JP2006095439A - 有機性廃棄物の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 木質片と発酵菌を用いて有機性廃棄物を処理するにあたり、堆肥化せずに有機性廃棄物を処理できるようにした新規な処理方法を提供する。
【解決手段】 (A)木質片と発酵菌とを含む嵩高く通気性が保たれた廃棄物処理材を、発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(B)50%以上の含水率を維持しながら好気発酵を行って上記有機性廃棄物を分解処理し、
(C)分解処理した後に残った廃棄物処理材を発酵菌の活性を保った状態で、更に新たな有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(D)上記(B)及び(C)の操作を繰り返す。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)木質片と発酵菌とを含む嵩高く通気性が保たれた廃棄物処理材を、発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(B)50%以上の含水率を維持しながら好気発酵を行って上記有機性廃棄物を分解処理し、
(C)分解処理した後に残った廃棄物処理材を発酵菌の活性を保った状態で、更に新たな有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(D)上記(B)及び(C)の操作を繰り返す。
【選択図】 なし
Description
本発明は有機性廃棄物の処理方法にかかり、更に詳しくは、木質片と発酵菌を用いて有機性廃棄物を処理するにあたり、堆肥化せずに有機性廃棄物を処理できるようにした新規な処理方法に関する。
従来、焼酎製造工程で発生する焼酎廃液は、主に海洋投棄により処分されていた。しかし現在では、ロンドン条約に基づく環境保護の観点から海洋投棄による処分自体が禁止されている。このような事情により、海洋投棄でない焼酎廃液の処分方法が要望されている。
特許文献1には、好気性発酵菌の存在下で鋸屑や木屑等を焼酎廃液と混合撹拌して発酵させることで、焼酎廃液を分解して堆肥化する技術が提案されている。これによれば、発酵に鋸屑や木屑等を使用しているため、高温発酵時においても悪臭が発生しないと記載されている。
特開平10−287485号公報
有機性廃棄物を堆肥化して処理する方法は、焼酎廃液に限らず、畜産廃棄物の処理分野でも採用されている。しかしながら、近年のリサイクル促進を重視する社会風潮の中、有機性廃棄物の堆肥化処理を優先するあまり、逆に堆肥自体が余ってその処分に困るといった問題が発生している。即ち、特許文献1に記載されている処理方法では、焼酎廃液を大量に処理すればするほど、同様に堆肥も大量に出来てしまう。
本発明者は、このような事情を鑑み、木質片と発酵菌を用いて有機性廃棄物を処理するにあたり、堆肥を作らずに有機性廃棄物を処理できないかという発想のもとに鋭意研究を進め結果、本発明を完成するに至った。
(本発明の目的)
そこで本発明の目的は、木質片と発酵菌を用いて有機性廃棄物を処理するにあたり、堆肥化せずに有機性廃棄物を処理できるようにした新規な有機性廃棄物の処理方法を提供することにある。
そこで本発明の目的は、木質片と発酵菌を用いて有機性廃棄物を処理するにあたり、堆肥化せずに有機性廃棄物を処理できるようにした新規な有機性廃棄物の処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
(A)木質片と発酵菌とを含む嵩高く通気性が保たれた廃棄物処理材を、発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(B)50%以上の含水率を維持しながら好気発酵を行って上記有機性廃棄物を分解処理し、
(C)分解処理した後に残った廃棄物処理材を発酵菌の活性を保った状態で、更に新たな有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(D)上記(B)及び(C)の操作を繰り返すことを特徴とする、
有機性廃棄物の処理方法である。
(A)木質片と発酵菌とを含む嵩高く通気性が保たれた廃棄物処理材を、発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(B)50%以上の含水率を維持しながら好気発酵を行って上記有機性廃棄物を分解処理し、
