JP2006105957A - 液体用流量計校正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】校正精度が高く、校正時間が短く、ランニングコストが安く、構造が簡単で丈夫な液体用流量計校正装置を提供すること。
【解決手段】
試験液を噴流として流出する1つ以上のノズル10cと、試験液を取り込むことができる秤量タンク60bと前記秤量タンクの重量を計量することができる秤量計61bと、試験液を秤量タンク側へ取り込まない時に試験液を排出するバイパスライン20dと、前記噴流の流れを前記バイパスラインへ導くか前記秤量タンクへ導くかを切換える流路切換装置30を備えた液体用流量計校正装置であって、前記流路切換装置は前記噴流の流れ方向と平行な回転軸53、該回転軸に固定され噴流の流れ方向に伸びた2枚の転流羽根31、2枚の転流羽根の一側に位置する秤量タンクへの流路11c及び2枚の転流羽根の他側をバイパスラインに導くバイパス側整流板21により形成される。
【選択図】 図4

Description

本発明は液体用流量計校正装置に関し、特に石油や温水など蒸気の噴出が問題となる試験液でも二枚羽根式転流器の高性能と特徴を維持したまま、運用の利便性を向上させ、転流器の精度評価試験を容易に行うことができるように構成した液体流量計用校正装置に関する。
液体用の流量計を校正する際には、校正装置による標準流量と流量計の指示値を比較することが行われている。校正装置における標準流量の発生のやり方には幾つかの方法があるが、その中で、最も不確かさ(誤差)を小さくすることが出来る方法の一つに秤量タンクと転流器(ダイバータ)を使用した通液式静的秤量法がある。この方法は以下のようにして標準流量を発生し、計測する。図1のように被試験流量計3aを流量計校正装置の試験管路5の途中に接続し、オーバーフローヘッドタンク1およびポンプ82a、流量調節バルブ4aにより安定した標準流量を試験管路5に発生させる。被試験流量計3aを通過した試験液は被試験流量計からの配管12aを通り、流出ノズル10aを経て噴流14aとなってダイバータ32a内に噴出する。ダイバータ32aは偏向することができる1枚の転流羽根31aを備えている。校正試験の前には噴流14aからの流れはバイパスライン20aから貯蔵タンク80aへ戻されている。校正試験の開始とともに、転流羽根31aが移動することで噴流14aからの流れはバイパスライン20aから秤量タンクへの流路11aへ切り換えられ、秤量タンク60aへ流入する。所定の量が流入した後、転流羽根31aが戻ることにより再び流れをバイパスライン20aへ切り換えて、秤量タンク60aへの試験液の流入を停止させる。秤量タンク60a内が安定した後、秤量計61aで重量が計量されて、流入した試験液の質量もしくは体積が算出される。また、同時に流入時間も計測されている。これは転流羽根が作動して流入が開始されたある瞬間にスタートトリガー信号がタイマーに伝えられ流入時間が計測され始める。再び動作して流入が終了したある瞬間にも終了トリガー信号がタイマーに伝えられタイマーが止まることで流入時間が計測される。このタンクに取り込まれた液体の質量もしくは体積を流入時間で除することで単位時間あたりの液体量、つまり標準流量(質量流量もしくは体積流量)を求める方法である。
しかしながら、図1に示すような従来の1枚羽根式のダイバータを使った方法では他の方法に比べて高精度であるが、流れを切り換える時に生じる流入時間の誤差(ダイバータタイミングエラーと呼ばれる)が流量計の校正の不確かさの中で大きな要因となっていた。これはノズルからの噴流の流速分布やノズルと羽根の位置関係が変化すると誤差時間の値に大きく変化を生じるものだった。これに対し液体流量校正装置用ダイバータ(特開2002−48622)では、二枚の転流羽根からなるダイバータが開発された。 これは相対位置が固定された二枚の転流羽根をノズルからの噴流に対して同一方向へ等速度で移動させる方法である。これによりノズルからの噴流の流動特性(流速分布)や噴流の位置がダイバータの性能に及ぼす影響(誤差)を非常に小さく調整することが出来る。調整は、ダイバータタイミングエラーの評価実験の結果と転流羽根の移動速度から算出される距離の分だけタイマー用のトリガーセンサーの位置が調整される。理論の詳細は日本機械学会論文集 vol.68,No.665 B編 (2002) pp.137−143または特開2002−48622の中で詳述されている。ただし、改良された二枚羽根式ダイバータであっても、一度は必ずダイバータタイミングエラーの評価実験を行い、そのデータを基に調整する必要がある。
ダイバータタイミングエラーの評価実験の方法はISO4185に規定されている。
その推奨される方法の一つは以下のような方法である。まず、流量を一定の値に安定させた後に一回の転流動作(流入開始、流入停止)によって秤量タンクを満した操作から秤量値及び流入時間を得る。次に全く同じ流量でn回(25回程度)の繰り返し転流動作に分けて秤量タンクを同じ程度の重量まで満して得られた積算の重量及び積算流入時間を得る。これらを比較式に代入することによってダイバータタイミングエラーを算出するという方法である。流量が同じ一定値であるにもかかわらず、これらに差が見られる場合があるのは、転流操作による時間計測の誤差が存在し、それが積み重なっているからである。推奨式による演算で一回当たりのエラー時間(秒)として評価される。 このエラー時間はできるだけ10ms程度以下にすることが望まれるが、困難なことが多かった。誤差としては実際の校正試験の流入時間に対する比率で評価される。例えば仮にダイバータタイミングエラーが10msである場合に対して40秒間の流入時間であった場合でも、0.025%の誤差を転流器が持っていることになる。最も校正精度のレベルが高いと思われる世界各国の標準研究所にある流量計校正装置でも、その不確かさが拡張不確かさK=2で0.02から0.1%程度であることから上記の誤差要因はけして小さくない数字であることが分かる。このような評価実験によって転流器の不確かさ(誤差)が算出される。流入時間が短くなればなるほどエラー比率は大きくなる。これは超高精度校正が求められる場合には秤量タンクへの流入時間を長くしなければならない原因となる。つまり秤量タンクの容量に対して校正可能な最大流量が制限されることになる。特に一枚羽根式ダイバータでは理論的にも流量、流速分布によりこのエラー時間が変化する。全ての試験条件でこの評価試験を毎回行なうことは困難であるため大きめのエラー時間を想定して流入時間をさらに長めにする必要があった。二枚羽根式ダイバータの開発で、このエラー時間を全ての流量と流速分布について数ms以下に調整することが可能になった。
また、転流器を使った校正装置には多く場合に秤量タンクが組み合わせられるが、タンクを秤量計の上に乗せて計測するときに、入り口を密閉し配管接続すると正しく重量を計測できないために流入口には開口部が存在し接触しないように作られている。また、作業効率を向上させるために排出バルブに自動バルブを使用している場合には重量計測に影響を与えないように接続チューブや電源ケーブルは出来る限りやわらかい状態で接続されている。液面検知やオーバーフロー防止のための液面計、液面リミットセンサーが取り付けられている場合にも出来るだけ柔軟に信号ケーブルを接続するようにされていた。
また、上述のように秤量タンク式の校正装置においては、秤量タンクに試験液を流入させている間は、その分だけ貯蔵タンクの試験液が減少してしまう。貯蔵タンクの液面が下がるとポンプの吸い込み口の圧力が減少してしまうため吐出圧も減少する。直接ポンプで試験ラインに送液した場合、下流配管の圧力損失要素が変化しないにもかかわらず吐出圧が減少するため、わずかだが流量が減少してしまう。超高精度の流量校正を行うためには流量の安定性は重要であり、この問題を解決するために主に水の設備においてはオーバーフローヘッドタンクが使用されてきた。高い塔の上にあるプール内でオーバーフローさせることにより液面を一定とすることが出来るため貯蔵タンクの液面が変化しても流量の変化を防ぐことが出来る。石油系のように表面張力が小さく、粘性の高い試験液では微細気泡が混入すると抜けにくい。オーバーフローによる泡の発生が深刻で混入した気泡が試験管路へ流れた場合には誤差の原因となる。そのため石油系の試験液ではオーバーフローヘッドタンクが使用できない。また、圧力損失が大きな流量計や流路の場合、必要なヘッドタンクの高さが非常に高くなってしまうため、建設が困難で、著しく高価になってしまう。10気圧ほどの吐出圧力が必要な場合は棟の高さは100mほどにもなり事実上不可能であるためポンプから直接送液することになる。この際には貯蔵タンクの液面変化の影響を小さくするために大きな(特に平面積が大きい)貯蔵タンクが採用されている。また、最新の方法では秤量タンクと同量の試験液を別のバッファタンクに溜めておき、秤量タンクへの流入にあわせてバッファタンクからの試験液を貯蔵タンクへもどすことで液面を維持する方法もある。
日本機械学会論文集 vol.68,No.665 B編 (2002)pp.137−143 特開2002−238752号公報 特開2002−48622号公報
