JP2006093181A - シールドケース - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で省スペース性に優れ、着脱によるカバー部の変形を防止でき、確実に電磁波の漏洩を低減でき信頼性に優れ、構造が簡単で生産性に優れ、カバー部の着脱が容易でメンテナンス性に優れたシールドケースの提供を目的とする。
【解決手段】基板2に配設された高周波回路の外周を囲繞する側壁部を有し基板に固定されたフレーム部3と、天井部と天井部の外周に垂設された側面部とを有し側壁部の外周に嵌装されフレーム部に覆設されるカバー部10と、を備えたシールドケースであって、(a)フレーム部が、側壁部の外周に長手方向に沿って形成された凹条部を有し、(b)カバー部が、各側面部の長手方向の両端に分割して形成された分割側部と、各側面部の両端の分割側部の間に1以上形成された嵌合側部と、各嵌合側部の内側に形成された嵌合凸条部と、を有し、凹条部と嵌合凸条部が着脱自在に嵌合されている。
【選択図】図1
【解決手段】基板2に配設された高周波回路の外周を囲繞する側壁部を有し基板に固定されたフレーム部3と、天井部と天井部の外周に垂設された側面部とを有し側壁部の外周に嵌装されフレーム部に覆設されるカバー部10と、を備えたシールドケースであって、(a)フレーム部が、側壁部の外周に長手方向に沿って形成された凹条部を有し、(b)カバー部が、各側面部の長手方向の両端に分割して形成された分割側部と、各側面部の両端の分割側部の間に1以上形成された嵌合側部と、各嵌合側部の内側に形成された嵌合凸条部と、を有し、凹条部と嵌合凸条部が着脱自在に嵌合されている。
【選択図】図1
Description
本発明はコードレス電話子機や携帯電話等の高周波(RF)回路における電磁波を遮断するためのシールドケースに関するものである。
従来からコードレス電話子機や携帯電話等の無線通信機器の高周波回路から発せられる電磁波を遮断するために、高周波回路の外周及び上部を覆うシールドケースが設けられている。
例えば(特許文献1)には「枠状のシールドケースの側壁部先端に、位置決め爪を突設し、この位置決め爪をプリント基板に植設してシールドケースを位置決めすると共に、シールドケースの側壁部とプリント基板との間を半田付けすることによってシールドケースをプリント基板に固定して、プリント基板のシールド構造を構成し、且つ、シールドケースの側壁部の半田付け部位上部を切欠くことによって、シールドケース内方に突出する絞り片を形成して、この絞り片の形成によって半田付け時の熱逃し用孔を形成したことを特徴とするシールド構造。」が開示されている。
特開平11−307976号公報
しかしながら上記従来の技術では、以下のような課題を有していた。
(1)使用される周波数が高くなったことにより、従来よりも電磁波が漏れ易くなり、(特許文献1)のようにシールドケースの熱逃し用孔やロック用孔等の開口部やシールドカバーのロック爪間の切り欠き部等により密閉が不十分な場合、電磁波の遮断が不完全となり、電磁波の漏洩(不要輻射)が発生し易くなるという課題を有していた。また、シールドカバーの着脱時にロック爪に応力が発生し、ロック爪が変形した場合、シールドケースの側壁部とロック爪との間に隙間が生じ、不要輻射が増加し易くなるという課題を有していた。
また、無線通信機器の小型化に伴ってシールドケースの小型化も望まれており、小型のシールドケースにおいて、十分なシールド性を有する構造の検討が望まれていた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、小型で省スペース性に優れ、着脱によるカバー部の変形を防止でき、確実に電磁波の漏洩を低減でき信頼性に優れ、構造が簡単で生産性に優れ、カバー部の着脱が容易で組立作業性、メンテナンス性に優れたシールドケースを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のシールドケースは、基板に配設された高周波回路の外周を囲繞する側壁部を有し基板に固定されたフレーム部と、天井部と天井部の外周に垂設された側面部とを有し側壁部の外周に嵌装されフレーム部に覆設されるカバー部とを備えたシールドケースであって、(a)フレーム部が、側壁部の外周に長手方向に沿って形成された凹条部を有し、(b)カバー部が、各側面部の長手方向の両端に分割して形成された分割側部と、各側面部の両端の分割側部の間に1以上形成された嵌合側部と、各嵌合側部の内側に形成された嵌合凸条部と、を有し、凹条部と嵌合凸条部が着脱自在に嵌合されている構成を有している。
