JP2006112560A - 円すいころ軸受 - Google Patents

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康裕 上堀
Takashi Tsujimoto
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Abstract

【課題】異物混入下でも長い耐久寿命を確保できる円すいころ軸受を提供する。また、円すいころ軸受の耐焼付き性および耐予圧抜け性を向上させる。
【解決手段】浸炭軸受鋼で形成された内輪10、外輪20、円すいころ30の各部品表面に、炭素含有量0.80重量%以上、ロックウエル硬さHRC58以上で、かつ、残留オーステナイト量25〜35堆積%の浸炭窒化層10a、20a、30aを形成するとともに、内輪10の軌道面12の両端部に、その幅が軌道面10の幅の20%以下のクラウニングを形成し、円すいころ30の円すいの頂点から内輪10の大つば面18までの距離RBASEに対する円すいころ30の大端面32の曲率半径Rの比の値R/RBASEを0.75以上0.87以下とし、かつ、円すいころ30の大端面32の端面振れを3μm以下とした。
【選択図】 図4

Description

この発明は円すいころ軸受に関する。
円すいころ軸受は転動体として円すいころを用いたラジアル軸受であって、図1に示すように、内輪10と外輪20と円すいころ30と保持器40とで構成される。内輪10は外周に円すい面状の軌道12を有し、軌道12の両側に小つば14と大つば16を備えている。外輪20は内周に円すい面状の軌道22を有する。円すいころ30は内外輪12,22の軌道12,22間に転動自在に介在させてある。保持器40は円周方向に所定間隔に配置した複数のポケットを有し、各ポケットに円すいころ30が収容される。
円すいころ軸受では円すいころ30と内外輪10,20の軌道12,22とが線接触しており、内外輪10,20の軌道12,22と円すいころ30の円すいの頂点が、図2に示すように、軸受中心軸上の一点Oに集まるように設計され、ラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重を受けることができる。内輪10の軌道12と外輪20の軌道12では円すい角が違うため、各軌道から円すいころ30に加わる荷重の合力が円すいころ30を内輪10の大つば16に向けて押す方向に作用する。このため、円すいころ30はその大端面32が内輪10の大つば16に押し付けられた状態で案内され、ここで滑り接触をする。詳しくは、図3に示すように、大つば面18はその母線yが軸受の中心軸に対して所定角をなすフラット面とされ、このフラット面に円すいころ30の大端面32が滑り接触する。
円すいころ軸受は、ラジアル荷重とアキシアル荷重およびそれらの合成荷重を負荷するのに適した軸受で、負荷能力も大きいため、自動車や建設機械等におけるデファレンシャルやトランスミッション等の動力伝達装置の歯車支持用に多く用いられている。
図9に自動車のデファレンシャルを示す。このデファレンシャルは、ハウジング51に二つの円すいころ軸受52,53で回転自在に支持されたドライブピニオン54と、このドライブピニオン54とかみ合うリングギヤ55と、このリングギヤ55が取り付けられ、一対の円すいころ軸受56でハウジング51に回転自在に支持された差動歯車ケース57と、この差動歯車ケース57の中に配設されたピニオン58と、ピニオン58とかみ合う一対のサイドギヤ59とで基本的に構成され、これらがギヤオイルの封入されたハウジング51内に収納されている。このギヤオイルは前記各円すいころ軸受52,53,56の潤滑油にもなっている。
実用新案登録第2584623号公報 特開2000−161348号公報
上述したデファレンシャル等の動力伝達装置は、多くの歯車のかみ合い部や回転部材の摺動部を有するため、これらの部位で発生する金属摩耗粉等の異物がハウジングに封入されたギヤオイルに混入する。これらの摩耗粉は、高負荷で回転する歯車軸を支持する円すいころ軸受の中に入り込み、円すいころ軸受の耐久寿命面で問題となることがある。
この発明の課題は、異物混入下でも長い耐久寿命を確保できる円すいころ軸受を提供することである。
