JP2006105743A - 脳血流定量解析プログラム、記録媒体および脳血流定量解析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】2回以上の分割投与法を用いる場合に、サブトラクションを行なわずに脳画像再構成を行うことができ、基底核を含むスライスの選択およびROIの設定における術者毎のバラツキを避け、定量画像にバラツキを生じさせないようにすると共に、術者の煩雑さを解消することができる脳血流定量解析プログラム等を提供する。
【解決手段】RIで標識されたトレーサが被験者の脳へ2回以上分割投与され、各分割投与後にSPECT測定を行って得られた各投影データを入力する。次に、入力された各投影データに基づき、各分割投与後の再構成画像を得て、当該各分割投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って各標準脳画像を得る。得られた各標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得ることができる。再構成画像を得る際に、IBL法またはABL法を用いる。解剖学的正規化後のSPECT画像に対しLassenの補正を行なう。
【選択図】 図1
【解決手段】RIで標識されたトレーサが被験者の脳へ2回以上分割投与され、各分割投与後にSPECT測定を行って得られた各投影データを入力する。次に、入力された各投影データに基づき、各分割投与後の再構成画像を得て、当該各分割投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って各標準脳画像を得る。得られた各標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得ることができる。再構成画像を得る際に、IBL法またはABL法を用いる。解剖学的正規化後のSPECT画像に対しLassenの補正を行なう。
【選択図】 図1
Description
本発明は、コンピュータ断層撮影測定により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析プログラム等に関し、特に、RIで標識されたトレーサを用いて単光子放出コンピュータ断層撮影測定等により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析プログラム等に関する。
近年、患者等に大きな負担をかけずに身体内の様子を画像として捕らえ正確な診断を行なうための画像診断機は医療の現場において必須のものとなっている。このような画像診断機には、例えばX線断層写真撮影機(Computer Tomography : CT)、磁気共鳴映像機(Magnetic Resonance Imaging : MRI)、超音波診断機および放射線診断機等がある。これらの画像診断機を用いた画像診断は、患者の病気の早期診断、治療法の選択、治療効果の予測および判定などの機能情報を提供するものとして広く用いられている。
核医学の臨床の場においては、例えば非特許文献1に記載されているように患者体内に放射性同位元素(ラジオアイソトープ、Radio Isotope : RI)を導入し、そこから発せられるγ線を利用する単光子放出コンピュータ断層撮影(Single Photon Emission Computed Tomography : SPECT)および陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography : PET)がそれぞれの装置を用いることで利用されている。上述の様な医用画像処理装置においては、収集した投影データから画像再構成および画像解析等の様々な画像処理ができるように各種のコンピュータ・プログラムが用意されている。
Tc(テクネシウム)-99mECD(エチル・システイネイト・ダイマ、ethyl cysteinate dimer。以下、「ECD」と省略する。 )は、脳血流SPECT用の放射性医薬品である短半減期トレーサとして良く利用されている。このトレーサの特徴は、化合物の構成元素の一部をRIで置き換えて目印をつける標識後の安定性が良いことである。脳組織へこのトレーサが取り込まれた後は数分以内に脳内分布が固定するので、長時間、その分布を保つことが特徴的性質である。この特徴的性質を利用して、2回分割投与法(split-dose)とacetazolamide (アセタゾラミド、ACZ)負荷による脳循環予備能を評価するプロトコルとが臨床で使用されている。
2回分割投与法とは、非特許文献1に記載されているように、通常1回で使用される投与量のトレーサを2回に分割して投与し、各々条件を変えて連続した2回の脳画像の撮影を行なう方法である。図39は、2回分割投与法のプロトコルを示す。図39において、横軸は経過時間(分)であり、1回目のECDを静注した時刻を0分とする。図39に示されるように、時刻t1(およそ5分)から1回目のSPECTデータ(SPECT1。安静時)の収集を開始する。これは5分程度の経過によりECDの脳内分布が固まるためである。時刻t1で、負荷試験のためにDiamox(登録商標)を静注しておく。Diamox(登録商標)は炭酸脱水素酵素阻害薬acetazolamideであって、選択的且つ強力な脳血管拡張作用を有している。SPECT1データの収集は時刻t2まで行ない、時刻t2で2回目のECDを静注する。この2回目のECDの脳内分布が固まった時刻t3から2回目のSPECTデータ(SPECT2。負荷時)の収集を開始する。SPECT2データの収集は時刻t4まで行なう。Diamox(登録商標)の効果は時刻t1からt2までの間にはほとんど発現せず、時刻t2からt3までの間に発現する。この結果、SPECT2データは脳血管が拡張された場合における2回目のECDの脳内分布が固まった状態のデータとなる。SPECT1データの収集時間はDiamox(登録商標)の効果発現までの待ち時間となる。
2回目の条件(負荷時)下での局所的脳血流分布の画像は、SPECT2データからSPECT1データをサブトラクション(subtraction : SUB)することにより得ることができる。図40は、サブトラクション法の概念を示す。図40(A)はSPECT1データを示し、図40(B)はSPECT2データを示す。上述のように、SPECTでは患者体内に導入されたRIから発せられるγ線を検出するが、総収集カウントの3乃至4割は散乱線成分であり、この散乱線の多くはコンプトン散乱線である。つまり、SPECTデータは非散乱成分(プライマリ成分)とコンプトン光子による散乱成分とを含んでいる。図40(A)において、符号104はSPECT1データのプライマリ成分Pi [1st]であり、102はSPECTデータ1の散乱成分Si [1st]であり、両者を合わせたyi [1st]がSPECT1データである。図40(B)において、符号108はSPECT2データの真のプライマリ成分Pi [2nd true]であり、106はSPECT2データの真の散乱成分Si [2nd true]であり、両者を合わせたものが真のSPECT2データである。図40(B)に示されるように、SPECT2データyi [2nd]には1回目のECD投与による脳内残留放射能であるSPECT1データyi [1st]がベースラインとして加算されている。このため、SPECT2データyi [2nd]はSPECT1データyi [1st]と真のSPECT2データとを合わせたものとなる。したがって、2回分割投与法における従来の脳画像処理においては、SPECT2データyi [2nd]からSPECT1データyi [1st]をサブトラクションすることにより局所的脳血流分布の再構成画像を得ていた。再構成とは、上述のSPECTデータからFBP(filtered backprojection)法または逐次近似型画像再構成法であるOSEM(ordered subsets-expectation maximization)法を利用して、横断像を作成することである。すなわち、SPECT1データを再構成して横断像(1st横断像)を作成し、上述のサブトラクションにより得られたデータを再構成して横断像(2sub横断像)を作成する。これらの1st横断像、2sub横断像を定性SPECT画像と呼ぶ。
一方、1回目のECD静注時(時刻0)と同時にRIangiography(血管投影法)を行い(約2分間)、大動脈弓部に集積されたRIと脳部に集積されたRIとを利用したパトラックプロット(patlak plot)法またはBUR(brain uptake ratio)法により、正常側の大脳半球における平均脳血流値を算出する。上述の1st横断像に対して、この平均脳血流値を用いたラッセン(Lassen)の補正を行ない、安静時定量脳血流値の横断像に変換する。ECDの脳組織への取り込みは脳血流と直線関係にないため、高血流領域で過小評価される。そこで、ラッセンの補正を行なうことにより高血流領域の部分を持ち上げ補正する。
次に、2sub横断像における基底核SPECTカウント、1st横断像の基底核SPECTカウントおよび上記平均脳血流値から負荷後の平均脳血流値を求める。図41は、基底核を含むスライス(またはフレーム)の選択を説明するための図である。図41にはスライス19から36が示されており、このうち符号Sで示されるスライス28から30が基底核を含むスライスとして選択され、スライス加算される。スライス加算された画像の正常側の大脳半球またはより軽症側の大脳半球の参照領域としてROI(region of interest。関心領域)を設定する。図42(A)、42(B)はスライス加算された画像を示す。図42(A)において、符号ROIaは正常側の大脳半球またはより軽症側の大脳半球に設定されたROIを示す。両大脳半球が均一な分布を示す場合は、図42(B)に示されるように大脳全体を囲むようにROIbを設定する。以上のように設定されたROIaまたはROIb内の平均SPECT値を求める。この平均SPECT値と負荷後の平均脳血流値とを用いて、1st横断像の場合と同様に、2sub横断像に対してラッセンの補正を行ない、負荷時定量脳血流値の横断像に変換する。以上のようにして得られた、変換された1st横断像、2sub横断像を定量SPECT画像と呼ぶ。これらの定量画像は所望の表示ソフトウェアにより表示され、局所脳血流解析を行なう。
西村恒彦、改訂版最新脳SPECT/PETの臨床−脳機能の検査法、第12頁−第17頁、株式会社メジカルビュー社
西村恒彦、改訂版最新脳SPECT/PETの臨床−脳機能の検査法、第12頁−第17頁、株式会社メジカルビュー社
上述の2回分割投与法は、SPECT2データからSPECT1データをサブトラクションすることによる負荷画像の信号・雑音比(S/N比)が悪化するという問題があった。投与量比が1:1の場合、サブトラクションによって2回目の再構成画像の分散が3倍悪化(すなわち標準偏差がルート3倍悪化)すると言われている。理論的には、投与量比が1:2時に1回目および2回目の再構成画像は同じS/N比になると言われている。このような画像の劣化を避けるためには、全体のECD投与量を増加させる必要があるが、ECD投与量の増加は患者に対する被爆の上昇を招き、検査費用の増加も招くこととなるため好ましいものではない。
上述の基底核を含むスライスの選択およびROIの設定は術者が行なっていたため、煩雑であると共に術者毎のバラツキは避けられなかった。この結果、定量画像にバラツキが生じるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、2回(または2回以上の)分割投与法を用いる場合に、サブトラクションを行なわずに脳画像再構成を行うことができる脳血流定量解析プログラム等を提供することにある。
本発明の第2の目的は、基底核を含むスライスの選択およびROIの設定における術者毎のバラツキを避け、定量画像にバラツキを生じさせないようにすると共に、術者の煩雑さを解消することができる脳血流定量解析プログラム等を提供することにある。
この発明の脳血流定量解析プログラムは、コンピュータ断層撮影測定により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析プログラムであって、コンピュータに、所定の薬剤が被験者の脳へn回(nは2以上)に分割投与され、各分割投与後に前記コンピュータ断層撮影測定を行って得られた各投影データを入力する投影データ入力ステップ、前記投影データ入力ステップで入力された各投影データに基づき、各分割投与後の再構成画像を得る画像再構成ステップ、前記画像再構成ステップで得られた各分割投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って各標準脳画像を得る解剖学的正規化ステップ、前記解剖学的正規化ステップで得られた各標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得る定量化ステップを実行させるための脳血流定量解析プログラムである。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記コンピュータ断層撮影測定は単光子放出コンピュータ断層撮影測定又は陽電子放出断層撮影測定であり、前記所定の薬剤は放射性同位元素(RI)で標識されたトレーサを含み、前記画像再構成ステップは、mを再構成画像上の画素の総数とし、j(=1〜m)を再構成画像上の画素とし、nを脳へ投与された放射性同位元素から放出された光子又は陽電子が投影される投影データ上の画素の総数又は当該光子又は陽電子を検出する検出器の総数とし、i(=1〜n)を投影データ上の画素とし、ここでmおよびnは予め画素数記録部に記録されており、cijを再構成画像上の画素jから放出された光子又は陽電子が投影データ上の1画素iで検出される確率とし、ここでcijは予めj=1からmまで及びi=1からnまで検出確率記録部に記録されており、h=1から分割投与の数L(Lは2以上)について、λj 0[h]を、第h回目の分割投与について用いられる、0回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度とし、ここでλj 0[h]は予めj=1からmまで第h回推定RI濃度初期値記録部に記録されており、h=1からLについて、yi [h]を、第h回目の分割投与後に、投影データ上の1画素iで検出された光子又は陽電子のカウント数とし、ここでyi [h]は検出後にi=1からnまで第h回測定データ記録部に記録されており、h=1からLについて、Si [h]を第h回目の分割投与後における投影データ上の1画素iにおける散乱補正項とし、ここでSi [h]はi=1からnまで第h回散乱補正項記録部に記録されており、第1回目の分割投与後の再構成画像を、k回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[1]を式(1)を用いてk=0から所定の繰返し回数まで繰返し計算することにより求める第1回再構成画像生成ステップと、
ここで、λj 0[1]は前記第1回推定RI濃度初期値記録部に記録され、cijは前記検出確率記録部に記録され、yi [1]は前記第1回測定データ記録部に記録されており、Si [1]は前記第1回散乱補正項記録部に記録されており、h=2からLまで、第h回目の分割投与後の再構成画像を、k回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[h]を式(2)を用いてk=0から所定の繰返し回数まで繰返し計算することにより求める第h回再構成画像生成ステップとを備え、
ここで、λj 0[h]は前記第h回推定RI濃度初期値記録部に記録され、cijは前記検出確率記録部に記録され、yi [h]は前記第h回測定データ記録部に記録され、Si [h]は前記第h回散乱補正項記録部に記録されているものとすることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、式(1)の代わりに式(3)
を用いることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記解剖学的正規化ステップは、前記各分割投与後の再構成画像について、第2回目以降の分割投与後の再構成画像を第1回目の分割投与後の再構成画像と同じ位置に合わせる補正を行なう位置合わせステップと、前記位置合わせステップによる補正後の再構成画像について、空間の変形パラメータを用いて標準脳に一致するように変形することにより各標準脳画像を得る標準化ステップと、前記標準化ステップ後の再構成画像について、平滑化フィルタをかける平滑化ステップとを備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記変形パラメータは、所定の重み付けをされた各投影データの総和である総和投影データを求め、該総和投影データに基づき再構成画像を得た後、該再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る処理を行い、該処理に基づき得られるものであるものとすることができる。
