JP2006106502A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上下層構造の着色液体の移動を伴う表示装置であって、着色液体の移動応答性能が高い場合でも、同一の表示状態を容易に安定維持することが可能になる低消費電力で高コントラストな見やすい表示装置を提供する。
【解決手段】上下層空間14a,14bの間で着色液体17を移動させるときには、各電極板(1)11a〜(3)11c間に高い電圧(V1)(V3)を印加して強い液体移動力を生じさせ、この液体移動後は低い電圧(V2)(V4)を印加して同じ表示状態を維持するようにしたので、強い外力が加わった場合や着色液体17の移動応答性能が高い場合であっても、表示内容を変えない限りは高い電圧を加える必要なく着色液体17の勝手な移動を阻止することができ、低消費電力で高コントラストな表示装置を実現できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、着色された液体を電極間で移動させて表示を行う表示装置に関する。
従来、低消費電力で表示動作する表示装置としては、液晶表示装置以外でも様々な表示装置が研究されているが、近年では、着色された誘電体の液体を電極間で挟み移動させ、着色の有無を視認させることで表示を行う表示装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
この表示装置は、複数の容器内の一部に着色液体を充填して容器内に気泡を形成し、着色液体を静電力による駆動手段で移動させることに伴い気泡の位置も移動させ、これを視認可能な容器の表示部を画素として用いるものである。
このような着色液体を静電力によって移動させるようにした表示装置では、駆動電圧を下げて省電力化したり、表示切替の応答性能を上げたりするために、着色液体の移動を如何にスムーズに行うかが構造や素材など様々な観点から改良模索されている。
特開平08−254962号公報
しかしながら、前記従来の着色液体を静電力によって移動させるようにした表示装置にあって、当該着色液体の移動がスムーズに行われるように改良すると、表示の切替が応答性良く行われるようになるものの、電圧印加に伴う力の作用だけでなく、熱運動や振動などの外力の影響によっても着色液体が勝手に移動してしまうおそれがあり、表示状態を維持するのが困難になる問題がある。
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、上下層構造の着色液体の移動を伴う表示装置であって、着色液体の移動応答性能が高い場合でも、同一の表示状態を容易に安定維持することが可能になる低消費電力で高コントラストな見やすい表示装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の表示装置では、第2電極と第3電極をゼロ電位とし、第1電極に正電位(第1の電圧)を掛けることで上層空間に電場を与えると、誘電体の着色液体が移動ホールを通して上層空間へ移動されて着色表示の状態となり、この後に第1の電圧より電力量の少ない第2電圧を同第1電極に掛けることで、上層空間へ移動された着色液体は保持され着色表示の維持状態となる。一方、第1電極と第3電極をゼロ電位とし、第2電極に正電位(第1の電圧)を掛けることで下層空間に電場を与えると、誘電体の着色液体が移動ホールを通して下層空間へ移動されて無着色表示の状態となり、この後に第1の電圧より電力量の少ない第2電圧を同第2電極に掛けることで、下層空間へ移動された着色液体は保持され無着色表示の維持状態となる。
これによれば、移動応答性能が高い着色液体であっても、表示内容を変更しないときには、液体移動時に掛ける第1の電圧より電力量の少ない第2の電圧を掛けて着色液体を一方の空間で保持し、着色表示の状態か無着色表示の状態を確実に維持でき、低消費電力で安定動作可能な高コントラストの表示装置を実現できることになる。
本発明の請求項1に係る表示装置によれば、上下層構造の着色液体の移動を伴う表示装置であって、着色液体の移動応答性能が高い場合でも、同一の表示状態を容易に安定維持することが可能になる低消費電力で高コントラストな見やすい表示装置を提供できる。
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の1画素対応の構成を示す断面図である。
