JP2008243479A - 気密容器、気密容器を備えた画像表示装置、気密容器の製造方法 - Google Patents

気密容器、気密容器を備えた画像表示装置、気密容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】真空雰囲気もしくは安定ガス雰囲気中で容易にかつ確実に封着を行うことが可能な気密容器、これを備えた画像表示装置、および気密容器の製造方法を提供する。
【解決手段】気密容器は、第1部材、およびこの第1部材に対向配置された第2部材と、第1部材と第2部材と間に設けられ、これら第1および第2部材を互いに封着した封着部33と、を備えている。封着部は、下地層31と、下地層上に設けられた封着材層32とを有し、下地層は、第1あるいは第2部材側に設けられ、金属含有量が0〜90wt%の第1金属ガラス層31aと、封着材層側に設けられ、金属含有量が50〜100wt%の第2金属ガラス層31bとの少なくとも2層で形成されている。第2金属ガラス層の金属含有量は第1金属ガラス層の金属含有量よりも多い。
【選択図】 図4

Description

この発明は、内部が気密に遮蔽された気密容器、気密容器を備えた画像表示装置、気密容器の製造方法に関する。
近年、軽量・薄型の画像表示装置として、液晶の配向を利用して光の強弱を制御する液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する)、プラズマ放電の紫外線により蛍光体を発光させるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)、電界放出型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させるフィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDと称する)、表面伝導型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させる表面伝導型電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)などが開発されている。
例えばFEDでは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周辺部同士を互いに接合することにより内部が気密に遮蔽された真空外囲器を構成している。前面基板の内面には蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数の電子放出素子が設けられている。
背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これら基板の間には複数の支持部材が配設されている。背面基板側の電位はほぼアース電位であり、蛍光面にはアノード電圧として例えば10kVが印加される。蛍光体スクリーンを構成する赤、緑、青の蛍光体に電子放出素子から放出された電子ビームを照射し、蛍光体を発光させることによって画像を表示する。
このようなFEDでは、電子放出素子の大きさがマイクロメートルオーダーであり、前面基板と背面基板との間隔をミリメートルオーダーにすることができる。このため、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されている陰極線管(CRT)などと比較して、高解像度化、軽量化、薄型化を達成することができる。
このようなFEDにおいては、真空外囲器内部を高い真空度に維持することが重要となる。真空度が低いと、安定した電子放出ができず、画像表示装置の寿命が低下することになるからである。
真空外囲器内部の真空度を上げる方法としては、背面基板、側壁、前面基板を真空処理装置内に投入し、真空雰囲気中でこれらのべ一キング、電子線照射を行って表面吸着ガスを放出させた後、ゲッタ膜を形成し、そのまま真空雰囲気中でフリットガラスなどを用いて側壁と背面基板および前面基板とを封着する製造方法および製造装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この方法によれば、電子線洗浄によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、ゲッタ膜も酸化されず十分なガス吸着効果を得ることができる。また、排気管が不要であるため、画像表示装置のスペースが無駄に消費されることがなくなる。
特開2005−332618号公報
しかしながら、真空中でフリットガラスを使用して封着を行う場合、フリットガラスを400℃以上の高温に加熱する必要がある。その際、フリットガラスから多数の気泡が発生し、真空外囲器における封着部の気密性、封着強度などが悪化し、気密性維持の信頼性が低下するという問題がある。また、電子放出素子の特性上、400℃以上の高温にすることは避けた方がよい場合があり、そのような場合には、フリットガラスを用いて封着する方法は好ましくない。
