向に集光させるための円柱面状レンズ20が光軸上に配置され、その光軸上に反射面が位置するようにポリゴンミラー60が配置されている。更にポリゴンミラー60とその結像面である感光体面90との間の光軸上に、レーザ光を感光体面90上に集光させるための走査レンズ系としてfθレンズ70が配置されている。尚、fθレンズ70と感光体面90との間に、第2の円柱面状レンズ(長尺レンズともいう)80を設けることもできるが、その場合はfθレンズ70と長尺レンズ80とで走査レンズ系を構成する。
図2は、図1に示すレーザビーム走査装置の主要部の概略斜視図である。図2において、上下に延在するハウジングHの両端に、壁W1,W2が水平に平行して連結されている。壁W1,W2に掛け渡されるようにしてガイド軸GSが、コリメートレンズ10の光軸直交方向(ポリゴンミラー60の回転軸線方向:副走査方向)に延在している。
不図示のモータにより回転駆動されるポリゴンミラー60は、6つの(3つ以上であれば、これに限られない)反射面60aを有しており、また磁気パターンが形成された円盤60bを同軸に取り付けている。円盤60bの磁気パターンに対向して、ポリゴンミラー60の回転位置を検出する磁気検出器52が配置されている。検出手段としての磁気検出器52の出力信号は、駆動回路50Aに入力されるようになっている。
一方、円柱面状レンズ20は、レンズホルダHDにより外周を保持されている。可動部材となるレンズホルダHDは、ガイド部材であるガイド軸GSに係合する係合部HDaと、駆動力を受ける連結部HDbとを有している。
連結部HDbは駆動軸DSと接するV溝を設けてあり、それとの間に駆動軸DSを挟むようにして板ばねSGが取り付けられている。連結部HDbと板ばねSGとの間には、駆動部材である駆動軸DSがガイド軸GSに平行に配置され、板ばねSGの付勢力で適度に押圧されている。駆動軸DSの一端は自由端であり、その他端は、電気機械変換素子である圧電アクチュエータPZに連結されている。圧電アクチュエータPZは、固定部Bhを有し、壁W1に接着などにより固定されている。
ハウジングH上には、レンズホルダHDの移動量を磁気的に(又は光学的に)検出するエンコーダEN(円柱面状レンズ20の位置を検出する検出器であり、例えばガイド軸GSに磁気情報を配置し、係合部HDaに読み取りヘッドなどでも良い)が配置され、そこから円柱面状レンズ20の位置に関する信号を受けた駆動回路50Aが、圧電アクチュエータPZを駆動制御するために、配線を介して電圧を印加するようになっている。圧電アクチュエータPZと、駆動軸DSと、連結部HDbと、板ばねSGとで駆動手段を構成する。
圧電アクチュエータPZは、PZT(ジルコン・チタン酸鉛)などで形成された圧電セラミックスを積層してなる。圧電セラミックスは、その結晶格子内の正電荷の重心と負電荷の重心とが一致しておらず、それ自体分極していて、その分極方向に電圧を印加すると伸びる性質を有している。しかし、圧電セラミックスのこの方向への歪みは微小であり、この歪み量により被駆動部材を駆動することは困難であるため、図3に示すように、複数の圧電セラミックスPEを積み重ねてその間に電極Cを並列接続した構造の積層型圧電アクチュエータPZが実用可能なものとして提供されている。本実施の形態では、この積層型圧電アクチュエータPZを駆動源として用いている。
次に、この円柱面状レンズ20の駆動方法について説明する。一般に、積層型圧電アクチュエータPZは、電圧印加時の変位量は小さいが、発生力は大でその応答性も鋭い。したがって、図4(a)に示すように立ち上がりが鋭く立ち下がりがゆっくりとした略鋸歯状波形のパルス電圧を印加すると、圧電アクチュエータPZは、パルスの立ち上がり時に急激に伸び、立ち下がり時にそれよりもゆっくりと縮む。したがって、圧電アクチュエータPZの伸長時には、その衝撃力で駆動軸DSが図2の上側(壁W2側)へ押し出されるが、円柱面状レンズ20を保持したレンズホルダHDの連結部HDbと板ばねSGは、その慣性により、駆動軸DSと一緒には移動せず、駆動軸DSとの間で滑りを生じてその位置に留まる(わずかに移動する場合もある)。