JP2006101987A - 手乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の手乾燥装置1は、使用者の手が挿入される手乾燥部となる上方に開口した開口凹部4をその上端部に形成したハウジング2と、開口凹部を形成するハウジングの甲側壁の背面側に設けられ開口凹部の内方へ空気を吹き出す複数の甲側吹出ノズル6bと、開口凹部を形成するハウジングの掌側壁の背面側に設けられ開口凹部の内方へ空気を吹き出す複数の掌側吹出ノズル6aと、を有し、甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルの各々は、ノズル入口部32a,32bとノズル出口部34a,34bを備え、その流路断面形状が、ノズル入口部からノズル出口部に向って所定の絞り角度αで絞られたほぼ円錐台形状となっていることを特徴としている。
【選択図】 図7
Description
これらの従来の手乾燥装置においては、例えば、特許文献1に記載されているように、手乾燥部に配置されたノズルの孔がその入口から出口にかけて円筒状にまっすぐ延びた細孔形状のものや、ノズルの孔が一旦ノズルの入口から途中で最小径まで急激に絞られた後、ノズルの出口付近で広がるような断面形状が三次元曲線であるものが知られている。
さらに、上述したノズルの孔の断面形状が三次元曲線であるタイプの従来の手乾燥装置については、空気がノズルの上流側からノズルの孔の中を通過する際に流路が急激に絞られた後、ノズルの出口付近で広がる形状となっているため、その形状によって風が拡散してしまう。この結果、ノズルの出口から離れた箇所において所定の風量を得るのに大風量が必要となり、所要動力が大きくなってしまうという問題がある。また、拡散した風によって渦が生じたりすると、風の吹き出し音もさらに大きくなってしまうという問題がある。
このように構成された本発明においては、ハウジングの開口凹部内に手を配置すると、空気が甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルの中をノズル入口部からノズル出口部に向って通過し、このノズル出口部から手に向けて風が吹き付けられる。
本発明によれば、甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルのそれぞれが流路断面形状が、ノズル入口部からノズル出口部に向って所定の絞り角度αで絞られたほぼ円錐台形状となっているため、通気抵抗を低減させることができ、開口凹部内に配置した手を効率良く乾燥させることができる。また、甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルのノズル出口から風が吹き出す際の吹出し音を低減させることができる。
図1及び図2は、本発明の一実施形態による手乾燥装置を示す正面図及び背面図であり、図3及び図4は、図1に示す本発明の一実施形態による手乾燥装置のA−A断面図及びB−B断面図である。また、図5は、本発明の一実施形態による手乾燥装置を示す平面図であり、図6は、本発明の一実施形態による手乾燥装置の手乾燥部における使用状態を示す概略断面図である。なお、図1〜図6では、空気または風の流れを矢印で示している。
この開口凹部4は、そこに手を配置して風を当てて乾燥させる部分(手乾燥部)である。通常、掌をハウジング2の正面2a側に向け、手の甲をハウジング2の背面2b側に向けた姿勢で、手をハウジング2の上方から開口凹部(手乾燥部)4内へ挿入するようになっている。
また、図6に示すように、本実施形態の手乾燥装置1では、手をハウジング2の上方から開口凹部(手乾燥部)4内へ挿入し、開口凹部(手乾燥部)4の掌側壁面4a及び甲側壁面4bにそれぞれ設けられたセンサ3a,3bが手を検知すると、両壁面4a,4bのそれぞれにほぼ水平方向直線状に設けられた複数の掌側用ノズル6a及び甲側用ノズル6b(詳細は後述する)から、手の掌側及び甲側にそれぞれ温風が吹き付けられ、手に付着していた水滴を飛ばしながら下方へ流れるようになっている。
例えば、ハウジング2の横幅wについては、好ましくは200mm〜350mmであり、最も好ましくは300mmである。
また、ハウジングの奥行d1は、好ましくは120mm〜250mmであり、最も好ましくは180〜200mmである。
