JP2006100139A - 有機el表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機EL表示装置の表示面上に光取り出し層を配置した場合に表示ボケが生じるのを防止する。
【解決手段】有機EL素子40と、その前面側に配置された光透過層100と、その前面上に配置され、光透過層100に入射した有機EL素子40からの光を光透過層100の前面側へと取り出す光取り出し層90とを具備し、光取り出し層90はプリズムシートであり、光取り出し層90に入射した光の平均屈折角θpと光取り出し層90の平均屈折率npとを用いて下記等式(1)から算出される角度θと、有機EL素子40のうち発光色が互いに等しいものの間の最短距離Pと、光透過層100の前面から有機EL素子40までの距離dとは、下記不等式(2)に示す関係を満足している。
【選択図】なし
【解決手段】有機EL素子40と、その前面側に配置された光透過層100と、その前面上に配置され、光透過層100に入射した有機EL素子40からの光を光透過層100の前面側へと取り出す光取り出し層90とを具備し、光取り出し層90はプリズムシートであり、光取り出し層90に入射した光の平均屈折角θpと光取り出し層90の平均屈折率npとを用いて下記等式(1)から算出される角度θと、有機EL素子40のうち発光色が互いに等しいものの間の最短距離Pと、光透過層100の前面から有機EL素子40までの距離dとは、下記不等式(2)に示す関係を満足している。
【選択図】なし
Description
本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置に関する。
有機EL表示装置は自己発光表示装置であるため、視野角が広く、応答速度が速い。また、バックライトが不要であるため、薄型軽量化が可能である。これらの理由から、近年、有機EL表示装置は、液晶表示装置に代わる表示装置として注目されている。
有機EL表示装置の主要部である有機EL素子は、光透過性の前面電極と、これと対向した光反射性又は光透過性の背面電極と、それらの間に介在するとともに発光層を含んだ有機物層とで構成されている。有機EL素子は、有機物層に電気を流すことにより発光する電荷注入型の自発光素子である。
ところで、有機EL素子の輝度は、これに流す電流の大きさに応じて増加する。しかしながら、電流密度を高めると、消費電力が大きくなるのに加え、有機EL素子の寿命が著しく短くなる。したがって、高輝度、低消費電力、長寿命を同時に実現するには、有機EL素子が放出する光を有機EL表示装置の外部へとより効率的に取り出すこと,すなわち光の取り出し効率を向上させること,が重要である。
本発明者は、光の取り出し効率は、例えばプリズムシートなどの光取り出し層を表示面に貼り付けることによって、向上させることができると考えている。しかしながら、本発明者は、こうすると、表示ボケを生じる可能性があることを見出している。
本発明の目的は、有機EL表示装置の表示面上に光取り出し層を配置した場合に表示ボケが生じるのを防止することにある。
本発明の第1側面によると、二次元的に配列した複数の有機EL素子と、前記複数の有機EL素子の前面側に配置された光透過層と、前記光透過層の前面上に配置され、前記光透過層に入射した有機EL素子からの光を前記光透過層の前面側へと取り出す光取り出し層とを具備し、前記光取り出し層はプリズムシートであり、前記光取り出し層に入射した光の平均屈折角θpと前記光取り出し層の平均屈折率npとを用いて下記等式(1)から算出される角度θと、前記複数の有機EL素子のうち発光色が互いに等しいものの間の最短距離Pと、前記光透過層の前面から前記有機EL素子までの距離dとは、下記不等式(2)に示す関係を満足していることを特徴とする有機EL表示装置が提供される。
本発明の第2側面によると、二次元的に配列した複数の有機EL素子と、前記複数の有機EL素子の前面側に配置された光透過層と、前記光透過層の背面側に配置されると共に前記有機EL素子と隣接し、前記有機EL素子の内部で繰返し反射干渉しながら膜面方向に伝播している光を前記有機EL素子の前面側へと取り出す第1光取り出し層と、前記光透過層の前面上に配置され、前記光透過層に入射した有機EL素子からの光を前記光透過層の前面側へと取り出す第2光取り出し層とを具備し、前記第2光取り出し層はプリズムシートであり、前記第2光取り出し層に入射した光の平均屈折角θpと前記第2光取り出し層の平均屈折率npとを用いて下記等式(1)から算出される角度θと、前記複数の有機EL素子のうち発光色が互いに等しいものの間の最短距離Pと、前記光透過層の前面から前記有機EL素子までの距離dとは、下記不等式(2)に示す関係を満足していることを特徴とする有機EL表示装置が提供される。