一方、パルスの立ち下がり時には立ち上がり時に比較して駆動軸DSがゆっくりと戻るので、連結部HDbと板ばねSGが駆動軸DSに対して滑らずに、駆動軸DSと一体的に図2の下側(壁W1側)へ移動する。即ち、周波数が数百から数万ヘルツに設定されたパルスを印加することにより、レンズホルダHDを所望の速度で連続的に移動させることができる。尚、以上より明らかであるが、図4(b)に示すように電圧の立ち上がりがゆっくりで、立ち下がりが鋭いパルスを印加すれば、レンズホルダHDを逆の方向へ移動させることができる。特に、ガイド軸GSがまっすぐであれば、レンズホルダHDは光軸方向に精度良く移動することとなり、ガイド軸GSを設けない場合と比較すると、円柱面状レンズ20のティルトやシフトを抑えることができる。円柱面状レンズ20がティルトすると、レーザビームを所望の径に絞ることができなくなったり、所望の走査位置に集光させることができなくなったり、走査線が湾曲したりする恐れがある。一方、円柱面状レンズ20がシフトすると、所望の走査位置に集光させることができなくなったり、走査線が湾曲したりする恐れがある。ガイド軸GSを設けることで、かかる不具合を効果的に抑制できる。
本実施の形態のレーザビーム走査装置の動作を説明すると、レーザ光源1からのレーザビームは、コリメートレンズ10により平行光にされ、円柱面状レンズ20によって副走査方向に集光され、回転するポリゴンミラー60の反射面60a近傍に結像され、反射面60aから反射したレーザ光を感光体面90上に主走査方向に走査させる。
ここで、ポリゴンミラー60の精度上の問題から、例えばポリゴンミラー60の回転軸線に対する各反射面60aの倒れや、各反射面60aに固有の歪みなどが生じていた場合、かかる倒れや歪みは、感光体面90上において走査線曲がりを生じさせ画質の低下を招くことになる。しかるに、このような倒れや歪みは各反射面60aに固有のものであり、従ってそこから反射されたレーザ光の結像位置には再現性があるから、各反射面60aの倒れや歪みに合わせて、反射面60aへの入射位置を変化させれば、走査線曲がりが生じないようにレーザ光を走査できることとなる。
そこで、本実施の形態では、例えば組立時に、各反射面60aの倒れや歪みのデータを駆動回路50A内のメモリに記憶しておくようにする。かかるレーザビーム走査装置を画像形成装置に組み込んで画像を形成する際に、図1に示すように、ポリゴンミラー60の回転位置(角度)をセンサ52で検出し、その回転位置信号を入力した駆動回路50Aが、その位置における反射面60aの倒れや歪みのデータに基づいて、反射したレーザ光が最適な位置に結像するように、反射面60aのレーザ光の入射位置を決定し、決定された入射位置にレーザ光が入射するように(すなわちポリゴンミラー60に同期させて)、圧電アクチュエータPZを駆動し、レンズホルダHDごと円柱面状レンズ20を適切な副走査方向位置へと平行移動させるようにしている。駆動回路50Aは、エンコーダENからの信号を入力することで、円柱面状レンズ20の実際の位置を検出してサーボ制御できる。
尚、円柱面状レンズ20の駆動ストロークが不足する場合、或いは高速画像形成を行うような場合は、走査光学系の副走査倍率を高くすることで、円柱面状レンズ20の単位ストローク当たりの結像位置の変化の補正効果を高めることができ、それにより発熱や騒音を抑えることができる。一方、超高画質画像を形成するような場合には、走査光学系の副走査倍率を低くすることで、円柱面状レンズ20による結像位置の変化の補正における分解能をあげることにより、高精度な結像位置の変化の補正を実現できる。尚、同様な駆動機構を持つ円柱面状レンズ20を2つ以上設けて、光軸方向に直列に配置し、独立して副走査方向に移動させることでも、長い駆動ストロークや高分解能の確保に有効である。
