JP2006097577A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、排気通路に設けられた排気浄化装置の排気浄化能力を再生させるときに副燃料噴射を行うことで該排気浄化装置を昇温させる内燃機関の排気浄化システムにおいて、排気浄化装置を昇温させるときの目標温度を変化させる場合であっても、より好適に排気浄化装置の温度を目標温度に制御する。
【解決手段】 排気通路に設けられた排気浄化装置を目標温度に昇温させるべく副燃料噴射を行う場合、排気浄化装置を目標温度に昇温させるために必要なエネルギー量である目標昇温エネルギー量を算出し(S104〜S106)、算出された目標昇温エネルギー量を副燃料噴射による燃料噴射量に換算することで排気浄化装置昇温制御における副燃料噴射量を算出する(S107)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関し、特に内燃機関の排気通路に設けられ排気を浄化する排気浄化装置を備えた内燃機関の排気浄化システムに関する。
排気中の粒子状物質(以下、PMと称する)を捕集するパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタと称する)や吸蔵還元型NOx触媒(以下、単にNOx触媒と称する)のような、内燃機関の排気通路に設けられ排気を浄化する排気浄化装置を備えた内燃機関の排気浄化システムにおいては、排気浄化装置の排気浄化能力を再生するために該排気浄化装置を昇温させる排気浄化装置昇温制御が行われている。
排気浄化装置昇温制御では、気筒内において、1燃焼サイクル(吸気、圧縮、膨張、排気行程が一回りするサイクル)中における主燃料噴射より後の時期であって膨張行程または排気行程で副燃料噴射を行う場合がある。例えば、噴射された燃料が主に気筒内において燃焼するタイミングで副燃料噴射を実行した場合、内燃機関から排出される排気の温度を上昇させることが出来、それによって排気浄化装置を昇温させることが出来る。また、噴射された燃料が主に未燃の状態で内燃機関から排出されるタイミングで副燃料噴射を実行した場合、排気浄化装置より上流側の排気通路に設けられた前段触媒に未燃燃料を供給することが出来、供給された未燃燃料が前段触媒において酸化することで発生する酸化熱によって排気浄化装置を昇温させることが出来る。
また、排気通路にフィルタを備えた内燃機関の排気浄化システムにおいて、フィルタに堆積したPMを酸化・除去して該フィルタの排気浄化能力を再生させるべく副燃料噴射を実行するときに、副燃料噴射によって噴射される燃料噴射量を目標噴射量に向けて次第に増加させると共に、副燃料噴射の実行タイミングを目標噴射時期に向けて次第に遅角させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−285896号公報 特開平7−83039号公報 特開平10−288031号公報 特開2002−242732号公報 特開2001−323835号公報
内燃機関の排気浄化システムにおいて、副燃料噴射を実行することによって排気浄化装置昇温制御が行われる場合、該排気浄化装置昇温制御の実行時において1燃焼サイクル毎に副燃料噴射によって噴射される燃料噴射量(以下、単に副燃料噴射量と称する。)を制御することで排気浄化装置の温度を目標温度に制御する。
この場合、内燃機関の運転状態および目標温度、副燃料噴射量の関係を実験等によって予め求めておく。そして、求められたこれらの関係をマップとして記憶しておき、このマップから副燃料噴射量を導出して、排気浄化装置の温度を目標温度とすべく副燃料噴射を実行する。
しかしながら、排気浄化装置昇温制御における排気浄化装置の目標温度を排気浄化装置の状態等に応じて変化させる場合、目標温度を変化させる毎に内燃機関の運転状態および目標温度、副燃料噴射量の関係を実験によって求めたり、または、内燃機関の運転状態お
よび副燃料噴射量、目標温度の関係を定めたマップを目標温度の変化に応じて予め複数記憶させておいたりする必要がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、排気通路に設けられた排気浄化装置の排気浄化能力を再生させるときに副燃料噴射を行うことで該排気浄化装置を昇温させる内燃機関の排気浄化システムにおいて、排気浄化装置を昇温させるときの目標温度を変化させる場合であっても、より好適に排気浄化装置の温度を目標温度に制御することが可能な技術を提供することを課題とする。
本発明は、排気通路に設けられた排気浄化装置を目標温度に昇温させるべく副燃料噴射を行う場合、排気浄化装置を目標温度に昇温させるために必要なエネルギー量である目標昇温エネルギー量を算出し、算出された目標昇温エネルギー量を副燃料噴射による燃料噴射量に換算することで排気浄化装置昇温制御における副燃料噴射量を算出するものである。
より詳しくは、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムは、
内燃機関の排気通路に設けられ排気を浄化する排気浄化装置と、
該排気浄化装置より上流側の前記排気通路内の排気温度を検出する排気温度検出手段と、
前記排気浄化装置に流入する排気流量を検出する排気流量検出手段と、を備え、
該排気浄化装置の排気浄化能力を再生させるときに、前記内燃機関の気筒内において、圧縮行程上死点近傍で行われる主燃料噴射に加え該主燃料噴射後の膨張行程または排気行程で副燃料噴射を行うことで、前記排気浄化装置を目標温度に昇温させる排気浄化装置昇温制御を実行する内燃機関の排気浄化システムにおいて、
前記排気温度検出手段によって検出される排気温度および前記排気流量検出手段によって検出される排気流量に基づいて、前記排気浄化装置昇温制御の実行時に前記排気浄化装置を前記目標温度に昇温させるために必要な1燃焼サイクル毎のエネルギー量である目標昇温エネルギー量を算出する目標昇温エネルギー量算出手段と、