これにより、フレーム部にカバー部を覆設する際に、側壁部の凹条部に嵌合側部の嵌合凸条部を確実に嵌合させることができ、フレーム部とカバー部との間の隙間を減少させることができるので、電磁波の漏洩を低減できると共に、カバー部の側面部の両端に嵌合側部と分割して分割側部を形成することにより、カバー部の着脱時に分割側部に応力が発生せず、変形を防止でき、経時的に電磁波の漏洩が増加するのを防止でき信頼性に優れ、カバー部の着脱が容易で組立作業性、メンテナンス性に優れ、構造が簡単で容易に小型化することができる生産性に優れたシールドケースを提供することができる。
以上説明したように本発明のシールドケースによれば、以下のような有利な効果が得られる。
(1)カバー部の各側面部の長手方向の両端に分割して分割側部が形成され、各側面部の両端の分割側部の間に1以上の嵌合側部が形成されているので、カバー部の着脱時に応力が集中し易い四隅の分割側部に応力が発生せず、カバー部の変形を防止することができ、経時的に電磁波の漏洩が増加するのを防止できる信頼性に優れたシールドケースを提供することができる。
(2)カバー部の各側面部に形成された嵌合側部を複数に分割することにより、各嵌合側部の長さを短くすることができ、ばね性による変形を容易にしてカバー部の着脱性を向上させることができる組立作業性、メンテナンス性に優れたシールドケースを提供することができる。
(3)フレーム部の上端内周に全周に渡って形成された当接部が、切り欠き等を有さないことにより、カバー部の天井部の裏面とフレーム部の当接部を面接触させることができ、フレーム部の側壁部の上端からの電磁波の漏洩(不要輻射)が発生し難いシールド性に優れたシールドケースを提供することができる。
(4)フレーム部が側壁部と当接部を有し、その断面形状が略L字形に形成されるので、フレーム部の剛性を向上させることができ、フレーム部の変形や破損が発生し難く耐久性に優れたシールドケースを提供することができる。
(5)嵌合側部を略くの字形に折曲するだけで嵌合凸条部を形成することができる生産性に優れたシールドケースを提供することができる。
(6)嵌合凸条部を略くの字形に形成し、嵌合側部の下端側を外方に拡開させることにより、カバー部の側面部の高さを低くでき、無線通信機器全体をコンパクト化することができる省スペース性に優れたシールドケースを提供することができる。
(7)フレーム部の側壁部の下端に突設された位置決め凸部を基板に穿設された固定孔に挿通するだけで容易にフレーム部を位置決めして仮固定することができる組立作業性に優れたシールドケースを提供することができる。
(8)フレーム部の位置決め凸部を基板上に配設された他の電子部品等と一緒に半田付けして固定することができる生産性、組立作業性に優れたシールドケースを提供することができる。
本発明は、小型で省スペース性に優れ、着脱によるカバー部の変形を防止でき、確実に
電磁波の漏洩を低減でき信頼性に優れ、構造が簡単で生産性に優れ、カバー部の着脱が容易で組立作業性、メンテナンス性に優れたシールドケースを提供するという目的を、フレーム部の側壁部の外周に長手方向に沿って凹条部を形成し、カバー部の各側面部の長手方向の両端に分割側部を形成し、各側面部の両端の分割側部の間に1以上形成した嵌合側部の内側に嵌合凸条部を設け、凹条部と嵌合凸条部を着脱自在に嵌合することにより実現した。
電磁波の漏洩を低減でき信頼性に優れ、構造が簡単で生産性に優れ、カバー部の着脱が容易で組立作業性、メンテナンス性に優れたシールドケースを提供するという目的を、フレーム部の側壁部の外周に長手方向に沿って凹条部を形成し、カバー部の各側面部の長手方向の両端に分割側部を形成し、各側面部の両端の分割側部の間に1以上形成した嵌合側部の内側に嵌合凸条部を設け、凹条部と嵌合凸条部を着脱自在に嵌合することにより実現した。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、基板に配設された高周波回路の外周を囲繞する側壁部を有し基板に固定されたフレーム部と、天井部と天井部の外周に垂設された側面部とを有し側壁部の外周に嵌装されフレーム部に覆設されるカバー部と、を備えたシールドケースであって、(a)フレーム部が、側壁部の外周に長手方向に沿って形成された凹条部を有し、(b)カバー部が、各側面部の長手方向の両端に分割して形成された分割側部と、各側面部の両端の分割側部の間に1以上形成された嵌合側部と、各嵌合側部の内側に形成された嵌合凸条部と、を有し、凹条部と嵌合凸条部が着脱自在に嵌合された構成を有している。
