JP2006098731A - 光導波路の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光導波路の製造における製造工程を更に簡易化できる技術を提供することにある。
【解決手段】 コア部とクラッド部を有する光導波路の製造方法において、コア部及びクラッド部の少なくとも一方の形成に、有機材料の除去のためのレーザー加工処理を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明はレーザー加工を利用した光導波路の製造方法に関する。
近年、光通信システムやコンピュータにおける情報処理の大容量化および高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目されている。このような光導波路としては、石英系導波路が代表的であるが、特殊な製造装置が必要であるとともに、製造時間が長くかかるなどの問題があった。
そこで、各種の樹脂材料を用いて光導波路を製造するための技術開発が盛んに行なわれている。例えば、特開2003−195081号公報には、下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層からなる光導波路であって、下部クラッド層およびコア部分の少なくとも1つをドライフィルムを用いて形成することを特徴とする光導波路の形成方法が開示されている。また、特開平10−307226号公報には、高分子クラッド基板表面に形成された溝部の中に、硬化させると高分子クラッド基板より屈折率が高くなるコア材料をモノマー状態で注入した後、モノマー状態のコア材料を硬化させる高分子光導波路の製造方法において、高分子クラッド基板4表面の溝部の内部壁面にコーティング層を形成した後に、モノマー状態のコア材料を注入する製造方法が開示されている。
特開2003−195081号公報 特開平10−307226号公報
各種樹脂を用いた光導波路の製造は、先に述べた石英系導波路及びその製造方法に比べて、製造装置や製造工程の簡易を図ることができ、また、より微細な加工が可能となる、といった利点がある。しかしながら、樹脂層をレジストを用いたフォトリソグラフィーを用いてパターニングする際のプロセス数の低減には限界があり、光導波路の種類や品質に応じて、更に、製造工程の簡易化を達成できる技術の提供が望まれていた。
本発明の目的は、光導波路の製造における製造工程を更に簡易化できる技術を提供することにある。
本発明の光導波路の製造方法は、コア部とクラッド部とを有する光導波路の製造方法において、前記コア部及び前記クラッド部の少なくとも一方の形成工程に、有機材料の除去のためのレーザー加工処理が含まれることを特徴とする光導波路の製造方法である。
本発明によれば、コア部またはクラッド部の形状を得るための処理工程がレーザー加工処理を含み、これらの部分のパターンニングに従来のフォトリソグラフィーを用いたプロセスの使用を省略でき、より簡易化工程での光導波路の製造が可能となる。
本発明において用いられるレーザー加工機としては、光導波路のコア部またはクラッド部を構成している材料にレーザーを照射して、所望のサイズの形状を得ることができるものであれば特に制限なく使用できる。レーザーの種類や照射条件などは、コア部やクラッド部に用いた材料に応じて適宜選択すればよい。
レーザー加工に用いるレーザー光は赤外線領域のCO2レーザー(波長9.3〜10.6μm)、YAGレーザー(基本波の波長1.06μm)、紫外線領域のYAG、YLF、YAP、YVO4レーザー(第3高調波の波長355nm、ArFの波長193nm)が現在加工機のレーザー光として利用されている。赤外線領域の波長を利用したレーザー加工は金属ドリルにおける機械加工に対し、熱加工や熱分解加工であり、紫外線領域の波長を利用したレーザー加工は光化学反応を利用した光分解加工と呼ばれている。特に、30μm以下の微小なパターンの加工には、紫外線あるいは真空紫外線領域のレーザー光が特に好ましい。
赤外線領域に発振波長のレーザー光を用いた加工法では、有機化合物の除去が熱による溶融による場合が主であるため、表面の盛り上がりや加工断面の荒れが生じる場合がある。紫外線あるいは真空紫外線領域に発振波長を有するレーザー光の場合、熱による溶融ではなく有機化合物の結合を切断し除去するアブレーション効果が主となり、加工断面および表面が良好である。
レーザー加工機は、加工方式から見て大きく分けて2種類ある。すなわち、炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのように数μmφから数10μmφの大きさにビーム形状を絞ることができるレーザーのグループと、ビームを絞ることができないエキシマレーザーや窒素レーザー等のグループである。