この発明の円すいころ軸受は、外周に円すい面状の軌道を有するとともに軌道の両側に大つばと小つばを形成した内輪と、内周に円すい面状の軌道を有する外輪と、内輪の軌道と外輪の軌道との間に介在させた複数の円すいころと、円すいころを円周方向で所定間隔に保つための保持器とを具備し、前記内輪、外輪、円すいころの各表面に、炭素含有量0.80重量%以上で、かつ、ロックウエル硬さHRC58以上の浸炭窒化層を形成し、この浸炭窒化層の残留オーステナイト量を25〜35体積%とし、前記内輪の軌道面の両端部にクラウニングを形成し、これらの各端部におけるクラウニングの幅を、内輪の軌道面幅の20%以下とし、前記円すいころの円すいの頂点から内輪の大つば面までの距離RBASEに対する円すいころの大端面の曲率半径Rの比の値R/RBASEを0.75以上0.87以下とし、かつ、円すいころの大端面の端面振れを3μm以下としたことを特徴とすものである。
内輪、外輪および円すいころの表面に浸炭窒化層を形成したのは次の理由による。通常の浸炭焼入れにより得られる浸炭層の残留オーステナイトは、高い靭性と加工硬化特性を有し、これを適度に含ませることにより、浸炭層の硬度を確保した上で、亀裂の発生や進展を抑える働きをするが、熱に対して不安定な難点がある。これに対して、適切な条件で浸窒処理を施すと、窒素原子が残留オーステナイト中に固溶し、残留オーステナイトを熱に対して安定化する役割をする。この浸窒処理で得られた浸炭窒化層には、通常の浸炭層よりも大きな圧縮の残留応力が形成されるため、疲労強度をさらに高めることもできる。
残留オーステナイト量を25〜35体積%としたのは、浸炭窒化層に適度の靭性を付与し、異物の噛み込みによる過大な応力増加を緩和するためである。すなわち、残留オーステナイト量が25体積%未満では靭性が不足し、残留オーステナイト量が35体積%を越えると、硬度が低下し過ぎて塑性変形による表面粗さの劣化を招く。
上記のような浸炭窒化層の組織は、次のような処理工程で形成することができる。すなわち、浸炭雰囲気中の炭素ポテンシャルを0.8%以上にして所定時間加熱保持した後、油中で冷却して所定時間加熱保持して窒化処理を行う。浸炭工程中に同時に窒化処理も行う方法を採用することもできる。なお、残留オーステナイト量を調整するために、サブゼロ処理や焼戻し処理を行ってもよい。
内輪の軌道面の両端部にクラウニングを形成したのは、ころと内輪の軌道面における過大なエッジロードの発生を防止するためであり、これらのクラウニングの幅を内輪の軌道面幅の20%以下としたのは、20%を越えると軌道面中央部の接触面圧が過大となるからである。
ころ大端面の曲率半径Rは、従来、0.90≦R/RBASE≦0.97(RBASE:円すいころの円すいの頂点から内輪大つば面までの距離)であったが、この場合、大つば面と円すいころ大端面との間の最小油膜厚さ比は0.9以下であって、高速回転のためには必ずしも満足のいく値ではなかった。本発明者等は、実験に基づき、前記最小油膜厚さ比を0.95以上にできるRの最適値が0.75≦R/RBASE≦0.87であることを見出し、これを具現化させたものである。
また、従来、端面振れの許容値は、最も小さい等級1(円すいころの呼び直径Dwが3mm以上10mm以下)の場合でも4μmとされていた。円すいころの大端面の端面振れを3μm以下としたことによって、円すいころ大端面と内輪大つば面の接触圧力の変動が小さくなり、油膜形成を阻害する要因が低減する。
請求項2の発明は、請求項1の円すいころ軸受において、前記内輪軌道面のクラウニングが形成された両端部を除く部分に、緩やかな曲率のクラウニングが形成されていることを特徴とするものである。このような構成を採用することにより、軌道面での面圧分布をより均一にすることができる。
請求項3の発明は、請求項1の円すいころ軸受において、円すいころの大端面の表面粗さを0.02μmRa以下としたことを特徴とするものである。このような構成を採用することによって、油膜厚さに対して面粗さが小さくなり、油膜形成を阻害する要因が低減する。より具体的に述べると、油膜厚さに対して面粗さが大きいと金属接触することになるが、面粗さが小さければ金属接触することがなく油膜を破断しない。
