JP2006099964A - 熱変色性電気コード - Google Patents

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Abstract

【課題】 芯線の発熱を簡便且つ明瞭に視認することができ、断線や過電流の早期発見が可能な安全性に優れた熱変色性電源コードを提供する。
【解決手段】 芯線を被覆する絶縁材料100重量部に対して、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を1乃至20重量部含有してなり、且つ、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が0.5乃至50μmである熱変色性電気コード、或いは、芯線を被覆する絶縁被覆体表面に可逆熱変色層を設けてなり、前記可逆熱変色層は、バインダー樹脂100重量部に対して、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を1乃至20重量部含有してなり、且つ、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が0.5乃至50μmの層である熱変色性電気コード。
【選択図】 図1

Description

本発明は熱変色性電気コードに関する。更に詳細には、各種電気機器に使用される電気コードの断線を簡便に確認できる熱変色性電気コードに関する。
従来より、熱変色性材料を適用する電気コードに関して、幾つかの提案が開示されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
前記提案のうち、実用新案登録第2602442号公報に記載された考案は、電線やケーブルの表面に可逆熱変色性材料含むインキや塗料をマーキングすることにより、使用電力以上の電流が電線に流れた際の発熱を視認できるものであり、特許第3057416号公報に記載された発明は芯線の外周に可逆熱変色性の合成樹脂層を設けることにより、温度上昇を視認できるものであり、特開2002−304919号公報に記載された発明は、ケーブル表面に可逆熱変色性材料を含む帯状成形体と、不可逆性熱変色性材料を含む帯状成形体を設けることにより、ケーブル全長にわたって温度を確認できるものである。
実用新案登録第2602442号公報 特許第3057416号公報 特開2002−304919号公報
前記提案は、許容量以上の電気がコードに流れて発熱したり、或いは、部分断線や接触不良箇所から発熱する現象を視認できるようにしたものであるが、これらの電気コードは可逆熱変色性材料の変色による視認性を十分に満足させるものではなかった。
本発明者らは、可逆熱変色性材料の変色を明瞭に視認できる熱変色性電気コードを提供しようとするものである。
本発明は、芯線を絶縁被覆体で被覆してなる電気コードであって、前記絶縁被覆体を構成する絶縁材料100重量部に対して、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を1乃至20重量部含有してなり、且つ、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が0.5乃至50μmである熱変色性電気コード、或いは、芯線を絶縁被覆体で被覆し、絶縁被覆体表面に可逆熱変色層を設けてなる電気コードであって、前記可逆熱変色層は、バインダー樹脂100重量部に対して、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を1乃至20重量部含有してなり、且つ、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が0.5乃至50μmの層である熱変色性電気コードを要件とする。
更には、前記絶縁被覆体と可逆熱変色層の間に支持体を介在させてなること、前記絶縁被覆体と支持体の間に粘着層を介在させてなること、電気コード表面にコードアーマを備えてなり、前記コードとコードアーマの境界近傍の絶縁被覆体表面に可逆熱変色層を設けてなること、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の粒子分布が、50μmを越える粒子が全マイクロカプセル顔料の5%未満であり、且つ、0.5μm未満の粒子が全マイクロカプセル顔料の5%未満であること、完全消色温度が35℃以上であり、且つ、完全発色温度が20℃以下の加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料、或いは、完全発色温度が35℃以上であり、且つ、完全消色温度が20℃以下の加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を用いてなること、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と、完全消色温度が35℃以上であり、且つ、完全発色温度は完全消色温度と10℃以下の差である加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料、或いは、完全発色温度が35℃以上であり、完全消色温度は完全発色温度と10℃以下の差である加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料とを併用してなること等を要件とする。
本発明は、絶縁被覆体中、或いは、可逆熱変色層中に含まれる可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の添加量と平均粒子径を特定することにより、芯線の発熱を簡便且つ明瞭に視認することができ、断線や過電流の早期発見が可能な安全性に優れた熱変色性電気コードを提供できる。
