JP2006090626A - 焼結装置及び焼結体の製造方法 - Google Patents

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Shuji Tada
周二 多田
Hitoshi Hashimoto
等 橋本
Masaaki Son
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Abstract

【課題】シリンダの中空内部にその断面積が狭小となる加圧部を形成することで、そこを通過する粉末に所定の圧力を負荷し、得られる焼結体の形状の自由度を確保するとともに、形成された焼結体の緻密性を高めることにある。
【解決手段】粉末投入口1と出口8とを有する中空筒状のシリンダ4と、シリンダ4の中空内部で粉末2を押圧する押圧ピストン3を備えた焼結装置であって、出口8は開放状態とされ、シリンダ4の中空内部には、粉末投入口1が形成された上流側から出口8の形成された下流側に向かう途中において、シリンダ4の中空内部の断面積に対してその断面積が狭小となる加圧部7が形成されており、シリンダ4の加圧部7と対応する位置には加熱装置6が設置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、焼結装置及び焼結体の製造方法に関する。具体的には、金属等の粉末を加熱して焼結させる際に所定の圧力を加える焼結装置及び焼結体の製造方法に関する。
上述の焼結装置の従来例として、金属等の粉末(以下、単に「粉末」と呼ぶ。)を連続的又は逐次的にシリンダ内に供給して焼結する装置が知られている(特許文献1及び特許文献2を参照。)。 特許文献1の焼結装置では、柱状のプレスラム(本発明でいう「押圧ピストン」に該当する。)の軸方向に貫通した小孔から筒状のシリンダ内に連続的に粉末が供給され、プレスラムによって押込み方向の荷重(押圧荷重)が粉末に負荷される。シリンダの出口側は最初のうち受棒によって密閉され、焼結中の粉末がシリンダ内に積層した後は、この焼結中の粉末が栓となってプレスラムの押圧荷重を主に受け止める。栓となった焼結中の粉末には、供給ポンプによってシリンダ内に供給された粉末が積層していく。積層した粉末は、プレスラムの押圧荷重によってシリンダ出口側へと移動しながら順次焼結していく。 また特許文献2の焼結装置では、プレスラムを囲うように配置された原料供給槽からシリンダ内に逐次的に粉末が供給される。シリンダの出口側にはプレス受台が配置され、シリンダ内の粉末は、プレスラムとプレス受台とで挟み込まれる形で押圧されブロック状に成形される。 上述した焼結装置によれば、連続的に焼結体を成形することができるため、その生産性が向上する。
特開昭60−101480号公報 特開昭63−108191号公報
しかし特許文献1の焼結装置では、連続的にシリンダ内に粉末を供給しながら加熱成形することはできるが、焼結体そのものを栓として用いるため、成形時の粉末に十分な加圧がなされず、形成された焼結体の緻密性が不足する。 もっとも形成された焼結体の緻密性を高めるためには、特許文献2の焼結装置のようにプレスラムとプレス受台との間に粉末を挟み込んで押圧荷重を加えればよい。しかし、シリンダ内に粉末を押し込めた状態で押圧するため、シリンダの筒寸法よりも長尺な棒状等の焼結体を得ることはできなかった。なお、シリンダ内の粉末全体を等しく加圧する熱間等方加圧法(HIP)を適用した焼結装置であっても、得られる焼結体の形状はシリンダの寸法に規制されるため同様の問題が生ずる。 本発明は上述した点に鑑みて創案されたものである。すなわち本発明が解決しようとする課題は、シリンダの中空内部にその断面積が狭小となる加圧部を形成することで、そこを通過する粉末に所定の圧力を負荷し、得られる焼結体の形状の自由度を確保するとともに、形成された焼結体の緻密性を高めることにある。
