JP2006112038A - 繊維強化外断熱工法材料 - Google Patents

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Yoshinori Hitomi
祥徳 人見
Yoshihiro Iwasaki
嘉宏 岩崎
Tadashi Saito
忠 斉藤
Atsuhisa Ogawa
敦久 小川
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Abstract

【課題】現場での切断、穴あけなどの加工が容易であり、且つ施工固定部のクラック防止、表面ひび割れの防止、衝撃による亀裂及び剥落防止等の条件を満足し、かつ優れた耐火性を有する繊維強化外断熱材を提供する。
【解決手段】高強度高靭性繊維強化セメントボード1の片面に、ガラスメッシュあるいはカーボンメッシュ3とウレタン発泡体4を積層してなる繊維強化外断熱材で、補強繊維がポリビニルアルコール系合成繊維で繊維長6〜20mm、伸度5〜10%の性能を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、既設新設を問わず、建築土木構造物の外装壁材、内装壁材を構成するセメント系複合材料に関するものであり、具体的には高強度高靭性繊維強化セメントボードの片面にガラスメッシュあるいはカーボンメッシュを不燃性の接着剤で一体化した後、断熱材としてフェノール系またはスチレン系ウレタン発泡体を一体化した複合材料で構成された繊維強化外断熱材に関する。
従来、水硬性抄造成型体からなる壁材は、石綿板が使用されていたが、近年石綿の健康障害などの公害が問題となっており、ノンアスベスト板への移行が進んでいる。しかしながら、ノンアスベスト板は強度が低く脆いため、施工時の衝撃による角欠け破損、および施工後の繰返し受ける風圧、地震など強い衝撃による破損、あるいは釘、ネジ、ボルトによる取付け部のクラック発生による剥落や落下などの問題があった。
また、屋根材や壁材などをはじめとする建築構造部材としては、一般的にはスチール板やコンクリート、木材などが使用されている。しかしながら、これらのような材料を使用した場合、特にスチールやコンクリートを用いる場合において厚みが大きい形状になると、単位面積あたりの質量が大きくなるので建物自体の強度を上げる必要が生じ、その結果建物用の材料費や建造費の増加を招いていた。また、コンクリート製のプレキャスト製品においても、現場で二次加工することは困難であり、複雑な形状とする場合、その加工コストなどが非常に高価になるといった問題点があった。
さらに、上記したような建築構造部材においては、火災時における耐火性能が要求されており、それ自体が燃え難く、断熱性が優れ、さらには火炎を裏面にまで到達するのを防止する性能が要求される。このような耐火性に優れた建築材料としては、石膏やパーライト等からなる耐火壁が広く用いられている(例えば特許文献1〜2参照。)。しかしながら、これらの建築材料では直接炎が接触することで亀裂が生じ、その後その亀裂が大きくなり、場合によっては崩落するといった問題があったり、亀裂、ひび割れが生じることにより、火炎が裏面にまで到達し、断熱材を延焼させるなど、充分な耐火性が得られなかった。
これらの問題点を解決するためには、材料の厚みを厚くするなどの必要があるが、厚みを厚くするとコスト、施工性に問題があった。
特開平10−183816号公報 特開2003−13583号公報
屋根材や壁材などをはじめとする建築構造部材としては、現場での切断、穴あけなどの加工が容易であり、且つ施工固定部のクラック防止、表面ひび割れの防止、衝撃による亀裂及び剥落防止等の条件を満足するセメントボードが好適であるが、セメントボードは有機系断熱材の下地材料として用いた場合、火災時にひび割れが入り、崩壊してしまうことを防ぐことが困難であったことから、上記セメントボードに耐火機能を付与することにより火災時のひび割れ、崩壊を防止することが可能な外断熱材の開発が望まれていた。