ところが二枚羽根式ダイバータにおいてもタイミングの調整のために必ずISO4185の評価実験は必要である。液体流量校正装置用ダイバータ(特開2002−48622)に基づく設計方法では二枚の羽根を直線的、もしくは回転する場合でも噴流に対して垂直な軸を回転軸として同一方向へ移動させることを想定していた。直線的な動作をする二枚羽根式ダイバータの例を図2に示す。ノズル10bは固定されており、噴流14bも固定された位置から噴出している。取り込み前には図2(a)のような初期位置に転流羽根31とバイパスライン20が一体となった直線移動体が位置している。取り込み開始のためモータ56aが適量分回転し、ボールスクリューを通じて直線移動体は図2(b)の取り込み位置に移動する。噴流14bは一枚目の転流羽根31bに横切られ、流れを変えられて秤量タンクへの流路11bを通って図示していない下部の秤量タンクへ流れ込む。取り込み後に直線移動体は同じ方向へ移動し図2(c)の終了位置へ移動する。噴流14bは二枚目の転流羽根31cに横切られ、バイパスライン20cに流れ込む。二枚羽根式ダイバータの理論では高精度を達成するために噴流を同一方向に二枚の羽根で同じ速度で切ることが必須の要件になっている。このように一度スタート位置から取り込み位置、終了位置へ転流操作を行うと再び転流操作を行うためにスタート位置へ戻る必要がある。その際、取り込み位置を通過するために秤量タンクへ余分な噴流が流入してしまう問題がある。ISO4185の推奨するダイバータタイミングエラーの評価試験を行う際には、連続して転流動作を行う必要があるが、次の転流操作を行う前に前の転流操作終了位置から次の転流操作の初期位置へ移動する操作が余分に必要である。またこの時に、秤量タンクへ液体が流入しないようにする特別の措置が必要になる問題がある。例えば、ダイバータと秤量タンクの間の流入経路に図示していない流路切り換え装置を別にもう一つ設置することや、秤量タンクへの流路に図2(c)に図示している収容袋35を手で設置する方法などがある。図2(d)に示されるように戻り動作中に噴流14bの下を通過するが試験液は収容袋35に溜め込まれる。しかし、流路切換装置の追加は、本来秤量タンクに入ってはならない試験液が秤量タンク側の側面を濡らしてしまい、集められなければならない液垂れとの区別ができないなどの精度に及ぼす問題がある。また収容袋35の場合には逐一手作業で設置しなければならないという手間の問題から評価試験が著しく非効率であった。ノズルと羽根の間に流路を変える仕切り板を挿入することも考えられるが、ノズルと羽根の間隔は噴流の安定性が良いところで切る必要があるために短いスペースしか存在しない。そのため狭い領域に仕切り板を挿入すると角度が浅くなり試験液が大きく飛び散る原因になる。飛び散りが大きすぎる場合は精度の高い試験は困難になる。通常運転時の校正精度を優先すれば、収容袋35などを使用する設計になるが、評価実験は非常に時間と労力がかかるため実用上はめったに行うことができない運用上の問題がある。メンテナンスのために少しでも羽根の位置やセンサー位置を動かすと上記の大変な時間と労力のかかる評価実験の作業が必要であるため容易に作業が行えないなどのメンテナンス上の問題がある。
また、直線的に移動する二枚羽根式ダイバータでは高精度のボールネジや衝突防止機構、ガイドレールなどを使用するなど設計が複雑で、機械も大きく、慣性も大きいためモーターも大きいものが必要になる。架台も基礎への固定も相当に丈夫な構造をとらなければ慣性の大きな直線移動する転流羽根体を短時間で加速し、短時間で減速するので架台が振動してしまう。そのため全体として製作費が高価になるという問題があった。
また、秤量タンクは秤量計で計測する上でどこかに接触していると秤量値に誤差が多く含まれてしまうために出来るだけ接触させないようにする必要がある。そのため流入口を密閉することはできず、秤量タンクの上部やダイバータからの流路との間に外部に開放されてしまう空隙が存在した。このような開放部が存在する場合、水では蒸発による誤差、石油類では油蒸気やミストの噴出による誤差や油臭、危険なガスを大気へ放出することになるという問題がある。特に流量が小さい時には秤量タンクを満たすまでに長い時間を要するが、開口部が存在する場合には流入時間が長いほど試験液の蒸発、ミスト放出による誤差が大きくなってしまう問題がある。
ダイバータには噴流を出すノズルがあるが、このノズルは下向きに付くのが一般的である。また、従来の一枚羽根によるダイバータでは噴流の位置がずれるとエラー時間が大きくなるので、一つのダイバータに対して流出ノズルを一つにしなければならない。
さらに流速分布の変化がそのままダイバータの切換時間の誤差の大きさに影響を与えるため、多くの場合にはノズルの口径を変化させることが出来る可変ノズルを備えており、流量によって流速や流速分布が変化しないように工夫されていた。そのためこの可変部分が非常に高価であり、また、シール方法が難しく、内圧が大きくなるとシールの隙間から試験液が漏れ出すなどの問題があった。また流量が変化し、流速が遅くなると下向きになる直前の頭頂部に気泡が溜まる可能性があり、これは誤差の原因となっていた。また、一つのノズルでなければならないため、たとえ流量が小さくて、小口径の試験ラインについている小流量の被試験流量計の場合であっても最大流量に合わせて設計された大きな口径の試験ラインと合流して一つのノズルから流出する配管設計になっていた。このため、流量が小さい時にはこの合流部分の流速が遅くなりすぎ気泡が溜まりやすくなること、温度が安定するまでの時間が非常に長くなるなどの問題があった。この被試験流量計とダイバータまでの間の試験液の体積はデットボリュームと呼ばれ、この部分の温度変化や気泡残留は誤差につながるので出来るだけ小さい方がよいが、小さくしにくいという問題がある。
また、効率の良い自動化のためには排出バルブの動力や液面検知器の信号線を接続する必要がありできるだけ柔軟に接続しているが、超高精度の校正の際には誤差要因として問題となる。このように精度の高い非連結の秤量タンクと効率の良い自動排出バルブの装備、液面検知器の装備はこれまで両立しなかった。
対象となる流量範囲が小さい場合には流入時間の関係から秤量タンクは小さく、秤量計も小さくなる。この場合、流路の壁面についた液は大きな誤差要因で余分な切換器や配管、ダクトなどがダイバータと秤量タンクの間に存在した場合には誤差を大きくする原因になるためさらに問題は大きくなる。特に石油系では液の粘度が高く壁面に付着する液も多く、液垂れにも時間がかかるが、その数滴が秤量の誤差に大きく影響を与える。これまでの方法では装置の大きさが大きくなってしまい、ダイバータの取込口から秤量タンクまでの流路の面積が大きくなるため、垂れ時間が長く、表面に付着する液も多く、誤差を大きくするという問題があった。
また、切換羽根の断面が対称であった場合や、バイパスライン側の流路の形状が悪いと、飛び散りも大きく、噴流を横切るときに流れが乱れる。飛び散りが大きくなって、本来ならば秤量タンクに入ってはならない液が秤量タンクに飛び入る現象が生じ、誤差を生じさせる問題がある。
また、従来は流入開始のタイミングと流入終了の信号を羽根に取り付けられた遮光板が光センサーを通過するときに発する信号などによって得ていた。この方法では機械的に遮光板を調整する機構が必要になるが、これらの機械的機構は調整が微妙で、機械的な可動部があるために設定がずれやすいという問題点があった。
このように秤量タンク式の校正装置は高精度であるが、短時間取込ではダイバータタイミングエラーが大きくなるため極端に流入時間を短くすることは出来ない。また開口部がある場合には時間が長くなれば蒸発やミスト放出の誤差が大きくなるため、校正の効率が悪くなる。一本の可変ノズルを使用した場合にはノズルの直前の配管太さは最大流量にあわせて大きく設計されることになる。そのため流量が小さくなった時には、ノズル頭頂部での流速が小さくなりすぎてしまい気泡が溜まりやすくなる。気泡量が校正中に変化した場合、誤差の原因となることから、1本のノズルでは極端に流入時間を長くすることは困難だった。そのため一つのタンクによる校正可能な範囲は一般的に1:10程度の狭い範囲であり、多くの流量範囲をカバーするためには多くの秤量タンクと秤量計が必要であり、コストが大きくなるという問題がある。
また、貯蔵タンクの液面を維持する方法として上述の方法などがとられるが、大きな貯蔵タンクやバッファタンクの設置は製作コストと必要な設置スペースの増大を招くという問題があった。費用や設置面積に制約がある場合には採用が困難であるという問題がある。
また、貯蔵タンクに比べ小さい容量の秤量タンクへ試験液を注入するということは、不測のトラブルがあった場合に流入をとめることが出来ず、オーバーフローしてしまう危険を伴っている。タンク上部には開口部があるために、試験液が溢れ出す流出事故の可能性がある。特に石油などの危険物を試験液として使用する場合には危険が大きいという問題がある。
そこで本発明は上記の課題を解決した液体用流量計校正装置を提供することを目的とするものであり、特に、校正精度が高く、校正時間が短く、ランニングコストが安く、構造が簡単で丈夫な液体用流量計校正装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、以下のような特徴を有する。
請求項1記載の発明は、試験液を噴流として流出する1つ以上のノズルと、試験液を取り込むことができる秤量タンクと前記秤量タンクの重量を計量することができる秤量計と、試験液を秤量タンク側へ取り込まない時に試験液を排出するバイパスラインと、前記噴流の流れを前記バイパスラインへ導くか前記秤量タンクへ導くかを切換える流路切換装置と、前記流路切換装置を駆動させる手段と、を備えた液体用流量計校正装置であって、
前記流路切換装置は前記噴流の流れ方向と平行な回転軸、該回転軸に固定され噴流の流れ方向に伸びた2枚の転流羽根、2枚の転流羽根の一側に位置する秤量タンクへの流路及び2枚の転流羽根の他側をバイパスラインに導くバイパス側整流板により形成され、前記流路切換装置が初期の角度位置から一方向に指定の角度まで回転する間に一枚目の転流羽根が前記噴流を横切ることで流路を前記バイパスラインから前記秤量タンクへ切換えるとともに同じ回転方向に指定の角度まで回転する間に二枚目の転流羽根が前記噴流を横切ることで流路を前記秤量タンクから前記バイパスラインへ切換え、前記流路切換装置が同じ回転方向に回転することで前記噴流を再び横切ることなく初期の角度位置になり、同じ回転方向に回転し続ける動作が可能であることを特徴とするものである。
