JP2006108224A - 照明光学系、露光装置及びマイクロデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 投影光学系の瞳位置またはそれと光学的に共役な位置における光強度分布を適切に補正することができる照明光学系を提供する。
【解決手段】 光源2から射出される極端紫外光で照明領域Mを照明する照明光学系において、前記照明光学系の瞳位置またはその近傍の位置における光強度分布を補正する光強度分布補正手段16を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 光源2から射出される極端紫外光で照明領域Mを照明する照明光学系において、前記照明光学系の瞳位置またはその近傍の位置における光強度分布を補正する光強度分布補正手段16を備える。
【選択図】 図1
Description
この発明は、半導体素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィ工程で製造するための照明光学系、該照明光学系を備えた露光装置及び該露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法に関するものである。
現在、半導体集積回路の製造においては、マスク上に形成された非常に微細なパターンを感光性基板上に転写するために、可視光あるいは紫外光を利用したフォトリソグラフィの手法が用いられている。このフォトリソグラフィの手法を用いた製造工程では、マスク上に形成された原画となるパターンを、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布された感光性基板上に投影露光する投影露光装置が用いられている。
近年、半導体集積回路の高集積化、高密度化を実現するために、回路の線幅を更に細く、または、パターンを更に精細にする必要があるため、投影露光装置において解像度の向上が要求されている。投影露光装置において解像度を上げるために、露光光源波長としては、これまでに水銀灯(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)等が実用化されており、より解像度を上げるために更なる短波長化が進んでいる。ここで、露光光源として波長が157nmより短い光、特に極端紫外光(EUV光)を用いてマスクのパターンを感光性基板上に投影露光する場合、短波長の光に対して高い透過率を有する硝材が限定されていることから、投影露光装置は少なくとも1つの反射型の光学系により構成される(例えば、特許文献1参照)。
以上の露光装置においては、マスクを均一に照明する照明光学系と、マスクのパターン像を感光性基板に投影する投影光学系を具備しているが、例えばEUV光を用いてより一層微細なパターンを転写しようとすると、照明光学系の瞳(瞳面)の位置、または投影光学系の瞳(瞳面)と光学的に共役な位置での光強度分布を制御することが不可欠であることが様々な検討を進めていった結果、明らかになった。
この発明の課題は、照明光学系の瞳(瞳面)の位置、または投影光学系の瞳(瞳面)と光学的に共役な位置での光強度分布を所望の光強度分布に設定できる照明光学系、該照明光学系を備えた露光装置及び該露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法を提供することにある。
第1発明による照明光学系は、光源から射出される極端紫外光で照明領域を照明する照明光学系において、照明光学系の瞳位置またはその近傍の位置における光強度分布を補正する光強度分布補正手段を備えることを特徴とする。
この第1発明の照明光学系によれば、照明光学系の瞳位置またはその近傍における悪化している光強度分布を補正することができるため、照明光学系の瞳における光強度分布を適切に設定することができ、照明領域全体にわたる照明条件(各照明ポイントでの角度特性や偏光特性、角度による光強度分布特性等)が適切に設定されるため、良好なる照明が達成できる。従って、この照明光学系を露光装置に用いた場合、照明光学系の瞳(瞳面)の位置またはその近傍の位置、換言すれば、マスクパターン像を感光性基板に形成する投影光学系の瞳(瞳面)と光学的に共役な位置またはその近傍の位置での光強度分布を所望の光強度分布に設定できるため、極端紫外光によりマスク面上の照明領域(ひいては感光性基板面上の露光領域)を適切に照明することができる。この結果、感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成されたより一層微細なパターンを感光性基板上に良好に露光することができる。
また、第2発明の照明光学系は、光源から射出される光束で照明領域を照明する照明光学系において、照明光学系の瞳位置またはその近傍の位置における偏光による光強度分布の悪化を補正する偏光強度分布補正手段を備えることを特徴とする。
この第2発明の照明光学系によれば、照明光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における偏光による光強度分布の悪化を補正することができるため、照明光学系の瞳(瞳面)における偏光による光強度分布を適切に設定することができ、照明領域全体にわたる照明条件(各照明ポイントでの偏光角度特性、角度による偏光光強度分布特性等)が適切に設定されるため、良好なる照明が達成できる。従って、この照明光学系を露光装置に用いた場合、照明光学系の瞳(瞳面)の位置またはその近傍の位置、換言すれば、マスクパターン像を感光性基板に形成する投影光学系の瞳(瞳面)と光学的に共役な位置またはその近傍の位置での光強度分布を所望の光強度分布に設定できるため、照明光によりマスク面上の照明領域(ひいては感光性基板面上の露光領域)を適切に照明することができる。この結果、感光性基板上における解像力、直交した2方向での解像力の差またはコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成されたより一層微細なパターンを感光性基板上に良好に露光することができる。
また、第3発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、例えば上記第1発明または第2発明の照明光学系を備えた露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
この第3発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、露光装置の照明光学系の瞳位置またはその近傍における光強度分布を補正して適切な光強度分布に設定した上でマスクパターンを感光性基板上に露光することができる。この結果、感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、極めて微細な回路パターンを有するマイクロデバイスの製造を高精度に行うことができる。これにより良好なマイクロデバイスを得ることができる。
本発明の照明光学系によれば、照明光学系の瞳位置またはその近傍における光強度分布を適切に補正することができるため、照明領域全体にわたる照明条件(各照明ポイントでの角度特性や偏光特性、角度による光強度分布特性等)が適切に設定されるため、良好なる照明が達成できる。
また、照明光学系の瞳位置またはその近傍における偏光による光強度分布の悪化を補正することができるため、照明領域全体にわたる照明条件(各照明ポイントでの角度特性・偏光角度特性、あるいは角度による光強度分布特性・角度による偏光光強度分布特性等)が適切に設定されるため、良好なる照明が達成できる。従って、この照明光学系を露光装置に用いた場合、照明光学系の瞳(瞳面)の位置またはその近傍の位置、換言すれば、マスクパターン像を感光性基板に形成する投影光学系の瞳(瞳面)と光学的に共役な位置またはその近傍の位置での光強度分布を所望の光強度分布に設定できるため、照明光によりマスク面上の照明領域(ひいては感光性基板面上の露光領域)を適切に照明することができる。この結果、感光性基板上における解像力、直交する2方向での解像力の差またはコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成されたより一層微細なパターンを感光性基板上に良好に露光することができる。
