JP2006090553A - サーボ弁を組立てる方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液圧的に心決めされた位置において、サーボ弁を、敏速に簡単に安全に安価に組み立てる方法を提供する。
【解決手段】サーボ弁を出力軸、入力軸および弁ハウジングと、液圧的に心決めされた位置において組立てる方法は次に示す工程からなっている。出力軸および入力軸から予備組立ユニットを形成する工程。弁ハウジングを、回転は可能であるが、軸線方向には固定された位置において、締着する工程。予備組立ユニットを、弁ハウジング内に挿入し、この時予備組立ユニットを、軸線方向には移動し得るが、回転しないように位置決めし、弁ハウジング及び出力軸が相互に回転し得るようにする工程。予備組立サーボ弁に液圧を加える工程。弁ハウジングを回転させることによって、サーボ弁を心決めする工程。予備組立ユニットを弁ハウジング内に押込み、出力軸および弁ハウジングを重なり区域において相互に押圧する工程。
【選択図】図1

Description

本発明はサーボ弁で、入力軸、出力軸および該入力軸を囲繞する弁ハウジングを有するサーボ弁を、液圧的に心決めされた位置において組立てる方法に関するものである。
前記の形のサーボ弁は、特に動力かじ取りシステムに使用される。かじ取り引き棒に連結された入力軸は、これを囲繞する弁ハウジングと共に液圧的に作動し、該弁ハウジング自体はピニオンを備えた出力軸に連結される。ピニオンはかじ取り装置のラックに作用を及ぼす。ポンプによって加圧された液体は、システムを通して押送される。入力軸が弁ハウジングに対して回転する時に、前記加圧された液体は液圧モータに送給され、この液圧モータはラックを二つの可能方向の何れかに運動させる。
従来の動力かじ取り弁は、入力軸および出力軸を連結するためのねじり棒を有し、該ねじり棒は棒状のばね部材であり、その一端は入力軸に連結され、その他端は出力軸に固定される。新式のサーボ弁においては、入力軸と弁ハウジングとの間に、半径方向に働く力を発生させる反作用装置が設けられるから、ねじり棒は必ずしも必要ではない。
何れの場合においても、サーボ弁の各部材は相互に、機械的に連接されているばかりでなく、特に弁ハウジングおよび入力軸は、相互に液圧的に心決めされた位置において組立てられていることが重要である。何れにせよ、入力軸および弁ハウジングは相互に回転し得る位置にあり、すなわち常に一つのかじ取り変位方向に回転し得るようになっている。
本来サーボ弁は、最終的組立てが行われるようになっているが、この時においても入力軸は、ねじり棒に対して回転するようになすことができる。したがって入力軸は、液圧的に心決めされる位置に達するまで回転せしめられ、最後に入力軸およびねじり棒を貫通する孔が明けられ、この孔の中に出力軸およびねじり棒を非回転的に結合するためのボルトが挿入される。この場合一方においては、液圧媒体が通る孔に対して、入力軸の各自由端を密封せねばならぬと言う問題が生じ、他方においては、相対的に回転し得る構造部分を固定するために、孔を形成せねばならぬと言う問題が生じる。
したがって最近では、入力軸およびねじり棒の連結は、刻み目を付けることによって回転を阻止するように行われ、入力軸、出力軸およびねじり棒からなる構造物群が、予備組立体として形成されるようになった。さらに、弁ハウジングを出力軸に被せ、かつねじ孔を形成し、この孔の中に偏心ねじを挿入する。偏心ねじを回転させれば、弁ハウジングは出力軸に対して回転し、サーボ弁は液圧的に心決めされる位置に達するようになる。固定するためには、ねじを締付け、場合によっては追加的に接着剤を使用する。このような手段は一連の欠点を有している。それはねじによって得られる安定度が低いことである。その理由は、一方においては、調節を行うためには偏心ねじを回転可能にする必要があり、他方においてはねじをかしめることによって、ねじがさらに回転するのを阻止せねばならぬからである。さらに追加的な作業行程として、ねじ孔の配置が必要である。追加的な構造部材として偏心ねじを使用する必要があるが、これは製造費を著しく増加させる。偏心ねじの使用は、非常に小さい調節区域を設けた時だけ可能であり、さらにこの場合は調節を行うために、液圧を受けるサーボ弁にアクセスし得るようにする必要がある。したがって方法論的にも、装置を形成する面からも、一連の複雑化が問題となる。したがってまた、液圧的心決めの最終組立作業には、長い時間が必要となり、人件費も増加する。