ビームを絞ることができるレーザー光では、ガルバノミラーを動かすことにより30mm×30mm程度の領域でレーザービームを走査することが可能であり、CCDカメラを搭載したパターン認識システムを用いてXYステージを動かす機構を併用することにより高速に大きな面積を処理することが可能である。この場合、ビーム走査をするため、露光マスクを用意する必要がない。また、ビームの形状は必ずしも円形である必要はなく、金属製マスクを用いることによりビーム形状を自由に変えることもできる。微小ビームに絞ることのできないエキシマレーザーでは、基板のバンプパターンに貫通孔を有する金属製マスクを正確に位置合わせする必要がある。また、XYステージを動かす機構を併用することにより大きな面積を処理することができる。
また、レーザー光のパルス照射可能な加工機を用いることで、各パルスでの光強度、パルス数、スポット径などを調節することで、加工すべき層の所定深さまでの除去も可能である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態における光導波路を構成する上部クラッド部、下部クラッド部及びコア部などは、コア部の屈折率がクラッド部よりも高く光導波路として機能できるようにこれらの材料が選択される。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の製造方法の第1の実施形態を説明するための図である。この方法では、図1(a)及び(b)に示すように、基板1上に下部クラッド部となる層2とコア部となる層3を順次積層する。次に、図1(c)に示すように、レーザー加工機から層2及び3の所定部を除去可能なレーザー照射5を行う。このレーザー加工によって、図1(d)に示す所定幅の溝を形成し、溝の間に下部クラッド部2及びコア部3の積層構造を得る。この積層構造の側面はレーザー加工での切断面となっている。次に、図2(e)に示すように、基板1上の積層構造を覆う上部クラッド層4を形成して光導波路を完成する。
また、図6に示すように、基板1を下部クラッド部として利用できる材料から形成し、上記と同様にしてコア部及び上部クラッド部を形成して光導波路としてもよい。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の製造方法の第2の実施形態を説明するための図である。この方法では、図2(a)及び(b)に示すように、基板1上に下部クラッド部となる層2、コア部となる層3、上部クラッド部となる層4を順次積層する。次に、図2(c)に示すように、レーザー加工機から層2及び3の所定部を除去可能なレーザー照射5を行う。このレーザー加工によって、図2(d)に示す所定幅の溝を形成し、溝の間に下部クラッド部2、コア部3及び上部クラッド部4の積層構造を得る。この積層構造の側面はレーザー加工での切断面となっている。次に、図2(e)に示すように、基板1上の積層構造を覆う側面クラッド部となる層6を形成して光導波路を完成する。
(第3の実施形態)
図3は、本発明の製造方法の第3の実施形態を説明するための図である。この方法では、図3(a)及び(b)に示すように、基板1上に下部クラッド部となる層2及びコア部となる層3を順次積層する。次に、図3(c)に示すように、レーザー加工機から層2の所定部のみを選択的に除去可能なレーザー照射5を行う。このレーザー加工によって、図3(d)に示す所定幅の溝を形成し、溝の間に下部クラッド部2とコア部3の積層構造を得る。この積層構造におけるコア部2の側面はレーザー加工での切断面となっている。次に、図3(e)に示すように、基板1上の積層構造を覆う上部クラッド部となる層4を形成して光導波路を完成する。
(第4の実施形態)
図4は、本発明の製造方法の第4の実施形態を説明するための図である。この方法では、図4(a)及び(b)に示すように、基板1上に下部クラッド部となる層2及び側面クラッド部となる層6を順次積層する。次に、図4(c)に示すように、レーザー加工機から層6の所定分のみを選択的に除去可能なレーザー照射5を行う。このレーザー加工によって、図4(d)に示す所定幅の溝3aを形成する。ここで、側面クラッド部の表面がレーザー加工での切断面となる。次に、図4(e)に示すように、溝3a内にコア部2を形成する材料を充填し、側面クラッド部6より上の部分を研磨などの方法で除去してから、図4(f)に示すように、上部クラッド部4を設けて光導波路を完成する。
(第5の実施形態)
図5は、本発明の製造方法の第3の実施形態を説明するための図である。この方法では、図5(a)に示すように、基板1a上にコア部となる層3を積層する。次に、図5(b)に示すように、レーザー加工機から層3の所定部を除去可能なレーザー照射5を行う。このレーザー加工によって、図5(c)に示す所定幅の溝を形成し、溝の間にコア部3を得る。更に、このコア部3を、この積層構造におけるコア部2の側面はレーザー加工での切断面となっている。次に、図5(e)に示すように、基板1b上の下部クラッドとなる層2上に転写する。更に、図5(e)に示すように、コア部3を覆う上部クラッド部となる層4を形成して光導波路を完成する。
