JP2006092811A - 燃料電池用触媒層、膜電極接合体及び燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性に優れる燃料電池用触媒層を提供すること。
【解決手段】イオン伝導性をもつ電解質膜と、該電解質膜の一面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する燃料用の触媒層と、他面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する酸化剤用の触媒層とを有する膜電極接合体に用いる燃料電池用触媒層であり、前記触媒及び前記導電物質並びに前記電解質材料を含む触媒ペーストを、表面が平滑な基材上に塗布・乾燥させた後に、前記電解質膜上へ転写して配設するものである。そして、前記電解質材料がイオン交換容量3.0meq/g以上、6.0meq/g以下の炭化水素系電解質材料であることを特徴とする。又は、前記触媒ペーストのNVが20%以上の炭化水素系電解質材料であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】イオン伝導性をもつ電解質膜と、該電解質膜の一面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する燃料用の触媒層と、他面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する酸化剤用の触媒層とを有する膜電極接合体に用いる燃料電池用触媒層であり、前記触媒及び前記導電物質並びに前記電解質材料を含む触媒ペーストを、表面が平滑な基材上に塗布・乾燥させた後に、前記電解質膜上へ転写して配設するものである。そして、前記電解質材料がイオン交換容量3.0meq/g以上、6.0meq/g以下の炭化水素系電解質材料であることを特徴とする。又は、前記触媒ペーストのNVが20%以上の炭化水素系電解質材料であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭化水素系電解質材料を用いた燃料電池用触媒層、膜電極接合体及び燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池に好適な電解質材料としてはパーフルオロ系電解質材料がある。パーフルオロ系電解質材料はナフィオン(商標)に代表され、燃料電池に一般的に採用される材料である。
しかしながら、パーフルオロ系電解質材料は燃料電池に適用した場合の性能は高いものの、複雑なプロセスを経て合成される材料であること及びフッ素含有量が高いことから非常にコストが高くなっており、燃料電池普及の障害になっている。
そこで、パーフルオロ系電解質材料よりも低コストな炭化水素系電解質材料(本明細書においては、フッ素による置換が完全にはされていない電解質材料も「炭化水素系電解質材料」に含ませる)を採用することが望まれている。
特開平3−208260号公報
特開2003−282067号公報
特開2002−298855号公報
ところで、燃料電池は電解質膜の他、触媒層にも電解質材料を含有している。触媒層を形成する場合に、電解質材料、触媒、導電物質を含む触媒ペーストを表面が平滑な基材上に塗布・乾燥させて製膜した後に電解質膜上に転写する方法(以下、「転写法」と称する)が汎用されている。転写法を採用すると、触媒ペーストの乾燥時に生ずる応力が電解質膜に悪影響を及ぼさないために性能向上が期待できる。しかしながら、炭化水素系電解質材料を電解質材料として含む触媒ペーストから製膜を行うと、割れなどが発生しやすく、歩留まりの向上が困難であった。
本発明は上記実状に鑑み為されたものであり、生産性に優れる燃料電池用触媒層を提供することを解決すべき課題とする。また、その燃料電池用触媒層を採用した膜電極接合体及び燃料電池を提供することも解決すべき課題とする。
本発明の燃料電池用触媒層は、イオン伝導性をもつ電解質膜と、該電解質膜の一面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する燃料用の触媒層と、他面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する酸化剤用の触媒層とを有する膜電極接合体に用いる燃料電池用触媒層であり、前記触媒及び前記導電物質並びに前記電解質材料を含む触媒ペーストを、表面が平滑な基材上に塗布・乾燥させた後に、前記電解質膜上へ転写して配設するものである。