本発明の電気コードは、内部に金属等の導電性芯線を有し、該芯線表面を塩化ビニル樹脂等の絶縁材料で被覆して絶縁被覆体を設けたヘアドライヤーや電気剃刀等の電気機器と一体式又は取り外し式のコード、或いは、延長コードを例示できる。
前記電気コードは、絶縁被覆体が外部に露出したタイプの場合は、絶縁被覆体中に可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含有させたり、絶縁被覆体表面に可逆熱変色層を設けることが可能である。
なお、袋打ちコードの場合は、表面を覆っている繊維に可逆熱変色層を設ける構成の他、繊維中に可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含浸させる構成、繊維自体を可逆熱変色性フィラメントで形成する構成が挙げられる。
前記可逆熱変色層、或いは、絶縁材料中に含まれる可逆熱変色性マイクロカプセル顔料としては、従来より公知の(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させたものが有効であり、発色状態からの加熱により消色する加熱消色型のマイクロカプセル顔料としては特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載のものが利用できる。
前記顔料は所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、完全消色温度以上の温度域で消色状態、完全発色温度以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔHA =1〜7℃)を有する(図2参照)。
又、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔHB =8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t1 )以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t4 )以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t2 〜t3 の間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で色彩を記憶保持できる可逆熱変色性組成物を内包した加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる(図3参照)。
なお、本出願人が先に出願した(ハ)成分として一般式(1)で示されるエステル化合物を用いた色濃度−温度曲線に関して広いヒステリシス幅(40〜70℃)を示して変色する加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
Figure 2006099964
前記エステル化合物は、分子内に芳香環を2個有するアルコール化合物と、炭素数4以上の飽和又は不飽和脂肪酸とから構成されるエステル化合物である。
式中のRは炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数6〜20のアルキル基、更に好ましくは炭素数8〜18のアルキル基である。
前記化合物として具体的には、ブタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、エイコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリアコンタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘントリアコンタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチルを例示できる。
更に、加熱発色型のマイクロカプセル顔料として、電子受容性化合物として炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物を適用した系(特開平11−129623号公報、特開平11−5973号公報)、特定のヒドロキシ安息香酸エステルを適用した系(特開2001−105732号公報)、没食子酸エステル等を適用した系(特公昭51−44706号公報、特開2003−253149号公報)等を適用することもできる(図4参照)。
ここで、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料自体、或いは、マイクロカプセル顔料以外(可逆熱変色層や絶縁被覆体)に非熱変色性の染料、顔料等の着色剤を含有させて、有色(1)から有色(2)への互変的色変化を呈する構成となすこともできる。
なお、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料のうち、完全消色温度が35℃以上であり、且つ、完全着色温度が20℃以下の色彩記憶性を有する加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料、或いは、完全発色温度が35℃以上であり、且つ、完全消色温度が20℃以下の色彩記憶性を有する加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を用いると、コードを取り扱う際に体温で変色することなく、しかも、通電状態で断線部分が発熱して当該部分が変色した状態を室温下で記憶保持できるため、コードを非通電状態にして発熱しない状態に戻しても断線部分が確認できるため、修理や取り換えが容易となる。