本発明者等は上記問題点を鑑みて鋭意検討を行った結果、特定の補強短繊維を特定量、ランダムに混入する抄造方式により得られる高強度高靭性繊維強化セメントボードと耐火性を有する材料を不燃性接着剤で一体化することにより現場での切断、穴あけなどの加工が容易であり、且つ施工固定部のクラック防止、表面ひび割れの防止、衝撃による亀裂及び剥落防止等の条件を満足し、かつ優れた耐火性を有する繊維強化外断熱材が得られることを見出した。
すなわち本発明は、高強度高靭性繊維強化セメントボードの片面にガラスメッシュあるいはカーボンメッシュとウレタン発泡体を積層してなる繊維強化外断熱材に関するものであり、好ましくは高強度高靭性繊維強化セメントボードが下記1)〜3)を満足する補強繊維を1〜7質量%/セメントボード含有してなる抄造板であり、該抄造板の片面にガラスメッシュあるいはカーボンメッシュとウレタン発泡体を積層してなる上記の繊維強化外断熱材に関するものである。
1)補強繊維がポリビニルアルコール系合成繊維であること、
2)補強繊維の繊度が5〜200dtex、繊維長が6〜20mmであること、
3)補強繊維の繊維強度が8cN/dtex以上、伸度が5〜10%であること、
そして本発明は、さらに好ましくは繊維強化セメントボードの片面に不燃性接着剤によりガラスメッシュあるいはカーボンメッシュを貼り合わせ、さらにフェノール系あるいはスチレン系ウレタン発泡体を積層してなる上記の繊維強化外断熱材に関するものである。
本発明のポリビニルアルコール(以下、PVAと略称する)系合成繊維を補強繊維として用いた、曲げ強度、曲げ靭性(撓み)、引張強度、引張伸度に優れる繊維強化セメントボードを壁材として使用した場合、強度、靭性、衝撃強度、寸法変化率等において極めて良好な性能を示すので、従来からあった石綿板、無石綿板の脆さが改善され、さらに耐熱性接着剤を用いて上記壁材とガラスメッシュとを貼り合わせ、さらに断熱材を積層することにより、本体の強化、特に靭性向上に寄与し、剥落、ひび割れによる破損を低減し、且つ優れた耐火性能を有する繊維強化外断熱材が得られる。さらに本発明の外断熱材は耐凍結融解性も優れているので、寒冷地においても使用可能である。
本発明の繊維強化外断熱材に用いられる高強度高靭性繊維強化セメントボードは、繊維配向方向の曲げ強度が30MPa以上かつ繊維配向方向と垂直方向の曲げ強度が20MPa以上であり、且つ繊維配向方向の引張強度が10MPa以上、伸度が0.5%以上繊維配向方向の衝撃強度が3KJ/m以上かつ繊維配向方向と垂直方向の衝撃強度が2KJ/m以上である等、高強度、高靭性の特徴を有しており、好適には抄造方式により得られる抄造板である。
このような特徴を有するセメントボードを得るためには、下記1)〜3)を満足する補強繊維を1〜7質量%/セメントボード含有してなることが好ましい。
1)補強繊維がPVA系合成繊維であること、
2)補強繊維の繊度が5〜200dtex、繊維長が6〜20mmであること、
3)補強繊維の繊維強度が8cN/dtex以上、伸度が5〜10%であること、
上記1)〜3)の条件を満足しない補強繊維が含有されたセメントボードを用いた場合、現場での切断、穴あけなどの加工が難しく、且つ施工固定部のクラックや表面ひび割れ、衝撃による亀裂及び剥落防止等が生じる恐れがあり、好ましくない。
本発明の繊維強化外断熱材に用いられる、上記1)〜3)を満足する補強繊維を所定量含有するセメントボード(以下、本発明のセメントボードと称す)はセメント板の厚みが3mm〜15mmであることが好ましく、より好ましくは5mmから9mmである。セメント板の厚みが3mm未満であると、十分な耐火性発揮できず、一方15mmを超えると重量が重くなり取扱いなど施工性が劣る。
本発明のセメントボードを構成する補強繊維としてはPVA系合成繊維が使用される。