上記課題を解決する目的で本発明者らは鋭意検討を行った結果、炭化水素系電解質材料を触媒層に採用する場合に発生する割れは炭化水素系電解質材料のイオン交換容量を3.0meq/g以上にすることで解決できることを発見し以下の発明に想到した。
すなわち、本発明の燃料電池用触媒層は、前記電解質材料がイオン交換容量3.0meq/g以上、6.0meq/g以下の炭化水素系電解質材料であることを特徴とする。
また、本発明者らは燃料電池用触媒層を形成する前の触媒ペーストにも着目しNVが20%以上あれば、燃料電池用触媒層を製膜する時の割れの発生が抑制できることを見出し以下の発明を行った。
すなわち、本発明の燃料電池用触媒層は、前記触媒ペーストの乾燥残存物の質量比(NV)が20%以上であることを特徴とする。なお、本明細書中において「触媒ペーストの乾燥残存物の質量比:NV」は、乾燥前の触媒ペースト全体の質量に対して、80℃で30分間乾燥した後における残存物の質量の割合に基づいて算出される値である。
そして、上記課題を解決する本発明の膜電極接合体は、イオン伝導性をもつ電解質膜と、該電解質膜の一面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する燃料用の触媒層と、他面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する酸化剤用の触媒層とを有する膜電極接合体であって、前記触媒層の少なくとも一方は前述の本発明の燃料電池用触媒層であることを特徴とする。また、上記課題を解決する本発明の燃料電池は前述の本発明の膜電極接合体を有することを特徴とする。
本発明の燃料電池用触媒層は、上記構成を採用することで製膜時の割れ発生を抑制できる結果、生産性が向上する。また、本発明の膜電極接合体及び燃料電池は本発明の燃料電池用触媒層を採用することで、炭化水素系電解質材料を採用したこと及び生産性が向上したことによるコスト低減が見込まれる。更に、上記構成を採用することで燃料電池の性能が向上できるという付随的な効果が得られる可能性がある。
(燃料電池用触媒層)
本実施形態の燃料電池用触媒層は膜電極接合体に用いる触媒層であり、膜電極接合体は電解質膜と、その電解質膜の一面側に設けられた燃料用の触媒層と、他面側に設けられた酸化剤用の触媒層とを有する。電解質膜は膜厚方向にイオン伝導性をもつ電解質材料から構成された部材である。
本実施形態の燃料電池用触媒層は膜電極接合体に用いる触媒層であり、膜電極接合体は電解質膜と、その電解質膜の一面側に設けられた燃料用の触媒層と、他面側に設けられた酸化剤用の触媒層とを有する。電解質膜は膜厚方向にイオン伝導性をもつ電解質材料から構成された部材である。
触媒層は触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する部材である。触媒層に含まれる電解質材料は電解質膜に含まれる電解質材料の種類に拘わらず選択可能である。触媒としては、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムなどから選択される貴金属元素が例示できる。その他にも銅、鉄などの遷移金属を合金化することもできる。導電物質としては、カーボン微小体を採用でき、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラックを含有する)、活性炭、黒鉛が例示できる。触媒及び導電物質の選択は燃料側及び酸化剤側のそれぞれで独立して行うことができる。触媒はカーボン微小体(導電物質と同様のものを採用する又は兼ねることができる)に担持することが一般的である。
触媒層は触媒ペーストを、表面が平滑な基材上にバーコータなどによって塗布後、乾燥させて形成する。その後、基材上の触媒層を電解質膜上に転写して配設する。ここで、表面が平滑であるとは、触媒層を表面に形成し、電解質膜上に転写できる程度に平滑であるということである。基材上から電解質膜上への転写は、熱及び圧力を加えることで行うことができる。触媒層の厚みは特に限定されないが、5μm〜30μm程度が一般的である。
触媒ペーストは、触媒及び導電物質並びに電解質材料を含み、水、アルコール(メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノールなど)などの適正な液体によりペースト化されている。触媒ペーストを塗布する基材はフッ素樹脂やオレフィン系樹脂などが採用できる。
(第1実施形態)