(C)分解処理した後に残った廃棄物処理材を発酵菌の活性を保った状態で、更に新たな有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(D)上記(B)及び(C)の操作を繰り返すことを特徴とする、
有機性廃棄物の処理方法である。
第2の発明にあっては、
(A)木質片と発酵菌とを含む嵩高く通気性が保たれた含水率50〜60%の廃棄物処理材を、発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(B)発酵温度がピーク時を越えて低下し、含水率が50〜60%になるまで、50%以上の含水率を維持しながら好気発酵を行って上記有機性廃棄物を分解処理し、
(C)分解処理した後に残った廃棄物処理材を発酵菌の活性を保った状態で、更に新たな有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(D)上記(B)及び(C)の操作を繰り返すことを特徴とする、
有機性廃棄物の処理方法である。
(A)木質片と発酵菌とを含む嵩高く通気性が保たれた含水率50〜60%の廃棄物処理材を、発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(B)発酵温度がピーク時を越えて低下し、含水率が50〜60%になるまで、50%以上の含水率を維持しながら好気発酵を行って上記有機性廃棄物を分解処理し、
(C)分解処理した後に残った廃棄物処理材を発酵菌の活性を保った状態で、更に新たな有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(D)上記(B)及び(C)の操作を繰り返すことを特徴とする、
有機性廃棄物の処理方法である。
第3の発明にあっては、
少なくとも木質片の70〜80容量%は、太さ2cm以下で長さ10〜15cmであることを特徴とする、
第1または第2の発明に係る有機性廃棄物の処理方法である。
少なくとも木質片の70〜80容量%は、太さ2cm以下で長さ10〜15cmであることを特徴とする、
第1または第2の発明に係る有機性廃棄物の処理方法である。
第4の発明にあっては、
少なくとも木質片の10〜30容量%は、太さ1cm以下で長さ10cm未満であることを特徴とする、
第3の発明に係る有機性廃棄物の処理方法である。
少なくとも木質片の10〜30容量%は、太さ1cm以下で長さ10cm未満であることを特徴とする、
第3の発明に係る有機性廃棄物の処理方法である。
本発明によれば、(A)木質片と発酵菌とを含む嵩高く通気性が保たれた廃棄物処理材を、発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混ぜ合わせ、(B)50%以上の含水率を維持しながら好気発酵を行って上記有機性廃棄物を分解処理し、(C)分解処理した後に残った廃棄物処理材に、更に新たな有機性廃棄物を混ぜ合わせ、(D)上記(B)及び(C)の操作を繰り返すことにより、堆肥化せずに有機性廃棄物を処理することができる。
本発明では、木質片と発酵菌とを含む嵩高く通気性が保たれた廃棄物処理材を、発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混ぜ合わせ、50%以上の含水率を維持しながら好気発酵を行って上記有機性廃棄物を分解処理する。木質片を使用することによって、高温発酵時における悪臭の発生を防止できる。
また廃棄物処理材は嵩高く通気性が保たれているため、好気発酵に必要な空気が廃棄物処理材の中へ流通しやすく、また有機性廃棄物自体も廃棄物処理材の中に入り込みやすい。特に焼酎廃液等といった有機性廃棄物が液状である場合は、廃棄物処理材への浸透性が極めて高い。よって、例えば大きさが整った木製チップや鋸屑のごとく、密に積み重なって通気性が保たれにくい木製素材を用いた場合と比べ、好気発酵が速く進み、より短い期間で有機性廃棄物を分解処理できる。
しかも、廃棄物処理材を発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混合するため、より短時間に混合物の品温を上昇させて好気発酵を促すことができ、分解処理に要する期間を一層短縮できる。
しかも、廃棄物処理材を発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混合するため、より短時間に混合物の品温を上昇させて好気発酵を促すことができ、分解処理に要する期間を一層短縮できる。
