JP2006111932A - 比例限界応力の高いオーステナイト系ステンレス鋼材および製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比例限界応力の高いオーステナイト系ステンレス鋼材を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.06%以下、Si:4%以下、Mn:15%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Cr:12〜20%、Ni:6.5%以下、N:0.3%以下、下記(1)式のMd(N):−150〜100、下記(2)式のSFE:−20以下の組成を有し、Md(N):−150〜−20未満のとき「1〜35体積%のε相+0〜10体積%のα'相+残部γ相」の金属組織を有し、Md(N):−20〜100のとき「γ単相」または「30体積%以下のε相+残部γ相」の金属組織を有するオーステナイト系ステンレス鋼材。
Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−26Cu−300N−10Mo …(1)
SFE=2.2Ni−1.1Cr−13Si−12Mn+6Cu+32 …(2)
【選択図】なし

Description

本発明は、ドクターブレード等の各種ブレード、燃料噴射装置、圧力容器、鉄道車両、カーアンテナなどに適した比例限界応力を高めたオーステナイト系ステンレス鋼材に関するものである。
上記用途に用いるステンレス鋼材には、耐食性、加工性、溶接性等の基本的特性に加え、「比例限界応力」が高いことが要求される。比例限界応力は、応力と歪の間にいわゆるフックの法則(比例関係)が成り立つ最大の応力である。金属材料にその比例限界を超える応力を付与すると、その材料は塑性変形を起こし、応力を取り去っても元の形状に戻らない。比例限界応力が高いということは、その材料を使用した部材に付与し得る最大応力が高いことを意味する。特に、各種ブレード類のように、直接外力を負荷して弾性変形を伴いながら使用する薄板部材においては、その材料の比例限界応力の高さによって当該部材の性能が大きく左右される。
従来、SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼は、耐食性、加工性、溶接性等の諸特性に優れるため、種々の用途に広く使用されている。しかし、汎用鋼種であるSUS304は、比例限界応力があまり高いとは言えず、ブレード類をはじめとする上記用途に十分対応することができない。
フェライト系ステンレス鋼としては、汎用鋼種のSUS430をはじめ、耐食性を改善したSUS436LやSUS444が種々の用途で使用されているが、加工性や溶接性の点ではSUS304に及ばないため、その適用には限界があった。
一方、比例限界応力を上昇させる手段としては、理論的には高弾性係数を有する析出物を析出させることにより材料の弾性係数を上昇させる手法や、単結晶を用いて集合組織を制御する手法があるが、これを工業的に実現することはかなり困難である。また、準安定オーステナイト系ステンレス鋼であるSUS301を使用して、強度向上に寄与する加工誘起マルテンサイト変態を利用することにより比例限界応力を高めた例がある(非特許文献1)。この方法であれば工業的に実現可能であると考えられる。しかし、加工誘起マルテンサイト変態を起こさせるには冷間強加工が必要であり、これは著しい延性低下を伴うので、前記用途への適用は難しい。
なお、特許文献1、2には、Niの一部をMnで置換した高Mnオーステナイト系ステンレス鋼が記載されている。
特開昭49−130309号公報 特開平3−2357号公報 日本金属学会誌 第33巻 第5号、p.511−515
上述のように、各種ブレード類、燃料噴射装置、圧力容器、鉄道車両、カーアンテナなどの用途に適した比例限界応力の高いステンレス鋼材としては、加工性や溶接性の面でフェライト系鋼種の適用は不利であり、オーステナイト系鋼種を採用したいところである。ただし、高価な元素の添加はできるだけ抑え、かつSUS304並みの特性(耐食性、加工性、溶接性等)を具備するものを開発することが強く望まれている。