第1実施形態の燃料電池用触媒層は含有する電解質材料がイオン交換容量3.0meq/g以上、6.0meq/g以下の炭化水素系電解質材料である。イオン交換容量をこの範囲にすることで、触媒ペースト乾燥時の割れの発生を抑制できると共に、容易に製造することができる。イオン交換容量の下限としては4.0meq/g以上及び4.1meq/g以上を採用することもできる。上限としては5.5meq/g以下及び5meq/g以下を採用することができる。イオン交換容量の制御は電解質材料中へのイオン交換基の導入量を変化させることによって可能である。
第1実施形態の燃料電池用触媒層は含有する電解質材料がイオン交換容量3.0meq/g以上、6.0meq/g以下の炭化水素系電解質材料である。イオン交換容量をこの範囲にすることで、触媒ペースト乾燥時の割れの発生を抑制できると共に、容易に製造することができる。イオン交換容量の下限としては4.0meq/g以上及び4.1meq/g以上を採用することもできる。上限としては5.5meq/g以下及び5meq/g以下を採用することができる。イオン交換容量の制御は電解質材料中へのイオン交換基の導入量を変化させることによって可能である。
イオン交換容量の測定は、炭化水素系電解質材料の試験試料についてイオン交換基をH型に置換した後、溶解後の質量を基準として、乾燥したH型に置換後の試験試料の質量が0.25%の濃度になるようにエタノールに溶解させ、指示薬としてフェノールフタレインを用い、溶液の赤色への変色が数秒間保持される点を終点として、0.05mol/L水酸化ナトリウム水溶液にて滴定した値に基づき下式に従い算出した値である。
(イオン交換容量)(meq/g)=(0.05×滴定量(ml))/(溶解させた試験試料の乾燥質量(g))
炭化水素系電解質材料としてはパーフルオロ系電解質材料を除く他は特に限定しない。例えばビニル単量体の(共)重合体、ポリアミド、ポリウレタン、ポリイミドなどの一般的な炭化水素系重合体を基本骨格として、その骨格にスルホ基、カルボキシ基、リン酸基などのイオン交換基を導入した材料である。
炭化水素系電解質材料としてはパーフルオロ系電解質材料を除く他は特に限定しない。例えばビニル単量体の(共)重合体、ポリアミド、ポリウレタン、ポリイミドなどの一般的な炭化水素系重合体を基本骨格として、その骨格にスルホ基、カルボキシ基、リン酸基などのイオン交換基を導入した材料である。
ビニル単量体としてはスチレン、αメチルスチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼン、クロロメチルスチレン、ベンジルメタクリレート、スチレンスルホン酸、p−スチリルトリメトキシシランなどの芳香環を分子構造中に含む化合物が好ましい。芳香環はスルホ基を容易に導入することが可能である。
その他にも、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリエトキシイソプロピルシラン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。
特に炭化水素系電解質材料としては、スチレン重合体にスルホ基を導入した材料や、スチレン−アクリロニトリル共重合体にスルホ基を導入した材料を採用することが好ましい。
(第2実施形態)
第2実施形態の燃料電池用触媒層は、含有する電解質材料のイオン交換容量の値を制御する代わりに、触媒ペーストのNVを20%以上に規定したこと以外は第1実施形態の燃料電池用触媒層と同じである。NVは、乾燥前の触媒ペースト全体の質量に対して、80℃で30分間乾燥した後における残存物の質量の割合に基づいて算出する。NVが高い方が水及びエタノールに対する親和性が高いことが推測される。NVは下限値として25%以上を採用することもできる。NVを制御する方法としてはイオン交換基の導入量を制御したり、親水性基を導入することなどにより行うこともできる。
第2実施形態の燃料電池用触媒層は、含有する電解質材料のイオン交換容量の値を制御する代わりに、触媒ペーストのNVを20%以上に規定したこと以外は第1実施形態の燃料電池用触媒層と同じである。NVは、乾燥前の触媒ペースト全体の質量に対して、80℃で30分間乾燥した後における残存物の質量の割合に基づいて算出する。NVが高い方が水及びエタノールに対する親和性が高いことが推測される。NVは下限値として25%以上を採用することもできる。NVを制御する方法としてはイオン交換基の導入量を制御したり、親水性基を導入することなどにより行うこともできる。
(膜電極接合体)
本実施形態の膜電極接合体は電解質膜と触媒層とを有する。ここで、電解質膜は主に膜厚方向でのプロトン伝導性を示す部材である。電解質膜はパーフルオロ系電解質材料、炭化水素系電解質材料、無機系電解質材料などどのような材料を採用しても良い。
