JP2006090225A - 流量制御弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で、しかも、一方の熱交換器に対し冷媒を優先して供給する際にも、車両条件に応じながら、他方の熱交換器に冷媒を供給することができる流量制御弁を提供する。また、弁体が各熱交換器に対し冷媒を優先して供給する各開弁位置の間を移動する際に、弁体の駆動エネルギーを低減できる流量制御弁を提供する。
【解決手段】 冷却システムは、冷却液を循環させる冷却回路と、エンジンを冷却する冷却液と作動油との間で熱交換する油水熱交換器と、冷却液と空気との間で熱交換するヒータ用熱交換器と、各熱交換器に対して冷却液の流量を制御する制御弁20を備えている。制御弁20は、各熱交換器に連通する第1及び第2連通路23a,24aの開口面積を拡大した際に、弁体30と第1カバー21との間に連通部C2をそれぞれ設ける。また、各連通部C2の開口面積は、弁体30が第1開弁位置と第2開弁位置とに配置されている場合によって異なる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両に搭載される冷却システムの流量制御弁に関する。
自動車等の車両に搭載される駆動源や駆動装置等の冷却システムとして、冷却回路を循環する冷媒を空調装置の熱源として使用するとともに、自動変速機等の作動油の温度調節にも使用するシステムが特許文献1に提案されている。この冷却システムでは、冷却回路の途中に、作動油の温度調節を行う油水熱交換器を備えたATFウォーマと、空気の温度調節を行う熱交換器を備えた空調ヒータとを配設している。さらに、冷却システムは、ATFウォーマ及び空調ヒータへの冷却液の流量を制御する制御弁を備え、例えば、空調ヒータの要求が高い場合に、空調ヒータに冷却液を優先して流している。
特開2002−364362号公報
ところが、前記した制御弁では、ATFウォーマ及び空調ヒータのいずれか一方に冷却液を流すようにすると、他方の熱交換器側へは冷却液は流れない状態になる。例えば、空調ヒータに冷却液が最大量流れるようにしたとき、ATFウォーマには冷却液が流れない状態になる。従って、作動油の温度が低い場合には、作動油の粘度が増加して燃費が悪化してしまう。また、作動油の温度が高い場合には、作動油の劣化が進行する。さらに、ATFウォーマに冷却液が最大量流れるようにすると、空調ヒータは暖気を停止するため、快適性が悪化する。
また、制御弁が、空調ヒータに優先して冷却液を流す状態から、ATFウォーマに優先して冷却液を流す状態に切り換える際等には、弁体の各受圧面における差圧が大きく、回動の際に大きな駆動力が必要となる。このため、制御弁の駆動源が大型化してしまう問題があった。
一方、ATFウォーマ及び空調ヒータへの流量は、各熱交換器の通水抵抗や、各熱交換器の導入口における圧力、空調装置の構成等の各種条件によっても左右される。従って、制御弁は、それらの条件を加味して、各熱交換器が必要な流量を確保しなければならない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で、しかも、一方の熱交換器に対し冷媒を優先して供給する際にも、車両条件に応じながら、他方の熱交換器に必要最小限の冷媒を供給することができる流量制御弁を提供することにある。
本発明の別の目的は、弁体が各熱交換器に対し冷媒を優先して供給する各開弁位置の間を移動する際に、弁体の駆動エネルギーを低減できる流量制御弁を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1熱交換器を有する第1流路と第2熱交換器を有する第2流路とが互いに並列に接続される冷却回路に配設され、該冷却回路の前記第1流路と前記第2流路との接続部に設けられて、前記第1熱交換器内と前記第2熱交換器内とを流れる冷媒の流量を制御する流量制御弁であって、前記接続部内において移動可能に支持される弁体を有し、前記接続部の前記第1流路への流路を最大に
