JP2006092873A - 画像表示装置の製造方法および製造装置 - Google Patents

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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、金属封着材表面に形成された酸化膜等を破断して、金属封着材の封着面に対する濡れ性の向上を得られ、完全な封着を可能とする画像表示装置の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】背面基板12と前面基板11のそれぞれ封着面に溶融したインジウム(金属封着材)をノズルNから充填する充填工程と、この充填工程のあと背面基板と前面基板それぞれの封着面に充填されたインジウム層32の表面にローラーRを用いて多数の傷を付けて凹凸状fとなし、インジウムの表面に形成される酸化膜等Sを破断する破断工程と、この破断工程のあとインジウムを加熱して溶融させ、背面基板と前面基板とを封着面で直接あるいは間接的に封着する封着工程とを具備する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、対向配置された背面基板と前面基板および、これら基板間に設けられた複数の表示素子とを有する画像表示装置を製造するための製造方法および製造装置に関する。
近年、次世代の軽量、薄型の平面型表示装置として、電子放出素子(以下、エミッタと称する)を多数並べ、蛍光面と対向配置させた表示装置の開発が進められている。エミッタとしては、電界放出型あるいは表面伝導型の素子が想定される。通常、エミッタとして電界放出型電子放出素子を用いた表示装置は、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、また、エミッタとして表面伝導型電子放出素子を用いた表示装置は、表面伝導型電子放出ディスプレイ(SED)と呼ばれている。
上記SEDは、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周縁部同士を互いに接合することにより真空外囲器を構成している。前面基板の内面には蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には、蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数の電子放出素子が設けられる。また、背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これら基板の間には複数の支持部材であるスペーサが配設されている。
背面基板側の電位はほぼ0Vであり、蛍光面にはアノード電圧Vaが印加される。そして、蛍光体スクリーンを構成する赤、緑、青の蛍光体に電子放出素子から放出された電子ビームを照射し、蛍光体を発光させることによって画像を表示する。このようなSEDでは、前面基板と背面基板との隙間を数mm以下に設定することができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されている陰極線管(CRT)と比較して、軽量化、薄型化を達成することができる。
本出願人は、先に、上述した画像表示装置の製造方法および封着材充填装置の関連技術を出願[特許文献1]している。
ここに記載される画像表示装置の製造方法としては、背面基板と前面基板との間の封着面に超音波を印加しながら溶融した金属封着材を充填する工程と、金属封着材の充填後、真空雰囲気中で金属封着材を加熱して溶融させ背面基板と前面基板とを封着面で直接あるいは間接的に封着する工程とを備えてなる。
特開2000−377816号公報
ところで、ノズルから溶融した金属封着材を供給して封着面に充填する工程を大気中で行っているために、表面に極く薄い膜である酸化膜が形成されてしまう。特に、金属封着材が溶融時、および固化後の高温時には、酸化膜の形成が促進される。
すなわち、金属封着材の特性として、高温ほど酸化され易い。そのため、充填時の溶融状態が一番酸化され易く、つぎに冷却過程の高温時が酸化され易い。また、室温でも酸化は進むが、高温時と比べると酸化速度は遅い。
実際には、酸化膜ばかりでなく、クリーンルーム雰囲気にしてもなお残る浮遊物が付着する。したがって、これ以降、これらを総称して「酸化膜等」と呼ぶ。