また、本発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、露光装置における照明光学系の瞳位置またはその近傍における光強度分布を補正して適切な光強度分布に設定した上でマスクのパターンを感光性基板上に露光することができる。この結果、感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、極めて微細な回路パターンを有するマイクロデバイスの製造を高精度に行うことができる。これにより良好なマイクロデバイスを得ることができる。
以下、図面を参照して、この発明の第1の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図1は、この第1の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この投影露光装置は、露光光として約5〜40nmの波長のEUV(extreme ultra violet、極端紫外)光を用いて、投影光学系PLに対してウエハWを相対的に移動させつつマスクMのパターンの像を感光性材料(レジスト)が塗布された感光性基板としてのウエハW上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置である。また、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸が図1の紙面の左右方向、Y軸が図1の紙面に垂直な方向、Z軸が図1の紙面の鉛直方向となるように設定されている。
この投影露光装置は、図1に示すように、約5〜40nmの波長のEUV光を射出するレーザプラズマ光源2、及びコリメータミラー12、反射型フライアイ光学系14,16、コンデンサミラー18により構成される照明光学系を備えている。この照明光学系により反射型マスクM上には円弧状の照明領域が形成され、この円弧状に照明された反射マスクMのパターン像が反射型の投影光学系PLにより所定の縮小倍率のもとで感光性基板としてのウエハW上に形成される。この投影光学系PLは複数枚のミラー(4枚、6枚又は8枚等)で構成されたウエハW側がテレセントリックな反射光学系である。ここで、反射型マスクMはマスクステージMSに保持され、ウエハWはウエハステージWSに保持されている。マスクステージMS及びウエハステージWSをZ方向へ互いに反対方向へ移動させることにより、反射型マスクMの全面のパターンがウエハW上の所定のショット領域に形成される。この露光を行うスキャン動作と別のショット領域に露光を行うステップ動作を繰り返すことにより、ウエハW上には多数の露光領域が形成される。
なお、照明光学系を構成するコリメータミラー12、反射型フライアイ光学系(14、16)を構成する各単位ミラー、およびコンデンサーミラー18は、EUV光の反射率を向上させるために、ガラス、セラミックス、金属などからなる基板、およびその基板上に形成されるモリブデン(Mo)及びシリコン(Si)からなる多層膜により構成されている。
レーザプラズマ光源2は、半導体レーザ励起によるYAGレーザ光源またはエキシマレーザ光源等の高出力レーザ光源4、高出力レーザ光源4から射出されるレーザ光を集光する集光レンズ6、レーザプラスマ光源のターゲットとしてのキセノンガス(Xe)やクリプトンガス(Kr)等を噴出するノズル8、発生したEUV光等を集光する集光ミラー10を備えている。
高出力レーザ光源4から射出されたレーザ光は、集光レンズ6により一点に集光され、その集光点にはレーザプラズマ光源のターゲットとしてのキセノンガスやクリプトンガス等がノズル8から噴出されており、そのターゲットが高出力レーザ光源4から射出されるレーザ光のエネルギでプラズマ状態に励起される。そして、これが低ポテンシャル状態に遷移する際にEUV光、波長100nm以上の紫外光、可視光及び他の波長の光を放出する。
放出されたEUV光等は、高出力レーザ光源4から射出されたレーザ光が集光レンズ6により集光される集光点がその第1焦点位置またはその近傍と一致するように配置されている集光ミラー10に入射する。集光ミラー10の内面にはEUV光反射膜、例えばモリブデン(Mo)とケイ素(Si)とが繰返し積層されている多層膜が形成されている。従って、集光ミラー10に入射したEUV光等のうち波長約13nmのEUV光のみが集光ミラー10により反射されて、集光ミラー10の第2焦点位置に集光する。なお、波長約11nmのEUV光により露光を行う場合には、波長約11nmのEUV光のみを反射するEUV光反射膜、例えばモリブデン(Mo)及びベリリウム(Be)からなる多層膜を用いるとよい。
レーザプラズマ光源2からZ方向に射出されたEUV光は、露光光(照明光)として集光ミラー10の第2焦点位置またはその近傍に集光され、その後コリメータミラー12により反射される。
コリメータミラー12により反射されたEUV光は、オプティカルインテグレータとしてのフライアイミラー光学系14,16へ導かれ、フライアイミラー光学系14,16を構成する一方の入射側フライアイミラー14に入射する。入射側フライアイミラー14は、並列に配列された照野と実質的に相似な円弧状の反射面を有する複数の単位ミラーにより構成され、マスクM面及びウエハW面と光学的に共役な位置またはその近傍に配置されている。
入射側フライアイミラー14に入射したEUV光は、入射側フライアイミラー14により反射され、フライアイミラー光学系14,16を構成する他方の射出側フライアイミラー16に入射する。図2は、射出側フライアイミラー16の構成を示す図である。図2に示すように、射出側フライアイミラー16は、並列に配列され矩形(長方形)の形状を有する多数の単位ミラー16aにより構成され、後述する投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍の位置に配置されている。従って、反射型フライアイミラー16の射出側またはその近傍(照明光学系の瞳位置、照明光学系の瞳位置の近傍、投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置、あるいは投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置の近傍の位置)には、反射型フライアイミラーを構成する単位ミラーの数に応じた多数の集光点が形成され、ここには二次光源が形成される。
なお、照明光学系の瞳位置とは、投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置の事を意味し、例えば、主光線が照明光学系の光軸と交差する位置、主光線が照明光学系内の光束の中心を通る基準軸と交差する位置を意味する。
また、射出側フライアイミラー16を構成する各単位ミラー16aの反射面に設けられている多層膜の層数は局所的に異なっており、これらの多層膜の層数は露光装置の光学系を構成する各光学部品の製造誤差や露光装置内の光学系を組み上げる組み立て誤差等により、照明光学系の瞳(瞳面)またはその近傍の位置(換言すれば、投影光学系PLの瞳(瞳面)と光学的に共役な位置またはその近傍の位置)にて悪化する光強度分布を打ち消すような反射率分布を有するように構成されている。従って、射出側フライアイミラー16を構成する各単位ミラー16aの反射面に設けられている多層膜が光強度補正手段として機能し、多層膜の層数に基づく各単位ミラー16aの反射率分布の制御により、各単位ミラー16aの反射面により反射されるEUV光の光強度分布が所望の適切な光強度分布に補正される。
例えば、投影光学系PLの瞳位置または瞳面における光強度分布が図3に示すような光強度分布であった場合において、射出側フライアイミラー16上に設けられる多層膜の構成について説明する。ここで、図3に示す領域E,Ed,Ee,Efの光強度の強さは、光強度が強い方から順に領域Ed,E,Ee,Ef(Ed>E>Ee>Ef)とする。
図3に示す投影光学系PLの瞳位置における光強度分布の不均一性を補正するためには、領域Edの光強度の強さを領域Eの光強度の強さと同一にするために領域Edの光強度を弱くする必要がある。具体的には、図4(a)に示すように、領域Edに対応する射出側フライアイミラー16上の領域Fdの多層膜の層数を、図4(b)に示すように、領域Eに対応する基準領域Fに対して減少させることによりEUV光の反射率を相対的に下げる。また、領域Ee,Efの光強度の強さを領域Eの光強度の強さと同一にするために反射率を大きくする必要がある。具体的には、図4(a)に示すように、領域Ee,Efに対応する射出側フライアイミラー16上の領域Fe,Ffの多層膜の層数を、図4(b)に示すように、領域Eに対応する基準領域Fに対して増大させることによりEUV光の反射率を相対的に上げる。