本発明の第3側面によると、二次元的に配列した複数の有機EL素子と、前記複数の有機EL素子の前面側に配置された光透過層と、前記光透過層の前面上に配置され、前記光透過層に入射した有機EL素子からの光を前記光透過層の前面側へと取り出す光取り出し層とを具備し、前記光取り出し層は光散乱層であり、前記光取り出し層に入射した光の平均屈折角θpと前記光取り出し層の平均屈折率npとを用いて下記等式(3)から算出される角度θと、前記複数の有機EL素子のうち発光色が互いに等しいものの間の最短距離Pと、前記光透過層の前面から前記有機EL素子までの距離dとは、下記不等式(2)に示す関係を満足していることを特徴とする有機EL表示装置が提供される。
本発明の第4側面によると、二次元的に配列した複数の有機EL素子と、前記複数の有機EL素子の前面側に配置された光透過層と、前記光透過層の背面側に配置されると共に前記有機EL素子と隣接し、前記有機EL素子の内部で繰返し反射干渉しながら膜面方向に伝播している光を前記有機EL素子の前面側へと取り出す第1光取り出し層と、前記光透過層の前面上に配置され、前記光透過層に入射した有機EL素子からの光を前記光透過層の前面側へと取り出す第2光取り出し層とを具備し、前記第2光取り出し層は光散乱層であり、前記第2光取り出し層に入射した光の平均屈折角θpと前記第2光取り出し層の平均屈折率npとを用いて下記等式(3)から算出される角度θと、前記複数の有機EL素子のうち発光色が互いに等しいものの間の最短距離Pと、前記光透過層の前面から前記有機EL素子までの距離dとは、下記不等式(2)に示す関係を満足していることを特徴とする有機EL表示装置が提供される。
本発明によると、有機EL表示装置の表示面上に光取り出し層を配置した場合に表示ボケが生じるのを防止することができる。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の第1態様に係る有機EL表示装置を概略的に示す断面図である。図1では、有機EL表示装置1を、その表示面,すなわち前面又は光出射面,が下方を向き、背面が上方を向くように描いている。
図1に示す有機EL表示装置1は、アクティブマトリクス型駆動方式を採用した下面発光型の有機EL表示装置である。この有機EL表示装置1は、例えば、ガラス基板などの絶縁基板10を含んでいる。本態様では、絶縁基板10は光透過層である。
絶縁基板10の背面側の主面上では、複数の画素がマトリクス状に配列している。各画素は、画素回路と有機EL素子40とを含んでいる。
画素回路は、例えば、一対の電源端子間で有機EL素子40と直列に接続された駆動制御素子(図示せず)及び出力制御スイッチ20と、画素スイッチ(図示せず)とを含んでいる。駆動制御素子は、その制御端子が画素スイッチを介して映像信号線(図示せず)に接続されており、映像信号線から供給される映像信号に対応した大きさの電流を出力制御スイッチ20を介して有機EL素子40へ出力する。また、画素スイッチの制御端子は走査信号線(図示せず)に接続されており、走査信号線から供給される走査信号によりスイッチング動作が制御される。なお、これら画素には、他の構造を採用することも可能である。
基板10上には、アンダーコート層12として、例えば、SiNx層とSiOx層とが順次積層されている。アンダーコート層12上には、例えばチャネル及びソース・ドレインが形成されたポリシリコン層である半導体層13、例えばTEOS(TetraEthyl OrthoSilicate)などを用いて形成され得るゲート絶縁膜14、及び例えばMoWなどからなるゲート電極15が順次積層されており、それらはトップゲート型の薄膜トランジスタ(以下、TFTという)を構成している。この例では、これらTFTは、画素スイッチ20、出力制御スイッチ、駆動制御素子のTFTとして利用している。また、ゲート絶縁膜14上には、ゲート電極15と同一の工程で形成可能な走査信号線(図示せず)がさらに配置されている。
