JP2006095475A - 高含水有機物の処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高含水有機物に対して、水熱反応させることにより有機物を分解する処理方法において、高い熱効率で水熱反応容器を加熱し、かつ温度条件を速やかに変化させることができる水熱処理方法及びその装置の提供を目的とする。
【解決手段】高含水有機物の沸点以上、及びその温度に応じた飽和蒸気圧以上の条件に耐えることができる水熱反応容器と、マイクロ波を導入するためのマイクロ波発生装置、該マイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体を有し、該水媒体を沸点以上の温度に加熱することにより、該水媒体中の有機物を分解する。
【選択図】図1
【解決手段】高含水有機物の沸点以上、及びその温度に応じた飽和蒸気圧以上の条件に耐えることができる水熱反応容器と、マイクロ波を導入するためのマイクロ波発生装置、該マイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体を有し、該水媒体を沸点以上の温度に加熱することにより、該水媒体中の有機物を分解する。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機物の処理方法及び処理装置に関し、特に厨芥類、し尿、汚泥、家畜糞尿等の高含水性の有機廃棄物を分解する方法及びこの方法を行うための処理装置に関するものである。
近年、各種廃棄物の排出による環境負荷の増大、最終処分場の残余容量の逼迫等の問題が深刻化する中、廃棄物の適正処理及び再資源化への要請が高まっている。そのような中、特に厨芥類、し尿、汚泥、家畜糞尿等の高含水性の有機廃棄物の処理が大きな問題となっている。これらの有機廃棄物は家庭や中・小規模事業場などを発生源とし、分散した箇所で発生するため、従来のように大規模な集中処理を行おうとすると、その輸送コストが大きな負担となる。また、水分を多く含むため、乾燥減容又は燃焼させるためには、新たにエネルギーを投入する必要があり、環境負荷の増大につながる。したがって、このような有機廃棄物を如何にしてオンサイトで処理し、かつ環境負荷を低減するかということが大きな課題となっている。更に、そのような処理を行う設備又は装置は、既存の施設に負担をかけないよう、できる限り小型であることが望ましい。そのような目的及び用途に適した処理方法として水熱反応を利用した水熱処理がある。水熱反応は高温・高圧の水を用いた反応であり、常温常圧での反応に比べ、有機物の加水分解や酸化分解等の化学反応速度を速くすることができる。また、酸化剤もしくは反応分解性の触媒の存在下においては、有機物の酸化分解を調節することによってメタンや水素等の可燃性ガスを得ることもでき、これをガスエンジン等で燃焼することにより、電力エネルギー及び/又は熱エネルギーを回収することもできる。
有機廃棄物の処理方法の第1段階は水媒体へのその可溶化であり、有機廃棄物の可溶化処理方法としては、一般的によく知られている生物学的可溶化処理の他、熱・アルカリ処理(例えば、非特許文献1参照)、水熱処理(例えば、非特許文献2)等が知られている。いずれの方法によっても有機廃棄物を含有する水媒体を、有機酸を含む可溶化処理水にすることができる。
しかしながら、生物学的可溶化処理は、主に加水分解微生物が体外に分泌する酵素の作用によって有機物を可溶化する方法で、1乃至2日程度の時間を要する。また、熱・アルカリ処理は、アルカリによる有機物の可溶化と、高温の水による加水分解反応の促進による相乗効果を狙った方法であり、数時間〜1日程度の時間を要する。これらの方法に対し、水熱処理は、亜臨界水条件下における誘電率の減少による優れた有機物の溶解作用と、イオン積の増加による激しい加水分解反応の相乗効果を利用した可溶化処理方法であり、数十分〜数時間程度の時間で可溶化することができる。常温における水の誘電率は80であるが、亜臨界水又は超臨界水におけるその誘電率は2〜30であり、極性溶媒から無極性溶媒に匹敵するため、常温では水に溶かすことのできない有機物を水媒体中に溶解させることが可能になる。また、水のイオン積は常温では1×10-14(mol/l)2であるが、265℃付近においては最大値を示し、1×10-11(mol/l)2となる。このときの水素イオン濃度は3×10-6(mol/l)となり、常温におけるそれの約30倍となるため、水が酸触媒として機能する。したがって、水が電解質溶媒としてイオン的反応場に好条件を提供し、水の解離のため、水自身が酸やアルカリの機能を示すことによって加水分解反応が促進される。この方法を用いれば、例えば給食センター排水の活性汚泥を230℃で10分間、水熱処理することにより固形有機物の84%が可溶化したことが、非特許文献2に報告されている。したがって、水熱処理を行うことにより、有機廃棄物の可溶化に要する時間を短縮することができるため、処理設備又は処理装置の小型化を図ることができる。