ここで、この発明の記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップにおける所定の定量化は、各標準脳画像に対し、入力された前記被験者の安静時の平均脳血流値を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて各定量画像を得ることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップで得られた各定量画像を表示する表示ステップをさらに備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップで得られた各定量画像に基づき、所定の領域における局所脳血流の増加量及び/又は増加率を所定の表示形式で表示する増加量等表示ステップをさらに備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記所定の表示形式は、各分割投与毎の局所脳血流値をグラフで表示することができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記所定の表示形式は、第h(hは2以上)回分割投与における局所脳血流値と第h回より前の分割投与における局所脳血流値とのピクセル毎の差を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記所定の表示形式は、第h(hは2以上)回分割投与における所定の関心領域における局所脳血流値の平均値と第h回より前の分割投与における前記所定の関心領域における局所脳血流値の平均値との差を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記画像再構成ステップに先立ち、前記投影データ入力ステップで入力された第1回分割投与後の投影データを構成する1枚のスライス分の投影データに所定のフィルタをかけ、再構成した画像を表示する確認表示ステップをさらに備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップで得られた各定量画像に基づき、所定の関心領域における局所脳血流値の平均値を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
この発明の脳血流定量解析プログラムは、コンピュータ断層撮影測定により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析プログラムであって、コンピュータに、所定の薬剤が被験者の脳へ投与され、投与後に前記コンピュータ断層撮影測定を行って得られた投影データを入力する投影データ入力ステップ、前記投影データ入力ステップで入力された投影データに基づき、投与後の再構成画像を得る画像再構成ステップ、前記画像再構成ステップで得られた投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る解剖学的正規化ステップ、前記解剖学的正規化ステップで得られた標準脳画像に対し所定の定量化を行なって定量画像を得る定量化ステップを実行させるための脳血流定量解析プログラムである。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記解剖学的正規化ステップは、前記投与後の再構成画像について、空間の変形パラメータを用いて標準脳に一致するように変形することにより標準脳画像を得る標準化ステップと、前記標準化ステップ後の再構成画像について、平滑化フィルタをかける平滑化ステップとを備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記変形パラメータは、前記投影データに基づき再構成画像を得た後、該再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る処理を行い、該処理に基づき得られるものであるものとすることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップにおける所定の定量化は、標準脳画像に対し、入力された前記被験者の安静時の平均脳血流値を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて定量画像を得ることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップで得られた定量画像を表示する表示ステップをさらに備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記画像再構成ステップに先立ち、前記投影データ入力ステップで入力された投与後の投影データを構成する1枚のスライス分の投影データに所定のフィルタをかけ、再構成した画像を表示する確認表示ステップをさらに備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップで得られた定量画像に基づき、所定の関心領域における局所脳血流値の平均値を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
この発明の記録媒体は、本発明のいずれかまたは複数の脳血流定量解析プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
この発明の脳血流定量解析方法は、コンピュータ断層撮影測定により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析方法であって、所定の薬剤が被験者の脳へn回(nは2以上)に分割投与され、各分割投与後に前記コンピュータ断層撮影測定を行って得られた各投影データを入力する投影データ入力ステップと、前記投影データ入力ステップで入力された各投影データに基づき、各分割投与後の再構成画像を得る画像再構成ステップと、前記画像再構成ステップで得られた各分割投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って各標準脳画像を得る解剖学的正規化ステップと、前記解剖学的正規化ステップで得られた各標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得る定量化ステップとを備えたことを特徴とする。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記コンピュータ断層撮影測定は単光子放出コンピュータ断層撮影測定又は陽電子放出断層撮影測定であり、前記所定の薬剤は放射性同位元素(RI)で標識されたトレーサを含み、前記画像再構成ステップは、mを再構成画像上の画素の総数とし、j(=1〜m)を再構成画像上の画素とし、nを脳へ投与された放射性同位元素(RI)から放出された光子又は陽電子が投影される投影データ上の画素の総数又は当該光子又は陽電子を検出する検出器の総数とし、i(=1〜n)を投影データ上の画素とし、ここでmおよびnは予め画素数記録部に記録されており、cijを再構成画像上の画素jから放出された光子又は陽電子が投影データ上の1画素iで検出される確率とし、ここでcijは予めj=1からmまで及びi=1からnまで検出確率記録部に記録されており、h=1から分割投与の数L(Lは2以上)について、λj 0[h]を、第h回目の分割投与について用いられる、0回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度とし、ここでλj 0[h]は予めj=1からmまで第h回推定RI濃度初期値記録部に記録されており、h=1からLについて、yi [h]を、第h回目の分割投与後に、投影データ上の1画素iで検出された光子又は陽電子のカウント数とし、ここでyi [h]は検出後にi=1からnまで第h回測定データ記録部に記録されており、h=1からLについて、Si [h]を第h回目の分割投与後における投影データ上の1画素iにおける散乱補正項とし、ここでSi [h]はi=1からnまで第h回散乱補正項記録部に記録されており、第1回目の分割投与後の再構成画像を、k回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[1]を式(4)を用いてk=0から所定の繰返し回数まで繰返し計算することにより求める第1回再構成画像生成ステップと、
ここで、λj 0[1]は前記第1回推定RI濃度初期値記録部に記録され、cijは前記検出確率記録部に記録され、yi [1]は前記第1回測定データ記録部に記録されており、Si [1]は前記第1回散乱補正項記録部に記録されており、h=2からLまで、第h回目の分割投与後の再構成画像を、k回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[h]を式(5)を用いてk=0から所定の繰返し回数まで繰返し計算することにより求める第h回再構成画像生成ステップとを備え、
ここで、λj 0[h]は前記第h回推定RI濃度初期値記録部に記録され、cijは前記検出確率記録部に記録され、yi [h]は前記第h回測定データ記録部に記録され、Si [h]は前記第h回散乱補正項記録部に記録されているものとすることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、式(4)の代わりに式(6)
を用いることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記解剖学的正規化ステップは、前記各分割投与後の再構成画像について、第2回目以降の分割投与後の再構成画像を第1回目の分割投与後の再構成画像と同じ位置に合わせる補正を行なう位置合わせステップと、前記位置合わせステップによる補正後の再構成画像について、空間の変形パラメータを用いて標準脳に一致するように変形することにより各標準脳画像を得る標準化ステップと、前記標準化ステップ後の再構成画像について、平滑化フィルタをかける平滑化ステップとを備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記変形パラメータは、所定の重み付けをされた各投影データの総和である総和投影データを求め、該総和投影データに基づき再構成画像を得た後、該再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る処理を行い、該処理に基づき得られるものであるものとすることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップにおける所定の定量化は、各標準脳画像に対し、入力された前記被験者の安静時の平均脳血流値を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて各定量画像を得ることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップで得られた各定量画像を表示する表示ステップをさらに備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップで得られた各定量画像に基づき、所定の領域における局所脳血流の増加量及び/又は増加率を所定の表示形式で表示する増加量等表示ステップをさらに備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記所定の表示形式は、各分割投与毎の局所脳血流値をグラフで表示することができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記所定の表示形式は、第h(hは2以上)回分割投与における局所脳血流値と第h回より前の分割投与における局所脳血流値とのピクセル毎の差を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記所定の表示形式は、第h(hは2以上)回分割投与における所定の関心領域における局所脳血流値の平均値と第h回より前の分割投与における前記所定の関心領域における局所脳血流値の平均値との差を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記画像再構成ステップに先立ち、前記投影データ入力ステップで入力された第1回分割投与後の投影データを構成する1枚のスライス分の投影データに所定のフィルタをかけ、再構成した画像を表示する確認表示ステップをさらに備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップで得られた各定量画像に基づき、所定の関心領域における局所脳血流値の平均値を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
この発明の脳血流定量解析方法は、コンピュータ断層撮影測定により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析方法であって、所定の薬剤が被験者の脳へ投与され、投与後に前記コンピュータ断層撮影測定を行って得られた投影データを入力する投影データ入力ステップと、前記投影データ入力ステップで入力された投影データに基づき、投与後の再構成画像を得る画像再構成ステップと、前記画像再構成ステップで得られた投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る解剖学的正規化ステップと、前記解剖学的正規化ステップで得られた標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得る定量化ステップとを備えたことを特徴とする。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記解剖学的正規化ステップは、前記投与後の再構成画像について、空間の変形パラメータを用いて標準脳に一致するように変形することにより標準脳画像を得る標準化ステップと、前記標準化ステップ後の再構成画像について、平滑化フィルタをかける平滑化ステップとを備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記変形パラメータは、前記投影データに基づき再構成画像を得た後、該再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る処理を行い、該処理に基づき得られるものであるものとすることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップにおける所定の定量化は、標準脳画像に対し、入力された前記被験者の安静時の平均脳血流値を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて定量画像を得ることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップで得られた定量画像を表示する表示ステップをさらに備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記画像再構成ステップに先立ち、前記投影データ入力ステップで入力された投与後の投影データを構成する1枚のスライス分の投影データに所定のフィルタをかけ、再構成した画像を表示する確認表示ステップをさらに備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップで得られた定量画像に基づき、所定の関心領域における局所脳血流値の平均値を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