したがって、請求項1記載の発明によれば従来の直線的に移動、または回転軸が噴流に対して垂直な二枚羽根式ダイバータと異なり取り込み前のバイパス位置と取り込み後のバイパス位置が全く同じ状態にすることが出来る。そのためISO4185に基づくダイバータタイミングエラーの評価実験において、スタート位置に戻る操作が必要ない。秤量タンクへの余分な噴流が流入してしまうという問題が解消されるため、追加の流路切り換え装置や収容袋の手動設置が必要ない。濡れ面が完全に区別されているために分割取り込みの際も、液垂れを待つのは最後だけでよく、連続的に分割転流試験が行えるため評価実験の効率が良い。このように二枚羽根を持つダイバータの高精度を維持したまま評価実験の効率と精度が飛躍的に向上する。また、回転機構であるためオーバーランに対して安全であり、衝突防止機構などが必要ない。回転機構は汎用部品が多く、機構の単純化が可能であるため、安価で丈夫に製作することが可能になる。大きさも濡れ面積を最小限にする小さな設計が可能で液垂れの待ち時間が短いため校正の効率がよく、濡れ液による誤差が小さい。
このように高精度と低コスト化が両立することを特徴とするものである。
なお、たとえ一枚目の転流羽根と二枚目の転流羽根が同一の一枚部材により構成されていたとしても、流路を切り換える取り込みの開始時と終了時に転流羽根の異なる場所で噴流を同一方向に横切った場合には二枚羽根式ダイバータの理論に沿っており本発明の範疇を逸脱するものではない。
請求項2記載の発明は、試験液を噴流として流出する1つ以上のノズルと、試験液を取り込むことができる秤量タンクと前記秤量タンクの重量を計量することができる秤量計と、試験液を秤量タンク側へ取り込まない時に試験液を排出するバイパスラインと、前記噴流の流れを前記バイパスラインへ導くか前記秤量タンクへ導くかを切換える流路切換装置と、前記流路切換装置を駆動させる手段と、を備えた液体用流量計校正装置であって、前記流路切換装置が個別に駆動される二つの平行移動体から構成され、前記平行移動体は転流羽根と前記バイパスラインへの誘導流路とが一体となっており、前記流路切換装置の初期位置では一つ目の平行移動体のバイパスラインへの誘導流路により前記噴流が前記バイパスラインへ導かれていた状態から、前記一つ目の平行移動体に備えられた一枚目の転流羽根が前記噴流を横切り、前記一つ目の平行移動体が塞いでいた前記秤量タンクへの流路から離れることで前記噴流を前記秤量タンクへ導き、二つ目の平行移動体が前記一つ目の平行移動体と同方向に移動して、二枚目の転流羽根が前記噴流を横切ることで前記噴流を前記バイパスラインへ導き、初期位置へ戻る際には前記二つの平行移動体が密着して同時に移動することを特徴とするものである。
したがって、請求項2記載の発明によれば、従来の二枚の羽根の位置関係が固定されていた二枚羽根式ダイバータと異なり、取り込み後のバイパス位置から取り込み前のバイパス位置へ移動する際に、転流羽根同士を密着させることで秤量タンクへの流路を塞ぐことが出来る。そのためISO4185に基づくダイバータタイミングエラーの評価実験において、秤量タンクへの余分な噴流が流入してしまうという問題が解消されるため、追加の流路切り換え装置や収容袋の手動設置が必要ない。濡れ面が完全に区別されているために分割取り込みの際も、液垂れを待つのは最後だけでよく、連続的に分割転流試験が行えるため評価実験の効率が良い。バイパス時に二枚の転流羽根が密着することでダイバータボックス内に充満している試験液の蒸気やミストが外部や秤量タンクへ移動することを防げる。
このように二枚羽根を持つダイバータの高精度を維持したまま評価実験の効率と精度が飛躍的に向上し、外部や秤量タンクへの蒸気やミストの移動が低減され室内環境の悪化や誤差を防止することを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の液体用流量計校正装置において、転流羽根がバイパス位置にある時に外部、もしくは秤量タンクへ開口している秤量タンクへの流路を塞ぐ可動蓋もしくは固定された仕切り板を設けたことを特徴とするものである。
したがって、請求項3記載の発明によれば、ダイバータボックス内で充満している試験液の蒸気やミストが外部に放出されることを防げる。
このように外部や秤量タンクへの蒸気やミストの放出が低減され室内環境の悪化や誤差を防止することを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置において、前記秤量タンクを昇降させる昇降手段を備え、前記昇降手段は前記秤量タンクの重量を計量する時には、前記秤量計の上に前記秤量タンクを乗せて、前記秤量タンクから離脱し、計量時以外には、前記昇降手段が前記秤量計から前記秤量タンクを持ち上げ、前記ダイバータボックスの下面に密着するよう押し付け、前記秤量タンクの開口部を塞いで気密を保つように固定することを特徴とするものである。
したがって、請求項4記載の発明によれば、リフトが秤量タンクを持ち上げているために試験液の流入時の噴流の衝撃が秤量計に伝わらず、秤量計を保護することができる。
また、前記秤量タンクへの流路と秤量タンクの間に別の流路が存在しないために濡れ面を前記秤量タンクへの流路のみに限定することが出来る。他の流路やダクトが存在した場合、その部分の濡れ液は秤量計によって計量することが出来ないが、秤量タンクへの流路の内側に付着した試験液の液垂れは転流羽根がどの位置にあっても、秤量タンクへ直接落下することができる。そのため液垂れの待ち時間は短く、誤差の少ない試験液の計量が可能になる。また、計量時以外のほとんどの時間で秤量タンク入り口の開口部が気密に密閉されているので、ほとんどの時間でダイバータボックスからの蒸気、ミストの外部への放出を防ぐことが出来る。流量が小さく流入時間が長い場合でも気密が保たれているので取り込まれた試験液の蒸発やミストの移動が生じない。流入中には秤量タンクからダイバータボックスへは通気路が存在するが、もともとダイバータボックス内は密閉されて蒸気は飽和しているために、蒸気やミストの濃度格差が無いので、やはり拡散による誤差は生じない。このように密閉することで蒸気やミストの放出、移動による誤差や室内環境汚染、危険なガスの放出を防ぐことが出来る。計量時以外は秤量タンクが固定されていて動かないため、外部からの非接触式液面計やバルブ開閉用動力源のエア配管などの自動脱着機構の設計が行いやすい。また、不測の事態により秤量タンクのオーバーフローが生じた場合でも流入口が気密に保たれているので試験液は外部に流れ出ることなく、秤量タンクへの流路を逆流してダイバータボックス内へあふれ出し、バイパスラインを通って貯蔵タンクへ戻る。
この密閉機構はオーバーフローに対するフェールセーフ機構の役割を果たすことが出来るなどの特徴を有する。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の液体用流量計校正装置において、前記昇降手段によって持ち上げられて固定されている時に、外部から秤量タンクに信号ケーブルやバルブ駆動用動力源となる空気圧配管、電源線が接続され、下降し、前記秤量計上に置かれているときには、前記信号ケーブル、前記空気圧配管、前記電源線が離脱される手段を備えていることを特徴とするものである。
したがって、請求項5記載の発明によれば、前記秤量タンクの重量の計量時に余分な配線や接続管が少ないために計量結果に影響を与える力が少なくなり、取り込まれた試験液の重量をより正確に計量できる。
このように高精度の計量と安全性、自動バルブの効率性などを両立することが出来ることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の液体用流量計校正装置において、前記バイパス側整流板は、噴流が衝突し流れの向きが偏向される場所において滑らかに流れを変えるとともに下流へ向かって表面積が増大する形状であることを特徴とするものである。
したがって、請求項6記載の発明によれば、噴流が偏向されるときの試験液の飛び散りが低減される。例えば円錐の半分のような形状では下流へ向かって表面積が増大するが、その場合、表面に沿った試験液は流動面の面積が増大するために同じ流量では急速に流速が減少する。そのため平面形状や流れが収束するような整流表面に比べて飛び散り高さをさらに低くさせることが出来る。前記整流板から前記転流羽根のエッジ部分までの長さは本来秤量タンクへの流路へ入ってはならない試験液の飛び散りが飛び越えることのない長さが必要である。これが長くなれば前記秤量タンクへの流路の内壁面積が増大し、濡れ液が増加するので誤差や液垂れ待ち時間が長くなる。
バイパス側整流板の効果により飛び散り高さが小さくなることで前記秤量タンクへの流路の全長を短く設計することが可能になり精度と効率が向上することを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置において、試験液を供給する貯蔵タンクは、秤量タンクへの試験液の流入体積にあわせて貯蔵タンクの液面が変化しないように前記貯蔵タンク内の試験液を排斥するように挿入される体積物と、前記体積物を挿入する手段を備えていることを特徴とするものである。
したがって、上記請求項7記載の発明によれば、前記秤量タンクへの試験液の流入によって減少する貯蔵タンクの液面を維持することができ、流入中の流量変化を防止するということを特徴とするものである。狭いスペースであっても必要最小限の貯蔵タンク容量で、バッファタンクやヘッドタンクなどの費用が高くスペースが必要な機器を不要とすることが出来る。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置において、被試験流量計からの配管を二本以上備え、流量に応じて噴流を放出するノズルを選択できるように個別の配管に開閉バルブを備えることを特徴とするものである。