本実施形態の膜電極接合体は電解質膜と触媒層とを有する。ここで、電解質膜は主に膜厚方向でのプロトン伝導性を示す部材である。電解質膜はパーフルオロ系電解質材料、炭化水素系電解質材料、無機系電解質材料などどのような材料を採用しても良い。
触媒層は酸化還元反応を触媒する部材であり、前述した本実施形態の燃料電池用触媒層がそのまま適用できるので詳細な説明は省略する。触媒層は基材上に一旦形成された後に電解質膜に転写することで製造される。
本実施形態の膜電極接合体は更に拡散層を有することもできる。拡散層は燃料ガスや空気などの気体及び水分の透過性に優れ、電気及び熱の伝導性をも発揮できる部材であり、触媒層の電解質膜と反対側の面に接合されている。具体的な拡散層としては表面処理したカーボンペーパーなどから構成されるものが知られている。
(燃料電池)
本実施形態の燃料電池は固体高分子電解質型燃料電池である。本実施形態の燃料電池としては燃料電池セルを単独で用いているか又は複数積層したスタックを形成しているものである。燃料電池セルは、前述の本実施形態の膜電極接合体を有し、その膜電極接合体をセパレータで狭持している。
本実施形態の燃料電池は固体高分子電解質型燃料電池である。本実施形態の燃料電池としては燃料電池セルを単独で用いているか又は複数積層したスタックを形成しているものである。燃料電池セルは、前述の本実施形態の膜電極接合体を有し、その膜電極接合体をセパレータで狭持している。
セパレータは一般的に使用されている材質、形態のものが使用できる。セパレータには燃料ガス(水素など)又は酸化剤ガス(酸素、空気など)が流れる流路が形成され、ガス供給装置が接続される。
(炭化水素系電解質材料の製造)
炭化水素系電解質材料の基本骨格としてスチレン−アクリロニトリル共重合体を選択した。スチレン−アクリロニトリル共重合体の合成は、窒素雰囲気下、90℃に加熱したキシレン200mLに、過酸化ベンゾイル0.2gを溶解させたスチレン200mL及びアクリロニトリル100mLを撹拌しながら3時間かけて滴下した後、90℃で1時間保持することで行った。その後、室温まで冷却した反応溶液を大量のメタノール中に滴下して生成したスチレン−アクリロニトリル共重合体を沈殿させた。沈殿物をろ取・洗浄後、90℃で1時間乾燥させることで行った。
炭化水素系電解質材料の基本骨格としてスチレン−アクリロニトリル共重合体を選択した。スチレン−アクリロニトリル共重合体の合成は、窒素雰囲気下、90℃に加熱したキシレン200mLに、過酸化ベンゾイル0.2gを溶解させたスチレン200mL及びアクリロニトリル100mLを撹拌しながら3時間かけて滴下した後、90℃で1時間保持することで行った。その後、室温まで冷却した反応溶液を大量のメタノール中に滴下して生成したスチレン−アクリロニトリル共重合体を沈殿させた。沈殿物をろ取・洗浄後、90℃で1時間乾燥させることで行った。
得られたスチレン−アクリロニトリル共重合体20gをクロロスルホン酸(合成例1:30mL、合成例2:80mL)を含む1,2−ジクロロエタン500mL中に溶解した。この溶液を60℃に加熱し撹拌しながら1時間保持することで主にスチレン由来のフェニル基にクロロスルホン酸基を導入した。
ここで得られた合成例1及び2のクロロスルホン化スチレン−アクリロニトリル共重合体を1,2−ジクロロエタンで洗浄後、イオン交換水中で90℃、3時間、撹拌放置することでイオン交換基を水素化しスルホ基とした。その後、沈殿をろ取し、105℃で1時間乾燥させて粉末状のスルホン化スチレン−アクリロニトリル共重合体(炭化水素系電解質材料に相当)を得た。得られた合成例1及び2のスルホン化スチレン重合体のイオン交換容量は1.94meq/g(合成例1)及び4.1meq/g(合成例2)であった。イオン交換容量の測定は前述した実施形態の欄で説明した方法にて行った。
(触媒ペーストの調製)
合成例1又は2の共重合体それぞれ10gをイオン交換水/エタノール(溶積比1/1)190gに溶解させた電解質溶液を100gと、白金担持カーボン(白金含有量50質量%)を20gとを混合し、平均粒径が0.1〜5.0μmになるまで高速ホモジナイザーで混練分散して合成例1(又は2)の電解質を用いた試験例1(又は2)の触媒ペーストを得た。調製した電解質溶液を用いてNV(80℃30分間)を測定したところ、それぞれ12%(合成例1)及び25%(合成例2)であった。