さらに、掌側用ノズル6aと甲側用ノズル6bとの距離d2については、好ましくは70mm〜100mmであり、最も好ましくは85mmである。
また、ハウジング2の高さは、好ましくは450mm〜700mmであり、最も好ましくは680mmである。
各ファンモータユニット8a,8bは、その回転駆動軸10a,10bがハウジング2の正面2a及び又は背面2bに対して垂直な方向に延びるように配置されている(図3及び図4参照)。
なお、掌側用及び甲側用ファンモータユニット8a,8bとも同一の最大出力を有する同一形態のものであり、両者とも回転駆動軸10a,10bの回転数を所望に変えることができるようになっている。手乾燥装置1の使用時には、掌側用回転駆動軸10aが甲側用回転駆動軸10bよりも高速に回転するように各ファンモータユニット8a,8bを設定し、掌側に供給する風量が手の甲側に供給する風量に比べて大きくするのが好ましい。
また、甲側用ファンモータユニット8bは、ハウジング2の底部に隣接して配置され、掌側用ファンモータユニット8aは、その掌側用回転駆動軸10aが甲側用回転駆動軸10bに対して前方斜め上方に位置するように、甲側用ファンモータユニット8bの前方斜め上方に隣接して配置されている。
一方、各ファンモータユニット8a,8bの各吹出ダクト15a,15bの下流端には、上方に突出する掌側用及び甲側用吹出口16a,16bがそれぞれ形成されている。この各吹出口16a,16bには、掌側用及び甲側用フィンヒータ18a,18bがそれぞれ設けられ、各フィンヒータ18a,18bにより、各吹出口16a,16bから吹き出される空気が温められるようになっている。
さらに、水受けトレー19の背面側には、フィルタ20を備えた空気取入口22が設けられ、この空気取入口22には、掌側用及び甲側用吸気ダクト24a,24bがそれぞれ接続されている。
各吸気ダクト24a,24bは、それらの上流端26a,26bが空気取入口22のフィルタ20の上に配置され、各上流端26a,26bと各吸込口14a,14bを連通させるように、各上流端26a,26bからハウジング2の背面2bに沿って上方にほぼ真っ直ぐ延びている。
手乾燥装置1の作動中、ハウジング2の外部の空気は、空気取入口22からフィルタ20を介して、各吸気ダクト24a,24bに別々に吸込まれるようになっている。
また、掌側用吹出口16aには掌側用送風ダクト30aが接続されており、この掌側用送風ダクト30aは、ハウジング2の正面2aに隣接して吹出口16aから上方に延びるように形成されている。
さらに、掌側用送風ダクト30a内の背面は、上述した開口凹部(手乾燥部)4の掌側壁面4aを形成しており、ダクト30a内の上部の背面側には、複数の掌側用ノズル6aが掌側用吹出口16aのほぼ真上に位置するように配置されている(図3参照)。
一方、甲側用吹出口16bには、掌側用吹出口16aと同様に、甲側用送風ダクト30bが接続されており、この甲側用送風ダクト30bは、甲側用吹出口16bから開口凹部(手乾燥部)4の甲側壁面4bに配置されている複数の甲側用ノズル6bへと延びるように形成されている(図4参照)。
図7は、図3に示す本発明の一実施形態による手乾燥装置の掌側用ノズルの部分拡大断面図であり、図8は、図3に示す本発明の一実施形態による手乾燥装置の甲側用ノズルの部分拡大断面図であり、図9は、本発明の一実施形態による手乾燥装置の手乾燥部を斜め前方から見た概略斜視図である。
また、各ノズル6a,6bは、好ましくは、ABS(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン)等の材料でできており、フランジ44a,44bを含む複数本のノズル6a,6bが一方向からの型抜きによって一体成形されたものである。
これらのフランジ44a,44bは、各壁面4a,4bに一体に形成され且つ各フランジ44a,44bに向かって突出している支持突起46a,46bに熱かしめされている。
すなわち、上述した絞り角度αは、各ノズル6a,6bの中心軸線36a,36bを含む、円錐台の切り落とされた頭部分の仮想の縦断面における内側輪郭線40a,40bが仮想の頂点38a,38bでそれぞれ交わる角度(頂角)となっている(図7及び図8参照)。ここでいう円錐台は、円錐の頭部分を斜めに切り落としたものも含むものとする。
なお、絞り角度αは、各壁面4a,4bの吹出孔42a,42bから手乾燥部4の水平方向内方に約15mm〜30mm程度離れた位置(手の配置位置)で風速が高くなるように、好ましくは、約5度〜20度、最も好ましくは、約5度〜15度に設定するのがよい。