該目標昇温エネルギー量算出手段によって算出された目標昇温エネルギー量を1燃焼サイクル毎に前記副燃料噴射によって噴射する燃料噴射量に換算することで、前記排気浄化装置昇温制御の実行時において1燃焼サイクル毎に前記副燃料噴射によって噴射する燃料噴射量である副燃料噴射量を算出する副燃料噴射量算出手段と、
をさらに備えることを特徴とする。
ここで、目標温度とは、排気浄化装置の排気浄化能力を再生させるのに好適な温度であって、排気浄化触媒の種類等に応じて異なる値である。また、本発明においては、この目標温度が、排気浄化装置昇温制御を実行する時の排気浄化装置の状態等に応じて変更される。
本発明では、排気浄化装置昇温制御の実行時においては、排気浄化装置の温度を目標温度とするために、1燃焼サイクル毎に発生させるべきエネルギー量である目標昇温エネルギー量が算出される。そして、この目標昇温エネルギー量が1燃焼サイクル毎に副燃料噴射によって噴射する燃料噴射量に換算される。
排気浄化装置昇温制御における排気浄化装置の目標温度が変化した場合であっても、排気の温度と流量とに基づいて本発明に係る目標昇温エネルギー量を算出することは可能である。そのため、本発明によれば、排気浄化装置昇温制御における排気浄化装置の目標温度を変化させる場合であっても、内燃機関の運転状態および目標温度、副燃料噴射量の関係を再度実験によって求めたり、内燃機関の運転状態および目標温度、副燃料噴射量の関
係を定めたマップを予め複数記憶させたりすることなしに、排気浄化装置昇温制御の実行時における副燃料噴射量、即ち排気浄化装置を目標温度とするために必要な副燃料噴射量を算出することが出来る。
従って、本発明によれば、排気浄化装置昇温制御において、目標温度を変化させる場合であっても、より好適に排気浄化装置の温度を目標温度に制御することが出来る。
本発明においては、排気浄化装置昇温制御における副燃料噴射を、噴射された燃料が主に気筒内で燃焼して排気温度が上昇するタイミングで行われるアフター燃料噴射としても良い。
この場合、排気温度検出手段によって検出されるアフター燃料噴射開始前の排気温度と目標温度との差および排気流量検出手段によって検出される排気流量に基づいて、排気温度検出手段によって排気温度が検出される地点における排気温度を目標温度に昇温させるために必要な1燃焼サイクル毎のエネルギー量である排気昇温エネルギー量を算出しても良い。
ここで、排気温度検出手段によって排気温度が検出される地点とは、排気温度検出手段が排気温度センサである場合は、この排気温度センサが設置された地点のことである。また、排気温度検出手段が、吸入空気量および主燃料噴射量に基づいて内燃機関から排出される排気の温度を推定するものである場合は、排気通路における内燃機関との接続部のことである。
そして、さらに、1燃焼サイクル毎に発生するエネルギー量のうち、排気温度検出手段によって排気温度が検出される地点から排気浄化装置までの間の排気通路における排気からの放熱によって放出される分のエネルギー量である放熱エネルギー量を算出しても良い。
そして、前記排気昇温エネルギー量と前記放熱エネルギー量とを算出した場合、これらの和を目標昇温エネルギー量として目標昇温エネルギー量算出手段が算出する。
副燃料噴射をアフター燃料噴射とした場合、内燃機関から排出される排気を昇温させることによって排気浄化装置を昇温させる。そのため、排気浄化装置に流入する排気の温度を目標温度とする必要がある。
上記によれば、副燃料噴射をアフター燃料噴射とした場合において、排気浄化装置昇温制御における目標温度が変化した場合であっても、排気温度検出手段によって排気温度が検出される地点における排気温度を目標温度に昇温させるために必要な排気昇温エネルギー量を算出することが出来る。
しかしながら、アフター燃料噴射を実行することで、排気温度検出手段によって排気温度が検出される地点の排気温度を目標温度に上昇させたとしても、排気温度検出手段によって排気温度が検出される地点から排気浄化装置に流入するまでの間に放熱よって排気温度が低下する虞がある。
そこで、上記によれば、1燃焼サイクル毎に発生するエネルギー量のうち、この排気からの放熱によって放出される分のエネルギー量である放熱エネルギー量を算出し、排気昇温エネルギー量にこの放熱エネルギー量を加算することで目標昇温エネルギー量を算出する。これにより、目標昇温エネルギー量をより精度良く算出することが出来る。その結果、排気浄化装置を目標温度とするために必要な副燃料噴射量(この場合は、排気浄化装置
昇温制御の実行時において、1燃焼サイクル毎にアフター燃料噴射によって噴射する燃料噴射量)をより精度良く算出することが可能となる。
従って、上記によれば、副燃料噴射をアフター燃料噴射とした場合において、排気浄化装置昇温制御における目標温度を変化させる場合であっても、排気浄化装置の温度をより精度良く目標温度に制御することが可能となる。
本発明において、副燃料噴射をアフター燃料噴射とした場合、アフター燃料噴射によって噴射された燃料は気筒内で燃焼するため内燃機関のトルクの上昇を招く虞がある。
そこで、上記のように副燃料噴射をアフター燃料噴射とした場合、排気浄化装置昇温制御を実行したときは、アフター燃料噴射によって噴射される燃料の燃焼によって上昇する内燃機関のトルクの上昇分を1燃焼サイクル毎に主燃料噴射によって噴射される燃料噴射量に換算する。そして、この換算値を排気浄化装置昇温制御の実行時において1燃焼サイクル毎に主燃料噴射によって噴射される燃料噴射量である主燃料噴射量から減算することで前記排気浄化装置昇温制御の実行時における主燃料噴射量を減量補正するのが好ましい。
このように、排気浄化装置昇温制御の実行時における主燃料噴射量を減量補正することで、排気浄化装置昇温制御の実行前後における内燃機関のトルクの変動を抑制することが出来る。