この発明の円すいころ軸受は、外輪、内輪および円すいころの各部品の表面に、炭素含有量0.80重量%以上で、かつ、ロックウエル硬さHRC58以上の浸炭窒化層を形成し、この浸炭窒化層の残留オーステナイト量を25〜35体積%とするとともに、内輪軌道面の両端部に、その幅が軌道面の幅の20%以下のエッジクラウニングを形成したので、軌道面での接触面圧を均一化して焼付きを防止し、かつ、部品表面の浸炭窒化層を適度な靭性を有する材質に安定して保ち、異物混入下での耐久寿命を著しく改善することができる。また、円すいころの円すいの頂点から内輪の大つば面までの距離RBASEに対する円すいころの大端面の曲率半径Rの比の値R/RBASEを0.75以上0.87以下とし、かつ、円すいころの大端面の端面振れを3μm以下に抑えたことで、内輪の大つばと円すいころの大端面との間の最適油膜形成を促し、耐焼付き性および耐予圧抜け性を向上させたものである。予圧抜けとは、周知のとおり、摩耗等によって予圧が次第に減少する現象をいう。
以下、図面に従って本発明の実施の形態を説明する。
図1(a)に示すように、円すいころ軸受は内輪10と外輪20と円すいころ30と保持器40とで構成される。内輪10は外周に円すい面状の軌道12を有し、軌道12の両側に小つば14と大つば16を備えている。符号18は内輪10の大つば面すなわち円すいころ30の大端面32と接する面を表している。外輪20は内周に円すい面状の軌道22を有する。円すいころ30は内外輪10,20の軌道12,22間に転動自在に介在させてある。保持器40は円周方向に所定間隔に配置した複数のポケットを有し、各ポケットに円すいころ30が収容される。
図1および図2に示すように、円すいころ30と内外輪10,20の軌道12,22とが線接触しており、内外輪10,20の軌道12,22と円すいころ30の円すい(円すい角:β)の頂点(O)が軸受中心軸上の一点Oに集まるように設計されている。内輪10の軌道12と外輪20の軌道22では円すい角が違うため、各軌道12,22から円すいころ30に加わる荷重の合力が円すいころ30を内輪10の大つば16に向けて押す方向に作用する。このため、円すいころ30はその大端面32が内輪10の大つば面18に押し付けられた状態で案内され、両者は滑り接触をする。
内輪10、外輪20、円すいころ30の各部品は、いずれも浸炭軸受鋼SCr435で形成され、図1(b)に示すように、これらの各部品の表面に、炭素含有量0.80重量%以上、ロックウエル硬さHRC58以上で、かつ、残留オーステナイト量25〜35体積%の浸炭窒化層10a,20a,30aが形成されている。なお、この実施の形態では前記各部品の素材としてSCr435を用いたが、このほかにSCM420、SCM430、SCM435、SCr420、SCr430、SAE5130,SAE8620等の軸受用鋼を用いることができる。
また、図4に示すように、内輪10の軌道面12の両端部には、幅Wcが軌道面12の幅Wの20%以下のエッジクラウニングC2が形成され、これらの各クラウニングC2の間の中央部には、非常に緩い曲率のセンタークラウニングC1が形成されている。なお、クラウニングC2のドロップ量d2は20μmになっており、クラウニングC2部の外側にはぬすみ部19が設けられている。
円すいころ30の大端面32の曲率半径Rは、円すいの頂点(O)から内輪10の大つば面18までの距離をRBASEとすると、0.75≦R/RBASE≦0.87の範囲内に設定してある。言い換えれば、円すいの頂点(O)から内輪10の大つば面18までの距離RBASEに対する円すいころ30の大端面32の曲率半径Rの比の値R/RBASEを0.75以上0.87以下としてある。
円すいころ30の大端面32の曲率半径Rが油膜厚さに及ぼす影響をKARNAの式から求めてグラフにしたものを図5に示す。同図より明らかなように、従来の0.90≦R/RBASE≦0.97の範囲では油膜が比較的薄いことが分かる。また、油膜厚さ比が0.95以上となるのは0.65≦R/RBASE≦0.87の範囲であるが、この範囲の中でもR/RBASE<0.75では、大端面32の接触面積が比較的小さくなるため、結果として接触面圧が高くなり、耐焼付き性にとって却って不利になることが実験によって確認された。このため、曲率半径Rの最適値は結局、0.75≦R/RBASE≦0.87の範囲であることが分かった。
