JP2006105553A - 浴槽連結装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 仕切部材を構成する構成体同士の間にシール部材を介在させなくても仕切部材の内部に形成された流路間において湯水のショートサイクルが起こらない浴槽連結装置の提供を目的とする。
【解決手段】 浴槽連結装置1は、本体部40と弁収容部41とを組み合わせて構成される仕切部材22を有する。仕切部材22は、平行に配された背面壁44および仕切壁80と、これらの周壁部55,85によって囲まれた領域内に湯水が出入りする水室R,Lを有する。水室R,Lは、仕切部材22を正面視した際に外形が対称であり、その開口領域の面積が同一である。そのため、水室R,Lに湯水が出入りすることによって作用する水圧が相殺される。そのため、浴槽連結装置1は、本体部40と弁収容部41との間にシール部材等を設けなくても水室R,L間が水密に保たれる。
【選択図】 図4
【解決手段】 浴槽連結装置1は、本体部40と弁収容部41とを組み合わせて構成される仕切部材22を有する。仕切部材22は、平行に配された背面壁44および仕切壁80と、これらの周壁部55,85によって囲まれた領域内に湯水が出入りする水室R,Lを有する。水室R,Lは、仕切部材22を正面視した際に外形が対称であり、その開口領域の面積が同一である。そのため、水室R,Lに湯水が出入りすることによって作用する水圧が相殺される。そのため、浴槽連結装置1は、本体部40と弁収容部41との間にシール部材等を設けなくても水室R,L間が水密に保たれる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、浴槽に取り付けられ、熱源装置と浴槽とを繋ぐ循環流路に接続される浴槽連結装置に関するものである。
従来より、浴槽内への湯水の落とし込みや、熱源装置と浴槽とを繋ぐ循環流路に浴槽内の湯水を循環させるために、下記特許文献1に開示されているような浴槽連結装置が浴槽の壁面に固定されている。浴槽連結装置は、浴槽側に向けて湯水を吐出するための吐出口と、浴槽内の湯水を吸い込むための吸い込み口とを有する。
下記特許文献1に開示されている浴槽連結装置では、浴槽に対して固定された内嵌合部材とフィルター部材との間に仕切部材と称される部材が介在している。仕切部材は、内部に湯水が流れる流路が設けられており、この流路の中途に湯水の出入りを調整する吐出弁や導入弁が固定されたものである。
特開2001−133045号 公報
従来技術の浴槽連結装置では、仕切部材の内部に形成された流路間において湯水が混合する、いわゆるショートサイクルが起こるのを防止すべく、さまざまな方策がとられている。さらに具体的には、例えば、上記特許文献1に開示されている浴槽連結装置のように、仕切部材を背面側構成体である本体部と正面側構成体である底板とに分解可能な構成とされたものでは、本体部と底板との間にゴム等で作製されたパッキンを介在させた構造としている。そのため、この種の浴槽連結装置では、湯水の出入りにより本体部や底板に圧力が作用し、両者の間隔が多少開いても、仕切部材の内部に形成された流路間の水密性が維持されている。
また、従来技術の浴槽連結装置には、上記特許文献1に開示されている浴槽連結装置における本体部と底板に相当する部材を溶着や接着などの手法により一体化したものがある。この種の浴槽連結装置では、仕切部材に対して湯水が出入りしても本体部と底板との間に隙間が発生せず、仕切部材の内部に形成された流路間の水密性が維持される。
上記したように、浴槽連結装置を構成する仕切部材を、本体部と底板との間にシール部材を介在させた構成とすると、仕切部材の内部に形成された流路間の水密性は維持されるが、シール部材の分だけ部品点数が増え、製造コストが上昇してしまうという問題がある。また、上記したように、本体部と底板とを溶着や接着により接合して仕切部材を形成する場合は、製造に要する手間が増えるばかりか、場合によってはこれらの部材を接合するために別途の設備投資をする必要があるという問題がある。そのため、従来技術の浴槽連結装置は、製造コストが高いという問題があった。
一方、従来技術の浴槽連結装置は、仕切部材に対してフィルター部材を被せるなどして湯垢や浴槽内に存在するゴミが仕切部材の内部に入るのを防止している。しかし、仕切部材は、内部に弁等を内蔵した構成であるため、浴槽連結装置を長年にわたって使用すると内部に湯垢やゴミが堆積する可能性がある。そこで、近年はフィルター部材に加えて仕切部材を分解し、内部の掃除を行えるようにしたいという要望がある。
上記した従来技術の浴槽連結装置のように、本体部と底板とを溶着等で接合したものについては仕切部材を分解して掃除することができないという問題がある。また、上記特許文献1に開示されている浴槽連結装置のように仕切部材を分解可能とした場合は、分解して掃除等を行った後に再度組み立てる際にシール部材を取り付け忘れたり、シール部材を本体部と底板との間に旨く介在させることができない可能性がある。このように、従来技術の浴槽連結装置においてシール部材の付け忘れや取り付け不良があると仕切部材内に形成された流路間においていわゆるショートサイクルが起こってしまうという問題があった。
そこで、上記した問題に鑑み、本発明は、仕切部材を構成する構成体同士の間にシール部材を介在させなくても仕切部材の内部に形成された流路間において湯水のショートサイクルが起こらない浴槽連結装置の提供を目的とする。
上記した問題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、浴槽に対して固定され、浴槽と熱源装置とを繋ぐ接続配管に接続される浴槽連結装置において、熱源装置と浴槽とを繋ぐ往き配管または戻り配管に接続される第一および第二の接続配管と、当該接続配管と連通し、湯水が出入りする仕切部材と、当該仕切部材に装着されるフィルター部材とを有し、前記仕切部材は、浴槽連結装置の設置時に浴槽の壁面側に存在し、当該壁面に沿う方向に広がる背面側仕切壁と、当該背面側仕切壁に対向する正面側仕切壁と、背面側仕切壁および正面側仕切壁の外周を取り囲む周壁と、背面側仕切壁および正面側仕切壁に対して交差する方向に立設された流路形成壁と、背面側仕切壁および正面側仕切壁と周壁とによって囲まれた領域を流路形成壁で区切って形成された第一および第二の流路とを有し、背面側仕切壁側を有する背面側構成体と、正面側仕切壁を有する正面側構成体とを組み合わせて構成されるものであり、前記第一および第二の流路は、それぞれ仕切部材に設けられた浴槽側開口を介して浴槽側と連通しており、第一および第二の接続配管は、前記第一および第二の流路のそれぞれに設けられた接続側開口を介して前記第一および第二の流路に連通しており、背面側仕切壁あるいは正面側仕切壁に対して平行な仮想平面による第一の流路の断面積と、前記仮想平面による第二の流路の断面積との面積比が1対1以上1対1.2以下の範囲内であることを特徴とする浴槽連結装置である。
本発明の浴槽連結装置は、仕切部材の内部に形成された第一の流路の断面積と第二の流路の断面積の面積比が近似している。そのため、本発明の浴槽連結装置では、第一あるいは第二の流路のうちの一方に繋がる接続配管から接続側開口を介して湯水が流入することによって正面側仕切壁を背面側仕切壁から遠ざける方向に作用する圧力と、他方の流路に設けられた浴槽側開口から接続配管に湯水を吸い込むことにより正面側仕切壁を背面側仕切壁に近接させる方向に作用する圧力とがほぼ均衡する。よって、本発明の浴槽連結装置では、湯水が出入りしても背面側仕切壁と正面側仕切壁との間隔が変わらない。従って、本発明によれば、背面側構成体と正面側構成体との間にシール部材を介在させなくても仕切部材の内部に形成された流路間において湯水のショートサイクルが起こらない浴槽連結装置を提供できる。
上記したように、本発明の浴槽連結装置は、従来技術のようにシール部材を介在させなくても仕切部材の内部に形成された流路間におけるショートサイクルを防止できる。従って、本発明によれば、浴槽連結装置の装置構造を簡略化でき、製造コストを抑制できる。また、本発明によれば、仕切部材の分解、組み立てが容易で、組み立て不良に伴うショートサイクルの発生が起こらない浴槽連結装置を提供できる。
上記請求項1に記載の浴槽連結装置は、背面側仕切壁あるいは正面側仕切壁に対して平行な仮想平面による第一の流路の断面積と、前記仮想平面による第二の流路の断面積との面積比が同一であることが好ましい。(請求項2)
かかる構成によれば、仕切部材に対して湯水が出入りすることにより正面側仕切壁に対して作用する圧力をより一層均衡させることができる。従って、本発明によれば、シール部材を設けることなく仕切部材の内部に形成された流路間における湯水のショートサイクルを防止できる。また、本発明によれば、製造コストが安価で、仕切部材の分解や組み立てが容易な浴槽連結装置を提供できる。
請求項3に記載の発明は、仕切部材が、背面側仕切壁あるいは正面側仕切壁に対して交差する方向に広がる仮想平面を想定した場合に、第一の流路および第二の流路が仮想平面に対して対称に配されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴槽連結装置である。
本発明の浴槽連結装置は、第一の流路と第二の流路とが所定の仮想平面を介して対称な関係にあるため、使用時における第一の流路側に作用する圧力と第二の流路側に作用する圧力とが均衡する。従って、本発明によれば、シール部材等を設けなくても第一および第二の流路間におけるショートサイクルの発生を防止でき、装置構成の簡略化や製造コストの低減を図れる。また、本発明によれば、浴槽連結装置の分解、組み立て作業を簡略化し、組み立て不良に伴う不具合の発生を最小限に抑制できる。
請求項4に記載の発明は、仕切部材が、背面側仕切壁の中心として所定の距離範囲内に第一の流路内に開口した接続側開口と、第二の流路内に開口した接続側開口とを形成したものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の浴槽連結装置である。
本発明の浴槽連結装置では、第一および第二の流路内に開口した接続側開口がそれぞれ背面側仕切壁の中心近傍に存在している。そのため、本発明の浴槽連結装置では、仕切部材から湯水が出ることによって作用する圧力の作用点と、仕切部材の内側に湯水が入ることによって作用する圧力の作用点との距離が近く、前記両圧力のバランスが取れやすい。従って、本発明によれば、シール部材等を設けなくても第一および第二の流路間におけるショートサイクルの発生を防止できる。
請求項5に記載の発明は、仕切部材に装着されるフィルター部材を有し、背面側構成体は、浴槽の壁面側に固定されるものであり、フィルター部材を仕切部材に対して装着することにより、フィルター部材と背面側構成体との間に正面側構成体が挟持されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の浴槽連結装置である。
本発明の浴槽連結装置では、フィルター部材を仕切部材に対して装着すると、浴槽の壁面側に固定された背面側構成体とフィルター部材との間に正面側構成体が挟持される。そのため、本発明の浴槽連結装置では、フィルター部材と背面側構成体との間に発生する挟持力によって正面側構成体と背面側構成体とのシール特性が向上する。従って、本発明の浴槽連結装置では、正面側構成体と背面側構成体との間にシール部材等を別途介在させなくても十分なシール特性が得られる。
請求項6に記載の発明は、仕切部材が、背面側仕切壁および正面側仕切壁のいずれか一方または双方に対して立設された流路形成壁と、背面側構成体と正面側構成体とを組み合わせることにより前記流路形成壁が嵌り込む溝が設けられたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の浴槽連結装置である。
かかる構成によれば、仕切部材の内部に形成された第一および第二の流路間におけるショートサイクルの発生をより一層確実に防止できる。
請求項7に記載の発明は、流路形成壁が、背面側構成体および正面側構成体の双方に設けられており、前記背面側構成体と正面側構成体とを組み合わせることにより、背面側構成体側の流路形成壁と正面側構成体側の流路形成壁とが入れ子構造を形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の浴槽連結装置である。
本発明の浴槽連結装置では、背面側構成体に対して立設された流路形成壁と正面側構成体に対して立設された流路形成壁とによって入れ子構造を形成している。そのため、例えば仕切部材に湯水が出入りすることによって発生する圧力のバランスが多少悪くなり、正面側仕切壁が背面側仕切壁に対して傾くように圧力(外力)が作用しても流路形成壁同士が突き当たり傾くことができない。従って、本発明によれば、シール部材等を別途用いることなく背面側構成体と正面側構成体との組立状体を水密に維持可能な浴槽連結装置を提供できる。
請求項8に記載の発明は、背面側構成体と正面側構成体とが磁石によって吸着固定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の浴槽連結装置である。
かかる構成によれば、背面側構成体と正面側構成体とをより一層確実に水密な状態で一体化することができる。
また、本発明の浴槽連結装置は、磁石によって背面側構成体と正面側構成体とが一体化されているため、仕切部材への湯水の出入りに伴って発生する圧力バランスが不均衡となり、背面側仕切壁と正面側仕切壁との間隔が一時的に開いたとしても、前記した圧力の影響が和らぐと磁力によって背面側構成体と正面側構成体とが一体化され、水密な状態に戻る。
本発明によれば、シール部材等の構成部材を設けなくても仕切部材の内部に形成された流路間において湯水のショートサイクルが起こらない浴槽連結装置を提供できる。
(第1実施形態)
続いて、本発明の一実施形態である浴槽連結装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において上下左右や表裏の位置関係は、特に断りのない限り本実施形態の浴槽連結装置1を図2に示すような姿勢で浴槽5に取り付け、浴槽5の内側から観察した際の姿勢を基準とする。また、図11および図24(b)は、それぞれ流路形成部45およびフィルター部材23を裏面側から観察したものであるため、他の図面に対して左右の位置関係が逆転している。
続いて、本発明の一実施形態である浴槽連結装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において上下左右や表裏の位置関係は、特に断りのない限り本実施形態の浴槽連結装置1を図2に示すような姿勢で浴槽5に取り付け、浴槽5の内側から観察した際の姿勢を基準とする。また、図11および図24(b)は、それぞれ流路形成部45およびフィルター部材23を裏面側から観察したものであるため、他の図面に対して左右の位置関係が逆転している。
浴槽連結装置1は、図1に示すように先端部2と後端部3とに大別される。浴槽連結装置1は、図2に示すように浴槽5の内壁面に固定され、先端部2が浴槽5の内側に露出するように固定される。浴槽連結装置1は、熱源装置400から流出する湯水が流れる往き配管401と、浴槽5から熱源装置400に戻る湯水が流れる戻り配管402とに接続され、浴槽5への湯水の落とし込みや、浴槽5と熱源装置400との間において湯水を循環させるために使用されるものである。
後端部3は、浴槽連結装置1を浴槽5に取り付けた時に浴槽5の外部に配される部位であり、二つの接続配管15,16を有する。接続配管15,16は、浴槽連結装置1の後端部3側に突出した金属管である。接続配管15,16の先端には、往き配管401および戻り配管402をロウ付け接合するための管端や公知のユニオン継手のような配管接続部材17等が取り付けられている。
続いて、浴槽連結装置1の具体的な構造について説明する。浴槽連結装置1は、図3及び図4の様に、外嵌合部材20、内嵌合部材21、仕切部材22及びフィルター部材23によって構成されている。また、図3に示すように、外嵌合部材20と内嵌合部材21との間には、浴槽5等からの水漏れを防止するためにパッキン25,26が配されている。
外嵌合部材20は、銅合金、鋳物、ステンレススチール等の錆に強い金属や、高強度の樹脂を素材として作られたものである。外嵌合部材20は、有底の本体部27を有し、この本体部27の開口端にフランジ28を形成したものである。また、図4に示すように、本体部27の内周面には、雌ネジが設けられている。本体部27の内部には、底部30の略中央部から垂直に突出した接続管31が設けられている。
本体部27の底部30には、接続配管15,16がろう付けされ接続されている。接続配管15,16は、それぞれ本体部27の内部空間と連通している。接続配管15は、本体部27の中心に接続されており、底部30の内側に突出した接続管31の内側に形成された中央空間32と連通している。また、接続配管16は、底部30の中央を外れた位置に接続されている。そのため、接続配管16は、本体部27の内部空間のうち、接続管31の外周部分に形成された外周空間33と連通している。
