JP2006106400A - 吸音材 - Google Patents

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勲 渡邉
Toshio Takada
利夫 高田
Masako Katagiri
真子 片桐
Takeshi Hirohata
健 広畑
Satoshi Okaichi
敏 岡市
Yoshiharu Teragishi
義春 寺岸
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Abstract

【課題】低周波数域でも優れた吸音効果を示す安全な吸音材、及びそれを製造するための組成物を提供する。
【解決手段】紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物と、不燃性又は難燃性バインダーとを含む吸音材。特に、段ボール紙解砕物が好ましく使用できる。紙及び/又は植物体の解砕物は、構成繊維長さが2〜15mmであるように解砕されたものであることが好ましい。不燃性又は難燃性バインダーとしては、セメント系バインダーが好ましく挙げられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅、事務所、学校、劇場、ホール、スタジオ、カラオケルーム、工場などの建材;又はトンネル、地下道、高速道路などの防音壁などとして用いられる吸音材、それを用いた吸音板、及びそれを製造するための組成物に関する。
吸音材は、音のエネルギーが入射した際に、それを振動を伴った熱エネルギーに変換することにより、その一部を吸収する効果を奏する材料である。従来、吸音材としては、廃ガラスや無機質粒子等を粒度調整して得られる多孔質ボード、ロックウールやグラスウールのような繊維状物質を圧縮して連続空隙構造を有する材料にしたものが多用されている。
しかしながら、このような無機繊維類は、使用時および廃棄時に人体に取り込まれることにより有害物質となることが懸念されており、環境負荷の観点から好ましくないだけでなく、将来的に継続的使用が困難になる可能性が高い。
また、無機質粒子からなる多孔質ボードは、強度、不燃性等の面で優れるが、成形物の比重が大きい。建材は作業上軽量であることが望まれるため、このような比重の大きい吸音材は建材としては使い難い。
さらに、上記のように細かい空隙を有する多孔質吸音材においては、ヒトの耳の感度が最も良いとされる2kHz〜4kHzの周波数域における吸音効果は高いものの、低〜中音域の吸音特性は小さいことが知られている。そのため、厚みや密度を増したり、背面に空気層を設けることで吸音効果をカバーすることも多い。
また、合板や鉄板のような材料に多数の貫通孔を設けた共鳴構造体材料では、その共振周波数で吸音効果が大きくなる。また、材料の重量が大きいほど、また背後空気層が厚いほど低音域の吸音効果が高くなるが、重くなったり嵩高になったりするため建材としての実用性は低い。
また、特許文献1は、粉砕した古紙を接着剤で結合してシート状に成形乾燥した後切断ないし破断して得られたブロック状の塊又は粒状物をさらに接着剤で結合して所定の形状に成形した古紙成形品を吸音材として使用することを開示している。この吸音材は、多数の空隙の存在により吸音効果を奏するものである。
また特許文献2は、コルクや、木毛、木材繊維、竹繊維などを高密度に圧縮し、難燃剤を染み込ませたものを吸音材として使用することを開示している。
しかし、特許文献1及び2が教える吸音材は、吸音周波数域が狭い。また、製造工程数が多く、大型プレスを必要とするなど製造効率が悪い。
さらに、市場に出回っている吸音材は、脆かったり、高価であるものが多い。
特開平5-178370号公報(請求項1など) 特開2004-011399号公報(段落0023、0030など)
本発明は、高周波数域においてグラスウールに匹敵する吸音性能を有し、かつ低〜中音域において優れた吸音性能を有する安全な吸音材、それを用いた吸音板、及びそれらを製造するための組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは研究を重ね、紙の解砕物、及び/又は植物体の解砕物をセメント系バインダーのような不燃性又は難燃性バインダーで固めて成形したものは、100Hz〜1kHz程度の低〜中音域において、高い吸音率を有することを見出した。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の吸音材、吸音板、及び吸音材製造用組成物を提供する。
項1. 紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物と、不燃性又は難燃性バインダーとを含む吸音材。