このように、短期間で有機性廃棄物の分解処理ができるため、木質片が高温・高湿度の状態に晒される期間が短くて済む。したがって、木質片の発酵による腐敗(ポーラス構造(細孔)の破損)が抑制され、木質片を住みかとする発酵菌の生育環境が悪化しにくいと考えられる。その結果、分解処理後に残った廃棄物処理材を、また新たな有機性廃棄物を処理するための廃棄物処理材として使用できる。このように、分解処理後に残った廃棄物処理材を新たな有機性廃棄物の処理材として再利用するので、利用が見込めない不要な堆肥は発生しない。
更に、本発明では好気発酵後に残った廃棄物処理材を、次の発酵が継続できる活性を保ったまま、新たな有機性廃棄物の廃棄物処理材として使用する。これにより、次々と継続して連続的に有機性廃棄物の処理ができるので、有機性廃棄物の処理効率が高い。
また有機性廃棄物の処理場には、多方面から様々な種類の有機性廃棄物が運び込まれる。このため、有機性廃棄物に何が含まれているか正確に特定できない場合もないとは言えない。その場合、従来のように有機性廃棄物を堆肥化すれば、農産物に悪影響を与えかねない有害物質が堆肥に混入することもあり得るが、本発明のように堆肥化以外の方法を採用すればそのような心配も不要である。
廃棄物処理材と有機性廃棄物の混合物を好気発酵させる際は、上記したように混合物の含水率を50%以上に維持した状態で行う。含水率が50%未満であると、発酵菌の活性が低下して発酵温度が低下し、好気発酵が円滑に進みにくくくなる傾向がある。
廃棄物処理材が嵩高く、通気性が保たれるためには、木質片同士が重なっても空隙部が消失しないことが重要である。形や大きさはできるだけ均一でないことが好ましく、また鋸屑のごとく、粉末状または粒状で密に重なって通気性が損なわれるようなものは、好ましくない。例えば細長い棒状の木質片が好適に使用できる。
木質片の太さや長さの具体例を挙げれば、木質片の70〜80容量%が太さ2cm以下で長さ10〜15cmであるものが好ましい。なお、一部に長さが15cmを越えるものが含まれていても支障はない。
更に、少なくとも木質片の10〜30容量%が、太さ1cm以下で長さ10cm未満であることがより好ましい。長さ10cm未満の比較的短い木質片を一部含むことにより、発酵物の保水性が保たれやすくなり、好気発酵が円滑に進む傾向がある。また、後述する実施例で示すように、コンクリートの床面上で、焼酎廃液等といった液状の有機性廃棄物を発酵させる場合は、比較的短い木質片を使用することで、保水性が保たれ、焼酎廃液等が流れ出ることを防止する効果も有する。
また、木の枝または/及び木の根を粉砕機等を用いて切断または破断し、これを主体としたものを好適に使用できる。ここで、「木の枝または/及び木の根」の表現は、木の枝または木の根のいずれか一方を含む場合と、木の枝及び木の根の両方が混在したもの含む場合があることを意味している。なお、切断や破断によって発生する粒状、粉末状の切断片や破断片が木質片に一部含まれていても、逆に大きな枝が少し残ったといたとしても、特に分解処理に支障はない。
木質片の材種は特に限定するものではないが、密度がより疎であるもの(ポーラス状なもの)が好ましい。具体的には、杉を好適に使用でき、それらを単独でまたは他の材種と混同して使用することもできる。木質片には、樹皮が含まれていても良い。発酵菌が生息しやすい樹皮であれば、樹皮を積極的に使用するのが好ましい。
廃棄物処理材は、含水率50〜60%の状態で使用することが好ましい。含水率50〜60%であれば、発酵菌の活性が保たれ、有機性廃棄物に混ぜた際に好気発酵が円滑に進みやすい傾向がある。
また、含水率が50%未満では、乾燥しすぎて廃棄物処理材の保形性が損なわれやすく、更に風で廃棄物処理材が飛んだりする等、廃棄物処理材を運んだり移動させる際の作業性に劣るため、好ましくない。
逆に含水率が60%を越えると、逆に水分を多く含みすぎて、焼酎廃液等の液状の有機性廃棄物を混ぜた場合に、廃液等が有機性廃棄物が浸透しにくくなり、その結果、分解が遅くなる傾向があるので、好ましくない。
また、含水率が50%未満では、乾燥しすぎて廃棄物処理材の保形性が損なわれやすく、更に風で廃棄物処理材が飛んだりする等、廃棄物処理材を運んだり移動させる際の作業性に劣るため、好ましくない。
逆に含水率が60%を越えると、逆に水分を多く含みすぎて、焼酎廃液等の液状の有機性廃棄物を混ぜた場合に、廃液等が有機性廃棄物が浸透しにくくなり、その結果、分解が遅くなる傾向があるので、好ましくない。
有機性廃棄物と廃棄物処理材の配合比は、体積比で1:3〜1:7が好ましく、1:5がより好ましい。有機性廃棄物1に対して、廃棄物処理材の体積比が3を下回ると、廃棄物処理材の保水性が低下し、焼酎廃液等の液状の有機性廃棄物を処理する場合、有機性廃棄物が廃棄物処理材から流れ出る可能性がある。有機性廃棄物1に対して、廃棄物処理材の容積比が7を上回ると、早く乾燥して好気発酵が損なわれる恐れがあると共に、使用する廃棄物処理材が増えることで、処理場の敷地面積を広くする必要が生じるので、あまり好ましくない。