また、各ノズル出口34a,34bの直径は、好ましくは、約2.5〜5mmである。また、各ノズル入口32a,32bから各ノズル出口34a,34bまでの距離は、好ましくは、約10〜25mmである。各ノズル6a,6bが、ほぼ直線状に配置される際の間隔は、各ノズル6a,6bの中心間距離で7mm〜12mm程度であるのが好ましく、このため各ノズル入口32a,32bの直径は、12mm以下にしておけば隣のノズルと穴が重ならず、好ましくは、約3〜12mmである。このことから、絞り角度αは、好ましくは、約5度〜20度、最も好ましくは、約5度〜15度に設定するのが最も好ましい。
ここで、各吹出孔42a,42bの直径は、好ましくは、約4〜7mmである。
ここで、ノズル中心軸線の傾斜角度βについては、各壁面4a,4bの吹出孔42a,42bの端面48a,48bにおける各面法線50a,50bと各中心軸線36a,36bとのなす角度としている(図7及び図8参照)。
また、上述したように、各ノズル6a,6bは、複数本のノズルを一方向からの型抜きで一体成形することによって形成されるが、この型抜きによる一体成形をしやすくするため、ノズル中心軸線の傾斜角度βは絞り角度αの1/2以下に設定するのが好ましい。
さらに、各ノズル入口32a,32bの内周縁52a,52bは、曲率半径が0.5mm以上の丸みが形成されており(図7及び図8参照)、この丸みにより、各送風ダクト30a,30bから各ノズル入口32a,32bに流れ込む風の通気抵抗が低減されるようになっている。
図9に示すように、甲側用吹出孔42bから吹き出す風は、全体的に手乾燥部4内の下方に向かって吹き出している。また、甲側用吹出孔42bの位置がハウジング2の両側面2c,2dにより近づくにつれて、ノズル中心軸線の傾斜角βが大きくなり、特に、両端に位置するノズルの傾斜角β1,β3は、β2よりも大きくなっている。すなわち、甲側用ノズル6bは、配列の両端に位置するノズル孔から風が最も下方に吹き出すように差し向けられている。
なお、掌側ノズル6aについても甲側ノズル6bと同様に、掌側用吹出孔42aの位置がハウジング2の両側面2c,2dにより近づくにつれて、風向きがより下方になるように、より下方に差し向けられている。ここでも、前述したように、各ノズル6a,6bの中心軸線の相対的な傾きは、各ノズル6a,6bの絞り角度αの1/2以下に設定するのが好ましい。
手乾燥装置1のハウジング2の手乾燥部4に上方から両手を並べて挿入して所定範囲54内に両手を配置すると、センサ3a,3bが手を検知し、各ファンモータユニット8a,8bが作動する。
これらのファンモータユニット8a,8bの作動により、ハウジング2の空気取入口22からフィルタ20を介して各吸気ダクト24a,24bに空気が取り込まれる。
これらの各吸気ダクト24a,24bに取り込まれた空気は、各吸込口14a,14bから各ファンモータユニット8a,8bの内部にそれぞれ吸込まれる。
そして空気は、各ファンモータユニット8a,8bの各吹出口16a,16bで各フィンヒータ18a,18bにより温められて、各送風ダクト30a,30bに吹き出される。各送風ダクト30a,30b内の空気は、各ノズル6a,6bの各ノズル入口32a,32bから各ノズル出口34a,34bを通過し、手乾燥部4の所定範囲54内に並べて配置された両手の掌側及び甲側にそれぞれ温風が高速で吹き付けられる。
また、各ノズル出口34a,34b(各吹出孔42a,42b)で両手に向けて風が吹き出す際、風は主として所定範囲54内の両手の中心56に集中するように吹き出され、所定範囲54内に配置された両手全体に風が当たる。
さらに、各ノズル6a,6bの位置がハウジング2の両側面2c,2dにより近づくにつれて、風はより下方に吹き出される。
ここで、本解析では、ノズルの入口から出口までの距離を10mmとし、ノズルの出口の直径を4mmとし、ノズルの絞り角度αをそれぞれ0度、5度、10度、15度、20度、25度に設定し、ノズル入口周囲の圧力を6.5kPa、ノズル出口周囲の圧力を大気圧として、ノズル1本の場合の風速分布を調べたものである。
図10に示すように、ノズルから吹き出した風は、ノズルの出口付近で速度が最も大きくなり、ノズルから離れていくにしたがって次第に速度が小さくなっている。また、吹き出した風のノズルの中心軸付近では速度が大きく、中心軸から周辺に離れていくにしたがって速度が小さくなっている。ノズルの出口付近での風速は、各絞り角度におけるノズルにおいても約100m/sでほぼ同じである。