上記の[特許文献1]の技術では、そのあと真空外囲器を300℃程度まで加熱するベーキング処理工程を行うことにより、外囲器内部の表面吸着ガスを放出させるとともに、排気管を通して外囲器内を排気し封着している。
すなわち、充分なベーキング処理をなすことによって金属封着材を溶融させ、そのことで酸化膜等の分断を図り封着への悪影響を抑制しているのが現状である。そのため、封着面に金属封着材を充填した後の背面基板と前面基板とを封着面で直接あるいは間接的に封着する工程が常に完全に行われずに、一部が未封着のままで残ってしまいリークする虞れが僅かな確率で存在している。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、金属封着材表面に形成された酸化膜等を破断して、金属封着材の封着面に対する濡れ性の向上を得られ、完全な封着を可能とする画像表示装置の製造方法および製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、背面基板と前面基板を対向配置し互いの周縁部に沿って封着された外囲器と、外囲器内に設けられた複数の表示素子を備えた画像表示装置の製造方法において、背面基板と前面基板の少なくとも何れか一方の封着面に溶融した金属封着材を充填する充填工程と、この充填工程のあと背面基板と前面基板それぞれの封着面に充填される金属封着材の表面を凹凸状にして、金属封着材の表面に生成される酸化膜等を破断する破断工程と、この破断工程のあと金属封着材を加熱して溶融させ、背面基板と前面基板とを封着面で直接あるいは間接的に封着する封着工程とを具備する。
上記目的を達成するため本発明は、背面基板と前面基板を対向配置し互いの周縁部に沿って封着された外囲器と、外囲器内に設けられた複数の表示素子とを備えた画像表示装置を製造する製造装置において、背面基板と前面基板の少なくとも何れか一方の封着面に溶融した金属封着材を充填する充填手段と、背面基板と前面基板それぞれの封着面に充填される金属封着材表面を凹凸状にして、金属封着材の表面に形成される酸化膜等を破断する破断手段と、この破断手段により酸化膜等を破断した金属封着材を加熱して溶融させ、背面基板と前面基板とを封着面で直接あるいは間接的に封着する封着手段とを具備する。
本発明によれば、金属封着材を背面基板および前面基板の封着面に封着することで、金属封着材の表面に形成される酸化膜等を破断して、金属封着材の封着面に対する濡れ性の向上と、封着のシール性を確保する。
本発明によれば、金属封着材の封着面に対する濡れ性の向上と、封着のシール性を確保して、信頼性の向上を得られるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本実施の形態に係る製造方法によって製造される画像表示装置の一例として、SEDについて説明する。
図1および図2に示すように、SEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11および背面基板12を備えている。これら前面基板11と背面基板12は、約1.0〜2.0mmの隙間をおいて対応配置され、矩形枠状のガラスからなる側壁13を介して基板周縁部同士が接合され、内部が真空に維持される偏平な真空外囲器10を構成している。
接合部材として機能する上記側壁13は、たとえば、フリットガラス等の低融点ガラス材30によって、背面基板12の内面周縁部に接合されている。また、側壁13は、後述するように、封着材としての低融点金属材を含んだ封着部33により、前面基板11の内面周縁部に封着されている。これにより、側壁13および封着部33は、前面基板11および背面基板12の周縁部同士を気密に接合し、前面、背面基板11,12間に密閉空間を規定している。
上記真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、たとえばガラスからなる複数の板状のスペーサ14が設けられている。これらのスペーサ14は、真空外囲器10の短辺と平行な方向に延在しているとともに、長辺と平行な方向に沿って所定の間隔を存して配置されている。
前面基板11の内面には、蛍光面として機能する蛍光体スクリーン16が形成されている。この蛍光体スクリーン16は、赤、緑、青に発光する複数の蛍光体層15および、これら蛍光体層の間に形成される複数の遮光層17を備えている。各蛍光体層15は、ストライプ状、ドット状あるいは矩形状に形成され、蛍光体スクリーン16上には、アルミニウム等からなるメタルバック18およびゲッタ膜19が順に設けられる。