ゲート絶縁膜14及びゲート電極15は、例えばプラズマCVD法などにより成膜されたSiOxなどからなる層間絶縁膜17で被覆されている。層間絶縁膜17上にはソース・ドレイン電極21が配置されており、それらは、例えばSiNxなどからなるパッシベーション膜18で埋め込まれている。ソース・ドレイン電極21は、例えば、Mo/Al/Moの三層構造を有しており、層間絶縁膜17に設けられたコンタクトホールを介してTFTのソース・ドレインに電気的に接続されている。また、層間絶縁膜17上には、ソース・ドレイン電極21と同一の工程で形成可能な映像信号線(図示せず)がさらに配置されている。
パッシベーション膜18上には、平坦化層19が形成されている。平坦化層19の材料としては、例えば、硬質樹脂を使用することができる。
平坦化層19は、第1光取り出し層30で被覆されている。ここでは、一例として、光透過性の第1部分31と、この中で分散した複数の第2部分32とで、光取り出し層30を構成している。第2部分32は、例えば、光透過性であり、第1部分とは屈折率が異なっている。
光取り出し層30をその膜面に垂直な方向から観察したときに、第2部分32が略格子状に配列している場合、光取り出し層30は回折格子としての役割を果たす。或いは、光取り出し層30をその膜面に垂直な方向から観察したときに、第2部分32が無秩序に配列している場合、光取り出し層30は光散乱層としての役割を果たす。
なお、光取り出し層30は、図1に示す構造を有していなくてもよい。例えば、光取り出し層30は、一主面に多数の凹部又は凸部が設けられた光透過性の薄膜であってもよい。
光取り出し層30上には、光透過性の第1電極41が互いから離間して並置されている。各第1電極41は、パッシベーション膜18と平坦化層19と光取り出し層30とに設けた貫通孔を介して、ドレイン電極21に接続されている。
第1電極41は、この例では陽極である。第1電極41の材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)のような透明導電性酸化物を使用することができる。
光取り出し層30上には、さらに、隔壁絶縁層50が配置されている。この隔壁絶縁層50には、第1電極41に対応した位置に貫通孔が設けられている。隔壁絶縁層50は、例えば、有機絶縁層であり、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。
隔壁絶縁層50の貫通孔内で露出した第1電極41上には、発光層42aを含んだ有機物層42が配置されている。発光層42aは、例えば、発光色が赤色、緑色、又は青色のルミネセンス性有機化合物を含んだ薄膜である。この有機物層42は、発光層42a以外の層をさらに含むことができる。例えば、有機物層42は、第1電極41から発光層42aへの正孔の注入を媒介する役割を果たすバッファ層42bをさらに含むことができる。また、有機物層42は、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層などもさらに含むことができる。
隔壁絶縁層50及び有機物層42は、光反射性の第2電極43で被覆されている。第2電極43は、この例では、各画素共通に連続して設けられた陰極である。第2電極43は、パッシベーション膜18と平坦化層19と光取り出し層30と隔壁絶縁層50とに設けられたコンタクトホール(図示せず)を介して、映像信号線と同一の層上に形成された電極配線に電気的に接続されている。それぞれの有機EL素子40は、これら第1電極41、有機物層42及び第2電極43で構成されている。
第2電極は、保護膜80で被覆されている。この保護膜80により、有機EL素子40を封止し、水分や酸素などとの接触により有機EL素子40が劣化するのを防止している。なお、有機EL素子40を保護膜封止する代わりに、缶封止又はガラス封止してもよい。
絶縁基板10の前面側の主面上には、第2光取り出し層90が配置されている。光取り出し層90は、本態様では、プリズムシートである。
上記の通り、この有機EL表示装置1では、光取り出し層30を、有機EL素子40と隣接するように配置している。このような構造を採用すると、以下に説明するように、有機EL素子40の発光層42aが放出する光を、有機EL表示装置1の外部へと、より高い効率で取り出すことができる。