この発明の脳血流定量解析装置は、コンピュータ断層撮影測定により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析装置であって、所定の薬剤が被験者の脳へn回(nは2以上)に分割投与され、各分割投与後に前記コンピュータ断層撮影測定を行って得られた各投影データを入力する投影データ入力手段と、前記投影データ入力手段で入力された各投影データに基づき、各分割投与後の再構成画像を得る画像再構成手段と、前記画像再構成手段で得られた各分割投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って各標準脳画像を得る解剖学的正規化手段と、前記解剖学的正規化手段で得られた各標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得る定量化手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、この発明の脳血流定量解析装置において、前記コンピュータ断層撮影測定は単光子放出コンピュータ断層撮影測定又は陽電子放出断層撮影測定であり、前記所定の薬剤は放射性同位元素(RI)で標識されたトレーサを含み、前記画像再構成手段は、mを再構成画像上の画素の総数とし、j(=1〜m)を再構成画像上の画素とし、nを脳へ投与された放射性同位元素から放出された光子又は陽電子が投影される投影データ上の画素の総数又は当該光子又は陽電子を検出する検出器の総数とし、i(=1〜n)を投影データ上の画素とし、ここでmおよびnは予め画素数記録部に記録されており、cijを再構成画像上の画素jから放出された光子又は陽電子が投影データ上の1画素iで検出される確率とし、ここでcijは予めj=1からmまで及びi=1からnまで検出確率記録部に記録されており、h=1から分割投与の数L(Lは2以上)について、λj 0[h]を、第h回目の分割投与について用いられる、0回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度とし、ここでλj 0[h]は予めj=1からmまで第h回推定RI濃度初期値記録部に記録されており、h=1からLについて、yi [h]を、第h回目の分割投与後に、投影データ上の1画素iで検出された光子又は陽電子のカウント数とし、ここでyi [h]は検出後にi=1からnまで第h回測定データ記録部に記録されており、h=1からLについて、Si [h]を第h回目の分割投与後における投影データ上の1画素iにおける散乱補正項とし、ここでSi [h]はi=1からnまで第h回散乱補正項記録部に記録されており、第1回目の分割投与後の再構成画像を、k回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[1]を式(1)を用いてk=0から所定の繰返し回数まで繰返し計算することにより求める第1回再構成画像生成手段と、
ここで、λj 0[1]は前記第1回推定RI濃度初期値記録部に記録され、cijは前記検出確率記録部に記録され、yi [1]は前記第1回測定データ記録部に記録されており、Si [1]は前記第1回散乱補正項記録部に記録されており、h=2からLまで、第h回目の分割投与後の再構成画像を、k回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[h]を式(2)を用いてk=0から所定の繰返し回数まで繰返し計算することにより求める第h回再構成画像生成手段とを備え、
ここで、λj 0[h]は前記第h回推定RI濃度初期値記録部に記録され、cijは前記検出確率記録部に記録され、yi [h]は前記第h回測定データ記録部に記録され、Si [h]は前記第h回散乱補正項記録部に記録されているものとすることができる。
ここで、この発明のいずれかの脳血流定量解析装置において、前記解剖学的正規化手段は、前記各分割投与後の再構成画像について、第2回目以降の分割投与後の再構成画像を第1回目の分割投与後の再構成画像と同じ位置に合わせる補正を行なう位置合わせ手段と、前記位置合わせ手段による補正後の再構成画像について、空間の変形パラメータを用いて標準脳に一致するように変形することにより各標準脳画像を得る標準化手段と、前記標準化手段後の再構成画像について、平滑化フィルタをかける平滑化手段とを備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析装置において、前記変形パラメータは、所定の重み付けをされた各投影データの総和である総和投影データを求め、該総和投影データに基づき再構成画像を得た後、該再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る処理を行い、該処理に基づき得られるものであるものとすることができる。
ここで、この発明のいずれか脳血流定量解析装置において、前記定量化手段における所定の定量化は、各標準脳画像に対し、入力された前記被験者の安静時の平均脳血流値を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて各定量画像を得ることができる。
ここで、この発明のいずれかの脳血流定量解析装置において、前記定量化手段で得られた各定量画像を表示する表示手段をさらに備えることができる。
ここで、この発明のいずれかの脳血流定量解析装置において、前記定量化手段で得られた各定量画像に基づき、所定の領域における局所脳血流の増加量及び/又は増加率を所定の表示形式で表示する増加量等表示手段をさらに備えることができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析装置において、前記所定の表示形式は、各分割投与毎の局所脳血流値をグラフで表示することができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析装置において、前記所定の表示形式は、第h(hは2以上)回分割投与における局所脳血流値と第h回より前の分割投与における局所脳血流値とのピクセル毎の差を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
ここで、この発明の脳血流定量解析装置において、前記所定の表示形式は、第h(hは2以上)回分割投与における所定の関心領域における局所脳血流値の平均値と第h回より前の分割投与における前記所定の関心領域における局所脳血流値の平均値との差を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
ここで、この発明のいずれかの脳血流定量解析装置において、前記画像再構成手段に先立ち、前記投影データ入力手段で入力された第1回分割投与後の投影データを構成する1枚のスライス分の投影データに所定のフィルタをかけ、再構成した画像を表示する確認表示手段をさらに備えることができる。
ここで、この発明のいずれかの脳血流定量解析装置において、前記定量化手段で得られた各定量画像に基づき、所定の関心領域における局所脳血流値の平均値を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
この発明の第2の脳血流定量解析装置は、コンピュータ断層撮影測定により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析装置であって、所定の薬剤が被験者の脳へ投与され、投与後に前記コンピュータ断層撮影測定を行って得られた投影データを入力する投影データ入力手段と、前記投影データ入力手段で入力された投影データに基づき、投与後の再構成画像を得る画像再構成手段と、前記画像再構成手段で得られた投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る解剖学的正規化手段と、前記解剖学的正規化手段で得られた標準脳画像に対し所定の定量化を行なって定量画像を得る定量化手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、この発明の第2の脳血流定量解析装置において、前記解剖学的正規化手段は、前記投与後の再構成画像について、空間の変形パラメータを用いて標準脳に一致するように変形することにより標準脳画像を得る標準化手段と、前記標準化手段後の再構成画像について、平滑化フィルタをかける平滑化手段とを備えることができる。
ここで、この発明の第2の脳血流定量解析装置において、前記変形パラメータは、前記投影データに基づき再構成画像を得た後、該再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る処理を行い、該処理に基づき得られるものであるものとすることができる。
ここで、この発明のいずれかの第2の脳血流定量解析装置において、前記定量化手段における所定の定量化は、標準脳画像に対し、入力された前記被験者の安静時の平均脳血流値を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて定量画像を得ることができる。
ここで、この発明のいずれかの第2の脳血流定量解析装置において、前記定量化手段で得られた定量画像を表示する表示手段をさらに備えることができる。
ここで、この発明のいずれかの第2の脳血流定量解析装置において、前記画像再構成手段に先立ち、前記投影データ入力手段で入力された投与後の投影データを構成する1枚のスライス分の投影データに所定のフィルタをかけ、再構成した画像を表示する確認表示手段をさらに備えることができる。
ここで、この発明のいずれかの第2の脳血流定量解析装置において、前記定量化手段で得られた定量画像に基づき、所定の関心領域における局所脳血流値の平均値を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。
本発明の脳血流定量解析プログラム等によれば、所定の薬剤、例えばRIで標識されたトレーサを含む薬剤が被験者の脳へn回(nは2以上)分割投与され、各分割投与後にコンピュータ断層撮影測定を行って得られた各投影データを入力する。コンピュータ断層撮影測定としては、SPECT測定またはPET測定が好適であるが、MRI測定またはCT測定であってもよい。次に、入力された各投影データ(例えばSPECTデータ)に基づき、各分割投与後の再構成画像を得て、当該各分割投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って各標準脳画像を得る。得られた各標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得ることができる。再構成画像を得る際に、後述のIBL法またはABL法を用いることにより、2回(または2回以上の)分割投与法を用いる場合に、サブトラクションを行なわずに脳画像再構成を行うことができる。本発明の脳血流定量解析プログラムでは、解剖学的正規化後のSPECT等の画像に対し、入力された被験者の安静時の平均脳血流値(mCBF)を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて各定量画像を得ている。このため、負荷時基底核カウントおよび安静時基底核カウントを自動的にRange31−40と選択されたスライス画像の値にすることができる。本発明の脳血流定量解析プログラムでは、スライス加算された画像の正常側の大脳半球またはより軽症側の大脳半球にROIを設定する際に、ROIテンプレートを用いて設定することができる。このため、ROIの設定における術者毎のバラツキを避け、定量画像にバラツキを生じさせないようにすると共に、術者の煩雑さを解消することができるという効果がある。
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。本発明におけるコンピュータ断層撮影測定は、所定の薬剤、例えばRIで標識されたトレーサを含む薬剤を被験者の脳へn回(nは2以上)分割投与し、各分割投与後に各投影データを測定するものである。例えば、SPECT測定またはPET測定が好適であるが、MRI測定またはCT測定であってもよい。以下では、一例としてSPECT測定を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1における脳血流定量解析プログラム等の流れをフローチャートで示す。まず、脳血流定量解析プログラム等の流れの概要を説明し、次に各ステップについて詳細に説明する。図1に示されるように、RIで標識されたトレーサが被験者の脳へ2回以上分割投与され、各分割投与後にSPECT測定を行って得られた各投影データ(SPECTデータ)を入力する(投影データ入力ステップ。ステップS10)。次に、投影データ入力ステップ(ステップS10)で入力された各投影データに基づき、各分割投与後の再構成画像を得る(画像再構成ステップ。ステップS20)。画像再構成ステップ(ステップS20)で得られた各分割投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って各標準脳画像を得る(解剖学的正規化ステップ。ステップS40)。解剖学的正規化ステップ(ステップS50)で得られた各標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得る(定量化ステップ。ステップS50)。
以上の説明では、本発明の実施例1における脳血流定量解析プログラムをステップ単位で記載した。しかし、当該脳血流定量解析プログラムはコンピュータ・ソフトウェアである以上、各ステップは当然当該プログラムの各機能であることは言うまでもない。従って、投影データ入力ステップ、画像再構成ステップ、解剖学的正規化ステップ、定量化ステップ、表示ステップ(後述)等は、各々投影データ入力機能(手段)、画像再構成機能(手段)、解剖学的正規化機能(手段)、定量化機能(手段)、表示機能(手段)等と言い換えても良いことは勿論である。
図2は、本発明の実施例1における投影データ入力ステップ(ステップS10)を説明するための図である。投影データ入力ステップ(ステップS10)では上述の背景技術で説明した2回分割投与法(図38参照)を用いることもでき、さらに図2に示されるように、通常1回で使用される投与量のトレーサを3回に分割して投与し、各々条件を変えて連続した3回の脳画像の撮影を行なうこと(3回分割投与法)もできる。図2に示される3回分割投与法は、2回分割投与までは図38に示されるものと同様であるため説明は省略する。図2に示されるように、SPECT2データ(負荷時1)の収集は時刻t4まで行ない、時刻t4で3回目のECDを静注する。この3回目のECDの脳内分布が固まった時刻t5から3回目のSPECTデータ(SPECT3。負荷時2)の収集を開始する。SPECT3データの収集は時刻t6まで行なう。図2では3回分割投与法について説明したが、投影データ入力ステップ(ステップS10)では必要に応じて4回以上の分割投与法を用いることも可能である。
次に、画像再構成ステップ(ステップS20)について説明する。本発明の脳血流定量解析プログラム等では、逐次近似型画像再構成法(OSEM法)に前回(例えば1回)までのECD投与によるベースラインの影響を予め組み込んだアルゴリズムを用いることが特徴である。そこで、まず逐次近似型画像再構成法について説明する。
未知数である体内のRI分布を、収集された投影データから統計的手法により最も可能性の高いケースとして推定する方法として、最尤推定−期待値最大化(Maximumlikelihood - Expectation Maximization : ML−EM)再構成法がある。このML−EM法は最尤推定法と期待値最大化法とを組合せた方法である。ML−EM法は、推定した体内のRI分布から計算した投影データを実際に収集した投影データにできるだけ近づけるように、逐次近似法を用いて体内のRI分布を繰返し修正していく方法である。
図3は、最尤推定法の画像再構成への適用を説明する図である。図3において、符号10は脳画像の断層画像、3は断層画像10のマトリクスにおけるRI濃度がλ(MBq)の1画素、30は検出器であり投影データ20上の1画素を示す。cは画素30で光子が検出される検出確率を示し、xは投影データ20上の1画素30(または画素を検出器と考えて、1検出器30)における画素3からの光子の計数を示す。RI濃度がλ(MBq)のRI(画素3)から放出された光子を検出器30(画素30)でn回測定した場合、各測定毎の計数をxiとすると、計数xの最尤推定値は式7で与えられる。
RI濃度λの最尤推定値は、λ×c=xであるため、式8で与えられる。
次に、RIをn方向の検出器で測定した場合について説明する。図4は、RIをn方向の検出器で測定した場合における最尤推定法の画像再構成への適用を説明する図である。図4で図3と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図4において、符号5は断層画像10のマトリクスにおけるRI濃度がλj(MBq)の1画素j(j=1〜断層画像10のマトリクスにおける画素の総数m)を示す。符号31ないし33は検出器であり各々投影データ20等上の1画素を示す。検出器はn個あるが図面の都合上3個のみ示されている。cij(i=1〜検出器の数nまたは投影データ上の各画素の数n、j=1〜m)は画素j(5)から放出された光子が画素i(または検出器i)で検出される検出確率を示し、xijは画素j(5)から放出され画素i(または検出器i)で検出される光子数を示す。以上の条件の場合、画素j(5)の濃度λjの最尤推定値は式9で与えられる。
実際には画素j(5)の周辺にもRIが存在するため、光子数xijは直接測定することはできない。図5は、画素j(5)の周辺のRIを考慮した場合における最尤推定法の画像再構成への適用を説明する図である。図5で図4と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図5において、yiは検出器iにおける各画素j(5)等からの計測値の総和(投影カウント)を示す。総和yiから光子数xijを推定する必要がある。ここでは最大事後確率推定(MAP推定)を用いると、光子数xijのMAP推定値は式10で与えられる。