図2は、前記第1実施形態に係る表示装置の表示動作を説明するための断面図であり、同図(A)は白色表示状態を示す断面図、同図(B)は黒色表示状態を示す断面図である。
この表示装置は、1画素につき1辺wの正方形の第1電極板(1)11a、第2電極板(2)11bを備え、この第1電極板(1)11aと第2電極板(2)11bとは、この表示画素の周囲を正方形に囲む高さ2d+dmの垂直隔壁(誘電体)12に対応した空間を介して当該画素の表面側と裏面側とに平行にして対向配置される。
この第1電極板(1)11aと第2電極板(2)11bとによる対向空間の中央部分には、当該各電極板(1)11a,(2)11bと同一の大きさの1辺wの正方形の第3電極板(3)11cが平行配置されると共に、この第3電極板(3)11cを間に挟み込んだ1辺w×高さdmの正方形の水平隔壁(誘電体)13が平行配置され、それぞれ高さdの上層空間14aと下層空間14bが形成される。
第3電極板(3)11cおよび水平隔壁13の中心位置には、一辺hw(<<w)の正方形の移動ホール15が設けられ、上層空間14aと下層空間14bとが一部連通される。
前記第1電極板(1)11aは透明電極であり、この第1電極板(1)11aは画素表面を構成するガラス板16により被覆される。また水平隔壁13および垂直隔壁12は、何れも白色に着色される。
そして、上層空間14aおよび下層空間14bからなる一連の空間14a,14bの内部には、当該一連空間14a,14bの容積の略半分の量で黒色に着色した液体(誘電体)17が封入される。
この表示装置では、後述にて説明するように、第1〜第3電極板(1)11a〜(3)11cに対して駆動電圧V1,V2,V3,V4を選択的に印加することで、着色液体(誘電体)17を上層空間14aの側または下層空間14bの側へ移動させ、図2(A)に示すように、下層空間14bの側へ移動させた場合には、画素表面からみて白色表示の状態となり、図2(B)に示すように、上層空間14aの側へ移動させた場合には、画素表面からみて黒色表示の状態となる。
なお、着色液体(誘電体)17を、図2(A)に示すように、下層空間14bの側へ移動させた場合には、移動ホール15の位置に着色液体17の見える状態となるが、当該移動ホール15の面積hw2は白色着色された水平隔壁13の全体面積w2に比較して非常に小さいため、当該水平隔壁13の白色に埋もれて認識されない。
次に、前記構成の第1実施形態の表示装置における表示動作について、より詳細に説明する。
誘電体である着色液体17に電場が掛かると、この液体17は分極する。分極した着色液体17にかかっている電場が一様ではない(空間的に変化している)ところでは、着色液体17はその分極の向きと電場成分の偏微分との関係に応じて電場から力を受ける。
着色液体17の各部分が受ける力の大きさと向きは、着色液体17の各部分の分極を双極子モーメントで近似し、各双極子モーメントの成分とそれぞれの双極子の位置での電場成分の偏微分とから考察できる。
双極子モーメントをP、電場をE、双極子が受ける力をFとしたとき、
F=(P・∇)E
である(P、E、Fはベクトル、∇はナブラ)。
このため、上層空間14a、下層空間14b、移動ホール15の中に適切な電場(電位の変化)を作り出すことで、着色液体17を上層空間14aから下層空間14bへ、あるいは下層空間14bから上層空間14aへと移動させる原動力が得られる。
図3は、前記第1実施形態の表示装置において第2電極板(2)11bと第3電極板(3)11cを0Vとし第1電極板(1)11aに10Vの正電圧(V3)を印加した場合の画素内空間の電位分布イメージを示す図である。
この図3で示した電位分布イメージ図は、画素内空間断面の各点での電位を三次元的に表現した図である。
画素内空間断面の各点での電位は上方向の高さで表され、三次元の図の底面を構成する辺のうち、図示手前側の長辺(横軸)が第2電極板(2)11bに対応する位置であり、当該軸上での電位は0Vとなる。また、図示奥側にあるこれと平行な長辺が第1電極板(1)11aに対応する位置であり、当該軸上での電位は10Vとなる。すなわち、この2つの長辺に直交する短辺に沿う方向に、奥側が上層の電位、手前側が下層の電位、その半分あたりのところが水平隔壁層の電位となる。
上層空間14aでは、第1電極板(1)11aの10Vから第3電極板(3)11cの0V近くへと急激に電位が変化するが、移動ホール15の位置に対応した中央付近の上層部分ではそれより緩やかに電位が変化し、下層部分で更になだらかに変化して第2電極板(2)11bで0Vとなる。そして、移動ホール15の下方あたりを除く下層空間14bの電位はどこも略0Vである。
