JP2006105251A - 樹脂製配管接続部材及び樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法 - Google Patents

樹脂製配管接続部材及び樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、管継手等樹脂製配管接続部材の残留応力を容易に測定できる樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法を提供するとともに、この樹脂製配管接続部材に3年の寿命を保証するための残留応力の上限値を与え、もって30年の寿命を保証可能な樹脂製配管接続部材を提供することにある。
【解決手段】 本発明の樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法は、透明樹脂からなる例えばヘッダー30内に反射板40を置き、この反射板40に向け白色光を偏光板1、1/4波長板2を介してヘッダー30の軸方向に出射し、この光を前記反射板40で反射して、ヘッダー30の内側から外側に向け管壁を透過させ、さらに1/4波長板4、偏光板5を通過させ、この際生ずる縞次数を測定することによりヘッダー30の残留応力を求めることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば戸建住宅や集合住宅等の建築構造物内に配管される給水管や給湯管などに使用される樹脂製管継手等の樹脂製配管接続部材及びこの樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法に関するものである。
例えば戸建住宅や集合住宅内において、給水管や給湯管の配管を行う場合、近年では金属の溶出や腐食の問題がなく衛生的に優れているということから、その材質が従来の金属管から樹脂管に変わりつつある。
同時にこれら配管同士を継ぐ管継手などの樹脂製配管接続部材も、金属製のものから樹脂製のものへ変わりつつある(特許文献1)。
因みに、特許文献1には、耐熱性に優れ、射出成形やブロー成形により形成しても寸法変化が少なく、また耐衝撃性にも優れ、ウオーターハンマー等に十分耐え得る樹脂、ポリフェニルサルフォンで管継手を製造したものが開示されている。
ここで戸建住宅や集合住宅内において給水給湯管として樹脂管を使用する場合には、これら樹脂管の長期信頼性を予め評価しておく必要があり、この長期信頼性の評価方法の一つとしてJISでは、JIS K 6769の熱間内圧クリープ試験を課している。
この試験は管継手などの樹脂製配管接続部材にも適用され、例えば110℃の温度雰囲気下において、管継手などに円周方向の応力(フープストレス)として2.4MPaを負荷せしめ、試験開始後少なくとも8760時間(1年間に相当)経過後、水漏れやその他欠陥が生じないことを求めている。
尚、昨今では、これら給水管や給湯管、あるいはこれらを接続する管継手等の樹脂製配管接続部材に30年の寿命を求めるようになってきつつある。
樹脂製配管接続部材の長期信頼性は、材料の押出温度や成形温度、あるいはその構造等様々な条件により左右され、例えば材料や構造を変更する場合には、これら種々の製造条件について、各々最適な条件を決める必要があり、具体的には、例えば実験計画法によりその最適条件を求めていた。
しかし、樹脂製配管接続部材の材料やその構造を変更する度に、いちいち実験計画法で最適条件を設定し、例えば1年も掛けて破壊試験である前記JISが規定する試験を実施するのでは、時間とコストが膨大になってしまう。
また最適条件にて製造した、いわゆる試験サンプルが前記JIS試験に合格したとしても、実際にできあがった樹脂製配管接続部材が本当に長期信頼性のあるものであるかどうか判断するのは難しい、という問題もある。
一般にこれら樹脂製配管接続部材の寿命には、樹脂製配管接続部材内の残留応力、特に管形状のものにあっては、円周方向の残留応力が大きく影響する、と言われている。この残留応力は材料固有の応力と材料加工時に発生する応力の和で表される。
さらにはこの残留応力に加え、樹脂製配管接続部材を、特に布設に際して許容されている最小曲げ半径で布設する場合、この樹脂製配管接続部材に負荷される円周方向の応力や、布設後負荷される水圧等による円周方向の応力も寿命に影響する。
結局、樹脂製配管接続部材の寿命には、樹脂製配管接続部材成形時に内部に残っている残留応力と、施工時に加わる応力と、配管後に加わる水圧等による応力(いずれも円周方向の応力)の総和が影響する。