また、有機廃棄物の処理方法の第2段階は、可溶化処理により得られた可溶化処理液の酸化分解であり、その処理方法としては、一般的によく知られている生物学的処理、超臨界水酸化処理(例えば、特許文献1参照)、触媒湿式酸化処理(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
しかしながら、生物学的処理は、主に細菌、原生動物及び後生動物等を含む微生物の代謝によって有機物を分解する方法で、数時間〜1日の時間を要する上に、微生物自身の増殖により、余剰汚泥が有機廃棄物として新たに発生する。超臨界水酸化及び触媒湿式酸化処理は、高温・高圧の水を用いて、酸化剤や触媒の存在下で酸化反応させることにより有機物を分解する方法で、数分〜数十分の時間で有機物を分解することが可能である。処理後に、二酸化炭素及び窒素を主成分とする排ガスと、水を主成分とする排液を得る方法であるため、廃棄物となる二次生成物の発生量が少なく、発生した有機廃棄物をオンサイトで処理したいという需要のある、小規模施設での利用に適している。
図2に、従来の水熱反応による処理方法の工程図を示す。
まず、輸送管15を経由して導入された有機廃棄物を前処理する。有機廃棄物が固形状である場合には、破砕装置16により、固形物を数mm以下の粒径にまで破砕する。一方、有機廃棄物がし尿、汚泥、廃液であって、液状であるために破砕する必要がない場合には、必要に応じてスクリーンに通し、数mm前後を越える粒径の固形物は異物として除去し、輸送管17を経由して排出される。この破砕工程において、ガラス、砂礫、又は金属等の無機固形物は可能な限り除去する。
次いで、この破砕装置16において得られた有機廃棄物を含む液体を、輸送管18を経由して調整槽19に導入し、希釈水と混合することにより原料スラリーを得る。この原料スラリーは、ポンプで送ることが可能な程度の流動性を有する含水率とすることが望ましい。
前記前処理工程において得られた原料スラリーを、昇圧ポンプ20により0.1〜8.6MPaに加圧し、輸送管21を経由して第一水熱反応器22に導入する。第一水熱反応器22において水熱反応させることにより、可溶化処理水を得る。水熱反応とは、水の存在下、高温・高圧に保持することにより起こる反応をいい、例えば0.1〜8.6MPaに加圧し、この圧力を維持したまま、100〜300℃の温度に加熱した状態で、通常、数十分〜数時間保持する。例えば、連続処理の場合には、反応器の内部を昇温しておき、そこに原料スラリーを加圧して導入し、原料スラリーが所定の時間、滞留できるようにする。一方、バッチ処理又はバッチ処理を繰り返す準連続処理の場合には、密閉耐圧容器に原料スラリーを導入して加熱し、昇温に伴う水蒸気圧の下で所定の時間、保持することにより水熱処理する。
水熱処理することにより、原料スラリーに含まれている有機物が分解される。例えば、酸化剤を添加することなく、250〜300℃の温度で、飽和水蒸気圧以上の圧力の下では、特に265℃で水のイオン積が最大となり、加水分解作用が促進されるため、有機廃棄物中に含まれるタンパク質、脂肪、炭水化物等の有機物を短時間で加水分解することができる。一方、有機廃棄物に含まれる無機成分は、水相に移行する。更に、有機化合物に含まれている、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子も脱離し、ハロゲン原子を含む無機成分を生成し、水相に移行する。
第一水熱反応器22により得られた可溶化処理水は、輸送管23を経由して第二水熱反応器26に導入され、輸送管24を経由して導入されて昇圧ポンプ25により0.1MPa以上に昇圧された酸化剤と混合して水熱反応させ、酸化分解処理水を得る。水熱反応とは、前記で述べた通り、水の存在下、高温・高圧に保持することにより起こる反応である。ここでは、例えば4.0MPa以上に加圧し、250〜600℃の温度に加熱した状態で酸化剤と混合し、数十分〜数時間、この状態を保持する。
酸素、オゾン、過酸化水素水などの酸化剤の存在下、250〜600℃前後の温度で、飽和水蒸気圧の下では、水の分子運動が激しくなるために、強い酸化力が得られ、アミノ酸、糖、有機酸等の有機物を、二酸化炭素、水にまで短時間で酸化分解することができる。これを超臨界水酸化と呼ぶ。また、第二水熱反応器26に触媒を充填し、250〜300℃前後の温度で酸化分解を行う場合には触媒湿式酸化と呼ばれている。更に、触媒の種類や反応温度等を調整することにより、酸化の程度を変化させ、メタンや水素等の可燃性ガスを生成することもできる。
次いで、第二水熱反応器26により得られた酸化分解処理水は、輸送管27を経由して気液分離器28に導入され、大気圧まで減圧するとともに、冷却して気液分離を行い、気体成分については輸送管29を経由して処理ガスを排出する。また、液体成分については輸送管30を経由して処理液として排出するか、もしくは輸送管31及び輸送ポンプ32を経由して調整槽19に希釈水として導入する。