図4(b)に示すように、投影光学系PLの瞳(瞳面)と光学的に共役な位置またはその近傍の位置(換言すれば、照明光学系の瞳(瞳面)またはその近傍の位置)に配置されている射出側フライアイミラー16の各反射面に形成されるべき多層膜の層数に応じて反射率分布を変更する。
これにより、露光装置の光学系を構成する各光学部品の製造誤差や露光装置内の光学系を組み上げる組み立て誤差等により、二次光源が形成される照明光学系の瞳(瞳面)またはその近傍の位置での悪化する光強度分布を良好に補正でき、ひいては、二次光源像が形成される投影光学系PLの瞳(瞳面)にて悪化する光強度分布を良好に補正できる。
以上においては、図3に示す如く投影光学系PLの瞳面全体での不均一な分布を補正するために、図4に示す如き射出側フライアイミラー16中の単位ミラーの反射率分布を補正した例を示したが、本発明はこれに限る事はない。ここで、射出側フライアイミラー16の射出側面またはその近傍には、反射型フライアイミラー16を構成する単位ミラーの数に応じた多数の集光点(二次光源)が形成される。このため、射出側フライアイミラー16の単位ミラーに形成される補正用の反射膜(多層膜)は、反射型フライアイミラー16により形成される二次光源を完全に均一にすることなく、反射型フライアイミラー16により形成される多数の集光点(二次光源)のピーク強度を等しくするように構成されても良いことは言うまでもない。
このように、コリメータミラー12により反射されてほぼ平行光に変換されたEUV光は、入射側フライアイミラー14の反射作用により集光されて、以上にて説明した補正用の反射膜が形成された射出側フライアイミラー16の射出側には、所望の光強度分布に補正された二次光源が形成される。射出側フライアイミラー16により反射された二次光源からのEUV光は、コンデンサミラー18に入射する。コンデンサミラー18により反射されたEUV光は、所定の回路パターンが形成されている反射型マスクM上を重畳的に均一照明する。
反射型マスクMにより反射されたEUV光は、図示しない複数の結像用反射部材を備える反射型投影光学系PLの瞳において二次光源像を形成し、レジストが塗布された感光性基板としてのウエハW上にマスクMに形成されたパターン像を投影露光する。なお、反射型投影光学系PLの瞳位置またはその近傍には、反射型投影光学系PLの開口数を規定する開口絞りASが設けられている。
また、ウエハWはウエハステージWSに載置されており、ウエハステージWSの一端には、投影光学系PLの瞳における光強度分布を検出する光強度検出装置20が設けられている。光強度検出装置20は、不図示ではあるが、ウエハW面と同一高さに設定されたピンホール板、このピンホール板からのEUV光をほぼ平行光に変換するコリメート光学部材(ミラーやレンズ等)、およびコリメート光学部材からのほぼ平行なEUV光を光電検出する検出器とを備えている。そして、光強度検出装置20内の検出器にてEUV光を光電検出することにより、この投影露光装置が組み立てられた後に生じた投影光学系PLの瞳における光強度分布を検出する。図5は、この投影露光装置を組み立てたときに発生した投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍の光強度分布を打ち消すための反射率分布を有する射出側フライアイミラー16の反射面の多層膜が形成されるまでを説明するためのフローチャートである。
まず、装置組み立て完了後に、ウエハステージWSを2次元的に移動させながら光強度検出装置20により露光領域の各点での投影光学系PLの瞳における光強度分布をそれぞれ検出する(ステップS10)。次に、ステップS10において検出された装置組み立て時に発生した投影光学系PLの瞳位置における光強度分布に基づいて、射出側フライアイミラー16の適切な単位ミラー16aの反射面を選択し、選択された単位ミラー16aの反射面に形成されるべき反射率分布を決定する。即ち、投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍位置にて全体的または局所的に発生している好ましくない光強度分布を打ち消す反射率分布となるように、射出側フライアイミラー16の各単位ミラー16aの反射面上の多層膜の層数をそれぞれ算出する(ステップS11)。
次に、ステップS11において算出された射出側フライアイミラー16の各単位ミラー16aの反射面の多層膜の層数に基づいて、射出側フライアイミラー16の各単位ミラー16aの反射面に多層膜を形成し、各単位ミラー16aにより形成される射出側フライアイミラー16の反射面に反射率分布を付与する(ステップS12)。例えば、ステップ12では、計測時に露光装置内にて設定された射出側フライアイミラー16を露光装置から取り出し、その取り出された射出側フライアイミラー16の各単位ミラー16aの反射面に所望の反射率分布を持つ補正膜(反射膜)を形成する。その後、各単位ミラー16aに補正膜が形成された射出側フライアイミラー16を再び露光装置の照明光路に戻すことにより、ステップ12の工程が完了する。
なお、以上においては射出側フライアイミラー16の各単位ミラー16aの反射率分布を修正して射出側フライアイミラー16の再利用をする例を示したが、計測時に設定された射出側フライアイミラー16と同様なフライアイミラーを用意して、その用意されたフライアイミラーの各単位ミラーの反射率特性を修正しても良い。さらに、ステップ11にて計測された結果に基づいて、各単位ミラーが所望の反射率分布となるようなフライアイミラーを新たに作成しても良い。
ステップ12において、新たに修正された射出側フライアイミラー16が照明光路内の所定位置に設定されることにより、射出側フライアイミラー16の射出面(照明光学系の瞳位置)またはその近傍の位置にて形成される二次光源が所望の光強度分布に設定され、ひいてはこの二次光源位置と光学的に実質的に共役な位置にある投影光学系PLの瞳位置に形成される光強度分布も所望の光強度分布に設定される。これにより、マスクM面やウエハW面全体にわたる照明条件(各照明ポイントでの角度特性、角度による光強度分布特性等)が適切に設定されるため、極めて良好なる露光を達成することができる。
この第1の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、投影光学系の瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍に配置されている射出側フライアイミラーの反射面上の多層膜の層数に基づく反射率分布により、照明光学系の瞳位置またはその近傍あるいは投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍の光強度分布を適切に補正することができる。この結果、投影光学系の瞳位置(瞳面)における光強度分布を所望の適切な光強度分布に設定することができる。従って、照明光(露光光)であるEUV光によりマスク面の照明領域、ひいてはウエハ面の露光領域を適切に照明することができるため、ウエハ面上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成されたより一層微細なパターンをウエハ面上に良好に露光することができる。
なお、この第1の実施の形態にかかる投影露光装置においては、装置を組み立てたときに生じる投影光学系の瞳位置または瞳面における光強度分布を適切に設定するために、各単位ミラーにより構成される射出側フライアイミラーの反射面に所望の反射率分布を付与した例を示したが、装置を使用している間に曇り等の要因により投影光学系の瞳位置(瞳面)での光強度分布が経時的の変化する場合にも、図5に示したステップS10〜S12を実行することが望ましい。この場合、ウエハステージWSの一端に設けられている光強度検出装置20を用いて定期的に投影光学系PLの瞳位置または瞳面での光強度分布を計測し、この計測された光強度分布の悪化が認められた場合、図5に示したステップS10〜S12を実行する。もし、上記の投影光学系PLの瞳位置(瞳面)での光強度分布の経時的な変化を予測できる場合には、予測される光強度分布を設定することのできるフライアイミラーを予め用意して、投影光学系PLの瞳位置(瞳面)での光強度分布の経時的な変化が生じた場合に、予め用意したフライアイミラーに交換すれば良い。
