JP2006110838A - 液体収納容器及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液体収納容器の外形および容量等のサイズをほとんど変えずに、液体吐出手段への液体の供給能力を向上させることが可能な体収納容器を提供する。
【解決手段】 液体収納容器において、液体を吐出する液体吐出手段に前記液体を供給するための供給口、および液体を一時的に保持する負圧発生部材を収納した負圧発生部材収納室、前記負圧発生部材収納室にサイフォン方式で液体を供給する連通部、前記連通部と供給口を除いて実質的に密閉された前記負圧発生部材収納室と、前記負圧発生部材収納室に前記連通部から液体を供給する液体収納室、前記液体収納室に空気を取り入れるための大気連通口を設け、前記負圧発生部材収納室には非記録用インクを注入し前記液体収納室には記録用インクを注入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録ヘッドに接続されて、そのヘッドに供給される非記録用インクと記録用インクを貯蔵した交換型の液体収納容器(以下ではインクタンクとも称する)およびその液体収納容器を装着し出荷されるインクジェット記録装置に関する。
従来、液体収納容器であるインクジェット記録用のインクタンクとして、少なくともインク供給口と大気連通口の少なくとも2つの開口部を有する交換型インクタンクが知られている。そのようなインクタンクでは、インク供給口を通してインクタンク内のインクが、液体吐出手段である記録ヘッドに供給される。また、インクタンクの内部が大気連通口を介して大気と連通しており、その大気連通口を通してインクタンク内に大気が供給される。
上記のインク供給口および大気連通口の2つの開口部を有するインクタンクに要求されることとしては、まず、記録時に記録ヘッドに対してインク切れを伴わずに安定的にインクを供給できること、そして、非記録時には温度や圧力等のさまざまな環境条件の変化においてもインクの漏れや供給性能の低下を確実に防止できることが挙げられる。
このような目的を達成するための好適な例として、特許第2684508号明細書に記載された液体収納容器がある。その液体収納容器には、負圧発生部材を収納した負圧発生部材収納室と、負圧発生部材収納室に供給するためのインクを収納した液体収納室とが備えられている。負圧発生部材収納室内に収納された負圧発生部材としては多孔質の材料からなるものが用いられ、その負圧発生部材にインクが吸収されることで負圧発生部材の内部にインクが保持される。負圧発生部材収納室と液体収納室とは連通部を介して接続されており、その連通部を通して液体収納室から負圧発生部材収納室へとインクが供給され、負圧発生部材収納室へと供給されたインクが負圧発生部材によって保持される。負圧発生部材収納室を構成する部材の上部には、負圧発生部材収納室内を大気と連通させるための大気連通部が形成されており、一方、液体収納室は、負圧発生部材収納室との連通部を除いて実質的に密閉されている。また、負圧発生部材収納室を構成する部材の底部には、液体吐出手段である記録ヘッド部に負圧発生部材収納室内のインクを供給するための液体供給部が形成され、その液体供給部を介して負圧発生部材収納室の底部に記録ヘッド部が接続されている。
また、上記のような負圧発生部材収納室と液体収納室を有するインクタンクをさらに改良したものとして、特開平10−193634号公報で開示しているものがある。その公報に記載された液体収納容器では、負圧発生部材収納室内で負圧発生部材により保持されたインクの消費に伴って負圧発生部材収納室から液体収納室に大気を導入する大気導入路に前記負圧発生部材が配置されている。ここで、負圧発生部材収納室内のインクが消費されるのに従って、大気導入路に構成された毛管力発生部の毛管力に打ち勝って負圧発生部材収納室内の大気が連通路を通して液体収納室に入り込む。この時に、液体収納室内のインクが大気の代わりに負圧発生部材収納室内に供給される、いわゆる気液交換が行われる。