この構成により、以下の作用を有する。
(1)高周波回路の外周を囲繞する側壁部を有するフレーム部が基板に固定され、天井部と天井部の外周に垂設された側面部とを有するカバー部が側壁部の外周に嵌装されフレーム部に覆設されているので、高周波回路の外周及び上面を覆って高周波回路が発する電磁波を遮断することができる。
(2)カバー部がフレーム部と別部材で形成されていることにより、カバー部を着脱することができ、フレーム部の内部に収容された高周波回路や電子部品等の交換や点検を簡便に行うことができる。
(3)フレーム部が側壁部の外周に長手方向に沿って形成された凹条部を有し、カバー部が各側面部の長手方向に内側に嵌合凸条部が形成された嵌合側部を有するので、凹条部と嵌合凸条部を着脱自在に嵌合することができ、フレーム部の側壁部とカバー部の各側面部との間の隙間を減少させて面接触させることができ、電磁波のシールド性を向上させることができる。
(4)カバー部の各側面部の長手方向の両端に分割して分割側部が形成され、各側面部の両端の分割側部の間に1以上の嵌合側部が形成されているので、カバー部の着脱時に応力が集中し易い四隅の分割側部に応力が発生せず、カバー部の変形を防止することができ、経時的に電磁波の漏洩が増加するのを防止できる。
(5)カバー部の各側面部に形成された嵌合側部を複数に分割することにより、各嵌合側部の長さを短くすることができ、ばね性による変形を容易にして着脱性を向上させることができる。
(6)各嵌合側部の内側に嵌合凸条部が形成されているので、カバー部をフレーム部に被せるようにして上から下へ押し付けるだけで、カバー部の嵌合側部のばね性により、容易にカバー部の嵌合凸条部をフレーム部の凹条部に嵌合させて固定することができる。
ここで、フレーム部及びカバー部の材質としては、電磁波のシールド性に優れるメッキ鋼板が好適に用いられる。フレーム部の凹条部は側壁部を絞り加工することによる形成される。これにより、側壁部には開口部や切り欠き部が形成されず、シールド性を向上させることができる。
フレーム部の凹条部の長さは、カバー部の嵌合側部に形成される嵌合凸条部の全長よりも長めに形成する。これにより、確実にカバー部の嵌合凸条部をフレーム部の凹条部に嵌合させて固定することができる。
フレーム部の上面が開口していることにより、内部に収容された高周波回路や電子部品等の電気接続状態の確認や交換等を容易に行なうことができ、組立作業性、メンテナンス性に優れる。
カバー部の各分割側部の長さは、各側面部の全長の8%〜15%に形成するのが好ましい。各分割側部の長さが各側面部の全長の8%より短くなるにつれ分割側部の強度が低下し、破損し易くなる傾向があり、15%より長くなるにつれ嵌合側部の長さが不足し、カバー部の固定が不十分になる傾向があり、いずれも好ましくない。
嵌合側部の分割数は、側面部の長さに応じて適宜、選択することができる。また、四隅で隣接する分割側部同士は分割して形成される。これにより、カバー部の着脱時に分割側部に応力集中が発生するのを防止でき、分割側部の変形や破損が発生せず、信頼性に優れる。
嵌合凸条部は各嵌合側部の内側に凸条に形成された別部材を接着する等して形成してもよいし、嵌合側部を折り曲げ加工して形成してもよい。
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、第1の発明に記載のシールドケースであって、前記フレーム部が、前記側壁部の上端内周に全周に渡って形成され前記天井部の裏面に当接する当接部を備えた構成を有している。
この構成により、第1の発明の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)フレーム部の上端内周に全周に渡って当接部が形成され、切り欠き等を有さないので電磁波のシールド性に優れる。
(2)フレーム部の側壁部の上端に当接部が形成されていることにより、天井部の裏面と当接部の上面を面接触させることができ、電磁波のシールド性を向上できる。
(3)フレーム部が側壁部と当接部を有し、その断面形状が略L字形に形成されるので、フレーム部の剛性を向上させることができ、フレーム部の変形や破損の発生を低減できる。
ここで、フレーム部は略ロ字形に形成された平板状の部材を側壁部と当接部の間で折り曲げるだけで容易に製造することができ、生産性に優れる。側壁部の両端部にはそれぞれ切り欠きを有する係止部を形成し、隣接する側壁部同士を互いに係止して固定する。これにより、容易にフレーム部を組立てることができ、生産性を向上させることができる。