本発明に使用されるPVA系合成繊維は、特定のディメンジョン、強度、伸度を有する繊維であることが好ましい。具体的には本発明のPVA系合成繊維の繊度は5〜200dtex、繊維長6〜20mm、繊維強度8cN/dtex以上、伸度5〜10%であることが好ましい。用いるPVA系合成繊維の繊度が5dtexより細くなると、繊維含有量を通常よりも多く確保しなければならず、抄造スラリー中にファイバーボールが発生しやすくなり、急速に抄造性を悪化させる。逆に200dtexを超えると濾水が多くなりセメント粒子の定着が不良となる。好ましくは7〜150dtexの範囲である。
繊維長は繊度と強力、強度と密接且つ複雑に関連するが、6〜20mmの範囲が抄造性と硬化体の補強性から好適である。長さが6mmより短い場合、硬化体の破壊時に繊維の素抜けが多くなり曲げ強度や引張強度が低下する。逆に20mmより長い場合には、抄造中に繊維どうしが絡まりやすく、フロックを生じ、抄造性を悪化させる。好ましくは6〜12mmである。なお繊度との関係は繊度が太くなるにしたがって繊維長を大きくすることが好ましい。
繊維強度は8cN/dtex以上であることが好ましい。これはセメントボードの破壊過程で、繊維とマトリックスとの摩擦力が繊維に対する引張力として働くが、繊維が容易に破断することなく引張力に抗してスリップするために好適な強度である。特に本発明のPVA系合成繊維はセメントとの接着が良いためにスリップする際に次第に摩擦力が増大する特徴を有するが、そのために高強力であることが要求される。繊維強度が8cN/dtex未満であると繊維は破断しやすくなり靭性に欠けたセメントボードとなる。
繊維の伸度は上記したようなスリップを容易にするためには、5%以上10%以下の範囲が好適である。伸度が5%よりも小さい場合繊維は破断しやすくなり、逆に伸度が10%よりも大きいと繊維の弾性率が低下し、セメントボードの破断強度が低下する。好ましくは6〜9%である。
上記補強繊維として用いるPVA系合成繊維の条件は、抄造セメント板で砂を含有しない独特な組成と養生前に高圧プレスを行う加工方式の結果得られるマトリックス成分に好適に対応したものである。すなわちマトリックスと補強繊維との相互作用(摩擦抵抗、引抜き抵抗)は、補強繊維の条件が上記した範囲で好適に維持されるとき、最大の補強効果をもたらす。具体的には、本発明のPVA系合成繊維の含有量は1〜7質量%/セメントボードが好適である。該繊維の含有量が1質量%/セメントボード未満であると靭性が不十分であり、逆に7質量%/セメントボードを超えると繊維の分散性が極めて悪くなり、抄造性が悪化する。好ましくは2.5〜5質量%/セメントボードである。
また本発明のセメントボードに用いられる補強繊維の断面形状は特に制限はなく、真円型、楕円型、扁平型等、いずれの形状であっても上記条件を満足していれば何等差し支えない。ただし、複雑な断面形状は繊維の製造コストが高くなる可能性があるので好ましくない。
本発明のセメントボードは、抄造方式により製造することが好ましい。抄造とは、セメント粒子などを水媒体に縣濁させた粥状のものをメッシュに濾し取り成形するものである。その過程で薄い膜状としたものを順次積層して所望の厚みの成形板とする円網方式(ハチェック法)や長網方式、濃厚縣濁液を用いて1回ないし数回で、ある程度の厚みを確保するフローオン方式等がある。抄造方式は機械的に連続的、バッチ式で量産されるもので、均一で安定した性能が得られる利点があり、また2〜30mm、より好適には4〜20mmの比較的板厚の薄い材料を製造することができる。このような薄板の製造は抄造以外の通常のモルタル流し込みでは極めて困難である。