すなわち、本発明の各発明は次の手段をとる。 先ず第1の発明に係る焼結装置は、粉末投入口と出口とを有する中空筒状のシリンダと、シリンダの中空内部で粉末を押圧する押圧ピストンを備えた焼結装置であって、出口は開放状態とされ、シリンダの中空内部には、粉末投入口が形成された上流側から出口の形成された下流側に向かう途中において、シリンダの中空内部の断面積に対してその断面積が狭小となる加圧部が形成されており、シリンダの加圧部と対応する位置には加熱装置が設置されていることを特徴とする。
次に第2の発明に係る焼結体の製造方法は、中空筒状のシリンダに所定量の粉末を粉末投入口から順次供給し、所定量の粉末を押圧ピストンで出口に向けて押圧しながら焼結させる焼結体の製造方法であって、出口を開放状態とし、シリンダの中空内部には、粉末投入口が形成された上流側から出口の形成された下流側に向かう途中において、シリンダの中空内部の断面積に対してその断面積が狭小となる加圧部を形成し、シリンダの加圧部と対応する位置に加熱装置を設置し、(a)所定量の粉末を供給し、(b)押圧ピストンを加圧部方向へ移動させて、所定量の粉末を加圧部に押込み、(c)押圧ピストンを上流側まで引戻し、(a)〜(c)を繰り返すことで、所定量の粉末を順次積層させつつ加圧部に押込むことを特徴とする。
上述した本発明によれば、シリンダの中空内部の断面積が狭小となる加圧部において粉末を加熱成形することで、得られる焼結体は、その内部に空隙の少ない緻密なものとなる。また第2の発明によれば、(a)〜(c)の工程を繰り返すことで、シリンダの筒寸法よりも長尺な焼結体を得ることができる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。 図1〜図3は焼結装置の概略図、図4〜図6は押圧荷重に関する図、図7〜図10は試験例1の結果を示した図、図11〜図14は試験例2の結果を示した図である。なお図3では、便宜上、加熱装置は図示しないこととする。 本実施例に係る焼結装置10は、図1に示す通り、その両端が開口した中空筒状のシリンダ4を備え、このシリンダ4内部の中空内部が成形空間となっている。シリンダ4の一方の開口には、公知の駆動手段(図示しない。)により所定の押出速度で駆動する押圧ピストン3が嵌め込まれている。シリンダ4の一方の開口側近傍には、焼結体9の原料となる粉末2をシリンダ4内に所定の量だけ逐次供給するホッパ1が設置されている。シリンダ4の他方の開口は開放状態とされ、形成された焼結体9が排出される出口8となっている。そしてシリンダ4の外周には、上述の加圧部7と対応した位置にバンドヒータ6が巻装されている。 ここでシリンダ4の軸線方向で見て、ホッパ1が設置されたシリンダ4側を「上流側」とし、出口8が形成されたシリンダ4側を「下流側」と定義する。上流側のシリンダ4の断面積はS1であり、また下流側のシリンダ4の断面積はS2である(図2を参照。)。
シリンダ4の中空内部には、図2に示す通り、その上流側から下流側に向かう途中で断面積が狭小となる加圧部7が形成されている。図2の加圧部7は、先端角θで傾斜した段差5により形成されている。加圧部7に対応する中空内部の断面積S3は、シリンダ4上流側の中空内部の断面積S1よりも順次狭くなってテーパを形成している。なお、本実施例においてはS1>S3=S2となり、製品となる焼結体9の径寸法と対応するようにS3及びS2が設定されているが、シリンダ4内壁と焼結体9との摩擦抵抗を低減するため、S1>S3<S2としてもよい。
加圧部7において粉末2に負荷される圧力は、段差5の高さ寸法Tを変更して、加圧部7に対応する中空内部の断面積S3を変えることで調節することができる。粉末2の成形時に負荷される圧力は、シリンダ4の強度を考慮して適宜設定される。このとき、負荷される圧力が高いほど得られる焼結体9の緻密性は高くなるため、シリンダ4の強度が確保されているならば高い圧力を粉末2に負荷することが好ましい。また同じ緻密性を有する焼結体9を得る場合、加熱温度や押圧荷重など他の条件が同じならば、負荷される圧力が大きいほど後述の押圧工程に必要な時間が短縮される。 段差5の先端角θは特に限定しないが、加圧部7を粉末2がスムーズに通過するためには、先端角θを90°未満として段差5に傾斜を付すことが望ましい。