有機性廃棄物が乾燥物である場合は、水を加えることにより、廃棄物処理材と混合した際の含水率を50%以上にすることが好ましい。また、好気発酵中に含水率が50%を下回るようであれば、発酵途中であっても水を加えることができる。
好気発酵後に残った廃棄物処理材は、新たな有機性廃棄物の廃棄物処理材として使用する。本発明者が実験を行ったところ、約1年間は、新しい廃棄物処理材を追加することなく、残った廃棄物処理材で継続的に有機性廃棄物を処理できることを確認した。ただし、長期的に使用した場合は、廃棄物処理材が物理的に粒状または粉状に小さくなって、嵩高性や通気性に欠けるようになるので、廃棄物処理材を追加することが好ましい(実験では、1年に1割程度)。
本発明の処理対象である有機性廃棄物としては、例えば食品の製造や流通段階で発生する食品廃棄物(食品廃液、特に近年の焼酎ブームにより大量に発生する焼酎廃液)、鶏・牛・豚といった家畜の糞尿等の畜産廃棄物、汚泥、廃油、あるいは業務用厨房などに設置された油脂分離阻集器から発生する油状廃物(グリストラップ)等を挙げることができる。
なお、以上の具体例はあくまで代表的なものであり、特にこれらに限定するものではない。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(廃棄物処理材の調整)
以下のようにして木質片と発酵菌を混合して、廃棄物処理材を調整した。
以下のようにして木質片と発酵菌を混合して、廃棄物処理材を調整した。
(1) 屋根付で通気性が良いコンクリートの床面上に、木質片を山積みにした。木質片は、杉の枝と根を所要の大きさに切断した混合物を用いた。木質片の含水率は40〜50%で、かさ密度は300kg/m3 であった。
(2) 木質片2トン(容積5m3)に対し、米ぬか40kg、発酵菌10kgを散布し、撹拌、混合した。
(3) 混合後、20日間養生して好気発酵を行い、発酵菌を増殖させた。養生期間中、含水率が50%以下にならないように水を散布した。発酵温度は60〜70℃であった。
(4) 山積みした堆積物の表面が10〜15cmの深さで白くなっていることを確認し、養生を終了させた。終了時の含水率は50%であった。白くなっている部分は、発酵菌である。
(焼酎廃液の処理 )
図1は、有機性廃棄物の処理場を説明するための概念図である。
表1は、有機性廃棄物である焼酎廃液を処理した際の経過日数毎の堆積物の温度と含水率を示している。
図1は、有機性廃棄物の処理場を説明するための概念図である。
表1は、有機性廃棄物である焼酎廃液を処理した際の経過日数毎の堆積物の温度と含水率を示している。
図1及び表1を参照しながら、焼酎廃液の処理方法を説明する。
有機性廃棄物の処理場は屋根付で通気性が良く、床面はコンクリートとなっている。図1に示すように、処理場内は、高さ1m程度のコンクリート壁によって11のブロック(前処理場Aを含む)に分割されている。この処理場内で焼酎廃液の処理を以下のような手順で行った。
有機性廃棄物の処理場は屋根付で通気性が良く、床面はコンクリートとなっている。図1に示すように、処理場内は、高さ1m程度のコンクリート壁によって11のブロック(前処理場Aを含む)に分割されている。この処理場内で焼酎廃液の処理を以下のような手順で行った。
(1) 前処理場Aでの処理(1日目)
含水率50%の廃棄物処理材3トン(容積5m3 )をトラックの荷台に積み、これに焼酎廃液0.98トン(容積1m3 )を少量ずつ加えた。そして、この混合物を荷台から前処理場A(図1参照)に移し、パワーシャベルで均一に撹拌・混合した。
含水率50%の廃棄物処理材3トン(容積5m3 )をトラックの荷台に積み、これに焼酎廃液0.98トン(容積1m3 )を少量ずつ加えた。そして、この混合物を荷台から前処理場A(図1参照)に移し、パワーシャベルで均一に撹拌・混合した。
(2) ブロック1への移動
パワーシャベルを使用して、混合物を前処理場からブロック1に移動し、山状に盛り上げて積み上げた。このときの温度は21℃、含水率は77%であった(以下、表1も参照)。この状態で1日放置した。以下、混合物の移動は同じくパワーシャベルで行った。
パワーシャベルを使用して、混合物を前処理場からブロック1に移動し、山状に盛り上げて積み上げた。このときの温度は21℃、含水率は77%であった(以下、表1も参照)。この状態で1日放置した。以下、混合物の移動は同じくパワーシャベルで行った。