本発明は、そのような要求に応えるべく、SUS304と比べてあまりコスト上昇を伴わない手法により比例限界応力を向上させたオーステナイト系ステンレス鋼材を開発し提供しようというものである。
発明者らは種々検討の結果、応力付与によってα'相よりもε相の方が優先して誘起される性質をもつ準安定オーステナイト系ステンレス鋼材において、比例限界応力を顕著に向上できることを見出した。ε相を優先して誘起させるには、i) 積層欠陥エネルギーの低減、ii) オーステナイト安定度の調整、iii) オーステナイト安定度の比較的高い組成のものでは、初期ε相の存在する金属組織の調整、が必要であることがわかった。そして、そのような鋼材は高Mn系の鋼において実現可能であることが確かめられた。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
すなわち、上記目的は、質量%で、C:0.06%以下、Si:4%以下、Mn:15%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Cr:12〜20%、Ni:6.5%以下、N:0.3%以下であり、好ましくはO:0.02%以下であり、必要に応じてMo:2%以下、Cu:3.5%以下、Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、Al:0.2%以下、B:0.015%以下、REM(希土類元素):0.2%以下、Y:0.2%以下、Ca:0.1%以下およびMg:0.1%以下の1種または2種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、下記(1)式で定義されるMd(N):−20〜100、下記(2)式で定義されるSFE:−20以下の組成を有し、マトリクスが「γ単相」または「30体積%以下のε相+残部γ相」である金属組織を有する比例限界応力の高いオーステナイト系ステンレス鋼材によって達成される。「鋼材」の中でも、特に「鋼板(鋼帯を含む)」が好適な対象となる。
Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−26Cu−300N−10Mo …(1)
SFE=2.2Ni−1.1Cr−13Si−12Mn+6Cu+32 …(2)
ここで、(1)式(2)式の元素記号の箇所には、質量%で表された各元素の含有量が代入される。γ相は母相のオーステナイト相、α'相はいわゆるα'マルテンサイト相である。ε相は、fcc構造であるγ相の(111)最密面の積層順序ABCABC…を、例えばABAB…のように変えた構造を有する相であり、これはγ相に対する一種の積層欠陥と捉えることができる。ε相は「εマルテンサイト相」と呼ばれることもある。
また、上記組成においてMd(N)が−150〜−20未満のもの、すなわちオーステナイト安定度がより高い組成を有するものでは、マトリクスが「1〜35体積%のε相+0〜10体積%のα'相+残部γ相」である金属組織を有するものによって上記目的が達成できる。
このオーステナイト安定度が高いタイプの鋼材は、上記所定の組成を有する冷延焼鈍材を0℃〜−196℃の温度範囲でサブゼロ処理することにより、ε相の量を1〜35体積%にコントロールする方法で製造することができる。
本発明によれば、後述の実施例で示すように、SUS304に比べ、塑性変形が開始する応力である比例限界応力を顕著に向上させたオーステナイト系鋼材を提供することが可能になった。このため本発明の鋼材は、各種ブレード類をはじめ、弾性変形を伴いながら使用される種々の部材用途において、性能向上および信頼性向上をもたらすものである。また、部材の薄肉化を図ることも可能になる。さらに、本発明の鋼材はMnを添加することによりNi含有量が低減されており、高価で原料価格の変動が大きいNiへの依存度が軽減されることにより、SUS304と比べて鋼材コストが安定し、ユーザーへの負担軽減にも資するものである。