また、この第1の実施の形態にかかる投影露光装置においては、射出側フライアイミラーの各単位ミラーが1種類の多層膜により構成されているが、反射率が異なる2種類以上の多層膜により構成されるようにしてもよい。この場合には、2種類以上の多層膜の反射率に基づく単位ミラーの反射率分布により投影光学系の瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍の位置における光強度分布を良好に補正することができる。また、多層膜の層数及び2種類以上の多層膜の組み合わせに基づく単位ミラーの反射率分布により投影光学系の瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍の位置における光強度分布を補正することができる。なお、この第1の実施の形態では、照明光学系の瞳位置に位置するフライアイミラーにより形成される二次光源に関する光の強度の調整や補正について説明したが、偏光光の強度分布の調整や補正を行うようにしても良い。
次に、図面を参照して、この発明の第2の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図6は、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。なお、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置の構成は、図6に示すように、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の射出側フライアイミラー16の反射面上に形成されている多層膜に代えて、投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布を補正する補正板(補正部材)22を備えている。従って、第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。なお、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍における好ましくない光強度分布を補正する補正板(第1補正部材)22は、射出側フライアイミラー16の近傍に配置されており、照明光路外に配置された図示しない他の補正板(第2補正部材)と交換可能に構成されている。また、補正板22は、図7(b)に示すように、EUV光に対してある程度の透過率を有し、かつ局所的に厚さの異なる物質により形成されている。例えば、EUV光に対してある程度の透過率を持つ物質としては次のような物質がある。無機物として、アルミニウム、ホウ素、インジウム、パラジウム、ジルコニウム、有機物として炭素、ポリカーボネイト等である。またこれらの物質を適切に組み合わせたアルミニウム/炭素、アルミニウム/チタニウム等でも良い。従って、補正板22によって射出側フライアイミラー16に入射する光または射出側フライアイミラー16により反射される光の光強度分布を適切に補正することができ、射出側フライアイミラー16の射出面またはその近傍に形成される二次光源の光強度分布は所望の光強度分布に設定される。即ち、補正板22は、投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布を補正する適切な透過率分布を有しており、照明光学系の瞳面(二次光源)の光強度分布、さらには投影光学系PLの瞳面における光強度分布を適切に設定することができる。
即ち、例えば投影光学系PLの瞳位置または瞳面における光強度分布が図3に示すような光強度分布(領域Ed>E>Ee>Ef)であった場合において、投影光学系PLの瞳位置または瞳面における光強度分布を均一にするためには、領域Edの光強度の強さを領域Eの光強度の強さと同一にするために領域Edの光強度を弱くする必要がある。具体的には、図7(a)に示すように、領域Edに対応する補正板22上の領域Gdの厚さを、図7(b)に示すように、領域Eに対応する基準領域Gに対して厚くすることによりEUV光の透過率を相対的に下げる。また、領域Ee,Efの光強度を領域Eの光強度と同一にするために、これらの領域Ee,Efの光強度を強くする必要がある。具体的には、図7(a)に示すように、領域Ee,Efに対応する補正板22上の領域Ge,Gfの厚さを、図7(b)に示すように、領域Eに対応する基準領域Gに対して薄くすることによりEUV光の透過率を相対的に上げる。
図7(b)に示すように、投影光学系PLの瞳(瞳面)と光学的に共役な位置またはその近傍の位置(換言すれば、照明光学系の瞳(瞳面)またはその近傍の位置)に配置されている補正板22の厚さに応じて透過率分布を変更する。これにより、露光装置の光学系を構成する各光学部品の製造誤差や露光装置内の光学系を組み上げる組み立て誤差等により、二次光源が形成される照明光学系の瞳(瞳面)またはその近傍の位置での悪化する光強度分布を良好に補正でき、ひいては、二次光源像が形成される投影光学系PLの瞳(瞳面)にて悪化する光強度分布を良好に補正できる。
以上においては、図3に示す如く投影光学系PLの瞳面全体での不均一な分布を補正するために、図7に示す如き射出側フライアイミラー16の近傍の位置に補正板22を配置した例を示したが、本発明はこれに限る事はない。ここで、射出側フライアイミラー16の射出側面またはその近傍には、反射型フライアイミラー16を構成する単位ミラーの数に応じた多数の集光点(二次光源)が形成される。このため、補正板22は、反射型フライアイミラー16により形成される二次光源を完全に均一にすることなく、反射型フライアイミラー16により形成される多数の集光点(二次光源)のピーク強度を等しくするように構成されても良いことは言うまでもない。
なお、補正板22が二次光源よりもマスク側の光路に配置される場合には、二次光源の光強度分布は補正されないことになるが、二次光源像が形成される投影光学系PLの瞳位置(瞳面)での光強度分布は、補正板22の作用を十分得ているために、適切に補正される。本発明では、この場合においても、二次光源が形成される位置(照明光学系の瞳位置または投影光学系の瞳位置と光学的に共役な位置)での光強度分布を補正すると考えるものとする。
以上の補正板の製造方法に関しては、図5に示したステップS11、S12を以下のステップに置き換えることで達成できる。
まず、ステップS10にて検出された検出結果に基づき、投影光学系PLの瞳位置(瞳面)での光強度分布が適正な分布に補正できる補正板の適切な透過率分布を求め、その適切な透過率分布となるように補正板の2次元的な厚さの分布を求め、補正板を製造する。補正板の製造のおいては、計測に用いた補正板22を利用できる場合には、露光装置から補正板22を取り出し、所望の厚みの分布を持つように加工が施された補正板22を露光装置の照明光路の所定位置に設定すれば良い。また、新たな補正板を用意して、算出された補正板の透過率分布に基づいて、この用意した補正板を加工し、この加工された補正板を露光装置の照明光路の所定位置に設定しても良い。
また、露光装置を使用するに従い投影光学系PLの瞳位置(瞳面)での光強度分布が光学部材の曇り等の要因により経時的に変化し、この経時的な光強度分布の変化が予測できる場合には、予測される光強度分布の悪化を補正できるような新たな他の補正板(第2補正部材)を予め用意しても良い。そして、投影光学系の瞳位置(瞳面)での光強度分布の経時的の変化が生じた場合に、既に設定されている補正板22の代わりに、予め用意した補正板に交換すれば良い。
この第2の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、投影光学系の瞳位置(瞳面)と光学的に共役な位置またはその近傍に配置されている補正板の厚さに基づく透過率分布により、投影光学系の瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍位置の光強度分布を的確に良好に補正することができ、投影光学系の瞳位置(瞳面)における光強度分布を適切に設定することができる。従って、適切な透過率分布を有する補正板22の設定により、射出側フライアイミラー16の射出面(照明光学系の瞳位置)またはその近傍の位置にて形成される二次光源が所望の光強度分布に設定され、ひいてはこの二次光源位置と光学的に実質的に共役な位置にある投影光学系の瞳位置に形成される光強度分布も所望の光強度分布に設定される。これにより、マスク面やウエハ面全体にわたる照明条件(各照明ポイントでの角度特性、角度による光強度分布特性等)が適切に設定される。このため、マスクに形成された極めて微細なパターンをウエハ面上に忠実に転写でき、極めて良好なる露光を達成することができる。