背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層15を励起する電子源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子22が設けられる。これらの電子放出素子22は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。背面基板12の内面上には導電性カソード層24が形成され、この導電性カソード層上には多数のキャビティ25を有する二酸化シリコン膜26が形成される。
二酸化シリコン膜26上には、モリブデン、ニオブ等からなるゲート電極28が設けられる。その他、背面基板12上には、電子放出素子22に電位を供給する多数本の配線21がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引出されている。
上記のように構成されたSEDにおいて、映像信号は単純マトリックス方式に形成された電子放出素子22とゲート電極28に入力される。電子放出素子22を基準とした場合で、最も輝度の高い状態のときに、+100Vのゲート電圧が印加され、蛍光体スクリーン16には+10kVが印加される。このとき電子放出素子22から放出される電子ビームの大きさは、ゲート電極28の電圧によって変調され、この電子ビームが蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起して発光させることにより画像を表示する。
つぎに、前面基板11と、背面基板12に接着された側壁13との間を封着する、上記封着部33について詳細に説明する。
特に、図2に示すように、上記封着部33は、前面基板11の所定位置である、前面基板の内面周縁部に沿って矩形枠状に形成される下地層31aと、上記側壁13における前面基板11側端面に沿って矩形枠状に形成される下地層31bおよび、これらの下地層31a、31b間に介在される、低融点金属材から形成されるインジウム層32とを有している。
つぎに、上記のように構成されたSEDの製造方法について詳細に説明する。
まず、前面基板11となる板ガラスに蛍光体スクリーン16を形成する。これは、前面基板11と同じ大きさの板ガラスを準備し、この板ガラスにプロッターマシンで蛍光体層のストライプパターンを形成する。この蛍光体ストライプパターンが形成された板ガラスと、前面基板用の板ガラスとを位置決め治具に載せて露光台にセットすることにより、露光、現像して蛍光体スクリーン16を生成する。
続いて、背面基板12用の板ガラスに電子放出素子22を形成する。この場合、板ガラス上にマトリックス状の導電性カソード層を形成し、この導電性カソード層上に、例えば熱酸化法、CVD法、あるいはスパッタリング法により二酸化シリコン膜の絶縁膜を形成する。
そのあと、この絶縁膜上に、たとえばスパッタリング法や電子ビーム蒸着法によりモリブデンやニオブなどのゲート電極形成用の金属膜を形成する。つぎに、この金属膜上に、形成すべきゲート電極に対応した形状のレジストパターンをリソグラフィーにより形成する。このレジストパターンをマスクとして金属膜をウェットエッチング法またはドライエッチング法によりエッチングし、ゲート電極28を形成する。
つぎに、レジストパターンおよびゲート電極をマスクとして絶縁膜をウェットエッチングまたはドライエッチング法によりエッチングして、キャビティ25を形成する。そして、レジストパターンを除去したあと、背面基板12表面に対して所定角度傾斜した方向から電子ビーム蒸着を行うことにより、ゲート電極28上に、たとえばアルミニウムやニッケルからなる剥離層を形成する。
このあと、背面基板12表面に対して垂直な方向から、カソード形成用の材料として、たとえばモリブデンを電子ビーム蒸着法により蒸着する。これによって、各キャビティ25の内部に電子放出素子22を形成する。続いて、剥離層をその上に形成された金属膜とともにリフトオフ法により除去する。
電子放出素子22の形成された背面基板12の周縁部と矩形枠状の側壁13との間を、大気中で低融点ガラス30により互いに封着する。同時に、大気中で、背面基板12上に複数のスペーサ14を低融点ガラス30により封着する。