図4は、前記図3で示した画素内空間の電位分布イメージに対応する電場分布イメージを示す図である。
電場については、電位の傾きから求めることができる。
この図4における3次元の電場分布イメージ図では、上方向の高さが電場の強さ(大きさ・絶対値)を表すもので、第1電極板(1)11a側の上層空間14aの電場は非常に強いが、第2電極板(2)11b側の下層空間14bの電場は非常に弱いことが分かる。
上層空間14aに対応する電場同士を比べると、移動ホール15の上あたりの電場はそれ以外の電場より弱い。移動ホール15の上下方向に対応した電場については、上層空間14a、移動ホール15内、下層空間14bと下に行くほど電場は弱くなる。下層空間14bでは移動ホール15の下から外側にいくほど電場は弱くなり、移動ホール15から離れた水平隔壁の下では電場は殆どない。
すなわち、図2(A)に示すように、最初、着色液体17がすべて下層空間14bにあるときに、図2(B)に示すように、第2電極板(2)11bと第3電極板(3)11cを0Vにして第1電極板(1)に10Vの正電圧(V3)を印加すると、図4で示した電場分布イメージからも分かるように、移動ホール15から離れたところの液体17はほとんど分極しないが、移動ホール15の中と移動ホール15の下とその周辺の液体17が分極する。この着色液体17における分極の大雑把な方向は、図3で示した電位分布イメージから推測可能である。
この際、移動ホール15内の液体17と移動ホール15の下方の液体17には略上向き、また下層の液体17で移動ホール15の下方より外側の液体17には概ね移動ホール15の下方へと向かう力が加わる。これにより移動ホール15にある液体17は上層空間14aへと上がり、また移動ホール15の下方にある液体17は当該移動ホール15へと上がり、さらに移動ホール15下方の外側にある液体17は移動ホール15の下方へと入って行く。
そして、移動ホール15から上層空間14aに上がってきた着色液体17は、同じ原理による力を受けて、その一部は更に上へ、一部は移動ホール15の上から離れて第1電極板(1)11aと水平隔壁13で挟まれた空間の奥へと入って行く。
この際、上層空間14aである水平隔壁13の上に入って来た着色液体17は、そこの強い電場により強く分極はするが、当該電場は端のあたりを除いて略一様なので特には力を受けない。しかし、移動ホール15を介して後から次々と上がって上層空間14aに入って来る着色液体17に押される形で上層空間14aの端の方へと移動して行く。
一方、水平隔壁13の下にある下層空間14bでの大部分の着色液体17については、当該下層空間14bの電場は略零なので殆ど力を受けない。しかし、液体17には表面張力によりひとつになろうとする力が働くので、これら下層部分の液体17も、前記移動ホール15を通り上層空間14aへと移動する液体17に引っ張られて当該移動ホール15の方向へと動いていく。
このように、第2電極板(2)11bと第3電極板(3)11cを0Vにして第1電極板(1)に10Vの正電圧(V3)を印加することにより得られる電場空間と着色液体17の表面張力、および後ろから押される力などの総合作用の結果、全体としての着色液体17は、電場の弱い下層空間14bの領域から電場の強い上層空間14aの領域へと移動して、図2(B)に示すような表示状態に切り替わる。
一方で、図2(B)に示すように、着色液体17がすべて上層空間14aにあるときに、これを全て下層空間14bへと移動させる時には、図2(A)に示すように、第1電極板(1)11aと第3電極板(3)11cに0V、第2電極板(2)11bに10Vの正電圧(V1)を印加すればよく、前記同様の原理によって着色液体17は下層空間14bへと移動して、同図2(A)に示すような表示状態に切り替わる。
そして、この表示装置では、着色液体17を一旦上層空間14aまたは下層空間14bに移動させてしまうと、各電極板(1)11a〜(3)11c間に高い電圧(例えば、V1やV3)を掛けたままにしなくても、その表示状態を維持するのが容易である。
すなわち、例えば各電極板(1)11a〜(3)11cに対する印加電圧を全て0Vにした場合には、表示画素空間内のすべての点で電位は0Vであり電場が無いので、着色液体17は電場から全く力を受けることはないが、次のような力が寄与して上層空間14aまたは下層空間14bに移動しきった着色液体17はその場所に止まろうとする。