また、本発明においては、排気浄化装置より上流側の排気通路に設けられた酸化機能を有する前段触媒をさらに備えた場合、排気浄化装置昇温制御における副燃料噴射を、前段触媒が活性化状態にあるときに、噴射された燃料が主に未燃燃料として該前段触媒に供給されるタイミングで行われるポスト燃料噴射としても良い。
この場合、排気温度検出手段によって検出される排気温度と目標温度との差および排気流量検出手段によって検出される排気流量に基づいて目標昇温エネルギー量を目標昇温エネルギー量算出手段が算出しても良い。
そして、さらに、目標昇温エネルギー量算出手段によって算出された前記目標昇温エネルギー量を1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射によって噴射する燃料噴射量に換算すると共に、この換算値から、1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射以外の内燃機関での燃料噴射によって前段触媒に供給される未燃燃料量を減算することで、副燃料噴射量を副燃料噴射量算出手段が算出しても良い。
副燃料噴射をポスト燃料噴射とした場合、該ポスト燃料噴射によって噴射された燃料が未燃の状態で前段触媒に供給され、この未燃燃料が前段触媒で酸化することで発生する酸化熱によって排気浄化装置を昇温させる。
上記によれば、副燃料噴射をポスト燃料噴射とした場合において、排気浄化装置昇温制御における目標温度が変化した場合であっても、目標昇温エネルギー量を算出することが出来る。さらに、この目標昇温エネルギー量を1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射によって噴射する燃料噴射量に換算することが出来る。
しかしながら、未燃燃料は必ずしもポスト燃料噴射によってのみ供給されるわけではなく、例えば、主燃料噴射によって噴射された燃料の一部も未燃燃料として前段触媒に供給される場合がある。
そこで、上記によれば、目標昇温エネルギー量を1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射によって噴射する燃料噴射量に換算した換算値から、1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射以外の内燃機関での燃料噴射によって前段触媒に供給される未燃燃料量を減算することで副燃料噴射量(この場合は、排気浄化装置昇温制御の実行時において、1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射によって噴射する燃料噴射量)を算出する。これにより、目標昇温エネルギー量をより精度良く算出することが出来ると共に、排気浄化装置を目標温度とするために必要な副燃料噴射量をより精度良く算出することが可能となる。
従って、上記によれば、副燃料噴射をポスト燃料噴射とした場合において、排気浄化装置昇温制御における目標温度を変化させる場合であっても、排気浄化装置の温度をより精度良く目標温度に制御することが可能となる。
また、本発明において、副燃料噴射量算出手段によって算出された副燃料噴射量が規定最小噴射量より少ない場合、副燃料噴射の実行を次回以降の燃焼サイクルに順次繰り越すのが好ましい。そして、副燃料噴射の実行を繰り越す毎に前記副燃料噴射量を積算し、該副燃料噴射量の積算量が規定最小噴射量以上となる毎にその積算量を副燃料噴射によって噴射する。
ここで、規定最小噴射量とは、気筒内に安定して噴射されることが可能な燃料噴射量の下限値以上の値であって、燃料噴射弁の性能等に応じて予め定められる値である。
副燃料噴射量を、気筒内に安定して噴射されることが可能な燃料噴射量の下限値より少ない量として、1燃焼サイクル毎に副燃料噴射を行った場合、副燃料噴射によって実際に気筒内に噴射される燃料量のばらつきが許容範囲を越える虞がある。その結果、排気浄化装置の温度をより精度良く目標温度とすることが困難となる。
そこで、上記によれば、副燃料噴射量算出手段によって算出された副燃料噴射量が規定最小噴射量より少ない場合、副燃料噴射の実行を次回以降の燃焼サイクルに順次繰り越すことで、1燃焼サイクル毎ではなく複数の燃焼サイクル毎に副燃料噴射を実行する。そして、副燃料噴射を繰り越す毎に副燃料噴射量を積算し、その積算量が規定最小噴射量以上となったときに副燃料噴射を実行すると共に、このときの副燃料噴射によって噴射する燃料噴射量を、これまでに積算した副燃料噴射量の積算量とする。
これにより、副燃料噴射実行毎に噴射される燃料噴射量を規定最小噴射量以上とすることが出来る。従って、副燃料噴射によって気筒内に噴射される燃料噴射量をより精度良く制御することが出来、以って、排気浄化装置昇温制御において排気浄化装置の温度をより精度良く目標温度に制御することが可能となる。
尚、内燃機関が複数の気筒を有する場合、次回以降の燃焼サイクルが、異なる気筒での燃焼サイクルであっても良い。つまり、いずれかの気筒での副燃料噴射を行わずに、その気筒の次以降に副燃料噴射が行われる気筒へ副燃料噴射の実行を順次繰り越しても良い。
本発明に係る内燃機関の排気浄化システムによれば、排気通路に設けられた排気浄化装置の排気浄化能力を再生させるときに副燃料噴射を行うことで該排気浄化装置を昇温させる内燃機関の排気浄化システムにおいて、排気浄化装置を昇温させるときの目標温度を変化させる場合であっても、より好適に排気浄化装置の温度を目標温度に制御することが出来る。
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムの実施の形態について図面に基づいて説明する。
<内燃機関及びその吸排気系の概略構成>
図1は、本実施例に係る内燃機関及びその吸排気系の概略構成を示す図である。内燃機関1は4つの気筒2を有する車両駆動用のディーゼル機関である。内燃機関1の気筒2内にはピストン3が摺動自在に設けられている。気筒2内上部の燃焼室には、吸気ポート4と排気ポート5とが接続されている。吸気ポート4および排気ポート5の燃焼室への開口部は、それぞれ吸気弁6および排気弁7によって開閉される。吸気ポート4および排気ポート5は、それぞれ吸気通路8および排気通路9に接続されている。また、気筒2には、該気筒2内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁10が設けられている。