そして、背面基板12と前面基板11とを側壁13を介して互いに封着する。この場合、図3(a)(b)に示すように、まず、背面基板12における封着面となる側壁13の上面、および前面基板11の内面周縁部上に、それぞれ、たとえば銀ペーストからなる下地層31を全周に亘って、所定幅に塗布して形成する。
続いて、各下地層31の上に、金属封着材としてのインジウム(In)を充填塗布し、それぞれ下地層31の全周に亘り連続して延びたインジウム層32を形成する充填工程を行う。インジウム層32の幅は、下地層31の幅よりも狭く形成し、インジウム層32の両側縁が下地層31の両側縁からそれぞれ所定の隙間を存した状態に塗布する。
この充填工程は、充填装置(充填手段)を構成する図示しないタンクに溜められる溶融したインジウムを、タンクに接続される案内路を介して、ノズルNの先端から供給することで行われる。少なくとも上記ノズルNは、図示しない自動送り機構に支持されていて、上記下地層31に対して所定の間隙を存するよう昇降自在であって、かつ下地層31に沿って移動自在に支持される。
金属封着材としては、融点が約350℃以下で密着性、接合性に優れた低融点金属材を使用することが望ましい。本実施の形態で用いるインジウムは、融点156.7℃と低いだけでなく、蒸気圧が低く、軟らかくて衝撃に対して強く、低温でも脆くならないなどの優れた特徴がある。しかも、条件によってはガラスに直接接合することができるので、本発明の目的に好適した材料である。
そして、低融点金属材料は、主成分としてInの単体だけではなく、Bi、Sn、Gaの単体または、少なくとも一つが含まれる合金を用いることもできる。たとえば、In97%−Ag3%の共晶合金では、融点が141℃とさらに低くなり、しかも機械的強度を高めることができる。
前述した下地層31は、金属封着材料に対して濡れ性および気密性の良い材料、つまり、金属封着材料に対して親和性の高い材料を用いる。上述した銀ペーストの他、金、アルミニウム、ニッケル、コバルト、銅等の金属ペーストを用いることができる。金属ペーストの他、下地層31として、銀、金、アルミニウム、ニッケル、コバルト、銅等の金属メッキ層あるいは蒸着膜、またはガラス材料層を用いることもできる。
なお、インジウムを下地層31上に塗布充填する際、超音波を印加しながらインジウムを充填することにより、封着面あるいは下地層31に対するインジウムの濡れ性が向上し、インジウムを所望の位置に良好に充填することが可能となる。そして、溶融したインジウムを下地層31に沿って連続的に充填することができ、下地層に沿って切れ目なく延びたインジウム層32を形成することが可能となり、充填した時点でインジウムの一部が下地層31の表面部内に拡散して合金層を形成することができる。
さらに、インジウムを下地層31に塗布充填する際に、ガス供給源から所定量の酸素を含む窒素(N2)ガスもしくはアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを、ノズルN先端に向けて吹付けながら作業するとよい。この不活性ガスの雰囲気中で充填工程を行うことにより、酸素がインジウムの凝集を防止して、略理想の状態でインジウムの充填が可能である。そして、インジウム層32が大気に晒される時間を短縮し、インジウム層32表面の酸化を遅延させて、酸化膜等の生成を抑制する。
この充填工程のあと、図4(a)(b)に示すように、背面基板12および前面基板11の、それぞれ封着面に形成されるインジウム層32表面を、凹凸状に形成する破断工程をなす。
すなわち、充填工程では、ノズルNから溶融したインジウムを供給して封着面に充填する作業を大気中で行っているので、充填直後に溶融したインジウム表面が冷却固化するとともに酸化して、その表面に極く薄い膜である酸化膜が形成されてしまう。
もしくは、ノズルN先端に対して不活性ガスを吹付け、不活性ガスの雰囲気中で充填工程を行うようにしているが、それでもなお、充填直後に溶融したインジウム表面が冷却固化するとともに酸化してしまい、その表面には、ある程度の酸化膜等が形成されることは避けられない。
特に、インジウム(金属封着材)の溶融時、および固化後の高温時には、酸化膜の形成が促進される。上述したように、金属封着材の特性として、高温ほど酸化され易い。そのため、充填時の溶融状態が一番酸化され易く、つぎに冷却過程の高温時が酸化され易い。また、室温でも酸化は進むが、高温時と比べると酸化速度は遅い。