これを解決するために、フリットガラスに代わる封着材として、低融点金属であるインジウムやSnおよびその合金が用いられている。低融点金属を封着材とした場合、基板と濡れ性および高い気密性を持たせるために、封着材の下地層としてAgペーストなどを用いることが考えられる。しかし、封着材を下地層上に載せて真空加熱処理を行う場合、下地層のAg含有量が多いと、Agが全てインジウムに拡散し、はじいてしまう。一方、Ag含有量を少なくすると、下地層とインジウムとが濡れず、良好な封着構造を得ることができない。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、真空雰囲気もしくは安定ガス雰囲気中で容易にかつ確実に封着を行うことが可能な気密容器、これを備えた画像表示装置、および気密容器の製造方法を提供することにある。
この発明の態様に係る気密容器は、第1部材、およびこの第1部材に対向配置された第2部材と、前記第1部材と第2部材と間に設けられ、これら第1および第2部材を互いに封着した封着部と、を備え、
前記封着部は、下地層と、前記下地層上に設けられた封着材層とを有し、前記下地層は、前記第1あるいは第2部材側に設けられ、金属含有量が0〜90wt%の第1金属ガラス層と、前記封着材層側に設けられ、金属含有量が50〜100wt%の第2金属ガラス層との少なくとも2層で形成され、第2金属ガラス層の金属含有量は前記第1金属ガラス層の金属含有量よりも多い。
この発明の他の態様に係る気密容器の製造方法は、第1部材、およびこの第1部材に対向配置された第2部材と、前記第1部材と第2部材と間に設けられ、これら第1および第2部材を互いに封着した封着部と、を備えた気密容器の製造方法であって、
前記第1部材および第2部材の少なくとも一方に金属含有量が0ないし90wt%の金属ガラスペーストを塗布して第1金属ガラス層を形成し、前記第1金属ガラス層上に金属含有量が50〜100wt%の金属ガラスペーストを塗布して第2金属ガラス層を形成し、前記第2金属ガラス層の上に低融点金属を含む封着材を配置し、前記封着材を加熱して溶融あるいは軟化させた状態で、前記第1部材と第2部材とを前記封着材を挟んで対向配置し、前記封着材により第1部材および第2部材を封着する気密容器の製造方法である。
以上詳述したように、この本発明によれば、金属含有量の異なる少なくとも2層の下地層とこの下地層上に形成された金属封着材層とを用いて第1部材と第2部材とを封着することにより、真空雰囲気あるいは安定ガス雰囲気中で容易にかつ確実に封着することがでとともに気密性および封着強度の高い気密容器、これを備えた画像表示装置、および気密容器の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、この発明を画像表示装置としてのFEDに適用した実施形態について詳細に説明する。
図1および図2に示すように、このFEDは、それぞれ矩形状のガラスからなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は所定の隙間を置いて対向配置されている。前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合され、内部が真空状態に維持された偏平な矩形状の真空外囲器10を構成している。真空外囲器10は、気密容器を構成し、例えば、前面基板11は第1部材を、また、側壁18は第2部材を構成している。側壁18は、例えば、フリットガラス等の低融点ガラス30により背面基板12の周縁部に封着されているとともに、後述する封着部33により前面基板11の周縁部に封着され、これらの基板同士を気密に接合している。
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状の支持部材14が設けられている。これらの支持部材14は、外囲器10の一辺、例えば、長辺と平行な方向にそれぞれ延在しているとともに、上記一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。各支持部材14の長手方向両端部は、それぞれ側壁18と隙間を置いて対向している。各支持部材14は、例えば、背面基板12に取り付けられている。なお、支持部材14の形状については特にこれに限定されるものではなく、柱状の支持部材を用いてもよい。