吐出用液体の消費中の大半はこの気液交換が連続的に行われ、負圧発生部材内の発生負圧はこの大気導入路の毛管力発生部の毛管力により決定される。従って、この特開平10−193634号公報の液体収納容器では、上記の毛管力を所定の値に設定することにより、発生負圧をほぼ一定に制御することを可能にし、負圧特性の安定化を図っている。
上述したような、負圧発生部材収納室と液体収納室を有するインクタンクのインク供給性能においては、特開平11−10906号公報で開示しているように、記録ヘッドに対してインクを正常に供給するために、インクタンク内における負圧のバランスが重要なファクターとなる。この負圧のバランスによって負圧発生部材内の気液界面の高さが維持されつつ、インクの供給動作が正常に行われる。さらに、この、インクタンク内における負圧のバランスは、負圧発生部材の毛管力、圧力損失、負圧発生部材収納室と液体収納室との連通部の圧力(負圧)、および、インク供給口(インク誘導部材である圧接体)から連通部までの距離といったパラメータで規定される。
しかしながら、上記のようにインクタンク内の負圧のバランスを規定するパラメータのうちの圧力損失は、基本的に供給流量(流速)で左右されるものであり、ある流速で設計されたインクタンクでは、記録ヘッドのノズル数を増やしたり、インクの吐出周波数を上げたりしてしまうと、インク切れ、かすれといったインクの供給不良が発生してしまう。そこで、インクジェット記録装置の記録速度を上げたり、記録ヘッドのノズル数を増やしたり、インクの吐出周波数を上げたりして、インクの流速に影響しないインクタンクが好ましい。
一方、インクジェット記録装置においては、装置使用者の利便性及び経済性を考慮し、インクジェット記録用のインクを収納したインクタンクを、記録ヘッドに対して独立でセットでき、インクが無くなったときにインクタンクだけを交換するいわゆるタンク交換方式が提案されている。また、記録ヘッドは、従来、記録ヘッドに何らかの故障が発生した際に、装置使用者が新しい記録ヘッドと交換できるように、インクジェット記録装置本体から記録ヘッドを容易に着脱可能な構成を採っている。
しかしながら、記録ヘッド自体の信頼性・耐久性の向上に応じて、予め記録ヘッドを記録装置本体にセットした状態で記録装置の生産工場から出荷する形態があり、その場合、装置使用者には記録ヘッドの着脱動作ができないように記録ヘッド自体を記録装置に括り付けてしまう構成で出荷することが行われている。
その際、インクジェット記録ヘッドとともに、記録ヘッドに対して着脱可能なインクタンクも、インクジェット記録ヘッド上に装着した状態で生産工場から出荷するような形態を採れば、装置使用者にとっては、装置使用開始時のセットアップ作業が軽減でき、さらに好ましい。
特開2002−86747号公報 特開2003−200585号公報 特開2003−200586号公報
しかしながら、上記のようにインクタンク内の負圧のバランスを規定するパラメータのうちの圧力損失は、基本的に供給流量(流速)で左右されるものであり、ある流速で設計されたインクタンクでは、インクジェット記録装置の記録速度を上げるために記録ヘッドのノズル数を増やしたり、インクの吐出周波数を上げたりして、インクの流速を上げようとすると、インク切れ、かすれといったインクの供給不良が発生してしまうという問題点があった。
この問題点を解決しようとする場合、1つの解決手段としては、負圧発生部材収納室と液体収納室との連通部からインク供給口(インク誘導部材である圧接体)までの距離を小さくして、その連通部をインク供給口に近づけるという方法がある。このような方法をとった場合、インク供給口部分には圧接体が配されており、圧接体が吸収体に押し付けられているので、吸収体の圧接体に接する部分は変形する。従って、インク供給口が気液交換口である連通路に近すぎると吸収体の変形による歪みの影響が気液交換口に及ぶので、インクタンクの製造ばらつきが大きくなる。最悪の場合には、適正な負圧を発生できずにインク供給口からインク垂れを起こすこともある。