開路した第1の開弁位置において、前記弁体と前記接続部の内壁との間を通して前記第2流路を流れる前記冷媒の第2の流量と、前記接続部の前記第2流路への流路を最大に開路した第2の開弁位置において、前記弁体と前記接続部の内壁との間を通して前記第1流路を流れる前記冷媒の第1の流量とが異なるように形成されていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の流量制御弁において、前記第1熱交換器は、前記冷媒と作動油との間で熱交換する熱交換器であり、前記第2熱交換器は、前記冷媒と空気との間で熱交換する熱交換器であって、前記流量制御弁は、前記第1の開弁位置における前記冷媒の第2の流量が、前記第2の開弁位置における前記冷媒の第1の流量よりも大きくなるように形成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の流量制御弁において、前記流量制御弁は、前記第1の開弁位置における前記弁体の端部と前記接続部の内壁との間に形成される第2の隙間が、前記第2の開弁位置における前記弁体の端部と前記接続部の内壁との間に形成される第1の隙間より大きくなるように形成されていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、第1熱交換器を有する第1流路と第2熱交換器を有する第2流路とが互いに並列に接続される冷却回路に配設され、該冷却回路の前記第1流路と前記第2流路との接続部に設けられて、前記第1熱交換器内と前記第2熱交換器内とを流れる冷媒の流量を制御する流量制御弁であって、前記接続部内において移動可能に支持される弁体を有し、前記弁体が、前記接続部の前記第1流路又は前記第2流路への流路を最大に開路した第1の開弁位置又は第2の開弁位置から、該第1の開弁位置と該第2の開弁位置との間の中間位置へ移動するにつれて、前記第2の流路又は前記第1の流路を流れる前記冷媒の流量が増大するように形成されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の流量制御弁において、前記流量制御弁は、前記弁体が前記第1の開弁位置又は前記第2の開弁位置から前記中間位置へ移動するにつれて、前記弁体と前記接続部の内壁との間に設けられる隙間が拡大するように形成されていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の流量制御弁において、前記冷却回路は、車両の駆動源及び駆動装置の少なくとも一つを冷却するための冷却回路であることを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、流量制御弁は、弁体が第1流路を最大に開路した第1開弁位置に配置された際に第2流路を流れる冷媒の第2の流量と、第2流路を最大に開路した第2開弁位置に配置された際に第1流路を流れる冷媒の第1の流量とが異なるように形成されている。このため、例えば、いずれか一方の熱交換器内に冷媒を最大流量となるように流した場合にも、熱交換器の通水抵抗、各種条件等に従って、他方の熱交換器に必要な量の冷媒を適宜流すことができる。また、弁体が第1開弁位置又は第2開弁位置に配置された場合にも、弁体と接続部の内壁との間を介して冷媒を流すことで、弁体の両側に発生する差圧を小さくし、弁体の駆動力を小さくすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、弁体が第1の開弁位置にあるときの冷媒の第2の流量は、弁体が第2の開弁位置にあるときの冷媒の第1の流量よりも大きい。従って、例えば、車両に設けられた駆動源や駆動装置の作動油と常に熱交換を行いながら、空調装置等に分配される熱量を多くして、暖気機能を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1の開弁位置における弁体の端部と接続部の内壁と
の間に形成される第2の隙間は、第2の開弁位置における弁体の端部と接続部の内壁との間に形成される第1の隙間より大きいので、流量制御弁の構造を複雑化させることなく、第2の流量を第1の流量よりも大きくすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、流量制御弁は、弁体が第1開弁位置又は第2開弁位置から、第1開弁位置及び第2開弁位置の間の中間位置に移動するにつれて、第2流路又は第1流路を流れる冷媒の流量が増大するように形成されている。このため、流量制御弁の構造を複雑化させることなく、弁体が移動する際に弁体の両側に生じる差圧を小さくすることができる。このため、冷媒の急激な圧力変化を防止するとともに、弁体の駆動エネルギーを小さくし、駆動源の大型化を防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、流量制御弁は、弁体が第1開弁位置又は第2開弁位置から中間位置に移動するにつれて、弁体と接続部との間に設けられる隙間が拡大するように形成されているので流量制御弁の構造の複雑化を防止できる。