処理用途によっては、第一水熱反応器22により得られた可溶化処理水を嫌気性発酵槽に導入して嫌気性発酵を行い、生成するバイオガスをガスエンジン等で燃焼することにより電力エネルギー及び/又は熱エネルギーに変換することもできる。また、第二水熱反応器26における酸化剤の投入量、温度、触媒の種類等を調整することにより、メタン又は水素を多く含む可燃性ガスを得て、ガスエンジン等で燃焼することにより電力エネルギー及び/又は熱エネルギーに変換することもできる。
特開平11−090495号公報
特開平7−024482号公報
稲垣智亮、鈴木重浩、「熱アルカリ処理による嫌気性汚泥消化の効率化(II)−オンサイト規模による実証−」、第32回下水道研究発表会講演集、1995年、703−705項
山下雅治、吉岡和三、福永栄、「有機性廃棄物の水熱可溶化とバイオガス回収システム」、石川島播磨技報、第41巻、第5号、2001年、235−239項
しかしながら、従来の水熱反応装置は電気ヒータ等の間接加熱装置を用いており、加熱装置自体を加熱した後に処理対象に伝熱して加熱する方法であるため、外部に発散する熱によるロスが生じ、熱効率が低下するという問題があった。したがって、水熱反応容器の周囲には大掛かりな断熱構造を設ける必要があり、装置が大型化してしまうという問題があった。一方、電気ヒータを、直接、水熱反応容器内部に設置することも考えられるが、電気ヒータはそもそも導体のジュール熱を利用するものであり、物質を構成する原子と電子が衝突することにより発生する熱を利用するものであるため、その熱効率は原子と電子の衝突頻度に依存し、発熱量は電流の2乗に比例する。したがって、加熱には大電流を必要とするため、熱効率の高い加熱方法ではない。
更に、電気ヒータ等の間接加熱装置は、伝熱を介した加熱方法であるために加熱に時間がかかり、水熱反応装置の立ち上げ時間が長く、温度条件を変えるのに時間がかかるという問題があった。特に、家庭、レストラン又は喫茶店等の飲食店から排出される厨芥類及び食品残渣は、朝、昼、晩の特定の時間に集中して排出されることが多く、これらをオンサイトで処理するには、必要な時に必要な量だけ処理することができる、断続運転を行うことが好ましい。また、厨芥類には肉、野菜、骨などの多種多様な有機物及び無機物が含まれており、これらの成分比は発生量が少ないほど変動が大きい。したがって、これらの有機廃棄物を処理する際の最適処理条件、具体的には例えば温度や圧力等の最適条件は、処理対象の成分比によって大きく変動するため、電気ヒータのように温度条件を変えるのに時間のかかる水熱反応装置では、最適処理条件を維持することが難しいという問題があった。
前記従来の課題を解決するもので、本発明は、有機廃棄物を含有する水媒体に対して、水熱反応させることにより有機物を分解する処理方法に関し、高い熱効率で、かつ温度条件を速やかに変化させることができる処理方法及びその装置の提供を目的とする。更に、本発明は、高含水有機物の分解に係る広範囲の有機廃棄物の処理に適用が可能で、必要に応じて分解の程度を液状化、ガス化、無毒化・無害化もしくは無毒化・無害化の何れかから選択することが可能な処理方法及びその装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、高含水有機物を水熱反応させることにより前記高含水有機物を分解する水熱反応工程を有し、その水熱反応工程における有機物分解は、マイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体にマイクロ波を照射して、高含水有機物を直接又は間接的に接触させ、高含水有機物を沸点以上の温度に加熱して行うことを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、有機固形物を破砕する手段と、無機固形物を分離する手段と、水媒体により希釈する手段の少なくとも一つの手段を含む前処理工程を有することを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、マイクロ波が300MHzから300GHzの電磁波であることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、マイクロ波を連続照射あるいはパルス照射することを特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、加熱媒体が、炭素、アルミニウム、ニッケル、酸化銅又は酸化鉄のいずれかを含む誘電体からなることを特徴とする。
請求項6に記載の本発明は、加熱媒体が多孔質であることを特徴とする。
請求項7に記載の本発明は、水熱反応工程は有機物を加水分解及び/又は酸化する反応を含む処理を行うことを特徴とする。
請求項8に記載の本発明は、有機物の性状によってマイクロ波の出力を制御することを特徴とする。