つまり、最尤推定法により求めたい未知数である画素j(5)のRI濃度λjを検出確率cijと光子数xijとから推定する場合、光子数xijは直接測定できないため、光子数xijのMAP推定値により求めることになる。そこで、式9の右辺の光子数xijに式10の光子数xijのMAP推定値を代入すると式11を得ることができる。
式11は右辺にもRI濃度λjがあるためλjについて解けない。このためEM法により逐次式を作成する。λj kをk回目の逐次近似における推定値とすると、式11より式12を得ることができる。
図6は、式12を用いてRI濃度λjを推定する計算例を示す。図6に示されるように、まず投影方向数n=2とし、断層画像のマトリクスサイズを3×3(m=3×3=9)とし、各検出確率cijは投影方向にのみ1とし他の方向へは0と仮定する(ステップS60)。つまり投影方向以外の画素j(5)からは計測されないものと仮定する。つまり、c11、c14、c17だけが1である。図6のステップS62に示されるように、真の値をm=1から9へかけて1ないし9とすると、各投影方向への投影カウント数yiは投影方向の画素jの値の総和となる。例えばm=1、4および7の方向では画素jの値は各々1、4、7であるため投影カウント数yi=1+4+7=12となる。他の投影カウント数yiについても同様であるため、説明は省略する。推定値についてはステップS62に示されるように、m=1から9へかけてλ1ないしλ9となる。次に、k=0のすべてのλj 0を1と仮定して式12により推定計算を行なう(ステップS64)。詳細はステップS66に示されるようになる。例えばλ1 1については、λ1 0=1.0であり、c11λ1 0からc19λ9 0までの総和に関してはc11、c14、c17だけが1であって他は0であるため3.0となる。y1c11=12×1、y2c21=6×1であり、c11+c21=2であるため、λ1 1=3.0となる。
1回目の推定値としてステップS68に示されるように、m=1ないし9にかけて、λ1 1=3.0、λ2 1=3.5、λ3 1=4.0、λ4 1=4.5、λ5 1=5.0、λ6 1=5.5、λ7 1=6.0、λ8 1=6.5、λ9 1=7.0と求められる。次に、今求められたλj 1を用いて式12により同様にλj 2を求める(ステップS70)。2回目の推定値としてステップS72に示されるように、m=1ないし9にかけて、λ1 2=2.2、λ2 2=2.8、λ3 2=3.3、λ4 2=4.3、λ5 2=5.0、λ6 2=5.8、λ7 2=6.4、λ8 2=7.3、λ9 2=8.1と求められる。以上の計算を所望の繰返し回数だけ繰り返す(ステップS74)。所望の収束条件により繰返しの終了判定を行なってもよい。結果として真の値(または近似値)を求めることができる(ステップS76)。
本発明の脳血流定量解析プログラムにおける画像再構成ステップ(ステップS20)は、上述した逐次近似型画像再構成法を用いるものである。図7および図8は、本発明の脳血流定量解析プログラムにおける画像再構成ステップの流れを一連のフローチャートで示す。本フローチャートでは説明の便宜上、分割投与の回数hを2回とする。図7は第1回目(h=1)の分割投与後の再構成画像の生成のフローチャート(第1回再構成画像生成ステップ)であり、図8は図7中のステップS26から先の処理、すなわち第2回目(h=2)の分割投与後の再構成画像の生成のフローチャート(第2回再構成画像生成ステップ)である。図7に示されるように、まず再構成画像上の画素の総数mと、投影データ上の画素の総数nとを画素数記録部84(後述。図37参照)から読み出す(ステップS21)。再構成画像上の画素j=1とし(ステップS22)、上述の繰返しの回数k=0とする(ステップS23)。再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[1]=を第1回(h=1)推定RI濃度初期値記録部86-1(後述。図37参照)から読み出す(ステップS24)。投影データ上の画素i=1からnについて、散乱補正項Si [1]を第1回散乱補正項記録部88−1(後述。図37参照)から適宜読み出し、検出確率cijを検出確率記録部85(後述。図37参照)から適宜読み出し、投影データ上の画素iで検出された光子のカウント数yi [1]を第1(h=1)回測定データ記録部87−1(後述。図37参照)から適宜読み出して、式12を計算する(ステップS25)。ただし、式12に散乱補正項Si [1]を考慮し、分割投与の回数h=1を考慮して式12は式1のようになっている。式1で[1]はh=1を意味する。
所定繰返し回数だけ繰り返したか否かを判断し(ステップS26)、繰返していない場合は、繰返しの回数kを1増加し、式1で求められたλj k[1]を用いてステップS25と同様に新たなkにつき式1を計算する。ステップS26で繰返し回数が終了したと判断した場合は、第1回目(h=1)の分割投与後の再構成画像の生成は終了し、次にAへ進む。
図8に示されるように、まず再構成画像上の画素の総数mと、投影データ上の画素の総数nとを画素数記録部84から読み出す(ステップS30)。このステップS30はステップS21と同様であるため省略してもよい。再構成画像上の画素j=1とし(ステップS31)、上述の繰返しの回数k=0とする(ステップS32)。再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[2]=を第2回(h=2)推定RI濃度初期値記録部86-2から読み出す(ステップS33)。投影データ上の画素i=1からnについて、検出確率cijを検出確率記録部85から適宜読み出し、散乱補正項Si [2]を第2回散乱補正項記録部88−2から適宜読み出し、投影データ上の画素iで検出された光子のカウント数yi [2]を第2(h=2)回測定データ記録部87−2から適宜読み出して、以下の式2を計算する(ステップS34)。
本発明の脳血流定量解析プログラムにおける画像再構成ステップの特徴は、式2に示されるようにベースライン放射能としてk+1回目の逐次近似によって作成された1stの再構成画像を投影したデータを用いる点にある。このため、ベースライン放射能は毎回更新されることになる。この方法をIBL(iterative baseline estimation)法と呼ぶ。
次に、所定繰返し回数だけ繰り返したか否かを判断し(ステップS35)、繰返していない場合は、繰返しの回数kを1増加し、式2で求められたλj k[h]を用いてステップS34と同様に新たなkにつき式2を計算する。ステップS35で繰返し回数が終了したと判断した場合は、第2回目(h=2)の分割投与後の再構成画像の生成は終了する。
上述のIBL法において、式1の代わりに以下の式3を用いることもできる。
以下、式3について説明する。SPECT2の成分は、yi [2]=Pi [1]+Pi [2 true]+Si [2 ]と表すことができる。もし1stの再構成において、yi [2]に含まれる1stの投与による残留放射能のプライマリー成分(Pi [1])を取り出して利用することができれば、1stの再構成画像のS/N向上に寄与するものと考えられる。いま、1stと2ndの投影データを加算したデータ(yi [1]+yi [2])を考えると、これは2Pi [1]+Pi [2 true]+Si [1]+Si [2]となる。すなわち、1stの再構成から見れば、2ndの投与による正味のプライマリー成分(Pi [2 true])をベースラインとみなすことができる。従って、この場合も同様にしてOSEM再構成に組み込むことができる。すなわち、1stの再構成が上記の式3のように得られる。式3と式2の分母のλj k+1[2]、λj k+1[1]の項は、各々式3のk+1回目、式2のk+1回目の繰返しより交互に求めることができるため、これらを繰返し毎に代入することにより再構成画像を得ることができる。この方法をABL(alternate baseline estimation)と呼ぶ。
収束性の評価.
各再構成法の収束性を評価するために、バックグラウンド(BG)放射能が存在する円柱ファントム(直径18cm)内に、放射能濃度の低いCold領域(直径5cm)と高いHot領域(直径5cm)が存在するという線源分布を仮定した。各領域の放射能濃度比はBG:Hot:Cold=1:4:0.25とし、ファントムのマトリックスサイズは128×128(ピクセルサイズ:3.125mm)を仮定した。収束性の問題のみに注目するためにγ線の吸収、散乱、および統計ノイズは全くない物とし、数値積分によって120方向の投影データを作成した。1stと2ndの投与量比は、背景技術で説明したサブトラクション(SUB)法で0.667:1.333、その他の方法で1:1と仮定した。各再構成法で得られた1st, 2ndの画像上のバックグラウンド領域、Hot領域、およびCold領域に円形ROI (直径4.375cm)をとって、次の式13で計算されるコントラスト回復係数(contrast recovery coefficient : CRC)の変化を繰返し回数の関数として計算した。
各再構成法の収束性を評価するために、バックグラウンド(BG)放射能が存在する円柱ファントム(直径18cm)内に、放射能濃度の低いCold領域(直径5cm)と高いHot領域(直径5cm)が存在するという線源分布を仮定した。各領域の放射能濃度比はBG:Hot:Cold=1:4:0.25とし、ファントムのマトリックスサイズは128×128(ピクセルサイズ:3.125mm)を仮定した。収束性の問題のみに注目するためにγ線の吸収、散乱、および統計ノイズは全くない物とし、数値積分によって120方向の投影データを作成した。1stと2ndの投与量比は、背景技術で説明したサブトラクション(SUB)法で0.667:1.333、その他の方法で1:1と仮定した。各再構成法で得られた1st, 2ndの画像上のバックグラウンド領域、Hot領域、およびCold領域に円形ROI (直径4.375cm)をとって、次の式13で計算されるコントラスト回復係数(contrast recovery coefficient : CRC)の変化を繰返し回数の関数として計算した。
ここで、BGはバックグラウンド領域、SはHot領域あるいはCold領域のどちらかを表し、(Contrast)measがROIから計算されたコントラスト、(Contrast)trueが仮定した放射能濃度から計算された真のコントラストである。真値に収束するとCRC=1.0に近づいていく。繰返し回数は1〜150回、subset=とした。
最適投与量比と統計ノイズの影響.
次に各再構成法において、投与量比(2nd/1st)を変化させた時の統計ノイズの評価をモンテカルロシミュレーションによって行った。シミュレーション方法とパラメータ条件は、投与量比を0.5、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0の8種類とし、投与量の総量(すなわち、2ndの投影データの総カウント)が常に一定(5.40 Mcounts/slice)になるようにした。数値ファントムは円柱ファントム(18cmφ)を使用し、一様吸収体(μ=0.15cm−1)を仮定した。再構成はイタレーション回数を4回、subset=20とした。SPECT画像の定量性はγ線の吸収(減弱)および散乱により損なわれるため、定量的なSPECT画像を得るためには吸収(減弱)および散乱の補正を行なう必要がある。実施例1においては吸収補正は仮定したμマップを用いてChang法で行い、散乱成分はTriple Energy Window (TEW)法を用いて推定した。円柱ファントムの中心に設定したROI(5cmφ)内の%COV(=標準偏差/ROI値×100%)を計算し、%COVが1stと2ndで同一になる最適投与量比を決定した。なお、比較のためにSUB法とMBL法についてもシミュレーションを行った。MBLは、IBL法における2ndの再構成について式2の代わりに以下の式14を用いるものである。
次に各再構成法において、投与量比(2nd/1st)を変化させた時の統計ノイズの評価をモンテカルロシミュレーションによって行った。シミュレーション方法とパラメータ条件は、投与量比を0.5、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0の8種類とし、投与量の総量(すなわち、2ndの投影データの総カウント)が常に一定(5.40 Mcounts/slice)になるようにした。数値ファントムは円柱ファントム(18cmφ)を使用し、一様吸収体(μ=0.15cm−1)を仮定した。再構成はイタレーション回数を4回、subset=20とした。SPECT画像の定量性はγ線の吸収(減弱)および散乱により損なわれるため、定量的なSPECT画像を得るためには吸収(減弱)および散乱の補正を行なう必要がある。実施例1においては吸収補正は仮定したμマップを用いてChang法で行い、散乱成分はTriple Energy Window (TEW)法を用いて推定した。円柱ファントムの中心に設定したROI(5cmφ)内の%COV(=標準偏差/ROI値×100%)を計算し、%COVが1stと2ndで同一になる最適投与量比を決定した。なお、比較のためにSUB法とMBL法についてもシミュレーションを行った。MBLは、IBL法における2ndの再構成について式2の代わりに以下の式14を用いるものである。
再構成画像の画質と定量性の評価.
Zubalらの3Dデジタル脳ファントムを用いて同様にモンテカルロシミュレーションを行った。血流パターンは1stが安静脳血流パターン、2ndがACZ負荷によって右半球のみ血流増加が見られるパターンとし、これを組み合わせて各再構成法の画質と定量性を評価した。データの作成は次のようにして行った。まず、安静脳血流パターンの灰白質:白質の放射能濃度比を4:1と仮定してモンテカルロシミュレーションによって投影データ(yi [1])を作成した。次にACZ負荷時の血流パターンは、安静時血流パターンの右半球の灰白質の放射能濃度のみ1.4倍して、同様にシミュレーションで投影データ(yi [2 true])を作成した。2ndの投影データに含まれるベースライン放射能成分(yi [1 base])の量は、本来、1stの投影データ(yi [1])と同じであるが、統計ノイズを独立にするために別の乱数を用いてシミュレーションを行った。2ndの投影データは、これらの2つの投影データを加算して作成した(yi [2]=(yi [1 base]+yi [2 true])。与量比はSUB法で0.667:1.333、その他の方法で1:1とし、投与量をすべての方法で一定にするために、2ndの投影データの総カウントを一定(1.95Mcounts)にした。前処理フィルタはButterworthフィルタ(fc=0.26cycles/pixel、n=8)を用いた。吸収補正はデジタル脳ファントムから作成されたμマップとChang法で行った。ROI解析をthree-dimensional stereotaxic ROI template (3DSRT)によって行い、脳の各セグメントでの定量値を比較検討した。
Zubalらの3Dデジタル脳ファントムを用いて同様にモンテカルロシミュレーションを行った。血流パターンは1stが安静脳血流パターン、2ndがACZ負荷によって右半球のみ血流増加が見られるパターンとし、これを組み合わせて各再構成法の画質と定量性を評価した。データの作成は次のようにして行った。まず、安静脳血流パターンの灰白質:白質の放射能濃度比を4:1と仮定してモンテカルロシミュレーションによって投影データ(yi [1])を作成した。次にACZ負荷時の血流パターンは、安静時血流パターンの右半球の灰白質の放射能濃度のみ1.4倍して、同様にシミュレーションで投影データ(yi [2 true])を作成した。2ndの投影データに含まれるベースライン放射能成分(yi [1 base])の量は、本来、1stの投影データ(yi [1])と同じであるが、統計ノイズを独立にするために別の乱数を用いてシミュレーションを行った。2ndの投影データは、これらの2つの投影データを加算して作成した(yi [2]=(yi [1 base]+yi [2 true])。与量比はSUB法で0.667:1.333、その他の方法で1:1とし、投与量をすべての方法で一定にするために、2ndの投影データの総カウントを一定(1.95Mcounts)にした。前処理フィルタはButterworthフィルタ(fc=0.26cycles/pixel、n=8)を用いた。吸収補正はデジタル脳ファントムから作成されたμマップとChang法で行った。ROI解析をthree-dimensional stereotaxic ROI template (3DSRT)によって行い、脳の各セグメントでの定量値を比較検討した。
結果.