更に、完全消色温度が35℃以上であり、且つ、完全着色温度が20℃以下の加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料、或いは、完全発色温度が35℃以上であり、且つ、完全消色温度が20℃以下の加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と、完全消色温度が35℃以上であり、且つ、完全発色温度は完全消色温度と10℃以下の差である加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料、或いは、完全発色温度が35℃以上であり、完全消色温度は完全発色温度と10℃以下の差である加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料とを併用することによって、通電状態で断線部分が発熱して当該部分が変色した状態を室温下で記憶保持できるのみならず、コードを非通電状態にした際に一方の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発消色するため、変色部分は通電状態とは異なった色調を呈する。
従って、変色部分に再度通電すれば前記マイクロカプセル顔料が再び発消色して当該箇所の断線を確認できる。これは、アイロンやドライヤー等の外部の熱が加わったことにより変色したか否かを確認する方法であって、再度通電して変色させることで不良個所か否かを厳密に確認することができるようにしたものである。
仮に、外部の熱が加わって変色したものであれば、氷やコールドスプレー等の冷却手段を適用して元の状態に戻して再使用することができる。
前記可逆熱変色性組成物のマイクロカプセル化に関しては、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等の方法により調製される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記マイクロカプセル顔料は、円形断面の形態であっても非円形断面の形態であってもよい。
可逆熱変色性組成物の壁膜に対する比率が大きくなると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を起こし、逆に、壁膜の可逆熱変色性組成物に対する比率が大きくなると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を免れず、よって、可逆熱変色性組成物/壁膜=6/1〜1/1(重量比)が好適である。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、平均粒子径が0.5乃至50μm、好ましくは0.5乃至30μmである。
平均粒子径が0.5μm未満では、高濃度の発色性を示し難くなり、色変化を明瞭に視認でき難くなる。また、50μmを越えると可逆熱変色性インキや塗料の調製、絶縁材料への混練時にマイクロカプセル顔料の分散安定性や加工適性を損ない易く、しかも、形成した可逆熱変色層や絶縁被覆体は発消色の均一性に欠けると共に色むらを生じて色変化を判別し難くなる。
更に、前記平均粒子径において、50μmを越える粒子が全マイクロカプセル顔料の5%未満であり、且つ、0.5μm未満の粒子が全マイクロカプセル顔料の5%未満であることがより好ましい。
これは、0.5μm未満の粒子が全マイクロカプセル顔料の5%を越えると、色濃度の薄いマイクロカプセル顔料が多く含まれることから、所望の色濃度を発現でき難いと共に、カプセルの皮膜強度にも乏しく、カプセルの破裂により内包成分が流出し、絶縁被覆体の物性を変化させたり、染み出しを生じる等、被覆性能を損なう虞があるからである。
一方、50μmを越える粒子が全マイクロカプセル顔料の5%未満を越えると、発消色過程での色変化の均一性に欠けると共に、可逆熱変色層や絶縁被覆体にざらつきを生じて商品の見栄えを損ない易くなる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料をビヒクル中に分散したインキや塗料を用いて、前記した従来より公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により絶縁被覆体表面に可逆熱変色層を形成、或いは、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を、絶縁材料中にブレンドして絶縁被覆体を形成する。
前記可逆熱変色層、或いは、絶縁被覆体中に含まれるマイクロカプセル顔料は、絶縁材料又はバインダー樹脂100重量部に対して、1乃至20重量部配合してなる。
1重量部未満では所望の色変化を発現でき難く、また、20重量部を越えると強度が弱くなる等、可逆熱変色層や絶縁被覆体の性能を維持でき難くなる。
前記絶縁被覆体表面に可逆熱変色層を設ける場合、該被覆体表面に直接可逆熱変色層を設ける構成の他、被覆体と可逆熱変色層の間に支持体を介在させる構成であってもよい。
これを具体的に説明すると、絶縁被覆体と支持体の間に粘着層を介在させる構成、即ち、支持体の表面に可逆熱変色層、裏面に粘着層を設けたラベルやテープを絶縁被覆体に貼着する構成が挙げられる。
更に、熱収縮性を有するプラスチックフィルムに可逆熱変色層を設け(シュリンクフィルム)、絶縁被覆体に巻き付けた後、熱を加えることによりプラスチックフィルムを熱収縮させて絶縁被覆体に固定する構成であってもよい。
なお、可逆熱変色層を設ける部位としては、電気コードの屈曲し易い部位が好適であり、電気機器本体とコードの接合部近傍や、コードとプラグの接合部近傍が好ましい。
更に、電気コード表面に屈曲を抑制するコードアーマを備える場合は、コードとコードアーマの境界近傍の絶縁被覆体表面に可逆熱変色層を設けることが好ましい。
前記のようにして得られるコードの表面には所望によりトップコート層を設けて耐久性や耐水性を向上させることもできる。
更に、前記したコードの最上層、或いは、各層間に光安定剤層を適宜設けることもできる。具体的には、前記光安定剤層は紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消色剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤から選ばれる光安定剤を分散状態に固着した層であり、前記した可逆熱変色層の調製に準じて形成できる。