図2および図3に示すように、前面基板11の内面上には表示面として機能する蛍光体スクリーン16が形成されている。蛍光体スクリーン16は、赤、緑、青の蛍光体層R、G、B、およびこれらの蛍光体層間に位置した黒色の遮光層20を並べて構成されている。赤、緑、青の3色の蛍光体層R、G、Bは、第1方向に隙間を置いて交互に並んで形成され、同一色の蛍光体層が第1方向と直交する第2方向に隙間を置いて配列されている。蛍光体層R、G、Bはそれぞれ、赤、緑、青の単色でサブピクセルを構成し、3色のサブピクセルを合わせて一画素を構成している。
蛍光体スクリーン16上には、アルミニウム膜等からなるメタルバック層17が形成されている。本実施形態によれば、メタルバック層17は、縦方向および横方向に分断され、互いに電気的に分離した複数の分断領域を有している。電気的に分断したメタルバック層17は、蛍光体層R、G、Bに夫々重なって設けられている。また、メタルバック層17に重ねてゲッタ膜13が形成されている。
図2に示すように、背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層R、G、Bを励起する電子源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子が設けられている。すなわち、背面基板12の内面上には、導電性カソード層24が形成され、この導電性カソード層上には多数のキャビティ25を有した二酸化シリコン膜26が形成されている。二酸化シリコン膜26上には、モリブデンやニオブ等からなるゲート電極28が形成されている。背面基板12の内面上において各キャビティ25内にはモリブデンなどからなるコーン状の電子放出素子22が設けられている。これらの電子放出素子22は、画素に対応して複数列および複数行に配列されている。
導電性カソード層24およびゲート電極28は、それぞれ直交する方向にストライプ状に形成され、背面基板12の周縁部には、これら導電性カソード層およびゲート電極に電位を供給する多数本の配線23(図1参照)が形成されている。
上記のように構成されたFEDにおいて、映像信号は、単純マトリックス方式に形成された電子放出素子22とゲート電極28に入力される。電子放出素子22を基準とした場合、最も輝度の高い状態の時、+100Vのゲート電圧が印加される。また、蛍光体スクリーン16には+10kVが印加される。そして、電子放出素子22から放出される電子ビームの大きさは、ゲート電極28の電圧によって変調され、この電子ビームが蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起して発光させることにより画像を表示する。
このように蛍光体スクリーン16には高電圧が印加されるため、前面基板11、背面基板12、側壁18、および支持部材14用の板ガラスには、高歪点ガラスが使用されている。また、図2に示すように、背面基板12と側壁18との間は、低融点ガラス30によって封着され、前面基板11と側壁18との間は、封着面上に形成された下地層31とこの下地層上に形成された封着材層、例えば、インジウム層32とが融合した封着部33によって封着されている。
図4に示すように、各下地層31は、少なくとも2層で形成されている。すなわち、各下地層31は、前面基板11あるいは側壁18側に設けられた第1金属ガラス層31aと、封着材層側に設けられた第2金属ガラス層31bとを有し、第2金属ガラス層は第1金属ガラス層に重ねて形成されている。第1金属ガラス層31aは、ガラスを主成分として金属含有量が0〜90wt%に形成されている。第1金属ガラス層31bは、金属含有量が50〜100wt%に形成され、第2金属ガラス層の金属含有量は、第1金属ガラス層の金属含有量よりも多く設定されている。そして、封着材層としてのインジウム層32は、第2金属ガラス層31bに重ねて形成されている。
次に、上記のように構成された気密容器を有するFEDの製造方法について詳細に説明する。
まず、前面基板11となる板ガラスに蛍光体スクリーン16を形成する。これは、前面基板11と同じ大きさの板ガラスを準備し、この板ガラスにプロッターマシンで蛍光体層のストライプパターンを形成する。この蛍光体ストライプパターンを形成された板ガラスと前面基板用の板ガラスとを位置決め治具に載せて露光台にセットすることにより、露光、現像して蛍光体スクリーン16を生成する。
続いて、背面基板用の板ガラスに電子放出素子22を形成する。この場合、板ガラス上にマトリックス状の導電性カソード層を形成し、この導電性カソード層上に、例えば熱酸化法、CVD法、あるいはスパッタリング法により二酸化シリコン膜の絶縁膜を形成する。
その後、この絶縁膜上に、例えばスパッタリング法や電子ビーム蒸着法によりモリブデンやニオブなどのゲート電極形成用の金属膜を形成する。次に、この金属膜上に、形成すべきゲート電極に対応した形状のレジストパターンをリソグラフィーにより形成する。このレジストパターンをマスクとして金属膜をウェットエッチング法またはドライエッチング法によりエッチングし、ゲート電極28を形成する。