収束特性、および、コントラスト.
図9、図10は、各々1st画像のCold領域、Hot領域における各再構成法の収束特性を示したグラフを示し、図11、図12は各々2nd画像のCold領域、Hot領域における各再構成法の収束特性を示したグラフを示す。図9に示されるように、1st画像のCold領域ではすべての方法で大体同じ特性になり、CRCは繰返し回数=50〜60程度で一定値になった。一方、図10に示されるように、Hot領域ではABL法でやや違った特性を示したが、繰返し回数=50程度でどの方法も真値に到達した。2nd画像で評価すると、図11に示されるように、Cold領域ではMBL法が他の3法に較べて収束が遅く繰返し回数=90程度で収束した。他の3法はほぼ同一の特性であり、1st画像の時とほぼ同じような経過で収束した。図12に示されるように、Hot領域ではそれぞれの領域で異なる特性を示した。IBL法は繰返しに従って真の値にスムーズに漸近し収束した。一方、ABL法では早い繰返し回数で大きくオーバーシュートしてから真の値に近づいた。SUB法、MBL法でも同様にややオーバーシュートの傾向が見られた。IBL法はSUB法と同程度の繰返し回数(約30回)で真値に到達した。MBL法が最も遅い収束特性であった。全体的に見ると、どの方法でもCold領域の方がHot領域に較べて収束が遅かった。
収束特性、および、コントラスト.
図9、図10は、各々1st画像のCold領域、Hot領域における各再構成法の収束特性を示したグラフを示し、図11、図12は各々2nd画像のCold領域、Hot領域における各再構成法の収束特性を示したグラフを示す。図9に示されるように、1st画像のCold領域ではすべての方法で大体同じ特性になり、CRCは繰返し回数=50〜60程度で一定値になった。一方、図10に示されるように、Hot領域ではABL法でやや違った特性を示したが、繰返し回数=50程度でどの方法も真値に到達した。2nd画像で評価すると、図11に示されるように、Cold領域ではMBL法が他の3法に較べて収束が遅く繰返し回数=90程度で収束した。他の3法はほぼ同一の特性であり、1st画像の時とほぼ同じような経過で収束した。図12に示されるように、Hot領域ではそれぞれの領域で異なる特性を示した。IBL法は繰返しに従って真の値にスムーズに漸近し収束した。一方、ABL法では早い繰返し回数で大きくオーバーシュートしてから真の値に近づいた。SUB法、MBL法でも同様にややオーバーシュートの傾向が見られた。IBL法はSUB法と同程度の繰返し回数(約30回)で真値に到達した。MBL法が最も遅い収束特性であった。全体的に見ると、どの方法でもCold領域の方がHot領域に較べて収束が遅かった。
最適投与量比と統計ノイズの評価.
図13ないし図16は各々、MBL法、SUB法、IBL法およびABL法における、投与量比(2nd/1st)に対する%COVの変化を示すグラフである。図13ないし図16において、横軸は投与量比(injection dose ratio)であり、縦軸は%COVである。図13および図14に示されるように、MBL法およびSUB法は、投与量比が1.0、および2.0の時に1stと2ndの%COVがほぼ一致し、それぞれ約53 %と約73 %であった。一方、図15および図13に示されるようにIBL法はMBL法に比較してやや2ndの%COVが小さく、その結果、最適投与量比は約0.85とやや小さい方にシフトした。この時のIBL法の%COVは約50%となりMBL法よりやや良かった。図16に示されるように、ABL法は1stの%COVが2ndのそれより極めて良く、%COVが1stと2ndで一緒になる投与量比は、本シミュレーションの範囲では見つからなかった。図15および図16に示されるようにIBL法とABL法の2ndの再構成の式は全く同じであるが、ABL法の方がどの条件でも%COVが良かった。
図13ないし図16は各々、MBL法、SUB法、IBL法およびABL法における、投与量比(2nd/1st)に対する%COVの変化を示すグラフである。図13ないし図16において、横軸は投与量比(injection dose ratio)であり、縦軸は%COVである。図13および図14に示されるように、MBL法およびSUB法は、投与量比が1.0、および2.0の時に1stと2ndの%COVがほぼ一致し、それぞれ約53 %と約73 %であった。一方、図15および図13に示されるようにIBL法はMBL法に比較してやや2ndの%COVが小さく、その結果、最適投与量比は約0.85とやや小さい方にシフトした。この時のIBL法の%COVは約50%となりMBL法よりやや良かった。図16に示されるように、ABL法は1stの%COVが2ndのそれより極めて良く、%COVが1stと2ndで一緒になる投与量比は、本シミュレーションの範囲では見つからなかった。図15および図16に示されるようにIBL法とABL法の2ndの再構成の式は全く同じであるが、ABL法の方がどの条件でも%COVが良かった。
画質、および、定量値の評価.
図17は、上述の各再構成法で得られた脳デジタルファントムの1st (REST。安静時)、2nd (ACZ。負荷時)画像を示す。比較のために、yi [2nd true]を直接再構成し得られた真の血流増加画像(True ACZ)も示してある。図17に示されるように、画質という観点から言うと、1st画像ではABL法が最もよく、SUB法が最も悪かった。MBL法とIBL法とは全く同じ計算式であるので結果画像は同じである。一方、2nd画像では、やはりABL法が最も良く、IBL法とMBL法とはほぼ同じであった。SUB法が最も悪かった。これらはプールファントムによる結果(図14)と一致した。MBL法はIBL法より中心部の低カウント領域でコントラストの低下がわずかに認められる。ABL法では1stの画質が2ndの画質よりわずかに良かった。以上のように、2回(または2回以上の)分割投与法を用いる場合に、サブトラクションを行なわずに脳画像再構成を行うことができる。
図17は、上述の各再構成法で得られた脳デジタルファントムの1st (REST。安静時)、2nd (ACZ。負荷時)画像を示す。比較のために、yi [2nd true]を直接再構成し得られた真の血流増加画像(True ACZ)も示してある。図17に示されるように、画質という観点から言うと、1st画像ではABL法が最もよく、SUB法が最も悪かった。MBL法とIBL法とは全く同じ計算式であるので結果画像は同じである。一方、2nd画像では、やはりABL法が最も良く、IBL法とMBL法とはほぼ同じであった。SUB法が最も悪かった。これらはプールファントムによる結果(図14)と一致した。MBL法はIBL法より中心部の低カウント領域でコントラストの低下がわずかに認められる。ABL法では1stの画質が2ndの画質よりわずかに良かった。以上のように、2回(または2回以上の)分割投与法を用いる場合に、サブトラクションを行なわずに脳画像再構成を行うことができる。
次に、本発明の脳血流定量解析プログラムにおける解剖学的正規化ステップ(ステップS40)について説明する。図18は、本発明の脳血流定量解析プログラムにおける解剖学的正規化ステップ(ステップS40)の詳細をフローチャートで示す。図18に示されるように、各分割投与後の再構成画像について、第2回目以降の分割投与後の再構成画像(SPECT2以降)を第1回目の分割投与後の再構成画像(SPECT1と同じ位置に合わせる補正を行なう(位置合わせステップ。ステップS42)。次に、位置合わせステップによる補正後の再構成画像について、空間の変形パラメータを用いて標準脳に一致するように変形することにより各標準脳画像を得る(標準化ステップ。ステップS44)。ここで、変形パラメータとはSPM99またはSPM2等における変形パラメータと同じパラメータである。但し、本実施例1では、投影データとして所定の重み付けをされた各投影データの総和である総和投影データを求め、この総和投影データに基づき再構成画像を得た後、該再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る処理を行い、この処理に基づき変形パラメータを得る。所定の重み付けの例としては、SPECT1データに対して1、SPECT2データに対して1/2、SPECT3データに対して1/3とすることが好適である。この場合、総和投影データは、SPECT1+SPECT2データ×(1/2)+SPECT3データ×(1/3)となる。以上のようにして算出された変形パラメータを、1回目、2回目、3回目の再構成画像の解剖学的正規化のための変形パラメータとして用いる。続いて、標準化ステップ(ステップS44)後の再構成画像について、平滑化フィルタをかける(平滑化ステップ。ステップS46)。
上述の解剖学的正規化ステップ(ステップS40)は、例えばフリーソフトウェアのSPM(statistical parametricmapping)99またはSPM2を用いて実行することができる。あるいは、3D−SSP(three-dimensional stereotactic surface projections)を用いてもよい。
次に、本発明の脳血流定量解析プログラムにおける定量化ステップ(ステップS50)について説明する。SPECT画像には定性画像および定量画像がある。定性画像では画素(ピクセル)値は実際にカウントされたカウント値等を示しているため、投与された薬剤等が多ければそれに応じて画素値も大きくなる。さらに、対象を撮像した時間が長いほどそれに応じて画素値も大きくなる。従って、画素値自体にはあまり意味はない。一方、定量画像では画素値は実際にカウントされたカウント値等を所望の単位、例えば流量(ml/100g/min)に変換した値を示している。従って、画素値には例えば流量として意味があることになる。定量化(絶対的定量法)には、123I−IMP(N-isopropyl-p-[123I]iodoamphetamine。以下「IMP」と省略する。)およびECDをトレーサとして用いるmicrosphere法、IMPをトレーサとして用いるautoradiography法、microsphere法から発展したECDをトレーサとして用いるpatlak plot法、ECDをトレーサとして用いるBUR等がある。本実施例1の定量化ではpatlak plot法を用いた場合について説明するが、上記の他の方法を用いてもよいことは勿論である。
図19は、patlak plot法を行なうタイミングを示す。図19は図2の一部(時刻0からt4まで)を拡大したものであるため、図2と同じ箇所の説明は省略する。図19に示されるように、時刻0でECDが静注されると、ECDは血管の流れに沿って心臓の大動脈弓部と脳とに集積されていく。patlak plot法では、大動脈弓部と脳とに集積されたECDをSPECTで撮像する。時間的には約2分間要するが、SPECT1(安静時)データの収集開始前には終了している。ROIは大動脈弓部と脳(健側の大脳半球)とに設定する。
図20(A)および(B)は、大動脈弓部と脳とに集積されたECDの時間放射能曲線(Time-activity curve : TAC)を示す。図20(A)および(B)において、横軸は時間(t)であり、縦軸は放射能量であり、大動脈弓部(Aorta)のTACはA(t)、脳(Brain)のTACはB(t)で示す。ECDは大動脈弓部から脳へ流れるため、図20(A)に示されるようにA(t)のピーク位置PaとB(t)のピーク位置Pbとはずれている。そこで、図20(B)に示されるように、B(t)を並行移動させてこれらのピーク位置PaおよびPbを合わせる。
次に、図20(B)に示されるTACから図20(C)に示されるようなpatlak plotを求める。具体的には、横軸を、以下の式、
とし、縦軸をB(t)/A(t)として図20(C)に示されるようにプロットする。この結果、得られる直線は以下の式15となる。
ここで、傾きKuは速度流入定数(脳血流量に対応するパラメータ)であり、切片Vnは初期分布容積(脳血液量に対応するパラメータ)である。次に、傾きKuを用いて次の式16によりBPI(Brain perfusion index)を算出する。
続いて、予め求めておいたBPI(ECD−BPI)と平均脳血流量(mean cerebral blood flow : mCBF)との換算式から大脳半球平均CBFを算出する。換算式としては、例えば式17ないし19が挙げられる。
133Xe−mCBF=2.59×ECD−BPI+19.8 (17)
133Xe−mCBF=3.34×ECD−BPI+19.7 (18)
123IMP−mCBF=3.69×ECD−BPI+4.61 (19)
133Xe−mCBF=3.34×ECD−BPI+19.7 (18)
123IMP−mCBF=3.69×ECD−BPI+4.61 (19)
式17はEP法(early picture method)、式18はSP法(sequential picture method)、式19は持続動脈採決法であり、施設毎に一定であればいずれの換算式を用いてもよい。本発明の脳血流定量解析プログラムにおける定量化ステップ(ステップS50)では、所定の定量化として、各標準脳画像に対し、入力された被験者の安静時の平均脳血流値(mCBF)を用いて、背景技術で触れたLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて各定量画像を得ている。Lassenの補正は具体的には以下のLassenの補正式20を用いて行なわれる。
1st横断像(安静時)の場合、Frは上述のmCBF(安静時における平均脳血流値)であり、C’は、領域iの1st横断像の値/3DSRTのROIテンプレート(後述)によって設定されたROI部の1st横断像の値の平均値である。一方、2sub横断像(負荷時1)の場合、Frは上述のmCBF×負荷時基底核カウント/安静時基底核カウントである。ここで、負荷時基底核カウントは、自動的にRange31−40と選択されたスライス画像(2nd)の値であり、安静時基底核カウントは、自動的にRange31−40と選択されたスライス画像(1st)の値である。C’は、領域iの2sub横断像の値/上記3DSRTのROIテンプレートによって設定されたROI部の2subの値の平均値である。
図21は、上述のROIテンプレートを示す。本発明の脳血流定量解析プログラムでは図21に示されるような標準的なROIが用意されている。スライス加算された画像の正常側の大脳半球またはより軽症側の大脳半球にROIを設定する際には、このROIテンプレートを用いて設定することができる。このため、ROIの設定における術者毎のバラツキを避け、定量画像にバラツキを生じさせないようにすると共に、術者の煩雑さを解消することができる。
上述のように、本発明の脳血流定量解析プログラムでは、解剖学的標準化後のSPECT画像に対し、入力された被験者の安静時の平均脳血流値(mCBF)を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて各定量画像を得ている。この解析法の検討は以下のように行なわれ、その結果として、上述のように負荷時基底核カウントおよび安静時基底核カウントを自動的にRange31−40と選択されたスライス画像の値にすることができた。
使用機器及び収集条件.