したがって、請求項8記載の発明によれば、直線移動型二枚羽根ダイバータ、噴流の流れ方向に対して垂直な回転軸を持つ二枚羽根式ダイバータ、噴流の流れ方向に対して平行な回転軸を持つ二枚羽根式ダイバータのいずれの場合においても、可変ノズルを使用することなく、バルブの開閉のみで噴流の流速や状態を調整することが出来るという特徴を持つものである。複数ノズルの採用は二枚羽根式ダイバータの特徴である流速分布、ノズル位置の違いによってダイバータタイミングエラーの大きさ影響を受けない性質がなければ不可能である。従来の一枚羽根式ダイバータで複数ノズルを使用するとエラー時間が極端に大きくなる場合が存在し、校正の精度を著しく損なうが、二枚羽根式ダイバータとの組み合わせでは可能である。そのため、低コスト化が可能で、丈夫で故障の少ない、液漏れなどが生じにくい転流器を製作することが出来る。流量が小さい時には噴流の本数を減少させるか、配管径の小さい配管のみを開けることで流速を維持することができ、ノズル頭頂部の気泡滞留を防ぐことが出来る。また、被試験流量計からダイバータまでの配管内の体積はデットボリュームと呼ばれ小さければ小さいほど誤差要因を小さくすることができ、温度の安定待ち時間も短くすることが出来る。上記請求項8記載の発明を利用すれば複数本数、口径の違う試験ラインの配管を一番大きな配管に統合して一つの可変ノズルに流入させる必要が無い。統合させることなくバラバラに転流器へ流入することが出来る。これはノズル位置が変化しても羽根の位置関係とトリガーセンサーの位置関係さえ変化が無ければダイバータタイミングエラーの値が変化しない二枚羽根式ダイバータでなければ実現できない方法である。
請求項9記載の発明は、請求項1記載の液体用流量計校正装置において、流路切替装置またはモータなどに接続されたロータリエンコーダと、前記エンコーダの信号を計数するエンコーダカウンタとを備え、流路切換のトリガー信号を送る手段を備えていることを特徴とするものである。
したがって、請求項9記載の発明によれば、ダイバータタイミングエラー評価実験の結果を参照してタイミングを調整する時に電気電子的な操作によって容易に、非常に高分解能に信号発信角度を調整することができる。また、二枚羽根式ダイバータの理論によると、タイミングエラーの値は実際の二枚の羽根の間隔(ここでは角度)とトリガー信号送信の間隔(角度)と羽根の移動速度(回転角速度)にのみ影響を受ける。回転角速度は噴流を切る間は必ず一定の値に制御されている。回転軸に取り付けられたロータリエンコーダと羽根の取り付け角度は機械的に考えても容易にはずれない。したがってタイミングエラーを調整しやすく、ずれにくい機構をつくることが出来る特徴を持つものである。
請求項10記載の発明は、請求項1記載の液体用流量計校正装置において、流路切替装置に固定された遮光板と、二つ以上の光センサーと、光センサーを任意の微小距離もしくは微小角度分だけ移動させ固定することができる移動手段とを備えていることを特徴とするものである。
したがって、請求項10記載の発明によれば、ダイバータタイミングエラー評価実験の結果を参照してタイミングを調整する時に機械的な操作によって、容易に調整することが可能で、非常に低コストでトリガー発信機構を実現することができる特徴を持っている。
請求項11記載の発明は、請求項6記載の液体用流量計校正装置において、バイパス側整流板は円錐を半分に切断した形状をしていることを特徴とするものである。
したがって、請求項11記載の発明によれば、バイパス側整流板の形状が円錐の半分の形状であるために下流側で面積が大きくなり流速が滑らかに減速することで飛び散り量を減少させ、転流羽根が回転している間も、噴流に対してバイパス側整流板の接触形状が変化しないために整流効果が安定しているという特徴をもったものである。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の液体用流量計校正装置において、バイパス側整流板の円錐を半分に切断した形状のうち、一枚目の転流羽根に面した円錐面が転流羽根との間に空隙を有することを特徴とするものである。
したがって、請求項12記載の発明によれば、円錐形状をしたバイパス側整流面が転流羽根に接触することなく、空隙をもっているので転流羽根が回転し、噴流を切る直前にバイパス側整流板と転流羽根の間で挟まれ、行き先を狭められた試験液の流れが、転流羽根の上部へ向かってせり上がる現象を防ぐことが出来る。そのため転流羽根の高さを低く設計することができ、濡れ面積を小さくすることができるという特徴を有するものである。
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)従来の秤量タンクシステムでの校正装置では精度は高いが校正時間が比較的長く、他の校正方法に比べて効率が悪い問題があった。これに対し、校正時間が短く、ランニングコストが安い。単純で丈夫な回転構造がとれるので、メンテナンスコストが安い。直線型では直線移動のため慣性が大きく、モーターが大きくなる上、架台も丈夫でなければ全体が揺れてしまう。回転では慣性モーメントは重心位置を調整すれば小さくできるのでモーターは小さくなる。架台もモーターマウントとベアリングが付くダイバータボックスの間のねじれ構造を強くするだけでよいので架台はさほど強力な鉄骨や固定の必要がない。低コストになる。ダイバータタイミングエラーが小さく調整でき、且つ容易に確認試験が可能であるので、従来の秤量タンクシステムに比べ、大流量で校正時間が短くなる場合でも高精度に校正することが出来る。小流量では配管内の流速が遅くなり気泡が配管内や特にノズルの頭頂部に残留しやすいが、複数ノズルを使用すれば切換えることで細い配管が使用でき、流速を適正に維持できる。なお、現状では複数ノズルと組み合わせができるのは二枚羽根式ダイバータだけである。また、タンクを上昇させ密閉しているので長時間の校正でも蒸発やミスト放出による誤差の影響を受けない。以上のことから、本発明による校正装置は従来のものに比べて高精度を維持したまま飛躍的に校正できる流量範囲が広くすることができる。このため、建設すべき、必要試験ライン数が少なくて済むみ、建設費が安い。また、最大流量に対して比較的に小さい秤量タンクが使用できるので同じ校正範囲の装置と比べて省スペースになる。
(2)請求項1記載の発明によれば、従来の直線的に移動、または回転軸が噴流に対して垂直な二枚羽根式ダイバータと異なり取り込み前のバイパス位置と取り込み後のバイパス位置が全く同じ状態にすることが出来る。そのためISO4185に基づくダイバータタイミングエラーの評価実験において、スタート位置に戻る操作が必要ない。秤量タンクへの余分な噴流が流入してしまうという問題が解消されるため、追加の流路切り換え装置や収容袋の手動設置が必要ない。濡れ面が完全に区別されているために分割取り込みの際も、液垂れを待つのは最後だけでよく、連続的に分割転流試験が行えるため評価実験の効率が良い。このように二枚羽根を持つダイバータの高精度を維持したまま評価実験の効率と精度が飛躍的に向上することができる。また、回転機構であるためオーバーランに対して安全であり、衝突防止機構などが必要ない。回転機構は汎用部品が多く、機構の単純化が可能であるため、安価で丈夫に製作することが可能になる。大きさも濡れ面積を最小限にする小さな設計が可能で液垂れの待ち時間が短いため校正の効率がよく、濡れ液による誤差が小さい。このように高精度と低コスト化を両立させることができる。
(3)請求項2記載の発明によれば、従来の二枚の羽根の位置関係が固定されていたニ枚羽根式ダイバータと異なり、取り込み後のバイパス位置から取り込み前のバイパス位置へ移動する際に、転流羽根同士を密着させることで秤量タンクへの流路を塞ぐことが出来る。そのためISO4185に基づくダイバータタイミングエラーの評価実験において、秤量タンクへの余分な噴流が流入してしまうという問題が解消されるため、追加の流路切り換え装置や収容袋の手動設置が必要ない。濡れ面が完全に区別されているために分割取り込みの際も、液垂れを待つのは最後だけでよく、連続的に分割転流試験が行えるため評価実験の効率が良い。バイパス時に二枚の転流羽根が密着することでダイバータボックス内に充満している試験液の蒸気やミストが外部や秤量タンクへ移動することを防げる。このように二枚羽根を持つダイバータの高精度を維持したまま評価実験の効率と精度が飛躍的に向上し、外部や秤量タンクへの蒸気やミストの移動が低減され室内環境の悪化や誤差を防止することができる。
(4)請求項3記載の発明によれば、ダイバータボックス内で充満している試験液の蒸気やミストが外部に放出されることを防げる。外部や秤量タンクへの蒸気やミストの放出が低減されることにより室内環境の悪化や誤差を防止することができる。
(5)請求項4記載の発明によれば、リフトが秤量タンクを持ち上げているために試験液の流入時の噴流の衝撃が秤量計に伝わらず、秤量計を保護することができる。また、前記秤量タンクへの流路と秤量タンクの間に別の流路が存在しないために濡れ面を前記秤量タンクへの流路のみに限定することが出来る。他の流路やダクトが存在した場合、その部分の濡れ液は秤量計によって計量することが出来ないが、秤量タンクへの流路の内側に付着した試験液の液垂れは転流羽根がどの位置にあっても、秤量タンクへ直接落下することができる。そのため液垂れの待ち時間は短く、誤差の少ない試験液の計量が可能になる。また、計量時以外のほとんどの時間で秤量タンク入り口の開口部が気密に密閉されているので、ほとんどの時間でダイバータボックスからの蒸気、ミストの外部への放出を防ぐことが出来る。流量が小さく流入時間が長い場合でも気密が保たれているので取り込まれた試験液の蒸発やミストの移動が生じない。流入中には秤量タンクからダイバータボックスへは通気路が存在するが、もともとダイバータボックス内は密閉されて蒸気は飽和しているために、蒸気やミストの濃度格差が無いので、やはり拡散による誤差は生じない。このように密閉することで蒸気やミストの放出、移動による誤差や室内環境汚染、危険なガスの放出を防ぐことが出来る。計量時以外は秤量タンクが固定されていて動かないため、外部からの非接触式液面計やバルブ開閉用動力源のエア配管などの自動脱着機構の設計が行いやすい。また、不測の事態により秤量タンクのオーバーフローが生じた場合でも流入口が気密に保たれているので試験液は外部に流れ出ることなく、秤量タンクへの流路を逆流してダイバータボックス内へあふれ出し、バイパスラインを通って貯蔵タンクへ戻る。この密閉機構はオーバーフローに対するフェールセーフ機構の役割を果たすことが出来る。