次に、具体的に実施例を示す。実施例中の部は重量部である。
実施例1
芯線を白色樹脂(絶縁材料)によって被覆して絶縁被覆体を設けた電気コード表面に、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、ビスフェノールA4部、ステアリルアルコール25部、ドデカン酸オクタデシル25部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(40℃以上で無色、38℃以下で青色、平均粒子径8μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子2%)10部、アクリル樹脂トルエン溶液(固形分50%)168部、消泡剤1部からなる可逆熱変色性インキを用いて、スクリーン印刷を施して可逆熱変色層を設け、熱変色性電気コードを得た。
前記可逆熱変色層中のバインダー樹脂100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は11.9重量部であった。
なお、前記電気コードの一端にはヘアドライヤーを接合してなり、且つ、他端にはプラグを接合してなる。
前記電気コードに通電させてヘアドライヤーを使用する際、室温下で青色を呈しているコードに断線末期症状の箇所が存在すると、当該箇所の可逆熱変色層が明瞭な白色に変色して断線の危険を早期に発見することができ、安全性に優れた熱変色性電気コードであった。
実施例2
芯線表面に、白色塩化ビニル樹脂(絶縁材料)150部中に3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、ビスフェノールA4部、ベヘニルアルコール25部、ステアリン酸ステアリル25部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(50℃以上で無色、45℃以下で青色、平均粒子径10μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子3%)10部が混合された絶縁被覆体を設けて熱変色性電気コードを得た。
前記絶縁被覆体中の絶縁材料100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は6.7重量部であった。
なお、前記電気コードの一端には電動歯ブラシを接合してなり、且つ、他端にはプラグを接合してなる。
前記電気コードに通電させて歯ブラシを使用する際、室温下で青色を呈しているコードに断線末期症状の箇所が存在すると、当該箇所の絶縁被覆体は明瞭な白色に変色して断線の危険を早期に発見することができ、安全性に優れた熱変色性電気コードであった。
実施例3
芯線表面に、透明性塩化ビニル樹脂(絶縁材料)150部中に、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン2部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン4部、ステアリン酸シクロヘキシルメチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(40℃以上で無色、15℃以下でピンク色、平均粒子径8μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子1%)10部、紫外線吸収剤1部が混合された絶縁被覆体を設けて熱変色性電気コードを得た。前記絶縁被覆体中の絶縁材料100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は6.7重量部であった。
なお、前記電気コードの一端には扇風機を接合してなり、且つ、他端にはプラグを接合してなる。
前記電気コードに通電させて扇風機を使用する際、室温下でピンク色を呈しているコードに断線末期症状の箇所が存在すると、当該箇所の絶縁被覆体は明瞭な透明に変化して断線の危険を早期に発見することができ、しかも、通電を止めても透明状態を維持して不良個所を確認できた。
また、外部からの熱により誤って消色した場合や再度確認したい場合は氷やコールドスプレー等の冷却方法により元のピンク色に戻すことができる利便性に優れた熱変色性電気コードであった。
実施例4
芯線表面に、ピンク色塩化ビニル樹脂(絶縁材料:塩化ビニル基材95部、ピンク色顔料4部、白色顔料1部、可塑剤45部、安定剤4部、光安定剤1部)150部中に、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン4部、カプリン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(55℃以上で無色、−5℃以下で青色、平均粒子径5μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子1%)15部、紫外線吸収剤1部が混合された絶縁被覆体を設けて熱変色性電気コードを得た。
前記絶縁被覆体中の絶縁材料100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は10重量部であった。
なお、前記電気コードの一端には掃除機を接合してなり、且つ、他端にはプラグを接合してなる。
前記電気コードに通電させて掃除機を使用する際、室温下で紫色を呈しているコードに断線末期症状の箇所が存在すると、当該箇所の絶縁被覆体は明瞭なピンク色に変色して断線の危険を早期に発見することができ、しかも、通電を止めてもピンク色を維持して不良個所を確認できた。
また、外部からの熱により誤って変色した場合や再度確認したい場合は氷やコールドスプレー等の冷却方法により元の紫色に戻すことができる利便性に優れた熱変色性電気コードであった。