撮像に用いたガンマカメラは低エネルギー用汎用型コリメータ(LEGP)を装着した2検出器対向型ガンマカメラGCA7200A/PI (東芝社製) で,画像処理装置はGMS5500PIを用いた。Dynamic dataは128×128matrix 、1フレームあたり1秒で収集した。SPECTは64×64matrixで、ピクセルサイズ4.3mm、収集時間は、2分30秒/1回転の連続反復4回転収集(10分)で行った。散乱線補正は行っていない。画像再構成はramp filter によるフィルタ逆投影法で行い,前処理フィルタにはButterworth(order8、cutoff frequency0.50cycles/cm)を用い、減弱補正はChang(減弱係数0.09cm−1)を用いた。Dynamic dataから得られた入力関数を用い、BUR法)にて正常側の平均脳血流値を算出した。
撮像に用いたガンマカメラは低エネルギー用汎用型コリメータ(LEGP)を装着した2検出器対向型ガンマカメラGCA7200A/PI (東芝社製) で,画像処理装置はGMS5500PIを用いた。Dynamic dataは128×128matrix 、1フレームあたり1秒で収集した。SPECTは64×64matrixで、ピクセルサイズ4.3mm、収集時間は、2分30秒/1回転の連続反復4回転収集(10分)で行った。散乱線補正は行っていない。画像再構成はramp filter によるフィルタ逆投影法で行い,前処理フィルタにはButterworth(order8、cutoff frequency0.50cycles/cm)を用い、減弱補正はChang(減弱係数0.09cm−1)を用いた。Dynamic dataから得られた入力関数を用い、BUR法)にて正常側の平均脳血流値を算出した。
対象症例.
基底核スライス設定:左脳梗塞と診断された65歳の女性で、視覚的に左右差を認め、BUR法にて右側の平均脳血流値45ml/100g/minと算出された全39スライスの安静時脳血流SPECT画像(図22)を使用した。従来の手動的な定量解析(従来法)と正規化後にLassenの補正を行った定量解析法(3DSRT法)の比較を、臨床症例11例のデータを用いて行った。
基底核スライス設定:左脳梗塞と診断された65歳の女性で、視覚的に左右差を認め、BUR法にて右側の平均脳血流値45ml/100g/minと算出された全39スライスの安静時脳血流SPECT画像(図22)を使用した。従来の手動的な定量解析(従来法)と正規化後にLassenの補正を行った定量解析法(3DSRT法)の比較を、臨床症例11例のデータを用いて行った。
方法及び検討項目.
定性SPECT画像を、SPM99を使用した3DSRTにて解剖学的正規化を行った(図23)。その解剖学的正規化後のSPECT画像59枚(実際は68枚存在しているが、3DSRTの表示されている59枚に対し)を対象に、基底核スライスの選択を行った。基底核スライスの選択として、一般的に省かれる最頭頂部と小脳を除くように、上限を11、16、21、26、31スライスに変化させ、下限を20、21、31、36、40、47の組み合わせの19通りで検討した。解剖学的正規化後の正常側の参照ROI設定は、3DSRTのROIをそのまま使用し、選択スライスに含まれる平均カウントを求めた。3DSRTは平均カウントで表示されるため、それぞれのピクセル数を用いて補正後、再度平均カウントを算出した。臨床症例11例のデータに対し、従来法と3DSRT法を比較するため、それぞれの定量SPECT画像に対し、3DSRT解析を行い、両側12領域の局所脳血流値を算出した。両測定値は、Bland-Altman(縦軸に従来法と3DSRT法の差をとり、横軸にその平均値をプロットした)解析を用いた。
定性SPECT画像を、SPM99を使用した3DSRTにて解剖学的正規化を行った(図23)。その解剖学的正規化後のSPECT画像59枚(実際は68枚存在しているが、3DSRTの表示されている59枚に対し)を対象に、基底核スライスの選択を行った。基底核スライスの選択として、一般的に省かれる最頭頂部と小脳を除くように、上限を11、16、21、26、31スライスに変化させ、下限を20、21、31、36、40、47の組み合わせの19通りで検討した。解剖学的正規化後の正常側の参照ROI設定は、3DSRTのROIをそのまま使用し、選択スライスに含まれる平均カウントを求めた。3DSRTは平均カウントで表示されるため、それぞれのピクセル数を用いて補正後、再度平均カウントを算出した。臨床症例11例のデータに対し、従来法と3DSRT法を比較するため、それぞれの定量SPECT画像に対し、3DSRT解析を行い、両側12領域の局所脳血流値を算出した。両測定値は、Bland-Altman(縦軸に従来法と3DSRT法の差をとり、横軸にその平均値をプロットした)解析を用いた。
結果.
定性SPECT画像に3DSRTを行い、解剖学的正規化した定性SPECT画像に対し(図23)、基底核スライスの選択の違いを比較した。この結果、図24に示すように、頭頂部のスライスが含まれれば全体的な血流は高値を示し、選択の違いによる局所の定量値の違いが確認された。図24で、横軸は基底核スライスの選択(上限スライス−下限スライス)を示し、縦軸は平均カウントを示す。図24に示されるように、比較はAnterior(R)からCerebellum(L)までの24領域でおこなった。従来法で求めた脳血流値が、3DSRT法で求めた脳血流値に最も近い値となったのは、図24に示されるように31から40スライスであった。解剖学的正規化前のSPECTで基底核スライスを視覚的に最適と考えた19から22スライス(4.3mm×4=17.2mm)で作成された3DSRTの値に近似し、視覚的にも基底核の選択に近い、解剖学的正規化後31〜40スライス(2mm×10=20mm)を基底核と定め、臨床11例にて比較した。従来法と3DSRT法の両者の24領域をBland-Altman分析した結果、11例中9例は平均値と2SDの中に含まれていた。残りの2例(Case.10.11)に関しては若干の違いを認めた。
定性SPECT画像に3DSRTを行い、解剖学的正規化した定性SPECT画像に対し(図23)、基底核スライスの選択の違いを比較した。この結果、図24に示すように、頭頂部のスライスが含まれれば全体的な血流は高値を示し、選択の違いによる局所の定量値の違いが確認された。図24で、横軸は基底核スライスの選択(上限スライス−下限スライス)を示し、縦軸は平均カウントを示す。図24に示されるように、比較はAnterior(R)からCerebellum(L)までの24領域でおこなった。従来法で求めた脳血流値が、3DSRT法で求めた脳血流値に最も近い値となったのは、図24に示されるように31から40スライスであった。解剖学的正規化前のSPECTで基底核スライスを視覚的に最適と考えた19から22スライス(4.3mm×4=17.2mm)で作成された3DSRTの値に近似し、視覚的にも基底核の選択に近い、解剖学的正規化後31〜40スライス(2mm×10=20mm)を基底核と定め、臨床11例にて比較した。従来法と3DSRT法の両者の24領域をBland-Altman分析した結果、11例中9例は平均値と2SDの中に含まれていた。残りの2例(Case.10.11)に関しては若干の違いを認めた。
考察.
現在、脳血流解析結果の再現性の悪さを指摘され、この問題点として基底核スライスの選択や特に正常側のROI設定が術者にゆだねられていることが原因と考えられている。しかし上述の3DSRT法は、3DSRTのROI設定自体が脳質などの平均カウントを下げる部分への設定が行われていないため、選択による違いはあるが、その差はあまり大きくない。基底核スライスの選択基準に関しては、再度検討する必要はあるが、解剖学的正規化後に行うことで、症例や術者に関係なく常に同一スライスを選択することが可能となり、また正常側のROI設定に3DSRTのROI値を使用するため、作成される定量SPECT画像に再現性があった。11例の臨床例において従来法との比較で違いが生じた2症例については、従来法にて正常側のROI設定やスライス選択を再度行えば、3DSRT法に近似する可能性も考えられる。
現在、脳血流解析結果の再現性の悪さを指摘され、この問題点として基底核スライスの選択や特に正常側のROI設定が術者にゆだねられていることが原因と考えられている。しかし上述の3DSRT法は、3DSRTのROI設定自体が脳質などの平均カウントを下げる部分への設定が行われていないため、選択による違いはあるが、その差はあまり大きくない。基底核スライスの選択基準に関しては、再度検討する必要はあるが、解剖学的正規化後に行うことで、症例や術者に関係なく常に同一スライスを選択することが可能となり、また正常側のROI設定に3DSRTのROI値を使用するため、作成される定量SPECT画像に再現性があった。11例の臨床例において従来法との比較で違いが生じた2症例については、従来法にて正常側のROI設定やスライス選択を再度行えば、3DSRT法に近似する可能性も考えられる。
上述のように、定性SPECT画像に対して解剖学的正規化を行い、その解剖学的正規化後の画像に対してLassen補正を行う方法は、術者の基底核スライスの選択やROI設定を排除した方法であり、3DSRTを用いた局所脳血流定量において非常に再現性の高い方法であると考えられる。従来法で作成された局所脳血流量とも一致しており、現在の臨床的な評価を変更することなく、再現性を向上させる新しい定量解析法である。
本発明の脳血流定量解析プログラムは、定量化ステップ(ステップS50)で得られた各定量画像を表示する表示ステップをさらに備えることができる。図25は、本発明の脳血流定量解析プログラムにおける表示機能による表示結果の実例を示す。図25において、符号40は投影データの選択を行なうためのファイル選択(File Selection)欄であり、REST(安静時)としてファイル00RESTが選択され、ACZ1(負荷時1)としてファイル00ACZ_7_5が選択され、ACZ2(負荷時2)としてファイル00ACZ_20が選択された状態を示す。図25では3分割投与法を用いる場合について示しているが、2分割投与法を用いる場合には、REST(安静時)およびACZ1(負荷時1)のみを選択すればよい。符号42は再構成におけるバターワース(Butterworth)フィルタパラメータ(Filter Parameter)欄であり、投与量、収集時間の補正係数(Weight)、バターワースフィルタの係数であるカットオフ(Cutoff)およびオーダー(order)を上述の各ファイル毎に指定することができる。符号44はアクイジションパラメータ(Acquisition Parameter)欄であり、回転(rotation)として360CCWが選択され、マトリックス(Matrix)のサイズとして64×64が選択され、開始角度(Start Angle)として180度が選択され、ピクセルサイズ(Pixel Size)として4.30(mm)が選択され、ステップ(Steps)として60が選択された状態を示す。符号46は減弱補正(Attenuation)欄であり、Changが選択され、係数(Atten.)は0.09(固定)が選択され、閾値(Theshold)は20%が選択された状態を示す。符号48はLassen補正欄であり、Lassen補正が選択され(On)、大脳半球の正常側(Normal)として左側(left)が選択され、安静時の平均血流値(mCBF)として40が選択され、基底核スライスとしてRange23−32が選択された状態を示す。Lassen補正が選択された場合(On)には定量画像が作成され、Lassen補正が選択されなかった場合(Off)は定量画像は作成されず、定性画像が作成される。符号50は再構成をしていない状態のSPECTデータの表示欄(Projection)であり、右側または下部のバー(Frame)を動かすことにより任意の時点に撮像されたSPECTデータを表示させることができる。符号52は患者情報欄であり、病院名、患者名、患者ID(識別子)および患者の性別を表示または入力することができる。符号54は散乱補正欄であり、散乱成分の推定にTEW法を用いない(Off)ことが選択されている状態を示す。符号56はOSEMパラメータ欄であり、繰返し回数(Number of iteration)として40回、サブセット数(Number of Subsets)として1、安静時(REST)と負荷時1(ACZ1)との間隔(Interval)として7.5(分)、負荷時1(ACZ1)と負荷時2(ACZ2)との間隔(Interval)として20(分)が選択された状態を示す。符号58はGoボタンであり、クリックされることにより本発明の脳血流定量解析プログラムの処理が開始される。
図26は、Goボタン58がクリックされて解析が開始された状態の表示例を示す。図26の左側のウィンドウには図25で選択された種々のパラメータの一部が表示されており、右側のウィンドウには投影データ入力ステップ(ステップS10)、画像再構成ステップ(ステップS20)が進行中であるというメッセージが表示されている。
図27は、SPM99またはSPM2による解剖学的正規化ステップ(ステップS40)が実行されている状態の表示例を示す。図27に示されるように、画像再構成ステップ(ステップS20)が終了すると、自動的にSPM99またはSPM2が立ち上がり解剖学的正規化を実行する。
本発明の脳血流定量解析プログラムでは、定量化ステップ(ステップS50)で得られた各定量画像を表示する表示ステップをさらに備えることができる。図28は、Lassen補正欄48でLassen補正(On)を選択した場合、つまり定量画像の作成を選択した場合における、表示ステップの表示例を示す。図29は、Lassen補正欄48でLassen補正(Off)を選択した場合、つまり定性画像の作成を選択した場合における、表示ステップの表示例を示す。図30は、図29における安静時の定性画像の拡大例を示す。
本発明の脳血流定量解析プログラムでは、定量化ステップ(ステップS50)で得られた各定量画像に基づき、所定の領域における局所脳血流の増加量及び/又は増加率を所定の表示形式で表示する増加量等表示ステップをさらに備えることができる。所定の表示形式としては、各分割投与毎の局所脳血流値をグラフで表示することができる。図31は、上記グラフ化を行なう際の、安静時、負荷時1および負荷時2の各データの選択方法を示す。具体的には、図31に示されるように、右側のファイル3DSRT_ntCBFtcACZ1.csvの70行目から負荷時1のデータをコピーして左側の定量グラフ.xlsの4行目にペーストし、右側のファイル3DSRT_ntCBFtcREST.csvの70行目から安静時のデータをコピーして左側の定量グラフ.xlsの5行目にペーストし、右側のファイル3DSRT_ntCBFtcACZ2.csvの70行目から負荷時2のデータをコピーして左側の定量グラフ.xlsの6行目にペーストする。その後、矢印60をクリックすることにより、所定の領域における局所脳血流の増加量及び/又は増加率をグラフ形式で表示することができる。