次に、レジストパターン及びゲート電極をマスクとして絶縁膜をウェットエッチングまたはドライエッチング法によりエッチングして、キャビティ25を形成する。そして、レジストパターンを除去した後、背面基板表面に対して所定角度傾斜した方向から電子ビーム蒸着を行うことにより、ゲート電極28上に、例えばアルミニウムやニッケルからなる剥離層を形成する。この後、背面基板表面に対して垂直な方向から、カソード形成用の材料として、例えばモリブデンを電子ビーム蒸着法により蒸着する。これによって、各キャビティ25の内部に電子放出素子22を形成する。続いて、剥離層をその上に形成された金属膜とともにリフトオフ法により除去する。
続いて、電子放出素子22の形成された背面基板12の周縁部と矩形枠状の側壁18との間を、大気中で低融点ガラス30により互いに封着する。同時に、大気中で、背面基板12上に複数の支持部材14を低融点ガラス30により封着する。
その後、背面基板12と前面基板11とを側壁18を介して互いに封着する。この場合、図5に示すように、まず、封着面となる側壁18の上面、および前面基板11の内面周縁部上に、それぞれ下地層31を全周に亘って所定幅に形成する。本実施の形態において、下地層31は2層形成する。まず、1層目の第1金属ガラス層31aとして、膜厚が12μmのガラスペーストを印刷形成し500℃で焼成する。次に、2層目の第2金属ガラス層31bとして、膜厚が11μmでAg含有量が99wt%のAgペーストを印刷形成し450℃で焼成する。このような下地構成により、後工程にある真空加熱処理中にインジウムははじかれることなく、下地層31と濡れ性を十分保ち、高い密着性を持った封着構造を得ることができる。
第1金属ガラス層31aの組成は、Agを含有していても良いが、Agの含有量が多いと、真空加熱中にインジウム側にAgが拡散してしまい弾いてしまう。そのため、Ag含有量は0〜90wt%の範囲で設定されている。また、第2金属ガラス層31bは、Ag含有量が少ないと、真空加熱中にインジウムとの濡れ性が十分得られない。そのため、Ag含有量は、50〜100wt%の範囲に設定されている。ペーストに含有する金属は、金属封着材料に対して濡れ性および気密性の良い材料、つまり、金属封着材料に対して親和性の高い材料を用いる。上述したAgペーストの他、Au、Cu、Ni、Co等のペーストを用いてもよい。
続いて、各下地層31の上に、金属封着材層としてのインジウム層32を配置する。インジウムは、例えば、シート状のもので、下地層幅よりも幅は狭いものを用いることが望ましい。インジウムの形状は、シート状に限らず、丸ワイヤー状なものや、小さな塊状のものでも良い。金属封着材としては、融点が約350℃以下で密着性、接合性に優れた低融点金属材料を使用することが望ましい。本実施の形態で用いるインジウム(In)は、融点156.7℃と低いだけでなく、蒸気圧が低い、軟らかく衝撃に対して強い、低温でも脆くならないなどの優れた特徴がある。しかも、条件によってはガラスに直接接合することができるので、本発明の目的に好適した材料である。
低融点金属材料としては、インジウムの単体ではなく、酸化銀、銀、金、銅、アルミニウム、亜鉛、錫、Bi等の元素を単独あるいは複合で添加した合金を用いることもできる。例えば、In97%−Ag3%の共晶合金では、融点が143℃とさらに低くなり、しかも機械的強度を高めることができる。
なお、上記説明では、「融点」という表現を用いているが、2種以上の金属からなる合金では、融点が単一に定まらない場合がある。一般にそのような場合には、液相線温度と固相線温度が定義される。前者は、液体の状態から温度を下げていった際、合金の一部が固体化し始める温度であり、後者は合金の全てが固体化する温度である。本実施の形態では、説明の便宜上、このような場合においても融点という表現を用いることにし、固相線温度を融点と呼ぶことにする。
次に、封着面に下地層31およびインジウム層32が形成された前面基板11と、背面基板12に側壁18が封着されているとともにこの側壁上面に下地層31およびインジウム層32が形成された背面側組立体とは、図6に示すように、封着面同士が向かい合った状態で、かつ、所定の距離をおいて対向した状態で治具等により保持され、真空処理装置に投入される。
図7に示すように、この真空処理装置100は、並んで配設されたロード室101、べーキング、電子線洗浄102、冷却室103、ゲッタ膜の蒸着室104、組立室105、冷却室106、およびアンロード室107、各室の温度、真空度を調整する駆動装置120、装置全体の動作を制御する制御部121を備えている。真空処理装置100の各室は、真空処理が可能な処理室として構成され、FEDの製造時には全室が真空排気されている。これら各処理室間は図示しないゲートバルブ等により接続されている。