次に、大容量インクタンク(高さ方向を長くした容器)について説明する。大容量インクタンクの場合には、吸収体の高さも高くなる(たとえば40mm以上)ので重力に抗してインクを吸い上げねばならず、結果として、吸収能力は単純に容積のみでは決定できない。特に、押し出されてくるインクの吸収体内での液位(気液界面)を高く必要とするときには、重力に抗して吸収体が吸い上げる液位上昇速度が追いつかず、インク供給口からインクが漏れてしまう場合がある。この液位上昇速度を制御するためには負圧発生部材収納室の底面積を広くとることが望ましい。しかし、限られた全体の容積の中でインクタンクの幅が同一である条件下では、負圧発生部材収納室の底面積を大きくとることになる、その結果、液体収納室の容積が小さくなってしまい収納できるインク量が少なくなり、インクタンクの全体の容積が減ってしまう。このように、供給流量が増えるのに、インク容量を減らすのでは、インクタンクの交換頻度が増えてしまい、インクジェット記録装置における記録の高速化の目的が達成されなくなってしまうという問題点がある。
また、供給量の増加に伴い、負圧発生部材の幅を増してその断面積を増やし、実質的に圧力損失を増やさない方法もあるが、インクタンクの幅も拡大する必要があり、これでは、インクジェット記録装置の作り替えが必要になる。
本発明の目的は、吐出用液体収納容器の外形および容量等のサイズをほとんど変えずに、液体吐出手段への液体の供給能力を向上させることが可能な吐出用液体収納容器である。
また、本発明の第2の目的は、非記録用インク、記録用インクの2種類のインクを充填でき混合しないことが可能なインクタンクを提案している。また、インクタンクをインクジェット記録ヘッド上に装着した状態で出荷するような形態が採れるインクジェット記録装置を提案している。
負圧発生部材収納室と液体収納室とを仕切る離壁には、気液交換を行うための連通部が設けられているインクタンクでは、負圧発生部材収納室に非記録用インクと液体収納室に記録用インクの充填をしても、非記録用インクと記録用インクが混合してしまうという問題がある。このようなインクタンクをインクジェット記録ヘッド上に装着した状態で生産工場から出荷するような形態を採ればインクジェット記録ヘッドの吐出口に記録インクが固着し、ヨレ、不吐などの記録品位不良が発生する。
本発明のインクタンクでは、負圧発生部材収納室に非記録用インクと液体収納室に記録用インクの充填をしても、負圧発生部材収納室と液体収納室とを仕切る離壁には、気液交換を行うための連通部がないため、非記録用インクと記録用インクが混合してしまうという問題は発生しない。
このようなインクタンクをインクジェット記録ヘッド上に装着した状態で生産工場から出荷するような形態を採ってもインクジェット記録ヘッドの吐出口に記録インクが固着し、ヨレ、不吐などの記録品位不良が発生することはない。
また、インクタンクと記録ヘッドをインクジェット記録ヘッド上に装着した状態で生産工場から出荷するような形態を採ることで、装置使用者の使用開始時にインクタンクと記録ヘッドをセットする手間を省くとともに、インクタンク、記録ヘッドのセットミスに起因する不具合を回避することができる。
しかしながら、このような非記録用インクを使用した記録装置においても、装置使用者が最初に使用するときに、記録性能が完全に正常ではなくなるという不都合が発生することがあった。このような不都合の発生は、装置使用者が先ず最初に装置を使用するときの、記録装置内の回復手段により記録ヘッド内部を非記録用インクから記録用インクへ置換する工程に原因があり、この置換の際の工程が円滑に行われないことに起因している。つまり、非記録用インクが水分蒸発抑制を目的として高粘度にされているため、記録用インクに比べると吸引時のインクの流れが悪く、記録ヘッド内での非記録用インクから記録用インクへの置換が円滑に行われなかったり、せっかく置換自体が円滑に行われても、ワイピング手段や吸引手段等の回復手段に付着していた非記録用インクの残存物が再び記録ヘッド側へ転写され付着してしまうことが、その原因となっている。