合成例1又は2の共重合体それぞれ10gをイオン交換水/エタノール(溶積比1/1)190gに溶解させた電解質溶液を100gと、白金担持カーボン(白金含有量50質量%)を20gとを混合し、平均粒径が0.1〜5.0μmになるまで高速ホモジナイザーで混練分散して合成例1(又は2)の電解質を用いた試験例1(又は2)の触媒ペーストを得た。調製した電解質溶液を用いてNV(80℃30分間)を測定したところ、それぞれ12%(合成例1)及び25%(合成例2)であった。
また、パーフルオロ系電解質材料である市販のナフィオン(商標)5%溶液(アルドリッチ)100gと、白金担持カーボン(白金含有量50質量%)20gとを混合して平均粒径が0.1〜1.0μmになるまで高速ホモジナイザーで混練分散して試験例3の触媒ペーストを得た。
(転写膜の作製)
市販のPTFE膜上に試験例1及び2の触媒ペーストを白金担持カーボンの担持量が0.5mg/cm2になるような膜厚でバーコータにより塗布した。その後、80℃で30分間乾燥させて各試験例の触媒層を得た。試験例2の触媒層は外観上の問題は発見できなかったが、試験例1の触媒層には割れが発生し、そのままでは燃料電池に用いることはできなかった。
市販のPTFE膜上に試験例1及び2の触媒ペーストを白金担持カーボンの担持量が0.5mg/cm2になるような膜厚でバーコータにより塗布した。その後、80℃で30分間乾燥させて各試験例の触媒層を得た。試験例2の触媒層は外観上の問題は発見できなかったが、試験例1の触媒層には割れが発生し、そのままでは燃料電池に用いることはできなかった。
(実施例の膜電極接合体の製造:炭化水素系電解質材料(4.1meq/g)をアノード側に使用:アノード側に転写法を採用)
電解質膜としての市販のナフィオン112膜の一面側に試験例2の触媒層が形成されたPTFE膜を重ね、150℃、5MPaの条件で3分間熱プレスを行った後、PTFE膜を剥離することで試験例3の触媒層を一面側に転写・配設した電解質膜を得た。
電解質膜としての市販のナフィオン112膜の一面側に試験例2の触媒層が形成されたPTFE膜を重ね、150℃、5MPaの条件で3分間熱プレスを行った後、PTFE膜を剥離することで試験例3の触媒層を一面側に転写・配設した電解質膜を得た。
拡散層としての厚み180μm、気孔率65%のカーボンペーパ上に試験例3の触媒ペーストを白金担持カーボンの担持量が1.0mg/cm2になるような膜厚でバーコータにより塗布した。その後、80℃で30分間乾燥させて試験例3の触媒層が表面に配設された拡散層を得た。
試験例2の触媒層が一面側に配設した電解質膜を厚み180μm、気孔率65%のカーボンペーパ(一面側)及び試験例3の触媒層を配設した拡散層(他面側:触媒層を電解質膜に接触させる)により挟持して120℃、5MPaの条件で3分間熱プレスを行って実施例の膜電極接合体を得た。
(比較例1の膜電極接合体の製造:炭化水素系電解質材料(1.94meq/g)をアノード側に使用)
拡散層としての厚み180μm、気孔率65%のカーボンペーパ上に、それぞれ試験例1及び3の触媒ペーストを白金担持カーボンの担持量が1.0mg/cm2になるような膜厚でバーコータにより塗布した。その後、80℃で30分間乾燥させて試験例1及び3の触媒層が表面に配設された拡散層を得た。
拡散層としての厚み180μm、気孔率65%のカーボンペーパ上に、それぞれ試験例1及び3の触媒ペーストを白金担持カーボンの担持量が1.0mg/cm2になるような膜厚でバーコータにより塗布した。その後、80℃で30分間乾燥させて試験例1及び3の触媒層が表面に配設された拡散層を得た。
電解質膜としての市販のナフィオン112膜を試験例1の触媒層を配設した拡散層(一面側)及び試験例3の触媒層を配設した拡散層(他面側:触媒層を電解質膜に接触させる)により挟持して120℃、5MPaの条件で3分間熱プレスを行って比較例1の膜電極接合体を得た。
(比較例2の膜電極接合体の製造:パーフルオロ系電解質材料をアノード側に使用)
拡散層としての厚み180μm、気孔率65%である2枚のカーボンペーパのそれぞれの上に、試験例3の触媒ペーストを白金担持カーボンの担持量が1.0mg/cm2になるような膜厚でバーコータにより塗布した。その後、80℃で30分間乾燥させて試験例3の触媒層が表面に配設された拡散層を得た。
拡散層としての厚み180μm、気孔率65%である2枚のカーボンペーパのそれぞれの上に、試験例3の触媒ペーストを白金担持カーボンの担持量が1.0mg/cm2になるような膜厚でバーコータにより塗布した。その後、80℃で30分間乾燥させて試験例3の触媒層が表面に配設された拡散層を得た。
電解質膜としての市販のナフィオン112膜の両面に触媒層が電解質膜に接触するように試験例3の触媒層を配設した拡散層により挟持して120℃、5MPaの条件で3分間熱プレスを行って比較例2の膜電極接合体を得た。