通常、液体(17)には表面張力により一つになり丸まろうとする性質があるが、この表示画素空間内の着色液体17の体積はとても小さいのでその影響は大きい。上層空間14aまたは下層空間14bへと移動し終えて一つに纏まった液体17が、移動ホール15を通って再び他方の層の空間へと入り込むには、この表面張力によって一つになり丸まろうとする性質の力に逆らわなければならない。
すなわち、この表示装置における着色液体17の表面張力は、当該液体17が現在の層の空間内に止まろうとする力として寄与する。また、移動ホール15は非常に小さいので、ここを通過する着色液体17は通過摩擦などによる抵抗力を受け、この通過摩擦などによる抵抗力も当該液体17が現在の層の空間内に止まろうとする力として寄与する。さらに、着色液体17は、それが接している上下や横の面との付着力も当該液体17が現在の層の空間内に止まろうとする力として寄与する。
このように、水平隔壁13の移動ホール15を介して上下分離した上層空間14aと下層空間14bのそれぞれにおける着色液体17の表面張力や静止力として働く付着力等の寄与により、通常の重力や熱運動や振動などによる外力が加わった場合でも、この着色液体17が他の層の空間へ勝手に移動してしまうのを阻止することができる。
従って、通常の使用環境において、同じ表示状態を維持するときには、省電力化の観点からも各電極板(1)11a〜(3)11cに高い電圧(例えばV1やV3)を印加しておく必要はない。
一方、通常の使用環境においても、例外的に熱運動や振動などによる大きな外力が加わった場合、同じ表示状態を維持するときであっても各電極板(1)11a〜(3)11cに全く電圧を印加しないと、着色液体17が勝手に移動してしまう可能性がある。
このため、この表示装置では、図5に示すように、着色液体17の移動によって表示の切替を行うときだけ各電極板(1)11a〜(3)11c間に高い電圧(例えばV1やV3)を印加し、液体移動後にその表示状態を維持するときには、着色液体17のある空間の電極板間にのみ低い電圧(例えばV2やV4)を印加して、省電力性能を保ちつつ着色液体17を同空間内に保持し勝手な移動を阻止する。
図5は、前記第1実施形態の表示装置の表示動作に伴う電圧印加状態を示すタイミングチャートである。
すなわち、図2(B)で示したように、着色液体17を上層空間14aへ移動させて黒色表示を行うときには、タイミングt1で示すように、第1電極板(1)11aと第2電極板(2)11b(および第3電極板(3)11c)との間に高い正電圧V3を印加して着色液体17を下層空間14bから上層空間14aへ高速且つスムーズに移動させる。
そして、前記着色液体17を上層空間14aへ移動させた後の黒色表示状態を維持するときには、タイミングt2で示すように、当該上層空間14aを挟む第1電極板(1)11aと第2電極板(2)11b(および第3電極板(3)11c)との間に低い正電圧V4を印加して着色液体17を確実に上層空間14aに保ち黒色表示状態を維持する。
また、図2(A)で示したように、着色液体17を下層空間14bへ移動させて白色表示を行うときには、タイミングt3で示すように、第2電極板(2)11bと第1電極板(1)11a(および第3電極板(3)11c)との間に高い正電圧V1を印加して着色液体17を上層空間14aから下層空間14bへ高速且つスムーズに移動させる。
そして、前記着色液体17を下層空間14bへ移動させた後の白色表示状態を維持するときには、タイミングt4で示すように、当該下層空間14bを挟む第2電極板(2)11bと第1電極板(1)11a(および第3電極板(3)11c)との間に低い正電圧V2を印加して着色液体17を確実に下層空間14bに保ち白色表示状態を維持する。
なお、この表示装置は、白色表示/黒色表示に応じて着色液体17を移動させる空間を、水平隔壁13の移動ホール15を介して上下分離した上層空間14aと下層空間14bとしたので、その空間が横に設けられている場合に比べて、表示として利用できる面積(開口率)を大きくとることができる。