項2. 上記解砕物が紙の解砕物である項1に記載の吸音材。
項3. 上記解砕物が、構成繊維長さが2〜15mmとなるように解砕されたものである項1又は2に記載の吸音材。
項4. 不燃性又は難燃性バインダーが、セメント系バインダー、水ガラス系バインダー、又は第一リン酸金属塩/水溶性フェノール樹脂系バインダーである請求項1、2又は3に記載の吸音材。
項5. 不燃性又は難燃性バインダーがセメント系バインダーである項4に記載の吸音材。
項6. 紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物100重量部に対して、セメント系バインダーを100〜700重量部含む項5に記載の吸音材。
項7. 多孔質である項1〜6のいずれかに記載の吸音材。
項8. 不燃性又は難燃性バインダーがセメント系バインダーであり、みかけ比重が0.1〜1.1である項7に記載の吸音材。
項9. 一対の板状部材間に項1〜8のいずれかに記載の吸音材が挟持されてなる吸音板。
項10. 紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物と、不燃性又は難燃性バインダー原料とを含む吸音材製造用組成物。
項11. 紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物が紙である項10に記載の吸音材製造用組成物。
項12. 上記解砕物が、構成繊維長さが2〜15mmとなるように解砕されたものである項10又は11に記載の吸音材製造用組成物。
項13. 不燃性又は難燃性バインダーがセメント系バインダーである項10、11又は12に記載の吸音材製造用組成物。
項14. 植物材料解砕物100重量部に対して、セメント系バインダー原料を100〜700重量部含む項10〜13のいずれかに記載の吸音材製造用組成物。
本発明によれば、低周波数域で広く優れた吸音効果を示す安全な吸音材、及びそれを製造するための組成物が提供された。
詳述すれば、本発明の吸音材は、空隙構造を有する従来の吸音材と異なり、100Hz〜1kHzの周波数域内で、従来の代表的な吸音材であるグラスウールに比べて高い吸音効果を示す。
また本発明の吸音材は、無機粒子又は無機繊維のような人体や環境負荷の大きい材料を用いないため、安全である。
また、建材は作業効率上、軽量であることが求められるところ、本発明の吸音材は、紙や植物体のような軽量な材料を含むため比較的比重が小さく、建材としての実用性が高い。
また、建材は大量に使用するため安価であることが求められるところ、本発明の吸音材は、紙や植物及び不燃性又は難燃性バインダーという非常に安価な材料で構成されているため、建材としての実用性が高い。特に、古紙の解砕物や廃木を使用するときには、資源のリサイクルの観点からも好ましい。
また、本発明の吸音材は、紙や植物体を大量に含むため、加工し易く、例えばカッターナイフ等で簡単に切断することができる。
また、本発明の吸音材は、紙や植物体の繊維を含むために、耐衝撃性に優れ、割れ難い。即ち、撓み率が非常に高く、例えばJIS K6911に規定されるシャルピー衝撃試験法やアイゾット衝撃試験法で測定できないほどである。換言すれば、本発明の吸音材は靭性値が極めて高く、建材や土木材料としての価値が高い。
さらに、本発明の吸音材は、断熱性にも優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(I)吸音材
本発明の吸音材は、紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物と、不燃性又は難燃性バインダーとを含む。

紙の種類は特に限定されない。洋紙、和紙、唐紙などのいずれであってもよい。洋紙は塗工紙、非塗工紙のいずれであってもよい。洋紙としては、新聞用紙、上級印刷用紙、中級印刷用紙、低級印刷用紙、薄葉印刷用紙、微塗工印刷用紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙、キャストコート紙、エンボス紙、色上質紙、官製はがき用紙、ノンカーボン紙、感光紙、フォーム紙、PPC用紙、感熱紙、更クラフト紙、未晒包装紙、晒し包装紙、ティッシュペーパー、ちり紙、トイレットペーパー、タオル用紙、化粧用紙、壁紙、積層板紙、接着紙、食品容器紙、電気絶縁紙、書道用紙、段ボール紙、ボール紙などが挙げられる。和紙としては、麻紙、雁皮紙、穀紙などが挙げられる。唐紙としては、宣紙、竹紙、唐紙などが挙げられる。