請求項9に記載の処理装置は、高含水有機物の沸点以上374℃以下の温度に応じた飽和蒸気圧の条件に耐えることができる水熱反応容器と、前記水熱反応容器にマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置と、前記マイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体を有し、マイクロ波を吸収して発熱する加熱媒体にマイクロ波を照射し、前記高含水有機物を直接又は間接的に接触させて沸点以上の温度に加熱し、分解することを特徴とする。
請求項10に記載の処理装置は、マイクロ波が300MHzから300GHzの電磁波であることを特徴とする。
請求項11に記載の処理装置は、マイクロ波を連続照射あるいはパルス照射することを特徴とする。
請求項12に記載の処理装置は、水熱反応容器が金属及びマイクロ波を透過する性質を有する材料から構成されていることを特徴とする。
請求項13に記載の処理装置は、水熱反応容器とマイクロ波発生装置を接続する金属製外鞘を配してなることを特徴とする。
請求項14に記載の処理装置は、マイクロ波を透過する性質を有する材料が、石英、サファイア、セラミック、フッ素樹脂又は高分子のいずれかであることを特徴とする。
請求項15に記載の処理装置は、加熱媒体が、炭素、アルミニウム、ニッケル、酸化銅又は酸化鉄のいずれかを含む誘電体からなることを特徴とする。
請求項16に記載の処理装置は、加熱媒体が多孔質であることを特徴とする。
請求項17に記載の処理装置は、水熱反応工程は有機物を加水分解及び/又は酸化する反応を含む処理を行うことを特徴とする。
請求項18に記載の処理装置は、有機物の性状を測定する検知器により、マイクロ波発生装置の出力を制御することを特徴とする。
本発明によれば、加熱装置にマイクロ波及びマイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体を用いることにより、速やかに温度及び圧力を変化させることができるため、迅速な処理装置の立ち上げや、処理対象の成分変動に応じたタイムリーな処理条件調節が可能な、高制御性の水熱処理装置を提供できる。
更に、電気ヒータ等の加熱装置と異なり、物質を直接加熱することができるために熱効率を高めることができ、エネルギーを大量に消費することなく、かつ小型の水熱反応装置を提供できる。
したがって、本発明によれば、速やかに温度を変化させることができために処理装置の断続運転を容易に行うことができ、かつ高い熱効率であるためにエネルギー消費が少なく、環境負荷を増大させることがないため、厨芥類、し尿、汚泥、家畜糞尿等の高含水性の有機廃棄物のオンサイト処理を実現することができる。
本発明は、高含水有機物に対して、100℃以上374℃以下の温度及びその温度に応じた飽和蒸気圧条件下で有機物を分解するものである。有機物の代表例としては、厨芥類、し尿、汚泥、家畜糞尿等の高含水性の有機廃棄物が挙げられる。更に、その主たる成分は、炭水化物、タンパク質、脂肪又は繊維である。まず、これらの有機廃棄物を前処理する。有機廃棄物が固形状である場合には、破砕装置により、固形物を1mm以下のメジアン径にまで破砕することが好ましい。一方、有機廃棄物がし尿、汚泥、廃液であって、液状であるために破砕する必要がない場合には、必要に応じてスクリーンに通し、1mm前後を越える粒径の固形物は異物として除去する。この破砕工程において、ガラス、砂礫、又は金属等の無機固形物はその大きさに関わらず可能な限り除去することが好ましい。
次いで、破砕された有機物を希釈水と混合することにより、原料スラリーを得る。この原料スラリーは、ポンプで水熱反応容器に送ることが可能な程度の流動性を有する含水率とすることが望ましい。この水媒体は水を主成分とするものであればよく、水溶液、懸濁液、乳化液の何れであってもよい。また、水媒体は液体の有機廃棄物が混合していてもよい。水媒体中に混合している有機廃棄物は、液体、固体を問わない。水媒体中の有機性固形物濃度は1〜10%であることが好ましく、処理効率を考慮すると、4〜10%であることが更に好ましい。前記範囲以上の濃度では原料スラリーの粘性のため、ポンプ及び水熱反応容器に流通することが困難になる。
次いで、得られた原料スラリーを374℃以下の温度で水熱処理する。374℃は水の臨界温度であり、臨界温度より高い温度では超臨界水となり、気相と液相とを区別することができなくなるため、該水媒体を連続的に扱うことが困難になる。
しかし、水媒体全体の温度は超臨界にならない温度、即ち374℃以下の状態であって、例えば前記加熱媒体の表面のみが局所的に374℃以上の温度になってもよい。