吸気通路8には、吸入空気量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ16が設けられている。排気通路9には、排気中のPMを捕集するフィルタ11が設けられており、該フィルタ11にはNOx触媒が担持されている。このフィルタ11が本発明に係る排気浄化装置を構成する。排気通路8におけるフィルタ11より上流側には酸化触媒12が設けられている。酸化触媒12より上流側の排気通路9には排気の温度に対応じた電気信号を出力する排気温度センサ13が設けられている。尚、酸化触媒12は酸化機能を有していれば良く、例えば、NOx触媒等であっても良い。
以上述べたように構成された内燃機関1には、この内燃機関1を制御するためのECU20が併設されている。ECU20には、エアフローメータ16や、排気温度センサ13、内燃機関1のクランク角に応じた電気信号を出力するクランクポジションセンサ14、アクセル開度に応じた電気信号を出力するアクセル開度センサ15、大気の温度に対応した電気信号を出力する大気温度センサ17等の各種センサが電気配線を介して接続されており、これらの出力信号がECU20に入力される。また、ECU20には、燃料噴射弁10が電気的に接続されており、ECU20によって、この燃料噴射弁10からの燃料噴射時期や燃料噴射量が制御される。
<第一のフィルタ昇温制御>
次に、本実施例において、フィルタ11に堆積したPMを酸化・除去して該フィルタ11の排気浄化能力を再生させるべく行われるフィルタ昇温制御について説明する。
本実施例に係るフィルタ昇温制御においては、圧縮行程上死点近傍の時期に燃料噴射弁10から燃料を噴射することで行われる主燃料噴射に加え、アフター燃料噴射を実行することで、内燃機関1から排出される排気を昇温させる。
アフター燃料噴射は、主燃料噴射後の膨張行程または排気行程であって、噴射された燃料が主に気筒2内で燃焼し、それによって排気温度が上昇するタイミングで燃料噴射弁10から燃料を噴射することで行われる。
そして、フィルタ昇温制御の実行時において1燃焼サイクル毎にアフター燃料噴射によって噴射する燃料噴射量Qaf(以下、アフター燃料噴射量Qafと称する)を調整することで、フィルタ11に流入する排気(以下、流入排気と称する)の温度を目標温度Ttに上昇させ、それによってフィルタ11の温度を目標温度Ttに上昇させる。
ここで、目標温度Ttとは、フィルタ11に堆積したPMの酸化・除去が促進される温度であって、且つ、フィルタ11の劣化や溶損が抑制される温度である。また、本実施例においては、この目標温度Ttがフィルタ11でのPM堆積量に応じて変更される。その
ため、目標温度Ttが変化する毎にその目標温度Ttに対応したアフター燃料噴射量Qafを算出する必要がある。
<アフター燃料噴射量算出方法>
ここで、本実施例に係るアフター燃料噴射量算出方法について説明する。本実施例では、下記式(1)によって、フィルタ昇温制御におけるアフター燃料噴射量Qafが算出される。
Qaf={(Tt−Tgas)×Gn×a+Ehr}×b・・・(1)
式(1)において、Tgasは、排気温度センサ13によって検出されるアフター燃料噴射実行開始前の排気温度を表し、Gnは、エアフローメータ16の検出値に基づいて推定される排気流量を表している。また、Ehrは、1燃焼サイクル毎に発生するエネルギーのうち、排気温度センサ13が設置された地点、即ち、排気温度が検出される地点(以下、排気温度検出地点と称する)からフィルタ11までの間の排気通路9における排気からの放熱によって放出される分のエネルギー量である放熱エネルギー量を表している。この放熱エネルギー量Ehrは、大気温度および排気通路9の熱容量に基づいて算出される。また、a、bはそれぞれ後述する係数を表している。
上記式(1)によれば、排気温度検出地点におけるアフター燃料噴射実行開始前の排気温度Tgasを目標温度Ttから減算し、この減算値に排気流量Gnと係数aとを乗算することで、排気温度検出地点における排気温度を目標温度Ttに昇温させるために必要な1燃焼サイクル毎のエネルギー量である排気昇温エネルギー量Eupgasを算出する。つまり、係数aは、排気温度検出地点におけるアフター燃料噴射実行開始前の排気温度Tgasを目標温度Ttから減算した減算値に排気流量Gnを乗算した値をフィルタ昇温制御実行時における1燃焼サイクル毎のエネルギー量に換算する換算係数である。この換算係数aは予め定められた値である。
さらに、上記式(1)によれば、排気昇温エネルギー量Eupgasに放熱エネルギー量Ehrを加算する。この排気昇温エネルギー量Eupgasと放熱エネルギー量Ehrとの和が、フィルタ11の温度を目標温度Ttとするために必要な目標昇温エネルギー量Euptとなる。
そして、この目標昇温エネルギー量Euptに係数bを乗算することでアフター燃料噴射量Qafを算出する。つまり、係数bは、エネルギー量をアフター燃料噴射による燃料噴射量に換算する換算係数である。この換算係数bも予め定められた値である。
本実施例においては、排気温度センサ13によって排気温度が検出されるが、排気温度検出地点とフィルタ11との間の排気通路9において排気からの放熱があるため、流入排気の温度は排気温度検出地点の排気温度よりも排気通路9での放熱分だけ低くなる虞がある。
そのため、本実施例では、上記式(1)に示すように、排気昇温エネルギー量Eupgasと放熱エネルギー量Ehrとの和を目標昇温エネルギー量Euptとして算出する。これにより、目標昇温エネルギー量Euptをより精度良く算出することが出来る。そして、この目標昇温エネルギー量Euptをアフター燃料噴射による燃料噴射量に換算することでアフター燃料噴射量Qafを算出する。これによって、アフター燃料噴射量Qafをより精度良く算出することが可能となる。