したがって、前記構成の第1実施形態の表示装置によれば、上下層空間14a,14bの間で着色液体17を移動させるときには、各電極板(1)11a〜(3)11c間に高い電圧(V1)(V3)を印加して強い液体移動力を生じさせ、この液体移動後は低い電圧(V2)(V4)を印加して同じ表示状態を維持するようにしたので、強い外力が加わった場合や着色液体17の移動応答性能が高い場合であっても、表示内容を変えない限りは高い電圧を加える必要なく着色液体17の勝手な移動を阻止することができ、低消費電力で安定動作可能な高コントラストで見やすい表示装置を実現できる。
また、前記構成の第1実施形態の表示装置によれば、表示変化に伴い着色液体(誘電体)17の移動を開始する前の状態において、移動ホール15の中にまで黒色液体17が入る構成としたので、移動ホール15内の電場から発生する比較的強い力を移動開始最初から利用でき、着色液体17全体の移動を速くすることができる。
また、各電極板11a,11b,11cを上層と下層を分離構成する広い領域に面して設けたので、当該各電極板11a,11b,11cの面積を広く、各電極板11a,11b,11c間の距離を狭くでき、強い電場を広い領域に作り出すことができる。
また、着色液体(誘電体)17の移動先の層の電極板から出た電気力線の一部が、移動ホール15を通って移動元の層へと抜けて、当該移動元の層の電極板に広がりながら到達するように構成したので、移動元の層では液体17を移動ホール15へと導く力を、移動先の層では液体17を移動ホール15から離れる方向へと導く力を、それぞれ簡単に生み出すことができる。
なお、前記第1実施形態の表示装置では、図5のタイミングt2またはタイミングt4で示したように、着色液体17を移動後の一方の空間にて保持し同じ表示状態を維持するときには、液体移動時より大幅に低い電圧V2またはV4を連続的に印加するものとして構成したが、次の図6に示すように、液体移動時t1またはt3と同じ電圧レベルV1またはV3であっても、これをパルス状に印加することで、省電力性能を保ちつつ着色液体17の勝手な移動を阻止する構成としてもよい。
図6は、前記第1実施形態の表示装置の表示動作に伴う電圧印加状態の変形例を示すタイミングチャートである。
なお、図6で示したように、同じ表示状態を維持するときにパルス状にして印加する高い電圧レベルV1またはV3を、同パルス状の低い電圧レベルV2またはV4として、さらなる省電力化を図る構成としてもよい。
なお、前記第1実施形態の表示装置において、移動ホール15を設ける位置は水平隔壁13および第3電極板(3)11cの中央でなくてもよい。移動ホール15の大きさや形状は異なっていてもよい。移動ホール15は複数あってもよい。
また、上層空間14aと下層空間14bの形状が異なっていても、その空間容量が同じであればよい。
また、第1電極板(1)11aの下面や第2電極板(2)11bの上面に、着色液体17との間に入る誘電体の層を設けてもよい。
また、前記第1実施形態の表示装置では、第3電極板(3)11cは水平隔壁13の中に挟み込むようにして設けたが、水平隔壁13の上面や下面に設けてもよい。
また、前記第1実施形態の表示装置において、表示画素の平面形状は正方形として構成したが、長方形など他の形状であってもよい。
また、電極板の数は3つに限定されるものではなく、着色液体(誘電体)17を上層空間14aと下層空間14bとの間で電場の強さの違いにより移動させるものであれば、それ以上の極板数あるいはそれ以下の極板数であってもよい。
また、前記第1実施形態の表示装置では、各電極板(1)11a〜(3)11cは何れも表示領域にぴったり当て嵌まる面積として構成したが、表示領域より狭い面積でもよい。あるいは、表示領域より広い面積として垂直隔壁12に食い込むように構成してもよく、特に、第3電極板(3)11cを大きくして着色液体17の移動先の層から移動元の層に外側から電場が入り込むのを防ぐ構成としてもよい。
なお着色液体(誘電体)は青、赤等の黒以外の色の着色であって良いし、水平、垂直の隔壁も白以外の色で着色されても構わない。
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の1画素対応の構成を示す断面図であり、同図(A)は黒色表示状態を示す断面図、同図(B)は白色表示状態を示す断面図である。
この第2実施形態の表示装置において、前記図1、図2で示した第1実施形態の表示装置と同一の構成部分については、それと同一の符号を付してその説明を省略する。