また、フレーム部には当接部から内側に向かって延設されたリブと、リブにより支持され基板と平行に配設された吸着部を形成することが好ましい。これにより、吸着部をエアで吸着してフレーム部の搬送や基板への位置決め等を自動で行うことができ、生産性に優れる。
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、第1又は第2の発明に記載のシールドケースであって、嵌合凸条部が、嵌合側部を略くの字形に折曲して形成
された構成を有している。
された構成を有している。
この構成により、第1又は第2の発明の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)嵌合側部を略くの字形に折曲するだけで嵌合凸条部を形成することができ、生産性に優れる。
(2)嵌合凸条部が略くの字形に形成されていることにより、嵌合側部の下端側が外方に拡開し、カバー部の側面部の高さを低くでき、全体をコンパクト化することができる。
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、第1乃至第3の発明の内いずれかのシールドケースであって、フレーム部が、側壁部の下端に突設された位置決め凸部を有し、位置決め凸部が基板に穿設された固定孔に挿通され基板の裏面で半田付けされた構成を有している。
この構成により、第1乃至第3の発明の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)フレーム部の側壁部の下端に位置決め凸部が突設されているので、位置決め凸部を基板に穿設された固定孔に挿通するだけで容易にフレーム部を位置決めして仮固定することができ、組立作業性に優れる。
(2)フレーム部の位置決め凸部が基板の裏面で半田付けされるので、基板上に配設された他の電子部品等と一緒に半田付けを行って固定することができ、生産性を向上させることができる。
ここで、位置決め凸部は少なくとも2以上配設される。3以上の側壁部にそれぞれ1以上の位置決め凸部を設けた場合、フレーム部の前後、左右の位置ずれを防止することができ、確実に位置決め固定することができる。位置決め凸部の先端(下端)側が根元(側壁部)側より幅が狭くなるようにテーパ部を形成するか、先端(下端)側の隅部を面取りすることが好ましい。これにより、容易に位置決め凸部を基板の固定孔に挿通することができ、組立作業性を向上させることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、各図に基づいて説明する。
以下、本発明の実施の形態について、各図に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態1におけるシールドケースを示す分解斜視図であり、図2は本発明の実施の形態1におけるシールドケースを示す全体斜視図である。
図1及び図2中、1は本発明の実施の形態1におけるシールドケースであり、無線通信機器の高周波回路を覆うために適用される。2は無線通信機器の高周波回路や電子部品(図示せず)が配設された基板、3は基板2に配設された高周波回路が収容された無線通信機器のシールドケース1のフレーム部である。
4は高周波回路の外周を囲繞するフレーム部3の側壁部、4aは側壁部4の下端に突設され基板2に穿設された固定孔2aに挿通され基板2の裏面で半田付けされたフレーム部3の位置決め凸部、4b、4cは側壁部4の端部に形成され互いに係止され固定された係止部、5は側壁部4の外周に長手方向に沿って形成された凹条部である。6は側壁部4の上端内周に全周に渡って形成された当接部、7は当接部6から延設されたリブ7aにより支持され基板2と平行に配設されたフレーム部3の吸着部である。
10は天井部11と天井部11の外周に垂設された側面部12とを有し側壁部4の外周に嵌装されフレーム部3に覆設されるカバー部である。カバー部10において、天井部11は外周にプレス加工により段11aが形成されており、フレーム部3の当接部6に当る当接面11bが天井部11の中央部に対して一段下がった位置になっている。12aは各側面部12の長手方向の両端に分割して形成された分割側部、12bは各側面部12の両端の分割側部12a、12aの間に3つずつ形成された嵌合側部、13は各嵌合側部12bの内側に略くの字形に折曲して形成され凹条部5に着脱自在に嵌合される嵌合凸条部である。