水熱処理は、処理温度における飽和水蒸気圧程度の下で処理される。即ち、水が液相で存在する条件で水熱反応を行う。蒸気圧とは、一定の温度において液相又は固相と平衡状態にある気相の圧力をいう。本発明においては、高温・高圧における水の蒸気圧が問題になることから、主に、液相と平衡にある気相の圧力をいうこととする。水の飽和蒸気圧は水中に溶解した成分とその濃度に影響を受けるため、有機物又は無機物が溶解している水媒体の蒸気圧は、純粋な水の飽和蒸気圧とは異なる。
水の存在下、酸化剤を添加することなく、100℃以上374℃の条件で水熱処理すると、主に加水分解が進行する。例えば、加水分解により、炭水化物や繊維は糖などに、タンパク質はアミノ酸等に、脂肪は有機酸等に分解される。
また、水の存在下、酸化剤及び反応分解性の触媒を添加して、100℃以上374℃以下の状態で水熱処理すると、酸化が進行し、水媒体に含有している有機物が酸化分解される。この水熱処理により得られる処理物は、有機物廃棄物が分解することにより、廃棄の必要が無くなるのであればよく、必要に応じて、有機酸を含む水溶液、メタンや水素等の可燃性ガス、二酸化炭素や窒素等のガスなど、何れの処理物が得られてもよい。酸化により得られる処理物は液体、気体を問わない。
酸化剤は酸素、オゾン、過酸化水素水のいずれであってもよく、酸素としては、酸素ガスを含有する気体、例えば空気を使用することにより、空気中の酸素を利用してもよい。酸化剤の導入方法は、あらかじめ原料スラリーと混合した後に昇圧、加熱して水熱処理してもよく、また、原料スラリーとは別に昇圧させた後に混合して加熱し、水熱処理してもよい。酸化剤と原料スラリーとの混合方法は問わない。
また、反応分解性の触媒は、パラジウム、ロジウム、白金等から選択される貴金属もしくは、銅、ニッケル、コバルト、鉄等から選択される遷移金属のいずれを用いてもよい。反応分解性の触媒の設置方法としては、水媒体の流通を妨げない範囲で水熱反応容器の内部に充填することが望ましく、粒子状の触媒を水熱反応容器の内部に充填してもよい。また、前記誘電体の表面に担持又は塗布してもよい。反応分解性の触媒の設置方法は問わない。
マイクロ波の周波数は300MHz〜300GHzであり、出力は0.1〜10kWであることが好ましい。マイクロ波の出力方法は、連続照射、パルス照射を問わないが、パルス照射することにより、瞬間的な投入エネルギーを増大させることを図ってもよい。更に、電子レンジの部品として安価なマグネトロンが市場に提供されている2.45GHzの周波数を用いることが更に好ましい。安価なマイクロ波発生装置を用いることにより、装置のイニシャルコストを低減することができる。
マイクロ波を双極子分子である誘電体に対して照射すると、電気双極子が回転し、分子摩擦による熱エネルギーが放出される。したがって、マイクロ波を照射することにより誘電体を加熱することができる。マイクロ波照射による加熱は、物質を分子レベルで直接加熱することができるため、電熱ヒータ等による加熱方法と異なり、高効率かつ短時間で物質を加熱することができる。例えば、10mlの水に対し2.45GHz、500Wのマイクロ波を照射した結果、60秒で沸点に達したことが実験的に確かめられている(柳田祥三、松村竹子著、「化学を変えるマイクロ波熱触媒」、(有)ケイ・ディー・ネオブック、2004年1月5日、18項)。
このようなマイクロ波の特性を利用し、マイクロ波を照射することにより、高温・高圧容器を用いることなく、有機性汚泥の熱処理を高効率で行い、生物化学的消化性を向上させる方法が考えられている(特開昭57−135100)。しかし、上記特許文献にも記載されている通り、処理温度を上げるほど反応速度が促進されることは明白な事実であり、可能ならば高温・高圧で有機物を処理することが好ましい。また、高温・高圧の水を用いることで、優れた有機物の溶解作用と、激しい加水分解の相乗効果を期待できることは前記に述べた通りである。本発明は、マイクロ波を用いた熱処理を高温・高圧条件で行うことを特徴とするものである。
また、マイクロ波を照射することにより物質を加熱することができることは一般的に知られているが、その他に、化学反応を促進する効果のあることも知られている。例えば、0.5M塩酸水溶液中にでんぷんを10%懸濁し、温度を95℃に設定してマイクロ波を照射した結果、通常の加熱法に比べて、約12倍の速さで分解反応が起きたことが実験的に確かめられている(H−M.Yu et al., Am. Chem. Soc., 61、1996、9608−9609項)。また、タンパク質である絹フィブロインの加水分解反応において、通常の水熱反応よりも、マイクロ波を照射した条件での水熱反応の方が、より低温かつ短時間に加水分解が進行したことが実験的に確かめられている(A.Quitain et al., 5th International Conference on Solvo−Thermal Reactions,July22−26、2002年、East Brunswich、New Jersey)。