本発明では、Mn含有オーステナイト系ステンレス鋼を用いて、比例限界応力をSUS304よりも顕著に向上させる。その比例限界応力向上のメカニズムは、塑性変形の開始時にε相が誘起されることに特徴付けられる。ε相は前述のように母相γの最密面に生じる一種の積層欠陥であるが、γ相→ε相の変態では体積収縮を伴う。これは、γ相→α'相の一般的なマルテンサイト変態で体積膨張を伴うのと対照的である。
鋼材に応力を付与していくと、一般的に塑性変形が始まるまではフックの法則が成り立ち、いわゆる弾性変形を呈する。この弾性変形が引張応力に起因するものであれば、その弾性変形は体積膨張を伴うことになる。引張応力を更に増していくと、比例限界応力において塑性変形が始まる。その際、転位の導入による変形モードや、α'加工誘起マルテンサイト相の生成による変形モードでは、体積膨張を伴うので、弾性変形から塑性変形への移行は比較的無理なく起こる。SUS304や、その他多くの金属材料では通常このパターンで塑性変形が始まる。
しかし、応力を付与したときに、γ相→α'相の変態よりも、γ相→ε相の変態の方が起こりやすい性質をもつ準安定オーステナイト系ステンレス鋼の場合は事情が異なってくる。すなわち、引張応力下でε相が生成しようとすると、その変態は収縮変態であるから、より塑性変形を起こしにくい方向に内部応力が働く。その作用によって比例限界応力が上昇するものと考えられる。本発明では、このようなメカニズムによって比例限界応力を向上させるのである。
γ相→ε相の変態が起こりやすい性質は、「化学組成」と「金属組織」を適正化することによって付与できることがわかった。以下、本発明を特定するための事項について説明する。なお、各元素の含有量を示す「%」は特に示さない限り「質量%」を意味する。
〔成分元素〕
Cは、オーステナイト形成元素であり、ε相の強化に極めて有効である。その作用を十分引き出すには例えば0.020%以上のC含有量を確保するとよい。しかし、C含有量が増大すると、焼鈍後の冷却中において粒界にCr炭化物が析出し、耐粒界腐食性や疲労特性の低下原因となる。熱処理条件や冷却速度のコントロールでこれを工業的に回避することを考慮しても、C含有量は0.06%以下に制限する必要があり、0.05%以下とすることが好ましい。
Siは、γ相の積層欠陥エネルギーを低下させる作用を呈し、ε相の生成を促進するうえで極めて有効である。また、Siはフェライト系形成元素であり、α'マルテンサイト相やε相を硬くするとともに、γ相にも固溶してこれを硬化させ、強度を上昇させる。これらの作用を有効に得るためには例えば0.20%以上のSi含有量を確保することが望ましく、0.50%以上を確保することが一層望ましい。ただし、過度にSiを添加すると高温割れを誘発しやすくなり、製造上種々の問題も生じる。このためSi含有量は4%以下とする。
Mnは、本発明において非常に重要な元素である。すなわち、Siと同様にγ相の積層欠陥エネルギーを低下させ、ε相の生成を促進するうえで極めて有効である。しかもSiと比べ多量に添加しても弊害が少ないので、本発明では積極的にMnを添加する。またMnはオーステナイト形成元素であり、高温でのδフェライトの生成を抑制する作用も有する。Mn含有量は、Siの添加量にもよるが、本発明では概ね3.0%以上とすることが望ましく、4.5%以上が一層好ましい。ただし、過度のMn添加は製鋼での溶湯温度低下に基づく問題を引き起こすのでMn含有量は15%以下、好ましくは13.5%以下とする。
Pは、固溶強化能が大きい元素であるが、靱性に悪影響を与える場合があるので0.045%以下とすべきである。
Sは、熱間圧延での耳切れ発生の面から好ましくない元素であり、できるだけ低減すべきであり、本発明では0.005%以下とする。
Crは、ステンレス鋼の耐食性を確保するのに必須の元素であり、本発明では12%以上を必要とする。しかし、多量のCr添加は靱性低下やδフェライト相生成による加工性の低下を招く。またCr含有量が多くなるとε相を生成させるために必要なオーステナイト形成元素(C、N、Ni、Mn、Cu等)の添加量が多くなり、これらは鋼材のコストを上昇させるだけでなく、室温でのγ相の過度の安定化を招き、高強度を得ることが困難になる。これらのことからCr含有量は20%以下とする。