内嵌合部材21は、樹脂によって作られ、図3や図4に示すようにフランジ部35と筒状部36とを有する。内嵌合部材21の中央部には、貫通孔37が設けられている。貫通孔37の内径は、図3に示すように外嵌合部材20に設けられた接続管31の外形よりも大きい。
筒状部36は、表面に雄ネジが形成された筒状の部位である。筒状部36の外周には雄ネジが形成されている。そのため、内嵌合部材21は、筒状部36を外嵌合部材20の本体部27に設けられた雌ネジにネジ込むことにより外嵌合部材20と一体化される。図5に示すように、筒状部36の内側であって、筒状部36の延伸方向の中間位置には、貫通孔37の中心側に向けて突出した内フランジ部39aが設けられている。内フランジ部39aの中央には、開口形状が六角形の冶具係合部39bが形成されている。冶具係合部39bは後述する施工冶具180を係合させるための孔である。筒状部36の内側には、フランジ35側の端部から冶具係合部39bに至る部分に後述する漏水検査冶具190を装着するための雌ねじ39cが形成されている。
フランジ部35は、筒状部36の一端側に形成され、筒状部36の外側に向けて突出した円盤状の部位である。フランジ部35には、筒状部36の開口部分の周囲に8つのネジ用下穴38が形成されている。これは、外嵌合部材20に対して内嵌合部材21を装着した際に、浴槽5の壁面の厚みやパッキン25,26の厚み等の影響によってネジ用下穴38の位置が成り行きの位置となっても、後述する仕切部材22やフィルター部材23によって構成される吐出口12,13の開口方向、すなわち吐出口12,13から吐出される湯水の吐出方向が大きく変わらないように配慮したものである。
さらに具体的に説明すると、浴槽5内への湯水の落とし込みや浴槽5内の湯水の追い焚きを行う場合、浴槽5内の湯水の攪拌効率を考慮すると湯水を浴槽5に対して下方に吐出することが望ましい。そのため、浴槽連結装置1は、吐出口12,13が共に下方に向くように設置されることが望ましい。
ここで、本実施形態の浴槽連結装置1では、図4に示すように吐出口12,13を構成する仕切部材22をフランジ部35に3箇所でネジ止めする構成とされている。そのため、例えばフランジ部35にネジ用下穴38が3つしか設けられていない構成とした場合は、外嵌合部材20と内嵌合部材21との締結状態によっては、吐出口12,13の位置が最大でフランジ35の周方向に60度もずれてしまうことになる。
そこで、本実施形態では、ネジ用下穴38をフランジ部35の周方向に8つ設けた構成とし、これらのうちから適宜3つのネジ用下穴38を選択して仕切部材22のネジ止めする構成としている。かかる構成とした場合、外嵌合部材20と内嵌合部材21との締結状態による吐出口12,13の位置ズレはフランジ35の周方向に22.5度以下の範囲内に納まる。そのため、本実施形態の浴槽連結装置1は、外嵌合部材20と内嵌合部材21との締結状態にかかわらず吐出口12,13を浴槽5の下方に向けて設置でき、浴槽連結装置1から吐出される湯水によって浴槽5内の湯水を十分攪拌することができる。なお、吐出口12,13を確実に下方に向けるためにはネジ用下穴38の数は多い方が望ましいが、ネジ用下穴38の数はこれより多くても少なくてもよい。
仕切部材22は、図3や図4に示すように、本体部40(背面側構成体)と弁収容部41(正面側構成体)とに大別される。また、観点を変えると、仕切部材22は、管状部43と流路構成体50とに大別することも可能である。本体部40は、樹脂によって成型された部材であり、管状部43と流路形成部45とが一体化されたものである。管状部43は、図4に示すように流路形成部45の背面壁44(背面側仕切壁)の裏面から突出した筒状の部位であり、外径が接続管31の内径と略同一とされている。管状部43は、先端(流路形成部45の裏面側)に段部46が形成されており、この段部46にゴム製のOリング47が嵌め込まれた構成を有する。管状部43は、流路形成部45の中央から一方に向けて突出した部分であり、流路形成部45の中央近傍に設けられた内連通孔48(接続側開口)に連通している。
流路形成部45は、樹脂によって成型されたものであり、弁収容部41と組み合わさった状態で流路構成体50を構成するものである。流路形成部45は、図4や図6に示すように背面壁44の表面側に周壁部55や流路形成壁56等が突出した構成を有する。背面壁44は、後述する弁収容部41の吐出部140,141に相当する部位が欠落した欠落部51が2つ形成されている。すなわち、背面壁44は、円板から欠落部51に相当する部位を切り欠いたような略扇形の壁面である。
流路形成部45は、図3や図4、図6等に示すように仕切部材22と組み合わせた時に裏面が内嵌合部材21のフランジ部35に面接触するものであり、3つの貫通穴52が設けられている。流路形成部45は、8つのネジ用下穴38から選択される3つのネジ用下穴38と貫通穴52とを位置合わせし、ネジ用下穴38と貫通穴52に渡って3本のネジ53をねじ込むことにより内嵌合部材21に固定される。なお、流路形成部45の固定に当たっては、いずれのネジ用下穴38と貫通穴52とを位置合わせしてネジ止めしてもよいが、浴槽連結装置1による湯水の攪拌効率を考慮すると、欠落部51,51がなるべく下方を向くようにネジ用下穴38を選択してネジ止めすることが望ましい。
流路形成部45は、図4や図6に示すように表面側(管状部43とは反対側)に背面壁44に対して垂直に立設された円弧状の周壁部55と、流路形成壁56とを有する。流路形成部45は、周壁部55と流路形成部56とによって上方領域57および下方領域58と、流路形成領域60,61の4つの領域に分割されている。
周壁部55は、流路形成部45の外周に沿って形成された円弧状の壁面であり、欠落部51,51に相当する部位が欠落している。欠落部51は、吐出部140,141に装着される吐出弁125,126の可動領域に相当する部位であり、縁端部分が吐出弁125の弁座の一部として機能する。さらに具体的には、欠落部51は、図6(b)に示すように、背面壁44のうち仕切部材22の内側に向く面44a上に広がる仮想平面Hを想定した場合に、この仮想平面Hと吐出弁125,126の可動部128が動作することにより形成される軌跡との交差部分に相当する位置に可動部128の動作を阻害しないように設けられた部位である。
欠落部51,51は、図6(a)に示すように、共に中心C1を通る境界線X1よりも下方に位置している。また、欠落部51,51は、互いに流路形成部45の周方向に110度程度ずれた位置関係にある。すなわち、流路形成部45の中心C1と欠落部51,51の中央部C2,C3を通る線分X2,X3を想定した場合、この線分X2,X3のなす角θ1が110度程度となる。欠落部51,51のなす角θ1は、吐出口12,13のいずれから湯水を吐出する場合であっても、湯水が確実に浴槽5内を循環可能な構成とするために斜め下方に向けて吐出可能な角度とすることが望ましい。
流路形成壁56は、図6に示すように周壁部55よりも高さが高い壁面であり、縦断部62と、縦断部62に対して交差する横断部63と、縦断部62に連続した屈曲部65,66とから構成されている。縦断部62は、大部分が流路形成部45の中心と欠落部51,51の中間部分を通る線分X4上に形成されており、流路形成領域60,61を分断する壁面である。縦断部62は、流路形成部45の中央部から外周部に向かってまっすぐ延伸している。縦断部62の末端部分は、屈曲部65,66に繋がっている。屈曲部65,66は、流路形成領域60,61の内側に向けて湾曲しており、その末端部分に欠落部51の外形に沿う吐出口形成部59が形成されている。横断部63は、平面視で縦断部62に対して略垂直な方向(横方向)に延伸し、流路形成領域60,61と上方領域57とを分断する壁面である。横断部63の両端部分には、欠落部51の外形に沿う形状に屈曲した吐出口形成部64が形成されている。
上方領域57は、周壁部55と流路形成壁56の横断部63とによって囲まれる空間であり、図2に示すような姿勢で浴槽連結装置1を取り付けた際に上方に位置する領域である。上方領域57の内部には、上記した貫通穴52が2つ形成されており、その略中央部分に円筒形の磁石67が固定されている。また下方領域58は、屈曲部65,66および周壁部55によって囲まれ、本体部40を内嵌合部材21にネジ止めするための貫通穴52が1つ設けられた領域である。また、下方領域58の内部には、直方体状の磁石68が固定されている。
流路形成領域60,61は、本体部40に対して弁収容部41を装着した際に水室R,L(流路)を形成する部分である。流路形成領域60,61は、流路形成壁56の横断部63および縦断部62と屈曲部65あるいは屈曲部66によって囲まれ、欠落部51,51において外部に連通した領域である。流路形成領域60,61は、縦断部62を境として互いに対称な形状とされている。すなわち、流路形成領域60,61は、背面壁44に沿って広がる仮想平面Hによる断面形状が背面壁44の中心を通る仮想平面U1を介して対称であり、断面積の比がほぼ1対1となっている。
流路形成領域60には、開口形状が扇面状に湾曲した外連通孔70(接続側開口)と、突起71とが設けられている。外連通孔70は、流路形成部45の裏面側に貫通した貫通孔であり、管状部43の外側に連通している。また、外連通孔70は、本体部40を内嵌合部材21と組み合わせた際に貫通孔37に連通する位置に形成されている。流路形成領域61は、内部に開口形状が三日月状の内連通孔48と、突起72とが設けられている。内連通孔48は、流路形成部45の裏面側に突出した管状部43に連通している。内連通孔48および外連通孔70は、共に背面壁44の中心C1近傍に形成されている。さらに具体的には、図6(a)に示すように、内連通孔48および外連通孔70は、それぞれ中心C1を中心とし、半径tの円形領域F1内に存在している。半径tは、背面壁44の外接円の半径Tの約1/2〜1/4の範囲内にある。本実施形態では、半径tは、半径Tの1/3程度とされている。突起71,72は、互いに対称な位置関係にあり、後述する弁収容部41の導入弁取り付け部112,113の略中央部に相当する位置に設けられている。
弁収容部41は、導入弁110,111や吐出弁125,126を備えたものであり、図3や図4等に示すように本体部40の表面側に装着されることによって流路構成体50を構成するものである。
弁収容部41は、図4や図8、図11等に示すように、円盤状の仕切壁80(正面側仕切壁)と、仕切壁80の外周に沿って形成された周壁部85と、周壁部85と同一方向に突出した流路形成壁86とを有する。
弁収容部41は、図4や図11に示すように、円盤状の仕切壁80に2つの導入部81,81を形成したものである。導入部81,81は、双方とも弁収容部41の中央を外れた位置に存在する。導入部81は、軸挿通孔82を中心としてその周囲に扇形の開口83(浴槽側開口)を周方向に略等間隔となるように6つ形成したものである。開口83は、それぞれ弁収容部41の内外を連通している。
弁収容部41は、図4や図8、図11等に示すように、円盤状の仕切壁80(正面側仕切壁)と、仕切壁80の外周に沿って形成された周壁部85と、周壁部85と同一方向に突出した流路形成壁86とを有する。
弁収容部41は、図4や図11に示すように、円盤状の仕切壁80に2つの導入部81,81を形成したものである。導入部81,81は、双方とも弁収容部41の中央を外れた位置に存在する。導入部81は、軸挿通孔82を中心としてその周囲に扇形の開口83(浴槽側開口)を周方向に略等間隔となるように6つ形成したものである。開口83は、それぞれ弁収容部41の内外を連通している。
仕切壁80は、図8に示すように軸挿通孔82の周囲が表面側に向けて肉厚に成形されている。また、軸挿通孔82は、後述する導入弁110,111の軸部116が挿入される部分であり、この軸部116の係合部121が係合可能なように座繰り形状に成形されている。軸挿通孔82,82は、それぞれ弁収容部41と本体部40とを一体化した際に本体部40側に設けられた突起71,72の位置と略合致する位置に設けられている。また、導入部81,81は、それぞれ弁収容部41と本体部40とを一体化した際に本体部40に形成された流路形成領域60,61に連通する位置に形成されている。
仕切壁80の表面側中央部には、突起84が設けられている。仕切壁80は、後述するフィルター部材23によって突起84が押圧され、背面壁44側に押さえ込まれる。
弁収容部41は、図11に示すように本体部40と同様に仕切壁80の外周を取り巻く周壁部85と、流路形成壁86とを有する。周壁部85は、裏面側に向けて突出しており、弁収容部41の側面を構成するものである。
周壁部85は、仕切壁80の裏面側に突出した円弧状で流路形成壁86よりも高い壁面であり、2箇所の欠落部87を有する。
周壁部85は、仕切壁80の裏面側に突出した円弧状で流路形成壁86よりも高い壁面であり、2箇所の欠落部87を有する。
欠落部87,87は、弁収容部41と本体部40とが組み合わさった際に本体部40側の欠落部51,51と共に吐出口140,141を構成するものである。
欠落部87は、図11に示すように仕切壁80に沿って周方向に延伸する周壁部85の一部が仕切壁80の中心側に向けて「コ」字型に屈曲した部位である。さらに具体的には、欠落部87は、仕切壁80の外周に沿って延伸している周壁部85に対して屈曲し、弁収容部41の中心方向に向かって延伸する側壁面88,88(収容部側突出部)と、側壁面88,88間を繋ぐ開口形成面90とから構成されている。欠落部87は、図11(a)に示す姿勢において仕切壁80の中心C2を通る線分X6よりも下方にずれた位置に配されている。欠落部87,87は、互いに弁収容部41の周方向に110度ずれた位置関係にある。さらに具体的には、欠落部87,87がなす角度θ2、すなわち仕切壁80の中心C2と欠落部87,87の中央部とを結ぶ線分X7,X8を想定した場合にこのX7,X8がなす角度θ2は、流路形成部45の欠落部51,51のなす角度θ1と同様に110度とされている。そのため、弁収容部41と流路形成部45とを組み合わせると、欠落部51,87の位置が合致する。
欠落部87は、図11に示すように仕切壁80に沿って周方向に延伸する周壁部85の一部が仕切壁80の中心側に向けて「コ」字型に屈曲した部位である。さらに具体的には、欠落部87は、仕切壁80の外周に沿って延伸している周壁部85に対して屈曲し、弁収容部41の中心方向に向かって延伸する側壁面88,88(収容部側突出部)と、側壁面88,88間を繋ぐ開口形成面90とから構成されている。欠落部87は、図11(a)に示す姿勢において仕切壁80の中心C2を通る線分X6よりも下方にずれた位置に配されている。欠落部87,87は、互いに弁収容部41の周方向に110度ずれた位置関係にある。さらに具体的には、欠落部87,87がなす角度θ2、すなわち仕切壁80の中心C2と欠落部87,87の中央部とを結ぶ線分X7,X8を想定した場合にこのX7,X8がなす角度θ2は、流路形成部45の欠落部51,51のなす角度θ1と同様に110度とされている。そのため、弁収容部41と流路形成部45とを組み合わせると、欠落部51,87の位置が合致する。
欠落部87は周壁部85が途切れた部位であり、互いに平行に配された側壁面88,88と、開口形成面90とによって囲まれた「コ」字型の領域である。側壁面88,88は、弁収容部41を本体部40と組み合わせた際に本体部40側の吐出口形成部59,64間に嵌り込んで面接触する部位である。
開口形成面90は、弁収容部41の周壁部85に対して水平方向から視認可能な位置に形成された壁面である。開口形成面90は、図9(c)に示すように3つの小開口91aからなる開口91を有する。換言すれば、開口形成面90は、桟89によって区切られた3つの小開口91aを有するものである。桟89は、弁収容部41の厚み方向に延伸したものであり、後述する吐出弁125,126の可動部128が開口形成面90よりも弁収容部41の内側に入り込むのを阻止する機能を有する。開口形成面90は、後述する吐出弁125,126の可動部128が面接触する部位であり、開口91は可動部128によって閉塞される部位である。すなわち、開口形成面90は、吐出弁125,126の弁座として機能する部分である。
周壁部85の外周面には、フィルター装着溝92が周方向に所定の間隔を開けて3箇所設けられている。フィルター装着溝92は、仕切部材22に対してフィルター部材23を装着する際に使用されるものである。フィルター装着溝92は、図9(d)に示すように仕切壁80側から弁収容部41の裏面側に向かって延伸する差込溝93と、弁収容部41の周方向に向かって延伸する周溝95とが連続して形成される略「L」字形の溝である。周溝95は、弁収容部41を仕切壁80側から観察した際に差込溝93側から時計回り方向に延伸する溝である。周壁95は、差込溝93側の位置に弁収容部41の裏面側に向かって徐々に傾斜した形状とされている。そのため、後述するフィルター部材23の突起158をフィルター装着溝92の差込溝93に差し込んでフィルター部材23を時計方向に回転させると、突起158が周溝95に案内されて弁収容部41の仕切壁80に近接した状態となって装着される。