請求項6に記載の発明によれば、冷却回路を循環する冷媒は、車両の駆動源及び駆動装置の少なくとも一つを冷却する。即ち、第1及び第2熱交換器は、車両の駆動源や駆動装置を冷却した冷媒と熱交換を行うため、冷媒の蓄積した熱を有効利用することができる。
本発明によれば、簡単な構成で、しかも、一方の熱交換器に対し冷媒を優先して供給する際にも、車両条件に応じながら、他方の熱交換器に必要最小限の冷媒を供給することができる流量制御弁を提供することができる。また、本発明によれば、弁体が各熱交換器に対し冷媒を優先して供給する各開弁位置の間を移動する際に、弁体の駆動エネルギーを低減できる流量制御弁を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図4に従って説明する。図1は、エンジンの冷却システムの構成を説明する模式図である。図1に示すように、自動車等の車両に搭載される、冷却システム1は、駆動源としてのエンジンEとラジエータRとの間で、冷媒としての冷却液を循環させる冷却回路2を備えている。冷却回路2は、シリンダブロック及びシリンダヘッドの過熱しやすい箇所を囲むように設けられ、冷却液がエンジンEが発した熱を吸熱するようになっている。ラジエータRは、水冷式の内燃機関において一般的に用いられている装置であって、冷却液の熱を放出する。
エンジンEからラジエータRに冷却液を送出する第1冷却回路2aの途中からは、バイパス流路4が分岐している。バイパス流路4は、第1冷却回路2aと、ラジエータRからエンジンEに冷却液を送出する第2冷却回路2bとを、ラジエータ3を迂回するように接続している。また、バイパス流路4と第2冷却回路2bの合流部には、サーモスタット5が設けられている。
サーモスタット5は、第2冷却回路2bを開閉する第1バルブ5aと、バイパス流路4を開閉する第2バルブ5bとを備えている。サーモスタット5は、内部に導入された冷却液の温度が所定温度よりも低い場合に、第1バルブ5aを閉弁位置に配置して第2冷却回路2bを閉鎖する。このとき、第2バルブ5bは開弁位置に配置され、エンジンEから送出された冷却液は、バイパス流路4等を介してエンジンEに戻るように循環する。また、冷却液の温度が所定温度よりも高い場合には、第1バルブ5aが開弁位置に配置され、第2バルブ5bが閉弁位置に配置される。このため、冷却液は、エンジンEとラジエータRとを循環する。
サーモスタット5の吐出口とエンジンEの導入口との間の第2冷却回路2bには、ウォーターポンプ7が設けられている。サーモスタット5から送出された冷却液は、ウォーターポンプ7により圧送され、エンジンEに送出される。
また、バイパス流路4の導入口とラジエータRとの間の第1冷却回路2aからは、第1流路としての第1熱交換流路8、第2流路としての第2熱交換流路9が分岐し、これらの第1熱交換流路8及び第2熱交換流路9は互いに並列に設けられている。第1熱交換流路8の途中には、第1熱交換器としての油水熱交換器10が設けられている。油水熱交換器10は、第1熱交換流路8を流れる冷却液と、自動変速機の作動油との間で熱交換を行う。自動変速機の作動油は、温度が低い場合には粘度が増して駆動系の抵抗が増加するために燃費が悪化し、逆に温度が高い場合には劣化が早く進行する。従って、油水熱交換器10では、作動油が冷却液よりも高温である場合には、熱交換により作動油の熱を放出させ、作動油が冷却液よりも低温の場合には冷却液の熱を作動油に吸熱させて、作動油の温度を常に適正な温度範囲に調節するようになっている。
第2熱交換流路9の途中には、第2熱交換器としてのヒータ用熱交換器11が設けられている。ヒータ用熱交換器11は、公知の構成の熱交換器であって、冷却液と、車室内の空気との熱交換を行うことにより、冷却液から放出される熱を暖気に利用する装置である。
第1及び第2熱交換流路8,9は、各熱交換器10,11の下流で接続している。この接続部には、各熱交換器10,11への冷却液の流量を制御する流量制御弁としての制御弁20が設けられている。制御弁20は、連通路12を介してサーモスタット5に接続されている。
次に、制御弁20について、図2〜図4に従って説明する。図2及び図3は、制御弁20の軸線方向に直交する方向における断面図である。図4は、制御弁20の軸線方向における要部断面図である。本実施形態では、制御弁20は、ロータリーソレノイドバルブである。制御弁20は、図2及び図4に示すように、合成樹脂等からなる第1カバー21を備えている。第1カバー21は、上壁部21a(図4参照)及び周壁部21cを備えた有蓋筒状に形成され、その内側には、第1及び第2熱交換流路8,9の接続部を構成する内部空間26が形成されている。また、図2に示すように、周壁部21cからは、円筒状に形成された、第1ポート23、第2ポート24、ポンプ側ポート25が突出形成されている。