抄造板は上記したように円網、長網、フローオンなどの方式によって製造されるが、その材料構成は水硬性材料、補強用繊維、その他添加剤などである。スラリーの調製方法は特に限定されないが、固体成分が均一に分散されたスラリーを得る点からは、水を張った攪拌機にパルプを投入して攪拌し、次いで補強用繊維、水硬性材料、他の添加剤(無機物質等)を順次添加するのが好ましい。本発明において、水硬性材料としてはポルトランドセメントが好適に使用される。補強用繊維は前述したように好適には有機繊維が使用される。その他添加剤としては高炉スラグやフライアッシュ、炭酸カルシウム、シリカフューム、セピオライト、アタパルジャイト、マイカ、ワラストナイトなどの無機物質等が挙げられる。これら添加剤は硬化体の物性を向上させる効果、例えば耐凍結融解性の向上、腐食性物質(塩素、炭酸ガス、硫酸イオンなどの各種有機酸)の侵入抑制、補強繊維とマトリックスとの付着性の改善、縣濁液の粘性を適度に調節して抄造効率を上げる効果や、抄造体の乾燥収縮制御を行う効果、硬化体の強度向上効果が発現するが、コストアップにならない範囲であれば使用しても差し支えない。
本発明ではその他に抄造助剤としての有機質繊維である叩解パルプを使用することが好ましい。叩解パルプは叩解度がCSF値で70〜130mlが好ましい。これらパルプの使用量は2〜6重量%が好適であり、3〜4重量%がより好ましい。使用量が2重量%未満であると特に丸網(ハチェック)方式において縣濁液におけるセメント粒子の捕捉が不十分となり、セメント粒子が濾し取られ難くなって抄造効率が悪くなると同時に抄造物中のセメント混合率が低下し、硬化体の強度性能が低下する。一方パルプの使用量が6重量%を超えると硬化体の耐水性や腐食性物質(塩素、炭酸ガス、硫酸イオンなどの各種有機酸)の侵入抑制効果が損なわれる。
従来の無石綿板からなる壁材は地震や継続的な振動によりクラックが発生し、その後クラック幅が次第に増大し応力集中により破壊に至るが、本発明の抄造板は靭性が高く、壁材とした場合、極めて細かいミクロなひび割れが多数発生することで大きなひび割れの発生を防ぎ、衝撃による破損、剥落を防止させることが可能となる。
さらに本発明のセメントボードにガラスメッシュあるいはカーボンメッシュを貼り付けて積層するが、積層するときに用いる接着剤は不燃性接着剤が好ましく、好適には水ガラス系の高温接着剤を用いて積層することで、セメントボードにクラックが発生した場合においても接着剤が燃焼することなく耐火性を維持できる。水ガラス系の高温接着剤としては、例えばニチアス株式会社製「TOMBO9800BFインシュレーションアドヘッシブ高温用不燃性接着剤」が挙げられる。
また使用するガラスメッシュは、クレネット品、プリプレグ品、綾織り品、絡み織り品等が好ましく、目付けとしては80〜250g/m程度のものが好適である。一方カーボンメッシュとしては、クレネット品、プリプレグ品等が好ましく、目付けとしては50〜200g/m程度のものが好適である。
本発明で使用する断熱材は、ウレタン発泡体であることが重要であり、好ましくはフェノール系あるいはスチレン系のウレタン発泡体を用いる。これら発泡体は内部に気泡や空隙部分を含んでいるため、防火断熱効果に優れる。ウレタン発泡体の厚さは10mmから50mm、好ましくは25mmから35mmである。厚さが10mm以下であると断熱性能が少なく、50mmを超えるとコスト高となる。
図1は本発明の繊維強化外断熱材の構造を示す断面図の一例である。本発明のセメントボード1に不燃性接着剤2を塗布し、ガラスメッシュ3を貼り付ける。さらにガラスメッシュ3側に断熱材としてウレタン発泡体4を積層する。そして積層後ウレタン発泡体4側にプラスターボード5を設置する。このようにして得られた図1の構造の繊維強化外断熱材は、セメントボード1に火炎が接触しても、セメントボード1は剥落せず、しかも火炎が裏面まで到達しないので、防火断熱効果に優れるものとなる。
以下実施例によって、本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。なお本発明において繊維繊度、繊維強力、繊維強度、繊維伸度、成形体の最大曲げ強度、最大曲げ強度を示す撓み、引張強度、引張伸度、衝撃強度、不燃性、凍結融解性能は以下の測定方法により測定されたものを意味する。