なお、この第2の実施の形態では、照明光学系の瞳位置にフライアイミラー光学系により形成される二次光源に関する光の強度の調整や補正について説明したが、偏光光の強度分布の調整や補正を行うようにしても良い。
また、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置においては、補正板22を射出側フライアイミラー16の近傍に配置しているが、補正板22と同様の構成を有する補正部材を射出側フライアイミラー16の表面に付着するようにしてもよい。
また、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置においては、補正板の厚さに基づく補正板の透過率分布により投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布を補正しているが、補正板の所定箇所に所定形状の開口を設け、補正板に所定の透過率分布を形成することにより投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布を補正することもできる。また、補正板の厚さ及び所定形状の開口の組み合わせに基づき補正板に所定の透過率分布を付与し、投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布を補正することもできる。
また、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置においては、1種類の物質により構成される補正板を用いているが、透過率が異なる2種類以上の物質により構成される補正板を用いてもよい。この場合には、補正板を構成する透過率が異なる2種類以上の物質に基づく透過率分布により投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布を補正することができる。また、補正板の厚さに基づく透過率分布及び透過率が異なる2種類以上の物質に基づく透過率分布を組み合わせることにより、投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布を補正してもよい。
また、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置においては、射出側フライアイミラー16に入射するEUV光と射出側フライアイミラー16により反射されるEUV光の双方が通過する位置に補正板22を配置しているが、図8の実線に示すように、射出側フライアイミラー16に入射するEUV光の光路中であって、射出側フライアイミラー16により反射されたEUV光の光路外に配置してもよい。また、図8の点線に示すように、射出側フライアイミラー16により反射されるEUV光の光路中であって、射出側フライアイミラー16に入射するEUV光の光路外に配置してもよい。この場合には、射出側フライアイミラー16に入射するEUV光または射出側フライアイミラー16により反射されるEUV光のみに補正板22の透過率分布を作用させることができるため、補正板22に付与する透過率分布を簡便かつ確実に算出することができ、より高精度に投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布を補正することができる。
また、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置においては、1つの補正板を備えているが、投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布を補正するための2つ以上の補正板を備えるようにしてもよい。即ち、2つ以上の補正板の透過率分布を組み合わせることにより、投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布を打ち消すための透過率分布を形成するようにしてもよい。この場合には、1つの補正板による透過率分布の形成より精密な透過率分布を形成することができ、より高精度に投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布を補正することができる。以上においては、図8のように、フライアイミラー16の入射側光路と射出側光路とが重複しない分離されたフライアイミラー16の入射側光路とフライアイミラー16の射出側光路との何れか一方に補正板を配置した例を示したが、双方の光路に補正板を配置して補正量を分担するような構成としても良いことは言うまでもない。
更に、上述の第1の実施の形態にかかる光強度分布補正手段としての射出側フライアイミラーの反射面上に形成されている多層膜、及び第2の実施の形態にかかる光強度分布補正手段としての補正板を組み合わせて用いてもよい。例えば、図9に示すように、射出側フライアイミラー16の反射面上に多層膜を形成し、かつ2つの補正板22a,22bを備えるようにして、補正量を分担するように構成してもよい。即ち、射出側フライアイミラー16の反射面上の多層膜の反射率分布及び補正板22a,22bの透過率分布を組み合わせることにより、投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍位置における光強度分布を補正する。この場合においても、投影光学系の瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍における光強度分布をより高精度に補正することができ、投影光学系の瞳位置における光強度分布を適切なる調整をより高精度に行うことができる。
以上においては、多層膜が各単位ミラー(ミラー要素)に形成されたフライアイミラーと補正板との組み合わせ及び複数の補正板等の複数の補正部材にて補正量を分担することを述べたが、粗調用の補正部材と微調用の補正部材とを組み合わせて補正量を分担するように構成することも可能である。さらに、複数の補正部材の一方においてフライアイミラーの反射率ムラを補正し、他方の補正部材において偏光ムラを補正できるように構成しても良い。
次に、図面を参照して、この発明の第3の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図10は、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。なお、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置の構成は、図10に示すように、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の射出側フライアイミラー16の反射面上の多層膜に代えて、互いに交差する二方向に偏光するEUV光の二つの偏光成分(投影光学系PLの瞳に対するS偏光成分及びP偏光成分)の光強度分布を補正する二つの偏光補正素子(偏光強度分布補正手段)24,26を備えている。また、図10に示すように、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の光強度検出装置20に代えて、投影光学系PLの瞳におけるS偏光成分による光強度分布を検出するS偏光強度検出装置30、投影光学系PLの瞳におけるP偏光成分による光強度分布を検出するP偏光強度検出装置32がウエハステージWSの一端に設けられている。従って、第3の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成の詳細な説明は省略する。なお、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には第1の実施の形態で用いたものと同一の符号を用いて説明を行う。