(6)請求項5記載の発明によれば、前記秤量タンクの重量の計量時に余分な配線や接続管が少ないために計量結果に影響を与える力が少なくなり、取り込まれた試験液の重量をより正確に計量できる。このように高精度の計量と安全性、自動バルブの効率性などを両立することが出来る。
(7)請求項6記載の発明によれば、噴流が偏向されるときの試験液の飛び散りが低減される。例えば円錐の半分のような形状では下流へ向かって表面積が増大するが、その場合、表面に沿った試験液は流動面の面積が増大するために同じ流量では急速に流速が減少する。そのため平面形状や流れが収束するような整流表面に比べて飛び散り高さをさらに低くさせることが出来る。前記整流板から前記転流羽根のエッジ部分までの長さは本来秤量タンクへの流路へ入ってはならない試験液の飛び散りが飛び越えることのない長さが必要である。これが長くなれば前記秤量タンクへの流路の内壁面積が増大し、濡れ液が増加するので誤差や液垂れ待ち時間が長くなる。前記整流板の効果により飛び散り高さが小さくなることで前記秤量タンクへの流路の全長を短く設計することが可能になり精度と効率が向上する。
(8)請求項7記載の発明によれば、前記秤量タンクへの試験液の流入によって減少する貯蔵タンクの液面を維持することができ、流入中の流量変化を防止するができる。また、狭いスペースであっても必要最小限の貯蔵タンク容量で、バッファタンクやヘッドタンクなどの費用が高くスペースが必要な機器を不要とすることが出来る。
(9)請求項8記載の発明によれば、直線移動型二枚羽根ダイバータ、噴流の流れ方向に対して垂直な回転軸を持つ二枚羽根式ダイバータ、噴流の流れ方向に対して平行な回転軸を持つ二枚羽根式ダイバータのいずれの場合においても、可変ノズルを使用することなく、バルブの開閉のみで噴流の流速や状態を調整することが出来るという特徴を持つものである。複数ノズルの採用は二枚羽根式ダイバータの特徴である流速分布、ノズル位置の違いによってダイバータタイミングエラーの大きさ影響を受けない性質がなければ不可能である。従来の一枚羽根式ダイバータで複数ノズルを使用するとエラー時間が極端に大きくなる場合が存在し、校正の精度を著しく損なうが、二枚羽根式ダイバータとの組み合わせでは可能である。そのため、低コスト化が可能で、丈夫で故障の少ない、液漏れなどが生じにくい転流器を製作することが出来る。流量が小さい時には噴流の本数を減少させるか、配管径の小さい配管のみを開けることで流速を維持することができ、ノズル頭頂部の気泡滞留を防ぐことが出来る。また、被試験流量計からダイバータまでの配管内の体積はデットボリュームと呼ばれ小さければ小さいほど誤差要因を小さくすることができ、温度の安定待ち時間も短くすることが出来る。
請求項8記載の発明を利用すれば複数本数、口径の違う試験ラインの配管を一番大きな配管に統合して一つの可変ノズルに流入させる必要が無い。統合させることなくバラバラに転流器へ流入することが出来る。これはノズル位置が変化しても羽根の位置関係とトリガーセンサーの位置関係さえ変化が無ければダイバータタイミングエラーの値が変化しない二枚羽根式ダイバータでなければ実現できない方法である。
(10)請求項9記載の発明によれば、ダイバータタイミングエラー評価実験の結果を参照してタイミングを調整する時に電気電子的な操作によって容易に、非常に高分解能に信号発信角度を調整することができる。また、二枚羽根式ダイバータの理論によると、タイミングエラーの値は実際の二枚の羽根の間隔(ここでは角度)とトリガー信号送信の間隔(角度)と羽根の移動速度(回転角速度)にのみ影響を受ける。回転角速度は噴流を切る間は必ず一定の値に制御されている。回転軸に取り付けられたロータリエンコーダと羽根の取り付け角度は機械的に考えても容易にはずれない。したがってタイミングエラーを調整しやすく、ずれにくい機構をつくることが出来る。
(11)請求項10記載の発明によれば、ダイバータタイミングエラー評価実験の結果を参照してタイミングを調整する時に機械的な操作によって、容易に調整することが可能で、非常に低コストでトリガー発信機構を実現することができる。
(12)請求項11記載の発明によれば、整流板の形状が円錐の半分の形状であるために下流側で面積が大きくなり流速が滑らかに減速することで飛び散り量を減少させ、転流羽根が回転している間も、噴流に対して整流板の接触形状が変化しないために整流効果が安定しているという効果を奏する。
(13)請求項12記載の発明によれば、円錐形状をした整流面が転流羽根に接触することなく、空隙をもっているので転流羽根が回転し、噴流を切る直前に整流板と転流羽根の間で挟まれ、行き先を狭められた試験液の流れが、転流羽根の上部へ向かってせり上がる現象を防ぐことが出来る。そのため転流羽根の高さを低く設計することができ、濡れ面積を小さくすることができる。
本発明に係る液体用流量計校正装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて図面を参照して以下に説明する。
図3は、ポンプ、配管、被試験流量計を含む試験ライン全体の実施形態の例を示している。
図4は、校正装置のうちダイバータ、秤量タンク、秤量計、昇降台などの主要装置部の斜視図である。
図5は、秤量タンクと昇降台と、その一連の動作を示している。
図13は、校正開始から終了までの間、操作者が行う処理、もしくは制御コンピュータに組み込まれるプログラムの処理シーケンスを説明するためのフローチャートである。
図3から図5までに示されるように、液体用流量計校正装置は試験液に水または灯油、軽油などを用いて測定するもので、装置全体としては、貯蔵タンク80bと、ポンプ82bと、流量調節バルブ4bおよび4eと、試験液が噴出するノズル10cと、噴流の向きを切り替える流路切換装置30と、秤量タンクへ取り込まないときに試験液が流れ込むバイパスライン20dと、秤量タンクへの流路11cと秤量タンク60bと、秤量計61bと、昇降台50とこれを駆動する手段であるエアシリンダなどである昇降駆動ジャッキ58と、転流羽根を駆動する手段で、サーボモーターなどであるモーター56bなどに、より構成されている。
以下に試験液の流れに沿って、本発明の一実施例について説明する。図3、図4に示されるように試験液は貯蔵タンク80bに貯蔵され、ポンプ82bによって試験管路へ送り出され、流量調節バルブ4bおよび4eによっておおよそ目的の流量値に調整される。石油系の試験液のように温度変化が被試験流量計3bに影響を与える場合には、温調装置81によって試験液の温度を一定に保つ装置を備えることもある。これはポンプ82cなどの専用のポンプにより温調装置81へ送りだされ、貯蔵タンク80b内で温度調整される方法やポンプ82bの後に(図示していない)熱交換器を設置する例もある。送り出された試験液の温度は温度センサー72によって計測され、制御コンピュータ102にデータが送られる。同様に被試験流量計3bでの圧力を知るために圧力センサー73によって圧力が計測され制御コンピュータ102にデータが送られる。被試験流量計3b通過した試験液は流量調節バルブ4bをとおりノズル選択用バルブ13により選択された流路を通ってノズル10cのいずれか、もしくは全てから噴流14cとなってダイバータボックス33の中へ流出する。
流路切換装置30は、図4及び図7に示すように、噴流の流れ方向と平行な回転軸53と、該回転軸53に固定され噴流の流れ方向に延びる一枚目の転流羽根31d及び二枚目の転流羽根31eと、2枚の転流羽根31d、31eの一側に位置する秤量タンクへの流路11cと、2枚の転流羽根31d、31eの流路11cの他側に位置するバイパス側整流板21とにより一体的に構成されている。流路11cは、2枚の転流羽根31d、31eと、端部が2枚の転流羽根31d、31eに固定された半円形の板状部材とにより半円筒状に形成されている。バイパス側整流板21は、噴流が衝突し流れの向きが偏向される場所において滑らかに流れを変えるとともに下流へ向かって表面積が増大する円錐を半分に切断した形状に形成されている。
また、流路切換装置30は、ダイバーターボックス33に装着された大口径のボールベアリングなどであるベアリング40によって支えられ一体となって自在に回転することが出来る。ダイバーターボックス33は、密閉された箱状の形状をしており(図5参照)、バイパス側整流板21に沿って流れ落ちる液体を集め、バイパスライン20dへ導くように形成されている。
このように試験液は常時一定の流量で調整されて流れ続け、秤量タンク60bへの取り込み時以外はバイパスライン20dを通じて貯蔵タンク80bへ戻り循環している。 取り込み時には流路切換装置30が半回転し、秤量タンク60bに流入し、満タンになるとさらに同じ方向に半回転し、バイパスライン20dへ再びもどされる。溜まった試験液は秤量計61bで計量された後に排出バルブ22bによって排出され、最終的に貯蔵タンク80bへ戻される。