図11に示すように、流路形成壁86は、本体部40の流路形成部45に設けられている流路形成壁56と略同一の形状を有するものであり、弁収容部41の裏面側に形成された周壁部85によって囲まれた空間を上方領域101、下方領域102および流路形成領域103,105に分割するものである。
流路形成壁86は、流路形成壁56と同様に縦断部96(浴槽側開口)、横断部97および屈曲部98,99に大別される。流路形成壁86は、図11(b)に示すように上端部、すなわち弁収容部41の裏面側の端部に凹状の係合溝100(凹部)が成形されている。係合溝100は、弁収容部41と本体部40とを一体化した際に本体部40側の流路形成壁56(凸部)の先端部分が嵌り込み、弁収容部41が本体部40に対して相対回転するのを防止する回転阻止構造を形成するものである。
流路形成壁86は、流路形成壁56と同様に縦断部96(浴槽側開口)、横断部97および屈曲部98,99に大別される。流路形成壁86は、図11(b)に示すように上端部、すなわち弁収容部41の裏面側の端部に凹状の係合溝100(凹部)が成形されている。係合溝100は、弁収容部41と本体部40とを一体化した際に本体部40側の流路形成壁56(凸部)の先端部分が嵌り込み、弁収容部41が本体部40に対して相対回転するのを防止する回転阻止構造を形成するものである。
縦断部96は、周壁部85に設けられた2つの欠落部87,87の中間位置と、弁収容部41の中心C2を通る線分X9上に形成され、流路形成領域103,105を分断する壁面である。縦断部96の末端(下端)側には、屈曲部98,99が左右対称に形成されている。屈曲部98,99は、流路形成領域103,105の内側に向けて湾曲しており、その末端部分は欠落部87の側壁面88に沿うように屈曲している。また、横断部97は、弁収容部41の中心C2を通過する線分X6に対して大部分が平行であり、線分X6よりも上方に位置している。横断部97は、上方領域101と流路形成領域103,105とを分断する壁面である。横断部97の両端部分は、欠落部87の側壁面88に沿うように屈曲している。
上方領域101は、弁収容部の上方に形成される弓形の領域であり、円柱状の磁石106が固定されている。また同様に、下方領域102内には、直方体状の磁石107が固定されている。磁石106,107は、流路形成部45に固定されている磁石67,68に相当する位置に固定されている。磁石106,107は、流路形成部45に固定されている磁石67,68との間に吸着力が発生するように磁極の向きが調整されている。
流路形成領域103,105は、本体部40と弁収容部41とを一体化した際に独立した水室L,Rを形成するものであり、流路形成壁86の一部をなす縦断部96を介して形状および構造が対称とされている。すなわち、流路形成領域103,105は、断面形状が仕切壁80の中心を通る仮想平面U2を介して対称であり、断面積の比がほぼ1対1となっている。
流路形成領域103,105には、それぞれ上記した導入部81,81の軸挿通孔82,82および開口83,83が形成されている。軸挿通孔82および開口83は、流路形成領域103,105の略中央に位置し、導入弁110,111を取り付けるための導入弁取り付け部112,113(弁座)として機能する部分である。上記したように、導入弁取り付け部112,113には、導入弁110,111を固定するための軸挿通孔82の座繰り構造が形成されているが、座繰り構造を形成するために肉厚となった部分は仕切壁80の表面側に突出しており、裏面側(流路形成領域103,105の内側)には突出していない。すなわち、導入弁110,111の弁座として機能する導入弁取り付け部112,113は、仕切壁80の他の部位と同様に平坦である。
導入弁110,111は、ゴムによって作製されたものであり、図12に示す様な傘形状をしている。導入弁110,111は、円盤状の弁体部115と軸部116とにより構成されている。弁体部115は、シート状に成形されており、可撓性がある。弁体部115は、外周部分がやや軸部116側に開いた形状をしており、リブ117が設けられている。また、軸部116は、弁体部115の付け根の部位118が太く、その先の装着部120がやや細い。また、装着部120の先の係合部121は、装着部120よりも太く作られている。係合部121のさらに先端側には、導入部122が成形されている。導入部122は、他のどの部分よりも細く作られており、導入弁110,111を導入弁取り付け部112,113に取り付ける際に軸挿通孔82に挿入され、引っ張られる部分である。導入部122は、導入弁110,111の装着後に切断される。
一方、仕切壁80の欠落部87,87に相当する位置は、後述する吐出弁125,126の軸部130を固定するための吐出弁取り付け部142,143として機能する部位である。吐出弁取り付け部142,143には、挿通するための軸挿通孔124が2つずつ設けられている。吐出弁125,126は、図13のように断面形状が略「L」字形の弁であり、いわゆるスイング型と称される形態の弁である。吐出弁125,126は、ゴムのような可撓性を有する素材によって作られたものである。
吐出弁125,126は、平板状の台座部127に対して板状の可動部128が交差するように形成されたものである。吐出弁125,126は、台座部127を固定すると、可動部128が台座部127に対して近接あるいは離反する方向に撓むものである。台座部127は、弁収容部41の仕切壁80の形状に合わせて円弧状に形成されている。また、台座部127の背面には、二つの軸部130が設けられている。軸部130の形状は、前記した導入弁110,111の軸部116と略同様であり、やや細く作られた装着部131と、装着部131の先に設けられた太い係合部132と、その先端に設けられたさらに細い導入部133とから構成されている。
一方、可動部128は、台座部127よりも薄く作られており、先端側が弁収容部41の形状に合わせて略円弧形状とされている。可動部128は、台座部127に対する付け根部分135がアール形状にえぐられている。そのため、可動部128は、図13(b)や図13(c)に矢印で示すように台座部127に近接する方向に変形しやすい。可動部128の付け根部135とは反対側の端部には、補強リブ136が設けられている。
吐出弁125,126は、図14のように、可動部128の背面を弁収容部41の開口形成面90側に向けた姿勢として欠落部87に設けられた軸挿通孔124,124に軸部130を挿入し、軸部130を弁収容部41の外側(仕切壁80側)に引っ張って係合部132を軸挿通孔124に嵌め込むことにより装着されている。これにより、吐出弁125,126は、図3等に示すように台座部127が仕切壁80側を向き、可動部128が開口形成面90の開口90を閉塞するように固定されている。すなわち、吐出弁125,126が装着されると、可動部128の背面が開口形成面90の外側(弁収容部41の周壁部85側)にぴったりと面接触した状態となる。
弁収容部41は、図4に示すように導入弁110,111や吐出弁125,126が流路形成部45側を向き、欠落部51,86や流路形成壁56,86の位置をあわせた姿勢とされて本体部40の流路形成部45に装着される。この時、弁収容部41側に固定されている磁石106,107と流路形成部45側に固定されている磁石67,68とが引きあう。これにより、弁収容部41が、流路形成部45に対してしっかりと固定された状態となる。
上記したようにして弁収容部41を流路形成部45に対して固定すると、流路形成部45側の流路形成壁56が、弁収容部41側の流路形成壁86の係合溝100に嵌り込んで回転阻止構造が形成されると共に水密状態となり、流路構成体50が形成される。また、弁収容部41と流路形成部45とを組み合わせると、図15に示すように弁収容部41の欠落部87,87を構成する側壁面88が、流路形成部45の欠落部51を構成する吐出口形成部59,64の間に嵌り込んで面接触し、回転阻止構造を形成する。これにより、図14に示すように欠落部51,87と、流路形成部45が装着された内嵌合部材21のフランジ部35とが組み合わさり、吐出部140,141が形成される。
弁収容部41と流路形成部45とを組み合わせると、流路形成部45側の流路形成領域61と弁収容部41側の流路形成領域103とが組み合わさり、水室Rが形成される。また同様に、流路形成部45側の流路形成領域60と弁収容部41側の流路形成領域105とが組み合わさり、水室Lが形成される。水室R,Lは、それぞれ流路形成壁56,86によって区切られ、独立した空間を形成している。
水室Rは、弁収容部41の仕切壁80の内側に設けられた導入弁取り付け部112に導入弁110が取り付けられ、吐出部140に吐出弁125が取り付けられた空間である。水室Rは、流路形成部45の背面壁44に設けられた内連通孔48を介して管状部43と連通している。
一方、水室Lは、仕切壁80の導入弁取り付け部113に導入弁111が取り付けられ、吐出部141に吐出弁126が取り付けられた空間である。また、水室Lは、背面壁44に設けられた外連通孔70を介して管状部43の外側の空間に連通している。
吐出部140,141は、図3に示すようにフィルター部材23の吐出開口154,159と組み合わさって吐出口12,13を構成するものであり、水室R,Lから吐出開口154,159に繋がる流路A,Bの中途部分を構成する。流路A,Bは、水室R,Lを中心として構成される互いに独立した流路であり、導入弁110,111と吐出弁125,126をそれぞれ1つずつ具備している。
導入弁110,111は、図8(c)に示すように水室R,Lの導入弁取り付け部112,113に取り付けられ、仕切壁80の外側から水室R,Lの中に入る方向の水流を許し、逆を阻止する弁である。ここで、上記したように、導入弁110,111は、導入弁取り付け部112,113が平坦であるため、図10(a)のように常時は導入弁取り付け部112,113に密着し、開口83を閉じた状態となっている。一方、仕切壁80の外部から開口83を介して流入しようとする湯水による水圧が弁体部115にかかったり、本体部40と弁収容部41とを組み合わせて構成される水室R,L内が負圧になると、図10(b)や図10(c)に二点鎖線で示すように弁体部115が水室R,Lの内側に向けて撓み、開口83が開く。
図10に示すように、導入弁110,111を導入弁取り付け部112,113に取り付けた状態で弁体部115が仕切壁80を覆う領域を仕切壁80に対向して配されている背面壁44側に投影した領域P1,P2は、それぞれ背面壁44に形成された内連通孔48や外連通孔70の開口領域の一部と重複する。しかし、内連通孔48や外連通孔70の開口領域の残部(領域Q1,Q2)は、領域P1,P2から外れた位置にある。また、図10(b),(c)に示すように、水圧等の影響で弁体部115が撓んだ状態における弁体部115の占有領域を背面壁44側に投影して形成される領域R1,R2は、領域P1,P2よりもさらに狭くなり、内連通孔48や外連通孔70の開口領域との重複面積がより一層小さくなる。そのため、内連通孔48や外連通孔70の開口領域のうち、領域R1,R2から外れた領域S1,S2は、上記した領域Q1,Q2よりもさらに大きくなる。
上記したように、内連通孔48や外連通孔70の開口領域は、仕切壁80側に固定された導入弁110,111の可動領域を背面壁44側に投影して形成される領域P1,P2あるいは領域R1,R2よりも大きく、領域P1,P2や領域R1,R2から外れた領域Q1,Q2や領域S1,S2が存在する。そのため、導入弁110,111が仕切部材22の内側に向けて撓んだ場合、内連通孔48や外連通孔70は少なくとも領域Q1,Q2や領域S1,S2に相当する開口部分において湯水が流通できる。
導入弁110,111は、図23(a)に示すように流路形成部45の背面壁44から突出した突起71,72によって弁体部115の中央部が仕切壁80側に押しつけられた状態とされ、支持されている。これにより、水圧の作用により導入弁110,111に作用する負担を軽減し、軸部116が伸びるといった導入弁110,111の劣化の進行が防止されている。
導入弁110,111は、図23(b)に矢印で示すように、仕切壁80の外側からの水流を受けると円盤状の弁体部115が水室Rあるいは水室Lの内側に向けてめくれ、湯水が水室R,Lの内側に浸入するのを許す。また逆に、水室R,L内の圧力が外部よりも高い場合には、図23(a)のように弁体部115が放射状に配された6つの開口83を閉塞し、水室R,L内の湯水が外部に漏出するのを防止する。
吐出弁125,126は、図14のように、台座部127が仕切壁80の裏面側を向き、開口形成面90に形成された開口91を外側から塞ぐように取り付けられている。吐出弁125,126は、先端部分が本体部40の背面壁45側、すなわち浴槽5の壁面側に向くように取り付けられている。吐出弁125,126は、それぞれ水室R,Lの吐出部140,141に配され、仕切壁80の内側から水室R,Lの外側へ流れる水流を許し、逆を阻止する弁である。すなわち、吐出弁125,126は、図14に矢印Gで示すように、水室Rや水室Lの内側から外側に向かう水流を受けて可動部128が台座部127に近づく方向に撓み、開口91から湯水が出る。換言すれば、吐出弁125,126は、水室Rや水室Lの内側から外側に向かう水流を受けると可動部128が撓み、可動部128の先端部分が本体部40の背面側、すなわち浴槽5の壁面側から仕切壁81に近づく。そのため、吐出弁125,126が開くと浴槽5の壁面側の部位が優先的に開き、水室R,Lから吐出される湯水を浴槽5の壁面に沿う方向に案内する。また、吐出弁125,126を押し広げて吐出される水流は、本体部40の背面壁45側に形成された隙間を通過するため、吐出圧が高い。そのため、吐出弁125,126を通過して吐出される湯水は大部分が勢いよく浴槽5の壁面側に向けて吐出され、仕切壁80の正面側に回らずに浴槽5の側面および底面に沿って流れる。従って、浴槽連結装置1によれば、いわゆるショートサイクルが起こりにくく、浴槽5内の湯水を十分に攪拌することができる。
一方、吐出弁125,126は、図14に矢印Bで示すように、水室R,Lの外側から内側に向かう水流を受けたり、水室R,Lの内部が負圧になると、この水流や圧力の影響で可動部128が開口形成面90に押しつけられ、開口91が完全に閉塞される。
図3に示すように、仕切部材22にはフィルター部材23が装着されている。フィルター部材23は、図1や図24に示すように一方が有底で、他方が開放された椀状の外装部材145によって外形が形取られ、この内部にリング状の内装部材146が固定されたものである。外装部材145は、ステンレススチール等の錆に強く、磁石にくっつかない材質によって作製されたものである。外装部材145は、図1に示すように有底側、すなわち浴槽連結装置1を浴槽5に取り付けた際に正面側を向く部位の中央近傍にマスク部147を有し、その周囲に多数の孔148が設けられている。マスク部147は、仕切部材22にフィルター部材23を取り付けた際に導入部81,81に相当する位置に来るように配置されている。すなわち、導入部81,81は、仕切部材22の内側に取り込むための開口83が設けられており、仕切壁80上の領域において仕切部材22の内側に向かう湯水の流速が最も早いと想定される部位である。フィルター部材23は、フィルター部材23を仕切部材22に取り付けた状態において導入部81,81に対向する位置にマスク部147を設けることにより、この部位にゴミ類や湯垢などが集中的に付着するのを防止している。
マスク部147の中央部は、仕切部材22をフィルター部材23に対して装着した際に仕切壁80の突起84に当接し、仕切壁80を背面壁44側に押圧する。
外装部材145は、側面150に2つの吐出開口151,152を有する。この吐出開口151,152は、上記した弁収容部41の欠落部51,51や流路形成部45の欠落部87、すなわち流路構成体50の吐出部140,141と同様に互いに周方向に110度程度離れた位置に形成されている。すなわち、吐出開口151,152は、吐出部140,141の位置にあわせて設けられている。また、側面150には、内装部材146の係止爪157が嵌る係止孔153が設けられている。
内装部材146は、樹脂製でリング状の部材であり、外装部材145の内側にほぼ隙間無く納まるものである。内装部材146は、外周面に吐出開口155,156と、外側に向かって突出した係止爪157が一つ設けられている。係止爪157は、内装部材146を外装部材145の内側に嵌め込んだ際に外装部材145の係止孔153に嵌るものであり、内装部材146が外装部材145の内側で回動するのを防止するためのものである。吐出開口155,156は、外装部材145の吐出開口151,152と略同一の開口面積を有するものであり、内装部材146を外装部材145の内側に嵌め込んだ際に吐出開口151,152と重なり、一連の吐出開口154,159を形成するものである。