Niは、オーステナイト形成元素であるとともに、耐食性の面でも腐食の進行を抑制する作用を有する。ただし、本発明ではε相を生成させるためにMnを積極的に添加しているので、オーステナイト形成目的でのNiの積極添加は必要ない。確保すべきNi含有量は、Mn含有量にもよるが、概ね2.0%以上で十分であり、3.0%以上とすることが好ましい。一方、Niは高価な元素であり、昨今、社会情勢による価格変動も大きくなっている。このため、多量のNi添加はコスト増を招き、また鋼材価格の不安定化を助長するので好ましくない。本発明ではε相を冷却または加工誘起で適度に生成させるために、Ni含有量は6.5%以下好ましくは6.0%以下の範囲で調整すればよい。
Nは、Cと同様にオーステナイト形成元素であり、ε相の強化に極めて有効である。そのためには例えば0.003%以上好ましくは0.05%以上のNを含有させるとよい。Mnを多量に添加することでγ相中の固溶N量は上昇するが、製鋼時のブローホール発生や表面疵等の問題を考慮すると、許容できるN含有量は概ね0.3%である。
Moは、Crとともに耐食性を高める有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。ただし、多量にMoを添加すると高温でδフェライトが形成されてしまうので、Moを添加する場合は2%以下の範囲で行うことが望ましい。
Cuは、オーステナイト形成元素であるが、ε相の生成を抑制する作用を有する。このため、Cuを添加する場合は3.5%以下の範囲で行うことが望ましい。
Ti、Nbは、焼鈍時に結晶粒成長を抑制する等の作用を有するので必要に応じて単独または複合で添加することができるが、多量に添加すると製鋼スラブの表面疵が顕在化する等、製造上の問題が生じるようになる。このため、TiまたはNbを添加する場合は、いずれも0.5%以下の範囲で行うことが望ましい。
Alは、製鋼時の脱酸に有効な元素であり、プレス成形性に悪影響を及ぼすA2系介在物を激減させる効果がある。しかし、過剰のAl添加は表面欠陥の増加を招く等の弊害を生じるので、Alを添加する場合は0.2%以下の含有量範囲で行うことが望ましい。
Bは、熱間圧延温度域でのδフェライト相とγ相との変形抵抗の差に起因すると考えられる熱延鋼帯のエッジクラック発生を防止するために有効な元素である。しかし、過度のB添加は低融点硼化物の形成により却って熱間加工性を劣化させるので、Bを添加する場合は0.015%以下の範囲で行うことが望ましい。
REM(希土類元素)、Y、Ca、Mgは、熱間加工性の改善および耐高温酸化性の改善に有効な元素であるため、必要に応じてこれらの1種または2種以上を添加することができる。その添加量の上限は、REM、Yについては各0.2%、Ca、Mgについては各0.1%とすることが望ましい。
Oは、酸化物系の非金属介在物を形成して鋼の清浄度を低下させ、プレス成形性や曲げ加工性に悪影響を与えることがある。O含有量は0.02%以下に低減することが望ましい。
〔Md(N)値〕
下記(1)式で定義されるMd(N)は、オーステナイト安定度の指標である。
Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−26Cu−300N−10Mo …(1)
本発明では、Md(N)が−150〜100の範囲にあるオーステナイト系鋼を対象とすることができる。
Md(N)が−150より低い鋼では−196℃(液体窒素温度)までの温度範囲でサブゼロ処理を施しても冷却ε相を生成させることは困難である。後述するようにMd(N)が−20より低いタイプの鋼では、予め1体積%以上のε相を生成させておくことが塑性変形開始時点でγ相→ε相の変態を優先的に起こさせるために極めて有利となる。Md(N)が−150より低いとサブゼロ処理を施しても基本的に残留γ単相組織となってしまうため、塑性変形開始時にγ相→α'相の変態が起きてしまい、比例限界応力の向上は達成できない。
Md(N)が100を超える鋼では最終焼鈍での高温γ相領域から室温までの冷却過程でγ相→α'相の変態が起きてしまい、本発明の対象であるオーステナイト系鋼が得られない。