光導波路を形成するための基板1としては、光導波路の基板としての機械的強度や物性を有し、かつコア部やクラッド部の形成におけるレーザー処理条件下において切断されない材料で構成されているものが好ましい。例えば、金属、ガラス、セラミック、樹脂板などを用いることができる。
コア部及びクラッド部を形成するための材料としては、光導波路における所望とする光伝導性を満たすコア部及びクラッド部を形成できるものであればよく、レーザーでの加工性を考慮して各種の材料から選択することができる。また、クラッド部を異なる材料から形成する場合は、コア部よりの屈折率が高いクラッド部を形成できるものであればよい。
コア部及びクラッド部の少なくとも一方を樹脂で形成する場合は、例えば、これらのうちの少なくとも一方を形成するための材料として、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂など従来から公知の樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シロキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、オキセタン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリフェニルサルファイド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、PET系樹脂、フェノールノボラック系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン・マレイミド共重合体、アラミド系樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン系樹脂、シアナート系樹脂などが挙げられる。
硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂などが挙げられる。また、熱硬化性と活性エネルギー線硬化性の両方の性質を有するものも利用できる。
活性エネルギー線硬化性樹脂を使用する場合には、必要に応じて未硬化や半硬化の層に全面照射させて、硬化物からなる層として用いることができる。
熱硬化性樹脂として、例えば、基体樹脂中の熱反応性官能基と該官能基と熱により反応する官能基を有する硬化剤との組合せや、N−メチロール基やN−アルコキシメチロール基などの自己架橋タイプのいずれにおいても使用することができる。上記した熱による反応性官能基の組合わせとしては、例えば、カルボキシル基とエポキシ基(オキシラン基)、カルボン酸無水物とエポキシ基(オキシラン基)、アミノ基とエポキシ基(オキシラン基)、カルボキシル基と水酸基、カルボン酸無水物と水酸基、ブロック化されたイソシアネート基と水酸基、イソシアネート基とアミノ基などが挙げられる他、書籍:「架橋システムの開発と応用技術」(技術情報協会出版)に記載の硬化系であれば、いずれでも構わない。
常温硬化性樹脂として、例えば、酸化硬化型不飽和樹脂、イソシアネート硬化型樹脂などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂として、分子中に2個以上の開環重合可能な官能基含有化合物を必須成分とし、必要に応じて活性エネルギー線重合開始剤を含有するものや重合性不飽和化合物や不飽和樹脂及び必要に応じて活性エネルギー線重合開始剤を含有するものを使用することが特に好ましい。また、下記するネガ型活性エネルギー線性樹脂と同じものが使用できる。
ネガ型活性エネルギー線性樹脂としては、該樹脂から形成される被膜が、紫外線、可視光線や熱線等のエネルギー線が照射された被膜箇所が硬化することにより現像液に不溶性となり、それによりコア層を形成することができるものであり、従来から公知のものを特に制限なしに使用することができる。具体的には、例えば、分子中に2個以上の開環重合可能な官能基含有化合物を必須成分とし、必要に応じて活性エネルギー線重合開始剤を含有するものや重合性不飽和化合物や不飽和樹脂及び必要に応じて活性エネルギー線重合開始剤を含有するものを使用することが特に好ましい。
ポジ型活性エネルギー線性樹脂としては、該樹脂から形成される被膜が、紫外線、可視光線や熱線等のエネルギー線が照射された被膜箇所が分解することにより現像液による溶解性が異なり、それによりコア層などを形成することができるものであれば、従来から公知のものを特に制限なしに使用することができる。