内装部材146は、内周面に内側に向けて突出した突起158を有する。突起158は、内装部材146の周方向に3つ設けられており、それぞれ弁収容部41のフィルター装着溝92に差し込まれるものである。フィルター部材23は、突起158を弁収容部41に設けられた略「L」字形のフィルター装着溝92に差し込んで回動させることにより仕切部材22に取り付けられ、外装部材145のマスク部147が導入部81,81に対向した位置に来る。
フィルター部材23が仕切部材22に装着されると、図3のように外装部材145の内面と、これに対向する仕切壁80との間に吸い込み室160が形成される。フィルター部材23を仕切部材22に装着すると、図3(b)のように仕切部材22の正面側の角の部位161と、フィルター部材23の内面の角の部位162とが線接触し、密着する。これにより、フィルター部材23に流入した湯水がフィルター部材23と仕切部材22の隙間から湯水が回り込むのが防止されている。
本実施形態の浴槽連結装置1は、図25のように浴槽5の側面の外部に配された外嵌合部材20に対して浴槽5の内側から浴槽5の壁面に設けられた取り付け口5aを介して内嵌合部材21をねじ込んで一体化することにより取り付け施工される。浴槽連結装置1は、浴槽5の壁面と外嵌合部材20および内嵌合部材21との間に隙間が存在すると漏水を起こしてしまう。そのため、浴槽連結装置1の施工時は、外嵌合部材20に対して内嵌合部材21をしっかりとねじ込む必要がある。
ここで、内嵌合部材21は、フランジ部35が浴槽5の内側に露出するため、浴槽5の内側からフランジ部35をつかんで回転させることにより外嵌合部材20に対してねじ込むことができる。しかし、フランジ部35が浴槽5の壁面に近接し、フランジ部35と浴槽5の壁面との隙間が僅かな状態になると、フランジ部35をつかんで回転させることが困難となり、取り付け不良を起こす可能性がある。
そこで、本実施形態の浴槽連結装置1では、内嵌合部材21に対して着脱可能な施工冶具180が別途用意されている。施工冶具180は、図17に示すように断面形状が六角形の軸181の中途部分にフランジ182が設けられた樹脂製の部材である。施工冶具180は、フランジ182を境界として一端側が内嵌合部材21の冶具係合部39bに係合する係合部183として機能し、他端側が工具や指などでつかむための突出部185として機能する。
さらに具体的に説明すると、軸181は、内嵌合部材21の貫通孔37の内側に設けられた冶具係合部39bにほぼ隙間無く差し込むことができる。施工冶具180の係合部183は、フランジ182から先端に至る長さが内嵌合部材21に設けられた貫通孔37のフランジ部35側の端部から筒状部36の内側に設けられた冶具係合部39bに至る長さよりも僅かに長い程度とされている。また、フランジ182の外径は、内嵌合部材21の貫通孔37の開口径よりも大きい。そのため、施工冶具180をフランジ182を内嵌合部材21のフランジ部35に面接触するまで差し込むと、係合部183が冶具係合部39bに嵌り込み、施工冶具180が内嵌合部材21に対して相対回転不能な状態となる。またこの時、突出部185は、内嵌合部材21のフランジ部35から突出した状態となる。そのため、内嵌合部材21は、施工冶具180を貫通孔37に差し込み、突出部185を工具等で摘んで回転させることにより、内嵌合部材21を筒状部36の軸心回りに回転させることができる。
ここで、浴槽連結装置1は、浴槽5に対して外嵌合部材20や内嵌合部材21を水密状態となるように固定せねばならない。本実施形態では、外嵌合部材20や内嵌合部材21の取り付け状態を確認するための漏水検査冶具190を内嵌合部材21に対して装着可能な構成とされている。さらに具体的には、本実施形態では、内嵌合部材21に対して装着可能な漏水検査冶具190が別途用意されている。漏水検査冶具190は、図18に示すように本体190aと閉止部材190bとを有する。また、本体190aは、フランジ部191を介して装着部192と摘み部193とに分類される。
装着部192は、内嵌合部材21の貫通孔37に差し込まれる筒状の部位である。装着部192の先端側の外周には、内嵌合部材21の貫通孔37内に形成された雌ねじ39cと螺合可能な雄ネジ192aが形成されている。また、装着部192のフランジ部191に隣接する位置には、Oリングからなるシール部材192bが装着されている。そのため、漏水検査冶具190は、強く締め付けなくても水密状態あるいは気密状態となるように内嵌合部材21に対して装着することができる。
摘み部193は、指等で摘むことが可能な角柱状の突起である。漏水検査冶具190は、摘み部193の端部から装着部192に連通する連通孔196を有する。連通孔196は、漏水検査の際に加圧装置に接続される配管を装着するための孔である。閉止部材190bは、連通孔196にねじ込んで固定することにより連通孔196を閉止できる部材である。
続いて、浴槽連結装置1の施工方法および組み立て構造について説明する。浴槽連結装置1は、浴槽5の外側に配された外嵌合部材20と、浴槽5の内側に配された内嵌合部材21とを締結することにより浴槽5の壁面を挟み込んだ状態で固定されている。さらに具体的には、外嵌合部材20および内嵌合部材21は、図25に示すように、浴槽5の外側であって、浴槽5の壁面に設けられた取り付け口5aに相当する位置にフランジ28を突き合わせると共に、浴槽5の内側から取り付け口5aに内嵌合部材21の筒状部36を本体部27にネジ込むことにより浴槽5に固定される。これにより、外嵌合部材20と内嵌合部材21とが接続され、内嵌合部材21の貫通孔37内に外嵌合部材20の略中心に接続管31が突出した状態となる。
ここで、外嵌合部材20と内嵌合部材21との接続の際には施工冶具180が使用される。さらに具体的には、内嵌合部材21を接続する際には、フランジ部35の中央に開口している貫通孔37に対して係合部183側から施工冶具180を差し込む。施工冶具180のフランジ182が内嵌合部材21のフランジ部35に面接触するまで差し込み、係合部183と内嵌合部材21の冶具係合部39bとを係合させた後、施工冶具180の突出部185を工具等でつかんで回転させると、施工冶具180と内嵌合部材21とが一体となって回転し、内嵌合部材21が外嵌合部材20に対して螺合されていく。内嵌合部材21のフランジ部35がパッキン25を介して浴槽5の壁面にしっかりと取り付けられると、施工冶具180が抜き去られる。
仕切部材22は、上記したようにして浴槽5に固定された内嵌合部材21に対して固定される。さらに具体的には、仕切部材22のうち流路形成部45は、管状部43を内嵌合部材21の貫通孔37内に差し込み、3つのネジ用下穴38や貫通穴52にネジ53を装着することにより内嵌合部材21に対して固定される。この際、流路形成部45の管状部43は、内嵌合部材21の貫通孔37内に突出している外嵌合部材20の接続管31内に差し込まれる。これにより、図3等に示すように管状部43と接続管31とが接続され、中央空間165が形成される。また、流路形成部45が内嵌合部材21にネジ止めされると、接続管31の外周、流路形成部45の背面壁44および内嵌合部材21の貫通孔37の内周壁とによって囲まれた外周空間166が形成される。
内嵌合部材21に対して仕切部材22の本体部40がネジ止めされると、流路形成壁56,86の位置および欠落部51,87の位置合わせをした状態で本体部40の正面側から弁収容部41が装着される。弁収容部41は、本体部40側に固定されている磁石67,68と弁収容部41内に固定されている磁石106,107との間に発生する吸着力により一体化される。本体部40と弁収容部41とが一体化されると、図15のように本体部40の側壁面88,88が本体部40側の吐出口形成部59,64の間に嵌り込んで面接触し、回転阻止構造が形成される。さらに、本体部40と弁収容部41とが一体化されると、本体部40の背面壁44から突出した流路形成壁56の先端が、弁収容部41側の流路形成壁86の上端部に設けられた係合溝100に嵌り込み、回転阻止構造が形成される。弁収容部41は、これらの回転阻止構造によって本体部40に対して相対回転不能となる。
上記したようにして外嵌合部材20、内嵌合部材21および仕切部材22が一体化されると、仕切部材22に対してフィルター部材23が装着される。フィルター部材23は、内装部材146に設けられた3つの突起158をそれぞれ弁収容部41の周壁部85に設けられたフィルター装着溝92の差込溝93に沿って奥(本体部40側)まで差し込んだ後、周溝95に沿って時計回り方向に回転させることにより仕切部材22に装着される。これにより、フィルター部材23と仕切部材22の仕切壁80との間に吸い込み室160が形成されると共に、仕切壁80の導入部81,81に対向する位置がマスク部147によってマスクされる。
フィルター部材23が装着されると、吐出開口151,155と仕切部材22の吐出部140とが連通した吐出口12が形成され、吐出開口152,156と仕切部材22の吐出部141とが連通した吐出口13が形成される。吐出口12,13は、水室R,Lから繋がる一連の流路A,Bの末端部分を構成する。
上記したようにして浴槽連結装置1が組み立てられると、内部に図3や図27に示すような流路A,Bが形成される。流路Aは、図27(a)にハッチングで示すように、中央空間165と水室Rとが繋がって形成される流路であり、接続配管15と吸い込み口7および吐出口12とを繋ぐ流路である。流路Aの中途には、導入弁110と吐出弁125とが設けられている。一方、流路Bは、図27(b)にハッチングで示すように、外周空間166と水室Lとが繋がって形成される流路であり、接続配管16と吸い込み口7および吐出口13とを繋ぐ流路である。流路A,Bは、互いに独立しており、流路A,B間において湯水は往来しない。
上記したようにして浴槽5の壁面を挟んで外嵌合部材20および内嵌合部材21を一体化した場合、内嵌合部材21の締め付けが不十分であったり、内嵌合部材21が片締めであると、外嵌合部材20や内嵌合部材21と浴槽5の壁面との間に隙間が生じ、漏水を起こす可能性がある。そこで、本実施形態の浴槽連結装置1は、外嵌合部材20と内嵌合部材21とを一体化した後に内嵌合部材21に装着されている施工冶具180を取り外して漏水検査冶具190と交換し、漏水の有無を2種類の方法で検査することができる。
さらに具体的に説明すると、浴槽連結装置1は漏水検査冶具190を内嵌合部材21に装着し、連通孔196に閉止部材190bを装着して検査する第一の検査方法と、連通孔196に加圧手段を接続して検査する第二の検査方法のいずれかを選択して漏水検査を行うことができる。
第一の検査方法で検査する場合は、図28(a)に示すように連通孔196に閉止部材190bを装着した漏水検査冶具190が内嵌合部材21に取り付けられ、内嵌合部材21の貫通孔37が塞がれる。一方、外嵌合部材20の接続配管15,16のいずれか一方には加圧手段198が接続され、他方には弁199が接続される。第一の検査方法は、弁199を閉止した状態において加圧手段198によって浴槽連結装置1に対して圧力をかけることによって行われる。
第二の検査方法で検査を行う場合は、図28(b)に示すように漏水検査冶具190の連通孔196に対して加圧手段198を接続し、外嵌合部材20の接続配管15,16の双方に弁199a,199bを接続した状態とされる。第二の検査方法は、弁199a,199bを閉止した状態で加圧手段198によって浴槽連結装置1に対して圧力をかけることによって行われる。
続いて、浴槽連結装置1の作用について説明する。浴槽連結装置1は、接続配管15,16のいずれに熱源装置400の往き配管401および戻り配管402を接続しても、浴槽5内の湯水が吸い込み口7から熱源装置400側に吸い込まれ、吐出口12,13のいずれか一方または双方から湯水を吐出することができる。すなわち、浴槽連結装置1は、一般的に無極性アダプタと称されるものである。また、浴槽連結装置1は、浴槽5および熱源装置400の間に湯水を循環させる場合は、吸い込み口7から浴槽5内の湯水を吸い込んで熱源装置400側に供給し、熱源装置400側から供給される湯水を吐出口12,13のいずれか一方から吐出するものである。また、浴槽連結装置1は、必要に応じて一般的に両搬送方式と称される方式で湯水を浴槽5に落とし込むことができるものである。すなわち、両搬送方式により湯水を浴槽5に落とし込む場合、浴槽連結装置1は、熱源装置400側から供給される湯水を流路A,Bおよびこれらに繋がる吐出口12,13の双方から湯水を落とし込むことができる。以下、接続配管15,16と往き配管401および戻り配管402との接続状態と、浴槽連結装置1における湯水の流れとの関係について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、接続配管15に往き配管401を接続し、接続配管16に戻り配管402を接続した場合について図29を参照しながら説明する。図29において、矢印G1は往き配管401から送り込まれる湯水の流れを示すものであり、矢印B1は浴槽5から吸い込まれる湯水の流れを示す矢印である。
図29に示すように往き配管401および戻り配管402を接続すると、湯水は、流路Aを流れ、吐出口12から浴槽5の下方に向けて吐出される。一方、浴槽5内の湯水は、浴槽連結装置1の正面側に設けられた吸い込み口7から吸い込み室160に吸い込まれ、流路Bを通って戻り配管402に吸い込まれる。
さらに具体的に説明すると、接続配管15を介して供給される湯は、外嵌合部材20の接続管31に挿入された仕切部材22の管状部43内に流れ込む。管状部43の内部に流入した湯水は、流路形成部45の中央に設けられた三日月状の内連通孔48を介して流路構成体50の水室R内に流入する。ここで、接続配管15に対して往き配管401が接続されている場合、水室Rの内圧は、仕切部材22の仕切壁80とフィルター部材23との間に形成される吸い込み室160の内圧よりも高い。そのため、水室R側の導入弁取り付け部112に取り付けられた導入弁110の弁体部115は、図23(a)の様に仕切壁80側に押しつけられ、開口83を閉塞する。図29に矢印G1で示すように、管状部43を介して水室Rに流入した湯水は、図14(b)や図29のように吐出部140に取り付けられた吐出弁125の可動部128を台座部127に近づく方向に押し広げ、吐出口12から浴槽5内に落とし込まれる。
一方、上記したように、接続配管16は戻り配管402に接続されている。そのため、流路Bの内圧は、流路Aの内圧よりも低下する。その結果、流路Bの吐出口13に配された吐出弁126は、図14(a)や図29のように開口形成面90側に吸い寄せられ、吐出口13からの湯水の浸入を阻止する。また、水室L側の導入弁取り付け部113に取り付けられた導入弁111は、図29や図23(b)のように仕切部材22の仕切壁80から離れ、開口83が開く。これにより、図29に矢印B1で示すように、水室L側に浴槽5内の湯水が吸い込まれる。水室Lに流入した湯水は、管状部43の外側に形成された外周空間166を流れ、外嵌合部材20に接続された接続配管16を介して戻り配管402に吸い込まれる。
続いて、接続配管16に往き配管401を接続し、接続配管15に戻り配管402を接続した場合について図30を参照しながら説明する。図30において、矢印G2は往き配管401から送り込まれる湯水の流れを示すものであり、矢印B2は浴槽5から吸い込まれる湯水の流れを示す矢印である。
図30のように往き配管401および戻り配管402を接続すると、往き配管401から導入された湯水は流路Bを流れて吐出口13から浴槽5の下方に向けて吐出されると共に、浴槽5内の湯水はフィルター部材23に多数形成された孔148によって構成される吸い込み口7から吸い込まれ、流路Aを流れて戻り配管402に吸い込まれていく。
さらに詳細に説明すると、往き配管401から導入された湯水は、接続配管16を流れ、外嵌合部材20と内嵌合部材21との間に形成された外周空間166に流れ込む。外周空間166に流れ込んだ湯水は、仕切部材22の流路形成部45に設けられた外連通孔70を介して流路形成領域60,105によって形成される水室Lに流入する。
接続配管16を介して水室Lに湯水が流れ込む場合、水室Lの内圧は吸い込み室160の内圧よりも高くなる。そのため、水室L側に取り付けられた導入弁111は、図30に示すように弁体部115が仕切壁80側に押しつけられ、開口83を閉塞して吸い込み室160内に存在する湯水の浸入を阻止する。一方、水室L側の吐出部141に取り付けられた吐出弁126は、水室L側に流入した湯水によって吐出部141に取り付けられた吐出弁126の可動部128が仕切壁80側、すなわち台座部127に近づく方向に押し曲げられ、開口形成面90の開口91を開く。これにより、吐出口13が開いた状態となり、水室L内の湯水が浴槽5内に落とし込まれる。