所定の間隔をおいて対向した背面側組立体および前面基板11は、ロード室101に投入され、ロード室101内を真空雰囲気とした後、べーキング、電子線洗浄102へ送られる。べーキング、電子線洗浄102では、10−5Pa程度の高真空度に達した時点で、背面基板側組立体および前面基板を300℃程度の温度に加熱してベーキングし、各部材の表面吸着ガスを十分に放出させる。
この温度ではインジウム層(融点約156℃)32が溶融する。しかし、インジウム層32は親和性の高い下地層31上に形成されているため、インジウムが流動することなく下地層31上に保持され、電子放出素子22側や背面基板の外側、あるいは蛍光体スクリーン16側への流出が防止される。また、第1金属ガラス層31aにより、基板あるいは側壁からの放出ガスが封着層に侵入することを防止し、封着層の気密性を担保する。
べーキング、電子線洗浄102では、加熱と同時に、図示しない電子線発生装置から、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に電子線を照射する。この電子線は、電子線発生装置外部に装着された偏向装置によって偏向走査されるため、蛍光体スクリーン面、および電子放出素子面の全面を電子線洗浄することが可能となる。
加熱、電子線洗浄後、背面基板側組立体および前面基板11は冷却室103に送られ、例えば約100℃の温度の温度まで冷却される。続いて、背面側組立体および前面基板11はゲッタ膜の蒸着室104へ送られ、ここで蛍光体スクリーンの外側にゲッタ膜としてBa膜が蒸着形成される。このBa膜は、表面が酸素や炭素などで汚染されることが防止され、活性状態を維持することができる。
次に、背面側組立体および前面基板11は組立室105に送られ、ここで200℃まで加熱されインジウム層32が再び液状に溶融あるいは軟化される。この状態で、前面基板11と側壁18と接合して所定の圧力で加圧した後、インジウムを除冷して固化させる。これにより、前面基板11と側壁18とが、インジウム層32および下地層31を融合した封着層によって封着され、真空外囲器10が形成される。
このようにして形成された真空外囲器10は、冷却室106で常温まで冷却された後、アンロード室107から取り出される。以上の工程により、FEDが完成する。
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、真空雰囲気中で前面基板11、および背面基板12の封着を行なうことにより、ベーキングおよび電子線洗浄の併用によって基板の表面吸着ガスを十分に放出させることができ、ゲッタ膜も酸化されず十分なガス吸着効果を得ることができる。これにより、高い真空度を維持可能なFEDを得ることができる。
また、封着材料としてインジウムを使用することにより封着時の発泡を抑えることができ、気密性および封着強度の高いFEDを得ることが可能となる。同時に、インジウム層32の下に下地層31を設けることにより、封着工程においてインジウムが溶融した場合でもインジウムの流出を防止し所定位置に保持することができる。この際、下地層31は、第1金属ガラス層31aおよび第2金属ガラス層31bの少なくも2層で形成され、第1金属ガラス層31aは、ベーキング工程において基板あるいは側壁から放出されたガスを遮蔽し、封着材層32に侵入することを防止する。一方、第2金属ガラス層31bは、封着材との濡れ性、気密性、および親和性が高く、封着材のはじきを防止することができる。これにより、気密性および封着強度の高い封着部33が得られる。従って、インジウムの取り扱いが簡単となり、50インチ以上の大型の画像表示装置であっても容易にかつ確実に封着することができる。
なお、上述した実施の形態では、前面基板11の封着面と側壁18の封着面との両方に下地層31およびインジウム層32を形成した状態で封着する構成としたが、いずれか一方の封着面のみに、例えば、図8に示すように、前面基板11の封着面のみに下地層31およびインジウム層32を形成した状態で封着する構成としてもよい。
この発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、下地層は、2層構造としたが、これに限らず、第1金属ガラス層と封着部材との間に設けられた他の層、あるいは、第1金属ガラス層と第2金属ガラス層との間に設けられた他の層を備えた多層構造としてもよい。
例えば、背面基板と側壁との間を、上記と同様の下地層31およびインジウム層32を融合した封着層によって封着してもよい。また、前面基板あるいは背面基板の一方の周縁部を折り曲げて形成し、これらの基板を側壁を介することなく直接的に接合する構成としてもよい。更に、インジウム層は、全周に亘って下地層の幅よりも小さな幅に形成されている構成としたが、下地層の少なくとも一部分において下地層の幅よりも小さな幅に形成されていれば、インジウムの流動を防止することが可能となる。