発光層42aが放出する光の一部は、有機EL素子40のうち第1電極41と有機物層42とを含む部分,ここでは、第1電極41と有機物層42との積層体,内で反射又は全反射を繰り返しながら膜面方向に伝播する。すなわち、発光層42aが放出する光の一部は、第1電極41と有機物層42とからなる導波層内で反射を繰り返しながら膜面方向に伝播する。この膜面方向に伝播する光は、導波層の主面に対する入射角が大きいと、外部に取り出すことができない。
光取り出し層30を有機EL素子40と隣接して配置すると、発光層42aが放出する光の進行方向を変えることができる。そのため、発光層42aが放出する光を、有機EL素子40の外部へと、より高い効率で取り出すことが可能となる。
但し、例え、有機EL素子40からの光の取り出し効率を高めることができたとしても、この光を有機EL表示装置1の外部へと取り出すことができない限り、発光層42aが放出する光を有効利用することはできない。すなわち、発光層42aが放出する光を有効利用するためには、有機EL素子40が放出した光が表示面と外界との界面で反射されて有機EL表示装置1の内部に閉じ込められるのを抑制しなくてはならない。
図1に示すように、絶縁基板10の前面側の主面上に光取り出し層90を配置すると、光取り出し層90に入射した光の進行方向を変えることができる。そのため、有機EL素子40が放出する光を、有機EL表示装置1の外部へと、より高い効率で取り出すことが可能となる。
このように、第1光取り出し層30と第2光取り出し層90とを組み合わせることにより、光の利用効率を著しく高めることができる。しかしながら、この構造を採用すると、以下に説明する表示ボケを生じてしまう。
図2は、図1の有機EL表示装置を簡略化して描いた図である。図3は、図2の構造の一部を拡大して示す図である。
図2において、参照符号100は、有機EL素子40と光取り出し層90との間に介在した層を示し、参照符号91はプリズムシートを構成しているプリズムを示している。また、図2において、有機EL素子40は発光色が互いに等しい。
図3には、1つのプリズム91のみを描いている。図3では、プリズム91の上面側から入射した光は、表示面に対して垂直な方向に出射している。
図2及び図3では、簡略化のため、層100の屈折率は均一であり、層100とプリズム91とは屈折率が互いに等しいことを想定している。
図2に示すように、発光色が互いに等しい有機EL素子40間の最短距離Pが短く且つ光取り出し層90から有機EL素子40までの距離dが長い場合、発光色が同色の有機EL素子40のうち、或る有機EL素子40が放出する光と、これから最も近くに位置した有機EL素子40が放出する光とは、光取り出し層90の背面上で部分的に重なり合う。図2において、参照符号110は、これら光が重なり合った位置を示している。
光取り出し層90は光の進行方向を変えるため、位置110では、或る有機EL素子40が放出する光と、これから最も近くに位置した有機EL素子40が放出する光とが、光取り出し層90を同一方向に出射する可能性がある。この場合、同色の画点が位置110で重なり合い、その結果、表示ボケとして視認されることとなる。
この表示ボケは、例えば、各種数値を以下のように定めることにより、防止することができる。すなわち、光取り出し層90に入射した光の平均屈折角θpと光取り出し層90の平均屈折率npとを用いて下記等式(1)から算出される角度θと、上記の最短距離Pと、上記の距離dとを、それらが、下記不等式(2)に示す関係を満足するように定める。
これら数式について、以下に詳細に説明する。
層100とプリズム91との屈折率が互いに等しい場合、層100とプリズム91との界面に入射する光の入射角と屈折角とは、互いに等しい。図3では、これら入射角及び屈折角を、角度θで表している。
層100とプリズム91との屈折率が互いに等しい場合、層100とプリズム91との界面に入射する光の入射角と屈折角とは、互いに等しい。図3では、これら入射角及び屈折角を、角度θで表している。
プリズム91を出射する光の進行方向が表示面に対して垂直である場合、プリズム91と外界,ここでは空気,との界面に入射した光の屈折角は、プリズム91の頂角と等しい。図3では、これら屈折角及び頂角を、角度θpで表している。