一方、流路Aは、接続配管15を介して戻り配管402に接続されているため、流路Bよりも内圧が低下する。その結果、流路Bの吐出口12に配された吐出弁125は、開口形成面90側に吸い寄せられ、水室R内への浴槽5内の湯水の浸入を阻止する。さらに、水室L側に取り付けられた導入弁110は、図30のように弁体部115が水室Rの内側に向けて撓み、仕切部材22の仕切壁80から離れる。これにより、仕切壁80の左側(図11では左側、図30では下側)に設けられた導入部81の開口83が開き、吸い込み室160と水室Rとが連通する。そのため、浴槽5内の湯水は、図30に矢印B2で示すように水室R側に吸い込まれ、管状部43の内側に形成された中央空間165および接続配管15を介して戻り配管402に吸い込まれる。
浴槽連結装置1は、接続配管15,16と往き配管401および戻り配管402との接続状態によらず必要に応じて一般的に両搬送方式と称される方式で湯水を浴槽5に落とし込むことができる。両搬送方式による落とし込み動作を行う場合の湯水の流れについて、図31のように接続配管15に往き配管401を接続し、接続配管16に戻り配管402を接続した場合を例に挙げて説明する。
さらに具体的に説明すると、両搬送方式での湯水の落とし込みがなされる場合は、図31に矢印G3,G4で示されるように往き配管401および戻り配管402の双方から浴槽連結装置1側に向けて湯水が送り込まれてくる。これにより、往き配管401および戻り配管402から導入された湯水は接続配管15,16を流れ、それぞれ中央空間165および外周空間166に流れ込む。
中央空間165に流れ込んだ湯水は、流路形成部45に設けられた内連通孔48を介して水室R内に流入する。また、外周空間166内に流入した湯水は、外連通孔70を介して水室L内に流入する。ここで、両搬送方式で湯水を落とし込む場合は、接続配管15,16の双方から浴槽連結装置1側に向けて湯水が圧送されている。そのため、水室R,Lの内圧は、いずれも吸い込み室160の内圧よりも高い。従って、水室R,Lの導入弁110,111は、図31に示すように弁体部115が仕切壁80側に押しつけられた状態となり、開口83からの湯水の浸入が防止される。水室R,L内に流入した湯水は、それぞれ吐出部140,141に取り付けられた吐出弁125,126を押し広げる。これにより、水室R,Lが浴槽5側に開放した状態となり、水室R,L内に存在する湯水が吐出口12,13の双方から浴槽5内に落とし込まれる。
上記したように、浴槽連結装置1は、水室R,Lを構成する流路形成領域60,61、流路形成領域103,105がそれぞれ流路形成壁56,86の縦断部62,96に対して対称な構成とされている。そのため、浴槽連結装置1は、往き配管401および戻り配管402が接続配管15,16のいずれと接続された場合であっても、吐出口12あるいは吐出口13から吐出される湯水の吐出圧はほぼ一定である。
上記したように、本実施形態の浴槽連結装置1は、仕切部材22の本体部40と弁収容部41とが磁石67,106間および磁石68,107間に発生する吸引力によって一体化されたものであり、特別な冶具やドライバー等の工具等を用いなくても取り外し、導入弁110,111や吐出弁125,126、流路形成領域60,61,103,105を露出させることができる。そのため、浴槽連結装置1は、必要に応じて弁収容部41を取り外し、導入弁110,111や吐出弁125,126、流路形成領域60,61,103,105のような湯垢やゴミ等が溜まりやすい部位を洗浄することができる。
また、浴槽連結装置1は、本体部40に対して弁収容部41を装着すると、図15に示すように弁収容部41側の欠落部87,87に形成された側壁面88,88が本体部40側の欠落部51,51に設けられた吐出口形成部59,64の間に嵌り込み、回転阻止構造を形成し、弁収容部41が本体部40に対して回転不能に支持された状態となる。さらに、弁収容部41と本体部40とを組み合わせると、本体部40側の流路形成壁56(凸部)の先端部分が弁収容部41側の流路形成壁86の上端部に形成された凹状の係合溝100(凹部)に嵌り込み回転阻止構造が形成される。従って、浴槽連結装置1は、フィルター部材23の着脱時にフィルター部材23を回転させても弁収容部41が本体部40に対して位置ズレを起こさない。
浴槽連結装置1は、水室L,Rを構成する流路形成領域60,61と流路形成領域103,105とが仮想平面U1,U2を介して対称な構造とされている。そのため、水室L,Rに対して湯水が流出入することによって作用する水圧は略均等であり、バランスが取れている。
さらに具体的には、例えば浴槽連結装置1が、接続配管15に熱源装置400の往き配管401が接続され、接続配管16に戻り配管402が接続されたものである場合、背面壁44側に設けられた内連通孔48から流路形成領域61,105によって構成される水室Rに湯水が流入する。これにより、背面壁44に対向する仕切壁80には背面壁44から遠ざける方向(仕切部材22の外方向)に向かう圧力が作用する。一方、流路形成領域60,103によって構成される水室L内が負圧になり、仕切壁44に設けられた弁取り付け部113側の開口83から背面壁80に設けられた外連通孔70に向かう水流が発生する。これにより仕切壁80に対して背面壁44に近づく方向(仕切部材22の内方向)への圧力が作用する。ここで、上記したように浴槽連結装置1は、水室R,Lが対称に配されているため、仕切部材203に対して湯水が出入りすることにより圧力が作用する面積(受圧面積)が水室L,Rの双方で同一である。さらに、内連通孔48および外連通孔70が、円形領域F1内に存在し、背面壁44の中心C1を中心に偏在している。そのため、上記した仕切部材22の外方向に向かう圧力と内方向に向かう圧力とが相殺される。すなわち、浴槽連結装置1は、水室R,Lの形状が同一であるため、仕切部材203に作用する圧力のバランスが取れており、浴槽5側に固定された本体部40と弁収容部41との間隔が開かない。従って、浴槽連結装置1は、本体部40と弁収容部41との間にパッキン等のシール部材を設けなくても水室R,Lを互いに水密な状態に維持でき、水室R,L間における湯水のショートサイクルが起こらない。
なお、上記実施形態の浴槽連結装置1は、水室R,Lが対称であり、仕切部材203に対して湯水が出入りすることにより圧力が作用する面積(受圧面積)が水室L,Rの双方で同一、すなわち1:1となるように設計されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、両者の比率が近似していればよい。さらに具体的には、水室R,Lの受圧面積比は、1:1以上1:1.2以下程度であることが望ましい。
浴槽連結装置1は、本体部40と弁収容部41との間にパッキン等のようなシール部材を介在させる必要がないため、その分だけ装置構成が簡略であり、製造コストが安い。さらに、上記した構成によれば、シール部材を取り付ける必要がないため、シール部材の取り付け忘れや取り付け不良に伴う仕切部材22の組み立て不良が起こらない。
また、浴槽連結装置1は、流路形成壁56(凸部)と流路形成壁86の上端の係合溝100(凹部)とが嵌合構造を形成しているため、万一水圧等の影響で何らかの拍子に本体部40と弁収容部41との間隔がごく僅かに開いても、この間隔が流路形成壁56の先端が係合溝100から抜けない程度であれば流路形成壁56,86によって区切られた水室R,Lを互いに水密な状態に維持できる。
また、本実施形態の浴槽連結装置1では、万一水圧等の影響で一時的に本体部40と弁収容部41との間隔が開いたとしても、水圧等の影響が無くなると磁石67,106間および磁石68,107間に発生する吸引力によって弁収容部41が本体部40側に吸い寄せられ、再び水密に接続された状態となる。
浴槽連結装置1において、弁収容部41は、導入弁110,111や吐出弁125,126が取り付けられたものであるため、本体部40側よりも湯垢やゴミ等が付着し、洗浄せねばならない可能性が高い。本実施形態の浴槽連結装置1では、浴槽5側に固定される本体部40側ではなく、取り外し可能な弁収容部41側に導入弁110,111や吐出弁125,126を取り付けたものである。そのため、浴槽連結装置1は、浴槽5内で身をかがめたり無理な姿勢を取ることなく導入弁110,111や吐出弁125,126の取り付け部分を洗浄することができる。
本実施形態の浴槽連結装置1は、導入弁110,111および吐出弁125,126を全て弁収容部41側に装着したものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、導入弁110,111や吐出弁125,126の一部あるいは全部を本体部40側に装着した構成としてもよい。
また、本実施形態の浴槽連結装置1は、シャーレ状に形成された本体部40の流路形成部45と、シャーレ状の弁収容部41とを組み合わせて仕切部材22の流路構成体50が形成されるものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図16に示すように本体部40あるいは弁収容部41のいずれか一方を桶状の部材とし、この桶状の部材の開口部分を他方によって閉塞する構成としてもよい。なお、かかる構成とする場合についても、洗浄作業の容易さの観点からすれば、導入弁110,111や吐出弁125,126が取り付けられる側の部材を浴槽5側に固定される他方の部材から取り外せる構成とすることが望ましい。
本実施形態の浴槽連結装置1は、磁石67,68,106,107の表面がいずれも平坦な形状を有するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図19(a),(c)に示すように磁石67や磁石106に凸部170,171を設け、図19(b),(d)に示すように磁石68や磁石107に凹部172,173を設けた構成としてもよい。かかる構成とした場合は、図19(e)に示すように凸部170,171が凹部172,173に嵌り込む。従って、磁石67,68,106,107を凹凸形状とすることにより、フィルター部材23の着脱時における本体部40に対する弁収容部41の位置ズレをより一層確実に防止できる。また、図19に示すように磁石67,68,106,107を凹凸形状とすれば、上記実施形態のように側壁面88,88と吐出口形成部59,64とによって構成されるような回り止め構造を別途設けなくてもよく、装置構成をより一層簡略化することができる。
また、浴槽連結装置1は、弁収容部41を本体部40に取り付けると、本体部40側の磁石67,68と弁収容部41側の磁石106,107とが対向する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図20(a)に示すように磁石67,68の取り付け位置を磁石106,107の取り付け位置から上下方向にずらしたり、図20(b)に示すように左右方向にずらしたり、図21(a),(b)のように仕切部材22の周方向にずらしてもよい。かかる構成とした場合、図20(c)のように磁石67,68の側面と磁石106,107の側面とが面接触するため、磁石67,68,106,107の接触面積を大きくとることができ、弁収容部41を本体部40に対してしっかりと固定することができる。また、前記したような構成とすれば、磁石67,68および磁石106,107の設置スペースを小さくしつつ、十分な固定強度を得ることができる。
さらに、図21のように磁石67,68の取り付け位置を磁石106,107の取り付け位置に対して仕切部材22の周方向にずらして配した場合は、フィルター部材23の着脱時にフィルター部材23が回転するのに伴って弁収容部41が回転するのを阻止することができる。また特に、図21(b)のように、本体部40側に固定された磁石67,68と、弁収容部41側に固定された磁石106,107とがいわゆる「はすかい」の位置関係となる、すなわち磁石67,68の設置位置を結ぶ線分Y1と磁石106,107を結ぶ線分Y2とが交差し、磁石67,68の側面と磁石106,107の側面とが面接触する構成とした場合は、フィルター部材23の回転方向によらずフィルター部材23の脱着に伴う弁収容部41の位置ズレを防止することができる。
また、上記した浴槽連結装置1は、磁石67,68を露出側の面の磁極が逆となるように本体部40側に固定し、磁石106,107を露出側の面の磁極がそれぞれ磁石67,68に吸着可能となるように弁収容部41側に固定した構造としてもよい。さらに具体的には、例えば磁石67,68をそれぞれN極、S極が露出するように固定し、磁石106,107をそれぞれS極、N極が露出するように固定してもよい。かかる構成とすれば、例えば仕切部材22の組み立て時に本体部40に対して弁収容部41を上下逆に近づけると磁石67,107間および磁石68,106間に反発力が発生し、仕切部材22が誤った状態で組み立てられるのを防止できると共に、弁収容部41の向きが誤っていることを直感的に勘づかせることができる。
上記したように浴槽連結装置1は、磁石67,68および磁石107,108の間に発生する吸着力を利用して本体部40と弁収容部41とを組み立てるものであるため、組み立て時に作業者に節度感を与え、仕切部材22がしっかりと組み立てられたことを認識させることができる。
上記したように、本実施形態の浴槽連結装置1は、フィルター部材23を構成する外嵌合部材20および内嵌合部材21が磁力に対する吸着力をほとんど示さない材質で作製されている。そのため、フィルター部材23に対して弁収容部41に固定されている磁石106,107がフィルター部材23に対して吸着せず、フィルター部材23を回転させても弁収容部41は共回りしない。
上記実施形態の浴槽連結装置1は、本体部40側に磁石67,68を設けると共に、弁収容部41側に磁石106,107を設け、磁石67,106の組み合わせおよび磁石68,107の組み合わせによって発生する吸着力を利用して本体部40に対して弁収容部41を固定するものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、磁石67,106の組み合わせおよび磁石68,107の組み合わせを構成する磁石のうちいずれか一方の磁石を鉄等の磁石に対して吸着力を示すものとしてもよい。かかる構成によれば、磁石の使用量を最低限に抑制することができ、浴槽連結装置1の製造コストをより一層低減することができる。また、弁収容部41側の磁石106,107を金属板等の磁力を持たないが磁力に対して吸着力を示すものに代えた構成とすると、フィルター部材23の取り外し等に際して弁収容部41がフィルター部材23に吸着したり、フィルター部材23と共回りする等の不具合をより一層確実に防止できる。
浴槽連結装置1は、磁石67,68,106,107がいずれもそのままの状態で露出した形態で背面壁44や仕切壁80に固定されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図22(a),(b)に示すように、樹脂等のように透磁性を有する素材により、磁石67,106や磁石68,107が嵌り込む凹部177,178を有するカバー部材175,176を作製し、このカバー部材175,176を磁石67,68,106,107に被せた構成としてもよい。かかる構成によれば、水道水等に含まれている鉄粉等が磁石67,68,106,107の磁力により引き寄せられても、鉄粉等は磁石67,68,106,107には直接付着せず、カバー部材175,176の表面に付着したとしてもカバー部材175,176を取り外せば容易に除去することができる。
浴槽連結装置1は、水室R,Lを構成する流路形成壁56,86に屈曲部分が少ない。そのため、浴槽連結装置1は、本体部40から弁収容部41を取り外すことにより容易に水室R,L内を清掃することができる。
また、浴槽連結装置1は、水室R,L内に屈曲部分が殆ど存在しないため、往き配管401を介して水室Rあるいは水室Lに流入した湯水は、吐出圧を殆ど緩めることなく吐出口12あるいは吐出口13から吐出される。また、吸い込み口7および導入部81を介して水室Rあるいは水室Lに流入した浴槽5内の湯水についても、水室R,L内を勢いよく流れ、戻り配管402に吸い込まれていく。そのため、浴槽連結装置1の水室R,L内には湯垢やゴミ類等が殆ど残存しにくく、仕切部材22の分解清掃の頻度が少なくて済む。
上記した浴槽連結装置1は、吐出口12,13が周方向に離れた位置に設けられた構成を有するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば水室R,Lの独立性を維持しつつ、吐出部140,141を一体化して一つの空間としたり、フィルター部材23の吐出開口154,159を一体化した構成としてもよい。かかる構成とした場合であっても、水室R,Lおよび流路A,Bの独立性は実質的に維持されると共に、吐出口12,13が外見上一つとなり、湯水を浴槽5の下方に向けて吐出することができる。
上記実施形態および実施例において、仕切部材22に装着されるフィルター部材23は、椀状の外装部材145に対して湯水を吸い込むための孔148を多数設けると共に、マスク部147を設けた構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば従来公知の浴槽連結装置に採用されているフィルター部材のように外装部材に対していくつかの開口を設けると共に網状のフィルターを装着したもの等を採用してもよい。