そこで本発明者らは、前述したJISで規定する長期信頼性試験の代わりに、できあがった製品(樹脂製配管接続部材)の残留応力を規定することで長期信頼性を保証できるのではないか、と考えた。
つまり前述した熱間内圧クリープ試験の結果から、樹脂製配管接続部材が30年間の寿命を確保できる応力の総和を知り、この値から施工時負荷される応力と水圧等による応力を推測して、これらの値を差し引けば、布設前の樹脂製配管接続部材が持っている内部応力、すなわち残留応力の値の上限値を規定できる、と考えた。
ここで、前述した熱間内圧クリープ試験のグラフの傾きは、樹脂製配管接続部材の材料固有の値である、と考えられることから、例えば、試験片等を前記試験に供することで比較的容易に求めることができる。
すなわち、試験片等によって一度熱間内圧クリープ試験を行っておき、その結果にさらにこの樹脂製配管接続部材の使用条件と実際の製品の残留応力がわかれば、製品である樹脂製配管接続部材の寿命をかなり高い精度で推定することができるはずである。
このことから樹脂製配管接続部材の円周方向の残留応力(以下単に残留応力という)を測定できれば、この測定値と前述した残留応力の上限値を比較することにより、事前にその樹脂製配管接続部材が良品か否かの選別ができ、例えば、前述した30年の寿命保証を確実に行える樹脂製配管接続部材だけをユーザーに対して供給できる、と考えられる。
特開2003−14171号公報
しかしながら従来にあっては、形状の複雑な管継手等樹脂製配管接続部材の残留応力を事前に容易に非破壊試験で測定する方法が少なく、そのためもあってか樹脂製配管接続部材に30年の寿命を保証する残留応力の上限値を決めようとの提案も、またその示唆さえもされていなかった。
そこで本発明の目的は、管継手等樹脂製配管接続部材の残留応力を容易に測定できる樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法を提供するとともに、この樹脂製配管接続部材に30年の寿命を保証するための残留応力の上限値を与え、もって30年の寿命を保証できる樹脂製配管接続部材を提供することにある。
前記目的を達成すべく請求項1記載の樹脂製配管接続部材は、残留応力が23MPa以下であることを特徴とするものである。
このようにしてなる請求項1記載の樹脂製配管接続部材によれば、樹脂製配管接続部材の残留応力を23MPa以下にしたことで、30年の寿命を確実に保証できる樹脂製配管接続部材を提供することができる。
また請求項2記載の樹脂製配管接続部材は、請求項1記載の樹脂製配管接続部材が透明樹脂からなることを特徴とするものである。
このようにしてなる請求項2記載の樹脂製配管接続部材は、透明樹脂からなるが故に、後述する光弾性実験法によりその残留応力を容易に測定することができ、もってこの残留応力の値が23MPa以下かどうか比較すれば、その樹脂製配管接続部材の寿命が30年保証できるか否か容易に判定することができる。それ故、30年の寿命を確実に保証できる樹脂製配管接続部材を提供することができる。
また本発明の請求項3記載の樹脂製配管接続部材は、請求項2記載の樹脂製配管接続部材において、前記透明樹脂の光弾性感度α(mm/kgf)が3.3以上であることを特徴としている。
このようにしてなる請求項3記載の樹脂製配管接続部材によれば、精度良く樹脂製配管接続部材の残留応力を測定でき、樹脂製配管接続部材の寿命保証をより確実に行うことができる。
さらに本発明の請求項4記載の樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法は、透明樹脂からなる樹脂製配管接続部材内に反射板を置き、該反射板に向け光を偏光板、1/4波長板をこの順に介して前記樹脂製配管接続部材の軸方向に出射し、この光を前記反射板で反射して前記樹脂製配管接続部材の内側から外側に向け透過させ、さらに1/4波長板、偏光板をこの順に通過させ、この際発生する縞次数を測定することにより前記樹脂製配管接続部材の残留応力を求めることを特徴とするものである。
このようにしてなる請求項4記載の樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法によれば、形状が複雑な管状の樹脂製配管接続部材であっても、この樹脂製配管接続部材が透明樹脂製であれば、残留応力を容易に測定することができ、樹脂製配管接続部材の寿命保証の判断に役立てることができる。