偏光補正素子24,26は、射出側フライアイミラー16の近傍の位置(照明光学系の瞳面近傍の位置)に配置されており、射出側フライアイミラー16に入射した、または射出側フライアイミラー16により反射された互いに交差する二方向に偏光するEUV光のS偏光成分(第1偏光成分)及びP偏光成分(第2偏光成分)の光強度分布を補正することができる。即ち、投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍の位置におけるS偏光成分による光強度分布、及び投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍の位置におけるP偏光成分による光強度分布を補正することができ、投影光学系PLの瞳位置(瞳面)におけるS偏光成分及びP偏光成分による光強度分布を所望の光強度分布に設定することができる。
また、偏光補正素子24,26は、射出側フライアイミラー16に入射した、または射出側フライアイミラー16により反射されたEUV光のS偏光成分とP偏光成分との間の光強度差を補正することができる。即ち、投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍におけるS偏光成分とP偏光成分との光強度差を補正することができ、投影光学系PLの瞳におけるS偏光成分及びP偏光成分による光強度差を減少させることができる。
図11(a)は偏光補正素子24、図11(b)は偏光補正素子26の構成を示す図である。図11(a)に示すように、偏光補正素子24は、基板24b上にエッチング、スパッタリング等により細線24aを形成した光学素子、または基板24b上にグリッド状に細線24aを刻んで形成した光学素子である。偏光補正素子24は、EUV光がX方向に進行する際に、Z方向に偏光する偏光成分の光強度を維持したままY方向に偏光する偏光成分の光強度を低減する。Y方向に偏光する偏光成分の光強度の低減の量は、細線24aの材質、線間隔、線の太さ及び密度等により調整する。
偏光補正素子26は、図11(b)に示すように、基板26b上にエッチング、スパッタリング等により細線26aを形成した光学素子、または基板26b上にグリッド状に細線26aを刻んで形成した光学素子である。偏光補正素子26は、EUV光がX方向に進行する際に、Y方向に偏光する偏光成分の光強度を維持したままZ方向に偏光する偏光成分の光強度を低減する。Z方向に偏光する偏光成分の光強度の低減の量は、細線26aの材質、線間隔、線の太さ及び密度等により調整する。
例えば、投影光学系PLの瞳におけるS偏光成分の光強度分布、P偏光成分の光強度分布及びS偏光成分とP偏光成分との間の光強度差が図12に示すような光強度分布及び光強度差であった場合について説明する。なお、図12においては、横軸が投影光学系PLの瞳の径方向、縦軸が投影光学系PLの瞳における光強度、Isが投影光学系PLの瞳におけるS偏光成分の光強度、Ipが投影光学系PLの瞳におけるP偏光成分の光強度、Iが投影光学系PLの瞳における光強度(即ち、Is及びIpの平均光強度)を示している。
図12に示すように、投影光学系PLの瞳面におけるS偏光成分の光強度Isは投影光学系PLの瞳面において同一でないため、そのS偏光成分の光強度Isの光強度分布の不均一性を小さくする必要がある。同様に、投影光学系PLの瞳面におけるP偏光成分の光強度Ipは投影光学系PLの瞳面において同一でないため、そのP偏光成分の光強度Ipの光強度分布の不均一性を小さくする必要がある。また、S偏光成分の光強度IsとP偏光成分の光強度Ipとは光強度差が生じているため、S偏光成分の光強度Isを落とすことによりS偏光成分の光強度IsとP偏光成分の光強度Ipとの光強度差を減少させる必要がある。
ここで、図10に示すように紙面方向を振動する直線偏光光をS偏光成分とし、図10の紙面と直交する方向(Z方向)を振動する直線偏光光をP偏光成分とするとき、Y方向に偏光する偏光成分が投影光学系PLの瞳に対するS偏光成分、Z方向に偏光する偏光成分が投影光学系PLの瞳に対するP偏光成分となる。この場合、偏光補正素子24は、投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍におけるS偏光成分の光強度分布を補正することができる(第1偏光強度分布補正手段)。即ち、偏光補正素子24の細線24aの材質、線間隔、線の太さ及び密度等を局所的に調整することにより、S偏光成分の光強度分布及び光強度を調整することができる。従って、投影光学系PLの瞳におけるS偏光成分による光強度分布が図12に示すような光強度分布Isであった場合、偏光補正素子24は、図13に示すように、S偏光成分の光強度分布Isを打ち消す透過率分布Tsを有するように構成される。また、S偏光成分の光強度Isが図12に示すようにP偏光成分の光強度Ipよりも大きいため、偏光補正素子24は、図13に示すように、S偏光成分の透過率TsがP偏光成分の透過率Tpよりも小さくなるように構成される。
また、偏光補正素子26は、投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍におけるP偏光成分の光強度分布を補正することができる(第2偏光強度分布補正手段)。即ち、偏光補正素子26の細線26aの材質、線間隔、線の太さ及び密度等を局所的に調整することにより、P偏光成分の光強度分布及び光強度を調整することができる。従って、投影光学系PLの瞳におけるP偏光成分による光強度分布が図12に示すような光強度分布Ipであった場合、偏光補正素子26は、図13に示すように、P偏光成分の光強度分布Ipを打ち消す透過率分布Tpを有するように構成される。また、P偏光成分の光強度Ipが図12に示すようにS偏光成分の光強度Isよりも小さいため、偏光補正素子26は、図13に示すように、P偏光成分の透過率Tpが小さくならないように、即ちP偏光成分の光強度Ipを維持することができるように構成される。
従って、偏光補正素子24,26は、偏光補正素子24,26を通過するEUV光のS偏光成分とP偏光成分の光強度分布及び光強度差を同時に補正することができる。即ち、投影光学系PLと光学的に共役な位置またはその近傍におけるS偏光成分とP偏光成分の光強度分布及び光強度差を補正することができ、投影光学系PLの瞳位置におけるS偏光成分の光強度分布及びP偏光成分の光強度分布の不均一性及び光強度差を小さくすることができる。
また、偏光補正素子24,26は交換可能に構成されており、この投影露光装置を使用している間に投影光学系PLの瞳における偏光成分による光強度分布の変化が生じた場合、その経時的な投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍における偏光成分による光強度分布の変化を打ち消す透過率分布を有する他の偏光補正素子に交換することができる。この場合には、S偏光強度検出装置30により検出される投影光学系PLの瞳におけるS偏光成分の光強度分布、及びP偏光強度検出装置32により検出されるP偏光成分の光強度分布の大きさの少なくとも一方が好ましくない光強度分布の時には、検出結果に基づいて投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍におけるS偏光成分の光強度分布及びP偏光成分の光強度分布の少なくとも一方を補正するための透過率分布を有する少なくとも1つの偏光補正素子を作成し、偏光補正素子24及び偏光補正素子26の少なくとも一方を作成した新たな偏光補正素子に交換する。
なお、露光装置を使用するに従い投影光学系PLの瞳位置(瞳面)での偏光による光強度分布が光学部材の曇り等の要因により経時的に変化し、この経時的な光強度分布の変化が予測できる場合には、予測される偏光による光強度分布の悪化を補正できるような新たな他の偏光補正素子(24、26)を予め用意しても良い。
この第3の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、投影光学系の瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍における偏光による光強度分布の悪化を適切に補正することができるため、投影光学系の瞳における偏光による光強度分布の大きさを小さくすることができる。従って、照明光(露光光)により照明領域であるマスク面、ひいては露光領域であるウエハ面を適切に照明することができるため、ウエハ面上における互いに直交した二方向での解像力の差やコントラスト等の低下を防止することができ、マスクに形成された微細なパターンをウエハ面上に良好に露光することができる。