また、上記式(1)によれば、フィルタ昇温制御における目標温度Ttが変化した場合であっても、目標昇温エネルギー量Euptを算出することが出来、以って、アフター燃
料噴射量Qafを算出することが出来る。
そのため、アフター燃料噴射を実行することでフィルタ昇温制御を行う場合において、フィルタ昇温制御における目標温度Ttを変化させた場合であっても、内燃機関1の運転状態および目標温度Tt、アフター燃料噴射量Qafの関係を再度実験によって求めたり、内燃機関1の運転状態および目標温度Tt、アフター燃料噴射量Qafの関係を定めたマップを目標温度Ttに応じて予め複数ECU20に記憶させたりすることなしに、アフター燃料噴射量Qafを算出することが出来る。
尚、本実施例においては、排気温度センサ13を設けずに、吸入空気量および主燃料噴射量に基づいて内燃機関1から排出される排気の温度を推定し、この温度を排気温度Tgasとしても良い。この場合、排気温度検出地点は、排気通路9における内燃機関1との接続部となる。
<第一のフィルタ昇温制御ルーチン>
以下、本実施例に係る、フィルタ11に堆積したPMを酸化・除去すべく行われるフィルタ昇温制御の制御ルーチンについて図2に示すフローチャートに基づいて説明する。本ルーチンは、ECU20に予め記憶されており、内燃機関1の運転中、クランクシャフトが規定クランク角回転する毎に実行されるルーチンである。尚、上記式(1)によるアフター燃料噴射量Qafの算出は、本ルーチンにおけるS104からS107によって実現される。
本ルーチンでは、ECU20は、先ずS101において、フィルタ昇温制御の実行条件が成立したか否かを判別する。フィルタ昇温制御の実行条件としては、フィルタ11に堆積したPMを酸化・除去すべく行った前回のフィルタ昇温制御の終了時点から、内燃機関1の運転時間が規定時間以上となった場合や、内燃機関1を搭載した車両の走行距離が規定距離以上となった場合等を例示することが出来る。S101において肯定判定された場合、ECU20はS102に進み、否定判定された場合、ECU20は本ルーチンの実行を終了する。
S102において、ECU20は、フィルタ11における現時点でのPM堆積量から目標温度Ttを設定する。ここでは、PM堆積量と目標温度Ttとの関係を定めたマップから目標温度Ttを設定しても良い。
次に、ECU20は、S103に進み、現時点での排気温度Tgasおよび排気流量Gn、大気温度Tairを読み込む。
次に、ECU20は、S104に進み、上記アフター燃料噴射量算出方法において説明したように、目標温度Ttおよび排気温度Tgas、排気流量Gnから排気昇温エネルギー量Eupgasを算出する。
次に、ECU20は、S105に進み、上記アフター燃料噴射量算出方法において説明したように、大気温度Tairおよび排気通路9の熱容量から放熱エネルギー量Ehrを算出する。
次に、ECU20は、S106に進み、上記アフター燃料噴射量算出方法において説明したように、排気昇温エネルギー量Eupgasおよび放熱エネルギー量Ehrから目標昇温エネルギー量Euptを算出する。
次に、ECU20は、S107に進み、上記アフター燃料噴射量算出方法において説明
したように、目標昇温エネルギー量Euptからアフター燃料噴射量Qafを算出する。
次に、ECU20は、S108に進み、アフター燃料噴射の実行を開始して本ルーチンの実行を終了する。
以上説明した制御ルーチンによれば、アフター燃料噴射を実行することでフィルタ昇温制御を行う場合において、フィルタ昇温制御における目標温度Ttを変化させる場合であっても、より好適に、また、より精度良くフィルタ11の温度を目標温度Ttとすることが出来る。
<第一のフィルタ昇温制御ルーチンの変形例>
次に、本実施例に係るフィルタ昇温制御の制御ルーチンの変形例について図3に示すフローチャートに基づいて説明する。本ルーチンも、前記と同様、ECU20に予め記憶されており、内燃機関1の運転中、クランクシャフトが規定クランク角回転する毎に実行されるルーチンである。尚、本ルーチンに係るS101からS107までは図2に示す制御ルーチンと同様であるためその説明を省略する。
フィルタ昇温制御においてアフター燃料噴射を実行した場合、アフター燃料噴射によって噴射された燃料が気筒2内で燃焼することによって内燃機関1のトルクが上昇する虞がある。
そこで、本ルーチンでは、ECU20は、S107の次にS208に進む。そして、S208において、ECU20は、S107にて算出されたアフター燃料噴射量Qafに係数cを乗算することで、アフター燃料噴射によって噴射される燃料の燃焼によって上昇する内燃機関1のトルクの上昇分を1燃焼サイクル毎に主燃料噴射によって噴射される燃料噴射量に換算した値Qmaindを算出する。即ち、係数cは、アフター燃料噴射量Qafを内燃機関1のトルクの上昇分に換算し、さらに、このトルクの上昇分を1燃焼サイクル毎に主燃料噴射によって噴射される燃料噴射量に換算する換算係数である。この換算係数cは、上記係数a、bと同様、予め定められた値である。
次に、ECU20は、S209に進み、減量補正をしないと仮定した場合にフィルタ昇温制御の実行時において1燃焼サイクル毎に主燃料噴射によって噴射される主燃料噴射量Qmain0からQmaindを減算することで、フィルタ昇温制御の実行時において1燃焼サイクル毎に主燃料噴射によって噴射する燃料噴射量である主燃料噴射量Qmainを算出する。
次に、ECU20は、S210に進み、アフター燃料噴射の実行を開始すると共に、主燃料噴射量をS209にて算出されたQmainに減量補正する。その後、ECU20は本ルーチンの実行を終了する。
以上説明した制御ルーチンによれば、フィルタ昇温制御の実行時における主燃料噴射量を減量補正することで、フィルタ昇温制御の実行前後における内燃機関1のトルクの変動を抑制することが出来る。