実施例5
芯線表面に、青色塩化ビニル樹脂(絶縁材料:塩化ビニル基材98部、青色顔料1部、白色顔料1部、可塑剤45部、安定剤4部、光安定剤1部)150部中に、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン2部、ビスフェノールA4部、ベヘニルアルコール25部、ステアリン酸ステアリル25部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(50℃以上で無色、45℃以下で橙色、平均粒子径8μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子2%)7部、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン2部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン4部、カプリン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(55℃以上で無色、−5℃以下でピンク色、平均粒子径10μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子3%)8部、紫外線吸収剤1部が混合された絶縁被覆体を設けて熱変色性電気コードを得た。
前記絶縁被覆体中の絶縁材料100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は11.3重量部であった。
なお、前記電気コードの一端には電気剃刀を接合してなり、且つ、他端にはプラグを接合してなる。
前記電気コードに通電させて電気剃刀を使用する際、室温下で赤茶色を呈しているコードに断線末期症状の箇所が存在すると、当該箇所の絶縁被覆体は明瞭な青色に変色して断線の危険を早期に発見することができ、しかも、通電を止めても不良個所は茶色に変色して良好個所(非発熱個所:赤茶色)との差が視認可能であった。
また、外部からの熱により誤って変色した場合は、再び通電することにより茶色に変色た部分が青色に変色するため、断線末期症状を厳密に確認することができた。
更に、再度確認したい時は氷やコールドスプレー等の冷却方法により元の赤茶色に戻る利便性に優れた熱変色性電気コードであった。
実施例6(図1参照)
芯線を白色樹脂(絶縁材料)により被覆して絶縁被覆体2を設けた電気コードの一端にコンセント部3及びコードアーマー4を接合してなり、且つ、他端にはプラグ5とコードアーマ4を接合してなる電気コードの前記プラグ側のコードアーマーの端から10cmまでの部分に、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン2部、1,1ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン4部、ステアリン酸シクロヘキシルメチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(40℃以上で無色、15℃以下でピンク色、平均粒子径8μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子1%)10部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂52部、キシレン150部、酢酸ブチル200部、紫外線吸収剤1部、粘度調整剤1部からなる可逆熱変色性インキを用いて、スプレー塗装を施して可逆熱変色層6を設け、延長用熱変色性電気コード1得た。
前記可逆熱変色層中のバインダー樹脂100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は19.2重量部であった。
前記電気コードにパソコンのプラグを接続して使用する際、室温下でピンク色を呈している可逆熱変色層を設けた部分に断線末期症状の箇所が存在すると、当該箇所の可逆熱変色層が明瞭な白色に変色して断線の危険を早期に発見することができ、しかも、通電を止めても白色を維持して不良個所を確認できた。
また、外部からの熱により誤って変色した場合や再度確認したい場合は氷やコールドスプレー等の冷却方法により元のピンク色に戻すことができる利便性に優れた熱変色性電気コードであった。
実施例7
芯線を透明性樹脂(絶縁材料)によって被覆して絶縁被覆体を設けた電気コード表面に、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、1,1ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン4部、ステアリン酸シクロヘキシルメチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(40℃以上で無色、15℃以下で青色、平均粒子径10μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子2%)10部、ピンク色顔料1部、白色顔料2部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂52部、キシレン150部、酢酸ブチル200部、紫外線吸収剤1部、粘度調整剤1部からなる可逆熱変色性インキを用いて、スプレー塗装を施して可逆熱変色層を設け、熱変色性電気コードを得た。
前記可逆熱変色層中のバインダー樹脂100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は19.2重量部であった。
なお、前記電気コードの一端には冷蔵庫を接合してなり、且つ、他端にはプラグを接合してなる。