なお、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置においては、2つの偏光補正素子24,26により投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍におけるS偏光成分及びP偏光成分による全体的な光強度分布の悪化を補正しているが、1つ以上の偏光補正素子により投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍におけるS偏光成分及びP偏光成分による局所的な光強度分布の悪化を補正することができる。即ち、基板上に局所的に線方向、線の材質、線の間隔、線の太さ及び密度等が異なる様々な細線が形成された偏光補正素子を用いることにより、投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍におけるS偏光成分及びP偏光成分による局所的な光強度分布の悪化を補正することができる。
また、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置においては、射出側フライアイミラー16に入射するEUV光と射出側フライアイミラー16により反射されるEUV光の双方が通過する位置に偏光補正素子24,26を配置しているが、図14の実線に示すように、射出側フライアイミラー16に入射するEUV光の光路中であって、射出側フライアイミラー16により反射されたEUV光の光路外に配置してもよい。また、図14の点線に示すように、射出側フライアイミラー16により反射されたEUV光の光路中であって、射出側フライアイミラー16に入射するEUV光の光路外に配置してもよい。この場合には、射出側フライアイミラー16に入射するEUV光または射出側フライアイミラー16により反射されたEUV光のみに偏光補正素子24,26が有する各偏光成分の透過率分布を作用させることができるため、偏光補正素子24,26に付与される各偏光成分の透過率分布を簡便かつ的確に算出することができ、投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における偏光成分による光強度分布を確実に補正することができる。さらには、射出側フライアイミラー16の入射側光路と射出側の光路とが重複しない双方の光路において、2つの偏光補正素子(24、26)を振り分けて配置しても良い。
また、この第3の実施の形態にかかる投影露光装置においては、2つの偏光補正素子により投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における偏光成分による光強度分布を補正すると共に、互いに交差する二つの偏光成分(S偏光成分及びP偏光成分)の光強度差を補正しているが、3つの偏光補正素子により投影光学系の瞳と光学的に共役な位置またはその近傍における偏光成分による光強度分布を補正し、S偏光成分とP偏光成分との間の光強度差を補正してもよい。
即ち、図15の実線に示すように、S偏光成分とP偏光成分による光強度分布を補正する偏光補正素子24,26及びS偏光成分とP偏光成分との間の光強度差を補正する光強度差補正素子(光強度差補正手段)28を、射出側フライアイミラー16に入射するEUV光の光路中であって、射出側フライアイミラー16により反射されたEUV光の光路外に備えるようにしてもよい。また、図15の点線に示すように、偏光補正素子24,26及び光強度差補正素子28を、射出側フライアイミラー16により反射されたEUV光の光路中であって、射出側フライアイミラー16に入射するEUV光の光路外に備えるようにしてもよい。
この場合には、光強度差補正素子28は、光強度差補正素子28を通過するEUV光のS偏光成分とP偏光成分との間の光強度差を補正する。即ち、投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍におけるS偏光成分とP偏光成分との間の光強度差を補正することができ、投影光学系PLの瞳におけるS偏光成分とP偏光成分との間の光強度差を減少させることができる。この場合には、偏光補正素子24,26は、偏光補正素子24,26を通過するEUV光のS偏光成分及びP偏光成分の光強度分布のみを補正する。即ち、投影光学系PLの瞳と光学的に共役な位置またはその近傍におけるS偏光成分及びP偏光成分の光強度分布を補正することができ、投影光学系PLの瞳におけるS偏光成分及びP偏光成分の光強度分布を適切に設定することができる。なお、偏光補正素子24,26及び光強度差補正素子28は、射出側フライアイミラー16の近傍であって、射出側フライアイミラー16に入射するEUV光と射出側フライアイミラー16により反射されるEUV光の双方が通過する位置に配置されるようにしてもよい。さらには、射出側フライアイミラー16の入射側光路と射出側の光路とが重複しない双方の光路において、3つの補正素子(24、26、28)を振り分けて配置しても良い。
また、以上の実施の形態では、グリッド偏光子(24、26)を瞳面に対して一様な方向に作用する2種類の偏光子を示したが、これを縮小したものを瞳面と共役な照明光学系の部位に複数配置することで、瞳面内の一部分に対してはS偏光に作用し、瞳面の一部分に対してはP偏光に作用するような形状にすることができ、加えて像高ごとに最適な作用が得られるように複数の偏光子を用いることもできる。さらに、複数のグリッド偏光子(24、26)を縮小したものを1枚の補正板に形成しても同様な効果を得ることができる。この場合、全体的な光量損失が多少あるものの、アライメントの点で前述の方法よりも有効である。
なお、上述の各実施の形態にかかる投影露光装置においては、複数の長方形状の単位ミラーにより構成される射出側フライアイミラーを備えているが、図16に示すような複数の円形状の単位ミラーにより構成される射出側フライアイミラーを備えるようにしてもよい。
以上の実施の形態では、互いに直交する方向に偏光する2つの偏光光を代表して、P偏光とS偏光とについて説明したが、本発明はこれに限ることなく、例えば、右回りの円偏光光と左回りの円偏光光との組み合わせ、長径同士または短径同士が直交する楕円偏光光との組み合わせとすることも可能である。
また、以上の各実施の形態において、照明光学の瞳位置(瞳面)や投影光学系の瞳位置(瞳面)にて光強度分布や偏光による光強度分布に傾斜成分が発生している場合には、例えば、光透過率分布に傾斜成分を持つよに、光路を横切る方向にて厚さの変化のある楔状の光学部材を配置して、傾斜成分を補正することも可能である。さらには、照明光学の瞳位置(瞳面)や投影光学系の瞳位置(瞳面)にて発生する光強度分布や偏光による光強度分布の傾斜成分を補正するために、照明光学系を構成する光学部材を傾斜や光路を横切る方向に移動させて補正することも可能である。
また、照明光学の瞳位置(瞳面)や投影光学系の瞳位置(瞳面)にて光強度分布や偏光による光強度分布に凹凸成分(2次成分)が発生している場合には、この凹凸成分(2次成分)を補正し得る光学特性を具備する光学部材を配置しても良く、さらには、照明光学系を構成する光学部材を移動させて補正することも可能である。
また、上述の各実施の形態にかかる投影露光装置においては、EUV光を露光光として用いているが、ArFエキシマレーザ光またはF2レーザ光を露光光とした装置にも適用できることは言うまでもない。
上述の各実施の形態にかかる露光装置では、照明光学系によってレチクル(マスク)を照明し、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板(ウエハ)上に露光することにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて感光性基板としてウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図17のフローチャートを参照して説明する。