中でも、強度(特に曲げ強度)が大きい点、及び空隙率が大きいために吸音効果が高くなる点で、段ボール紙及び和紙が好ましい。中でも、低コストである点、大量生産されているため入手し易い点、及び品質が安定している点で段ボール紙がより好ましい。段ボール紙の解砕物は複雑に入り組んだ形状を採っているため、バインダーを硬化させる際に段ボール解砕物の内部にまでバインダーが入り込まず、その結果、解砕物周囲に気泡が形成される。この気泡の存在により、吸音効果が向上するとともに、軽量化される。また紙は何度も再生して利用されるところ、段ボール紙は通常古紙から製造されるため、段ボール紙を使用することは資源の有効利用の点でも非常に好ましい。
さらに、紙は古紙であってもよい。古紙の使用は、省資源及び製造コストの観点から好ましい。具体的には、古新聞、古段ボール、古雑誌、古電話帳、オフィスから発生する書類、古襖、古障子などが好ましく利用できる。
紙は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用できる。
植物体
植物は、有胚植物と無胚植物とに大別される。有胚植物のうち、センタイ類を除いたものが、維管束を有する維管束植物であり、種子植物とシダ類とがこれに属する。維管束植物は、茎、根、及び葉から構成されている。本発明においては、植物体の解砕物であれば制限なく使用できるが、特に、シダ類以外の維管束植物が好ましい。維管束植物体としては、茎、根、葉、及びこれらの任意の混合物を用いることができるが、特に繊維含有量が多く、吸音材の破壊靭性値を高めることができる点で茎を用いることが好ましい。また、維管束植物の中では、木本植物及び草本植物のいずれを用いてもよいが、繊維の強度が高い点で、通常「木材」と称される木本植物の茎を用いることが好ましいが、タケ、ササなどのイネ科植物のような草本植物の茎を用いることもできる。
具体的には、木材としては、解体家屋から発生する廃木、間伐材、切り落とされた街路樹の幹や枝、材木工場から廃棄される木クズやオガクズなどを使用することが、資源の有効利用のために好ましい。
植物体は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用できる。
紙及び/又は植物体の解砕物
紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物の中では、紙解砕物が好ましい。
紙及び/又は植物体の解砕物は、機械的に解砕されたものであってもよく、又は、機械的に粗粉砕されたものを、水又は水酸化ナトリウム水溶液、アルミン酸ナトリウム水溶液のようなアルカリ水溶液中で攪拌することにより解砕して得られるものであってもよい。
水又はアルカリ水溶液中で紙や植物体の粗粉砕物を攪拌することにより、紙中の糊剤ないしは粘着剤や植物体のセルロース繊維を結着しているリグニンなどが除去されて、効率良く紙や植物体の解砕物が得られる。特に、水100重量部に対して、水酸化ナトリウム2〜7.5重量部程度、アルミン酸ナトリウム水溶液1.5〜7.5重量部程度を添加したアルカリ性水溶液を用いて解砕することにより、効率よく、紙や植物体を解砕することができる。紙及び/又は植物体の解砕物を水などを用いて解砕した場合、水分を軽く除去して、又は乾燥した後、バインダーと混合すればよい。
紙及び/又は植物体の解砕物は、完全に粉末状になったものよりも部分的に解砕、破砕、又は分解されたものの方が好ましい。これは、粉末状の解砕物を用いると、同じ体積の吸音材を得るのにバインダーがより多く必要になり不経済だからである。また、部分的に解砕されたものを用いる方が吸音材の空隙率が高くなり、吸音材内部の音の乱反射により見掛の吸音率が向上するからである。解砕物の形状は、通常不定形である。解砕物の大きさは、例えば、繊維長さが2〜15mm程度、好ましくは3〜10mm程度、さらに好ましくは3〜7mm程度であるような大きさであることが好ましい。
繊維束は、完全にモノフィラメントまで分解されていてもよく、ランダムに接着されたままでもよいが、1〜100本程度ランダムに接着されたままであることが好ましい。これは、同じ体積の吸音材を得るのにより少ない量のバインダーで足りるからであり、またこのようにバインダー使用量が少ないと、硬化時の収縮率が小さく寸法精度が良くなるからである。さらに、フィラメントがランダムに接着されたままのものを用いる方が吸音材の空隙率が高くなり、音の乱反射により見掛の吸音率が向上するからである。
不燃性又は難燃性バインダー
本発明の吸音材が建材として使用されることが多いことを考慮すると、吸音材自体が難燃性又は不燃性であることが望まれる。このため、本発明においては、バインダーとして不燃性又は難燃性バインダーを使用する。このようなバインダーとしては、無機バインダー又は有機無機ハイブリッドバインダーが挙げられる。また、安価に製造するために、成形して脱型する一連の工程において加熱を要さないものが望ましい。