バンドヒータ6は、シリンダ4の筒全長にわたって設置されていてもよいが、図1のように加圧部7と対応した位置のみに設置されることが効率的で望ましい。加圧部7よりも下流側のみにバンドヒータ6が配置されていると、所定の圧力が負荷されていない状態の粉末2を加熱するため、形成された焼結体の緻密性が低いものとなる。また加圧部7より上流側にバンドヒータ6が配置されていると、加圧部7よりも上流側で粉末2が若干焼き締められて硬くなるため、粉末2が段差5を通過する際の抵抗が大きくなる。 なおバンドヒータ6の加熱温度は、負荷される圧力や粉末2の種類や押出速度を考慮して、絶対温度における粉末2の融点の2/3の温度(K)とするのが一般的であるが、これに限定されるものではない。
ホッパ1からシリンダ4の中空内部に供給された所定量の粉末2は、押圧ピストン3が加圧部7方向へ移動することで加圧部7に押込まれる。そして押圧ピストン3を上流側の図1に示す元の位置まで引戻し、次の所定量の粉末2を供給する。この工程(押圧工程)を繰り返すことで、所定量の粉末2を順次積層させつつ加圧部7に押込んでいき、シリンダ4の筒寸法よりも長尺な焼結体を形成することができる。なおホッパ1のシリンダ4側の開口は、公知の開閉手段(図示しない。)によって、押圧ピストン3の下流側への移動に伴い閉止される。また同開口は、図1に示す上流側の元の位置まで押圧ピストン3を引戻すことで開放可能とされる。 押圧ピストン3の押出速度は、粉末2に負荷される圧力と加熱温度とを考慮して、所定の時間加圧部7に粉末2が存在するよう調節される。また粉末2の「所定量」は、シリンダ4の中空内部の体積とホッパ1の供給能力とを考慮して
適宜設定されるものであり、図1のようにシリンダ上流側に紛末2を充填させる必要はない。
なお押圧工程の初期段階においては、焼き締められた粉末2が加圧部7に充填されていないため、粉末2が加圧されずに加圧部7を素通りする場合がある。このため押圧工程の前に、ある程度の量の粉末2を押圧ピストン3で加圧部7に送り込み、加圧部7を粉末2で充填して塞いでおくことも可能である。また押圧工程を始める前に、圧縮して板状とした粉末2を押圧ピストン3で加圧部7に移動させ加圧部7を塞ぐように配置してもよい。
押圧工程において押圧ピストン3を加圧部7側にどの程度まで移動させるか(押圧ピストン3の到達位置はどこか)は、押圧ピストン3の押圧荷重の総量とシリンダ4の強度とを考慮して適宜設定される。 先ず押圧ピストン3の押圧荷重の総量は、一般的には、図3の位置A〜Dで生じる抵抗の総和となる。図3に示す位置A〜Bで生じる抵抗は、下流側のシリンダ4内壁と焼結体9との摩擦抵抗である。この摩擦抵抗の大きさは、図4に示す通り、焼結体9の出口側先端と加圧部7との距離W2に比例し、焼結体9の出口側先端がシリンダ4の出口8から出た後は一定となる。図3の位置B〜Cで生じる抵抗は、加圧部7に設けられた段差5を粉末2が越えるときの抵抗である。この抵抗の大きさは、加熱温度と押出速度とに依存し、加熱温度と押出速度とを固定することで一定となる。図3の位置C〜Dで生じる抵抗は、上流側のシリンダ4内壁と粉末2との摩擦抵抗である。この摩擦抵抗の大きさは、図4に示す通り、押圧ピストン3と加圧部7との距離W1に比例する。
また押圧ピストン3の押圧荷重は、例えば、図5,6のグラフG1のような挙動を示す。グラフG1は、所定量の粉末2をシリンダ4内に供給し、図3の到達位置Rまで押圧ピストン3を移動させた際の押圧荷重の変化を示す。図3の到達位置Rから位置Cには、先に供給されて締め固められた粉末(以下、先の粉末2aと呼ぶ。)が充填されている。図5,6の時点Sは、押圧ピストン3が図3の位置Dに達し、粉末2からの応力が押圧ピストン3に加わり始める時点である。時点Pは、締め固められた粉末2に押されて先の粉末2aが加圧部7に向かって動き出す時点である。そして時点Eは、押圧ピストン3が上流側に引き戻される時点である。