尚、本実施例においては、フィルタ11に堆積したPMを酸化・除去するときのフィルタ昇温制御について説明したが、フィルタ11に担持されているNOx触媒に吸蔵されたSOxを還元するために行われるフィルタ昇温制御も同様にアフター燃料噴射によって行う場合がある。この場合においても、本実施例に係るアフター燃料噴射量算出方法を適用することが出来る。
本実施例に係る内燃機関及びその吸排気系の概略構成は、上述した実施例1と同様であるためその説明を省略する。
<第二のフィルタ昇温制御>
次に、本実施例に係るフィルタ昇温制御について説明する。本実施例に係るフィルタ昇温制御においては、圧縮行程上死点近傍の時期に燃料噴射弁10から燃料を噴射することで行われる主燃料噴射に加え、ポスト燃料噴射を実行することで酸化触媒12に未燃燃料を供給する。そして、この未燃燃料が酸化触媒12において酸化することで発生する酸化熱によってフィルタ11を昇温させる。
ポスト燃料噴射は、酸化触媒12が活性化状態にあるときに、主燃料噴射後の膨張行程または排気行程であって、噴射された燃料が主に未燃燃料として内燃機関1から排出されて酸化触媒12に供給されるタイミングで燃料噴射弁10から燃料を噴射することで行われる。
そして、フィルタ昇温制御の実行時において1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射によって噴射する燃料噴射量Qp(以下、ポスト燃料噴射量Qpと称する)を調整することで、フィルタ11の温度を目標温度Ttとする。
また、本実施例に係るフィルタ昇温制御においても、上述した実施例1と同様、フィルタ11でのPM堆積量に応じて目標温度Ttを変更する。そのため、目標温度Ttが変化する毎にその目標温度Ttに対応したポスト燃料噴射量Qpを算出する必要がある。
<ポスト燃料噴射量算出方法>
ここで、本実施例に係るポスト燃料噴射量算出方法について説明する。本実施例では、下記式(2)によって、フィルタ昇温制御におけるポスト燃料噴射量Qpは算出される。
Qp=(Tt−Tgas)×Gn×a´×b´−Qu・・・(2)
式(2)において、Tgasは、排気温度センサ13によって検出されるポスト燃料噴射実行開始前の排気温度を表し、Gnは、エアフローメータ16の検出値に基づいて推定される排気流量を表している。また、Quは、フィルタ昇温制御の実行時において1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射以外の内燃機関1での燃料噴射によって酸化触媒12に供給される未燃燃料量を表している。この未燃燃料量Quは、内燃機関1の機関回転数および機関負荷に基づいて算出される。また、a´、b´はそれぞれ後述する係数を表している。
上記式(2)によれば、排気温度検出地点における排気温度Tgasを目標温度Ttから減算し、この減算値に排気流量Gnと係数a´とを乗算することで、フィルタ11を目標温度Ttに昇温させるために必要な1燃焼サイクル毎のエネルギー量である目標昇温エネルギー量Euptを算出する。つまり、係数a´は、排気温度検出地点における排気温度Tgasを目標温度Ttから減算した減算値に排気流量Gnを乗算した値をフィルタ昇温制御実行時における1燃焼サイクル毎のエネルギー量に換算する換算係数である。この換算係数a´は予め定められた値である。
ポスト燃料噴射によってフィルタ昇温制御を行う場合、アフター燃料噴射によってフィルタ昇温制御を行う場合のように内燃機関1から排出される排気を昇温させることでフィルタ11を昇温させるわけではないため上記実施例1にて説明したような放熱エネルギー量Ehrを考慮する必要がない。そのため、目標温度Ttおよび排気温度Tgas、排気流量Gnに基づいて上記のように算出したエネルギー量を目標昇温エネルギー量Eupt
とすることが出来る。
さらに、上記式(2)によれば、目標昇温エネルギー量Euptに係数b´を乗算することで、この目標昇温エネルギー量Euptを1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射によって噴射される燃料噴射量に換算する。つまり、係数b´は、エネルギー量をポスト燃料噴射による燃料噴射量に換算する換算係数である。この換算係数b´も予め定められた値である。尚、目標昇温エネルギー量Euptを1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射によって噴射される燃料噴射量に換算することで算出された値を換算ポスト燃料噴射量Qpcと称する。
そして、この換算ポスト燃料噴射量Qpcから、1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射以外の内燃機関1での燃料噴射によって酸化触媒12に供給される未燃燃料量Quを減算することでポスト燃料噴射量Qpを算出する。
本実施例においては、ポスト燃料噴射によって前段触媒12に未燃燃料が供給されるが、未燃燃料はポスト燃料噴射によってのみ供給されるわけではなく、例えば、主燃料噴射によって噴射された燃料の一部も未燃燃料として前段触媒に供給される場合がある。
そのため、本実施例では、上記式(2)に示すように、1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射以外の内燃機関1での燃料噴射によって酸化触媒12に供給される未燃燃料量Quを換算ポスト燃料噴射量Qpcから減算してポスト燃料噴射量Qpを算出する。これによって、ポスト燃料噴射量Qpをより精度良く算出することが出来る。
また、上記式(2)によれば、フィルタ昇温制御における目標温度Ttが変化した場合であっても、目標昇温エネルギー量Euptを算出することが出来、以って、換算ポスト燃料噴射量Qpc、さらにはポスト燃料噴射量Qpを算出することが出来る。