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、装置使用者が最初にインクジェット記録装置を使用するときの非記録用インクから記録用インクへの置換を確実に行うとともに、回復手段内の残存非記録用インクの除去を促進することができ、残存非記録用インクの記録ヘッドへの再度の転写を防止することができ、それによって、記録装置の使用開始時に記録ヘッドをセットする手間を省くとともに、インクタンクと記録ヘッドのセットミスに起因する不具合を回避することができ、インクジェット記録装置のセットアップ性を向上させるとともに、インクジェット記録装置使用初期における非記録用インクによる記録品位不良を無くすことができるインクジェット記録装置及びその取り扱い方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の液体収納容器は、液体を吐出する記録ヘッドに液体を供給するための供給口、および液体を一時的に保持する負圧発生部材を収納した負圧発生部材収納室、負圧発生部材収納室にサイフォン方式で液体を供給する連通部、連通部と供給口を除いて実質的に密閉された負圧発生部材収納室と液体を収納する液体収納室、液体収納室に空気を取り入れるための大気連通口、大気連通口から液体が漏れないようにする気液交換膜(以下PTFE膜と称する)を備え、負圧発生部材収納室に非記録用インクを注入し液体収納室に記録用インクが注入されていることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、記録用インクを吐出して記録を行う記録ヘッドを装着して移動するためのキャリッジと、記録ヘッドに対する回復動作を行う回復手段と、を備え、記録用インクとは異なる非記録用インクが充填された記録ヘッドがキャリッジに装着され、請求項1に記載の液体収納容器がキャリッジに装着されたインクジェット記録装置であって、装置使用者による記録装置の第1回目の使用時に回復手段によって実施される着荷時置換回復モードが、第1回目の使用時より後に回復手段によって実施される回復モードと異なることを特徴とする。
以上説明したように本発明の液体収納容器は、外形形状および液体収納容量や、液体吐出記録装置の外形形状等の設計変更をせずとも、負圧発生部材収納室の密閉と液体収納室の大気連通口とサイフォン方式による連通口の構造変更とによって、液体吐出手段への液体の供給能力を向上させることができる。
また、そのようなインクタンクを用いることにより、インクタンクから液体吐出手段への液体供給が不能になるといったトラブルが発生することもない。さらに、インクタンクの外形形状や基本的な構造を変えずにすむため、本発明のインクタンクを従来の液体吐出記録装置でも十分に使用可能である。従って、インクタンクの外形形状の違いによるインクタンクの種類を増やさずに、従来のインクタンクを本発明のものに置き換えることも可能で、インクタンクの生産装置を複数用意する必要がなく、インクタンクのコストダウンを図ることができる。
さらに負圧発生部材収納室の容積を小さくすることができる。その結果、液体収納室の容積が大きくなり液体全体の容積が増やせる。インクタンク交換頻度が減少する。
また、インクタンクの外形形状および液体収納容量や、インクジェット記録装置の外形形状等の設計変更をせずとも、負圧発生部材収納室の密閉と液体収納室の大気連通口とサイフォン方式による連通口の構造変更とによって、インク成分の違う2種類のインクが充填することが可能である。
このようなインクタンクでは、負圧発生部材収納室に非記録用インクと液体収納室に記録用インクの充填をしても、負圧発生部材収納室と液体収納室とを仕切る離壁には、気液交換を行うための連通部がないため、非記録用インクと記録用インクが混合しないので、インクジェット記録ヘッド上に装着した状態で生産工場から出荷するような形態を採ってもインクジェット記録ヘッドの吐出口に記録インクが固着し、ヨレ、不吐などによる記録品位不良が発生しない。