(第2実施形態)
上記した浴槽連結装置1は、本体部40に対して弁収容部41を被せて一体化した状態で使用される仕切部材22を採用したものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図34に示す浴槽連結装置200のように、仕切部材22に代えて浴槽5に対して固定される本体部201(背面側構成体)の正面側から弁収容部202(正面側構成体)を嵌め込んで一体化する構造の仕切部材203を採用したものであってもよい。以下、浴槽連結装置200およびこれに採用される仕切部材203の構造について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において上記実施例の浴槽連結装置1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。また、以下の説明において上下左右や表裏の位置関係は、特に断りのない限り本実施形態の浴槽連結装置200を浴槽連結装置1と同様の姿勢で浴槽5に取り付け、浴槽5の内側から観察した際の姿勢を基準とする。なお、図38(b)や図39(b)については、それぞれ裏面側から観察した図面であるため、他の図面に対して左右の位置関係が逆転している。
上記した浴槽連結装置1は、本体部40に対して弁収容部41を被せて一体化した状態で使用される仕切部材22を採用したものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図34に示す浴槽連結装置200のように、仕切部材22に代えて浴槽5に対して固定される本体部201(背面側構成体)の正面側から弁収容部202(正面側構成体)を嵌め込んで一体化する構造の仕切部材203を採用したものであってもよい。以下、浴槽連結装置200およびこれに採用される仕切部材203の構造について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において上記実施例の浴槽連結装置1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。また、以下の説明において上下左右や表裏の位置関係は、特に断りのない限り本実施形態の浴槽連結装置200を浴槽連結装置1と同様の姿勢で浴槽5に取り付け、浴槽5の内側から観察した際の姿勢を基準とする。なお、図38(b)や図39(b)については、それぞれ裏面側から観察した図面であるため、他の図面に対して左右の位置関係が逆転している。
浴槽連結装置200は、上記実施形態の浴槽連結装置1と同様に外嵌合部材20、内嵌合部材21と、仕切部材203およびフィルター部材205によって構成されている。浴槽連結装置200において採用されている仕切部材203は、上記実施形態において採用されていた仕切部材21と同様に、浴槽5側に固定される本体部201と弁収容部202とに大別される。また、仕切部材203は、筒状の管状部210と円盤状の流路構成部207とに大別することもできる。
本体部201は、樹脂成型によって作製されたものであり、図35〜図37に示すように管状部210と流路形成部211とが一体的に成形されたものである。管状部210は、流路形成部211の背面壁212(背面側仕切壁)の中央部から裏面側に突出した筒体である。管状部210は、外径が外嵌合部材20の内側に立設された接続管31の内径と略同一である。管状部210の先端側に設けられた段部213にはOリング215が嵌め込まれている。管状部210は、流路形成部211の背面壁212の略中央部に設けられた内連通孔233(接続側開口)に連通している。
流路形成部211は、背面壁212の表面側に突出した周壁部217によって囲まれた領域を流路形成壁218によって4つの領域に分割した構成とされている。背面壁212は、略扇形の形状を有するものであり、平面視が円弧状の部位と直線状の部位とを有する。換言すれば、周壁部217は、欠落部220,220において不連続となっており、内側に向けて略「コ」字形に折れ曲がっている。そして、背面壁212は、平面視が円板状の板体のうち、欠落部220,220に相当する位置を略「コ」字形に切り欠いた形状とされている。
欠落部220は、上記した欠落部51と同様に流路形成部211の背面壁211のうち仕切部材203の内側に向く面上に広がる仮想平面を想定した場合に、この仮想平面と弁収容部202に取り付けられた吐出弁125,126の可動部128が動作することにより形成される軌跡との交差部分が欠落した部位であり、可動部128の動作を阻害しないように設けられた部位である。
欠落部220,220は、図36のように共に背面壁212の中心を通る線分Y1よりも下方に偏在している。平面視で欠落部220,220の中心と背面壁212の中心を通る線分Y2,Y3のなす角度θ3は、180度よりも小さい。さらに具体的には、本実施形態においてθ3は、約110度とされている。
周壁部217は、背面壁212に対して略垂直に立設された壁面であり、平面視が背面壁212の外形に沿う形状に屈曲している。すなわち、周壁部217は、背面壁212に沿って円弧状に湾曲した円弧部217aと、欠落部220に沿って流路形成部211の中央側に向けて略「コ」字型に屈曲した吐出口形成部217bとを有する。
周壁部217の外周面には、フィルター装着溝219が3つ設けられている。フィルター装着溝219は、仕切部材203に対してフィルター部材205を装着する際に使用されるものであり、上記実施形態の浴槽連結装置1のフィルター装着溝92と略同一の形状とされている。さらに具体的には、フィルター装着溝219は、図36(b)に示すように本体部201の開口端側から背面壁212側に向かって延伸する差込溝219aと、本体部201の周方向に向かって延伸する周溝219bとが連続した略「L」字形の溝である。周溝219bは、本体部201を正面側(開口端側)から観察した際に差込溝219aに対して時計回り方向(右回り方向)に延伸する溝である。周溝219bは、差込溝219a側に本体部201の開口端側から背面壁212側に向かって傾斜した傾斜部219cを有する。そのため、後述するフィルター部材205の内側に突出した突起298を差込溝219aから差し込んだ後、周溝219bに沿って回転させると、フィルター部材205が傾斜部219cに沿って背面壁212側に案内される。
吐出口形成部217bは、吐出弁125,126の弁座として機能する部位である。吐出口形成部217bには3つの小開口216aから構成される開口216(浴槽側開口)が形成されている。開口216は、桟216bによって3つの小開口216aに分割されている。桟216bは、開口216を補強すると共に、吐出弁125,126の可動部128が開口216の内側に入り込むのを防止する機能を有する。
流路形成壁218は、周壁部217によって囲まれた領域を上方領域221、下方領域222および左右の流路形成領域223,225に分割するものである。流路形成壁218は、横断部226、縦断部227および屈曲部228に大別される。横断部226は、吐出口形成部217b,217bが共に下方に向く姿勢とした際に、左右に延伸して上方領域221と流路形成領域223,225とを区切る壁面である。横断部226の両端部分は、周壁部217の吐出口形成部217b側に向けて屈曲しており、吐出口形成部217bと一体化されている。また、縦断部227は、横断部226の中央部に連続し、縦断部227に対して略垂直下方に向けて延伸する壁面である。縦断部227は、平面視で左右に存在する流路形成領域223,225を区切る壁面である。屈曲部228は、縦断部227の末端部分および吐出口形成部217bに連続し、流路形成領域223,225と下方領域222とを区切る壁面である。
上方領域221は、周壁部217の円弧部217aと横断部226とに囲まれた領域であり、二つの貫通穴230と磁石231とが設けられている。また、上方領域221内であって、周壁部217に沿う位置には仕切壁支持片224が二つ設けられている。仕切壁支持片224は、周壁部217の高さよりも仕切壁240(正面側仕切壁)の厚み分だけ低い壁状の部位である。仕切壁支持片224は、本体部201に対して弁収容部202を嵌め込んだ際に仕切壁240の裏面側に当接して支持するものである。
下方領域222は、周壁部217の円弧部217aと屈曲部228によって囲まれた領域であり、貫通穴230と磁石232が設けられている。磁石231,232は、それぞれ背面壁212に対して固定されている。
流路形成領域223,225は、本体部201に対して弁収容部202を嵌め込んだ際に水室R,L(流路)を形成する部位である。流路形成領域223,225は、流路形成壁218および周壁部217の吐出口形成部217bによって囲まれた領域である。
流路形成領域223,225は、それぞれ流路形成壁218の縦断部227を境界として対称の関係にある。すなわち、流路形成領域223,225は、断面形状(開口形状)が背面壁212の中心を通る仮想平面V1を介して対称であり、断面積(開口面積)の比がほぼ1対1となっている。
流路形成領域223,225の略中央部には、突起236,237が設けられている。突起236,237は、弁収容部202の導入弁取り付け部267,268の略中央部に相当する位置に設けられており、導入弁取り付け部267,268に取り付けられた導入弁110,111を支持するものである。
流路形成領域225内であって背面壁212の略中央には、三日月状の内連通孔233が設けられている。また、流路形成領域225内であって背面壁212の中央寄りの位置には開口形状が湾曲した外連通孔235(接続側開口)が設けられている。内連通孔233および外連通孔235は、共に背面壁212の中心近傍に形成されている。さらに具体的には、図36に示すように、内連通孔233および外連通孔235は、それぞれ背面壁212の中心から、半径tの円形領域F2内に存在している。半径tは、背面壁212の外接円の半径Tの約1/2〜1/4の範囲内にある。本実施形態では、半径tは、半径Tの1/3程度とされている。また、図37に示すように、内連通孔233は、背面壁212の裏面側に突出した管状部210に連通している。また、外連通孔235は、背面壁212の裏面側であって、管状部210の外部側の領域に連通している。
弁収容部202は、図34に示すように本体部201の正面側に形成された周壁部217によって囲まれた領域の開口部分を閉塞するように取り付けられるものであり、流路構成部207を形成するものである。弁収容部202は、図38や図39に示すように仕切壁240と、仕切壁240の裏面側に向けて突出した流路形成外壁241および流路形成内壁242,243を有する。
仕切壁240は、図38(a)や図39(a)に示すように表面側から観察すると閉塞部246と張出部247とに大別される。閉塞部246は、円板状であり、2つの導入部249,249を有する。導入部249は、扇形で仕切壁240の表裏を連通する開口271(浴槽側開口)を周方向に6つ並べて構成される開口部である。
仕切壁240の正面側には、突起275が設けられている。突起275は、閉塞部246の略中央部から突出している。換言すれば、突起275は、導入部249,249の中間位置に存在している。また、張出部247およびこれに隣接する部位は、吐出弁125,126を取り付けるための吐出弁取り付け部245,245として機能する部位である。閉塞部246と張出部247との境界部分には、吐出弁125,126の軸部130を挿通するための軸挿通孔248が2つずつ形成されている。
閉塞部246の外接円の半径r1は、周壁部217の内接円の半径R1と同一(r1=R1)である。そのため、本体部201に弁収容部202を装着すると、閉塞部246が本体部201の周壁部217によって囲まれた開口領域全体を閉塞する。
張出部247は、閉塞部246の外周から閉塞部246の径方向外側に張り出した部位である。張出部247は、図40に示すように本体部201と弁収容部202とを組み合わせた時に本体部201の欠落部220に相当する位置に設けられている。さらに具体的には、張出部247,247は、図39のように共に閉塞部246の中心を通る線分Y4よりも下方に偏在している。また、張出部247,247は、閉塞部246の中心を通り線分Y4に垂直な線分Y5に対して対称な位置関係にある。張出部247の外接円の半径r2は、本体部201の周壁部217の外接円の半径R2と同一(r2=R2)とされている。そのため、図40のように本体部201と弁収容部202とを一体化すると、張出部247の外縁部分が弁収容部202の周壁部217と面一となる。
図38(b)や図39(b)に示すように、流路形成外壁241および流路形成内壁242,243は、仕切壁240の裏面側に向けて突出している。流路形成外壁241は、外横断部250と外屈曲部251とに大別される。外横断部250は、弁収容部202側の流路形成壁218の横断部226の外側に沿う形状とされている。外横断部250は、上記した線分Y4に対して平行に伸び、両端部が張出部247,247の側部247a,247aに沿う形状に屈曲している。また、外屈曲部251は、本体部201と弁収容部202とを一体化した際に弁収容部202側の流路形成壁218の屈曲部228の外側に沿う形状に屈曲している。外屈曲部251の両端部は、張出部247の側部247b,247bに沿う形状に屈曲している。
流路形成内壁242,243は、それぞれ内横断部252、内屈曲部253、内縦断部255および弁対向部256が連続して形成された壁面であり、上記した線分Y5に対して対称に形成されている。内横断部252および内屈曲部253は、それぞれ流路形成外壁241の外横断部250および外屈曲部251に対して間隔dを開けて平行に形成された壁面である。ここで、間隔dは、本体部201の流路形成壁218の厚みと略同一とされている。
内縦断部255は、線分Y5に対して平行であり、内横断部252の端部と内屈曲部253の端部とを繋ぐ壁面である。流路形成内壁242,243の内縦断部255,255同士の間隔は、間隔dとされている。弁対向部256は、張出部247に臨む位置に存在し、内横断部252および内屈曲部253の端部を直線的に繋ぐ壁面であり、内横断部252や内屈曲部253、内縦断部255よりも一段低く形成されている。
流路形成外壁241および流路形成内壁242,243の間には、図39(b)にハッチングで示すように嵌合溝258が形成されている。嵌合溝258は、本体部201と弁収容部202とを組み合わせて一体化する際に本体部201の流路形成壁218が嵌り込む溝である。嵌合溝258は、横断溝260、縦断溝261、屈曲溝262および弁対向溝263が連続した溝である。横断溝260は、流路形成外壁241の外横断部250の内側(内横断部252側)に隣接する位置に形成された溝である。また、縦断溝261は、流路形成内壁242,243の内縦断部255,255間に形成され、横断溝260に対して垂直に伸びる溝である。屈曲溝262は、外屈曲部251に対して内屈曲部253側に隣接する位置に形成された溝であり、弁対向溝263は、弁対向部256の外側(張出部247側)に隣接した位置に形成された溝である。横断溝260、縦断溝261および屈曲溝262は、本体部201と弁収容部202とを組み合わせた際に弁収容部202の流路形成壁218が嵌る部位である。また、弁対向溝263は、本体部201と弁収容部202とを組み合わせた際に吐出口形成部217bが嵌り込む溝である。
流路形成内壁242,243によって囲まれた流路形成領域265,266は、本体部201の流路形成領域223,225と組み合わさって水室R,Lを形成するものである。流路形成領域265,266は、縦断溝261を介して対称に形成されている。すなわち、流路形成領域223,225は、断面形状(開口形状)が仕切壁240の中心を通る仮想平面V2を介して対称であり、断面積(開口面積)の比がほぼ1対1となっている。
仕切壁240の流路形成領域265,266の中央に相当する位置には導入弁取り付け部267,268が形成されている。導入弁取り付け部267,268は、上記した導入弁取り付け部112,113と同様に傘型の導入弁110,111の軸部116を挿入するための軸挿通孔270と、この周囲に配された6つの開口271とから構成されている。導入弁取り付け部112,113には、導入弁110,111が取り付けられている。
流路形成外壁241の外横断部250よりも外周側(図38(b),図39(b)において上方側)の領域および外屈曲部251よりも外周側(図38(b),図39(b)において下方側)の領域には、それぞれ磁石272,273が固定されている。磁石272,273は、本体部201と弁収容部202とを組み合わせた際に本体部201側の磁石231,232に吸着可能な位置に配されている。