図32は、増加量等表示ステップで表示された12領域のグラフを示す。図33(A)ないし(L)は、図32に示される12領域のグラフの拡大例であり、各々安静時(REST)、7.5分経過後の負荷時1および20分経過後の負荷時2について、増加量がグラフで表示されている。図33(A)は増加量等表示ステップで表示された脳梁辺縁における増加量表示の例を示し、図33(B)は増加量等表示ステップで表示された中心前における増加量表示の例を示し、図33(C)は増加量等表示ステップで表示された中心における増加量表示の例を示し、図33(D)は増加量等表示ステップで表示された頭頂における増加量表示の例を示し、図33(E)は増加量等表示ステップで表示された角回における増加量表示の例を示し、図33(F)は増加量等表示ステップで表示された側頭における増加量表示の例を示し、図33(G)は増加量等表示ステップで表示された後大脳における増加量表示の例を示し、図33(H)は増加量等表示ステップで表示された脳梁周囲における増加量表示の例を示し、図33(I)は増加量等表示ステップで表示されたレンズ核における増加量表示の例を示し、図33(J)は増加量等表示ステップで表示された視床における増加量表示の例を示し、図33(K)は増加量等表示ステップで表示された海馬における増加量表示の例を示し、図33(L)は増加量等表示ステップで表示された小脳半球における増加量表示の例を示す。
上述の所定の表示形式としては、第h(hは2以上)回分割投与における局所脳血流値と第h回より前の分割投与における局所脳血流値とのピクセル毎の差を所定の色を用いて識別可能に表示することもできる。図34(A)は安静時の定量画像を示し、図34(B)は負荷時の定量画像を示し、図34(C)は上記負荷時の局所脳血流値から上記安静時の局所脳血流値をピクセル毎に引いた場合の増加量の画像を示す。上述の所定の色としては、図34(C)の右側のスケールに示されるように、増加量が大から小になるのに応じてピンク色、赤色、オレンジ色、緑色、...青色とすることができる。
本発明の脳血流定量解析プログラムは、画像再構成ステップ(ステップS20)に先立ち、投影データ入力ステップ(ステップS10)で入力された第1回分割投与後の投影データを構成する1枚のスライス分の投影データに所定のフィルタをかけ、再構成した画像を表示する確認表示ステップをさらに備えることができる。図35は、本発明の脳血流定量解析プログラムにおける表示機能による表示結果の他の実例を示す。図35で図25と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図35において、符号57は上記確認表示ステップで表示される再構成画像である。図35に示されるように、Refボタン59がクリックされた場合、投影データにフィルタをかけてプレビュー欄57に表示することができる。上記フィルタとしてスムージングフィルタが好適である。
上述の所定の表示形式としては、第h(hは2以上)回分割投与における所定の関心領域における局所脳血流値の平均値と第h回より前の分割投与における前記所定のROI(関心領域)における局所脳血流値の平均値との差を所定の色を用いて識別可能に表示することもできる。ROIの設定には上述したROIテンプレートを用いることができる。図36(A)は安静時の定量画像を示し、図36(B)は負荷時の定量画像を示し、図36(C)は上記負荷時のROIにおける局所脳血流値の平均値から上記安静時の同じROIにおける局所脳血流値の平均値を引いた場合の増加量を示す。図36(D)は上記安静時のROIにおける局所脳血流値の平均値から上記負荷時の同じROIにおける局所脳血流値の平均値への増加率を示す。上述の所定の色としては、図36(C)および36(D)の右側のスケールに示されるように、増加量が大から小になるのに応じてピンク色、赤色、オレンジ色、緑色、...青色とすることができる。
本発明の脳血流定量解析プログラムは、定量化ステップ(ステップS50)で得られた各定量画像に基づき、所定のROI(関心領域)における局所脳血流値の平均値を所定の色を用いて識別可能に表示することができる。上記ROIとしては上述のROIテンプレートを用いることができる。図37は、ROIテンプレートを用いた場合における平均ROIカウント画像を示す。図37に示されるように、ROI単位での局所脳血流値の平均値を表示することができる。上述の所定の色としては、図37の右側のスケールに示されるように、局所脳血流値の平均値が大から小になるのに応じてピンク色、赤色、オレンジ色、緑色、...とすることができる。
以上説明したように、本発明の実施例1によれば、RIで標識されたトレーサが被験者の脳へ2回以上分割投与され、各分割投与後にSPECT測定を行って得られた各投影データ(SPECTデータ)を入力する。次に、入力された各投影データに基づき、各分割投与後の再構成画像を得て、当該各分割投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って各標準脳画像を得る。得られた各標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得ることができる。再構成画像を得る際に、IBL法またはABL法を用いることにより、2回(または2回以上の)分割投与法を用いる場合に、サブトラクションを行なわずに脳画像再構成を行うことができる。
本発明の脳血流定量解析プログラムでは、解剖学的正規化後のSPECT画像に対し、入力された被験者の安静時の平均脳血流値(mCBF)を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて各定量画像を得ている。このため、負荷時基底核カウントおよび安静時基底核カウントを自動的にRange31−40と選択されたスライス画像の値にすることができた。本発明の脳血流定量解析プログラムでは、スライス加算された画像の正常側の大脳半球またはより軽症側の大脳半球にROIを設定する際に、ROIテンプレートを用いて設定することができる。このため、ROIの設定における術者毎のバラツキを避け、定量画像にバラツキを生じさせないようにすると共に、術者の煩雑さを解消することができる。
上述した表示ステップ(機能または手段)は、フリーソフトウェアであるMRICROまたはOSIRIS等の画像ビューワーを用いることにより実行させることも可能である。但し、予め決められたROIを設定することはできない可能性はある。
本発明の脳血流定量解析プログラムは、分割投与を行なわない場合の投影データ(例えば安静時データ)に対しても容易に適用することもできる。この場合、本発明の脳血流定量解析プログラムは、コンピュータに、所定の薬剤が被験者の脳へ投与され、投与後にコンピュータ断層撮影測定を行って得られた投影データを入力する投影データ入力ステップと、投影データ入力ステップで入力された投影データに基づき、投与後の再構成画像を得る画像再構成ステップと、画像再構成ステップで得られた投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る解剖学的正規化ステップと、解剖学的正規化ステップで得られた標準脳画像に対し所定の定量化を行なって定量画像を得る定量化ステップを実行させることができる。例えば、1人の被験者の対する3回分の投影データ(SPECT1、SPECT2、SPECT3)の代わりに、分割投与を行わない検査における3人分の安静時データを1回で処理することができる。
図38は、本発明のコンピュータ・プログラムを実行するコンピュータの内部回路70を示すブロック図である。図38に示されるように、CPU71、ROM72、RAM73、画像制御部76、コントローラ77、入力制御部79および外部インタフェース(Interface : I/F)部81はバス82に接続されている。図38において、上述の本発明のコンピュータ・プログラムは、ROM72、ディスク78aまたはCD−ROM78n等の記録媒体(脱着可能な記録媒体を含む)に記録されている。このコンピュータ・プログラムは、ROM72からバス82を介し、またはディスク78a若しくはCD−ROM78n等の記録媒体からコントローラ77を経由してバス82を介しRAM73へロードされる。画像制御部76は脳画像データをVRAM75へ送出し、表示部74はVRAM75から送出された脳画像データに基づいて脳画像を表示するディスプレイ等の表示装置である。VRAM75は表示部74の一画面分のデータ容量に相当する容量を有している画像メモリである。入力操作部80はコンピュータに入力を行うためのマウス、テンキー等の入力装置であり、入力制御部79は入力操作部80と接続され入力制御等を行う。外部I/F部81は、例えばインターネット等の外部の通信網(不図示)と接続する際のインタフェース機能を有している。ディスク78aには、画素数記録部84、検出確率記録部85、第h回推定RI濃度初期値記録部86−h、第h回測定データ記録部87−h、第h回散乱補正項記録部88−h等を記録しておくことができる。
上述のようにCPU71が本発明のコンピュータ・プログラムを実行することにより、本発明の目的を達成することができる。当該コンピュータ・プログラムは上述のようにCD−ROM78n等の記録媒体の形態でコンピュータCPU71に供給することができ、当該コンピュータ・プログラムを記録したCD−ROM78n等の記録媒体も同様に本発明を構成することになる。当該コンピュータ・プログラムを記録した記録媒体としては上述された記録媒体の他に、例えばメモリ・カード、メモリ・スティック、DVD、光ディスク、FD等を用いることができる。
本発明の活用例として、びまん性の脳血流低下の検出、経過観察(治療前後)、異なる患者間の客観的な比較、安静時と負荷時との比較等に適用することができる。
3,5 画素、 10 断層画像、 20 投影データ、 30,31,32,33 検出器、 40 画素数記録部、 42 検出確率記録部、 40 ファイル選択欄、 42 フィルタパラメータ欄、 44 アクイジションパラメータ欄、 46 減弱補正欄、 48 Lassen補正欄、 50 SPECTデータの表示欄、 52 患者情報欄、 54 散乱補正欄、 56 OSEMパラメータ欄、 57 プレビュー欄、 58 Goボタン、 59 Refボタン、 60 矢印、 70 内部回路、 71 CPU、 72 ROM、 73 RAM、 75 VRAM、 76 画像制御部、 78a ディスク、 78n CD−ROM、 77 コントローラ、 80 入力操作部、 79 入力制御部、 81 外部I/F部、 82 バス、 84 画素数記録部、 85 検出確率記録部、 86−h 第h回推定RI濃度初期値記録部、 87−h 第h回測定データ記録部、 88−h 第h回散乱補正項記録部、 102、106 散乱成分、 104、108 プライマリ成分。
Claims (41)
- コンピュータ断層撮影測定により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析プログラムであって、コンピュータに、
所定の薬剤が被験者の脳へn回(nは2以上)に分割投与され、各分割投与後に前記コンピュータ断層撮影測定を行って得られた各投影データを入力する投影データ入力ステップ、
前記投影データ入力ステップで入力された各投影データに基づき、各分割投与後の再構成画像を得る画像再構成ステップ、
前記画像再構成ステップで得られた各分割投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って各標準脳画像を得る解剖学的正規化ステップ、
前記解剖学的正規化ステップで得られた各標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得る定量化ステップ
を実行させるための脳血流定量解析プログラム。 - 請求項1記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、
前記コンピュータ断層撮影測定は単光子放出コンピュータ断層撮影測定又は陽電子放出断層撮影測定であり、前記所定の薬剤は放射性同位元素(RI)で標識されたトレーサを含み、
前記画像再構成ステップは、
mを再構成画像上の画素の総数とし、j(=1〜m)を再構成画像上の画素とし、nを脳へ投与された放射性同位元素から放出された光子又は陽電子が投影される投影データ上の画素の総数又は当該光子又は陽電子を検出する検出器の総数とし、i(=1〜n)を投影データ上の画素とし、ここでmおよびnは予め画素数記録部に記録されており、
cijを再構成画像上の画素jから放出された光子又は陽電子が投影データ上の1画素iで検出される確率とし、ここでcijは予めj=1からmまで及びi=1からnまで検出確率記録部に記録されており、
h=1から分割投与の数L(Lは2以上)について、λj 0[h]を、第h回目の分割投与について用いられる、0回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度とし、ここでλj 0[h]は予めj=1からmまで第h回推定RI濃度初期値記録部に記録されており、
h=1からLについて、yi [h]を、第h回目の分割投与後に、投影データ上の1画素iで検出された光子又は陽電子のカウント数とし、ここでyi [h]は検出後にi=1からnまで第h回測定データ記録部に記録されており、
h=1からLについて、Si [h]を第h回目の分割投与後における投影データ上の1画素iにおける散乱補正項とし、ここでSi [h]はi=1からnまで第h回散乱補正項記録部に記録されており、
第1回目の分割投与後の再構成画像を、k回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[1]を式(1)を用いてk=0から所定の繰返し回数まで繰返し計算することにより求める第1回再構成画像生成ステップと、
h=2からLまで、第h回目の分割投与後の再構成画像を、k回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[h]を式(2)を用いてk=0から所定の繰返し回数まで繰返し計算することにより求める第h回再構成画像生成ステップとを備え、
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記解剖学的正規化ステップは、
前記各分割投与後の再構成画像について、第2回目以降の分割投与後の再構成画像を第1回目の分割投与後の再構成画像と同じ位置に合わせる補正を行なう位置合わせステップと、
前記位置合わせステップによる補正後の再構成画像について、空間の変形パラメータを用いて標準脳に一致するように変形することにより各標準脳画像を得る標準化ステップと、
前記標準化ステップ後の再構成画像について、平滑化フィルタをかける平滑化ステップとを備えたことを特徴とする脳血流定量解析プログラム。 - 請求項4記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、