さらにそのうえ、酸化膜ばかりでなく、クリーンルームでの清浄空気雰囲中においても、なお残る浮遊物が付着する。したがって、これら付着物を総称して、「酸化膜等S」と呼ぶ。
酸化膜等Sを破断する破断工程は、下端部にローラー(破断手段)Rを回転自在に支持する図示しない支持体によって行われる。上記ローラーRの周面には、いわゆるローレット加工が施されていて、多数の細かな突起が整然と並んだ状態で設けられる。上記支持体は、図示しない自動送り機構に取付けられていて、上記ローラーRを下地層31に対して所定の圧力をもって押圧し、もしくは下地層31から離間可能であり、かつ下地層31に沿って移動自在に支持される。
図5および図6は、互いに表面形態の異なるローラーRa,Rbと、その作用を説明する図、図7はさらに異なる形態のローラーRcを製造する途中の説明図である。
すなわち、ローラーRの表面形態は上述のローレット加工によるものばかりではなく、図5に示すように周方向に所定間隔を存して放射状に、かつ軸方向に所定間隔を存して突出する突起aを一体に備えたローラーRaであってもよい。あるいは、図6に示すように周方向に所定間隔を存して突出し、軸方向に沿って設けられる多数条の突条bを備えたものであってもよい。
さらに、図7に示すように、円柱状もしくは円筒状のローラー本体dの周面一端部に細径(φ0.1〜0.05mm)ワイヤーeの一端部を掛止固定して、ローラー本体dを回転することで、ワイヤーeをローラー本体周面全体に亘って巻装してなるローラーRcであってもよい。要は、ローラーの周面に沿って多数の突起もしくは突条を備えていればよい。
破断工程として、先に説明したいずれのローラーR,Ra〜Rcを用いてもよいが、たとえばローレット加工が施されたローラーRの周面をインジウム層32に宛がい、かつ下地層31に沿ってローラーRを移動する。ローラーRはインジウム層32に対して所定の圧力をもって接触しながら回転するので、表面に形成されるローレット加工部分がインジウム層32表面に食い込む。
そのため、インジウム層32表面を覆う酸化膜等Sは、ローラーRのローレット加工部によって破断され、インジウム層32自体が表面に露出する。ローラーRが通過したあとのインジウム表面は細かな凹凸状fをなすが、結果として、酸化膜等Sで覆われていない状態に近い。
なお、図4(b)に示すように、前面基板11に下地層31を介して充填されたインジウム層32においても同様に、充填直後(2〜3秒)に冷却固化するとともに、その表面に酸化膜等Sが生成されてしまう。
すなわち、再び説明するに、インジウム(金属封着材)の溶融時、および固化後の高温時には、酸化膜の形成が促進される。金属封着材の特性として、高温ほど酸化され易い。そのため、充填時の溶融状態が一番酸化され易く、つぎに冷却過程の高温時が酸化され易い。また、室温でも酸化は進むが、高温時と比べると酸化速度は遅い。
さらにそのうえ、酸化膜ばかりでなく、クリーンルームでの清浄空気雰囲中においても、なお残る浮遊物が付着する。したがって、これら付着物を総称して、「酸化膜等S」と呼ぶ。
酸化膜等Sを破断する破断工程として、インジウム層32表面にたとえばローレット加工が施されたローラーR周面を宛がって、下地層31に沿ってローラーを移動する。ローラーRはインジウム層32に対して所定の圧力をもって接触し、かつ回転するので、表面に形成されるローレット加工部分がインジウム層32表面に食い込む。
そのため、インジウム層32表面を覆う酸化膜等Sは、ローラーRのローレット加工部分によって破断され、インジウム層32自体が表面に露出する。ローラーRが通過したあとのインジウム表面は細かな凹凸状fをなすが、結果として、酸化膜等Sで覆われていない状態に近い。
このような破断工程をなすことにより、後述する封着工程において真空雰囲気中でインジウムを加熱して溶融させ、前面基板11と背面基板12を封着面31で直接あるいは間接的に封着する際に、完全封着をなしリークの発生が無い。
なお、破断工程は、大気中もしくは真空雰囲気中のいずれでも行ってもよいが、好ましくは真空雰囲気中で行うこととする。すなわち、酸化膜等Sが破断されてインジウム層32が露出しても、時間の経過にともなって新たな酸化膜等Sが生成されるのを可能な限り抑制できる。