秤量タンク60bへの試験液の流入時以外には、流路切換装置30は図4の左図のような回転位置に静止している。この位置はノズル10cから噴出した噴流14cが直接バイパス側整流板21に当たり、試験液はバイパスライン20dへ流れるように設計されている位置であり、バイパス位置と呼ぶことにする。バイパス側整流板21は例えば半円錐の形をしており、接触した噴流は滑らかに円錐表面に沿って広がり落ちる。この時、下側へ向かうほど円錐表面は広がるため試験液の流れは薄く、急激に減速されて広がるため飛び散りは小さくなる。ダイバータボックス33の底の部分に落ちた試験液はバイパスライン20dへと集り流れ込んで、貯蔵タンク80bへ戻される。このように試験液が連続的に流れており、被試験流量計3bは流量値に比例した流量パルス信号を出し続けていて、試験液が循環している状態がスタンバイの状態である。
図4は、構造が理解しやすいように複数のノズル、流路切換装置を駆動する手段であるモータ56b、タイミングベルト54、排出バルブ22は図示されていない。また、昇降台50も下降した位置の状態のみを図示してあるが、実際の運用では図5に示されているような一連の動作を行うものである。上述のスタンバイの状態は図5(a)に図示されているように昇降台50がエアシリンダなどによる昇降駆動ジャッキ58により上昇し、持ち上げられた秤量タンク60bがダイバータボックス33の底面に押し付けられ、Oリングなどのシール材を押しつぶすことで秤量タンク60bの入り口は外部に対して密閉されている。
以下に校正開始から終了までの処理シーケンスに沿って本発明の一実施例を説明する。 図5に図示されているように、まず、はじめに図13のステップS11(以下「ステップ」を省略、Sとついた場合には図13のものとする。)において流路切換装置30をバイパス位置へ移動させて初期位置としてセットする。このとき図示していない原点用光センサーなどを使い、切り欠き付き円盤52の切り欠き部を検出させることで原点復帰させる方法がある。モーター52bがサーボモーターの場合、ここで図示していないがサーボモーターのロータリーエンコーダのパルスを受信する制御パックのエンコーダカウンタをゼロリセットする。ここではこのバイパス位置を回転角度の0度として説明する。次にS12で昇降台50の上昇を確認し、試験ラインの気密を確認する。次にS13でポンプ82b、82c、温調装置81を作動させ、ほぼ同時にS14としてノズル選択用バルブ13を全て開ける。引き続きS15で流量を配管や被試験流量計3bなどの各要素に対して許される最大流量へ流量を一旦調節する。これは試験ライン内に残留しているかもしれない気泡を出来るだけ排出してしまうために行う。S16で操作者が判断するか、経験上の十分な時間後に気泡の排出を判断して次のステップに進む。
S17において予定されている校正流量条件を自動または手動により入力し、それに応じてS18で流量調節バルブ4b、4eのバルブ開度バランスを制御し、被試験流量計3bの指示値もしくは図示されていない運転管理用の流量計の指示値を参照しながら徐々に目的の流量に調整していく。ほぼ同時にS19として噴流14cが安全な流速範囲に収まり、かつ気泡が入らないように配慮しながらノズル選択用バルブ13を適切な組み合わせの開閉状況へ操作する。S20で温度センサー72のデータから温度の安定度を確認して、温度が安定してから次のステップへ進む。S21で排出バルブ22bを開き、秤量タンク60bの残液を排出しておく、S22では図示していない排出確認のセンサー信号または排出バルブ22bを開けてから液が排出される十分な時間が経過したところで排出を判断し、S23へ進んで排出バルブ22bを閉める。S24として流入時間計測用タイマー100a、流量計パルスカウンタ101、パルス間隔時間タイマー100bを適切な計測モードに設定してトリガー信号待ち状態にしてからリセットする。
ここまでの開始準備が整い、温度が安定した状態が図5(a)の取り込み前、スタンバイの状態である。
次に図5(b)に示されるように取り込みを開始する前に、空の秤量タンク60bの重量を計量するため、流路切換装置はバイパス位置のまま、昇降台50が下降し、秤量タンク60bは余計な接続線や接触部なしで秤量計61bの上に乗せられる。このとき昇降台50はさらに下降することで秤量タンク60bとの接触が切り離される。秤量計61bの値は制御コンピュータに送られる。次に取り込みを開始するために昇降台50は昇降駆動ジャッキ58によって上昇し、秤量タンク60bを持ち上げ再び入り口を密閉する。これらが図13のS25からS27である。
その後、S28へ進み、モーター56bを回転させ、タイミングベルト54、回転軸53を通じて流路切換装置30が180度の位置へ回転し始め、取り込み位置へ向けて移動する。二枚羽根式ダイバータの理論によると、噴流14cにさしかかるまでに加速を終了し、切るときは等速度で回転していることが非常に重要であり、そのようにモーター56bは精密に制御されている。この半回転の途中に約90度付近で一枚目の転流羽根31dが噴流14cを切り、バイパスライン20dから秤量タンクへの流路11cへ噴流の流れを変更する。ほぼ同時刻に切り欠き付き円盤52の切り欠き部がスタート用トリガーセンサー51aの光センサー部を通り、光を通過させてスタートトリガー信号であるパルスを流入時間計測用タイマー100aに送る。この瞬間がS29で、スタートトリガー信号により流入時間計測用タイマー100aは流入時間の計測を開始する。被試験流量計3bは連続的に動作しており流量パルス信号も出し続けられている。流量計パルスの取得はこのスタートトリガー信号が送られてきた次の流量計パルスからカウントされ始める。これがS30で図示されていないゲート信号発生器によりスタートトリガー信号の次の流量計パルスの立ち上りと同時にONになるゲート信号を発生させ、このゲート信号を基に流量計パルスカウンタ101がパルスのカウントを開始する。また同時のこのゲート信号を基にパルス間隔時間タイマー100bがパルスカウントする間隔時間を計測し始める。
秤量タンク60bへの流入している校正試験の計測中には様々なデータを取得し、最終的な校正値を算出する上での補正データとする。S31において温度センサー72や圧力センサー73により液温、圧力が計測されデータが取得される。本発明の液体流量計校正装置は秤量法を採用しているので基本的に質量流量の標準流量を発生させる装置となっている。被試験流量計3bが質量流量計である場合には直接的な比較により校正値を求めることが出来るが、体積流量計であった場合には質量流量の標準流量に対して、被試験流量計3bでの試験液密度で除することで体積流量の標準流量の変換する必要がある。不確かさ(誤差)解析の結果では、校正の不確かさに占める密度値算出の不確かさがかなり大きな割合を占めることになっている。これはこれまで主要な不確かさであったダイバータタイミングエラーが二枚羽根式ダイバータの技術によってほぼ無視できる程度まで小さく出来た結果であるが、さらに高精度な校正のためには被試験流量計3bを通過する試験液体の密度の正確な算出は非常に重要になってくる。図示されていないが、複数の圧力センサー、温度センサーを使い、流入中に複数回以上データを取得し、平均値を取るなどの処理を行うこともある。
流入状態では、噴流14cが秤量タンクへの流路11cを通過し、秤量タンク60bへ流れ込んで図5(c)の状態になり、液面が上昇する。S32として液面計が満量を検知して制御コンピュータ102に信号が送られるか、流入開始からの時間計測により予定の液量と判断されると、次のS33に進み、受信と同時にモーター56bに対し、さらに同じ方向に半回転させて360度の位置に移動するように制御指示が出され、図5(d)に図示されている状態になる。この二回目の半回転の途中である270度付近で二枚目の転流羽根が噴流14cを切り、バイパスライン20dへ再び流れを転流する。このとき同時に切り欠き付き円盤52が回転し、切り欠き部がストップ用トリガーセンサー51bの光センサー部を通過し、光を検知したセンサーがストップトリガー信号であるパルスを流入時間計測用タイマー100aへ送り、流入時間計測をストップさせるのがS34である。ストップトリガー信号の直後に受信された流量計パルスの立ち上がりで図示されていない上述のゲート信号発生器によりゲート信号がOFFになる。そのゲート信号のOFFにあわせて流量計パルスカウンタ101がパルスカウントを終了し、このパルスカウントを行った間隔時間を計測していたパルス間隔時間タイマー100bも同時に間隔時間計測をストップさせる。これがS35である。
図13のシーケンスには図示されていないが転流羽根31の秤量タンクへの流路11c側の面についた試験液が秤量タンクに落下するまでの間待機した後の取り込み後に秤量タンク60bを計量する。従来の濡れ面の大きいダイバータや中間に余分なダクトなどがある場合この待ち時間が非常に長く、校正試験の効率を非常に悪くしていた。本発明の一実施例によれば、濡れ面積を最小限にする設計が可能で、実質的に転流羽根31のうち噴流14cの幅の部分しかなく濡れ面積は非常に小さく、垂直面であることから、短時間のうちに液垂れが終了するため校正時間が短く、効率的で誤差が少ない。
S36では計量のために昇降台50は再び下降し、秤量タンク60bを秤量計61bの上に乗せて離脱する。これが図5(e)の状態である。S37で秤量計61bが計量した重量は制御コンピュータに送られる。このとき同時にS38として秤量タンク60b周辺の気温、大気圧データを気温計71および大気圧計70から取得する。大気中で秤量された重量には空気の浮力が働いている。これにより正確な質量として換算するには概ね0.12%程度の補正が必要となる。0.12%という定数を用いる場合もあるが、気圧、気温の変化により空気密度は変動するため、超高精度の流量計校正装置のためには実際に計測して大気密度を算出し、浮力補正を行う必要がある。S39で昇降台50が上昇する。