したがって本発明の目的は、液圧的に心決めされた位置において、サーボ弁を組立てる方法で、敏速に、簡単にかつ安全に実施することができ、しかも従来の方法に比して安価な方法を提供することである。
前記問題を解決するために、サーボ弁を出力軸、入力軸および弁ハウジングと、液圧的に心決めされた位置において組立てる方法は次に示す工程からなっている。
出力軸および入力軸から予備組立ユニットを形成する工程。
弁ハウジングを、回転は可能であるが、軸線方向には固定された位置において、締着する工程。
予備組立ユニットを、弁ハウジング内に挿入し、この時予備組立ユニットを、軸線方向には移動し得るが、回転しないように位置決めし、弁ハウジング及び出力軸が相互に回転し得るようにする工程。
予備組立サーボ弁に液圧を加える工程。
弁ハウジングを回転させることによって、サーボ弁を心決めする工程。
予備組立ユニットを弁ハウジング内に押込み、出力軸および弁ハウジングを重なり区域において相互に押圧する工程。
方法論的には、出力軸および弁ハウジングを最終的に押圧することによって、たとえば在来技術において必要とされた小さな、しかし強いボルトのような追加的調節部材を配置する必要をなくすることができる。実際的には、軸線方向において完全に組立てられた形を有していないこの弁は、構造部品を回転させることによって液圧的に心決めし、続いて軸線方向に圧縮することにより、この回転位置で最終的な組立てが行われる。この方法によれば、液圧を受ける調節区域をアクセスし得るようにする必要はない。その理由は外方に位置するハウジングが、対応する補助手段によって回転せしめ得るからである。なお弁ハウジング内にも、ピニオン内にも、これを弱めるような孔またはねじを設ける必要がなくなる。さらに液圧的心決めによる組立方法は、在来の方法に比して敏速に行うことができる。その理由は心決め位置に達した後は、一つの作業行程、すなわち構造部材を軸線方向に圧縮する行程だけで済むからである。
本発明の有利な提案によれば、弁ハウジングは正確に制御し得る回転装置内において締着される。この締着は熟練度の低い工員によっても可能である。さらに、調節も改善される。この提案の有利な点は、前もって組立てられた弁が、液密な包囲体内で液圧を受けることである。さらにこの提案によれば、液密包囲体は弁の予備組立てを行う時に、締着装置によって形成される。このような手段によって組立行程の安全性は改良され、かつたとえば漏洩に起因する誤調節も避けられるようになる。
本発明の有利な提案によれば、予備組立ユニットが圧力によって弁ハウジング内に押入れられる。したがって方法の経済性および作業の安全性の観点から有利な、普通のプレスを使用することができる。
なお方法としては、予備組立ユニットを形成する時に、出力軸および入力軸をねじり棒と結合することが提案されている。
本発明によれば、たとえば在来のプレスの如き、普通の加工装置を使用する他に、新規な弁の組立方法で、弁の構成部材を、追加的部材の使用に頼ることなく、液圧的に正確に位置決めされた位置で組立てる方法を使用することができる。出力軸を弁ハウジング内に押入れる作業を容易にするためには、相対する端面の各角部が適当な位相状態にあるようにし、すなわち出力軸の端面の外縁および(または)弁ハウジングの端面の内縁が軽い圧縮力を加える一つの位相を有するようにする。新規な弁においては、たとえば孔明け、ねじ切り、かしめ等の如き追加的作業工程は不要である。
本発明の別の利点および特徴は、添付図面によって次に説明する実施例によって明らかとなる。
図1〜図3は、液圧心決めによるサーボ弁組立装置の実施例、およびその組立方法を示す。