図6は、R/RBASEの値が小さ過ぎても大き過ぎても、それぞれ耐焼付き性にとって不利であることを示す実験結果であって、この実験は、軸受(型番M86649/10)を使用し、円すいころ30の曲率半径Rの値を4種類、つまり、R/RBASEで表したとき、0.72、0.78、0.90、0.97に異ならせた円すいころを、2個一組、合計8個の軸受に組み込み、回転数7000rpm、荷重650kgfの条件に置き、潤滑油の作用下で外輪外周面の温度上昇を測定したものである。実験の結果から、R/RBASE<0.75と、0.87<R/RBASEの範囲は、温度の上昇傾向がはっきりしてくる領域であり、耐焼付き性にとって不利であることが確認された。
図7は円すいころ軸受の焼付き試験における結果を示し、横軸はアキシアルすきま、縦軸は焼付き時間(分)を表している。この試験では円すいころ大端面の曲率半径Rの値を変えた軸受を使用している。すなわち、R/RBASEの値を比較例1は0.97、比較例2は0.90、実施例は0.78としたものである。比較例1、2はアキシアルすきまを100μm程度に増やしても5分以内に焼付きを生じたが、実施例の軸受はアキシアルすきま90μm程度で温度が安定して焼付きは見られなかった。
円すいころ30の大端面32は端面振れを3μm以下、より好ましくは1μm以下とする。端面振れはJIS B 1506に規定された方法によって測定する。具体的には、図8に示すように、円すいころ30を支持台5に置き、大端面32の周辺に近いところで当て金6に点接触させ、その端面でその接触点と円すいころ30の中心軸に対して対称の位置に測定子7を当て、円すいころ30を回転させて行う。円すいころ30の端面振れは、円すいころ30を1回転させたときの測定器の読みの最大値と最小値との差として求める。
さらに、円すいころ30の大端面32はホーニング仕上とし、表面粗さを0.020μmRa以下とする。ちなみに従来は0.063μmRa以下とされていた。なお、円すいころ30の大端面32の表面粗さは、たとえば加工限界として0.01μmを下限とする。
円すいころ30の大端面32の曲率半径Rが耐焼付き性に及ぼす影響を確認するため、焼付き試験を行なった。試験条件は次のとおりである。
試験軸受:30206
R/RBASE(%):80(実施例)/95(比較例)
端面振れ:1μm
面粗さ:0.02μmRa
回転速度:5000rpm(V=6.2m/s)
焼付き試験の結果を表1に示す。なお、表1中、○は焼付きなし、×は焼付き発生、−は未試験を表す。
Figure 2006112560
表1から明らかなとおり、R/RBASEが80%のもの(実施例)は、内輪大つば面の接触面圧が7.0kgf/mm2でも焼付きが発生しなかった。一方、R/RBASEが95%のもの(比較例)は内輪大つば面の接触面圧を5.5に下げても焼付きが発生した。このことから、R/RBASE0.75以上0.87以下の範囲内であれば、良好な耐焼付き性が得られることがわかる。また、最適油膜形成が実現できることから、円すいころ大端面と内輪大つば面の摩耗が防止され、耐予圧抜け性が向上することは容易に推定できる。
以下に実施例および比較例を挙げる。
(実施例)
図1に示した、浸炭軸受鋼SCr435製の外輪、内輪および円すいころの各部品の表面に炭素含有量0.80重量%以上、ロックウエル硬さHRC58以上で、残留オーステナイト量が25〜35体積%の範囲にある浸炭窒化層が形成され、図4に示すように、内輪軌道面12の両端部にその幅Wcが軌道面幅Wの20%以下のエッジクラウニングC2が形成された円すいころ軸受(表2中の実施例1〜5)を用意した。なお、実施例1ないし3の円すいころ軸受には、内輪軌道面12の中央部にクラウニング量d1が2μmのセンタークラウニングC1を形成し、実施例4および5の円すいころ軸受は、センタークラウニングなしとした。軸受の寸法はいずれも内径40mm、外径68mmである。
(比較例)
浸炭軸受鋼SCr435製の内輪、外輪および円すいころの各部品の表面に、実施例と同様に、炭素含有量0.80重量%以上、ロックウエル硬さHRC58以上の浸炭窒化層が形成され、浸炭窒化層の残留オーステナイト量が本願の範囲を外れる円すいころ軸受(表1中の比較例1〜4)と、浸炭窒化層の残留オーステナイト量は本発明の範囲内であるが、エッジクラウニングの幅が本発明の範囲を越えるか、内輪軌道面の全幅にわたってフルクラウニングが形成された円すいころ軸受(表1中の比較例5〜7)を用意した。比較例2および4は、エッジクラウニングの幅も本願の範囲を越えている。また、残留オーステナイト量およびエッジクラウニングの幅が本願の範囲内で、熱処理を通常の浸炭焼入れのみとした円すいころ軸受(表1中の比較例8)も用意した。各軸受の寸法は実施例と同じである。