(試験)
実施例及び各比較例の膜電極接合体を燃料電池評価用単セルに組み込んで評価した。評価は電流を変化させた場合の出力電圧の変化を測定した。燃料電池評価用単セルの評価(運転)条件は電極面積9cm2、セル内温度75℃、供給するガスは、アノード側が90%の利用率に相当する純水素、カソード側が40%の利用率に相当する空気とした。ガスに対する加湿量はそれぞれのガス1モルに対するモル比で0.2molの水を用いた。
実施例及び各比較例の膜電極接合体を燃料電池評価用単セルに組み込んで評価した。評価は電流を変化させた場合の出力電圧の変化を測定した。燃料電池評価用単セルの評価(運転)条件は電極面積9cm2、セル内温度75℃、供給するガスは、アノード側が90%の利用率に相当する純水素、カソード側が40%の利用率に相当する空気とした。ガスに対する加湿量はそれぞれのガス1モルに対するモル比で0.2molの水を用いた。
結果を図1に示す。図1より明らかなように、実施例の膜電極接合体を採用した燃料電池は比較例1及び2の膜電極接合体を採用した燃料電池よりも高いI−V特性を示すことが明らかになった。実施例の膜電極接合体を採用した燃料電池が比較例1及び2の膜電極接合体を採用した燃料電池よりも性能が高い理由としては転写法により触媒層を電解質膜上に配設したために電解質膜などに余分な応力が加わらなかったためであると推測できる。実施例の膜電極接合体を採用した燃料電池は電池性能が向上した結果、アノード側の触媒層における白金担持カーボンの塗布量が半分であるにも拘わらず同等以上の性能を発揮できた。
Claims (5)
- イオン伝導性をもつ電解質膜と、該電解質膜の一面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する燃料用の触媒層と、他面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する酸化剤用の触媒層とを有する膜電極接合体に用いる燃料電池用触媒層であって、
前記触媒及び前記導電物質並びに前記電解質材料を含む触媒ペーストを、表面が平滑な基材上に塗布・乾燥させた後に、前記電解質膜上へ転写して配設するものであり、
該電解質材料がイオン交換容量3.0meq/g以上、6.0meq/g以下の炭化水素系電解質材料であることを特徴とする燃料電池用触媒層。 - イオン伝導性をもつ電解質膜と、該電解質膜の一面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する燃料用の触媒層と、他面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する酸化剤用の触媒層とを有する膜電極接合体に用いる燃料電池用触媒層であって、
前記触媒及び前記導電物質並びに前記電解質材料を含む触媒ペーストを、表面が平滑な基材上に塗布・乾燥させた後に、前記電解質膜上へ転写して配設するものであり、
前記触媒ペーストの乾燥残存物の質量比が20%以上であることを特徴とする燃料電池用触媒層。 - 前記炭化水素系電解質材料はスチレン−アクリロニトリル共重合体を基本骨格とする請求項1又は2に記載の燃料電池用触媒層。
- イオン伝導性をもつ電解質膜と、該電解質膜の一面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する燃料用の触媒層と、他面側に設けられた触媒及び導電物質並びに電解質材料を有する酸化剤用の触媒層とを有する膜電極接合体であって、
前記触媒層の少なくとも一方は請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用触媒層であることを特徴とする膜電極接合体。 - 請求項4に記載の膜電極接合体を有することを特徴とする燃料電池。
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JP2007329069A (ja) * | 2006-06-09 | 2007-12-20 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 固体高分子電解質膜及び燃料電池 |
JP2010165622A (ja) * | 2009-01-19 | 2010-07-29 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用触媒層とその製造方法 |
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