さらに、装置使用者によるインクジェット記録装置の第1回目の使用時に着荷時置換回復モードによって実施される複数回の回復動作により、インクジェット記録装置使用初期における記録ヘッド内の非記録用インクとインクタンク負圧発生部材収納室の非記録用インクを記録用インクに置換することできるので、装置使用者の記録ヘッド、インクタンクのセットミスに起因する不具合を回避することができ、インクジェット記録装置のセットアップ性を向上させ、記録品位不良を無くすことができる。
また、インクタンクをインクジェット記録ヘッドに装着した状態で梱包出荷することでユーザによる記録ヘッド、インクタンクの着荷時不良、梱包材がいらなくなりコストダウンにもつながるので、ユーザでのごみの発生が減少する。
本発明の液体収納容器であるインクタンク10の内部には、隔壁38によって仕切られた負圧発生部材収納室34および液体収納室36が設けられている。負圧発生部材収納室34は、負圧発生部材としての連続多孔質弾性部材32を収納する負圧発生部材収納室34であり、液体収納室36は、吐出用液体であるインクを直接収納する液体収納室である。
インクタンク10を構成する部材の上壁10Uには、液体収納室36内と連通した大気連通口12が形成されていて、その大気連通口12を通して液体収納室36の上部が大気と連通している。また、負圧発生部材収納室34の下部は液体供給口14Aに連通している。液体供給口14Aには、液体吐出手段である記録ヘッド22hがインク通路筒17を介して接続される。液体供給口14Aおよびインク通路筒17の内部を通して負圧発生部材収納室34内のインクが記録ヘッド22hに供給される。負圧発生部材収納室34と液体収納室36とを隔てる隔壁38の上部には連通口44、45、連通溝43が形成されており、連通口44、45、連通溝43を通して負圧発生部材収納室34と液体収納室36が連通している。液体収納室36は、負圧発生部材収納室34との連通口44、45、連通溝43を除いて実質的に密閉されている。
負圧発生部材収納室34を画成するインクタンク10の上壁10U、すなわちインクタンク10の上壁部における負圧発生部材収納室34に対応する部分には、上壁10Uの下面から負圧発生部材収納室34の内部に向かって突出する複数個のリブ42が上壁10Uと一体に成形されている。負圧発生部材収納室34内に圧縮された状態で収納された連続多孔質弾性部材32に、それぞれのリブ42の先端部が当接している。これにより、負圧発生部材収納室34内における上壁10Uと連続多孔質弾性部材32の上面との間にエアバッファ室47が形成されている。
液体収納室から負圧発生部材収納室にインクを供給する連通口44、45連通溝43がインクタンク10の上壁10Uに成形されている。連通溝43の上部をフィルムシール等39で覆いかぶせることでインクの通路を形成する。
図1の実施形態では、インクタンク10の長手方向の内寸法L01が約63mm、高さ方向の内寸法h01が約35mm、負圧発生部材収納室34の長手方向の内寸法L02は約24〜38mm、隔壁38の連続多孔質弾性部材32側の側面から庄接体46の隔壁38側の側面までの距離L1が約10〜26mmである。そして、インクタンク10全体の基本的な肉厚は約2mmである。なお、負圧発生部材収納室34内の底面における液体供給口14Aの周りには、インクタンク10の底壁10Bの容器内側底面より内方に突出する環状の段部14Cが設けられている。その段部14Cの寸法としては、高さh23が0.3〜0.4mmであり、幅L3が1.5〜3mmである。液体収納室から負圧発生部材収納室に液を供給する配管の寸法としては、液体収納室インクタンク10の底壁10Bの容器内側底面より第2連通口先端41までの高さh41が約1mmであり、第2連通口45の内径は、約φ0.7mm〜φ2mmである。液体収納室36の第2連通口45の寸法は隔壁38側面から第2連通口45までの距離L05は約0〜25mmである。負圧発生部材収納室34の第1連通口44は連続多孔質弾性部材32の上面から第1連通口先端40までの高さh40が約1mm〜3mmであり、第1連通口44の内径は、約φ0.7mm〜φ2mmである。負圧発生部材収納室34の第1連通口44の寸法は隔壁38側面から第1連通口44までの距離L06は約2〜10mmになり、インクタンク上壁10Uの連通溝の距離はL05、L06、離壁38を積算した値になる。連通溝の深さh42は約0.5〜2mm、幅L07は約0.5〜2mmである。液体収納室の上壁10U大気連通口12の径は約5〜10mmである。