この第2実施形態の表示装置では、一辺wの正方形の第1電極板(1)11aと第2電極板(2)11bとに挟まれて上層空間14aと下層空間14bとを分離する水平隔壁(誘電体)13′および第3電極板(3)11c′を、縦×横がw×(w−hw′)の長方形として表示領域の一方の側の垂直隔壁12の内側面に寄せて配置し、移動ホール15′は縦×横がw×hw′の細長い長方形の連通孔として表示領域の他方の端の垂直隔壁12の内側面に沿わせて設ける。
また、第2実施形態の表示装置では、前記第1実施形態の表示装置とは逆に、水平隔壁13′を黒色とし、着色液体(誘電体)17′を白色の液体17′として、図7(B)に示すように、着色液体17′を上層空間14aに移動させた状態で白色表示、図7(A)に示すように、下層空間14bに移動させた状態で黒色表示とする。これにより、移動ホール15′の面積が第1実施形態の移動ホール15に較べて細長く広くても、着色液体17′を下層空間14bに移動させた黒色表示の際には、当該移動ホール15′に対応した部分は表示領域の端の垂直隔壁12の白色壁面に沿った白色となるので目立つことはない。
なお、この第2実施形態の表示装置において、着色液体17′を上下層空間14a,14bの間で移動させるときと、液体移動後に一方の空間14a(14b)にて着色液体17′を保ち同じ表示状態を維持するときには、前記図5または図6で示した第1実施形態の表示装置の場合と同様に駆動電圧を印加することになるが、当該図5および図6で示す(黒色表示)の記載と(白色表示)の記載とを入れ替えて見ればよい。
図8は、前記第2実施形態の表示装置において第2電極板(2)11bと第3電極板(3)11c′を0Vとし第1電極板(1)11aに10Vの正電圧(V3)を印加した場合の画素内空間の電位分布イメージを示す図である。
図9は、前記図8で示した画素内空間の電位分布イメージに対応する電場分布イメージを示す図である。
図8、図9にて示す通り、この際の電場は、第3電極板(3)11c′の上層側で最も強く、同第3電極板(3)11c′の下層側では殆どゼロとなり、移動ホール15′を含めたその上下やその近傍には、上層の強い電場と下層の略ゼロの電場をなだらかにつなげるように傾きを持った電場となる。
また、上層側において、移動ホール15′の上方近辺では当該移動ホール15′から横にずれるほど電場は強くなり、下層側において、移動ホール15′の下方近辺では逆に当該移動ホール15′から横にずれるほど電場は弱くなる。
この場合に、着色液体17′は、前記第1実施形態で述べたのと同じ原理の力を受け、結果として電場の弱い領域から強い領域へと動いて最終的に上層空間14aへ移動し、その着色である白色を表示する。
すなわち、図7(B)で示したように、着色液体17′を上層空間14aへ移動させて白色表示を行うときには、タイミングt1で示すように、第1電極板(1)11aと第2電極板(2)11b(および第3電極板(3)11c′)との間に高い正電圧V3を印加して着色液体17′を下層空間14bから上層空間14aへ高速且つスムーズに移動させる。
そして、前記着色液体17′を上層空間14aへ移動させた後の白色表示状態を維持するときには、タイミングt2で示すように、当該上層空間14aを挟む第1電極板(1)11aと第2電極板(2)11b(および第3電極板(3)11c′)との間に低い正電圧V4を印加して着色液体17′を確実に上層空間14aに保ち白色表示状態を維持する。
また、図7(A)で示したように、着色液体17′を下層空間14bへ移動させて黒色表示を行うときには、タイミングt3で示すように、第2電極板(2)11bと第1電極板(1)11a(および第3電極板(3)11c′)との間に高い正電圧V1を印加して着色液体17′を上層空間14aから下層空間14bへ高速且つスムーズに移動させる。
そして、前記着色液体17′を下層空間14bへ移動させた後の黒色表示状態を維持するときには、タイミングt4で示すように、当該下層空間14bを挟む第2電極板(2)11bと第1電極板(1)11a(および第3電極板(3)11c′)との間に低い正電圧V2を印加して着色液体17′を確実に下層空間14bに保ち黒色表示状態を維持する。
このような構成にした第2実施形態の表示装置によれば、前記第1実施形態の表示装置と同様に、上下層空間14a,14bの間で着色液体17′を移動させるときには、各電極板(1)11a〜(3)11c間に高い電圧(V1)(V3)を印加して強い液体移動力を生じさせ、この液体移動後は低い電圧(V2)(V4)を印加して同じ表示状態を維持するようにしたので、強い外力が加わった場合や着色液体17′の移動応答性能が高い場合であっても、表示内容を変えない限りは高い電圧を加える必要なく着色液体17′の勝手な移動を阻止することができ、低消費電力で安定動作可能な高コントラストで見やすい表示装置を実現できる。