ポジ型感エネルギー線性樹脂として、ポジ型感光性樹脂としては、例えば、イオン形成基を有するアクリル樹脂等の基体樹脂にキノンジアジドスルホン酸類をスルホン酸エステル結合を介して結合させた樹脂を主成分とする組成物(特開昭61-206293号公報、特開平7-133449号公報等参照)、即ち照射光によりキノンジアジド基が光分解してケテンを経由してインデンカルボン酸を形成する反応を利用したナフトキノンジアジド感光系組成物:加熱によりアルカリ性現像液や酸性現像液に対して不溶性の架橋被膜を形成し、更に光線照射により酸基を発生する光酸発生剤により架橋構造が切断されて照射部がアルカリ性現像液や酸性現像液に対して可溶性となるメカニズムを利用したポジ型感光性組成物(特開平6-295064号公報、特開平6-308733号公報、特開平6-313134号公報、特開平6-313135号公報、特開平6-313136号公報、特開平7-146552号公報等参照)等が代表的なものとして挙げられる。
光酸発生剤は、露光により酸を発生する化合物であり、この発生した酸を触媒として、樹脂を分解させるものであり、従来から公知のものを使用することができる。
ポジ型感熱性樹脂としては、従来から公知のもの、例えば、感熱用樹脂、エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物及び熱酸発生剤を含有してなるポジ型感熱性樹脂組成物が使用できる。このものとしては、例えば、特開平12―187326号公報のものが挙げられる。
なお、これらの樹脂はそれを用いる部分に応じてその特性を選択すればよく、例えば、熱可塑性樹脂は下部クラッド層や上部クラッド層として好適に利用でき、硬化性樹脂で現像処理などによってパターン化が可能なものはコア部の形成に好適に利用できる。
参考例1(光導波路形成用材料の調製)
(ウレタン化合物(A−1)の合成例)
還流器の付いたフラスコにメチルエチルケトン溶媒を適当量入れ、その中に1分子中に2個の水酸基及び1個のカルボキシル基を有するジメチロールブタン酸を39.4g、1分子中に2個の水酸基を有する1,6−ヘキサンジオールを7.6g、1分子中に2個の水酸基を有するネオペンチルグリコールを6.7g、分子中に2個のイソシアネート基を有するトルエンジイソシアネートを46.3g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート500ppmを添加し、攪拌しながら75℃まで昇温した。75℃昇温後、この温度を保ちながら、12時間攪拌しながら反応させた結果、目的とするカルボキシル基含有ウレタン化合物A−1を得た。
(ウレタン化合物(A−2)の合成例)
還流器の付いたフラスコにメチルエチルケトン溶媒を適当量入れ、その中に1分子中に2個の水酸基及び1個のカルボキシル基を有するジメチロールブタン酸を35.7g、1分子中に2個の水酸基を有する1,6−ヘキサンジオールを13.8g、分子中に2個のイソシアネート基を有するトリメチルへキサメチレンジイソシアネートを50.5g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート500ppmを添加し、攪拌しながら、75℃まで昇温した。75℃昇温後、この温度を保ちながら、12時間攪拌しながら反応させた結果、目的とするカルボキシル基含有ウレタン化合物A−2を得た。
(ドライフィルムD−1の調製)
上述したカルボキシル基含有ウレタン化合物A−1の61.5重量部、重合性不飽和化合物であるアロニックス8100(東亜合成株式会社製、商品名)12.3重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート6.1重量部、架橋剤としてエピコート EP−828EL(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)19.5重量部、光重合開始剤であるIrgcure907(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)0.6重量部を、メチルエチルケトン溶媒中に添加、混合し、均一な溶液を得た。続いて、本溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚25μm)上にナイフエッジコーターで塗布した後、80℃で30分間乾燥することで膜厚30μmの硬化性のドライフィルムD−1を得た。
(ドライフィルムD−2の調製)
上述したカルボキシル基含有ウレタン化合物A−2の71.7重量部、架橋剤として水添ビルフェノールAジグリシジルエーテル(粘度:2200mPa・s(25℃)、エポキシ当量:216g/eq)27.6重量部、光酸発生剤であるN−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−1,8−ナフタレンジカルボキシイミド(熱分解温度:140℃)0.7重量部を、メチルエチルケトン溶媒中に添加・混合し、均一な溶液を得た。続いて、本溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚25μm)上にナイフエッジコーターで塗布した後、80℃で30分間乾燥することで膜厚10μmの硬化性のドライフィルムD−2を得た。
(ドライフィルムD−3の調製)