また、図10において、ノズル内部の風の流れについて比較すると、絞り角度αが0度の場合には、ノズルの入口付近から最大の流速の領域が始まっていて、ノズルの入口付近で流速が急激に上昇している。
一方、絞り角度5度以上のノズルでは、ノズルの内部で次第に流速が大きくなっていく様子が見られる。一般に、ベルヌーイの定理などから流速の変化の大きい場所では、流れの抵抗が大きいことが知られているため、ノズルの入口付近での流速の変化が最も大きくなる絞り角度0度の場合において、ノズルの入口付近の抵抗が最も大きくなっていることがわかる。反対に、絞り角度が5度以上の場合には、絞り角度0度に比べてノズルの抵抗が小さくなるので、効率よく大きい風量を得ることができるといえる。
図10において絞り角度の異なる各ノズルから吹き出す風について比較すると、まず、絞り角度αが0度である円筒状のノズルの場合には、風速100m/s以上の領域はノズル出口から約15mmまでであるのに対して、絞り角度5度〜25度のノズルの場合には、ノズル出口から20mm近くまで伸びている。
つぎに、風速90m/s以上の領域は、絞り角度5度〜20度の場合に、ノズル出口から約25mmまで伸びているのに対して、絞り角度0度および25度の場合に、若干短くなっている。
また、風速70m/s以上の領域については、絞り角度25度の場合に、他と比べて短くなり、さらに、風速50m/s以上の領域については、絞り角度20度以上の場合に、他と比べて短くなっている。
図11に示すように、ノズル出口からの距離が20mmの位置では、絞り角度0度の場合の平均風速は約61m/sであるのに対して、絞り角度5度〜20度の場合の平均風速は約66m/s以上となり、絞り角度0度の場合よりも大きくなっている。また、平均風速が最大となるのは、絞り角度10度〜20度の場合となっている。
一方、ノズル出口からの距離が30mmの位置では、絞り角度0度と25度の場合の平均風速は約56m/sであるのに対して、絞り角度5度〜20度の場合の平均風速は約58m/s以上となり、絞り角度0度と25度の場合よりも大きく、ほぼ最大となっている。
一般に、風速が大きくなると、水滴を吹き飛ばす力が大きくなるので、平均風速が大きいノズルの方が手を乾燥するのに適している。また、本実施形態の手乾燥装置を用いて手を乾燥させる際には、ノズル出口から20mm〜30mm程度離れた位置に手の表面が来るように手乾燥部4内に手を配置するようになっている。したがって、手の快適な乾燥を行うには、ノズル出口から20mmと30mm離れた両位置において平均風速が大きくなる絞り角度5度〜20度のノズルが好ましいことがわかった。
これらの図10及び図11の解析結果をまとめると、1個のノズルの場合には、絞り角度5度〜20度の場合に、ノズルの出口から所定距離(20mm、30mm)離れた両位置において平均風速が大きくなるため、効率よく大きな風量が得られることが明らかとなった。
一方、ノズルを複数個並べる場合、絞り角度が15度よりも大きくなると、隣り合うノズル入口の穴が重なってしまう場合があり、穴の重なった部分は成形時に形状が安定しにくくなり、風の流れも不安定となる可能性がある。したがって、効率よく大きな風量を得ることと、風の流れの安定を考慮すると、ノズルの絞り角度は、5度〜15度に設定するのが最も好ましい。
図12(a)と図12(b)の結果を比較すると、等速度線であらわされた噴出風の領域は、ノズルの絞り角度αが15度の場合の方が、ノズルの絞り角度αが0度の場合よりも長く、ノズル出口からより遠く離れたところまで干渉されずに伸びている。
また、噴出風の周囲の線については、ノズルの絞り角度αが15度の場合の方が、ノズルの絞り角度αが0度の場合に比べて乱れ方が小さく、乱流の発生が小さいと推察される。
すなわち、ノズルの絞り角度αが15度の場合の配列されたノズル方が、ノズルの絞り角度αが0度の場合のノズルに比べ、あるノズルの風と、その隣のノズルの風との干渉が小さいため、風同士の摩擦が小さく、乱流も少ないので、風の音を小さくすることができる。