位置決め凸部4aは各側壁部4に1つずつ配設した。これにより、フレーム部3の前後、左右の位置ずれを防止し、位置決めを確実にしている。尚、位置決め凸部4aは少なくとも2つあればよく、全ての側壁部4に設ける必要はない。また、位置決め凸部4aは1つの側壁部4に2つ以上配設してもよい。特に、側壁部4が長い場合には複数の位置決め凸部4aにより、確実かつ強固に位置決め固定することができる。また、位置決め凸部4aの先端(下端)側の隅部には面取りを施した。これにより、基板2の固定孔2aへの位置決め凸部4aの挿通を容易にし、組立作業性を向上させている。
フレーム部3の凹条部5は側壁部4を絞り加工することによる形成した。これにより、生産性に優れると共に、側壁部4に開口部や切り欠き部が形成されず、シールド性に優れる。また、凹条部5の長さは、カバー部10の嵌合側部12bに形成された嵌合凸条部13の全長よりも長めに形成した。これにより、確実にカバー部10の嵌合凸条部13をフレーム部3の凹条部5に嵌合させて固定することができ、信頼性、組立作業性に優れる。
フレーム部3は略ロ字形に形成された平板状の部材を側壁部4と当接部6の間で折り曲げて形成した。これにより、生産性に優れると共に、当接部6が側壁部4の上端内周に全周に渡って形成され、開口部や切り欠き部が形成されないので、側壁部4の上端からの電磁波の漏洩を効果的に低減できる。側壁部4の両端部には切り欠きを有する係止部4b、4cを形成した。側壁部4の隣接する係止部4b、4cを互いに係止することにより、容易にフレーム部3を組立てることができ、生産性に優れる。また、フレーム部3の上面が開口していることにより、内部に収容された高周波回路や電子部品等の電気接続状態の確認や交換等を容易に行なうことができ、組立作業性、メンテナンス性に優れる。フレーム部3に吸着部7を形成したことにより、吸着部7をエアで吸着してフレーム部3の搬送や基板2への位置決め等を自動化することができ、生産性に優れる。
カバー部10の各分割側部12aの長さは、各側面部12の全長の8%〜15%に形成した。各分割側部12aの長さが各側面部12の全長の8%より短くなるにつれ分割側部12aの強度が低下し、破損し易くなる傾向があり、15%より長くなるにつれ嵌合側部12bの長さが不足し、カバー部10の固定が不十分になる傾向があることがわかったためである。
各分割側部12a及び嵌合側部12bを分割する溝の高さは、カバー部10の着脱時に嵌合側部12bがばね性により変形できる最低限度に抑えて形成した。これにより、カバー部10の各側面部12からの電磁波の漏洩を低減している。また、四隅で隣接する分割側部12a同士は分割して形成した。これにより、カバー部10の着脱時に分割側部12aに応力が集中するのを防止し、分割側部12aの変形や破損の発生を低減して、信頼性を向上させている。
次に、フレーム部3とカバー部10の嵌合状態について詳細に説明する。図3は図2におけるA−A線矢視図であり、図4は図2におけるB−B線矢視図である。
図3において、分割側部12aは平板状に形成され側壁部4と面接触しているだけなので、フレーム部3の着脱時に応力が発生しない。これにより、フレーム部3の着脱が容易になると共に、分割側部12aの変形や破損が防止でき、経時的に電磁波の漏洩が増加するのを防止できる。また、当接部6の上面は、天井部11の外周裏側の中央より一段下がった当接面11bと面接触しているので、側壁部4の上端からの電磁波の漏洩を効果的に低減できる。また、天井部11にプレス加工により段11aを形成したことにより、撓みが抑えられ、当接面11bでは高い面精度が得られる。このため当接面11bとフレーム部側の当接部6は全周にわたって導通するので、電磁波漏洩をさらに低減できる。
図4において、嵌合側部12bの内側に略くの字形に折曲して形成された嵌合凸条部13が側壁部4の凹条部5に嵌合されている。嵌合凸条部13が略くの字形に形成されているのでカバー部10をフレーム部3に被せるようにして上から下へ押し付けるだけで、嵌合側部12bのばね性により、容易に嵌合凸条部13を凹条部5に嵌合させて固定することができる。これにより、側壁部4の外周面と嵌合側部12bの内周面との間に隙間が発生し難く、カバー部10の各側面部12からの電磁波の漏洩を低減できる。
以上のように本発明の実施の形態1におけるシールドケースは構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)高周波回路の外周を囲繞する側壁部4を有するフレーム部3が基板2に固定され、天井部11と天井部11の外周に垂設された側面部12とを有するカバー部10が側壁部4の外周に嵌装されフレーム部3に覆設されているので、高周波回路の外周及び上面を覆って高周波回路が発する電磁波を遮断することができる。