ここまででの過程で流量計の校正を行うためのデータがほぼ全て揃うことになり、校正値を演算することが可能になる。これらの全てのデータを校正値などが記録保存されるのがS40である。演算は次のようにして行われる。S37で計測された満タンの秤量タンク60bの重量からS26で計測された空の秤量タンク60bの重量か引かれ、取り込まれた試験液の重量が算出される。これにS38で計測された大気状態のデータから演算された大気密度を使い浮力補正が行われ取り込まれた試験液の質量が求められる。この質量をS29からS34で計測された流入時間で除することで質量流量の標準流量が算出される。体積流量の標準流量が必要な場合には図示されていない試験液用密度計の結果をS31で計測された液温、圧力データを使い補正された被試験流量計3bでの試験液の密度が算出されて質量流量の標準流量を除すると体積流量の標準流量を得ることが出来る。この正確な標準流量に対して被試験流量計がどのようなパルスを出力したかを比較して校正値を求める。S30とS35で計測されたパルス数をパルス間隔時間で除することで標準流量におけるパルス周波数を得ることが出来る。パルス周波数を質量流量もしくは体積流量の標準流量で除すると単位質量もしくは単位体積あたりにいくつのパルスを出力する流量計であるかというKファクタを校正値として得ることが出来る。もしくはこの逆数により1パルスあたりいくつらの質量もしくは体積が流れることをしめすかというメーターファクターを知ることが出来る。このようにして本発明による液体用流量計校正装置により被試験流量計3bが校正される。
計測された流入時間間隔はトリガーセンサーの設置角度と実際の二つの転流羽根の設置角度が正確に一致していなければ正しい流入時間間隔とはならない恐れがある。これを確認するのがISO4185で推奨されているダイバータタイミングエラー評価実験である。評価実験のうち分割取り込み実験を行う方法は以下のとおりである。一度通常通りにS11からS40までの校正試験が行われる。これで1回の転流操作による取り込み質量と流入時間、パルス周波数を求めることが出来る。次にS17に進み全く同じ流量条件でS27まで進む。その後、直前の1回の転流操作で行った流入時間をn等分した時間(例n=25)でS32の判断を行うように設定を変更してS28からS35までのシーケンスを行う。このとき直前の1回の転流操作で流入した液量の約1/nが流入しているはずである。図示していないがS35から再びS28にもどりこれを全部でn回繰り返し、分割して満液まで取り込む操作を行う。この間タイマーとカウンタはリセットせずにn回分を積算していく。n回に分けて取り込んだ後にS36からS39のシーケンスを実行し、試験液の質量を求める。全く同じ条件の流量(流量に違いが生じているかもしれない効果は流量計のパルス周波数で補正する。)で試験したにもかかわらず、1回の転流操作で算出される標準流量とn回に分けて取り込まれた質量をn回分の流入時間の和で除して得られた標準流量に差が見られるのは、転流操作の誤差が蓄積しているからである。この転流操作の誤差を流入時間の誤差(ダイバータタイミングエラー)に換算する式がISO4185で提供されている。得られたエラー時間に回転速度(または回転角速度)をかけるとセンサーを移動するべき移動距離(移動角度)が得られる。これに基づきスタート用トリガーセンサー51aもしくはストップ用トリガーセンサー51bの位置をエラー時間がゼロになる位置までマイクロメータ付きの微小移動ステージなどである移動手段で移動させる。もしくはこれまでの図には図示されていないが回転軸の回転角度を読み出すことできるように設置されたエンコーダの出力をカウントするカウンタにおいてカウント数を電子的に調整してエラー時間がゼロになるように調整することも出来る。調整後再び分割取り込み実験を行い。エラー時間が無視しうる程度まで小さくなっているかを確認する。
従来の一枚式ダイバータでは同様に分割試験は液垂れ待ちや特別な機構を追加することなく行えるが、噴流の状態や位置が少しでも変わればエラー時間が変化している可能性がある。直線的に移動する従来の二枚羽根式ダイバータでは一度調整してしまえば噴流の状態が変わってもエラー時間は変化しないという画期的な特性を持っているが、容易にはこの分割試験が行えないために転流羽根の位置やセンサー位置の保持には非常にデリケートになってしまう。この点で本発明の噴流向きに対して平行な回転軸をもった回転型の二枚羽根式ダイバータは両方の利点を保持しているという改善がなされている。
校正試験が全て終了した場合にはS42以降へ進み、排出バルブ22bから試験液が排出されS43で排出が確認された後、S44で排出バルブ22bが閉められる。最後にS45でポンプ82b、82c、温調装置81が停止され終了する。
他の図には図示していないが、図5(b)に点線で示されるように可動蓋もしくは仕切り板34を設置することで秤量タンク60bが下降したとき、ダイバータボックス33内の蒸気やミストが室内に放出されるのを防ぐことが出来る。
図6にはそれぞれに移動することが出来る転流羽根31に関する実施例が示されている。
初期の位置において図6(a)のようにそれぞれの転流羽根は密着もしくは接近した位置にあり、一枚目の転流羽根31fと一体となって移動することができるバイパスライン20eで構成される一つ目の直線移動体がノズル10dの直下に位置している。次に取り込むために一つ目の直線移動体が図6(b)のように平行移動し、一枚目の転流羽根31fが噴流を切ることで、秤量タンクへ試験液を流入させる。取り込みを終了させるためには二枚目の転流羽根31gとバイパスライン20fが一体となった二つ目の直線移動体が図6(c)の位置に平行移動することで取り込みを終了する。直線的に二枚の転流羽根が同方向へ移動した場合には必ず初期位置へ移動するために戻らなければならないが、一枚目の転流羽根31fと二枚目の転流羽根31gは図6(d)に示されるように密着して、秤量タンクへの流路を塞いだ状態で同時に初期位置へ移動する。したがって図6(e)のように試験液は秤量タンクに落ちることなく、二枚の転流羽根31は初期位置へ戻ることが可能になる。
また、図7にバイパス側整流板21が一枚目の転流羽根31dとの間に空隙部16を持つ場合の実施例が示されている。上述の半円錐形のバイパス側整流板21の場合は図7(a)のような形状をしている。図7(b)のように噴流14cに一枚目の転流羽根31dが回転して近づいてく場合、整流板表面で広がった試験液が噴流14cと一枚目の転流羽根31dとの間に挟まれて行き場を失ってせりあがる現象が生じやすい。そこで図7(c)のように円錐面が途中で切れて、一枚目の転流羽根31dとの間に空隙部16が存在した場合、試験液は転流羽根に横切られる直前に一瞬、下部へ落下するためにせりあがりが生じにくい。これにより転流羽根31の高さがより低く設計することが可能になり、濡れ面積を小さくすることが出来る。
図8には、貯蔵タンクの液面を一定に維持する方法の実施例が示されている。通常は図8(a)のように秤量タンク60cの液面が上昇するのに伴い、貯蔵タンク80cの液面は流入前の貯蔵タンクの液面83aから流入後の貯蔵タンクの液面83bへ下がってしまう。しかし、図8(b)のように秤量タンクの液面84が上昇するに伴い流入前の体積物85aの位置から、貯蔵タンクの液面83が変化しないような速度で体積物を試験液にアクチュエータやモータによって沈み込ませると、ポンプ82cは吸い込み口の圧力が変化しないために一定の流量を送り出すことが出来るようになる。
実際に上述の図3、図4、図5に記載されたような一実施例について試作機を作り、図13に示されたシーケンスに沿って実験を行った。その結果を以下に説明する。
図9は、噴流方向に対して平行な回転軸をもつ二枚羽根式ダイバータにより実行されたダイバータタイミングエラーの評価実験結果である。横軸は流量であり、縦軸にダイバータタイミングエラーがプロットされている。センサー位置を調整する前では−2.1ms程度の流入時間のエラーが存在することが分かった。流量に対して一定のダイバータタイミングエラーを示していることから、回転動作によって転流羽根31を駆動させてもその特性に影響を与えないことが実験的に証明された。また、この実験では噴流14cを横切るときの流路切換装置30の回転速度は360度/sであったのでこれに基づき微調整するべきセンサーの角度は約−0.8度であることが分かる。そこでマイクロメータ付き微小移動ステージを相当する分だけ移動させ、再び評価実験を行った結果が図9の○印である。このように全ての流量で±1ms以下に減少させることが出来た。したがって、本発明による液体用流量計校正装置ではたとえ流入時間が40秒間であったとしても、そのダイバータによる不確かさは0.0025%以下であり、事実上無視し得る事が分かる。
次に二枚羽根の効果を検証するために通常どおり同じ方向半回転させ二枚の転流羽根を使用した場合と、取り込み開始時に1枚目の転流羽根31dで噴流14cを切り、取り込み終了時には逆方向に半回転させ、同じ一枚目の転流羽根31dで噴流を切り、流路を切換えた一枚羽根式の模擬動作による場合との評価実験を行った。両方の場合で図11に図示されているようにノズル配置Aの状態でダイバータタイミングエラーを±1ms以下に調整した後に、ノズル配置4本のノズルの配置をノズル配置Bのように大きく変化させた後に評価実験を行った。その結果が図10である。このように本発明のようにノズル噴流14cの流れ方向に対して平行な回転軸を持つ二枚羽根式ダイバータであっても、ノズル噴流やノズル位置によっても全く影響を受けないことが証明された。これに対して一枚羽根式ダイバータを模擬した結果では大幅にダイバータタイミングエラーが40ms程度も変化してしまい、流量によっても変化があることが示された。