前記電気コードに通電させて冷蔵庫を使用する際、室温下で紫色を呈しているコードに断線末期症状の箇所が存在すると、当該箇所の可逆熱変色層が明瞭なピンク色に変色して断線の危険を早期に発見することができ、しかも、通電を止めてもピンク色を維持して不良個所を確認できた。
また、外部からの熱により誤って変色した場合や再度確認したい場合は氷やコールドスプレー等の冷却方法により元の紫色に戻すことができる利便性に優れた熱変色性電気コードであった。
実施例8
芯線を白色樹脂(絶縁材料)によって被覆して絶縁被覆体を設けた電気コード表面に、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン2部、ビスフェノールA4部、ベヘニルアルコール25部、ステアリン酸ステアリル25部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(50℃以上で無色、45℃以下でピンク色、平均粒子径20μm、0.5μm未満の粒子0.5%、50μmを越える粒子3%)5部、2−ジベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン1部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン4部、カプリン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(55℃以上で無色、−5℃以下で緑色、平均粒子径5μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子1%)5部、黄色顔料1部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂52部、キシレン150部、酢酸ブチル200部、紫外線吸収剤1部、粘度調整剤1部からなる可逆熱変色性インキを用いて、スプレー塗装を施して可逆熱変色層を設け、熱変色性電気コードを得た。
前記可逆熱変色層中のバインダー樹脂100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は19.2重量部であった。
なお、前記電気コードの一端にはヘアカーラーを接合してなり、且つ、他端にはプラグを接合してなる。
前記電気コードに通電させてヘアカーラーを使用する際、室温下で黒色を呈しているコードに断線末期症状の箇所が存在すると、当該箇所の可逆熱変色層は明瞭な黄色に変色して断線の危険を早期に発見することができ、しかも、通電を止めても不良個所は赤色に変色して良好個所(非発熱個所:黒色)との差が視認可能であった。
また、外部からの熱により誤って変色した場合は、再び通電することにより赤色に変色た部分が黄色に変色するため、断線末期症状を厳密に確認することができた。
更に、再度確認したい時は氷やコールドスプレー等の冷却方法により元の黒色に戻る利便性に優れた熱変色性電気コードであった。
実施例9
合成紙の裏面にアクリル系樹脂粘着層が配設された支持体表面に、3−(2−エトキシ−4−エチルアニリノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1.5部、p−n−オクチルオキシフェノール5部、p−n−ヘプチルオキシフェノール5部、n−エイコサン30部、紫外線吸収剤2部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(40℃以上で青色、16℃以下で無色、平均粒子径10μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子2%)2部、ピンク色顔料0.1部、アクリル系エマルジョン(固形分40%)30部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部からなる印刷インキを用いてスクリーン印刷により全面印刷を行い、乾燥させて熱変色性ラベルを得た。
前記熱変色性ラベルの粘着層側を、芯線を白色樹脂(絶縁材料)により被覆して絶縁被覆体を設けた電気コードの一端にコンセント部及びコードアーマーを接合してなり、且つ、他端にはプラグとコードアーマを接合してなる電気コードの前記プラグ側のコードアーマーの端から10cmまでの部分と、コンセント部側のコードアーマーの端から10cmまでの部分に貼着し、可逆熱変色層を設けて延長用の熱変色性電気コードを得た。
前記可逆熱変色層中のバインダー樹脂100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は16.7重量部であった。
前記電気コードにテレビのプラグを接続して使用する際、室温下でピンク色を呈する可逆熱変色層を設けた部分に断線末期症状の箇所が存在すると、当該箇所の可逆熱変色層は明瞭な紫色に変色して断線の危険を早期に発見することができ、安全性に優れた熱変色性電気コードであった。
実施例10
ポリエステル系シュリンクフィルム表面に、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、1,1ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン4部、ステアリン酸シクロヘキシルメチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(40℃以上で無色、15℃以下で青色、平均粒子径4μm、0.5μm未満の粒子3%、50μmを越える粒子0.5%)2部、ピンク色顔料0.1部、アクリル系エマルジョン(固形分40%)30部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部からなる印刷インキを用いてグラビア印刷により全面印刷を行い、乾燥させて熱変色性シュリンクフィルムを得た。