(2)カバー部10がフレーム部3と別部材で形成されていることにより、カバー部10を着脱することができ、フレーム部3の内部に収容された高周波回路や電子部品等の交換や点検を簡便に行うことができる。
(3)フレーム部3が側壁部4の外周に長手方向に沿って形成された凹条部5を有し、カバー部10が各側面部12の長手方向に内側に嵌合凸条部13が形成された嵌合側部12bを有するので、凹条部5と嵌合凸条部13を着脱自在に嵌合することができ、フレーム部3の側壁部4とカバー部10の各側面部12との間の隙間を減少させて面接触させることができ、電磁波のシールド性を向上させることができる。
(4)カバー部10の各側面部12の長手方向の両端に分割して分割側部12aが形成され、各側面部12の両端の分割側部12aの間に嵌合側部12bが形成されているので、カバー部10の着脱時に応力が集中し易い四隅の分割側部12aに応力が発生せず、カバー部10の変形を防止することができ、経時的に電磁波の漏洩が増加するのを防止できる。
(5)カバー部10の各側面部12に形成された嵌合側部12bを複数に分割することにより、各嵌合側部12bの長さを短くすることができ、ばね性による変形を容易にして着脱性を向上させることができる。
(6)各嵌合側部12bの内側に嵌合凸条部13が形成されているので、カバー部10をフレーム部3に被せるようにして上から下へ押し付けるだけで、カバー部10の嵌合側部12bのばね性により、容易にカバー部10の嵌合凸条部13をフレーム部3の凹条部5に嵌合させて固定することができる。
(7)カバー部10の各側面部12が複数の嵌合側部12bに分割され柔軟性を有することにより、フレーム部3とカバー部10が馴染み易く、当接部6の上面を天井部11の裏面に確実に当接させることができ、電磁波の遮蔽性能を向上させることができる。
(8)フレーム部3の上面が開口していることにより、内部に収容された高周波回路や電子部品等の電気接続状態の確認や交換等を容易に行なうことができ、組立作業性、メンテナンス性に優れる。
(9)四隅で隣接する分割側部12a同士が分割して形成されることにより、カバー部10の着脱時に分割側部12aに応力集中が発生するのを防止でき、分割側部12aの変形や破損が発生せず、信頼性に優れる。
(10)各分割側部12a及び嵌合側部12bを分割する溝の高さをカバー部10の着脱時に嵌合側部12bがばね性により変形できる最低限度に抑えることにより、カバー部10の各側面部12からの電磁波の漏洩を低減することができる。
(11)フレーム部3の上端内周に全周に渡って当接部6が形成され、切り欠き等を有さないので、天井部11の裏面と当接部6の上面を確実に面接触させることができ、電磁波のシールド性を向上させることができ、従来に比べ約10%の不要輻射低減効果をえることができた。
(12)フレーム部3が側壁部4と当接部6を有し、その断面形状が略L字形に形成されるので、フレーム部3の剛性を向上させることができ、フレーム部3の変形や破損の発生を低減できる。
(13)略ロ字形に形成された平板状の部材を側壁部4と当接部6の間で折り曲げるだけで容易にフレーム部3を形成することができ、生産性に優れる。
(14)側壁部4の両端部に切り欠きを有する係止部4b、4cを形成し、隣接する側壁部4の係止部4b、4cを互いに係止して固定することにより、容易にフレーム部3を組立てることができ、生産性を向上させることができる。
(15)フレーム部3に基板2と平行に配設された吸着部7を形成することにより、吸着部7をエアで吸着してフレーム部3の搬送や基板2への位置決め等を自動で行うことができ、生産性に優れる。
(16)嵌合側部12bを略くの字形に折曲するだけで嵌合凸条部13を形成することができ、生産性に優れる。
(17)嵌合凸条部13が略くの字形に形成されていることにより、嵌合側部12bの下端側が外方に拡開し、カバー部10の側面部12の高さを低くできるので、組立後のシールドケース1全体の高さを低くしてコンパクト化することができる。
(18)フレーム部3の側壁部4の下端に位置決め凸部4aが突設されているので、位置決め凸部4aを基板2に穿設された固定孔2aに挿通するだけで容易にフレーム部3を位置決めして仮固定することができ、組立作業性に優れる。
(19)フレーム部3の位置決め凸部4aが基板2の裏面で半田付けされるので、基板2上に配設された他の電子部品等と一緒に半田付けを行って固定することができ、生産性を向上させることができる。