本発明はマイクロ波と、マイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体を用いることにより、水熱反応容器を加熱するものであるが、水熱反応の要因としては、加熱媒体により加熱される水媒体の水熱反応、例えば加水分解反応や、酸化剤の存在下で起こる酸化分解反応に限らず、マイクロ波を照射することによる前記加水分解反応や前記酸化分解反応の促進効果、即ちマイクロ波照射による非熱的な効果を含んでもよい。
更にまた、物質の誘電損失が大きいほどマイクロ波吸収による熱発生量が大きいことが一般的に知られており、水とアルミナを1:1で混合した条件でマイクロ波を照射した結果、水のみの場合には約60秒で沸点に到達したのに対し、約10秒で沸点に到達したことが実験的に確かめられている(柳田祥三、松村竹子著、「化学を変えるマイクロ波熱触媒」、(有)ケイ・ディー・ネオブック、2004年1月5日、32−33項)。したがって、マイクロ波を直接水媒体に照射するよりも、マイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体を添加する方が、より短時間で水媒体を加熱することができる。更に、誘電損失の因子である、誘電損失係数は温度依存性を持っており、物質の温度によってマイクロ波による発熱量は変化する。例えば、水の常温における誘電損失係数は約12であるが、80℃における誘電損失係数は2程度であり、温度が上昇するに従い、誘電損失が小さくなるため、高温になるほど加熱効率が低くなる。したがって、沸点以上の水熱反応に必要な高温状態にまで水媒体を加熱するには、水よりも誘電損失係数が大きく、発熱量の大きい誘電体を加熱媒体として添加することがより好ましい。
前記誘電体は、マイクロ波を吸収して発熱する材料であればよく、具体的には、炭素、アルミニウム、ニッケル、酸化銅又は酸化鉄のいずれかを含んで成る物質であることが望ましい。特に、炭素については、25gの粉末固体を水100ml存在下で、2.45GHz、1kWのマイクロ波を1分間照射したところ、粉末固体の温度が1283℃にまで上昇したことが実験により確認されている(吉田隆、「マイクロ波の新しい工業利用技術」、(株)エヌ・ティー・エス、2003年、13−14項)。このような、発熱量の大きい誘電体材料を加熱媒体として用いることが好ましい。
したがって、マイクロ波とマイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体を用いる加熱方法は熱効率が高いことに注目し、例えば、マイクロ波とマイクロ波により誘電加熱される蓄熱体を用いて、効率良くし尿を乾燥処理する方法が考えられている(特開平3−114582)。しかし、常温常圧において行う上記方法においては、熱エネルギーの大部分は水に吸収されて蒸発に利用されてしまうため、被処理物の温度は水の沸点を超えることはない。また、上記特許文献に記載の処理装置は、し尿の乾燥を行うものであって、し尿に含まれる有機物の分解を行うことができないために、乾燥して残留した固形分は粉末状にして送風により装置外に放出する構造となっている。この方法では、未分解の有機物を処理装置周辺に撒き散らすことになり、衛生上好ましくない。本発明は有機廃棄物をオンサイトで処理することにより環境負荷の低減を図るものであるため、非処理物に含まれる有機物は分解することが好ましい。これに対し、本発明は、高温・高圧に耐えることができる水熱反応容器を用いることにより、有機物を沸点以上の温度に加熱し、水熱反応させることによって有機物を分解することができる処理装置を提供するものである。
更に、前記加熱媒体は、加熱効率を高くするために、被加熱媒体との接触面積の大きい多孔質であることが好ましい。孔径は、できる限り被加熱媒体との接触面積が大きく、かつ被加熱媒体の流通を妨げない大きさであることが望ましく、メジアン径1mm以下であることが好ましい。
更に、前記水熱反応容器の周囲は、マイクロ波が外部に漏洩することを防ぐための、金属製外鞘により囲まれていることが望ましく、金属製外鞘により電磁気学的に遮蔽される構造であることが好ましい。更に、マイクロ波が進入できない径の開口部を金属製外鞘に設け、前記水熱反応容器に高含水有機物を導入するための液体入口と、該水媒体を排出するための液体出口を設けることが望ましい。具体的には、該開口部の長径が62mm以下であることが好ましく、更に20mm以下であることがより好ましい。又は、該開口部にマイクロ波を消去するためのチョーク構造を設けてもよい。マイクロ波の漏洩が起きると、マイクロ波の損失が生じる他、人体に影響を及ぼす可能性があるため、安全上好ましくない。
次に、本発明の水熱反応容器の概略構成図を図1に示す。この処理装置は高含水の有機廃棄物である厨芥を処理する装置で、厨芥とは家庭やレストラン等の飲食店から排出される動植物性残渣である。厨芥はあらかじめ前処理することにより原料スラリーにする。具体的には、まず破砕装置により固形物を1mm以下のメジアン径にまで破砕する。次いで有機固形物濃度10%になるように水で希釈して原料スラリーを得る。