前記熱変色性シュリンクフィルムを、芯線を白色樹脂(絶縁材料)により被覆して絶縁被覆体を設けた電気コードの一端にコンセント部及びコードアーマーを接合してなり、且つ、他端にはプラグとコードアーマを接合してなる電気コードの前記コンセント部側のコードアーマーの端から10cmまでの部分に巻きつけ、更に、100℃で10秒間加温してフィルムを収縮させ、可逆熱変色層を設けて延長用の熱変色性電気コードを得た。
前記可逆熱変色層中のバインダー樹脂100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は16.7重量部であった。
前記電気コードに電気ストーブのプラグを接続して使用する際、室温下で紫色を呈している可逆熱変色層を設けた部分に断線末期症状の箇所が存在すると、当該箇所の可逆熱変色層は明瞭なピンク色に変色して断線の危険を早期に発見することができ、安全性に優れた熱変色性電気コードであった。
実施例11
コート紙の裏面にアクリル系樹脂粘着層が配設された支持体表面に、ピンク色顔料0.1部、アクリル系エマルジョン(固形分40%)30部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部からなる印刷インキを用いてスクリーン印刷によりドット柄を設けて非変色層を形成した。
次いで、前記非変色層上に、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン1部、ビスフェノールA4部、ステアリン酸シクロヘキシルメチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(40℃以上で無色、15℃以下で黒色、平均粒子径15μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子2%)2部、アクリル系エマルジョン(固形分40%)30部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部からなる印刷インキを用いてスクリーン印刷により全面印刷を行なって熱変色性ラベルを得た。
前記熱変色性ラベルの粘着層側を、芯線を白色樹脂(絶縁材料)により被覆した絶縁被覆体表面に間隔を開けて貼着し、可逆熱変色層を設けて電気コードを得た。
前記可逆熱変色層中のバインダー樹脂100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は16.7重量部であった。
なお、前記電気コードの一端にはエアコンを接合してなり、且つ、他端にはプラグを接合してなる。
前記電気コードに通電させてエアコンを使用する際、室温下で黒色を呈している可逆熱変色層を設けた部分に断線末期症状の箇所が存在すると、当該箇所の可逆熱変色層は明瞭なピンク色のドット柄に変色して断線の危険を早期に発見することができ、安全性に優れた熱変色性電気コードであった。
実施例12
芯線を白色樹脂(絶縁材料)によって被覆して絶縁被覆体を設け、更に赤布糸及び白布糸で織り込み白と赤の縞模様となった布を被覆した電気コード表面に、アクリル系エマルジョン(固形分40%)30部中に2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン1部、ビスフェノールA4部、ステアリン酸シクロヘキシルメチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(40℃以上で無色、15℃以下で黒色、平均粒子径15μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子2%)2部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部が混合された印刷インキをスクリーン印刷により全面印刷を行い、電気コードを得た。
前記電気コード中のバインダー樹脂100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は16.7重量部であった。
なお、前記電気コードの一端には電気こたつを接合してなり、且つ、他端にはプラグを接合してなる。
前記電気コードに通電させてこたつを使用する際、室温下で黒色を呈しているコードに断線末期症状の箇所が存在すると、該箇所の絶縁被覆体は明瞭な赤及び白の縞柄に変色して断線の危険を早期に発見することができ、安全性に優れた熱変色性電気コードであった。
比較例1
芯線表面に、白色塩化ビニル樹脂(絶縁材料)150部中に3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、ビスフェノールA4部、ベヘニルアルコール25部、ステアリン酸ステアリル25部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(50℃以上で無色、45℃以下で青色、平均粒子径100μm、0.5μm未満の粒子0%、50μmを越える粒子80%)10部が混合された絶縁被覆体を設けて電気コードを得た。
前記絶縁被覆体中の絶縁材料100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は6.7重量部であった。
なお、前記電気コードの一端にはヘアドライヤーを接合してなり、且つ、他端にはプラグを接合してなる。
前記電気コードに通電させてヘアドライヤーを使用する際、室温下で青色を呈しているコードに断線末期症状の箇所が存在すると、該箇所の絶縁被覆体は明瞭な白色に変色したが、発色時及び消色時の色が均一ではなく、色変化がわかり難いものであった。
比較例2
芯線を白色樹脂(絶縁材料)によって被覆して絶縁被覆体を設けた電気コード表面に、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、ビスフェノールA4部、ステアリルアルコール25部、ドデカン酸オクタデシル25部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(40℃以上で無色、38℃以下で青色、平均粒子径30μm、0.5μm未満の粒子1%、50μmを越える粒子30%)10部を、バインダー樹脂としてアクリル樹脂トルエン溶液(固形分50%)84部、消泡剤1部を含有するビヒクル中に均一に分散した可逆熱変色性インキを用いて、スクリーン印刷を施して可逆熱変色層を設け、熱変色性電気コードを得た。