なお、上述の構成において、充填手段であるノズルNと、破断手段であるローラーRとは互いに別個に備えられ、別個に作用工程をなすようにしたが、これに限定されるものではなく、たとえば図4(b)に示すように、二点鎖線で示すノズルNと、ローラーRとを互いに連設し、進行側にノズルNを配置し、その後側にローラーRを配置して、一体に自動送りするようにしてもよい。
図8は、封着部33に下地層31およびインジウム層32が形成された背面側組立体Kと前面基板11とを対向配置した状態を示す断面図である。
つぎに、図8に示すように、封着面に下地層31および破断工程を経てインジウム層32が凹凸状fに形成される前面基板11と、背面基板12に側壁18が封着されるとともに、この側壁上面に下地層31および破断工程を経てインジウム層32が凹凸状fに形成される背面側組立体Kとは、封着面同士が所定の距離をおいて対向した状態で、図示しない治具等により保持され、真空処理装置に投入される。
図9は、SEDの製造に用いる真空処理装置を概略的に示す図である。
この真空処理装置100は、図9に示すように順に並んで設けられたロード室101、ベーキング、電子線洗浄室102、冷却室103、ゲッタ膜の蒸着室104、組立室105、冷却室106、およびアンロード室107を有している。これら各室は真空処理が可能な処理室として構成され、SEDの製造時には全室が真空排気されている。また、隣合う処理室間はゲートバルブ等により接続されている。
所定の間隔をおいて対向した背面側組立体Kおよび前面基板11は、ロード室101に投入され、このロード室101内を真空雰囲気とした後、ベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。べーキング、電子線洗浄室102では、10−5Pa程度の高真空度に達した時点で、背面側組立体Kおよび前面基板11を300℃程度の温度に加熱してベーキングし、各部材の表面吸着ガスを十分に放出させる。
この温度ではインジウム層(融点約156℃)32が溶融する。しかし、インジウム層32は親和性の高い下地層31上に形成されているため、インジウムが流動することなく下地層31上に保持され、電子放出素子22側や背面基板の外側、あるいは蛍光体スクリーン16側への流出が防止される。
また、べーキング、電子線洗浄室102では、加熱と同時に、べーキング、電子線洗浄室102に取付けられた図示しない電子線発生装置から、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に電子線を照射する。この電子線は、電子線発生装置外部に装着された偏向装置によって偏向走査されるため、蛍光体スクリーン面、および電子放出素子面の全面を電子線洗浄することが可能となる。
加熱、電子線洗浄後、背面基板側組立体Kおよび前面基板11は冷却室103に送られ、たとえば約100℃の温度の温度まで冷却される。続いて、背面側組立体Kおよび前面基板11はゲッタ膜の蒸着室104へ送られ、ここで蛍光体スクリーンの外側にゲッタ膜としてBa膜が蒸着形成される。このBa膜は、表面が酸素や炭素などで汚染されることが防止され、活性状態を維持することができる。
つぎに、背面側組立体Kおよび前面基板11は組立室105に送られ、ここで200℃まで加熱されインジウム層32が再び液状に溶融あるいは軟化される。この状態で、前面基板11と側壁18とを接合して所定の圧力で加圧した後、インジウムを除冷して固化させる。これにより、前面基板11と側壁18とが、インジウム層32および下地層31を融合した封着層33によって封着され、真空外囲器10が形成される。このようにして形成された真空外囲器10は、冷却室106で常温まで冷却された後、アンロード室107から取り出される。以上の工程により、SEDが完成する。
なお、上述した実施の形態では、前面基板11の封着面と側壁18の封着面との両方に下地層31およびインジウム層32を形成した状態で封着するようにしたが、いずれか一方、たとえば前面基板11の封着面のみに下地層31およびインジウム層32を形成した状態で封着する構成としてもよい。また、上述した実施の形態では、封着面に下地層31を形成し、その上にインジウム層32を形成する構成としたが、下地層31を用いることなく直接、封着面上にインジウム層32を充填する構成としても良い。