フィルター部材205は、図41に示すように一方が有底で他方が開放された椀状の外装部材280の内側にリング状の内装部材281を装着したものである。フィルター部材205は、正面側(有底側)に主として湯水を吸い込む吸い込み口303として使用される多数の孔285を有し、周部に上記した仕切部材203の吐出部296,297と連通して湯水を吐出口300,301を形成する開口形成部277,278を有する。
外装部材280は、ステンレススチール等の金属製であり、図41や図42のように正面282の中央に設けられた押圧部283の周囲に多数の孔285が形成されたものである。押圧部283は、仕切部材203にフィルター部材205を装着した際に、仕切壁240の表面から突出した突起275に当接する位置に設けられている。
外装部材280の外周面286には、2つの切り欠き部287,288と係止孔289が設けられている。切り欠き部287,288は、それぞれ外装部材280の開口端側から有底側(正面282側)に向けて平面視が略「コ」字形となるように切り欠いた部分であり、浴槽連結装置200の吐出口300,301の一部を構成するものである。係止孔289は、後述する内装部材281の係止爪292が嵌め込まれる孔である。
内装部材281は、樹脂製であり、図41に示すように外装部材280の内側に嵌め込まれるものである。内装部材281は、図43に示すようにリング状の部材であり、切り欠き部290,291と、外側に向けて突出した係止爪292と、内側に突出した3つの突起298とを有する。切り欠き部290,291は、外装部材280に対して装着した際に外装部材280の開口端側を向く側の端部(以下、必要に応じて外端部299と称す)から他端側に向けて平面視が略「コ」字形となるように切り欠いた部位であり、外装部材280の切り欠き部287,288に相当する位置に設けられている。切り欠き部290,291の外縁部および外端部299には、内装部材281の径方向外側に突出したリブ293〜295が形成されている。
リブ293〜295は、図44に示すように外装部材280の内側に内装部材281を装着した際に外装部材280の切り欠き部287,288や開口端の縁面に突き当たり、先端部分が外装部材280の外周面286よりも外側に突出する。そのため、フィルター部材205は、着脱のためにつかんでも切り欠き部287,288や外端部299のような端部に直接指等が触れない構造となっている。
続いて、浴槽連結装置200の組み立て構造について説明する。浴槽連結装置200は、図33に示すように上記した浴槽連結装置1と同様の組み立て構造を有するものであり、浴槽5の壁面に固定された外嵌合部材20および内嵌合部材21に対して仕切部材203およびフィルター部材205を取り付けて浴槽5に対して取り付けられる。
仕切部材203の本体部201は、管状部210を浴槽5に固定された内嵌合部材21の貫通孔37に差し込み、背面壁212を内嵌合部材21のフランジ部35に面接触させた状態で内嵌合部材21に対してネジ止めされ、管状部210と接続管31とが接続される。これにより、管状部210に繋がる流路形成領域223が内連通孔233を介して接続管31および接続配管15に連通し、管状部210の外部空間に繋がる流路形成領域225が外連通孔235を介して接続配管16に連通する。
仕切部材203の弁収容部202は、裏面側に設けられた嵌合溝258や張出部247の位置と、本体部201に設けられた流路形成壁218や欠落部220との位置合わせをした状態で本体部201の正面側から嵌め込まれる。これにより、図45に示すように弁収容部202の流路形成外壁241と流路形成内壁242,243との間隙に本体部201の流路形成壁218が嵌り込み、入れ子構造が形成される。また、本体部201に対して弁収容部202を嵌め込むと、弁収容部202の嵌合溝258に流路形成壁218や吐出口形成部217bの先端部分が嵌り込む。
本体部201と弁収容部202とを組み合わせると、図40に示すように仕切壁240の閉塞部246が本体部201の開口領域を塞いで本体部201の開口端と面一となり、膨出部247が欠落部220に覆い被さった状態となる。これにより、欠落部220と膨出部247によって囲まれた吐出部296,297が形成される。また、図33等に示すように、吐出部296,297の内側には、弁収容部202の吐出弁取り付け部245,245に固定された吐出弁125,126が収容される。吐出弁125,126は、可動部128が吐出口形成部217bの外側から面接触し、開口216を閉塞している。
弁収容部202は、仕切部材203の上方領域221、下方領域222に固定されている磁石231,232と弁収容部202の裏面側に固定されている磁石272,273との間に発生する吸着力によりしっかりと固定される。
上記したようにして組み立てられた仕切部材203には、仕切壁240側からフィルター部材205が装着される。フィルター部材205は、内装部材281に設けられた3つの突起298を本体部201のフィルター装着溝219の差込溝219aに沿って背面壁212側に差し込んだ後、周溝219bに沿って回転させることにより仕切部材203に対して装着される。フィルター部材205を周溝219bに沿って回転させると、傾斜部219cに沿って突起298が背面壁212側に案内され、正面282が仕切壁240に近づく。これにより、正面282の中央にある押圧部283によって仕切壁240の突起275が背面壁212側に押しつけられ、本体部201と弁収容部202がより一層密着する。
フィルター部材205を装着すると切り欠き部287,288,290,291と、仕切部材203の吐出部296,297とが連通し、吐出口300,301が形成される。また、フィルター部材205の内側と仕切部材203の仕切壁240との間には、浴槽5内の湯水が流入する吸い込み室302が形成される。
上記した浴槽連結装置200において、仕切部材203を構成する弁収容部202は、磁石231,232,272,273間に発生する吸着力によって本体部201側に吸着固定されている。さらに、浴槽連結装置200は、仕切部材203に対してフィルター部材205を装着することにより押圧部283が仕切壁240に設けられた突起275を押圧する。すなわち、浴槽連結装置200において、弁収容部202は、磁石231,232,272,273による吸着力と、フィルター部材205と仕切部材203の本体部201との間に発生する挟持力(押圧力)とによって本体部201に対して一体化されている。そのため、浴槽連結装置200は、ネジや特別な冶具や工具等を用いることなく本体部201と弁収容部202とを一体化することができると共に、仕切部材203に流出入する湯水の水圧等の影響を受ける状況下で使用されても本体部201と弁収容部202との間に隙間が発生するのを確実に防止できる。
さらに、浴槽連結装置200は、フィルター部材205を取り外し、本体部201に嵌め込まれた弁収容部202を引き抜くだけで仕切部材203を分解できる。また、浴槽連結装置200は、図40に示すように本体部201に弁収容部202を嵌め込むと弁収容部202の張出部247,247が本体部201の欠落部220に被さることにより吐出部296,297が形成されている。そのため、浴槽連結装置200は、弁収容部202が本体部201の内側にぴったりと嵌り込んでいるにもかかわらず、吐出部296,297の開口領域に指を入れて仕切壁240の裏側に指をあてがって手前に引っ張ることで容易に弁収容部202を取り外すことができる。
上記したように、浴槽連結装置200は、容易に仕切部材203を本体部201と弁収容部202とに分解することができる。そのため、浴槽連結装置200は、仕切部材203の内部を容易に掃除できる。
また、浴槽連結装置200は、仕切壁240の閉塞部246が本体部201に設けられた周壁部217によって囲まれた開口領域内に嵌り、開口領域全体を閉塞するため、仕切部材203が薄い。
浴槽連結装置200は、弁収容部202の流路形成外壁241と流路形成内壁242,243との間隙に本体部201の流路形成壁218が嵌り込んで入れ子構造が形成されると共に、嵌合溝258に流路形成壁218や吐出口形成部217bの先端部分が嵌り込む。また、流路形成外壁241や流路形成内壁242,243、嵌合溝258、吐出口形成部217bは、いずれも仕切部材203の径方向あるいは径方向に沿う方向に延伸している。そのため、仕切部材203は、フィルター部材205を着脱するなどして回転力が作用しても弁収容部202が本体部201に対して相対回転や位置ズレを起こさない。
浴槽連結装置200は、図45に示すように本体部201と弁収容部202とが入れ子構造を形成しているため、例え水室R,Lに作用する水圧が不均等となっても本体部201に対して弁収容部202が傾いたり浮き上がったりしない。
上記したように、浴槽連結装置200では、本体部201側の流路形成壁218が弁収容部202側の流路形成外壁241と流路形成内壁242との間隙に嵌り込んで入れ子構造を形成するものであり、流路形成壁218および流路形成外壁241と流路形成内壁242の高さはそれぞれ仕切部材203の背面壁212と仕切壁240の間隙に近い。そのため、浴槽連結装置200では、万一水圧等の影響で本体部201と弁収容部202との間隔が多少大きく開いても、上記した入れ子構造は解除されない。すなわち、本体部201と弁収容部202との間に形成される入れ子構造は、流路形成壁218や流路形成外壁241と流路形成内壁242の高さに匹敵する程度まで本体部201と弁収容部202との間隔が開かない限り解除されない。そのため、浴槽連結装置200は、万一水圧等の影響で本体部201と弁収容部202との間隔が開いても水室R,L間の水密状態が確実に維持される。
上記実施形態では、流路形成壁218や流路形成外壁241と流路形成内壁242の高さはそれぞれ仕切部材203の背面壁212と仕切壁240の間隙に匹敵する程度であったが、本発明はこれに限定されるものではなくこれらよりも低いものであってもよい。
また、本実施形態の浴槽連結装置1では、万一水圧等の影響で一時的に本体部201と弁収容部202との間隔が開いたとしても、水圧等の影響が無くなると磁石231,272間および磁石232,273間に発生する吸引力によって弁収容部202が本体部201側に吸い寄せられ、再び水密に接続された状態となる。
さらに、浴槽連結装置200は、水室R,Lを構成する流路形成領域223,265と流路形成領域225,266とが流路形成壁218の縦断部227や嵌合溝258の縦断溝261に対して対称な構造とされている。そのため、水室R,Lに対して湯水が流出入することによって作用する圧力は略均等であり、バランスが取れている。
さらに具体的には、例えば浴槽連結装置200が、接続配管15に熱源装置400の往き配管401が接続され、接続配管16に戻り配管402が接続されたものである場合、背面壁212側に設けられた内連通孔233から流路形成領域225,266によって構成される水室Rに湯水が流入し、仕切壁240に対して背面壁212から遠ざける方向(仕切部材203の外方向)に圧力が作用する。一方、流路形成領域223,265によって構成される水室L内が負圧になり、仕切壁240に設けられた弁取り付け部267側の開口271から背面壁212に設けられた外連通孔235に向かう水流が発生する。これにより仕切壁240に対して背面壁212に近づく方向(仕切部材203の内方向)への圧力が作用する。ここで、上記したように浴槽連結装置200は、水室R,Lが対称に配されているため、仕切部材203に対して湯水が出入りすることにより圧力が作用する面積(受圧面積)が水室R,Lの双方で同一である。そのため、上記した仕切部材203の外方向に向かう圧力と内方向に向かう圧力とが相殺され、浴槽5側に固定された本体部201と弁収容部202との間隔は開かない。従って、浴槽連結装置200は、本体部201と弁収容部202との間にパッキン等のシール部材を設けなくても水室R,Lを互いに水密な状態に維持でき、水室R,L間における湯水のショートサイクルが起こらない。
浴槽連結装置200は、水室R,Lが対象であり、仕切240に対して湯水が出入りすることにより圧力が作用する面積(受圧面積)が水室R,Lの双方で同一、すなわち1:1となるように設計されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、両者の比率が近似していればよい。さらに具体的には、水室R,Lの受圧面積比は、1:1以上1:1.2以下程度であることが望ましい。水室R,Lにおける受圧面積比をかかる範囲内とすることにより、本体部201と弁収容部202とを組み合わせて構成される水室R,Lを互いに水密な状態に維持でき、水室R,L間における湯水のショートサイクルが起こらない浴槽連結装置200を提供できる。
浴槽連結装置200は、磁石231,232,272,273の組み合わせにより発生する吸着力と、フィルター部材205の押圧部283と仕切壁240の突起275との組み合わせによって発生する押圧力とを利用して仕切部材203を一体化したものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば磁石231,232,272,273を設けず、前記した押圧力だけで仕切部材203を一体化する構成としたり、押圧部283や突起275を設けず、前記した吸着力だけで仕切部材203を一体化する構成としてもよい。かかる構成によれば、浴槽連結装置200の装置構成をより一層簡略化できる。
上記したように磁石231,232,272,273を設けない構成とした場合、仕切部材203は、フィルター部材205を取り外すことによって本体部201に対して弁収容部202を固定する固定力が解除された状態となる。そのため、磁石231,232,272,273を設けない場合は、例えばフィルター部材205を取り外す際にフィルター部材205と弁収容部202との間に残存している水分の影響等でフィルター部材205の内側に弁収容部202がくっついた状態で外れるおそれがある。また、磁石231,232,272,273を用いて固定する場合であっても、掃除等のために仕切部材203を分解して弁収容部202を取り外した際に、フィルター部材205の内側に弁収容部202を一時的に収容しておくといった事態が想定される。
ここで、仮に弁収容部202の仕切壁240の大きさがフィルター部材205の開口面積と略同一である場合は、指等を突っ込んでフィルター部材205から弁収容部202を取り出す作業は困難な作業であると想定される。しかし、浴槽連結装置200において弁収容部202は、本体部201の内側に嵌り込むものであるため、仕切壁240がフィルター部材205の開口面積よりも小さい。従って、浴槽連結装置200は、例え何らかの理由で弁収容部202がフィルター部材205の内側に嵌った状態となっても指で摘むなどして容易に取り出すことができる。
上記した浴槽連結装置1,200は、施工冶具180を用いて内嵌合部材21を外嵌合部材20に対してねじ込むことが可能な構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、内嵌合部材21を従来公知の浴槽連結装置と同様の手法により取り付ける構成としてもよい。この場合、施工冶具180を装着する必要がないため、内嵌合部材21の筒状部36の内部に内フランジ部39aや冶具係合部39bを設ける必要がない。
また、上記各実施形態において採用されている施工冶具180は、内嵌合部材21の筒状部36に差し込んで使用するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図46に示す施工冶具320のように係合部183を設けず、フランジ182を内嵌合部材21のフランジ部35に面接触させた際にねじ穴38に嵌り込む突起状の係合部321を設けた構成としてもよい。
上記した浴槽連結装置1,200は、漏水検査冶具190を装着することにより施工状態の検査を行える構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、従来公知の浴槽連結装置において採用されているような手法で漏水検査を行うものであってもよい。この場合、漏水検査冶具190を装着する必要がないため、内嵌合部材21の筒状部36の内部に雌ねじ39cを設ける必要がなく、構成を簡略化できる。
上記した浴槽連結装置1,200において、漏水検査を行う際に内嵌合部材21に対して漏水検査冶具190を強く締め付け過ぎると、検査後に漏水検査冶具190を取り外す際に内嵌合部材21が共回りしてしまい、外嵌合部材20に対する内嵌合部材21の締結力が低下し、場合によっては浴槽5の壁面と外嵌合部材20や内嵌合部材21との間に隙間ができてしまうおそれがある。そのため、漏水検査冶具190は、内嵌合部材21に対してあまり強く締め付け過ぎないことが望ましい。かかる問題に鑑み、上記した漏水検査冶具190は、装着部192に対してシール部材192bを設けている。そのため、漏水検査冶具190は、内嵌合部材21に対して強く締め付けなくても漏水検査に必要な気密性や水密性を確保できる。