そのため、ポスト燃料噴射を実行することでフィルタ昇温制御を行う場合において、フィルタ昇温制御における目標温度Ttを変化させた場合であっても、内燃機関1の運転状態および目標温度Tt、ポスト燃料噴射量Qpの関係を再度実験によって求めたり、内燃機関1の運転状態および目標温度Tt、ポスト燃料噴射量Qpの関係を定めたマップを目標温度Ttに応じて予め複数ECU20に記憶させたりすることなしに、ポスト燃料噴射量Qpを算出することが出来る。
尚、本実施例においても、上述した実施例1と同様、排気温度センサ13を設けずに、吸入空気量および主燃料噴射量に基づいて内燃機関1から排出される排気の温度を推定し、この温度を排気温度Tgasとしても良い。
<第二のフィルタ昇温制御ルーチン>
以下、本実施例に係る、フィルタ11に堆積したPMを酸化・除去すべく行われるフィルタ昇温制御の制御ルーチンについて図4に示すフローチャートに基づいて説明する。本ルーチンは、ECU20に予め記憶されており、内燃機関1の運転中、クランクシャフトが規定クランク角回転する角毎に実行されるルーチンである。尚、本ルーチンおけるS101およびS102は図2に示す制御ルーチンと同様であるためその説明を省略する。また、上記式(2)によるポスト燃料噴射量Qpの算出は、本ルーチンにおけるS304からS307によって実現される。
本ルーチンでは、S101において肯定判定された場合、ECU20は、S302に進む。S302において、ECU20は、酸化触媒12が活性化状態にあるか否かを判別する。このS302において、肯定判定された場合、ECU20はS102に進み、否定判
定された場合、ECU20は本ルーチンの実行を一旦終了する。
また、本ルーチンでは、S102の次に、ECU20はS303に進む。S303において、ECU20は、現時点での排気温度Tgasおよび排気流量Gn、内燃機関1の機関回転数n、内燃機関1の機関負荷Qを読み込む。
次に、ECU20は、S304に進み、上記ポスト燃料噴射量算出方法において説明したように、目標温度Ttおよび排気温度Tgas、排気流量Gnから目標昇温エネルギー量Euptを算出する。
次に、ECU20は、S305に進み、上記ポスト燃料噴射量算出方法において説明したように、目標昇温エネルギー量Euptから換算ポスト燃料噴射量Qpcを算出する。
次に、ECU20は、S306に進み、フィルタ昇温制御の実行時において1燃焼サイクル毎にポスト燃料噴射以外の内燃機関1での燃料噴射によって酸化触媒12に供給される未燃燃料量Quを機関回転数nおよび機関負荷Qから算出する。
次に、ECU20は、S307に進み、上記ポスト燃料噴射量算出方法において説明したように、換算ポスト燃料噴射量Qpcおよび未燃燃料量Quからポスト燃料噴射量Qpを算出する。
次に、ECU20は、S308に進み、ポスト燃料噴射の実行を開始して本ルーチンの実行を終了する。
以上説明した制御ルーチンによれば、ポスト燃料噴射を実行することでフィルタ昇温制御を行う場合において、フィルタ昇温制御における目標温度Ttを変化させる場合であっても、より好適に、また、より精度良くフィルタ11の温度を目標温度Ttとすることが出来る。
尚、本実施例においては、フィルタ11に堆積したPMを酸化・除去するときのフィルタ昇温制御について説明したが、フィルタ11に担持されているNOx触媒に吸蔵されたSOxを還元するために行われるフィルタ昇温制御も同様にポスト燃料噴射によって行う場合がある。この場合においても、本実施例に係るポスト燃料噴射量算出方法を適用することが出来る。
本実施例に係る内燃機関及びその吸排気系の概略構成は、上述した実施例1と同様であるためその説明を省略する。また、本実施例においては、上述した実施例1と同様、主燃料噴射に加えてアフター燃料噴射を実行することでフィルタ昇温制御を行う。
<アフター燃料噴射制御>
次に、本実施例に係るアフター燃料噴射制御について説明する。本実施例においては、フィルタ昇温制御実行条件が成立した場合、上述した実施例1と同様の方法によってアフター燃料噴射量Qafを算出する。しかしながら、アフター燃料噴射量Qafが、燃料噴射弁10によって安定して噴射することが可能な燃料噴射量の下限値より小さい値として算出された場合、このアフター燃料噴射量Qafをアフター燃料噴射として燃料噴射弁10から噴射しようとすると、アフター燃料噴射として実際に気筒2内に噴射される燃料量のばらつきが許容範囲を越える虞がある。
そこで、本実施例においては、アフター燃料噴射量Qafが規定最小噴射量Qminより
小さい値として算出された場合、いずれかの気筒2でのアフター燃料噴射を行わずに、その気筒2の次以降にアフター燃料噴射が行われる気筒2にアフター燃料噴射の実行を順次繰り越すように各気筒2における燃料噴射を制御する。
ここで、規定最小噴射量Qminとは、燃料噴射弁10によって安定して噴射することが可能な燃料噴射量の下限値以上の値であって、燃料噴射弁10の性能等に応じて予め定められる値である。
そして、アフター燃料噴射を繰り越す毎にアフター燃料噴射量Qafを積算し、その積算量が規定最小噴射量Qmin以上となったときにアフター燃料噴射を実行する。そして、このときのアフター燃料噴射によって噴射する燃料噴射量をそれまでに積算したアフター燃料噴射量Qafの積算量とする。
このようなアフター燃料噴射制御によれば、アフター燃料噴射量Qafが規定最小噴射量Qminより小さい値となったときは、各気筒2において1燃焼サイクル毎にアフター燃料噴射が行われるのではなく、アフター燃料噴射量Qafの積算量が最小噴射量Qmin以上となる毎(即ち、複数の燃焼サイクル毎)にアフター燃料噴射が行われることになる。
そして、このときのアフター燃料噴射によって噴射する燃料噴射量をそれまでに積算したアフター燃料噴射量Qafの積算量とすることで、アフター燃料噴射実行毎に燃料噴射弁10から噴射する燃料噴射量を最小噴射量Qmin以上とすることが出来る。
従って、本実施例によれば、アフター燃料噴射によって気筒2内に噴射される燃料噴射量をより精度良く制御することが出来、以って、フィルタ昇温制御において、フィルタ11の温度をより精度良く目標温度に制御することが可能となる。