液体収納室の上壁10U大気連通口12にPTFE膜13Aで覆いかぶせることでインクが外部に漏れず、気体を取り入れることができる。
負圧発生部材収納室34には非記録用インク51を注入し、液体収納室36には記録用インク52が収納されている。この時の注入量として非記録用インクは1.6g±0.2gであること。
記録用インクを吐出して記録を行う記録ヘッド22hと移動するためのキャリッジ2と、記録ヘッド22hに対する回復動作を行う回復手段と、を備え、記録用インク52とは異なる非記録用インク51が充填された記録ヘッドをキャリッジ2に装着し、負圧発生部材収納室34に非記録用インク51、液体収納室36に記録用インク52が充填されたインクタンク10もキャリッジ2に装着した状態で生産工場から出荷する。
このようなインクジェット記録装置1においては、記録ヘッド22hを搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えばホームポジションと対応する位置)に、記録ヘッド22hを配置する。
以上のように構成されたインクジェット記録装置1の最初の使用時(第1回目の使用時)における回復系3の回復手段の動作、吸引手段の動作について、以下に説明する。記録手段としての記録ヘッド22hとインクタンク10は既に記録装置の生産工場出荷時にキャリッジ2に装着済みであるので、装置使用者は、インクジェット記録装置1の電源を投入後にインクタンク10の大気連通口12を開放するために、インクジェット記録装置1上部カバーを開ける。その時に、インクジェット記録装置1は、EEPROM内の情報や第1回目(最初)の記録命令等をトリガーとして、先ず最初の使用(第1回目の使用)であることを認識するので、着荷置換回復モードに入る。
次に、上述した本実施形態のインクタンク10の動作原理について、図1を参照して説明する。インクタンク10は、記録ヘッド22hと接続された状態で、インクジェット記録装置に搭載される(図4参照)。
図1に示すように、インク通路筒17がインク供給筒14内に進入するように押し込まれた状態、すなわち装着状態でインクジェット記録装置が稼働すると、記録ヘッド22hからインクが吐出されることにより、インクタンク10内にインク吸引力が生ずる。
負圧発生部材収納室34内の連続多孔質弾性部材32中に充分な量のインクが含浸されているときは、連続多孔質弾性部材32中のインクが消費され、連続多孔質弾性部材32内のインクの上面が低下する。このときの発生負圧の大きさは、連続多孔質弾性部材32中のインクが消費量により決定される。
さらにインクの消費が進むことで、負圧発生部材収納室34内の負圧が大きくなり、負圧の圧力でインクを直接に収納する液体収納室36から、第1連通口44、第2連通口45、連通溝43の通路からインクが供給される。負圧発生部材収納室に供給されたインクは毛管力により、気液界面まで移動する。液体収納室36から負圧発生部材収納室34にインクが供給されると液体収納室36が負圧になるので大気連通口12より大気が供給される。
インク消費中は、上述の動作が連続的に行われることで、液体収納室36内のインクが連続多孔質弾性部材32に供給される。従って、負圧発生部材収納室34内のインクを消費中の発生負圧により、第1連通口44、第2連通口45、連通溝43のインク通路寸法を選定することができる。
このようなインクタンク10を用いることにより、インクタンク10から記録ヘッド22hへの液体供給が不能になるといったトラブルが発生することもない。さらに、インクタンク10の外形形状や基本的な構造を変えずにすむため、本発明のインクタンク10を従来のインクジェット記録装置でも十分に使用可能である。従って、インクタンク10の外形形状の違いによるインクタンクの種類を増やさずに、従来のインクタンクを本発明のものに置き換えることも可能で、インクタンクの生産装置を複数用意する必要がなく、インクタンクのコストダウンを図ることができる。