なお、上述した実施の形態では、電子放出素子として電界放出型の電子放出素子を用いたが、これに限らず、pn型の冷陰極素子あるいは表面伝導型の電子放出素子等の他の電子放出素子を用いてもよい。また、この発明は、プラズマ表示パネル(PDP)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の他の画像表示装置の製造にも適用可能である。
本発明の実施の形態に係る、完成されたFEDの斜視図。 同実施の形態に係る、FEDの一部断面図。 同実施の形態に係る、FED製造のうちの背面基板と前面基板に対する充填工程を説明する図。 同実施の形態に係る、FED製造のうちの背面基板と前面基板に対する破断工程を説明する図。 同実施の形態に係る、破断工程に用いられるローラーの形態を説明する図。 同実施の形態に係る、破断工程に用いられるローラーの、さらに異なる形態を説明する図。 同実施の形態に係る、破断工程に用いられるローラーの、さらに異なる形態の製造方法を説明する図。 同実施の形態に係る、封着部に下地層およびインジウム層が形成された背面側組立体と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。 同実施の形態に係る、FEDの製造に用いる真空処理装置を概略的に示す図。
符号の説明
12…背面基板、11…前面基板、10…真空外囲器、22…電子放出素子(表示素子)、32…インジウム層(金属封着材)、S…酸化膜等、a…突起、b…突条、R、Ra〜Rc…ローラー(破断手段)、N…ノズル(充填手段)。

Claims (6)

  1. 背面基板と前面基板を対向配置し、互いの周縁部に沿って封着された外囲器と、上記外囲器内に設けられた複数の表示素子と、を備えた画像表示装置を製造する製造方法において、
    上記背面基板と上記前面基板の少なくとも何れか一方の封着面に、溶融した金属封着材を充填する充填工程と、
    この充填工程のあと、上記背面基板と上記前面基板それぞれの封着面に充填される金属封着材の表面を凹凸状にして、金属封着材の表面に生成された酸化膜等を破断する破断工程と、
    この破断工程のあと、上記金属封着材を加熱して溶融させ、背面基板と前面基板とを封着面で直接あるいは間接的に封着する封着工程と、
    を具備することを特徴とする画像表示装置の製造方法。
  2. 上記破断工程は、周面に沿って多数の突起もしくは突条を備えたローラーを、金属封着材表面に宛がい、かつローラーを回転操作することで、封着面における金属封着材表面に多数の傷を付けることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置の製造方法。
  3. 上記破断工程は、大気中もしくは真空雰囲気中で行い、好ましくは真空雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
  4. 上記破断工程は、上記充填工程に追従して同時に行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像表示装置の製造方法。
  5. 背面基板と前面基板を対向配置し、互いの周縁部に沿って封着された外囲器と、上記外囲器内に設けられた複数の表示素子と、を備えた画像表示装置を製造する製造装置において、
    上記背面基板と上記前面基板の少なくとも何れか一方の封着面に、溶融した金属封着材を充填する充填手段と、
    上記背面基板と上記前面基板それぞれの封着面に充填される金属封着材表面を凹凸状にして、金属封着材の表面に生成される酸化膜等を破断する破断手段と、
    この破断手段により酸化膜等を破断した上記金属封着材を加熱して溶融させ、背面基板と前面基板とを封着面で直接あるいは間接的に封着する封着手段と、
    を具備することを特徴とする画像表示装置の製造装置。
  6. 上記充填手段は、背面基板と前面基板の封着面に対して溶融した金属封着材を吐出するノズルであり、
    上記破断手段は、周面に沿って多数の突起もしくは突条を備え、金属封着材表面に宛がい、かつ回転操作することで、封着面における金属封着材表面を凹凸状にするローラーであって、
    上記ノズルとローラーは、互いに独立して自動送りされる、もしくは互いに連設され、進行側に上記ノズルが配置され、その後側に上記ローラーが配置されて、一体に自動送りされることを特徴とする請求項5記載の画像表示装置の製造装置。
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