時点P〜Eでの押圧ピストン3の押圧荷重は、図4に示す通り、C〜D間が短くなるにしたがって徐々に低下するが、C〜D間にある粉末2には、加圧部7を通過するとき以上の圧力が加わり締め固められ、粉末2は焼結の前に予備的に圧縮された状態となる。焼結前の粉末2を予備的に圧縮することで、得られる焼結体9がより緻密なものとなる。このように、押圧工程において予備的に粉末2が自然と圧縮されるため、焼結装置10には、予備的な圧縮をする装置を別途備える必要がない。
ここで上流側のシリンダ4内壁と粉末2との摩擦抵抗は、押圧ピストン3と加圧部7との距離W1に比例する。先の粉末2aの量が多いと距離W1が広がるため、同摩擦抵抗が大きくなり、先の粉末2aの量が少ないと小さくなる。よって、到達位置Rを加圧部7に近く設定して先の粉末2a量を少なくすることで、図5に示す時点P〜Eにおける押圧荷重を減少させることができる(同図のグラフG2を参照。)。また一度に供給される粉末2の量を少なくすることでも、押圧ピストン3と加圧部7との距離W1は短くなるため、図6に示す時点P〜Eにおける押圧荷重が減少する(同図のグラフG3を参照。なおグラフG3では、粉末2からの応力が押圧ピストン3に加わり始める時点は時点S'となる。)。 このように時点P〜Eでの押圧ピストン3の押圧荷重の総量を小さくすることで、シリンダ4に負荷される押圧荷重を低減してシリンダ4の破壊を防止又は低減できる。また押圧荷重が大きくなり、シリンダ4の内壁と押圧ピストン3との隙間から粉末2が漏れ出てしまうことも防止又は低減できる。 この結果、焼結装置10によれば、押圧ピストン3の到達位置Rと粉末2の供給量とを適宜調節することで、押圧ピストン3の押圧荷重の総量を容易に調整することができる。
[焼結試験] 次に、焼結装置10を用いて錫粉末を焼結した焼結試験の結果を示す。なお本発明は、本試験例によってなんら限定されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲で、本試験例以外の態様例あるいは変形例を全て包含するものである。
(試験例1) 試験例1では、シリンダ4(グラファイト製,外径φ30mm)の下流側の中空内部の径寸法をφ13.5mmとし、上流側の中空内部の径寸法をφ15.0mmとした。また段差5の先端角θを60°とした。段差5と対応するシリンダ4の外側にはバンドヒータ6を巻装した。バンドヒータ6の加熱温度が220℃で安定した後、約6.2gの錫粉末をホッパ1からシリンダ4に供給した。そして押出速度を2mm/minに設定した押圧ピストン3により錫粉末を加圧部7に向けて押し出した。押圧ピストン3の到達位置Rは、加圧部7から5mm離れた位置とした。次に押圧ピストン3を図1に示す元の位置に引戻し、次の錫粉末を供給可能とするまでを1回の押圧工程とした。この押圧工程を6回繰り返して、出口8から焼結された錫の棒材(錫焼結体12)を得た。なお第一回目の押圧工程の前に、圧縮して板状となった錫粉末を押圧ピストン3で加圧部7に移動させ加圧部7を塞ぐように配置した。
(試験例2) 試験例2では、シリンダ4(グラファイト製,外径φ30mm)の下流側の中空内部の径寸法をφ6.0mmとし、上流側の中空内部の径寸法をφ8.0mmとした。また段差5の先端角θを60°とした。段差5と対応するシリンダ4の外側にはバンドヒータ6を巻装した。バンドヒータ6の加熱温度が224℃で安定した後、約1.5gの錫粉末をホッパ1からシリンダ4に供給した。そして押出速度を2mm/minに設定した押圧ピストン3により錫粉末を加圧部7に向けて押し出した。押圧ピストン3の到達位置Rは、加圧部7から5mm離れた位置とした。次に押圧ピストン3を図1に示す元の位置に引戻し、次の錫粉末を供給可能とするまでを1回の押圧工程とした。この押圧工程を8回繰り返して、出口8から焼結された錫の棒材(錫焼結体14)を得た。なお第一回目の押圧工程の前に、圧縮して板状となった錫粉末を押圧ピストン3で加圧部7に移動させ加圧部7を塞ぐように配置した。