これに対し、Md(N)が−150以上かつ−20より低い範囲にある鋼(比較的オーステナイト安定度が高い鋼)では、−196℃までの温度域でサブゼロ処理を行うと、後述のSFE値の適正化と相俟って、ε相を生成させることができる。このε相の存在が、γ相→ε相の変態を優先的に生じさせる性質をもたらし、比例限界応力の向上に寄与することとなる。
一方、Md(N)が−20〜100の範囲にある鋼(比較的オーステナイト安定度が低い鋼)では、やはり後述のSFE値の適正化と相俟って、焼鈍後にα'相の生成がない「γ単相」または「ε相+γ相」の組織状態を得ることができ、γ相→ε相の変態が優先的に起きる性質が付与される。
〔SFE値〕
下記(2)式で定義されるSFE値は、γ相における積層欠陥エネルギーの指標である。
SFE=2.2Ni−1.1Cr−13Si−12Mn+6Cu+32 …(2)
積層欠陥エネルギーは、一定の歪量を付与した試料中のγ母相に生じるε相(積層欠陥を含む)の量を測定することによって評価することができる。発明者らは、種々の成分組成を有する準安定オーステナイト系ステンレス鋼について、以下のような方法で積層欠陥エネルギーを評価した。
通常の製法により熱間圧延→焼鈍→冷間圧延→焼鈍を含む工程で板厚1.0mmの冷延焼鈍鋼板を作り、圧延方向に平行方向のJIS 13B号引張試験片を採取し、これを用いて常温で真歪0.2の引張歪を付与したサンプルを作製する。このサンプルの平行部における引張方向と垂直な断面について透過型電子顕微鏡観察を行い、倍率30000倍の観察視野をランダムに20以上選び、視野中にε相(積層欠陥を含む)が認められるか否かを判定する。そして、全観察視野数のうち、ε相(積層欠陥を含む)が認められた視野の割合(以下「積層欠陥生成頻度」という)を求め、積層欠陥生成頻度が小さい(すなわち積層欠陥が生じにくい)ほど積層欠陥エネルギーが高いと評価する。
このような詳細な調査の結果、準安定オーステナイト系ステンレス鋼の積層欠陥エネルギーは化学組成によって意図的にコントロールできることがわかった。(2)式はその指標を与えるものである。すなわち、Si、Mn、Crは積層欠陥エネルギーを低下させ、Cu、Niは積層欠陥エネルギーを高める。
本発明ではSFE値が−20以下となるように組成調整された鋼を対象とする。SFE値を−20以下とすることで、Md(N)値が−150〜−20未満の鋼では−196℃までの温度範囲でのサブゼロ処理によって適正量のε相を生成させることができ、またMd(N)値が−20〜100の鋼では焼鈍後の冷却時にα'相を生成させずにγ単相またはγ相+ε相の組織状態を得ることができる。そして、これらの組織状態をもつ鋼材に応力を付与したとき、γ相→ε相の変態が優先的に起きようとする性質に起因して比例限界応力が向上する。
〔金属組織〕
本発明では、鋼材に応力を付与したとき、γ相→ε相の変態がγ相→α'相の変態よりも優先的に起きるような性質を、予め鋼材に付与しておく。そのためには上述の化学組成の調整に加え、Md(N)値に応じた金属組織の調整が必要になる。
Md(N)が−20〜100の場合、鋼材の金属組織はマトリクスが「γ単相」または「30体積%以下のε相+残部γ相」となるように調整する必要がある。γ単相の場合、SFE値が適正であれば、γ相→ε相の変態が優先的に起きる。ε相が存在する場合は、その量が30体積%を超えて多くなると常温以下での延性低下の懸念があるので、ε相は30体積%以下とする必要がある。SFE値を上述の範囲内で調整すれば、通常、焼鈍後の冷却過程で上記所望の組織状態を得ることができる。
Md(N)が−150〜−20未満の場合、焼鈍後の冷却過程でε相やα'相は生成せず、マトリクスは「γ単相」となる。しかしこの場合、γ単相であってもγ相→ε相の変態が優先的に起きるとは限らない。発明者らは詳細な検討の結果、予めε相を存在させておくと、塑性変形開始時にγ相→ε相の変態が優先的に起きるようになることを突き止めた。すなわち、SFE値が適正であれば、サブゼロ処理を施して「1〜35体積%のε相+0〜10体積%のα'相+残部γ相」の金属組織としたとき、γ相→ε相の変態が優先的に起きる性質が付与できるのである。この場合、ε相は5体積%以上とすることが一層好ましい。なお、α'相は0%(存在しない)であっても構わない。