(3) ブロック2への移動(2日目)
以下のようにして、混合物をブロック1からブロック2へ移動し、切返しを行った。即ち、ブロック1に積み上げた混合物を、上からパワーシャベルで所要量すくい上げ後、ブロック2に移動し、混合物が空気と良く接触するようになるべく高い位置から少しずつ混合物を落下させた。これを数回繰り返し、全ての混合物をブロック2に移動して山状に盛り上げ、また一日放置した。
以下のようにして、混合物をブロック1からブロック2へ移動し、切返しを行った。即ち、ブロック1に積み上げた混合物を、上からパワーシャベルで所要量すくい上げ後、ブロック2に移動し、混合物が空気と良く接触するようになるべく高い位置から少しずつ混合物を落下させた。これを数回繰り返し、全ての混合物をブロック2に移動して山状に盛り上げ、また一日放置した。
このとき、既に発酵が始まっており、混合物の温度は、ブロック1での温度21℃から58℃へと上昇した。含水率も77%から81%に上昇した。なお、発酵が始まると、混合物の位置によって温度と含水率が多少異なってくるので、堆積物の上部、中部、下部の各実測値を平均して事実上の測定値とした。
(4) ブロック3〜ブロック7への移動(3日目〜7日目)
上記したように、各ブロックで一日放置したら、混合物を次のブロックに切返しを行いながら移動させた。表1に示すように、ブロック3〜ブロック7において、混合物の温度は70℃からピーク温度である77℃まで上昇した後、69℃まで低下した。このブロック3〜ブロック7で発酵は最も活発となり、堆積した混合物からは盛んに蒸気が立ち上っていた。含水率は77〜65%に推移した。
上記したように、各ブロックで一日放置したら、混合物を次のブロックに切返しを行いながら移動させた。表1に示すように、ブロック3〜ブロック7において、混合物の温度は70℃からピーク温度である77℃まで上昇した後、69℃まで低下した。このブロック3〜ブロック7で発酵は最も活発となり、堆積した混合物からは盛んに蒸気が立ち上っていた。含水率は77〜65%に推移した。
(5) ブロック8〜ブロック9への移動
同様に一日放置した後、次のブロックへ切返しを行いながら移動させた。ブロック8〜ブロック9において、混合物の温度は65℃から63℃近くまで低下し、発酵は落ち着き、蒸気の発生量も減った。
同様に一日放置した後、次のブロックへ切返しを行いながら移動させた。ブロック8〜ブロック9において、混合物の温度は65℃から63℃近くまで低下し、発酵は落ち着き、蒸気の発生量も減った。
(6) ブロック10への移動
混合物をブロック10に移動し、一日放置した。このときの温度は63℃で、含水率は56%であった。このとき、焼酎廃液特有の腐敗した臭いは混合物から無くなっていた。混合物の重量と容積を測定したところ、重量2.5トンで容積5m3であった。初期の焼酎廃液は0.98トン、廃棄物処理材は3トンであったため、合計で3.98トンあったものが最終的に2.5トンまで減少したことになる。減少分は、好気発酵により水蒸気と炭酸ガスになって空気中へ排出されたものと推察できる。
混合物をブロック10に移動し、一日放置した。このときの温度は63℃で、含水率は56%であった。このとき、焼酎廃液特有の腐敗した臭いは混合物から無くなっていた。混合物の重量と容積を測定したところ、重量2.5トンで容積5m3であった。初期の焼酎廃液は0.98トン、廃棄物処理材は3トンであったため、合計で3.98トンあったものが最終的に2.5トンまで減少したことになる。減少分は、好気発酵により水蒸気と炭酸ガスになって空気中へ排出されたものと推察できる。
(7) 前処理場への移動
ブロック10にある混合物を再び前処理場Aに戻し、これを新たな焼酎廃液0.98トンの廃棄物処理材として使用した。上記したように、ブロック1からブロック10まで10日間かけて混合物を好気発酵させ、焼酎廃液を分解処理した。その結果、表1とほぼ同じ状況で焼酎廃液を分解することができ、処理後に残った混合物もほぼ同じ量であった。更にこの残った混合物を新たな焼酎廃液の廃棄物処理材とし、約1年間継続して使用したが、焼酎廃液を同様に支障なく分解することができた。
ブロック10にある混合物を再び前処理場Aに戻し、これを新たな焼酎廃液0.98トンの廃棄物処理材として使用した。上記したように、ブロック1からブロック10まで10日間かけて混合物を好気発酵させ、焼酎廃液を分解処理した。その結果、表1とほぼ同じ状況で焼酎廃液を分解することができ、処理後に残った混合物もほぼ同じ量であった。更にこの残った混合物を新たな焼酎廃液の廃棄物処理材とし、約1年間継続して使用したが、焼酎廃液を同様に支障なく分解することができた。