[繊維繊度 dtex]
得られた繊維状物の一定試長の質量を測定して見掛け繊度をn=10以上で測定し、平均値を求めた。なお、一定糸長の質量測定により繊度が測定できない繊維(細デニール繊維)はVIBROMAT M[Textechno製]により測定した。
[繊維強度 cN/dtex、伸度 %]
予め温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下で5日間繊維を放置して調湿したのち、単繊維を試長60mmとし、引張速度60mm/分としてFAFEGRAPH M[Textechno製]にて繊維強力を測定し、該強力を繊度で除して強度をn=10以上で測定し、平均値を求めた。
伸度は、単繊維破断長(mm)/把持長(mm)×100により算出し、n=10以上の平均値により求めた。本発明では、試長60mmの値を用いている。
[セメントボードの最大曲げ強度 MPa、最大曲げ強度を示す撓み cm]
水硬性材料スラリーを下記の標準抄造法により標準成形体を製造し、ポリエチレンシートに包んで50℃、飽和湿度条件下で24時間予備養生し、次いで20℃、飽和湿度条件下で27日養生した材齢28日後の試験体を幅400mm、長さ500mmの長方形に切り出し20℃65RH%の室内で7日間放置して調湿し、以下の条件で3等分点曲げ試験による曲げ試験を行い、最大荷重発生時の曲げ応力を最大曲げ強度として評価した。
標準抄造法:
ハチェックによる丸網抄造法により成形し、養生、調湿後の厚みが5.5mm±0.5mmと8.0mm±0.5mmとなるように抄造シートをメーキングローラーに巻き取り、5MPaの圧力でプレス搾液する。
曲げ試験:
装置 島津オートグラフAG5000−B
試料 幅400mm、厚さ5.5mm、及び8.0mm、長さ500mmの大きさに、抄造方向を長さ方向として切り出したもの
試験速度(載荷ヘッドスピード) 2mm/分
3点曲げスパン400mm
[セメントボードの引張強度 MPa、引張伸度 %]
上記と同様な方法で厚さ7mmの板を抄造し養生する。該セメントボードから幅40mm、長さ330mmの試料を切り出し20℃65RH%の室内で7日間放置して調湿を行った後、測定した。
引張試験:
装置 インストロン5566(島津製作所製)
試料 幅40mm、厚さ5.5mm、及び8.0mm、長さ330mmの大きさに、抄造方向を長さ方向として切り出したものを用いた。
把持長 200mm
試験速度 0.5mm/分
[セメントボードの衝撃強度 kJ/m
衝撃試験方法JIS K7111 1号試験片に準じて測定し、上記と同様な方法で厚さ5.5mm、及び8.0mmの板を抄造し養生する。該セメントボードから幅10mm、長さ100mmの試料を切り出し、20℃65RH%の室内で7日間放置して調湿を行った後、測定した。
衝撃試験:
装置 シヤルピー衝撃試験機
試料 幅 10mm
[セメントボードの寸法変化率 %]
JIS A5430 吸水による長さ変化率試験法に準じて測定。
厚さ5.5mmおよび8.0mmの板を抄造し養生後、該セメントボードから幅50mm、長さ170mmの試料を切り出し、測定した。
[セメントボードの耐火試験方法]
建築基準法第2条第7号(耐火構造)施行令第107条の規定による防火性能試験実施した。30分間耐火試験において、該防火構造体の裏面温度が160℃以下であることを合格とする。
[セメントボードの凍結融解試験方法]
凍結融解試験方法ASTM C666−97「Standard Test for Resistance of Concrete to Freezing and Thawing」で定める「ProcedureA」に準じた水中凍結水中融解法にて厚さ8mmの板を抄造し養生をする。該セメントボードから幅100mm、長さ400mmの試料を切り出し、水中凍結水中融解法に準じて、凍結時−20℃、融解時10℃にて300サイクル実施した。