本実施の形態によれば、ポリゴンミラー60の反射面60aの倒れや歪みに関わらず、感光面体90上の所定位置にレーザ光を照射させることができるため、反射面60aの倒れや平面度に関する部品精度の許容度が広がり、ポリゴンミラー60を低コストで製造できる。又、特許文献1のように特殊な走査光学系を必要としないので、光学設計の自由度が広がる。更に、従来においては、光学系とポリゴンミラー60との相対位置の許容度が小さく、組み付けに手間がかかっていたが、本実施の形態によれば、ポリゴンミラー60の組み付け誤差の許容度が大きくなり、より容易な組立が可能となる。
特に、カラー化のために複数の走査光学系を同時に使用したり、高速化のために複数の光源を設けるような場合、走査光学系と光源との配置関係が副走査方向にシフトする場合があるが、互いに固定した状態ではそのシフト量を適切に調整することは困難である。これに対し、駆動手段を用いて、円柱面状レンズ20を光軸直交方向に駆動することで、副走査方向のシフト量を精度良く制御可能となる。
更に、本実施の形態の変形例によれば、同様な駆動手段を用いて、ポリゴンミラー60の回転に同期して、コリメートレンズ10を光軸方向に駆動することができ、それにより主走査方向における結像位置の変化を補正することもできる。
図5は、別な変形例にかかる駆動手段の概略構成図である。図5において、圧電アクチュエータPZは、遮蔽部材Sにより遮蔽されている。遮蔽部材Sは、吸気口INと排気口OTとを有しており、吸気口INにはモータFMにより駆動されるファンFが配置されている。
又、圧電アクチュエータPZを一端側で巻回するようにしてヒートパイプHPが設けられている。ヒートパイプHPの他端は、遮蔽部材Sの外側でペルチェ素子PELに接触している。
圧電アクチュエータPZは駆動により発熱するが、本変形例によれば、圧電アクチュエータPZから生じた熱や塵埃は、遮蔽部材Sにより遮蔽され、例えばレーザ光源1やfθレンズ70(図1)に熱による悪影響を与えないようになっている。更に、吸気口INに設けられたファンFを、モータFMにより駆動することで、吸気口INから取り入れた空気により、圧電アクチュエータPZを強制空冷することができる。遮蔽部材Sの内部で熱せられた空気は、排気口OTより外部へ排出されるが、レーザ光源1やfθレンズ70から離れた位置に排出することが望ましい。尚、ポリゴンミラー60駆動用のモータ(不図示)を一緒に遮蔽するとより好ましい。
又、ヒートパイプHPの内部の冷媒は、圧電アクチュエータPZ近傍でそれから加熱されると、ヒートパイプHP内を通ってペルチェ素子PEL側へと移動する。ペルチェ素子PELによって冷却された冷媒は、再びヒートパイプHP内を圧電アクチュエータPZ側へと移動し、そこで再加熱される。このサイクルによって、圧電アクチュエータPZの冷却ができる。圧電アクチュエータPZを支持する固定部Bhを、ペルチェ素子PELより直接冷却しても良い。尚、ファンFと、ヒートパイプHP、ペルチェ素子PELが冷却手段を構成するが、これらは少なくとも1つが設けられていれば足り、又ポリゴンミラー60駆動用のモータ(不図示)を一緒に冷却するとより好ましい。
円柱面状レンズ20は、温度変化に対する屈折力変化が小さいガラス素材やプラスチック素材で形成すると望ましい。又、レンズホルダHDの素材は、その熱伝導性を考慮して選定すると好ましい。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、本実施の形態の駆動手段を用いて、走査レンズ系を移動させることもできる。
本実施の形態にかかるレーザビーム走査装置の走査光学系を示す平面図である。 図1に示すレーザビーム走査装置の主要部の概略斜視図である。 複数の圧電セラミックスPEを積み重ねてその間に電極Cを並列接続した構造の積層型圧電アクチュエータPZを示す斜視図である。 圧電アクチュエータPZに印加される電圧パルスの波形を示す図である。 別な変形例にかかる駆動手段の概略構成図である。
符号の説明
10 コリメートレンズ
20 円柱面状レンズ
60 ポリゴンミラー
70 fθレンズ
80 長尺レンズ
90 感光体面
Bh 固定部
C 電極
DS 駆動軸
EN エンコーダ
F ファン
FM モータ
GS ガイド軸
HD レンズホルダ
HDa 係合部
HDb 連結部
HP ヒートパイプ