以上のように本発明によれば、管継手等樹脂製配管接続部材の残留応力を容易に測定できる樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法を提供できるとともに、この樹脂製配管接続部材に30年の寿命を保証するための残留応力の上限値を与え、もって30年の寿命を保証可能な樹脂製配管接続部材を提供することができる。
以下に本発明の一実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明者らが樹脂製の管継手に対して、前述したJIS K 6769で規定する熱間内圧クリープ試験を行い、寿命が30年間保証できる内部応力の上限値を幾つかの温度毎に、具体的には20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、95℃及び110℃で調べた結果を示すグラフである。
図1で縦軸は樹脂管に負荷されている円周方向の応力(MPa)値、横軸は前記円周方向の応力を負荷された場合に、樹脂管に水漏れやその他欠陥が発生するまでの時間(h)を示している。
図1から、水漏れやその他の欠陥が発生するまでの時間(h)に温度依存性があることが判る。そして30年(262300時間)の寿命を保証する円周方向の応力(フープストレス)は、この種の樹脂製配管接続部材が使用される温度雰囲気である20℃においては、約28MPa以下、110℃では約10MPa以下であることが判る。
言い換えると、通常の使用温度である20℃において、樹脂製の管継手において負荷される円周方向の応力が約28MPa以下でなければ30年の寿命を保証できないことが判る。
次に本発明者らは、樹脂管に管継手を連結する等の施工作業時に管継手等の樹脂製配管接続部材に負荷するであろう円周方向の応力値を推測した。
具体的には、布設工事で管継手等の樹脂製配管接続部材がもっとも大きな負荷が受けると予想される許容最小曲げ半径で曲げられて布設される場合の円周方向の応力を計算で求め、この値を4MPaとした。
さらに布設後管継手等の樹脂製配管接続部材が受ける水圧による円周方向の応力を同様に計算し、これを0.4MPaとし、さらには最悪状況下であるウオーターハンマー発生時に管継手等が受ける円周方向の応力を2MPaと算出した。
以上から管継手等の樹脂製配管接続部材に寿命30年を保証するためには、布設前の管継手等樹脂製配管接続部材の残留応力を、28MPa−(4MPa+0.4MPa)=23.6MPa、すなわち安全を考慮し、23MPa以下にする必要があることが判る。
またこれにウオーターハンマー発生時の状況を考慮すると、28MPa−(4MPa+0.4MPa+2MPa)=21.6MPa、すなわちこの値についても安全を考慮すると、21MPa以下にする必要があることが明らかである。
このように、図1に示すグラフから、任意の使用温度及び保証期間等の設定に対応する樹脂製配管接続部材の最大残留応力を求めることができる。
そこで次には、単なる直管である樹脂管より、より形状が複雑な管継手のごとき樹脂製配管接続部材の残留応力をいかに測定するかが問題になる。
本発明者らはこの管継手等の樹脂製配管接続部材が透明であれば、その光弾性感度α(mm/kgf)を測定し、さらに光弾性実験法により光が樹脂製配管接続部材の壁を透過する際発生する縞次数を検出すれば、樹脂製配管接続部材の残留応力を容易に得ることができることを見出した。
尚、樹脂によっては既にその光弾性感度α(mm/kgf)の値が知られているものもあり、その場合には、あえて樹脂製配管接続部材に用いた樹脂の透明サンプルから光弾性感度α(mm/kgf)を求める必要はなく、既に知られている値をそのまま使用してもよい。もちろん実際に使用している樹脂の透明サンプルで光弾性感度α(mm/kgf)を測定した方が、最終的に得られる残留応力値の精度が上がることはいうまでもない。
以下に透明樹脂からなる樹脂製配管接続部材、具体的には複数の枝管接続用の管継手を有するヘッダー30において、残留応力の測定方法を説明することにする。
まず、このヘッダー30を構成する透明樹脂からなる透明サンプル3を用意する。この透明サンプル3を図2のように偏光板1、1/4波長板2、透明サンプル3、1/4波長板4そして偏光板5をこの順で直列に配列し、図2の左側から単色光を出射する。
この状態で透明サンプル3上の測定点の近傍にサインペン等でマークを付ける。その後2枚の1/4波長板1、4を0目盛りに合わせて視野から除く(平面偏光状態にする)。次に2枚の偏光板1、5のハンドルを各々回して、黒色の等傾線を前記マークに合わせる。しかる後、今度は2枚の1/4波長板2、4を図2が示すように共に45°回転させ、視野に入れる(円偏光状態にする)。