上述したカルボキシル基含有ウレタン化合物A−2の71.7重量部、架橋剤として水添ビルフェノールAジグリシジルエーテル(粘度:2200mPa・s(25℃)、エポキシ当量:216g/eq)27.6重量部、光酸発生剤であるN−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−1,8−ナフタレンジカルボキシイミド(熱分解温度:140℃)0.7重量部を、メチルエチルケトン溶媒中に添加・混合し、均一な溶液を得た。続いて、本溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚25μm)上にナイフエッジコーターで塗布した後、80℃で30分間乾燥することで膜厚80μmの硬化性のドライフィルムD−3を得た。
(ドライフィルムD−4の調製)
上述したカルボキシル基含有ウレタン化合物A−2の71.7重量部、架橋剤として水添ビルフェノールAジグリシジルエーテル(粘度:2200mPa・s(25℃)、エポキシ当量:216g/eq)27.6重量部、光酸発生剤であるN−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−1,8−ナフタレンジカルボキシイミド(熱分解温度:140℃)0.7重量部を、メチルエチルケトン溶媒中に添加・混合し、均一な溶液を得た。続いて、本溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚25μm)上にナイフエッジコーターで塗布した後、80℃で30分間乾燥することで膜厚30μmの硬化性のドライフィルムD−3を得た。
(オーバークラッド液OC−1の調製)
上述したカルボキシル基含有ウレタン化合物A−2の71.7重量部、架橋剤として水添ビルフェノールAジグリシジルエーテル(粘度:2200mPa・s(25℃)、エポキシ当量:216g/eq)27.6重量部、光酸発生剤であるN−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−1,8−ナフタレンジカルボキシイミド(熱分解温度:140℃)0.7重量部を、メチルエチルケトン溶媒中に添加・混合し、均一な溶液を得た。
(液状コア形成液LC−1の調製)
上述したカルボキシル基含有ウレタン化合物A−1の61.5重量部、重合性不飽和化合物であるアロニックス8100(東亜合成株式会社製、商品名)12.3重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート6.1重量部、架橋剤としてエピコート EP−828EL(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)19.5重量部、光重合開始剤であるIrgacure907(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)0.6重量部を、メチルエチルケトン溶媒中に添加・混合し、均一な溶液を得た。
実施例1(導波路の形成)
(1)下部クラッド層の形成
下部クラッド層を形成するため、ドライフィルムD−2をシリコン基板の表面上に常圧熱ロール圧着法(温度:100℃)にて転写し、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒間照射した後、ホットプレートを用いて150℃、30分間の条件で熱硬化させることにより、膜厚20μmの下部クラッド層を得た。なお、この下部クラッド層の硬化後の屈折率を、アッベ屈折率計を用い、波長850nmで測定した結果、1.497であった。
(2)コア層の形成
次に、コア層形成のため、ドライフィルムD−1を下部クラッド層の上に常圧ロール熱圧着法(温度:100℃)にて転写したのち、波長365nm、照度10mW/cm2の紫外線を100秒間照射した。なお、このコア層の屈折率を、アッベ屈折率計を用いて、波長850nmで測定した結果、1.520であった。
その後、ドライフィルムD−2及びD−1を用いてそれぞれ形成したクラッド層及びコア層からなる厚さ40μmの2層構造に対してパルスNd:YAGレーザを用いてレーザー加工を行なった。加工条件は波長355nm、パルスエネルギー3.1mJ、パルス幅4.3ns、繰り返し数10Hzである。レーザビームは固定し、加工基板は位置決め精度5μmのXYステージで移動させた。加工材料YAGレーザの第3高調波(355nm)を用いて樹脂部が幅30μmになるようにチャネル加工した。また、この段階で、ライン幅30μmの断面が矩形状のコア/下部クラッド構造が精度良く形成されていることも確認した。
(3)上部クラッド層の形成