[セメントボードの製造方法]
予備攪拌機に水500リットルを投入して攪拌機を攪拌させ、針葉樹パルプ(CSF 100ml)1.5kg(固形分中で3質量%)を添加し、次いでセメント56質量%、炭酸カルシウム20質量%、シリカヒューム5質量%、セピオライト1.5質量%を順次添加し、最後に表1に記載の条件のPVA系合成繊維を3質量%、攪拌した後に得られた濃度10質量%のスラリーをチェストに移送した。次いでフィードタンクから丸網部にスラリーを供給し、希釈水(白水)によって濃度5質量%とし、ミニハチェックマシンを用いて抄造を行った。次いで得られたシートをメーキングローラーに巻き取り、5MPaの圧力でプレス搾液し、ポリエチレンシートに包み50℃、飽和湿度条件下で24時間養生し、さらに20℃、飽和湿度条件下の環境下に開放状態で調湿した。得られた成形体は厚さ5.5mm±0.5mm、及び8.0mm±0.5mm、密度1.67〜1.72g/cmのスレート板であった。かかる成形体の性能を表2に示す。なお普通セメントは「秩父小野田製 普通ポルトランドセメント」、シリカヒュームはエルケム社製「エルケム940U」、セピオライトは昭和鉱業社製「ミルコンSS」を用いた。
[実施例1]
上記製造方法にて得られた、厚さ5.5mmのセメントボードを用いて、水ガラス系不燃性接着剤をセメントボード片面に塗布後、ガラスメッシュを貼合わせ、さらに断熱材としてフェノール系ウレタン発泡体を貼合わせ、繊維強化外断熱材を得た。接着剤が硬化した後、長さ1200mm×幅450mm×厚さ100mmの鋼製型枠の表面に該断熱材をビス留めした。鋼製型枠裏面側には、厚さ9.5mmのプラスターボードを設置し、これを建築構造部材とした。なお、使用した水ガラス系高温用不燃性接着剤はニチアス(株)製、インシュレーションアドヘッシブ(TOMBO9800BF)を用いた。また、ガラスメッシュはユニチカグラスファイバー(株)製「L622FT 1000」を用いた。得られた建築構造部材の性能測定結果を表3に示す。
[実施例2]
上記製造方法にて得られた、厚さ8.0mmのセメントボードを用いて、水ガラス系不燃性接着剤をセメントボード片面に塗布後、ガラスメッシュを貼合わせ、さらに断熱材としてフェノール系ウレタン発泡体を貼り合わせ、繊維強化外断熱材を得た。接着剤が硬化した後、長さ1200mm×幅450mm×厚さ100mmの鋼製型枠の表面に該断熱材をビス留めした。鋼製型枠裏面側には、厚さ9.5mmのプラスターボードを設置し、これを建築構造部材とした。なお水ガラス系高温用不燃性接着剤およびガラスメッシュは実施例1と同じものを用いた。得られた構造部材の性能測定結果を表3に示す。
[比較例1]
上記製造方法で得られた、厚さ5.5mmのセメントボードを用いて、水ガラス系不燃性接着剤をセメントボード片面に塗布後、ガラスメッシュを貼り合わせずに、断熱材であるフェノール系ウレタン発泡体を貼り合わせるのみとし、繊維強化外断熱材を得た。接着剤が硬化した後、長さ1200mm×幅450mm×厚さ100mmの鋼製型枠の表面に該断熱材をビス留めした。鋼製型枠裏面側には、厚さ9.5mmのプラスターボードを設置し、これを建築構造部材とした。なお水ガラス系高温用不燃性接着剤は実施例1と同じものを用いた。得られた構造部材の性能測定結果を表3に示す。
[比較例2]
上記製造方法で得られた、厚さ8.0mmのセメントボードを用いて、水ガラス系不燃性接着剤をセメントボード片面に塗布後、断熱材であるフェノール系ウレタン発泡体を貼り合わせるのみとし、繊維強化外断熱材を得た。接着剤が硬化した後、長さ1200mm×幅450mm×厚さ100mmの鋼製型枠の表面に該断熱材ボードをビス留めした。鋼製型枠裏面側には、厚さ9.5mmのプラスターボードを設置し、これを建築構造部材とした。なお水ガラス系高温用不燃性接着剤は実施例1と同じものを用いた。得られた構造部材の性能測定結果を表3に示す。