(20)位置決め凸部4aを各側壁部4に配設した場合、フレーム部3の前後、左右の位置ずれを防止することができ、確実に位置決め固定することができる。
(21)位置決め凸部4aの先端(下端)側の隅部を面取りすることにより、容易に位置決め凸部4aを基板2の固定孔2aに挿通することができ、組立作業性を向上させることができる。
(22)天井部11の外周に段11aを形成したことにより撓みが抑えられて当接面11bでは高い面精度が得られ、当接部6と全周にわたって導通するので電磁波漏洩を低減できる。
本発明は、小型で省スペース性に優れ、着脱によるカバー部の変形を防止でき、確実に電磁波の漏洩を低減でき信頼性に優れ、構造が簡単で生産性に優れ、カバー部の着脱が容易で組立作業性、メンテナンス性に優れたシールドケースを提供することができ、電話機の子機や携帯電話等の無線通信機器の小型化及び信頼性の向上に貢献することができる。
1 シールドケース
2 基板
2a 固定孔
3 フレーム部
4 側壁部
4a 位置決め凸部
4b、4c 係止部
5 凹条部
6 当接部
7 吸着部
7a リブ
10 カバー部
11 天井部
12 側面部
12a 分割側部
12b 嵌合側部
13 嵌合凸条部
2 基板
2a 固定孔
3 フレーム部
4 側壁部
4a 位置決め凸部
4b、4c 係止部
5 凹条部
6 当接部
7 吸着部
7a リブ
10 カバー部
11 天井部
12 側面部
12a 分割側部
12b 嵌合側部
13 嵌合凸条部
Claims (4)
- 基板に配設された高周波回路の外周を囲繞する側壁部を有し前記基板に固定されたフレーム部と、天井部と前記天井部の外周に垂設された側面部とを有し前記側壁部の外周に嵌装され前記フレーム部に覆設されるカバー部と、を備えたシールドケースであって、(a)前記フレーム部が、前記側壁部の外周に長手方向に沿って形成された凹条部を有し、(b)前記カバー部が、前記各側面部の長手方向の両端に分割して形成された分割側部と、前記各側面部の前記両端の分割側部の間に1以上形成された嵌合側部と、前記各嵌合側部の内側に形成された嵌合凸条部と、を有し、前記凹条部と前記嵌合凸条部が着脱自在に嵌合されていることを特徴とするシールドケース。
- 前記フレーム部が、前記側壁部の上端内周に全周に渡って形成され前記天井部の裏面に当接する当接部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシールドケース。
- 前記嵌合凸条部が、前記嵌合側部を略くの字形に折曲して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシールドケース。
- 前記フレーム部が、前記側壁部の下端に突設された位置決め凸部を有し、前記位置決め凸部が前記基板に穿設された固定孔に挿通され前記基板の裏面で半田付けされていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載のシールドケース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004272857A JP2006093181A (ja) | 2004-09-21 | 2004-09-21 | シールドケース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004272857A JP2006093181A (ja) | 2004-09-21 | 2004-09-21 | シールドケース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006093181A true JP2006093181A (ja) | 2006-04-06 |
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ID=36233893
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006093181A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-09-21 JP JP2004272857A patent/JP2006093181A/ja active Pending
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