なお、通常の焼酎廃液の処理は、全10ブロックのすべて、または全ブロックのうちの複数のブロックを同時に使用し、処理開始日が異なる最大で10の被処理物を一日毎に次のブロックに移動させながら同時並行で行うことが、処理効率の面からみて好ましい。これは、実施例2を含め、すべての有機性廃棄物の処理に共通している。
(鶏糞の処理)
廃棄物処理材12トン(容積25m3 )に対し、鶏糞3.5トン(容積1m3 )と、水300リットルを加えた以外は、実施例1と同様に10日間サイクルで鶏糞の分解処理を行った。
廃棄物処理材12トン(容積25m3 )に対し、鶏糞3.5トン(容積1m3 )と、水300リットルを加えた以外は、実施例1と同様に10日間サイクルで鶏糞の分解処理を行った。
表2から分かるように、混合物の温度は5日、6日目の75、76℃のピーク温度を過ぎた後、9日、10日目で67〜68℃となった。含水率も58%からピーク時には73%まで上昇し、10日目には54%となった。10日目の混合物の重量と容積を測定したところ、重量11.8トンで容積25m3であった。初期の鶏糞の重量は3.5トン、廃棄物処理材は12トンであったため、合計で15.5トンあった混合物が最終的に11.8トンまで減少したことになる。ブロック10に残った混合物を新たな鶏糞3.5トンの廃棄物処理材として使用したところ、表2とほぼ同じ状況で鶏糞を分解することができた。
(卵殻及び食品汚泥の混合物の処理)
廃棄物処理材9トン(容積15m3 )に対し、卵殻及び食品汚泥の混合物2.7トン(容積が卵殻2m3 、食品汚泥1m3)を加えた以外は、実施例1と同様に10日間サイクルで卵殻及び食品汚泥の混合物の分解処理を行った。
廃棄物処理材9トン(容積15m3 )に対し、卵殻及び食品汚泥の混合物2.7トン(容積が卵殻2m3 、食品汚泥1m3)を加えた以外は、実施例1と同様に10日間サイクルで卵殻及び食品汚泥の混合物の分解処理を行った。
表3から分かるように、混合物の温度は6日、7日目の71〜73℃のピーク温度を過ぎた後、9日、10日目で67℃となった。含水率は、5日目と7日目に水200リットルそれぞれ散布したため、途中ばらつきが見られるが、10日目で58%となった。10日目の混合物の重量と容積を測定したところ、重量9.6トンで堆積16m3であった。初期の卵殻及び食品汚泥の混合物は2.7トン、廃棄物処理材は9トンであったため、合計で11.7トンあった処理物が最終的に9.6トンまで減少したことになる。ブロック10に残ったある混合物を、新たな卵殻及び食品汚泥の混合物2.7トンの廃棄物処理材として使用したところ、表3とほぼ同じ状況で有機性廃棄物を分解することができた。
なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。
Claims (4)
- (A)木質片と発酵菌とを含む嵩高く通気性が保たれた廃棄物処理材を、発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(B)50%以上の含水率を維持しながら好気発酵を行って上記有機性廃棄物を分解処理し、
(C)分解処理した後に残った廃棄物処理材を発酵菌の活性を保った状態で、更に新たな有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(D)上記(B)及び(C)の操作を繰り返すことを特徴とする、
有機性廃棄物の処理方法。 - (A)木質片と発酵菌とを含む嵩高く通気性が保たれた含水率50〜60%の廃棄物処理材を、発酵菌の活性を保った状態で有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(B)発酵温度がピーク時を越えて低下し、含水率が50〜60%になるまで、50%以上の含水率を維持しながら好気発酵を行って上記有機性廃棄物を分解処理し、
(C)分解処理した後に残った廃棄物処理材を発酵菌の活性を保った状態で、更に新たな有機性廃棄物と混ぜ合わせ、
(D)上記(B)及び(C)の操作を繰り返すことを特徴とする、
有機性廃棄物の処理方法。 - 少なくとも木質片の70〜80容量%は、太さ2cm以下で長さ10〜15cmであることを特徴とする、
請求項1または2記載の有機性廃棄物の処理方法。 - 少なくとも木質片の10〜30容量%は、太さ1cm以下で長さ10cm未満であることを特徴とする、
請求項3記載の有機性廃棄物の処理方法。
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