また、本実施形態による手乾燥装置1によれば、各ノズル6a,6bの絞り角度αが約5度〜20度で設定されているため、ノズル出口34a,34bから吹き出した風のはく離が小さくなり、この結果、各壁面4a,4bの吹出孔42a,42bから手乾燥部4の水平方向内方に約15mm〜30mm程度離れた点(手の配置位置)で風速を高くすることができ、また、ノズルの吹出し音を低減させることができる。
さらに、本実施形態による手乾燥装置1によれば、各ノズル6a,6bが、そこから吹き出す風が手の配置範囲54内の中心56に集中するように差し向けられており、また、各吹出孔42a,42bの位置がハウジング2の両側面2c,2dにより近づくにつれて、風向きがより下方になるように、ノズル6a,6bがより下方に差し向けられている。この結果、手の配置範囲54に風を集めて、両手を効率良く乾燥させることができる。また、ハウジング2の両側面2c,2dの近くに位置するノズルが、より下向きの風を手に吹きつけるため、手に付着していた水滴の飛散を抑制することができる。
また、本実施形態による手乾燥装置1によれば、ノズル中心軸線の傾斜角度βが絞り角度αの1/2以下に設定されているため、複数本のノズルを一方向からの型抜きで一体成形することができ、製造コストを抑えることができる。
さらに、本実施形態による手乾燥装置1によれば、各ノズル入口32a,32bの内周縁52a,52bは、曲率半径が0.5mm以上の丸みが形成されているため、この丸みにより、各送風ダクト30a,30bから各ノズル入口32a,32bに流れ込む風の通気抵抗を低減させることができ、所定の風量を得るのに所要動力を抑えることができる。
図13に示すように、本実施形態の手乾燥装置60では、破線で囲まれた範囲(手の配置範囲)64a,64b内に使用者の左手及び右手をそれぞれ配置した場合に、各ノズル6a,6bは、各ノズル6a,6bから各範囲64a,64bのそれぞれの中心66a,66bに向けて、すなわち、各範囲64a,64bの片手ずつに向けて集中的に風が吹き出されるように差し向けられている。
また、本実施形態の手乾燥装置60では、上述した手乾燥装置1と同様に、各ノズル6a,6bは、それらの位置がハウジング2の両側面2c,2dにより近づくにつれて、風向きがより下方になるように、より下方に差し向けられている。
また、本実施形態による手乾燥装置60によれば、上述した手乾燥装置1と同様に、ハウジング2の両側面2c,2dの近くに位置するノズルが、より下向きの風を手に吹きつけるため、手に付着していた水滴の飛散を抑制することができる。
2 ハウジング
3a,3b センサ
4 手乾燥部
4a 手乾燥部の掌側壁面
4b 手乾燥部の甲側壁面
5 ルーバー
6a 掌側用ノズル
6b 甲側用ノズル
8a 掌側用ファンモータユニット
8b 甲側用ファンモータユニット
10a 掌側用ファンモータユニットの回転駆動軸
10b 甲側用ファンモータユニットの回転駆動軸
12a 掌側用ファンモータユニットのケーシング
12b 甲側用ファンモータユニットのケーシング
14a 掌側用吸込口
14b 甲側用吸込口
15a 掌側用ファンモータユニットの吹出ダクト
15b 甲側用ファンモータユニットの吹出ダクト
16a 掌側用吹出口
16b 甲側用吹出口
18a 掌側用フィンヒータ
18b 甲側用フィンヒータ
19 水受けトレー
20 フィルタ
22 空気取入口
24a 掌側用吸気ダクト
24b 甲側用吸気ダクト
26a 掌側用吸気ダクトの上流端
26b 甲側用吸気ダクトの上流端
28a 掌側用吸音材
28b 甲側用吸音材
30a 掌側用送風ダクト
30b 甲側用送風ダクト
32a 掌側用ノズル入口
32b 甲側用ノズル入口
34a 掌側用ノズル出口
34b 甲側用ノズル出口
36a 掌側用ノズルの中心軸線
36b 甲側用ノズルの中心軸線
38a,38b 掌側用ノズル(円錐台)の仮想頂点
40a,40b 甲側用ノズル(円錐台)の内側輪郭線
42a 掌側用吹出孔
42b 甲側用吹出孔
44a 掌側用ノズルのフランジ
44b 甲側用ノズルのフランジ
46a,46b 支持突起
48a 掌側用吹出孔の端面
48b 甲側用吹出孔の端面
50a 掌側用吹出孔の端面の法線
50b 甲側用吹出孔の端面の法線
52a 掌側用ノズル入口の内周縁
52b 甲側用ノズル入口の内周縁
54,64a,64b 手の配置範囲
56,66a,66b 手の配置範囲の中心
このように構成された本発明においては、ハウジングの開口凹部内に手を配置すると、空気が甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルの中をノズル入口部からノズル出口部に向って通過し、このノズル出口部から手に向けて風が吹き付けられる。