プリズム91と外界との界面に入射した光の入射角θsと屈折角θpとプリズム91の屈折率npとは、下記等式(4)で示す関係を満足している。また、屈折角θと入射角θsと頂角θpとは、下記等式(5)で示す関係を満足している。これら等式(4)及び(5)から、等式(1)を導くことができる。
表示ボケを防止するためには、或る有機EL素子40が放出し且つ層100とプリズム91との界面に入射角θで入射する光と、これから最も近くに位置した有機EL素子40が放出し且つ先の界面に入射角θで入射する光とが、光取り出し層90の背面上で部分的に重なり合うのを防止すればよい。すなわち、最短距離Pと距離dと角度θとが、不等式(2)に示す関係を満足していればよい。したがって、上記のように各種数値を定めることにより、表示ボケを防止することができる。
例えば、平均屈折角θpが45°、平均屈折率npが1.5、最短距離Pが199μmである場合、角度θは約53°となり、距離dは約328μmとなる。したがって、この場合、距離dを328μm以下とすれば、表示ボケを防止することができる。また、この場合、距離dを例えば約300μm以下とすれば、光取り出し層90の形状がばらついていたとしても、表示ボケを防止することができる。
なお、通常、絶縁基板10としては、厚さが0.7mm程度のガラス基板を使用する。したがって、最短距離Pと距離dと角度θとに不等式(2)に示す関係を満足させるべく、例えば、素子形成後に基板10の前面を研磨して、その厚さを減じてもよい。
次に、本発明の第2態様について説明する。
第1態様では、光取り出し層90としてプリズムシートを使用した。これに対し、第2態様では、光取り出し層90として光散乱層を使用する。また、これに伴い、第2態様では、角度θを、以下の等式(3)に従って算出する。これ以外は、第2態様は、第1態様と同様である。
第1態様では、光取り出し層90としてプリズムシートを使用した。これに対し、第2態様では、光取り出し層90として光散乱層を使用する。また、これに伴い、第2態様では、角度θを、以下の等式(3)に従って算出する。これ以外は、第2態様は、第1態様と同様である。
図4は、本発明の第2態様に係る有機EL表示装置を簡略化して描いた図である。図4に示す有機EL表示装置1は、光取り出し層90として、光散乱層を使用している。この光取り出し層90は、光透過性の第1部分92と、これとは光学特性が異なる第2部分93とを含んでいる。例えば、第2部分93は、第1部分92中で分散している。また、例えば、第1部分92と第2部分93とは、屈折率が異なっている。
本態様でも、最短距離Pと距離dと角度θとを、それらが不等式(2)に示す関係を満足するように定めることにより、表示ボケを防止することができる。
なお、本態様では、平均屈折率npは、例えば、第1部分92の屈折率と、第2部分93の屈折率と、それらの体積比とから算出することができる。また、平均屈折角θpは、以下のように定義される。
図5は、図4の光取り出し層90を拡大して示す断面図である。図6は、図5の光取り出し層90を出射する光の強度の例を示すグラフである。
図6に示すデータは、図5に示すように、光取り出し層90にその膜面に垂直な方向から光を照射したときに、先の膜面の法線に対して角度θを為す方向に出射する透過光の強度を示している。光強度の極大値をP0とすると、平均屈折角θpは、光強度がP0/2となる角度θとして求めることができる。
第1及び第2態様において、有機EL素子40の配列形式に特に制限はない。例えば、有機EL素子40の配列には、デルタ配列やストライプ配列を採用することができる。
図7は、第1及び第2態様に係る有機EL表示装置で採用可能な配列構造の一例を概略的に示す平面図である。図8は、第1及び第2態様に係る有機EL表示装置で採用可能な配列構造の他の例を概略的に示す平面図である。図7及び図8には、有機EL素子40の配列を示しており、発光色が青、緑、赤色の有機EL素子40には、それぞれ、参照符号B、G、Rを付している。
図7では、有機EL素子40の配列に、デルタ配列を採用している。図8では、有機EL素子40の配列に、ストライプ配列を採用している。図7及び図8から明らかなように、デルタ配列は、ストライプ配列と比較して、最短距離Pを長くするうえで有利である。
第1及び第2態様では、有機EL表示装置1を下面発光型としたが、有機EL表示装置1は上面発光型としてもよい。例えば、第2電極43を光透過性にすると共に、平坦化層19と光取り出し層30との間に反射層を配置してもよい。この場合、有機EL素子40は保護膜封止してもよく、或いは、ガラス封止してもよい。