本発明による水熱反応容器は、原料スラリーを昇圧する昇圧ポンプ1と、昇圧された原料スラリーを予熱する予熱器4と、水熱反応容器7と、マイクロ波発生装置10と、水熱反応容器とマイクロ波発生装置10を接続する金属製外鞘9と、マイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体6と、水熱処理した原料スラリーの温度を測定するための温度検知器11を備えて構成されている。
かかる構成によれば、原料スラリーは昇圧ポンプ1により5.1MPaに加圧され、輸送管2を経由して開閉器3を通過する。開閉器3を通過した後、輸送管2の外周には予熱器4が設けられており、予熱器4は電気ヒータであり、輸送管2内の原料スラリーは100℃まで加熱される。予熱器4の原理には制限が無く、マイクロ波加熱装置、熱交換器、電磁誘導、高温蒸気等の何れを用いてもよい。また、予熱器4はマイクロ波を用いた加熱装置の消費エネルギーの負担を軽くするものであり、必要がなければ省略してもよい。
予熱器4により加熱された原料スラリーは、開閉器5を通過して水熱反応容器7に導入され、マイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体6を透過することにより265℃に加熱される。265℃の条件では加水分解能力が最も高くなる。
水熱反応容器7は265℃の高温、5.1MPaの高圧、かつ腐食に耐えることができる材料、具体的にはSUS316から構成されている。水熱反応容器7は高温・高圧条件と腐食に耐えることができる材料であればよく、ハステロイ、ステンレス、石英等から構成されていてもよい。
水熱反応容器7の内部にはマイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体6が設置されており、加熱媒体6は炭素を焼成して得た、孔径1mmの孔を多数有するハニカム形状をしている。1mm以下の孔径では、破砕された有機固形物が詰まり易くなり、原料スラリーの流通を妨げる。また、1mmを超える孔径では原料スラリーと加熱媒体6との接触面積が減少し、加熱効率が低下する。
加熱媒体6に対して、マイクロ波発生装置10により2.45GHz、1kWのマイクロ波が照射され、加熱媒体6は30秒以下で265℃まで加熱されることが推定される(吉田隆、「マイクロ波の新しい工業利用技術」、(株)エヌ・ティー・エス、2003年、13−14項)。したがって、加熱媒体6を通過する原料スラリーは265℃まで加熱される。2.45GHzのマグネトロンは安価なものが市場に出回っており、装置のイニシャルコストを低減することができるが、他の周波数帯である433MHz、5.8GHz、24GHz等のマイクロ波発生装置を使用してもよい。
水熱反応容器7の、加熱媒体6が設置されている側面の一部には、マイクロ波が透過することのできる窓8が設置されており、具体的にはサファイア製の窓であって、窓8の形状は、長径が93mm、短径が10mmスリット状である。窓8の形状を大きくすると、水熱反応容器7の内部の圧力により、マイクロ波の透過する窓が破壊する恐れがあるため、窓8の大きさはできる限り小さくすることが好ましい。
水熱反応容器7はマイクロ波を反射する金属製材料により構成される外鞘9により電磁気的に遮蔽されていることが望ましく、特に金属製外鞘9と水熱反応容器7との接合部はマイクロ波の漏洩しない構造であることが望ましい。具体的には直径20mmの開口部が金属製外鞘に設けられており、ここを水熱反応容器7の一部が貫通している。マイクロ波の漏洩が起きると、マイクロ波のロスが生じる他、人体に影響を及ぼす可能性があるため、安全上好ましくない。
加熱媒体6により加熱された水媒体は、水熱反応により加水分解分解を中心とする分解処理を行い、可溶化処理液を得る。具体的には、動植物性細胞を構成するタンパク質、炭水化物、脂肪、繊維質等をアミノ酸、糖、有機酸等に分解し、有機物可溶化処理液を得る。
水熱反応容器7の、加熱媒体6の出口には温度検知器11が設置されており、水熱反応器7の温度を測定することで水熱処理した原料スラリーの温度を推定する。次いで、推定された温度を電気信号に変換して制御装置12に伝え、マイクロ波発生装置10の出力を制御することで、水熱反応容器7内部の温度を265℃に保持する。検知器の原理には制限が無く、COD測定装置、吸光光度計、pHメータ、電気伝導度測定器の何れを用いてもよい。
水熱反応容器7により得られた可溶化処理液は輸送管13を経由して、開閉器14を通過して有機物可溶化処理液として排出される。
本発明による水熱反応装置は、高い熱効率で、かつ温度条件を容易に変化させることができ、生物処理槽を組み合わせて用いることにより、従来の生物学的可溶化方法よりも可溶化速度が速いために小型化されたディスポーザ排水処理装置に適用することができる。また、嫌気発酵槽を組み合わせて用いることにより、従来のメタン発酵方法よりも可溶化速度が速いために小型化されたメタン発酵装置に適用することができる。更にまた、厨芥類、し尿、汚泥、家畜糞尿等の高含水有機物を触媒湿式酸化分解する処理装置の用途にも適用できる。