好ましい無機バインダーとして、各種セメント系バインダーや、水ガラス系バインダーが挙げられ、好ましい有機無機ハイブリッドバインダーとしては、第一リン酸金属塩(亜鉛塩、カルシウム塩、アルミニウム塩など)/水溶性フェノール樹脂系バインダーが挙げられる。本発明の吸音材中には、これらのバインダーは硬化した状態で含まれる。
中でも、安価である、不燃性である、高強度である、硬化速度が速いなどの点で、セメント系バインダーを用いることが好ましい。本発明において、セメント系バインダーとは、セメント、骨材、水、及び混和材料等を混合して硬化させたいわゆるコンクリートをいう。セメントの種類は特に限定されず、例えば、超速硬セメント、ポルトランドセメントシリカセメント、フライアッシュセメント、高炉セメントなどの公知のセメントを制限なく用いることができる。中でも、速く硬化するために成型サイクルを向上させることができる点で、超速硬セメントが好ましい。超速硬セメントとしては、アルミナセメント、アーウィンセメント、ポルトランドセメントにおいてカルシウム・フルオロアルミネートを含むクリンカー、無水石膏及び微量の添加剤を含むセメント(例えば、太平洋社製スーパージェットセメント)等が挙げられる。
本発明のセメント系バインダーには、AE剤、AE減水剤、フライアッシュなどの公知のセメント混和材料が含まれていてよい。本発明のセメント系バインダーには、この他、炭酸リチウムのような硬化促進剤、リン酸系化合物のような効果遅延剤などの公知のセメント添加物が含まれていてもよい。
その他
本発明の吸音材は、気泡ないしは細孔を多く含む多孔質のものが軽量化および吸音効果の点で有利である。気泡ないしは細孔は、吸音材を製造するための組成物中に界面活性剤を含ませておくことにより形成することができる。また、段ボール紙のように入り組んだ形状の紙を用いることによっても、気泡ないしは細孔を含む吸音材が得られる。
気泡ないしは細孔は、バインダーとしてセメント系バインダーを用いる場合は、みかけ比重が0.1〜1.1程度、好ましくは0.25〜0.45程度となるように含まれていればよい。また、バインダーとして水ガラス系バインダーを用いる場合は、みかけ比重が0.05〜1程度、好ましくは0.1〜0.3程度となるように含まれていればよい。また、バインダーとして第一リン酸金属塩/水溶性フェノール樹脂系バインダーを用いる場合は、みかけ比重が0.05〜1程度、好ましくは0.07〜0.8程度となるように含まれていればよい。上記範囲のみかけ比重になるように気泡ないしは細孔が含まれている場合は、十分に軽量化でき、また吸音効果が十分に向上する。また、強度が低下するほどの気泡量ではない。みかけ比重は、吸音材中に含まれる気泡又は細孔の比率、並びに、紙及び/又は植物体の解砕物の比率によって変わってくるが、本発明の吸音材は、これらを総合して上記範囲のみかけ比重を有するものが好ましい。
気泡又は細孔は、後述する本発明の吸音材の製造工程において、紙及び/又は植物体の解砕物、バインダー、並びに水などを混合する際に、界面活性剤を添加して発泡させることにより形成される。界面活性剤の種類は特に限定されず、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などのいずれを用いることもできる。泡寿命の長い界面活性剤を用いることが好ましい
配合比率
本発明の吸音材において、紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物と不燃性又は難燃性バインダーとの配合比率は、バインダーの種類によって異なる。
セメント系バインダーを使用する場合は、解砕物100重量部に対して、バインダーを100〜700重量部程度含むことが好ましく、100〜250重量部程度含むことがより好ましく、100〜120重量部程度含むことがさらにより好ましい。
水ガラス系バインダーを用いる場合は、解砕物100重量部に対して、バインダーを50〜150重量部程度含むことが好ましく、70〜120重量部程度含むことがより好ましく、90〜110重量部程度含むことがさらにより好ましい。
第一リン酸金属塩/水溶性フェノール樹脂系バインダーを用いる場合は、解砕物100重量部に対して、バインダーを50〜150重量部程度含むことが好ましく、70〜120重量部程度含むことがより好ましく、90〜110重量部程度含むことがさらにより好ましい。
紙の比率が余りにも少ないと、比重が大きくなり、また吸音効果より遮音効果の方が大きくなり残響音が大きくなる。また、紙の比率が余りにも多いと材料の結合強度が小さくなって脆くなる。上記の紙の比率であれば、比重が小さく、十分な吸音効果が得られ、かつ高強度の吸音材となる。
その他、本発明の吸音材は、バインダーの種類に応じた公知の添加剤を含んでいてよい。
製造方法