次に秤量タンクの開口部を閉じることの効果を確認するために、取り込み終了直後に計量した重量からの変化量を計測する実験を行った。図12のように昇降台50を下降させたまま、秤量計61bの上に秤量タンク60bを乗せたまま計測した結果では毎分0.13g程度の減少が観測された。これは開放されている秤量タンク60bの入り口から試験液である水が蒸発、拡散しているために生じたものと考えられる。流量が非常に小さい場合には秤量タンク60bを満水にするのに数十分かかることもあるが、密閉していなければ30分で約3.9gの誤差が生じる。この装置の秤量タンク60bは満水で約20kgであるから0.02%の影響があることになる。補正が可能とはいえ室内の湿度にも影響されるはずである。これに対して昇降台50を上昇させておき、1000秒ごとに計測した結果ではほとんど試験液の重量変化は見られなかった。そのため補正なして長時間取り込みの校正も可能になっている。
このようにどんな流量、ノズル位置でもダイバータタイミングエラーが小さい時間のままで維持されるので短時間取り込みが可能になり、秤量タンクの体積の割に大流量まで校正することが可能になる。また、気泡が溜まりにくい細いノズルと入り口を密閉できる秤量タンクを組み合わせることで非常に小さい流量まで計測することが可能になり、一つの秤量タンクシステムで広いレンジの流量計の校正が可能になっている。
本発明は、液体の流量を計測する流量計を高精度で校正する液体流量校正装置に使用することが出来る。
また、石油化学分野の材料混合において超高精度な特定量流入用の切換バルブに利用することも出来る。流量計をバッチ運転のようにゼロ流量がフル流量へ流量を変化させ短時間で再びゼロ流量にする場合、誤差も大きくなるが、校正された流量計と回転式の二枚羽根転流器で短時間でも超高精度な材料液の流入が可能になる。
は、オーバフローヘッドタンクとダイバータと秤量タンクを利用した従来の校正装置を示す構成図である。 は、従来の直線的に移動する二枚羽根式ダイバータの構造と動作状態を示す構成図である。 は、本発明に係る液体用流量計校正装置の一実施例の試験ライン全体を示す構成図である。 は、本発明に係る液体用流量計校正装置の一実施例のうち流路切換装置、秤量タンク、秤量計などの主要装置部の斜視図である。 は、本発明に係る液体用流量計校正装置の一実施例のうち、秤量タンクと昇降台と、その一連の動作を示す構成図である。 は、本発明に係る液体用流量計校正装置において転流羽根がそれぞれに移動することが出来るタイプの一実施例とその動作状況を示す斜視図である。 は、本発明に係る液体用流量計校正装置のうち、バイパス側整流板の実施例を示し説明するための斜視図である。 は、本発明に係る液体用流量計校正装置のうち、貯蔵タンク内の液面を維持する方法を示す一実施例とそれを説明するための構成図である。 乃至 は、本発明に係る液体用流量計校正装置について実際に実施例に基づいて作製されて試作機のダイバータタイミングエラーの実験結果を示したグラフである。 :本発明になる液体用流量計校正装置について実際に実施例に基づいて作製された試作機が試験液の蒸発影響を受けていないことを説明するための実験結果のグラフである。 :本発明による一実施例の校正試験における処理の流れを説明するためのフロートチャートである。
符号の説明
1 オーバーフローヘッドタンク
2 オーバーフロー戻りライン
3 被試験流量計
4 流量調節バルブ
5 試験管路
10 ノズル
11 秤量タンクへの流路
12 被試験流量計からの配管
13 ノズル選択用バルブ
14 噴流
15 せりあがり
16 空隙部
20 バイパスライン
21 バイパス側整流板
22 排出バルブ
30 流路切換装置
31 転流羽根
32 ダイバータ
33 ダイバータボックス
34 可動蓋もしくは仕切り板
35 収容袋
40 ベアリング
50 昇降台
51 トリガーセンサー
52 切り欠き付き円盤
53 回転軸
54 タイミングベルト
55 ガイド棒
56 モーター
57 ボールスクリュー
58 昇降駆動ジャッキ
60 秤量タンク
61 秤量計
62 秤校正用分銅
70 大気圧計
71 気温計
72 温度センサー
73 圧力センサー
80 貯蔵タンク
81 温調装置
82 ポンプ
83 貯蔵タンクの液面
84 秤量タンク液面
85 体積物
100 タイマー
101 パルスカウンタ
102 制御コンピュータ

Claims (12)

  1. 試験液を噴流として流出する1つ以上のノズルと、試験液を取り込むことができる秤量タンクと前記秤量タンクの重量を計量することができる秤量計と、試験液を秤量タンク側へ取り込まない時に試験液を排出するバイパスラインと、前記噴流の流れを前記バイパスラインへ導くか前記秤量タンクへ導くかを切換える流路切換装置と、前記流路切換装置を駆動させる手段と、を備えた液体用流量計校正装置であって、
    前記流路切換装置は前記噴流の流れ方向と平行な回転軸、該回転軸に固定され噴流の流れ方向に伸びた2枚の転流羽根、2枚の転流羽根の一側に位置する秤量タンクへの流路及び2枚の転流羽根の他側をバイパスラインに導くバイパス側整流板により形成され、前記流路切換装置が初期の角度位置から一方向に指定の角度まで回転する間に一枚目の転流羽根が前記噴流を横切ることで流路を前記バイパスラインから前記秤量タンクへ切換えるとともに同じ回転方向に指定の角度まで回転する間に二枚目の転流羽根が前記噴流を横切ることで流路を前記秤量タンクから前記バイパスラインへ切換え、前記流路切換装置が同じ回転方向に回転することで前記噴流を再び横切ることなく初期の角度位置になり、同じ回転方向に回転し続ける動作が可能であることを特徴とする液体用流量計校正装置。
  2. 試験液を噴流として流出する1つ以上のノズルと、試験液を取り込むことができる秤量タンクと前記秤量タンクの重量を計量することができる秤量計と、試験液を秤量タンク側へ取り込まない時に試験液を排出するバイパスラインと、前記噴流の流れを前記バイパスラインへ導くか前記秤量タンクへ導くかを切換える流路切換装置と、前記流路切換装置を駆動させる手段と、を備えた液体用流量計校正装置であって、
    前記流路切換装置が個別に駆動される二つの平行移動体から構成され、前記平行移動体は転流羽根と前記バイパスラインへの誘導流路とが一体となっており、前記流路切換装置の初期位置では一つ目の平行移動体のバイパスラインへの誘導流路により前記噴流が前記バイパスラインへ導かれていた状態から、前記一つ目の平行移動体に備えられた一枚目の転流羽根が前記噴流を横切り、前記一つ目の平行移動体が塞いでいた前記秤量タンクへの流路から離れることで前記噴流を前記秤量タンクへ導き、二つ目の平行移動体が前記一つ目の平行移動体と同方向に移動して、二枚目の転流羽根が前記噴流を横切ることで前記噴流を前記バイパスラインへ導き、初期位置へ戻る際には前記二つの平行移動体が密着して同時に移動することを特徴とする液体用流量計校正装置。
  3. 請求項1記載の液体用流量計校正装置において、転流羽根がバイパス位置にある時に外部、もしくは秤量タンクへ開口している秤量タンクへの流路を塞ぐ可動蓋もしくは固定された仕切り板持つことを特徴とする液体用流量計校正装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置において、前記秤量タンクを昇降させる昇降手段を備え、前記昇降手段は前記秤量タンクの重量を計量する時には、前記秤量計の上に前記秤量タンクを乗せて、前記秤量タンクから離脱し、計量時以外には、前記昇降手段が前記秤量計から前記秤量タンクを持ち上げ、前記ダイバータボックスの下面に密着するよう押し付け、前記秤量タンクの開口部を塞いで気密を保つように固定することを特徴とする液体用流量計校正装置。
  5. 請求項4記載の液体用流量計校正装置において、前記昇降手段によって持ち上げられて固定されている時に、外部から秤量タンクに信号ケーブルやバルブ駆動用動力源となる空気圧配管、電源線が接続され、下降して前記秤量計上に置かれているときには、前記信号ケーブル、前記空気圧配管、前記電源線が離脱される手段を備えていることを特徴とする液体用流量計校正装置。
  6. 請求項1記載の液体用流量計校正装置において、前期バイパス側整流板は、噴流が衝突し流れの向きが偏向される場所において滑らかに流れを変えるとともに下流へ向かって表面積が増大する形状であることを特徴とする液体用流量計校正装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置において、試験液を供給する貯蔵タンクは、秤量タンクへの試験液の流入体積にあわせて貯蔵タンクの液面が変化しないように前記貯蔵タンク内の試験液を排斥するように挿入される体積物と、前記体積物を挿入する手段を備えていることを特徴とする液体用流量計校正装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置において、被試験流量計からの配管を二本以上備え、流量に応じて噴流を放出するノズルを選択できるように個別の配管に開閉バルブを備えることを特徴とする液体用流量計校正装置。
  9. 請求項1記載の液体用流量計校正装置において、流路切換装置またはモータなどに接続されたロータリエンコーダと、前記ロータリエンコーダの信号を計数するエンコーダカウンタとを備え、流路切換のトリガー信号を送る手段を備えていることを特徴とする液体用流量計校正装置。
  10. 請求項1記載の液体用流量計校正装置において、流路切換装置に固定された遮光板と、二つ以上の光センサーと、該光センサーを任意の微小距離もしくは微小角度分だけ移動させ固定することができる移動手段とを備えていることを特徴とする液体用流量計校正装置。
  11. 請求項6記載の液体用流量計校正装置において、バイパス側整流板は円錐を半分に切断した形状をしていることを特徴とする液体用流用計校正装置。
  12. 請求項11記載の液体用流量計校正装置において、バイパス側整流板の円錐を半分に切断した形状のうち、一枚目の転流羽根に面した円錐面が転流羽根との間に空隙を有することを特徴とする液体用流用計校正装置。
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