1、32 輸送ポンプ
2、13、15、17、18、21、23、24、27、29、30、31 輸送管
3、5、14 開閉器
4 予熱器
6 加熱媒体
7 水熱反応容器
8 窓
9 金属製外鞘
10 マイクロ波発生装置
11 温度検知器
12 制御装置
16 破砕装置
19 調整槽
22 第一水熱反応器
26 第二水熱反応器
28 気液分離器
2、13、15、17、18、21、23、24、27、29、30、31 輸送管
3、5、14 開閉器
4 予熱器
6 加熱媒体
7 水熱反応容器
8 窓
9 金属製外鞘
10 マイクロ波発生装置
11 温度検知器
12 制御装置
16 破砕装置
19 調整槽
22 第一水熱反応器
26 第二水熱反応器
28 気液分離器
Claims (18)
- 高含水有機物を水熱反応させることにより前記高含水有機物を分解する水熱反応工程を有し、その水熱反応工程における有機物分解は、マイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体にマイクロ波を照射して、高含水有機物を直接又は間接的に接触させ、高含水有機物を沸点以上の温度に加熱して行うことを特徴とする有機物の処理方法。
- 有機固形物を破砕する手段と、無機固形物を分離する手段と、水媒体により希釈する手段の少なくとも一つの手段を含む前処理工程を有する請求項1に記載の処理方法。
- マイクロ波が300MHzから300GHzの電磁波である請求項1又は請求項2に記載の処理方法。
- マイクロ波を連続照射あるいはパルス照射する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の処理方法。
- 加熱媒体が、炭素、アルミニウム、ニッケル、酸化銅又は酸化鉄のいずれかを含む誘電体からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の処理方法。
- 加熱媒体が多孔質である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の処理方法。
- 水熱反応工程は有機物を加水分解及び/又は酸化する反応を含む処理を行う請求項1〜請求項6のいずれかに記載の処理方法。
- 有機物の性状によってマイクロ波の出力を制御する請求項1〜請求項7のいずれかに記載の処理方法。
- 高含水有機物の沸点以上374℃以下の温度に応じた飽和蒸気圧の条件に耐えることができる水熱反応容器と、前記水熱反応容器にマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置と、前記マイクロ波を吸収して発熱する誘電体からなる加熱媒体を有し、マイクロ波を吸収して発熱する加熱媒体にマイクロ波を照射し、前記高含水有機物を直接又は間接的に接触させて沸点以上の温度に加熱し、分解することを特徴とする有機物の処理装置。
- マイクロ波が300MHzから300GHzの電磁波である請求項9に記載の処理装置。
- マイクロ波を連続照射あるいはパルス照射する請求項9又は請求項10に記載の処理装置。
- 水熱反応容器が金属及びマイクロ波を透過する性質を有する材料から構成されていることを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれかに記載の処理装置。
- 水熱反応容器とマイクロ波発生装置を接続する金属製外鞘を配してなることを特徴とする請求項9〜請求項12のいずれかに記載の処理方法。
- マイクロ波を透過する性質を有する材料が、石英、サファイア、セラミック、フッ素樹脂又は高分子のいずれかである請求項9〜請求項13のいずれかに記載の処理装置。
- 加熱媒体が、炭素、アルミニウム、ニッケル、酸化銅又は酸化鉄のいずれかを含む誘電体からなることを特徴とする請求項9〜請求項14のいずれかに記載の処理装置。
- 加熱媒体が多孔質であることを特徴とする請求項9〜請求項15のいずれかに記載の処理装置。
- 水熱反応工程は有機物を加水分解及び/又は酸化する反応を含む処理を行う請求項9〜請求項16のいずれかに記載の処理装置。
- 有機物の性状を測定する検知手段と、前記検知手段の測定値に応じてマイクロ波発生装置の出力を制御する制御装置を備えたことを特徴とする請求項9〜請求項17のいずれかに記載の処理装置。
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- 2004-09-30 JP JP2004287047A patent/JP2006095475A/ja active Pending
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