有機EL表示装置1を上面発光型とし且つ有機EL素子40を保護膜封止する場合、保護膜80は光透過性とし、光取り出し層90は保護膜80上に配置する。この場合、光透過層である保護膜80は、無機単層膜であってもよく、無機多層膜であってもよく、無機物層と有機物層との多層膜であってもよい。
他方、有機EL表示装置1を上面発光型とし且つ有機EL素子40をガラス封止する場合、保護膜80は必ずしも設ける必要はなく、光取り出し層90は封止基板の前面上に配置する。
1…有機EL表示装置、10…絶縁基板、12…アンダーコート層、13…半導体層、14…ゲート絶縁膜、15…ゲート電極、17…層間絶縁膜、18…パッシベーション膜、19…平坦化層、20…出力制御スイッチ、21…ソース・ドレイン電極、30…光取り出し層、31…第1部分、32…第2部分、40…有機EL素子、41…第1電極、42a…発光層、42b…バッファ層、43…第2電極、50…隔壁絶縁層、80…保護膜、90…光取り出し層、91…プリズム、92…第1部分、93…第2部分、100…層、110…位置。
Claims (7)
- 二次元的に配列した複数の有機EL素子と、
前記複数の有機EL素子の前面側に配置された光透過層と、
前記光透過層の前面上に配置され、前記光透過層に入射した有機EL素子からの光を前記光透過層の前面側へと取り出す光取り出し層とを具備し、
前記光取り出し層はプリズムシートであり、
前記光取り出し層に入射した光の平均屈折角θpと前記光取り出し層の平均屈折率npとを用いて下記等式(1)から算出される角度θと、前記複数の有機EL素子のうち発光色が互いに等しいものの間の最短距離Pと、前記光透過層の前面から前記有機EL素子までの距離dとは、下記不等式(2)に示す関係を満足していることを特徴とする有機EL表示装置。
- 二次元的に配列した複数の有機EL素子と、
前記複数の有機EL素子の前面側に配置された光透過層と、
前記光透過層の背面側に配置されると共に前記有機EL素子と隣接し、前記有機EL素子の内部で繰返し反射干渉しながら膜面方向に伝播している光を前記有機EL素子の前面側へと取り出す第1光取り出し層と、
前記光透過層の前面上に配置され、前記光透過層に入射した有機EL素子からの光を前記光透過層の前面側へと取り出す第2光取り出し層とを具備し、
前記第2光取り出し層はプリズムシートであり、
前記第2光取り出し層に入射した光の平均屈折角θpと前記第2光取り出し層の平均屈折率npとを用いて下記等式(1)から算出される角度θと、前記複数の有機EL素子のうち発光色が互いに等しいものの間の最短距離Pと、前記光透過層の前面から前記有機EL素子までの距離dとは、下記不等式(2)に示す関係を満足していることを特徴とする有機EL表示装置。
- 二次元的に配列した複数の有機EL素子と、
前記複数の有機EL素子の前面側に配置された光透過層と、
前記光透過層の背面側に配置されると共に前記有機EL素子と隣接し、前記有機EL素子の内部で繰返し反射干渉しながら膜面方向に伝播している光を前記有機EL素子の前面側へと取り出す第1光取り出し層と、
前記光透過層の前面上に配置され、前記光透過層に入射した有機EL素子からの光を前記光透過層の前面側へと取り出す第2光取り出し層とを具備し、
前記第2光取り出し層は光散乱層であり、
前記第2光取り出し層に入射した光の平均屈折角θpと前記第2光取り出し層の平均屈折率npとを用いて下記等式(3)から算出される角度θと、前記複数の有機EL素子のうち発光色が互いに等しいものの間の最短距離Pと、前記光透過層の前面から前記有機EL素子までの距離dとは、下記不等式(2)に示す関係を満足していることを特徴とする有機EL表示装置。
- 前記光透過層はガラス基板を含んだことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
- 前記光透過層は、無機多層膜からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
- 前記光透過層は、無機物層と有機物層との多層膜からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
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