本発明の吸音材を製造するにあたっては、紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物、不燃性又は難燃性バインダー原料、及び水を混合し、注型し、硬化させればよい。バインダーが、セメント系バインダー、水ガラス系バインダー、又は第一リン酸金属塩/水溶性フェノール樹脂系バインダーである場合は、硬化促進剤を添加すれば、常温下で硬化させることができる。また、通常50℃程度までの範囲で加熱することにより、より速く硬化させることができる。
紙とバインダーとの混合比率は、吸音材の組成について説明したとおりである。
また、不燃性又は難燃性バインダーがセメントである場合は、水の使用量はセメント系バインダー原料100重量部に対して400〜700重量部程度とするのが好ましい。
また、水ガラス系バインダーを使用する場合は、このバインダー原料100重量部に対して10〜100重量部程度の水を使用するのが好ましい。
また、第一リン酸金属塩/水溶性フェノール樹脂系バインダーを用いる場合は、このバインダー原料100重量部に対して50〜300重量部程度の水を使用するのが好ましい。
上記範囲で水を添加することにより、攪拌及び注型し易い適度な流動性が得られる。また、余りに水の量が多いと、乾燥・硬化の過程での収縮率が大きく得られる吸音材の寸法誤差が大きくなりがちであり、極端な場合は成型品の表面にクラックが入る場合があるが、上記範囲であればこのような問題は生じない。
気泡を形成させる場合は、上記混合物中に界面活性剤を、バインダー原料の100重量部に対して1〜5重量部程度添加すればよい。界面活性剤は水とともに混合することにより発泡し、気泡を含む成形品が得られる。
形状
本発明の吸音材の成形サイズは、特に限定されない。目的に応じて適切なサイズであればよい。例えば、建材として用いる場合、通常10〜30mm程度の厚みがあれば、実用上十分に吸音効果を奏することができる。
また、建材として使用される場合は、通常、ベニヤ板などの板状部材の間に本発明の吸音材が挟まれた吸音板として使用される。
(II)吸音材製造用組成物
本発明の吸音材製造用組成物は、紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物と、不燃性又は難燃性バインダー原料とを含む組成物である。
バインダー原料は、上記説明した不燃性又は難燃性バインダーにおいて、水を添加して硬化させる前の材料である。例えば、バインダーがセメント系バインダーである場合のバインダー材料は、セメント、混和材料、及び各種添加剤を含む組成物である。
紙及び/又は植物体の解砕物とバインダーとの配合比率は、吸音材について説明した通りである。水を添加して硬化、乾燥させた場合、固形分重量に対して無視できる程度の水しか残らないため、吸音材製造用組成物と吸音剤との間で、成分の配合比率はほぼ同じ範囲である。
その他は、吸音材について説明した通りである。
実施例
以下、実施例及び試験例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<曲げ強度の測定>
以下の各例において、吸音材の曲げ強度は長さ100mm×幅50mm×厚さ10mmの試験片を用いて、支点間距離を50mmとした3点支持法により測定した。
<吸音効果の測定>
以下の各例において、吸音効果はASTM E1050に規定される垂直入射吸音率法(2マイクロホン法)で測定した。この方法において、直径100mmの試験片を用い、Bruel&Kjaer社製の装置を用いた。実環境における使用条件に適用し易いため残響吸音率法によるデータの方が一般的であるが、垂直入射吸音率法は吸音効果をより厳密に測定できる方法である。
C級ダンボール(ライナーC 170、中心SCP120)(170 g/cm2、コルゲート中心120 g/cm2)30gを約5〜7mm角に粗粉砕し、これに水220gを加えてミキサーにて5分間攪拌することにより解砕した。ここに、スーパージェットセメント(商品名)(太平洋セメント社製)50gを添加して混合し、直径100mmのテフロン型に流し込み成形した。室温下で24時間養生した後、脱型し、40℃にて5時間乾燥することにより吸音材を得た。
得られた吸音材の厚さは35mmであり、比重は0.421であり、曲げ強度は1.004 MPaであった。
C級ダンボール(ライナーC 170、中心SCP120)を50g、水を325g、ジェットセメントを50g使用する以外は、実施例1と同様にして吸音材を製造した。得られた吸音材の厚さは42mmであり、比重は0.339であり、曲げ強度は0.713MPaであった。
C級ダンボール(ライナーC 170、中心SCP120)を50g、水を300g、ジェットセメントを50g使用する以外は、実施例1と同様にして吸音材を製造した。得られた吸音材の厚さは36mmであり、比重は0.381であり、曲げ強度は0.894MPaであった。