ここで、上記実施形態では、漏水検査冶具190は、摘み部193が角柱状であるため、検査を行う人によっては摘み部193を工具等でつかみ内嵌合部材21に対して強く締め付けてしまうおそれがある。このように漏水検査冶具190が強く締め付けられると、漏水検査後に漏水検査冶具190を取り外す際に内嵌合部材21が漏水検査冶具190と共回りし、外嵌合部材20と内嵌合部材21との締結状態が緩んでしまうおそれがある。そこで、かかる事態が想定される場合は、図47(a)に示す漏水検査冶具325のように摘み部193を円筒形とするなどして工具でつかんだり、工具を係合させることが困難な構成とすることが望ましい。
漏水検査冶具190、325は、内嵌合部材21の筒状部36に装着部192をねじ込んで使用するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図47(b)に示す漏水検査冶具330のように装着部192を設けず、フランジ191にネジ挿通孔331を設けた構成としてもよい。かかる構成によれば、内嵌合部材21のフランジ部35に面接触させ、ネジ挿通孔331から挿通されたネジをねじ穴38にねじ込むことにより内嵌合部材21の貫通孔37を閉塞し、漏水検査を行うことができる。なお、漏水検査冶具330のような構成を採用する場合は、フランジ部35とフランジ部191とが気密あるいは液密になるようにパッキン等を介在させるなどの方策を施すことが望ましい。
浴槽連結装置1,200では、導入弁取り付け部112,113や導入弁取り付け部267,268が流路形成領域103,105や流路形成領域265,266を構成する仕切壁80,240と面一であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、図49(a)に示すように導入弁取り付け部112,113に座繰り部305を設け、この内部に導入弁110,111の一部または全部が納まる構造としてもよい。また同様に、浴槽連結装置1,200は、図49(b)に示すように仕切壁80,240のうち吐出弁125,126が取り付けられる部位に座繰り部306を設けたり薄肉化した構造としてもよい。かかる構成によれば、導入弁110,111や吐出弁125,126の作動領域をより一層仕切壁80,240側に寄せることにより仕切壁80,240と背面壁44,212との間隔を詰め、浴槽連結装置1,200を薄型化できる。
浴槽連結装置1,200は、本体部40,201の背面壁44,212に欠落部87,220を設け、この縁端部に吐出弁110,111の先端部分が当たる構成とされている。そのため、上記した構成によれば、背面壁44,212の厚み分だけ仕切壁80,240と背面壁44,212との間隔を詰めることができ、浴槽連結装置1,200を薄型化できる。
上記したように、浴槽連結装置1,200は、背面壁44,212に欠落部87,220を設けることにより仕切部材22,203を薄型化したものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図48に示すように内嵌合部材21のフランジ部35に欠落部87,220と同様の形状の凹部335,336を設けた構成としてもよい。かかる構成によれば、浴槽連結装置1,200をより一層薄型化することができる。
また、浴槽連結装置1,200は、仕切部材22,203の外周部近傍、すなわち接続配管15,16から吐出口12,13や吐出口300,301に繋がる一連の流路の末端部分に吐出弁125,126を設けた構成であるため、外周部に欠落部87,220を設けた構成とされている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば吐出弁125,126を前記した一連の流路の中途、すなわち吐出部140,141や吐出部296,297よりも仕切部材22,203の中心寄りの位置に吐出弁125,126を設けた構成としてもよい。この場合は、例えば欠落部87,220を設ける代わりに吐出弁125,126の可動領域に相当する部位を座繰り形状としたり穴を設けたりしてもよい。すなわち、仕切部材22,203は、吐出弁125,126の可動部128が動作することによって描かれる軌跡と交差する部分に切り欠きや凹部を設けた構成としてもよい。かかる構成によれば、吐出弁125,126の取り付け位置にかかわらず浴槽連結装置1,200を薄型化することができる。
上記実施形態の浴槽連結装置1では、内連通孔48や外連通孔70の開口領域の一部である領域Q1,Q2や領域S1,S2が、仕切壁80に取り付けられた導入弁110,111の可動領域を背面壁44側に投影して形成される領域P1,P2や領域R1,R2から外れた位置にある。また、浴槽連結装置200についても、内連通孔233、外連通孔235および導入弁取り付け部267,268の位置関係が浴槽連結装置1の内連通孔48、外連通孔70および導入弁取り付け部112,113と同様であり、同一の導入弁110,111が採用されている。そのため、内連通孔233や外連通孔235の開口領域は、一部が導入弁110,111の可動領域を投影した領域から外れている。そのため、浴槽連結装置1,200は、導入弁110,111の弁体部115が背面壁44,212側に近接しても弁体部115によって内連通孔233や外連通孔235が閉塞されてしまうという不具合が起こらない。従って、上記した構成によれば、より一層仕切部材22,203を薄型化することができる。
浴槽連結装置1,200は、導入弁110,111の可動領域を背面壁44,212側に投影して形成される領域P1,P2や領域R1,R2の一部を内連通孔48,233や外連通孔70,235の開口領域から外したものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図50のように導入弁110,111の取り付け位置に対して内連通孔48,233や外連通孔70,235の開口領域をずらし、これらの重複部分がない構成とすることも可能である。かかる構成によれば、導入弁110,111が撓んだ際に弁体部115が背面壁44,212に当たる程度まで仕切壁80,240を背面壁44,212側に近接させても弁体部115によって内連通孔233や外連通孔235が閉塞されてしまうといった不具合が起こらない。従って、前記した構成によれば、仕切部材22,203および浴槽連結装置1,200をより一層薄型化できる。
上記した浴槽連結装置1,200は、仕切部材22の吐出口12,13や吐出口300,301を周方向に約110度離して配置したものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに近接させた構成としてもよい。
さらに具体的に説明すると、浴槽連結装置1は、例えば図51に示すように仕切部材22の吐出部140,141を構成する本体部40や弁収容部41の切り欠き部51,87をより一層近接させた構成とし、これに合う位置にフィルター部材23の開口151,152を設けた構成としてもよい。また、浴槽連結装置1は、例えば図52に示すように本体部40や弁収容部41の切り欠き部51,87を一つに纏め、これに合う位置にフィルター部材23の開口151,152を設けた構成としてもよい。浴槽連結装置200についても、図51や図52に示す例と同様に吐出部296,297を近接させたり、実質的に単一としてもよい。
浴槽5に吐出される湯水の攪拌効率の観点からすると、浴槽連結装置1,200は、接続管15,16のいずれに熱源装置400の往き配管401や戻り配管402が接続された場合であっても湯水を浴槽5の下方に向けて吐出可能な構成とすべく吐出口12,13や吐出口300,301をなるべく近接させて配置することが好ましいが、吐出口12,13や吐出口300,301をさらに離反させた構成としてもよい。
また、上記実施形態の浴槽連結装置1,200は、吐出部140,141や吐出部296,297の位置にあわせてフィルター部材23,205の開口155,156や開口形成部277,278を形成したものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば開口155,156や開口形成部277,278の開口領域の大きさを吐出部140,141や吐出部296,297の開口領域と異なる構成としたり、開口155,156や開口形成部277,278を一体化し、実質的に単一の開口を有する構成としてもよい。
浴槽連結装置200では、張出部247,247が本体部201の欠落部220に被さることにより吐出部296,297が形成されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば張出部247を設けず閉塞部246を本体部201の開口領域に嵌め込むだけの構成としてもよい。また、張出部247を設けない場合は、例えば図53(a)や図53(b)に示すような構成としてもよい。
さらに具体的には、図53(a)に示す構成では、閉塞部246の中心部分に指等を入れることができる凹部338が上下に2つ設けられている。そのため、図53(a)に示す構成では凹部338,338に指を入れて閉塞部246を摘むことができ、弁収容部202を本体部201から容易に取り外すことができる。
また、図53(b)に示す構成では、本体部201の周壁部217には吐出用の開口340が2つ設けられており、この内側に吐出弁125,126が内蔵されている。また、弁収容部202の仕切壁240には、張出部247とは別の張出部341が適宜設けられている。本体部201の周壁には、張出部341に相当する部位に張出部341が嵌る切り欠き342が設けられ、その下方に隣接する位置に指等を入れることが可能な凹部343が設けられている。かかる構成とすれば、凹部343に指を入れることにより張出部341の裏面側に指をあてがい、弁収容部202を容易に本体部201から取り外すことができる。
上記第1,2実施形態の浴槽連結装置1,200では、円筒形や直方体等の形状の磁石67,68,106,107,231,232,272,273を採用した例を例示したが、本発明においてこれらの形状はいかなる形状であってもよく、例えば三角柱状のものや平面視が円弧状、ドーナツ状、多角形状の磁石を採用した構成であってもよい。
1,200 浴槽連結装置
5 浴槽
15,16 接続配管
22,203 仕切部材
23,205 フィルター部材
40,201 本体部(背面側構成体)
41,202 弁収容部(正面側構成体)
44,212 背面壁(背面側仕切壁)
48 内連通孔(接続側開口)
55 周壁部
56,86 流路形成壁
67,68,106,107,231,232,272,273 磁石
70 外連通孔(接続側開口)
80,240 仕切壁(正面側仕切壁)
83,96,216,271 開口(浴槽側開口)
R,L 水室(流路)
5 浴槽
15,16 接続配管
22,203 仕切部材
23,205 フィルター部材
40,201 本体部(背面側構成体)
41,202 弁収容部(正面側構成体)
44,212 背面壁(背面側仕切壁)
48 内連通孔(接続側開口)
55 周壁部
56,86 流路形成壁
67,68,106,107,231,232,272,273 磁石
70 外連通孔(接続側開口)
80,240 仕切壁(正面側仕切壁)
83,96,216,271 開口(浴槽側開口)
R,L 水室(流路)
Claims (8)
- 浴槽に対して固定され、浴槽と熱源装置とを繋ぐ接続配管に接続される浴槽連結装置において、
熱源装置と浴槽とを繋ぐ往き配管または戻り配管に接続される第一および第二の接続配管と、当該接続配管と連通し、湯水が出入りする仕切部材と、当該仕切部材に装着されるフィルター部材とを有し、
前記仕切部材は、浴槽連結装置の設置時に浴槽の壁面側に存在し、当該壁面に沿う方向に広がる背面側仕切壁と、当該背面側仕切壁に対向する正面側仕切壁と、背面側仕切壁および正面側仕切壁の外周を取り囲む周壁と、背面側仕切壁および正面側仕切壁に対して交差する方向に立設された流路形成壁と、背面側仕切壁および正面側仕切壁と周壁とによって囲まれた領域を流路形成壁で区切って形成された第一および第二の流路とを有し、背面側仕切壁側を有する背面側構成体と、正面側仕切壁を有する正面側構成体とを組み合わせて構成されるものであり、
前記第一および第二の流路は、それぞれ仕切部材に設けられた浴槽側開口を介して浴槽側と連通しており、
第一および第二の接続配管は、前記第一および第二の流路のそれぞれに設けられた接続側開口を介して前記第一および第二の流路に連通しており、
背面側仕切壁あるいは正面側仕切壁に対して平行な仮想平面による第一の流路の断面積と、前記仮想平面による第二の流路の断面積との面積比が1対1以上1対1.2以下の範囲内であることを特徴とする浴槽連結装置。 - 背面側仕切壁あるいは正面側仕切壁に対して平行な仮想平面による第一の流路の断面積と、前記仮想平面による第二の流路の断面積との面積比が同一であることを特徴とする請求項1に記載の浴槽連結装置。
- 仕切部材は、背面側仕切壁あるいは正面側仕切壁に対して交差する方向に広がる仮想平面を想定した場合に、第一の流路および第二の流路が仮想平面に対して対称に配されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴槽連結装置。
- 仕切部材は、背面側仕切壁の中心として所定の距離範囲内に第一の流路内に開口した接続側開口と、第二の流路内に開口した接続側開口とを形成したものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の浴槽連結装置。
- 仕切部材に装着されるフィルター部材を有し、
背面側構成体は、浴槽の壁面側に固定されるものであり、
フィルター部材を仕切部材に対して装着することにより、フィルター部材と背面側構成体との間に正面側構成体が挟持されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の浴槽連結装置。 - 仕切部材は、背面側仕切壁および正面側仕切壁のいずれか一方または双方に対して立設された流路形成壁と、背面側構成体と正面側構成体とを組み合わせることにより前記流路形成壁が嵌り込む溝が設けられたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の浴槽連結装置。
- 流路形成壁は、背面側構成体および正面側構成体の双方に設けられており、
前記背面側構成体と正面側構成体とを組み合わせることにより、背面側構成体側の流路形成壁と正面側構成体側の流路形成壁とが入れ子構造を形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の浴槽連結装置。 - 背面側構成体と正面側構成体とが磁石によって吸着固定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の浴槽連結装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004295597A JP2006105553A (ja) | 2004-10-08 | 2004-10-08 | 浴槽連結装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004295597A JP2006105553A (ja) | 2004-10-08 | 2004-10-08 | 浴槽連結装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006105553A true JP2006105553A (ja) | 2006-04-20 |
Family
ID=36375511
Family Applications (1)
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JP2004295597A Pending JP2006105553A (ja) | 2004-10-08 | 2004-10-08 | 浴槽連結装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006105553A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019055389A (ja) * | 2017-09-22 | 2019-04-11 | 株式会社ノーリツ | 循環アダプタ用フィルタ及び温水装置 |
-
2004
- 2004-10-08 JP JP2004295597A patent/JP2006105553A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019055389A (ja) * | 2017-09-22 | 2019-04-11 | 株式会社ノーリツ | 循環アダプタ用フィルタ及び温水装置 |
JP7027758B2 (ja) | 2017-09-22 | 2022-03-02 | 株式会社ノーリツ | 循環アダプタ用フィルタ及び温水装置 |
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