前記変形パラメータは、所定の重み付けをされた各投影データの総和である総和投影データを求め、該総和投影データに基づき再構成画像を得た後、該再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る処理を行い、該処理に基づき得られるものであることを特徴とする脳血流定量解析プログラム。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップにおける所定の定量化は、各標準脳画像に対し、入力された前記被験者の安静時の平均脳血流値を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて各定量画像を得ることを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップで得られた各定量画像を表示する表示ステップをさらに備えたことを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップで得られた各定量画像に基づき、所定の領域における局所脳血流の増加量及び/又は増加率を所定の表示形式で表示する増加量等表示ステップをさらに備えたことを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- 請求項8記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記所定の表示形式は、各分割投与毎の局所脳血流値をグラフで表示することを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- 請求項8記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記所定の表示形式は、第h(hは2以上)回分割投与における局所脳血流値と第h回より前の分割投与における局所脳血流値とのピクセル毎の差を所定の色を用いて識別可能に表示することを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- 請求項8記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記所定の表示形式は、第h(hは2以上)回分割投与における所定の関心領域における局所脳血流値の平均値と第h回より前の分割投与における前記所定の関心領域における局所脳血流値の平均値との差を所定の色を用いて識別可能に表示することを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記画像再構成ステップに先立ち、前記投影データ入力ステップで入力された第1回分割投与後の投影データを構成する1枚のスライス分の投影データに所定のフィルタをかけ、再構成した画像を表示する確認表示ステップをさらに備えたことを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- 請求項1ないし12のいずれかに記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップで得られた各定量画像に基づき、所定の関心領域における局所脳血流値の平均値を所定の色を用いて識別可能に表示することを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- コンピュータ断層撮影測定により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析プログラムであって、コンピュータに、
所定の薬剤が被験者の脳へ投与され、投与後に前記コンピュータ断層撮影測定を行って得られた投影データを入力する投影データ入力ステップ、
前記投影データ入力ステップで入力された投影データに基づき、投与後の再構成画像を得る画像再構成ステップ、
前記画像再構成ステップで得られた投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る解剖学的正規化ステップ、
前記解剖学的正規化ステップで得られた標準脳画像に対し所定の定量化を行なって定量画像を得る定量化ステップ
を実行させるための脳血流定量解析プログラム。 - 請求項14記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記解剖学的正規化ステップは、
前記投与後の再構成画像について、空間の変形パラメータを用いて標準脳に一致するように変形することにより標準脳画像を得る標準化ステップと、
前記標準化ステップ後の再構成画像について、平滑化フィルタをかける平滑化ステップとを備えたことを特徴とする脳血流定量解析プログラム。 - 請求項15記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、
前記変形パラメータは、前記投影データに基づき再構成画像を得た後、該再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る処理を行い、該処理に基づき得られるものであることを特徴とする脳血流定量解析プログラム。 - 請求項14ないし16のいずれかに記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップにおける所定の定量化は、標準脳画像に対し、入力された前記被験者の安静時の平均脳血流値を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて定量画像を得ることを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- 請求項14ないし17のいずれかに記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップで得られた定量画像を表示する表示ステップをさらに備えたことを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- 請求項14ないし18のいずれかに記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記画像再構成ステップに先立ち、前記投影データ入力ステップで入力された投与後の投影データを構成する1枚のスライス分の投影データに所定のフィルタをかけ、再構成した画像を表示する確認表示ステップをさらに備えたことを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- 請求項14ないし19のいずれかに記載の脳血流定量解析プログラムにおいて、前記定量化ステップで得られた定量画像に基づき、所定の関心領域における局所脳血流値の平均値を所定の色を用いて識別可能に表示することを特徴とする脳血流定量解析プログラム。
- 請求項1ないし20のいずれかに記載の脳血流定量解析プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
- コンピュータ断層撮影測定により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析方法であって、
所定の薬剤が被験者の脳へn回(nは2以上)に分割投与され、各分割投与後に前記コンピュータ断層撮影測定を行って得られた各投影データを入力する投影データ入力ステップと、
前記投影データ入力ステップで入力された各投影データに基づき、各分割投与後の再構成画像を得る画像再構成ステップと、
前記画像再構成ステップで得られた各分割投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って各標準脳画像を得る解剖学的正規化ステップと、
前記解剖学的正規化ステップで得られた各標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得る定量化ステップとを備えたことを特徴とする脳血流定量解析方法。 - 請求項22記載の脳血流定量解析方法において、
前記コンピュータ断層撮影測定は単光子放出コンピュータ断層撮影測定又は陽電子放出断層撮影測定であり、前記所定の薬剤は放射性同位元素(RI)で標識されたトレーサを含み、
前記画像再構成ステップは、
mを再構成画像上の画素の総数とし、j(=1〜m)を再構成画像上の画素とし、nを脳へ投与された放射性同位元素(RI)から放出された光子又は陽電子が投影される投影データ上の画素の総数又は当該光子又は陽電子を検出する検出器の総数とし、i(=1〜n)を投影データ上の画素とし、ここでmおよびnは予め画素数記録部に記録されており、
cijを再構成画像上の画素jから放出された光子又は陽電子が投影データ上の1画素iで検出される確率とし、ここでcijは予めj=1からmまで及びi=1からnまで検出確率記録部に記録されており、
h=1から分割投与の数L(Lは2以上)について、λj 0[h]を、第h回目の分割投与について用いられる、0回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度とし、ここでλj 0[h]は予めj=1からmまで第h回推定RI濃度初期値記録部に記録されており、
h=1からLについて、yi [h]を、第h回目の分割投与後に、投影データ上の1画素iで検出された光子又は陽電子のカウント数とし、ここでyi [h]は検出後にi=1からnまで第h回測定データ記録部に記録されており、
h=1からLについて、Si [h]を第h回目の分割投与後における投影データ上の1画素iにおける散乱補正項とし、ここでSi [h]はi=1からnまで第h回散乱補正項記録部に記録されており、
第1回目の分割投与後の再構成画像を、k回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[1]を式(4)を用いてk=0から所定の繰返し回数まで繰返し計算することにより求める第1回再構成画像生成ステップと、
h=2からLまで、第h回目の分割投与後の再構成画像を、k回目の逐次近似における再構成画像上の画素jの推定RI濃度λj k[h]を式(5)を用いてk=0から所定の繰返し回数まで繰返し計算することにより求める第h回再構成画像生成ステップとを備え、
- 請求項22ないし24のいずれかに記載の脳血流定量解析方法において、前記解剖学的正規化ステップは、
前記各分割投与後の再構成画像について、第2回目以降の分割投与後の再構成画像を第1回目の分割投与後の再構成画像と同じ位置に合わせる補正を行なう位置合わせステップと、
前記位置合わせステップによる補正後の再構成画像について、空間の変形パラメータを用いて標準脳に一致するように変形することにより各標準脳画像を得る標準化ステップと、
前記標準化ステップ後の再構成画像について、平滑化フィルタをかける平滑化ステップとを備えたことを特徴とする脳血流定量解析方法。 - 請求項25記載の脳血流定量解析方法において、
前記変形パラメータは、所定の重み付けをされた各投影データの総和である総和投影データを求め、該総和投影データに基づき再構成画像を得た後、該再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る処理を行い、該処理に基づき得られるものであることを特徴とする脳血流定量解析方法。 - 請求項22ないし26のいずれかに記載の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップにおける所定の定量化は、各標準脳画像に対し、入力された前記被験者の安静時の平均脳血流値を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて各定量画像を得ることを特徴とする脳血流定量解析方法。
- 請求項22ないし27のいずれかに記載の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップで得られた各定量画像を表示する表示ステップをさらに備えたことを特徴とする脳血流定量解析方法。
- 請求項22ないし28のいずれかに記載の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップで得られた各定量画像に基づき、所定の領域における局所脳血流の増加量及び/又は増加率を所定の表示形式で表示する増加量等表示ステップをさらに備えたことを特徴とする脳血流定量解析方法。
- 請求項29記載の脳血流定量解析方法において、前記所定の表示形式は、各分割投与毎の局所脳血流値をグラフで表示することを特徴とする脳血流定量解析方法。
- 請求項29記載の脳血流定量解析方法において、前記所定の表示形式は、第h(hは2以上)回分割投与における局所脳血流値と第h回より前の分割投与における局所脳血流値とのピクセル毎の差を所定の色を用いて識別可能に表示することを特徴とする脳血流定量解析方法。
- 請求項29記載の脳血流定量解析方法において、前記所定の表示形式は、第h(hは2以上)回分割投与における所定の関心領域における局所脳血流値の平均値と第h回より前の分割投与における前記所定の関心領域における局所脳血流値の平均値との差を所定の色を用いて識別可能に表示することを特徴とする脳血流定量解析方法。
- 請求項22ないし32のいずれかに記載の脳血流定量解析方法において、前記画像再構成ステップに先立ち、前記投影データ入力ステップで入力された第1回分割投与後の投影データを構成する1枚のスライス分の投影データに所定のフィルタをかけ、再構成した画像を表示する確認表示ステップをさらに備えたことを特徴とする脳血流定量解析方法。
- 請求項22ないし33のいずれかに記載の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップで得られた各定量画像に基づき、所定の関心領域における局所脳血流値の平均値を所定の色を用いて識別可能に表示することを特徴とする脳血流定量解析方法。
- コンピュータ断層撮影測定により脳血流の定量解析を行なう脳血流定量解析方法であって、
所定の薬剤が被験者の脳へ投与され、投与後に前記コンピュータ断層撮影測定を行って得られた投影データを入力する投影データ入力ステップと、
前記投影データ入力ステップで入力された投影データに基づき、投与後の再構成画像を得る画像再構成ステップと、
前記画像再構成ステップで得られた投与後の再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る解剖学的正規化ステップと、
前記解剖学的正規化ステップで得られた標準脳画像に対し所定の定量化を行なって各定量画像を得る定量化ステップとを備えたことを特徴とする脳血流定量解析方法。 - 請求項35記載の脳血流定量解析方法において、前記解剖学的正規化ステップは、
前記投与後の再構成画像について、空間の変形パラメータを用いて標準脳に一致するように変形することにより標準脳画像を得る標準化ステップと、
前記標準化ステップ後の再構成画像について、平滑化フィルタをかける平滑化ステップとを備えたことを特徴とする脳血流定量解析方法。 - 請求項36記載の脳血流定量解析方法において、
前記変形パラメータは、前記投影データに基づき再構成画像を得た後、該再構成画像に対して解剖学的正規化を行って標準脳画像を得る処理を行い、該処理に基づき得られるものであることを特徴とする脳血流定量解析方法。 - 請求項35ないし37のいずれかに記載の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップにおける所定の定量化は、標準脳画像に対し、入力された前記被験者の安静時の平均脳血流値を用いてLassenの補正を行なうことにより局所脳血流を求めて定量画像を得ることを特徴とする脳血流定量解析方法。
- 請求項35ないし38のいずれかに記載の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップで得られた定量画像を表示する表示ステップをさらに備えたことを特徴とする脳血流定量解析方法。
- 請求項35ないし39のいずれかに記載の脳血流定量解析方法において、前記画像再構成ステップに先立ち、前記投影データ入力ステップで入力された投与後の投影データを構成する1枚のスライス分の投影データに所定のフィルタをかけ、再構成した画像を表示する確認表示ステップをさらに備えたことを特徴とする脳血流定量解析方法。
- 請求項35ないし40のいずれかに記載の脳血流定量解析方法において、前記定量化ステップで得られた定量画像に基づき、所定の関心領域における局所脳血流値の平均値を所定の色を用いて識別可能に表示することを特徴とする脳血流定量解析方法。
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