続いて透明サンプル3に所定の荷重を加えて、向かって右側の偏光板5のみハンドルで回転し、等傾線を移動して前記マークに合わせる。このとき回転した目盛りが縞次数であって、この数字は必ずしも自然数ではなく、小数点以下の数字を有することもある。
透明サンプル3に加えた荷重と前記縞次数の変化、すなわち前述した偏光板5を回転した目盛りの読みから光弾性感度α(mm/kgf)を求めることができる。
具体的には下記式(1)において、Nに縞次数を、dに透明サンプル3の厚さ(mm)を、そして(σ―σ)には透明サンプル3に加えた荷重(kgf/mm)を代入すれば、光弾性感度α(mm/kgf)を算出することができる。
(σ―σ)=N/αd ・・・・・・・・・・(1)
ここでNは前述したように縞次数(無次元)、dは透明サンプル3の厚さ(mm)、そして(σ―σ)は主応力差、すなわち残留応力である。
因みに、使用する波長λは5461オングストロームであり、この方法はTardy法として知られている方法である。
図3は、複数の管継手を有するヘッダー30の一部切開断面図である。このヘッダー30において残留応力を具体的に測定する方法を以下に示す。
尚、このヘッダー30の両端には主管である樹脂管31をワンタッチで挿入、連結するためのソケット部34aが設けられ、側部には枝管である樹脂管32が、これもワンタッチで挿入、連結されるソケット部34bが複数設けられている。また符号14はヘッダー30と樹脂管31、32間の水密性を保持するために用いられているOリングであり、符号16は挿入した樹脂管31、32がヘッダー30から抜けないようにするための抜け防止リングを示している。
さらに符号18は各ソケット部34a、ソケット部34b内に収納されている前記Oリング14や抜け防止リング16がソケット部34a、34bから抜け出ないように保持する保持部材を示している。
尚、ヘッダー30の向かって左端においては、Oリング14、抜け防止リング16及び保持部材18とを図が煩雑になるため省略している。
尚、このヘッダー30は、透明な樹脂であるポリフェニルサルフォン(PPSU)で形成されており、このポリフェニルサルフォンを射出成形あるいはブロー成形して製造したものである。
このポリフェニルサルフォンで製作した透明サンプル3について、予め前述した図2に示すTardy法及び前記式(1)を使って光弾性感度α(mm/kgf)を求めたところ、その値は9.99(mm/kgf)であった。
図3が示すように、ヘッダー30内に反射板40を、ヘッダー30の中心軸に対して45°傾けてセットした。その結果、図3に向かって左方向から、例えば白色光源6から白色光を偏光板1、1/4波長板2を透過させてヘッダー30の中心軸に沿うように出射した場合、その光は反射板40でヘッダー30の半径方向に直角に反射され、ヘッダー30の管壁をその厚さ方向に直角に透過し、さらに別の1/4波長板4、偏光板5をこの順に通過する。この偏光板5を通過後に現れる縞次数と、前述したヘッダー30の光弾性感度α(mm/kgf)の値とを前記(1)式に代入すれば、ヘッダー30の残留応力σ(kgf/mm)を得ることができる。
ここで、残留応力の測定用の光源6として白色光を使用しているが、白色光を使用すると、赤色、黄色あるいは緑の等色線が縞模様になって現れる。ここで、例えば赤色の等色線の本数を数えれば縞次数が測定できる。またこの等色線の順序から残留応力の高い部分、低い部分の、いわゆる応力分布をも把握することができる。
但し、白色光を光源6にした場合、高次の縞模様がぼけて縞次数を数え難い場合がある。その場合には光源6を白色光の光源6から単色光の光源6に切り換えるとよい。その理由は、単色光にすると縞模様がはっきりし、縞次数を明確に捕らえることができるからである。但し、単色光を用いた場合には、前述した残留応力の分布状態の把握はでき難くなる。それ故、光源6は単色光でも白色光でも随時使用できるように切り換え可能にしておくと便利である。
ところで本発明の樹脂製配管接続部材では残留応力を23MPa以下、好ましくは21MPa以下にすることを特徴にしているが、透明サンプル3の厚さを3mmにした場合、前述した光弾性感度αが9.99(mm/kgf)のポリフェニルサルフォン(PPSU)では1縞当りの応力は0.3MPaに相当する。すなわち、αを約10と仮定すると、N/10・3=N/30(kgf/mm)となり、これをMPaに換算すると、約0.3MPaになる。