〔比例限界応力〕
ドクターブレード等の各種ブレード、燃料噴射装置、圧力容器、鉄道車両、カーアンテナなどの用途において、部材の性能向上や薄肉化による大きな効果を得るには、前記の方法によって測定される比例限界応力が230N/mm2以上であることが望ましく、250N/mm2以上であると非常に好ましい。このような高い比例限界応力は、上記化学組成および金属組織の調整によって実現できる。
〔製造法〕
以上のような化学組成および金属組織を有するオーステナイト系ステンレス鋼材は、SUS304に準じた通常の製造工程を利用して製造することができる。具体的には、所定組成の鋼を溶製して連続鋳造し、連鋳スラブを例えば抽出温度1200〜1230℃、仕上圧延温度940〜1000℃、巻取温度700〜800℃で熱間圧延し、熱延板焼鈍および酸洗を施し、冷間圧延し、1050〜1150℃×均熱0.5〜2分、水冷または空冷の条件で仕上焼鈍を施す工程が採用できる。Md(N)が−20〜100の場合は、仕上焼鈍後に上記所望の組織が得られ、この冷延焼鈍材の状態で比例限界応力の顕著な向上が達成される。
一方、Md(N)が−150〜−20未満の場合は、この冷延焼鈍材を更に0℃〜−196℃の温度範囲の冷媒中で10〜60分程度保持するサブゼロ処理に供することで、上記所望の組織にコントロールすることができ、比例限界応力の顕著な向上が達成される。
表1に示す化学組成の鋼を溶製し、熱間圧延にて板厚3mmの熱延板を作製した。その後、板厚1.0mmまで冷間圧延し、1050〜1100℃×均熱1分、空冷の条件で仕上焼鈍を施し、酸洗して冷延焼鈍鋼板を製造した。なお、鋼SはSUS304である。
Figure 2006111932
得られた冷延焼鈍鋼板のうち、いくつかのものは更にサブゼロ処理に供した(表2中に温度を記載のもの)。サブゼロ処理は冷媒中に浸漬して約30分間保持し、その後取り出して室温まで自然に昇温させる方法で行った。得られた供試材(冷延焼鈍鋼板またはサブゼロ処理鋼板)について、比例限界応力を測定した。試験片は圧延方向に平行方向のJIS 13B号引張試験片を使用し、歪速度4×10-4で引張試験を行い、弾性変形領域から0.01%塑性変形したときの応力(0.01%オフセット応力)を求め、これを比例限界応力とした。結果を表2に示す。
Figure 2006111932
表1、表2から判るように、本発明で規定する化学組成および金属組織を満たす本発明例のものは、No.15のSUS304と比較し、比例限界応力の顕著な向上が認められた。
これに対し、比較例No.11は本発明の化学組成を満たしているが、Md(N)が−20より低い場合にサブゼロ処理を施さなかったためγ単相組織となり、比例限界応力が230N/mm2以上に向上しなかった。No.12はCr含有量が高いためδフェライト相が存在し、比例限界応力は著しく向上したが全伸びが低下し、十分な加工性が確保できなかった。No.13および15はSFE値が−20より高いため、塑性変形の開始時にα'相が誘起されてしまい、比例限界応力は低いものとなった。No.14はMd(N)が高すぎたため、冷延焼鈍鋼板の状態でα'相が生成しており、全伸びが低く加工性に劣るものであった。また塑性変形開始時に更にα'相が誘起され、比例限界応力も低かった。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.06%以下、Si:4%以下、Mn:15%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Cr:12〜20%、Ni:6.5%以下、N:0.3%以下、残部Feおよび不可避的不純物、下記(1)式で定義されるMd(N):−20〜100、下記(2)式で定義されるSFE:−20以下の組成を有し、「γ単相」または「30体積%以下のε相+残部γ相」の金属組織を有する比例限界応力の高いオーステナイト系ステンレス鋼材。
    Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−26Cu−300N−10Mo …(1)