上記の基板上に形成したコア/下部クラッド構造に上部クラッド層を積層するため、オーバークラッド液OC−1をナイフエッジコーターにて塗布した。その後、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒照射した後、150℃、60分間の条件でポストベイクを行い、光導波路を得た。なお、この上部クラッド層の硬化後の屈折率を、アッベ屈折率計を用い、波長850nmで測定した結果、1.497であった。また、得られた光導波路は図1(e)に示す構造であった。結果、上記方法において、コアの高さ、コアの幅ともに30±3μmの矩形形状が形成された。また、得られた光導波路について、波長850nmの光を一端から入射させ、もう一端から出射する光量を測定することにより、導波路伝送損失をカットバック法で求めたところ、0.4dB/cmであった。
実施例2(導波路の形成)
実施例1と同様にして基板上にコア/下部クラッド構造を形成した後、オーバークラッド液OC−1に代えてドライフィルムD−3を常圧熱ロール圧着法(温度100℃)にて転写した。その後、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒照射した後、150℃、60分間の条件でポストベイクを行い、光導波路を得た。なお、この上部クラッド層の硬化後の屈折率を、アッベ屈折率計を用い、波長850nmで測定した結果、1.497であった。また、得られた光導波路は図1(e)に示す構造であった。結果、上記方法において、コアの高さ、コアの幅ともに30±3μmの矩形形状が形成された。また、得られた光導波路について、波長850nmの光を一端から入射させ、もう一端から出射する光量を測定することにより、導波路伝送損失をカットバック法で求めたところ、0.4dB/cmであった。
実施例3(光導波路の形成)
実施例1と同様にして基板上に下部クラッド層を形成した。次に、基板上の下部クラッド層上に、更にドライフィルムD−4を常圧熱ロール圧着法(温度100℃)にて転写して、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒照射した後、、150℃、60分間の条件でポストベイクを行い、側面クラッド部用の層を形成した。この側面クラッド部用の層に実施例1と同様の条件でのレーザー加工を行ない、幅30μm、深さ30μmの矩形のライン状に伸び、底面に下部クラッド層の上面が露出する溝を形成した。更に、このライン状の溝内に液状コア形成液LC−1をナイフエッジコーターにより充填し、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒照射した後、150℃、30分間加熱することにより熱硬化させてコア部となる部分を形成し、図4(e)に示す構造を得た。更に、上部にはみ出したコア部をポシッシングにより除去し、側面クラッド部の上面が露出する面を形成してから、ドライフィルムD−3を常圧熱ロール圧着法(温度100℃)にて転写して、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒照射した後、150℃、60分間の条件でポストベイクを行い、光導波路を得た。得られた光導波路は図4(f)の構造を有する。得られた光導波路の導波路伝送損失を実施例1と同様にしてカットバック法により求めたところ0.4dB/cmであった。
実施例4(光導波路の形成)
(1)下部クラッド層の形成
下部クラッド層を形成するため、ドライフィルムD−2をシリコン基板の表面上に常圧熱ロール圧着法(温度:100℃)にて転写し、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒間照射した後、ホットプレートを用いて150℃、30分間の条件で熱硬化させることにより、膜厚20μmの下部クラッド層を得た。なお、この下部クラッド層の硬化後の屈折率を、アッベ屈折率計を用い、波長850nmで測定した結果、1.497であった。
(2)コア層の形成
次に、コア層形成のため、ドライフィルムD−1を下部クラッド層の上に常圧ロール熱圧着法(温度:100℃)にて転写したのち、波長365nm、照度10mW/cm2の紫外線を100秒間照射した。なお、このコア層の屈折率を、アッベ屈折率計を用いて、波長850nmで測定した結果、1.520であった。
その後、コア層に対してパルスNd:YAGレーザを用いてレーザー加工を行なった。加工条件は実施例1と同様である。また、この段階で、ライン幅30μmの断面が矩形状のコア部が精度良く形成されていることも確認した。
(3)上部クラッド層の形成
上記のコア部上に上部クラッド層を積層するため、オーバークラッド液OC−1をナイフエッジコーターにて塗布した。その後、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒照射した後、150℃、60分間の条件でポストベイクを行い、光導波路を得た。なお、この上部クラッド層の硬化後の屈折率を、アッベ屈折率計を用い、波長850nmで測定した結果、1.497であった。また、得られた光導波路は図3(e)に示す構造であった。結果、上記方法において、コアの高さ、コアの幅ともに30±3μmの矩形形状が形成された。また、得られた光導波路について、波長850nmの光を一端から入射させ、もう一端から出射する光量を測定することにより、導波路伝送損失をカットバック法で求めたところ、0.4dB/cmであった。