図1によれば、サーボ弁1は予備組立状態で、組立装置2内に挿入される。サーボ弁1は、図示の実施例においては、入力軸3、出力軸4、弁ハウジング5およびねじり棒6を含んでいる。入力軸3および出力軸4は、相互に連結されている。これら軸の間には、ねじり棒6が配置され、該ねじり棒の端部は、それぞれ両方の軸に固定されている。図示の実施例においては、ねじり棒は、その端部区域に刻み目を有している。弁ハウジング5および出力軸4は、図1においては、まだ相互に連結されない状態で示されている。これら両構造部材は相互に接触状態にあるが、相互に回転することができる。
組立装置2は錠止ブッシュ7、調節リング8、カバーブッシュ9およびスタンプ10を含んでいる。錠止ブッシュ7は、液孔11〜14を有している。液孔13は流入口であり、液孔14はタンク復帰口である。液孔11および12は最終制御部材(図示せず)の左側および右側を制御し、かつ圧力決定に役立つ。錠止ブッシュ7は弁ハウジング5に対し、その下方区域において、軸線方向ストッパ15を提供し、かつ半径方向軸密封部材16を有し、この密封部材によってブッシュ内部が外部に対して密封される。図示の実施例においては、錠止ブッシュ7は、環状溝17を有し、この中に調節リング18内に形成されたリング18が入る。弁ハウジング5は、錠止ブッシュ7内に、軸線方向に移動しないように、しかも回転自在に位置決めされる。弁ハウジング5を錠止ブッシュ7内に挿入した後、調節リング8を錠止ブッシュ上に載置する。調節リング8は弁ハウジング5の軸線方向移動性を、錠止ブッシュ7によって決められた方向に制限する。さらに調節リング8は、錠止ブッシュ7から突出した弁ハウジング5の区域を抱持し、かつこの締付け区域20に、弁ハウジング5を回転しないように結合する。錠止ブッシュ7および調節リング8の間には、O形密封リング19が配置され、該リングは調節リング8の溝の中に入る。もちろんこの溝は、錠止ブッシュ内に形成することもできる。これに対応して、調節リングの他の端面にもO形密封リング21を挿入し、かつリング22を形成することができる。
入力軸3、出力軸4およびねじり棒6からなる予備組立ユニットは、カバーブッシュ9内に挿入される。出力軸4はその端部によって、スタンプ10内の取付け区域27内に固定され、該スタンプは被覆区域26において、カバーブッシュと重なる。被覆区域26内には、たとえば調節ばねを配置し、カバーブッシュ9およびスタンプ10間の回転を阻止するようになすことができる。
しかしながらスタンプ10は、カバーブッシュ9に対して、軸線方向に移動することができる。スタンプ10によって、出力軸4は軸線方向に移動し、この出力軸はカバーブッシュ9の案内区域25内を案内される。カバーブッシュ9は、半径方向軸密封部材24を有し、このブッシュ区域を、外部に加わる液圧に対して密封するようになっている。予備組立ユニットは、それに被されたカバーブッシュおよびスタンプと共に、弁ハウジング5、錠止ブッシュ7および調節リング8によって形成されたユニット内に挿入される。このようにして、図1に示された位置決めが行われる。弁ハウジング5は、錠止ブッシュと調節リングとの間で回転することはできるが、軸線方向には移動しないように挿入される。入力軸3、出力軸4およびねじり棒6からなるユニットは共に、スタンプ10によってカバーブッシュ9内を軸線方向に移動することはできるが、カバーブッシュ9およびスタンプ10間に被覆区域26が形成されるために、回転不能に配置される。したがって弁ハウジングは調節リング8と共に、入力軸に対して回転し得るが、入力軸3は出力軸4およびねじり棒6と共に、軸線方向だけに移動することができる。圧力を加えれば、調節リングの調節によって、弁ハウジングおよび入力軸間の液圧心決めが行われる。構造部分が一旦液圧的に心決めされれば、上方区域に係合部分28を有するスタンプ10に、軸線方向に作用する圧力を加え、それによってスタンプ10は、出力軸4およびこれに固定された入力軸3を、その間に位置するねじり棒6と共に軸線方向に移動させる。この時出力軸4が、弁ハウジング5内の締付け区域20内に押入れられる。両構造部材はその端面区域内において接触し、相互に押圧される。さらにこれら両部材は刻み目または類似のものによって回転不能に形成することができる。出力軸4および弁ハウジング5の結合は、締付け区域20内に押入れることによって行われる。これら部材は結合された後は相互に回転し得ないようになる。液圧を除去した後、装置を解体し、心決めされたサーボ弁を取出す。