C級ダンボール(ライナーC 170、中心SCP120)43.3gを約5〜7mm角に粗粉砕し、これに水260g、苛性ソーダ7.5g、及びアルミン酸ソーダ7.5gを加えて24時間浸漬した後、ミキサーを用いて5分間攪拌することにより、紙を解砕した。ここに、実施例1と同様のジェットセメント43.3g、及び界面活性剤として小野田ケミコ社製OFA(商品名)を2.6gを添加して混合し、直径100mmのテフロン型に流し込み成形した。その後は、実施例1と同様にして室温下で24時間養生した後、脱型し、40℃にて5時間乾燥することにより吸音材を得た。
得られた吸音材の厚さは29mmであり、比重は0.407であり、曲げ強度は0.749MPaであった。
比較例1
市販の吸音材としてのグラスウール保温板(マグウール、マグ社製、32kg/m3)を直径100mm、厚さ20mmに成形したもの、及び直径100mm、厚さ50mmに形成したものを作製した。
実施例1〜4及び比較例1における、材料の使用比率、厚さ、比重、曲げ強度を、以下の表1に示す。
Figure 2006106400
また、実施例1〜4及び比較例1で得られた各吸音材の吸音効果を垂直入射吸音率法で測定した。結果を図1〜4に示す。図1〜4は、それぞれ実施例1〜4で得られた吸音材を比較例1のグラスウールからなる吸音材と比較したグラフである。
図1〜4から明らかなように、実施例1〜4の吸音材はいずれも、125Hz〜1kHzの広い周波数域で50mm厚さのグラスウールからなる吸音材より高い吸音効果を示した。特に、400〜800Hzの周波数域でその効果が著しい。実施例1〜4の吸音材がいずれも厚さ50mmより薄いことを考慮すれば、グラスウールよりも高い吸音効果を示すことが分かる。
また、実施例4の吸音材は、厚み29mmという非常に薄い成形品でも、厚さ50mmのグラスウール吸音材と同等又はそれ以上の吸音効果を示した。このことから、界面活性剤を使用して製造された気泡ないしは細孔を有する吸音材は、非常に高い吸音効果を示すことが分かる。
実施例1で得られた吸音材とグラスウール吸音材との吸音効果を比較したグラフである。 実施例2で得られた吸音材とグラスウール吸音材との吸音効果を比較したグラフである。 実施例3で得られた吸音材とグラスウール吸音材との吸音効果を比較したグラフである。 実施例4で得られた吸音材とグラスウール吸音材との吸音効果を比較したグラフである。

Claims (14)

  1. 紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物と、不燃性又は難燃性バインダーとを含む吸音材。
  2. 上記解砕物が紙の解砕物である請求項1に記載の吸音材。
  3. 上記解砕物が、構成繊維長さが2〜15mmとなるように解砕されたものである請求項1又は2に記載の吸音材。
  4. 不燃性又は難燃性バインダーが、セメント系バインダー、水ガラス系バインダー、又は第一リン酸金属塩/水溶性フェノール樹脂系バインダーである請求項1、2又は3に記載の吸音材。
  5. 不燃性又は難燃性バインダーがセメント系バインダーである請求項4に記載の吸音材。
  6. 紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物100重量部に対して、セメント系バインダーを100〜700重量部含む請求項5に記載の吸音材。
  7. 多孔質である請求項1〜6のいずれかに記載の吸音材。
  8. 不燃性又は難燃性バインダーがセメント系バインダーであり、みかけ比重が0.1〜1.1である請求項7に記載の吸音材。
  9. 一対の板状部材間に請求項1〜8のいずれかに記載の吸音材が挟持されてなる吸音板。
  10. 紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物と、不燃性又は難燃性バインダー原料とを含む吸音材製造用組成物。
  11. 紙の解砕物及び/又は植物体の解砕物が紙である請求項10に記載の吸音材製造用組成物。
  12. 上記解砕物が、構成繊維長さが2〜15mmとなるように解砕されたものである請求項10又は11に記載の吸音材製造用組成物。
  13. 不燃性又は難燃性バインダーがセメント系バインダーである請求項10、11又は12に記載の吸音材製造用組成物。
  14. 植物材料解砕物100重量部に対して、セメント系バインダー原料を100〜700重量部含む請求項10〜13のいずれかに記載の吸音材製造用組成物。

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