また、上述した実施形態では、封着部の封着を真空雰囲気中で行う構成としたが、これに限らず、安定ガス雰囲気中で行ってもよい。前面基板と背面基板の封着についても、インライン型の真空処理装置の他、バッチ式の大気焼成炉を用いても良い。
この発明は、上述したFED等に限定されること無く、SED、PDP、蛍光表示管等の他の表示装置、あるいは、半導体センサーなど他の電子機器の気密容器にも適用することができる。
図1は、この発明の実施形態に係るFEDを一部破断して示す斜視図。 図2は、図1の線A−Aに沿ったFEDの断面図。 図3は、上記FEDの蛍光体スクリーンを示す平面図。 図4は、上記FEDの封着部を拡大して示す断面図。 図5は、上記FEDの真空外囲器を構成する側壁の封着面および前面基板の封着面に下地層およびインジウム層を形成した状態を示す斜視図。 図6は、上記封着部に下地層およびインジウム層が形成された背面側組立体と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。 図7は、上記FEDの製造に用いる真空処理装置を概略的に示す図。 図8は、この発明の他の実施形態に係るFEDの真空外囲器を形成する工程において、前面基板の封着面に下地層およびインジウム層を形成した状態を示す断面図。
符号の説明
10…真空外囲器、11…前面基板、12…背面基板、14…支持部材、
16…蛍光体スクリーン、18…側壁、22…電子放出素子、30…低融点ガラス、
31…下地層、31a…第1金属ガラス層、31b…第2金属ガラス層、
32…インジウム層、100…真空処理装置

Claims (8)

  1. 第1部材、およびこの第1部材に対向配置された第2部材と、前記第1部材と第2部材と間に設けられ、これら第1および第2部材を互いに封着した封着部と、を備え、
    前記封着部は、下地層と、前記下地層上に設けられた封着材層とを有し、
    前記下地層は、前記第1あるいは第2部材側に設けられ、金属含有量が0〜90wt%の第1金属ガラス層と、前記封着材層側に設けられ、金属含有量が50〜100wt%の第2金属ガラス層との少なくとも2層で形成され、
    第2金属ガラス層の金属含有量は前記第1金属ガラス層の金属含有量よりも多い気密容器。
  2. 前記第1および第2金属ガラス層に含まれる金属は、Ag、Cu、Ni、Au、Coのいずれか1つを含んでいる請求項1に記載の気密容器。
  3. 前記封着材層の成分は、Sn、In、Biの単体またはその合金である請求項1又は2に記載の気密容器。
  4. 前記封着部は、前記第1部材上に形成された下地層と、前記第2部材上に形成された下地層と、これら下地層に挟まれた前記封着材層とを有し、各下地層は、前記第1金属ガラス層および第2金属ガラス層を含んでいる請求項1に記載の気密容器。
  5. 第1基板と、第1基板に隙間を置いて対向した第2基板と、第1基板および第2基板の周辺部同士を接合した封着部と、を有する真空外囲器と、
    前記第1基板上に配置された表示面と、
    前記第2基板上に設けられ前記表示面を励起する複数の電子源と、を備え、
    前記封着部は、下地層と、前記下地層上に設けられた封着材層とを有し、
    前記下地層は、前記第1基板あるいは第2基板側に設けられ、金属含有量が0〜90wt%の第1金属ガラス層と、前記封着材層側に設けられ、金属含有量が50〜100wt%の第2金属ガラス層との少なくとも2層で形成され、第2金属ガラス層の金属含有量は前記第1金属ガラス層の金属含有量よりも多い画像表示装置。
  6. 第1部材、およびこの第1部材に対向配置された第2部材と、前記第1部材と第2部材と間に設けられ、これら第1および第2部材を互いに封着した封着部と、を備えた気密容器の製造方法であって、
    前記第1部材および第2部材の少なくとも一方に金属含有量が0〜90wt%の金属ガラスペーストを塗布して第1金属ガラス層を形成し、
    前記第1金属ガラス層上に金属含有量が50〜100wt%の金属ガラスペーストを塗布して第2金属ガラス層を形成し、
    前記第2金属ガラス層の上に低融点金属を含む封着材を配置し、
    前記封着材を加熱して溶融あるいは軟化させた状態で、前記第1部材と第2部材とを前記封着材を挟んで対向配置し、前記封着材により第1部材および第2部材を封着する気密容器の製造方法。
  7. 前記第2金属ガラス層上に、シート状の封着材を配置する請求項6に記載の気密容器の製造方法。
  8. 真空雰囲気中あるいは安定ガス雰囲気中で、前記封着材を加熱して第1部材および第2部材を封着する請求項6又は7に記載の気密容器の製造方法。
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