前記可逆熱変色層中のバインダー樹脂100重量部に対して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は11.9重量部であった。
なお、前記電気コードの一端にはヘアドライヤーを接合してなり、且つ、他端にはプラグを接合してなる。
前記電気コードに通電させてヘアドライヤーを使用する際、室温下で青色を呈しているコードに断線末期症状の箇所が存在すると、該箇所の可逆熱変色層が明瞭な白色に変色したが、発色時及び消色時の色が均一ではなく、色変化がわかり難いものであった。
本発明の熱変色性電気コードの一実施例の説明図である。 加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 色彩記憶性を有する加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。
符号の説明
1 熱変色性電気コード
2 絶縁被覆体
3 コンセント部
4 コードアーマ
5 プラグ
6 可逆熱変色層
1 加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全発色温度
2 加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色開始温度
3 加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の消色開始温度
4 加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全消色温度
1 加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全消色温度
2 加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の消色開始温度
3 加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色開始温度
4 加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全発色温度

Claims (8)

  1. 芯線を絶縁被覆体で被覆してなる電気コードであって、前記絶縁被覆体を構成する絶縁材料100重量部に対して、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を1乃至20重量部含有してなり、且つ、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が0.5乃至50μmである熱変色性電気コード。
  2. 芯線を絶縁被覆体で被覆し、絶縁被覆体表面に可逆熱変色層を設けてなる電気コードであって、前記可逆熱変色層は、バインダー樹脂100重量部に対して、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を1乃至20重量部含有してなり、且つ、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が0.5乃至50μmの層である熱変色性電気コード。
  3. 前記絶縁被覆体と可逆熱変色層の間に支持体を介在させてなる請求項2記載の熱変色性電気コード。
  4. 前記絶縁被覆体と支持体の間に粘着層を介在させてなる請求項3記載の熱変色性電気コード。
  5. 電気コード表面にコードアーマを備えてなり、前記コードとコードアーマの境界近傍の絶縁被覆体表面に可逆熱変色層を設けてなる請求項2乃至4のいずれかに記載の熱変色性電気コード。
  6. 前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の粒子分布が、50μmを越える粒子が全マイクロカプセル顔料の5%未満であり、且つ、0.5μm未満の粒子が全マイクロカプセル顔料の5%未満である請求項1又は2記載の熱変色性電気コード。
  7. 完全消色温度が35℃以上であり、且つ、完全発色温度が20℃以下の加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料、或いは、完全発色温度が35℃以上であり、且つ、完全消色温度が20℃以下の加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を用いてなる請求項1又は2記載の熱変色性電気コード。
  8. 前記完全消色温度が35℃以上であり、且つ、完全発色温度が20℃以下の加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料、或いは、完全発色温度が35℃以上であり、且つ、完全消色温度が20℃以下の加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と、完全消色温度が35℃以上であり、且つ、完全発色温度は完全消色温度と10℃以下の差である加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料、或いは、完全発色温度が35℃以上であり、完全消色温度は完全発色温度と10℃以下の差である加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料とを併用してなる請求項7記載の熱変色性電気コード。
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