またそればかりでなく、この第2実施形態の表示装置によれば、移動ホール15′を奥行き方向に長い長方形としたため、当該移動ホール15′の何処でも略同様の電場状況が得られ、着色液体17′に対し、より大きな力を与えて効率的に該液体17′を移動させることができる。
また、この第2実施形態の表示装置によれば、移動ホール15′を表示領域の端に沿って設けているので、上層空間14aおよび下層空間14bでの着色液体17′の移動は同一空間内の全液体17′が一方向への移動となり、液体同士の押し合いや引き合いを避け、より効率的に該液体17′を移動させることができる。
なお、移動ホール15′を設けた側の垂直隔壁12に対し、第1電極板(1)11aと第2電極板(2)11bとを食い込ませて構成すれば、着色液体17′に対しより強い電場による力を与えることができ、さらに高速に該液体17′を移動させることができる。
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
本発明の第1実施形態に係る表示装置の1画素対応の構成を示す断面図。 前記第1実施形態に係る表示装置の表示動作を説明するための断面図であり、同図(A)は白色表示状態を示す断面図、同図(B)は黒色表示状態を示す断面図。 前記第1実施形態の表示装置において第2電極板(2)11bと第3電極板(3)11cを0Vとし第1電極板(1)11aに10Vの正電圧を印加した場合の画素内空間の電位分布イメージを示す図。 前記図3で示した画素内空間の電位分布イメージに対応する電場分布イメージを示す図。 前記第1実施形態の表示装置の表示動作に伴う電圧印加状態を示すタイミングチャート。 前記第1実施形態の表示装置の表示動作に伴う電圧印加状態の変形例を示すタイミングチャート。 本発明の第2実施形態に係る表示装置の1画素対応の構成を示す断面図であり、同図(A)は黒色表示状態を示す断面図、同図(B)は白色表示状態を示す断面図。 前記第2実施形態の表示装置において第2電極板(2)11bと第3電極板(3)11c′を0Vとし第1電極板(1)11aに10Vの正電圧を印加した場合の画素内空間の電位分布イメージを示す図。 前記図8で示した画素内空間の電位分布イメージに対応する電場分布イメージを示す図。
符号の説明
11a…第1電極板(1)
11b…第2電極板(2)
11c、11c′…第3電極板(3)
12 …垂直隔壁(誘電体)
13、13′…水平隔壁(誘電体)
14a…上層空間
14b…下層空間
15、15′…移動ホール
16 …ガラス板
17、17′…着色液体(誘電体)

Claims (4)

  1. 水平隔壁を介して1画素単位で上下分離された上層空間および下層空間と、
    前記上層空間に設けられた第1電極と、
    前記下層空間に設けられた第2電極と、
    前記水平隔壁に内蔵された第3電極と、
    前記上層空間と下層空間とを連通させる移動ホールと、
    前記空間内に封入され、前記第1乃至第3電極に対し選択的に電圧を掛けることにより、前記移動ホールを通して前記上層空間または下層空間の何れか一方の空間に移動する濡れ特性の高い誘電体の着色液体と、
    この着色液体を前記上下層空間の間で移動させるときに前記各電極間に第1の電圧を印加する液体移動時電圧印加手段と、
    前記着色液体を前記上下層空間の何れか一方の空間で保持するときに前記各電極間に前記第1の電圧より電力量の少ない第2の電圧を印加する液体保持時電圧印加手段と、
    を備えたことを特徴とする表示装置。
  2. 前記液体保持時電圧印加手段は、前記第1の電圧より低い第2の電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記液体保持時電圧印加手段は、前記第1の電圧をパルス状にした第2の電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記液体保持時電圧印加手段は、前記第1の電圧より低いパルス状にした第2の電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
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