Figure 2006112038
Figure 2006112038
Figure 2006112038
表3の耐火試験結果に示すとおり、本発明の構成をもつ実施例1、2の構造部材は30分の加熱では裏面温度が100℃よりも低いため、セメントボードの変形、脱落等はみられなかった。一方、ガラスメッシュを貼り合せない比較例1、2の構造体は30分の加熱により裏面温度が280℃あるいは350℃まで上昇し、セメントボードに変形、脱落がみられた。
本発明のPVA系合成繊維を補強繊維として含有することにより、曲げ強度、曲げ靭性(撓み)、引張強度、引張伸度に優れるセメントボードを壁材として使用した場合、強度、靭性、衝撃強度、寸法変化率において極めて良好な性能を示し、従来からあった石綿板、無石綿板の脆さが改善され、ガラスメッシュと耐熱接着剤、及び断熱材を複合することにより、本体の強化、特に靭性向上に寄与し、剥落、ひび割れによる破損を低減し、且つ耐火性能を有した繊維強化外断熱材とすることができる。さらに本発明の繊維強化外断熱材は耐凍結融解性も優れているので、寒冷地においても使用可能である。
本発明の繊維強化外断熱材の構造を示す断面図の一例である。
符号の説明
1 高強度、高靭性繊維強化セメントボード
2 高温用不燃性接着剤
3 ガラスメッシュあるいはカーボンメッシュ
4 ウレタン発泡体
5 プラスターボード

Claims (3)

  1. 高強度高靭性繊維強化セメントボードの片面に、ガラスメッシュあるいはカーボンメッシュとウレタン発泡体を積層してなる繊維強化外断熱材。
  2. 高強度高靭性繊維強化セメントボードが下記1)〜3)を満足する補強繊維を1〜7質量%/セメントボード含有してなる抄造板であり、該抄造板の片面に、ガラスメッシュあるいはカーボンメッシュとウレタン発泡体を積層してなる請求項1記載の繊維強化外断熱材。
    1)補強繊維がポリビニルアルコール系合成繊維であること、
    2)補強繊維の繊度が5〜200dtex、繊維長が6〜20mmであること、
    3)補強繊維の繊維強度が8cN/dtex以上、伸度が5〜10%であること、
  3. 高強度高靭性繊維強化セメントボードの片面に不燃性接着剤によりガラスメッシュあるいはカーボンメッシュを貼り合わせ、さらにフェノール系あるいはスチレン系ウレタン発泡体を積層してなる請求項1または2記載の繊維強化外断熱材。
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JP2004297337A Pending JP2006112038A (ja) 2004-10-12 2004-10-12 繊維強化外断熱工法材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009249979A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Achilles Corp 外断熱用パネル
US8323786B2 (en) 2006-10-26 2012-12-04 Kanaflex Corporation Inc. Lightweight cement panel

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US8323786B2 (en) 2006-10-26 2012-12-04 Kanaflex Corporation Inc. Lightweight cement panel
JP2009249979A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Achilles Corp 外断熱用パネル

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