一方、これよりも光弾性感度αが低い、例えば光弾性感度αが1.33(mm/kgf)のポリカーボネート(PC)の場合、同様に計算すると1縞当り約2.5MPaになってしまい、残留応力値23MPaを測定するには、その精度が荒くなり過ぎる。それ故、少なくとも光弾性感度αが3.33(mm/kgf)以上の透明樹脂で樹脂製配管接続部材を形成することが、残留応力をより精度よく測定する上で好ましい。因みに、光弾性感度αが3.33(mm/kgf)の場合、1縞当りの応力は約0.9MPaになる。
光弾性感度αが3.3(mm/kgf)以上であることに加え、この樹脂製配管接続部材が給水管や給湯管用に使用されることを考慮し、耐熱性、耐水性、衛生性をも合わせて考えると、例えば前述したポリフェニルサルフォン(PPSU)の他に、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)あるいはポリエーテリイミド(PEI)等が最適な樹脂として推奨できる。
図3では樹脂製配管接続部材としてヘッダー30を示したが、樹脂製配管接続部材には、通常の管継手、プラグ(栓)、ニップル(分岐管の連結部材)、エルボ(配管曲げ部形成部材)、さらには管継手と樹脂管との連結に際して、樹脂管の形状を矯正するために樹脂管内に挿入されるインコアと呼ばれるもの等も含まれる。
このように配管に接続する前の樹脂製配管接続部材の残留応力を23MPa以下に抑えたものを前述したJIS K 6769で規定する熱間内圧クリープ試験にかけたところ、水漏れ等の不具合が発生するまでの時間は263000時間以上、すなわち30年以上であった。
尚、残留応力を23MPa以下に抑えた樹脂製配管接続部材は、射出成形法やブロー成形法で、その成形条件、特に冷却時間等を調整することで容易に得ることができるが、できあがった樹脂製配管接続部材に切削加工等でネジを切ったりすると、そのネジ部に局所的に大きな残留応力が発生する可能性が高く、さらにその部分にネジによる応力が発生してしまう。それ故、できるだけ射出成形法やブロー成形法だけで樹脂製配管接続部材を製造するのが好ましい。
また通常の配管においては、稀ではあるがウオーターハンマーが発生することがあり、このウオーターハンマーの発生に対処するには、好ましくはより安全な21MPa以下に樹脂製配管接続部材の残留応力を抑えておく方がよい。
以上述べたように本発明によれば、管継手等樹脂製配管接続部材の残留応力を容易に測定できる樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法を提供することができるとともに、この樹脂製配管接続部材に30年の寿命を保証するための残留応力の上限値を与えることができる。それ故、30年の寿命を確実に保証できる樹脂製配管接続部材を提供することができる。
尚、本発明の樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法で樹脂製配管接続部材の残留応力が判れば、この値と図1に示す熱間内圧クリープ試験の結果、あるいは標準試験片で予めクリープ試験を行って得た各材料毎の試験結果とを付き合わせれば、測定した樹脂製配管接続部材の個々の寿命を推定することもできる。
樹脂製管継手に対して行った熱間内圧クリープ試験の結果を示すグラフである。 透明樹脂の光弾性感度αを測定するために用いるTardy法を説明するための概略図である。 本発明の樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法の一実施例を示す概略図である。
符号の説明
1 偏光板
2 1/4波長板
3 透明サンプル
4 1/4波長板
5 偏光板
6 光源
30 ヘッダー
31 樹脂管
32 樹脂管
40 反射板

Claims (4)

  1. 残留応力が23MPa以下であることを特徴とする樹脂製配管接続部材。
  2. 透明樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の樹脂製配管接続部材。
  3. 前記透明樹脂の光弾性感度α(mm/kgf)が3.3以上であることを特徴とする請求項2記載の樹脂製配管接続部材。
  4. 透明樹脂からなる樹脂製配管接続部材内に反射板を置き、該反射板に向け光を偏光板、1/4波長板をこの順に介して前記樹脂製配管接続部材の軸方向に出射し、この光を前記反射板で反射して前記樹脂製配管接続部材の内側から外側に向け透過させ、さらに1/4波長板、偏光板をこの順に通過させ、この際発生する縞次数を測定することにより前記樹脂製配管接続部材の残留応力を求めることを特徴とする樹脂製配管接続部材の残留応力測定方法。
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