図2、図3に示すインクタンク10と記録ヘッド22hをインクジェット記録装置1に装着し、梱包、出荷する方法を説明する。
図2で示すインクタンク10の負圧発生部材収納室34に非記録用インク51を注入し、液体収納室36に記録用インク52を注入する。2種類のインクが注入されたインクタンク10はインクジェット記録装置1に搭載されている記録ヘッド22hに装着し梱包され、出荷される。
このような非記録用インク51と記録用インク52を収納したインクタンク10をインクジェット記録装置1に搭載し出荷する装置においては、記録ヘッド22hを搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えばホームポジションと対応する位置)に、記録ヘッド22hを配置し、キャップ76は記録ヘッド22hの吐出面5に密着させないで梱包をおこなう。
図3に示すインクジェット記録装置1の最初の使用時(第1回目の使用時)における回復系3の回復手段の動作、吸引手段の動作について、以下に説明する。記録手段としての記録ヘッド22hとインクタンク10は既に記録装置の生産工場出荷時にキャリッジ2に装着済みであるので、装置使用者は、インクジェット記録装置1の電源を投入後にインクタンク10の大気連通口12を開放するために、インクジェット記録装置1上部カバーを開ける。その時に、インクジェット記録装置1は、EEPROM内の情報や第1回目(最初)の記録命令等をトリガーとして、先ず最初の使用(第1回目の使用)であることを認識するので、着荷置換回復モードに入る。
先ず、吸引手段による吸引動作に入る。まずキャリッジ2を所定位置に位置決めし、その後、キャップ76を記録ヘッド22hの吐出口面9に密着させ、ホルダー7を回転させ、コロ69がチューブ73を押しつぶしながら自転する。これにより、チューブ73が所定範囲でしごかれ、該チューブ73を経由してキャップ76内に負圧が発生し、吐出口82からインクが吸引排出される。この際、記録ヘッド22h内、負圧発生部材収納室34に充填されている非記録用インクを確実に記録用インクに置換させるために、ホルダー7の回転速度を通常の吸引回復動作時より速く設定することで、回復モードにおける吸引時より吸引圧(負圧の程度)を高く設定したり、ホルダー7の回転量を回復モードより多く設定することで、吸引量を回復モードにおける吸引時の吸引量より多く設定したりする。また、回復モードにおける吸引動作(吸引回復処理)を複数回繰り返すことで、記録手段(記録ヘッド)22h内、負圧発生部材収納室34の非記録用インクから記録用インクへの置換をさらに確実にするように動作させてもよい。
2種類のインクが注入されたインクタンクをインクジェット記録ヘッドに装着した状態で梱包出荷すると、ユーザが使用する時にはヘッド、インクタンクの装着などが不要ため、ユーザの着荷時不良がなくなる。
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
〔使用したインクタンクの構成〕
インクタンク10の長手方向の内寸法L01が63mm、高さ方向の内寸法h01が35mm、負圧発生部材収納室34の長手方向の内寸法L02は26mm、隔壁38の連続多孔質弾性部材32側の側面から庄接体46の隔壁38側の側面までの距離L1が10mmである。このときの使用した非記録用インクの水溶性有機溶剤としての成分は、グリセリン10質量%、ジレチレングリコール10質量%、の他にイソプロパノール、界面活性剤が添加されている。
上記、インクタンクをキヤノン製インクジェットプリンターPIXUS860iに搭載後、着荷時回復を繰り返し、被記録媒体に吐出し置換状態を以下の基準で目視評価した。また、置換が完了したときに全ノズル吐出の評価も行った。
〔目視評価基準〕
・記録用インクで印字したのと同等の濃度
・プリンターで濃度調整を行い記録用インクで印字したのと同等の濃度
〔ノズル評価〕
○:置換が完了したときに全ノズル吐出
×:置換が完了したときに不吐ノズル有り