    SFE=2.2Ni−1.1Cr−13Si−12Mn+6Cu+32 …(2)
  2. 質量%で、C:0.06%以下、Si:4%以下、Mn:15%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Cr:12〜20%、Ni:6.5%以下、N:0.3%以下であり、かつMo:2%以下、Cu:3.5%以下、Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、Al:0.2%以下、B:0.015%以下、REM:0.2%以下、Y:0.2%以下、Ca:0.1%以下およびMg:0.1%以下の1種または2種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物、下記(1)式で定義されるMd(N):−20〜100、下記(2)式で定義されるSFE:−20以下の組成を有し、「γ単相」または「30体積%以下のε相+残部γ相」の金属組織を有する比例限界応力の高いオーステナイト系ステンレス鋼材。
    Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−26Cu−300N−10Mo …(1)
    SFE=2.2Ni−1.1Cr−13Si−12Mn+6Cu+32 …(2)
  3. 質量%で、C:0.06%以下、Si:4%以下、Mn:15%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Cr:12〜20%、Ni:6.5%以下、N:0.3%以下、残部Feおよび不可避的不純物、下記(1)式で定義されるMd(N):−150〜−20未満、下記(2)式で定義されるSFE:−20以下の組成を有し、「1〜35体積%のε相+0〜10体積%のα'相+残部γ相」の金属組織を有する比例限界応力の高いオーステナイト系ステンレス鋼材。
    Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−26Cu−300N−10Mo …(1)
    SFE=2.2Ni−1.1Cr−13Si−12Mn+6Cu+32 …(2)
  4. 質量%で、C:0.06%以下、Si:4%以下、Mn:15%以下、P:0.045%以下、S:0.005%以下、Cr:12〜20%、Ni:6.5%以下、N:0.3%以下であり、かつMo:2%以下、Cu:3.5%以下、Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、Al:0.2%以下、B:0.015%以下、REM:0.2%以下、Y:0.2%以下、Ca:0.1%以下およびMg:0.1%以下の1種または2種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物、下記(1)式で定義されるMd(N):−20〜100、下記(2)式で定義されるSFE:−20以下の組成を有し、「1〜35体積%のε相+0〜10体積%のα'相+残部γ相」の金属組織を有する比例限界応力の高いオーステナイト系ステンレス鋼材。
    Md(N)=580−520C−2Si−16Mn−16Cr−23Ni−26Cu−300N−10Mo …(1)
    SFE=2.2Ni−1.1Cr−13Si−12Mn+6Cu+32 …(2)
  5. O:0.02%以下である請求項1〜4に記載の比例限界応力の高いオーステナイト系ステンレス鋼材。
  6. 歪速度4×10-4で圧延方向に引張試験を行ったときの0.01%オフセット応力で定義される比例限界応力が230N/mm2以上である請求項1〜5のいずれかに記載の比例限界応力の高いオーステナイト系ステンレス鋼材。
  7. 冷延焼鈍材を0℃〜−196℃の温度範囲でサブゼロ処理することにより、ε相の量を1〜35体積%にコントロールする請求項3または4に記載の比例限界応力の高いオーステナイト系ステンレス鋼材の製造法。
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