本発明によれば、甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルのそれぞれが流路断面形状が、ノズル入口部からノズル出口部に向ってほぼ5度〜20度の絞り角度で絞られたほぼ円錐台形状となっているため、通気抵抗を低減させることができ、開口凹部内に配置した手を効率良く乾燥させることができる。また、甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルのノズル出口から風が吹き出す際の吹出し音を低減させることができる。
このように構成された本発明によれば、ハウジングの開口凹部内に手を配置すると、空気が甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルの中をノズル入口からノズル出口に向って通過し、このノズル出口から手に向けて風が吹き付けられる。また、甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルの各々のノズル出口部の流路が、ノズル入口からノズル出口に向って5度〜20度の絞り角度で絞られた円錐台に形成されているため、通気抵抗を低減させることができ、開口凹部内に配置した手を効率良く乾燥させることができる。さらに、甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルのノズル出口から風が吹き出す際の吹出し音を低減させることができる。
Claims (7)
- 使用者の手の甲と掌の両側に空気を吹き付けて乾燥させる手乾燥装置であって、
使用者の手が挿入される手乾燥部となる上方に開口した開口凹部をその上端部に形成したハウジングと、
上記開口凹部を形成するハウジングの手の甲に対応する甲側壁の背面側に設けられ開口凹部の内方へ空気を吹き出す複数の甲側吹出ノズルと、
上記開口凹部を形成するハウジングの掌側壁の背面側に設けられ開口凹部の内方へ空気を吹き出す複数の掌側吹出ノズルと、を有し、
上記甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルの各々は、ノズル入口部とノズル出口部を備え、その流路が、ノズル入口部からノズル出口部に向って所定の絞り角度αで絞られたほぼ円錐台となっていることを特徴とする手乾燥装置。 - 上記甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルの流路断面形状の絞り角度αは、ほぼ5度〜20度である請求項1記載の手乾燥装置。
- 上記甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルは、それぞれ、上記ハウジングの幅方向に沿ってほぼ直線状に配置されている請求項1又は2に記載の手乾燥装置。
- 上記甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルの各々は、その中心軸線が、上記開口凹部に挿入される使用者の両手の中心方向に傾いて空気が吹出すように設定されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の手乾燥装置。
- 上記甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルの各々は、その中心軸線が、上記開口凹部に挿入される使用者の右手又は左手のそれぞれ中心方向に傾いて空気が吹出すように設定されている請求項1乃至3の何れか1項記載の手乾燥装置。
- 上記甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルは、上記ハウジングの側部に近いものほど、その中心軸線がより下方に向くように設定されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の手乾燥装置。
- 上記甲側吹出ノズル及び掌側吹出ノズルの各々は、そのノズル入口部の流路側の曲率半径が0.5mm以上に設定されている請求項1乃至6の何れか1項記載の手乾燥装置。
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