上記実施例および比較例の円すいころ軸受を、異物が混入した潤滑油を封入したケースの中に配置された回転軸に取り付け、異物混入寿命試験を実施した。試験条件は以下のとおりである。
負荷荷重:11.76kN
回転数:1500rpm
潤滑油:タービンVG56(油浴)
異物:ガスアトマイズ金属粉(粒径100〜180μm、硬度HV700〜800、混入量1g/リットル)
Figure 2006112560
試験結果を表2に示す。表中の寿命比は、熱処理が通常の浸炭焼入れのみの比較例8の耐久寿命を基準値としたものであり、各円すいころ軸受の耐久寿命は、L10寿命(90%の軸受が破損しないで使える時間)で評価した。なお、表中の焼付き有りのものは、いずれも軌道面の中央部で焼付きを生じたものである。
実施例の円すいころ軸受は、いずれも寿命比が4倍以上の優れた耐久寿命を示し、かつ、軌道面中央部での焼付きも生じていないことがわかる。一方、残留オーステナイト量が本発明の範囲を外れる比較例1〜4は、実施例の円すいころ軸受の半分程度の寿命比しかなく、クラウニングの幅も大きい比較例2および4は、軌道面中央部で焼付きも生じている。また、残留オーステナイト量は本発明の範囲内であるが、クラウニングの幅が大きい比較例5および6は、寿命比は優れているが、軌道面中央部で焼付きを生じている。ドロップ量d2が極端に小さい比較例7は、軌道面の端部で剥離を生じ、寿命比が殆ど改善されていない。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されることなく種々の変形が可能である。たとえば、本発明は2列以上の複列円すいころ軸受にも応用可能である。
(a)は本実施の形態を示す円すいころ軸受の縦断面図、(b)は要部拡大図である。 図1の円すいころ軸受の設計仕様を説明するための断面図である。 図1の円すいころ軸受における内輪大つば面部分の拡大図である。 図1の円すいころ軸受における内輪の軌道面の拡大図である。 円すいころ大端面の曲率半径が油膜厚さに及ぼす影響を示すグラフである。 円すいころ大端面の曲率半径と軸受温度上昇との関係を示すグラフである。 アキシアルすきまと焼付き時間の関係を示すグラフである。 (a)は端面振れ測定装置の正面図、(b)は側面図である。 デファレンシャルの縦断面図である。
符号の説明
10 内輪
10a 浸炭窒化層
12 軌道
14 小つば
16 大つば
18 大つば面
19 ぬすみ部
C1,C2 クラウニング
20 外輪
20a 浸炭窒化層
22 軌道
30 円すいころ
30a 浸炭窒化層
32 大端面
40 保持器

Claims (3)

  1. 外周に円すい面状の軌道を有するとともに軌道の両側に大つばと小つばを形成した内輪と、内周に円すい面状の軌道を有する外輪と、内輪の軌道と外輪の軌道との間に介在させた複数の円すいころと、円すいころを円周方向で所定間隔に保つための保持器とを具備し、
    前記内輪、外輪、円すいころの各表面に、炭素含有量0.80重量%以上で、かつ、ロックウエル硬さHRC58以上の浸炭窒化層を形成し、この浸炭窒化層の残留オーステナイト量を25〜35体積%とし、
    前記内輪の軌道面の両端部にクラウニングを形成し、これらの各端部におけるクラウニングの幅を、内輪の軌道面幅の20%以下とし、
    前記円すいころの円すいの頂点から内輪の大つば面までの距離RBASEに対する円すいころの大端面の曲率半径Rの比の値R/RBASEを0.75以上0.87以下とし、かつ、円すいころの大端面の端面振れを3μm以下としたことを特徴とする円すいころ軸受。
  2. 前記内輪軌道面のクラウニングが形成された両端部を除く部分に、緩やかな曲率のクラウニングが形成されていることを特徴とする請求項1の円すいころ軸受。
  3. 前記円すいころの大端面の表面粗さを0.02μmRa以下としたことを特徴とする請求項1の円すいころ軸受。
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