図7に、試験例1の押圧荷重(P)[kN]の変化を示す。 押圧工程の初期段階(図2で見て左側から1〜3のピーク)では、押圧工程の繰返し回数を重ねるごとに押圧荷重も増加したが、錫粉末が十分圧粉されたと思われる4回目以降(図2で見て左側から4〜6のピーク)になると押圧荷重のピーク値はほぼ一定となった。これにより、焼結装置10によれば、押圧荷重が安定して錫粉末に与えられることが確認できた。
図8に、試験例1で得られた錫焼結体の外観の概略を示す。 押圧工程の初期段階(図8で見て左側)では、シリンダ4の内径(下流側のシリンダ4の断面積S2)に対して錫粉末の充てん不足が見受けられたが、一旦十分な充てんが行われた後は良好な形状(外観)を維持し続けることが確認できた。
図9に、試験例1で得られた錫焼結体の概略断面を示す。図9では、錫焼結体12を等間隔で7つの区画に区分し、左から順に番号を付した。 また図10に、試験例1で得られた錫焼結体の相対密度(ρ) [%]を測定した結果を示す。なお図10の横軸に示す「位置」の番号は、図9の錫焼結体の区画位置の番号を示し、各区画の錫焼結体の相対密度をアルキメデス法によって測定した。 この結果、錫焼結体12の後端部(図9で見て右側の部分)へ行くほど上昇し、段差5近傍に対応する区画位置(図9に示す番号7の区画)の錫焼結体12では99%を超える相対密度が得られた。
図11に、試験例2の押圧荷重(P)[kN]の変化を示す。 図7に示す試験例1の押圧荷重の結果と比較すると、シリンダ4の中空内部の径寸法を変更したことにより押圧荷重のピーク値そのものは変化したが、ピーク値が、押圧工程の初期段階(図11で見て左側から1〜3のピーク)では徐々に増加しその後一定になるという挙動自体は変わらないことがわかった。この結果から、シリンダ4の中空内部の径寸法を変更しても、本製造方法が有効であることを確認できた。
図12に、試験例2で得られた錫焼結体の外観の概略を示す。 試験例1の結果と同様に、一旦十分な充てんが行われた後(図12で見て右側)の錫焼結体14は良好な形状(外観)を維持し続けることが確認できた。
図13に、試験例2で得られた錫焼結体の概略断面を示す。図13では、錫焼結体14を等間隔で4つの区画に区分し、左から順に番号を付した。 また図14に、試験例2で得られた錫焼結体の相対密度(ρ) [%]を測定した結果を示す。なお図14の横軸に示す「位置」の番号は、図13の錫焼結体の区画位置の番号を示し、各区画の錫焼結体の相対密度をアルキメデス法によって測定した。 この結果、錫焼結体14の相対密度は、位置2から位置4の範囲では95〜96%で安定していることがわかった。この結果は、本製造方法によって均質な焼結体を連続的に製造できることを示すものであると考えられる。なお錫焼結体14の相対密度の値は、加熱温度等の条件を適宜調節することで更に高くなるものと考えられる。
試験例1及び試験例2の結果は、さらに押圧工程を継続すれば、高密度の焼結体を連続的に得られることを示唆するものであった。焼結装置10では、粉末2の焼結に適する加熱温度や押出速度を決定した上で、所望の圧力を得られるよう段差5の高さ寸法Tや先端角θを自由に選択できる。したがって、焼結装置10は、従来の焼結法において成形の対象とされた種々の粉末2に対して汎用的に利用可能な技術になりうるものと考えられる。