カバーブッシュ9と錠止ブッシュ7との結合は、図2に示されたボルトによって行われる。ボルト30は錠止ブッシュ7にねじ込まれ、かつ調節リング内に配置された長い孔を通る。調節リングはリングブッシュを有するものとなすことができ、または対応して形成された錠止ブッシュ内に挿入するようになすことができる。これは図3に示されており、この場合は結合ボルトに対する孔38は、案内リング内に示されており、この時は調節リング8は内方リングによって形成される。
錠止ブッシュ内にねじ込まれるボルト30は、カバーブッシュ9を載置する時に、該カバーブッシュ内に形成された二重孔29を通る。カバーブッシュ9を調節リング8に対して回すだけで、ボルト30による軸線方向固定が行われる。この差込み接手によって、サーボ弁による敏速な組立てが可能となる。
図2には、カバーブッシュ9内の二重孔29の形成が示されている。スタンプ10はその上端に係合部分28を有し、普通のプレスと結合することができる。図2および3はなお調節リングの詳細を示し、この場合は先ず締付けねじ31によって、調節リングを弁ハウジング5に対して回転不能に固定する。調節リングは、目的に適うように、締付けカム39を有し、このカムは図示の実施例においては割線部分を有し、この部分は対応する弁ハウジングの外面と共働する輪郭を有している。締付けねじ31によって、弁ハウジング5と調節リング8との間の相対的回転が避けられる。錠止ブッシュ7に対する調節リング8の回転は、制御握り32の作動によって行われ、この制御握りは、ホルダー34に軸持されたスピンドル33を通してレバー35を作動し、該レバーを通して調節リングが回転せしめられる。スピンドル33およびレバー35間には、ボール接手36が形成されている。レバー35自体はリンク37を備えている。したがってレバー35は、調節区域40を通って移動することができ、しかも望ましからざる力を発生させるおそれはない。ホルダー34は、図示の実施例においてはボルトにより、回転自在調節リング8から離れるように取付けられる。
組立装置の1実施例の断面図で、挿入されたサーボ弁の部分的断面を示す。 図1に示された装置の頂面図。 図1の線III−IIIに沿って取られた部分的断面図。

Claims (6)

  1. 出力軸、入力軸および弁ハウジングからなるサーボ弁を、液圧的に心決めされた位置において組立てる方法において、
    出力軸および入力軸からなる予備組立ユニットを形成する工程と、
    弁ハウジングを回転可能な、しかも軸線方向運動の阻止された位置に締着する工程と、
    予備組立ユニットを、弁ハウジング内に挿入し、この時予備組立ユニットを軸線方向には移動し得るが、回転しないように位置決めし、弁ハウジング及び出力軸を相互に回転し得るように隣接させる工程と、
    予備組立サーボ弁に液圧を加える工程と、
    弁ハウジングを回転させることによって、サーボ弁を心決めする工程と、
    予備組立ユニットを弁ハウジング内に押込み、出力軸を弁ハウジングに圧入する工程とを有することを特徴とする方法。
  2. 弁ハウジングを正確に制御し得る回転装置内に締着する、請求項1記載の方法。
  3. サーボ弁に液密な包囲体内で液圧を加える、請求項1又は2に記載の方法。
  4. サーボ弁の予備組立てを行う時に、前記液密な包囲体は締着装置(7,8,9)によって形成される、請求項3に記載の方法。
  5. 予備組立ユニットを圧力によって弁ハウジング内に押入れる、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
  6. 予備組立ユニットを形成する時に、出力軸および入力軸をねじり棒と結合する、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
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