尚、本実施例においては、副燃料噴射をアフター燃料噴射とした場合について説明したが、副燃料噴射をポスト噴射とした場合にも本実施例と同様の制御を適用することが出来る。
本発明の実施例に係る内燃機関及びその吸排気系の概略構成図。 本発明の実施例1に係るフィルタ昇温制御の制御ルーチンを示すフローチャート。 本発明の実施例1に係るフィルタ昇温制御の制御ルーチンの変形例を示すフローチャート。 本発明の実施例2に係るフィルタ昇温制御の制御ルーチンを示すフローチャート。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・気筒
9・・・排気通路
10・・燃料噴射弁
11・・パティキュレートフィルタ
12・・酸化触媒
13・・排気温度センサ
16・・エアフローメータ
20・・ECU

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ排気を浄化する排気浄化装置と、
    該排気浄化装置より上流側の前記排気通路内の排気温度を検出する排気温度検出手段と、
    前記排気浄化装置に流入する排気流量を検出する排気流量検出手段と、を備え、
    該排気浄化装置の排気浄化能力を再生させるときに、前記内燃機関の気筒内において、圧縮行程上死点近傍で行われる主燃料噴射に加え該主燃料噴射後の膨張行程または排気行程で副燃料噴射を行うことで、前記排気浄化装置を目標温度に昇温させる排気浄化装置昇温制御を実行する内燃機関の排気浄化システムにおいて、
    前記排気温度検出手段によって検出される排気温度および前記排気流量検出手段によって検出される排気流量に基づいて、前記排気浄化装置昇温制御の実行時に前記排気浄化装置を前記目標温度に昇温させるために必要な1燃焼サイクル毎のエネルギー量である目標昇温エネルギー量を算出する目標昇温エネルギー量算出手段と、
    該目標昇温エネルギー量算出手段によって算出された目標昇温エネルギー量を、1燃焼サイクル毎に前記副燃料噴射によって噴射する燃料噴射量に換算することで、前記排気浄化装置昇温制御の実行時において1燃焼サイクル毎に前記副燃料噴射によって噴射する燃料噴射量である副燃料噴射量を算出する副燃料噴射量算出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記排気浄化装置昇温制御において、前記副燃料噴射を、噴射された燃料が主に前記気筒内で燃焼して排気温度が上昇するタイミングで行われるアフター燃料噴射とした場合であって、
    前記排気温度検出手段によって検出される前記アフター燃料噴射開始前の排気温度と前記目標温度との差および前記排気流量検出手段によって検出される排気流量に基づいて、前記排気温度検出手段によって排気温度が検出された地点における排気温度を前記目標温度に昇温させるために必要な1燃焼サイクル毎のエネルギー量である排気昇温エネルギー量を算出し、
    さらに、1燃焼サイクル毎に発生するエネルギー量のうち、前記排気温度検出手段によって排気温度が検出される地点から前記排気浄化装置までの間の前記排気通路における排気からの放熱によって放出される分のエネルギー量である放熱エネルギー量を算出し、前記排気昇温エネルギー量と該放熱エネルギー量との和を前記目標昇温エネルギー量として前記目標昇温エネルギー量算出手段が算出することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記排気浄化装置昇温制御を実行したときは、前記アフター燃料噴射によって噴射される燃料が前記気筒内で燃焼することによって上昇する前記内燃機関のトルクの上昇分を1燃焼サイクル毎に前記主燃料噴射によって噴射される燃料噴射量に換算し、この換算値を前記排気浄化装置昇温制御の実行時において1燃焼サイクル毎に前記主燃料噴射によって噴射される燃料噴射量である主燃料噴射量から減算することで前記排気浄化装置昇温制御の実行時における前記主燃料噴射量を減量補正することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記排気浄化装置より上流側の前記排気通路に設けられた酸化機能を有する前段触媒をさらに備え、
    前記排気浄化装置昇温制御において、前記副燃料噴射を、前記前段触媒が活性化状態にあるときに、噴射された燃料が主に未燃燃料として前記前段触媒に供給されるタイミングで行われるポスト燃料噴射とした場合であって、
    前記排気温度検出手段によって検出される排気温度と前記目標温度との差および前記排気流量検出手段によって検出される排気流量に基づいて前記目標昇温エネルギー量を前記
    目標昇温エネルギー量算出手段が算出し、
    さらに、前記目標昇温エネルギー量算出手段によって算出された前記目標昇温エネルギー量を1燃焼サイクル毎に前記ポスト燃料噴射によって噴射する燃料噴射量に換算すると共に、この換算値から、1燃焼サイクル毎に前記ポスト燃料噴射以外の前記内燃機関での燃料噴射によって前記前段触媒に供給される未燃燃料量を減算することで、前記副燃料噴射量を前記副燃料噴射量算出手段が算出することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化システム。
  5. 前記副燃料噴射量算出手段によって算出された前記副燃料噴射量が規定最小噴射量より少ない場合、前記副燃料噴射の実行を次回以降の燃焼サイクルに順次繰り越すと共に前記副燃料噴射の実行を繰り越す毎に前記副燃料噴射量を積算し、該副燃料噴射量の積算量が前記規定最小噴射量以上となる毎にその積算量を前記副燃料噴射によって噴射することで前記副燃料噴射を実行することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
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