[その他の実施の形態] 本発明に係る焼結装置10は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他各種の実施の形態を取り得る。 先ず本実施例では、逐次的に供給された粉末2を押圧ピストン3で押圧するバッチ方式の焼結装置10について説明したが、スクリュで粉末2を連続的に供給し押圧するスクリュ方式の焼結装置でも同様の構成をとることができる。 またバンドヒータ6の代りに、少なくとも粉末2を焼結させるために必要な温度を供給可能な加熱装置を使用することができる。例えば、高周波を用いた加熱装置や直接通電を用いた加熱装置など公知のものを使用することができる。 また加圧部7と出口8との間に公知の冷却装置を設置してもよい。加圧部7から出口8に移動する間に形成された焼結体が冷却されて硬くなり、出口8から排出された際に重力のかかる方向に変形しずらくなる。なお冷却装置を外付けする場合には、加圧部7と出口8との間のシリンダ4の筒長さ寸法を短く設定してもよい。
次にその出口8を下にして焼結装置10を垂直に設置してもよい。この場合、押圧工程の初期段階においては、焼き締められた粉末2が加圧部7に充填されておらず、粉末2が加圧されずに加圧部7を素通りする場合がある。この場合、押圧工程を始める前に、圧縮して板状とした粉末を押圧ピストン3で加圧部7に移動させて加圧部7を塞ぐように配置しておく。圧縮された板状の粉末が栓となって供給された粉末2が加圧部7に積層するため、押圧工程の初期段階から粉末2に対して安定的な圧力の負荷が可能となる。なお焼結装置10を垂直方向に設置する場合には、S1≧S2>S3としてS3のみを製品となる焼結体9の径寸法と同じに設定してもよい。シリンダ内壁と焼結体9との摩擦抵抗を低減することで、押圧ピストン3に加わる負荷を低減できる。
焼結装置の概略断面図である。 焼結装置の加圧部付近の概略断面図である。 加圧工程時の焼結装置の加圧部付近の概略断面図である。 シリンダ内の粉末及び焼結体にかかる押圧荷重の分布を示した図である。 押圧ピストンの押圧荷重の経時的変化を示した図である。 押圧ピストンの押圧荷重の経時的変化の別の例を示した図である。 試験例1の押圧荷重の変化を示した図である。 試験例1で得られた錫焼結体の外観の概略図である。 試験例1で得られた錫焼結体の概略断面図である。 試験例1で得られた錫焼結体の相対密度を測定した結果を示す図である。 試験例2の押圧荷重の変化を示した図である。 試験例2で得られた錫焼結体の外観の概略図である。 試験例2で得られた錫焼結体の概略断面図である。 試験例2で得られた錫焼結体の相対密度を測定した結果を示す図である。
符号の説明
1 ホッパ2 粉末3 押圧ピストン4 シリンダ5 段差6 バンドヒータ7 加圧部8 出口9 焼結体10 焼結装置12,14 錫焼結体

Claims (2)

  1. 粉末投入口と出口とを有する中空筒状のシリンダと、該シリンダの中空内部で該粉末を押圧する押圧ピストンを備えた焼結装置であって、 前記出口は開放状態とされ、 前記シリンダの中空内部には、前記粉末投入口が形成された上流側から前記出口の形成された下流側に向かう途中において、該シリンダの中空内部の断面積に対してその断面積が狭小となる加圧部が形成されており、 前記シリンダの前記加圧部と対応する位置には加熱装置が設置されていることを特徴とする焼結装置。
  2. 中空筒状のシリンダに所定量の粉末を粉末投入口から順次供給し、前記所定量の粉末を押圧ピストンで出口に向けて押圧しながら焼結させる焼結体の製造方法であって、 前記出口を開放状態とし、 前記シリンダの中空内部には、前記粉末投入口が形成された上流側から前記出口の形成された下流側に向かう途中において、該シリンダの中空内部の断面積に対してその断面積が狭小となる加圧部を形成し、 前記シリンダの前記加圧部と対応する位置に加熱装置を設置し、 (a)前記所定量の粉末を供給し、 (b)前記押圧ピストンを前記加圧部方向へ移動させて、前記所定量の粉末を該加圧部に押込み、 (c)前記押圧ピストンを前記上流側まで引戻し、 前記(a)〜(c)を繰り返すことで、前記所定量の粉末を順次積層させつつ該加圧部に押込むことを特徴とする焼結体の製造方法。
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