実施例5(導波路の形成)
(1)下部クラッド層の形成
下部クラッド層を形成するため、ドライフィルムD−2をシリコン基板の表面上に常圧熱ロール圧着法(温度:100℃)にて転写し、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒間照射した後、ホットプレートを用いて150℃、30分間の条件で熱硬化させることにより、膜厚20μmの下部クラッド層を得た。なお、この下部クラッド層の硬化後の屈折率を、アッベ屈折率計を用い、波長850nmで測定した結果、1.497であった。
(2)コア層の形成
次に、コア層形成のため、ドライフィルムD−1を下部クラッド層の上に常圧ロール熱圧着法(温度:100℃)にて転写したのち、波長365nm、照度10mW/cm2の紫外線を100秒間照射した。なお、このコア層の屈折率を、アッベ屈折率計を用いて、波長850nmで測定した結果、1.520であった。
(3)上部クラッド層の形成
上記のコア層上に上部クラッド層を積層するため、ドライフィルムD−3を常圧熱ロール圧着法(温度100℃)にて転写した。その後、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒照射した後、150℃、60分間の条件でポストベイクを行った。その結果、図2(b)に示すような下部クラッド層、コア層及び上部クラッド層からなる3層構造を得た。
(4)レーザー加工及び最上部クラッド層の被覆
上記の3層構造に対して、実施例1と同様の条件でのレーザー加工を行なって、幅30μmの線状のパターンを得た後、その全面にオーバークラッド液OC−1をナイフエッジコーターにて塗布した。その後、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒照射した後、150℃、60分間の条件でポストベイクを行い、光導波路を得た。得られた光導波路は図2(e)に示す構造を有する。結果、上記方法において、コアの高さ、コアの幅ともに30±3μmの矩形形状が形成された。また、得られた光導波路について、波長850nmの光を一端から入射させ、もう一端から出射する光量を測定することにより、導波路伝送損失をカットバック法で求めたところ、0.4dB/cmであった。
実施例6(光導波路の形成)
下部クラッド層を形成するため、ドライフィルムD−2をシリコン基板の表面上に常圧熱ロール圧着法(温度:100℃)にて転写し、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒間照射した後、ホットプレートを用いて150℃、30分間の条件で熱硬化させることにより、膜厚20μmの下部クラッド層を得た。一方、ドライフィルムD−4の硬化性樹脂層(膜厚:30μm)に対して、実施例1と同様の条件でのレーザー加工を行い、幅30μm、高さ30μmの線状のパターンを形成した。
次に、この線状パターンを有するドライフィルムを、線状パターンの側から、シリコン基板上に設けた下部クラッド層表面に積層し、常圧熱ロール圧着法(温度100℃)にて線状のパターンをシリコン基板の表面に転写した。その後、波長365nm、照度100mW/cm2の紫外線を10秒照射した後、150℃、60分間の条件でポストベイクを行い、コア部を得た。
更に、実施例1と同様にして上部クラッド層を積層して光導波路を得た。得られた光導波路の導波路伝送損失を実施例1と同様にしてカットバック法により求めたところ0.4dB/cmであった。
本発明の第1の実施形態を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態を説明するための図である。 本発明の第5の実施形態を説明するための図である。 本発明のその他の実施形態を説明するための図である。
符号の説明
1、1a、1b 基板
2 下部クラッド部
3 コア部
4 上部クラッド部
5 レーザー光
6 側面クラッド部

Claims (3)

  1. コア部とクラッド部とを有する光導波路の製造方法において、
    前記コア部及び前記クラッド部の少なくとも一方の形成工程に、有機材料の除去のためのレーザー加工処理が含まれる
    ことを特徴とする光導波路の製造方法。
  2. 前記レーザー加工処理が、基板上に設けられたコア部またはクラッド部を形成するための有機材料層の所定部にレーザーを照射して、照射部の有機材料を該基板上から除去して、該コア部またはクラッド部に所定の形状を付与する請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  3. 前記レーザー処理が、発振波長が400nm以下のレーザー光を用いる処理である請求項1または2に記載の光導波路の製造方法。
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