IN 吸気口
OT 排気口
PEL ペルチェ素子
PE 圧電セラミックス
PZ 圧電アクチュエータ
R 曲率半径
S 遮蔽部材
SG 板ばね
W1,W2 壁

Claims (12)

  1. レーザ光源と、該レーザ光源からのレーザ光を感光体面上に主走査方向に走査させるポリゴンミラーと、前記レーザ光源及び前記ポリゴンミラー間に配置されレーザ光を副走査方向に集光させる円柱面状レンズと、前記ポリゴンミラー及び前記感光体面間に配置されレーザ光を前記感光体面上に集光させる走査レンズ系とを有し、前記ポリゴンミラーに対して前記走査レンズ系の光軸方向の斜め又は垂直方向からレーザ光が入射するレーザビーム走査装置において、
    前記円柱面状レンズを前記ポリゴンミラーの回転に同期して副走査方向に移動させることにより、レーザ光の像面における副走査方向の光線位置を変化させる駆動手段を有することを特徴とするレーザビーム走査装置。
  2. 前記駆動手段は、電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の一端に固定された駆動部材と、前記円柱面状レンズに連結され且つ前記駆動部材上に移動可能に保持された可動部材と、を有し、前記電気機械変換素子を、伸び方向と縮み方向とで速度を変えて繰り返し伸縮させることで、前記可動部材を移動させるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のレーザビーム走査装置。
  3. 前記ポリゴンミラーの回転位置を検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザビーム走査装置。
  4. 前記駆動手段は、前記ポリゴンミラーの前記レーザ光を反射する複数の面の各々に応じて、前記円柱面状レンズを所定の位置に移動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレーザビーム走査装置。
  5. 前記駆動手段は、前記ポリゴンミラーの前記レーザ光を反射する面の形状に応じて、前記円柱面状レンズを移動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレーザビーム走査装置。
  6. 前記円柱面状レンズは複数設けられ、前記駆動手段は、複数の前記円柱面状レンズを独立して移動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレーザビーム走査装置。
  7. 前記レーザビーム走査装置はカラー画像形成装置に用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレーザビーム走査装置。
  8. 前記円柱面状レンズをガイドするガイド部材を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のレーザビーム走査装置。
  9. 前記円柱面状レンズの位置を検出する検出器を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のレーザビーム走査装置。
  10. 前記電気機械変換素子を冷却する冷却手段を有することを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載のレーザビーム走査装置。
  11. 前記電気機械変換素子を遮蔽する遮蔽部材を有することを特徴とする請求項2〜10のいずれかに記載のレーザビーム走査装置。
  12. 前記電気機械変換素子は、圧電素子であることを特徴とする請求項2〜11のいずれかに記載のレーザビーム走査装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016130812A (ja) * 2015-01-15 2016-07-21 コニカミノルタ株式会社 光走査装置及び光走査方法

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