表1は、インクタンク10の負圧発生部材収納室34に非記録用インク51、液体収納室36に記録用インク52を注入し、効率よく負圧発生部材収納室34を記録用インクに置換したときの実験結果である。
Figure 2006110838
負圧発生部材収納室34に注入する非記録用インク51注入量が、1.4g以下の場合は、記録用インク52に置換するのに使用する記録用インク52量は1.5gと少ないが、記録用インク52が非記録用インク51と混合される前に非記録用インクが抜け、その後に記録用インク52が流れてくるので空気が記録ヘッド22hに入ってしまう。記録ヘッド22hに空気が入ってしまうと泡による不吐やかすれ印字の原因となり、空気を抜くのに更に回復手段を行い記録用インク52を更に消費し被記録媒体に吐出する量が少なくなりインクタンク10交換が早くなってしまう。
また、負圧発生部材収納室34に注入する非記録用インク51注入量が、1.8g以上を注入すると記録インク52に置換するのに、3g以上の記録インク52を使用してしまうため、被記録媒体に吐出する量が少なくなりインクタンク10の交換が早くなってしまう。
以上の結果から負圧発生部材収納室34に注入する非記録用インク51の注入量は,1.6g±0.2gであり、置換を行うと記録用インク52を2g使用するだけで非記録用インクから記録用インクの置換ができる。
本発明の第1の実施形態の液体収納容器を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の液体収納容器を示す断面図である。 インクタンクと記録ヘッドを記録装置に組み込むことにより構成される方法について説明するための図である。 本発明の液体収納容器が搭載される装置の斜視図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 キャリッジ
3 回復系
7 ホルダー
9 吐出口面
10 インクタンク
10U 上壁
10B 底壁
12 大気連通口
13A 気液交換膜(PTFE膜)
13B 大気連通口キャップ
14 インク供給筒
14A インク供給口
17 インク通路筒
22h 記録ヘッド
32 連続多孔質弾性部材(負圧発生部材)
34 負圧発生部材収納室
36 液体収納室
38 隔壁
39 フィルムシート等
40 第1連通口先端
41 第2連通口先端
42 リブ
43 連通溝
44 第1連通口
45 第2連通口
46 圧接体
47 エアバッファ室
51 非記録用インク
52 記録用インク
69 コロ
73 チューブ
76 キャップ
82 吐出口

Claims (3)

  1. 液体収納容器において、液体を吐出する液体吐出手段に前記液体を供給するための供給口、および液体を一時的に保持する負圧発生部材を収納した負圧発生部材収納室、前記負圧発生部材収納室にサイフォン方式で液体を供給する連通部、前記連通部と供給口を除いて実質的に密閉された前記負圧発生部材収納室と、前記負圧発生部材収納室に前記連通部から液体を供給する液体収納室、前記液体収納室に空気を取り入れるための大気連通口を備えており、前記負圧発生部材収納室に非記録用インクを注入し前記液体収納室に記録用インクが注入されていることを特徴とする液体収納容器。
  2. 記録用インクを吐出して記録を行う記録ヘッドを装着するキャリッジと、前記記録ヘッドに対する回復動作を行う回復手段と、を備え、記録用インクとは異なる非記録用インクが充填された前記記録ヘッドが前記キャリッジに装着されるとともに、請求項1に記載の液体収納容器が前記キャリッジに装着されたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 装置使用者による記録装置の第1回目の使用時に前記回復手段によって実施される着荷置換回復モードが、第1回目の使用時より後に前記回復手段によって実施される回復モードと異なることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
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