まず、図17のステップS301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS303において、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて、マスク上のパターン像が投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップS304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行なわれた後、ステップS305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行なうことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述のマイクロデバイス製造方法によれば、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、極めて微細な回路パターンを有するマイクロデバイスを精度良く得ることができる。なお、ステップS301〜ステップS305では、ウエハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウエハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
また、上述の各実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図18のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図18において、パターン形成工程S401では、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)上に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S402へ移行する。
次に、カラーフィルタ形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、上述の各実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、感光性基板上における解像力やコントラスト等の低下を防止することができ、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスを精度良く得ることができる。
2…レーザ光源、4…高出力レーザ光源、6…集光レンズ、8…ノズル、10…集光ミラー、12…コリメータミラー、14…入射側フライアイミラー、16…射出側フライアイミラー、18…コンデンサミラー、20…光強度検出装置、22…補正板、24,26…偏光補正素子、28…光強度差補正素子、30…S偏光強度検出装置、32…P偏光強度検出装置、AS…開口絞り、M…マスク、PL…投影光学系、W…ウエハ。
Claims (17)
- 光源から射出される極端紫外光で照明領域を照明する照明光学系において、
照明光学系の瞳位置またはその近傍の位置における光強度分布を補正する光強度分布補正手段を備えることを特徴とする照明光学系。 - 前記光強度分布補正手段は、前記照明光学系の瞳位置またはその近傍の位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の照明光学系。
- 入射側フライアイミラー及び射出側フライアイミラーにより構成されるフライアイミラー光学系を備え、
前記光強度分布補正手段は、前記射出側フライアイミラーの反射面またはその近傍に配置されることを特徴とする請求項1記載の照明光学系。 - 前記光強度分布補正手段は、前記射出側フライアイミラーの射出側の光路と重複しない前記射出側フライアイミラーの入射側の光路と、前記射出側フライアイミラーの入射側の光路と重複しない前記射出側フライアイミラーの射出側の光路との少なくとも一方に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の照明光学系。
- 前記光強度分布補正手段は、前記射出側フライアイミラーを構成する複数の単位ミラーのうちの少なくとも1つに対応して設けられた多層膜を備え、
前記多層膜の層数に基づく前記単位ミラーの反射率分布により前記照明光学系の瞳位置またはその近傍における光強度分布を補正することを特徴とする請求項2記載の照明光学系。 - 前記光強度分布補正手段は、前記照明光学系の瞳位置またはその近傍における光強度分布を補正するための補正部材を備え、前記補正部材の厚さに基づく前記補正部材の透過率分布により前記照明光学系の瞳位置またはその近傍における光強度分布を補正することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の照明光学系。
- 前記光強度分布補正手段は、前記照明光学系の瞳位置またはその近傍において、所望の光強度分布を付与する第1補正部材と、前記第1補正部材と交換可能に設けられ前記第1補正部材とは異なる光強度分布を付与する第2補正部材を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の照明光学系。
- 光源から射出される光束で照明領域を照明する照明光学系において、
照明光学系の瞳位置またはその近傍における偏光による光強度分布の悪化を補正する偏光強度分布補正手段を備えることを特徴とする照明光学系。 - 前記偏光強度分布補正手段は、前記照明光学系の瞳位置またはその近傍における前記光束の第1偏光成分の光強度分布、及び前記第1偏光成分の偏光方向と交差する方向に偏光成分を有する第2偏光成分の光強度分布を補正することを特徴とする請求項8記載の照明光学系。
- 前記光束は、極端紫外光により形成される光束であることを特徴とする請求項8または請求項9記載の照明光学系。
- 前記偏光強度分布補正手段は、前記照明光学系の瞳位置またはその近傍に配置されることを特徴とする請求項8乃至は請求項10の何れか一項に記載の照明光学系。
- 入射側フライアイミラー及び射出側フライアイミラーにより構成されるフライアイミラー光学系を備え、
前記偏光強度分布補正手段は、前記射出側フライアイミラーの反射面またはその近傍に配置されることを特徴とする請求項8乃至請求項11の何れか一項に記載の照明光学系。 - 前記偏光強度分布補正手段は、前記射出側フライアイミラーの射出側の光路と重複しない前記射出側フライアイミラーの入射側の光路と、前記射出側フライアイミラーの入射側の光路と重複しない前記射出側フライアイミラーの射出側の光路との少なくとも一方に配置されることを特徴とする請求項12記載の照明光学系。
- 前記偏光強度分布補正手段は、
前記照明光学系の瞳位置またはその近傍における前記第1偏光成分による光強度分布を補正する第1偏光強度分布補正手段と、
前記照明光学系の瞳位置またはその近傍における前記第2偏光成分による光強度分布を補正する第2偏光強度分布補正手段と、
を備えることを特徴とする請求項8乃至請求項13の何れか一項に記載の照明光学系。 - 前記偏光強度分布補正手段は、
前記第1偏光強度分布補正手段により補正された前記第1偏光成分と、前記第2偏光強度分布補正手段により補正された前記第2偏光成分との光強度差を補正する光強度差補正手段を更に備えることを特徴とする請求項14記載の照明光学系。 - 感光性基板上にマスクのパターンを転写する露光装置において、
前記マスクを照明するための請求項1乃至請求項15の何れか一項に記載の照明光学系を備えることを特徴とする露光装置。 - 請求項16記載の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板上に露光する露光工程と、
前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程と、
を含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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JP2007306004A (ja) * | 2006-05-12 | 2007-11-22 | Qimonda Ag | パターンをeuvマスクから基板に投影するための装置およびその方法 |
US7538856B2 (en) | 2007-07-27 | 2009-05-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Illumination optical system and exposure apparatus including the same |
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-
2004
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