第1ポート23は、接続部を構成する第1連通路23aを備え、第1熱交換流路8と連通している。第2ポート24は、接続部を構成する第2連通路24aを備え、第2熱交換流路9と連通している。ポンプ側ポート25は、接続部を構成するポンプ側連通路25aを備え、前記サーモスタット5を介してウォーターポンプ7と接続している。
また、図2に示すように、第1カバー21の内側面には、拡開部27が凹設されている。拡開部27は、第1連通路23aの吐出口及び第2連通路24aの吐出口の間であって第1連通路23a寄りの位置に形成されている。また、第2連通路24aの吐出口及びポンプ側連通路25aの吐出口との間であって前記拡開部27と相対向する位置には、拡開部28が凹設されている。各拡開部27,28は、第1カバー21の軸線に対して互いに対称となる位置に設けられ、軸線方向に沿って溝状に形成されている。
図2及び図4に示すように、内部空間26には、弁体30が回動可能に軸支されている。弁体30は、第1カバー21の軸線上に設けられた回転軸33を備え、この回転軸33
は、上壁部21aに凹設された軸受21d(図4参照)に回転可能に支持される。また、弁体30は、回転軸33から延設された、板状の第1弁板31及び第2弁板32を備えている。第1及び第2弁板31,32は、回転軸33を挟んで一直線上に形成されている。図2に示すように、第1及び第2弁板31,32は、その幅(軸線方向と直交する方向の長さ)が、内部空間26の半径よりも所定の長さだけ短くなるように形成されている。
図4に示すように、第1カバー21の開口には、扁平状の封止部34が配設される。この封止部34の嵌合により、第1カバー21の内部空間26が封止される。封止部34の略中央には、回転軸33を回動可能に貫挿する軸孔34aが貫通形成されている。また、封止部34の外側には、有底筒状の第2カバー35が取着されている。この第2カバー35には、回転軸33の基端部を回転可能に支持する軸受35aが形成されている。また、第2カバー35には、励磁コイル36aを備えたステータ部36が、封止部34から突出した回転軸33の基端部と対峙するように設けられている。また、回転軸33の基端部には、ステータ部36と対峙するように、円筒状のマグネット37が配設されている。即ち、第2カバー35内に配設された、ステータ部36とマグネット37とでロータリーソレノイド39が構成されている。そして、ロータリーソレノイド39(励磁コイル36a)に正逆方向に電流を流すことにより、弁体30を所定角度範囲だけ回動させるようになっている。
そして、本実施形態では、ロータリーソレノイド39に正方向の電流を流すことにより、弁体30は、図3に示す第1開弁位置に配置される。また、ロータリーソレノイド39に逆方向の電流を流すことにより、弁体30は、図2に示す第2開弁位置に配置される。
図2に示すように、弁体30の第2開弁位置は、第2連通路24aの吐出口、及びポンプ側連通路25aの導入口の開口面積が最大になるような位置である。このため、第2連通路24aの吐出口からポンプ側連通路25aの導入口までの流路抵抗は小さくなる。従って、第2熱交換流路9の流路抵抗が最小になり、同第2熱交換流路9を流れる冷却液の流量が最大になる。
また、弁体30が第2開弁位置に配置されるとき、第1及び第2弁板31,32の先端は、第1カバー21の内壁面と離間しているため、その間には、第1の隙間としての各第1連通部C1がそれぞれ形成される。その結果、第1連通路23aから送出された冷却液は、図2中矢印方向に示すように、第1連通部C1を介してポンプ側連通路25aに流れる。即ち、この第1連通部C1により、第2熱交換流路9の流量が最大になった場合でも、第1連通路23aとポンプ側連通路25aとが連通し、第1熱交換流路8に対し最小量の流量(第1の流量)を確保できる。また、各第1連通部C1の開口面積(流路面積)は、開口面積S1となっている。
一方、弁体30の第1開弁位置は、図3に示すように、第1及び第2弁板31,32が、それぞれ拡開部27,28に対峙する位置である。従って、第1連通路23aの吐出口、及びポンプ側連通路25aの導入口の開口面積が最大になる。このため、第1連通路23aの吐出口からポンプ側連通路25aの導入口までの流路抵抗が小さくなる。その結果、第1熱交換流路8の流路抵抗が最小になり、第1熱交換流路8を流れる冷却液の流量が最大になる。
また、弁体30が第1開弁位置に配置されるとき、第1及び第2弁板31,32の先端と、拡開部27,28との間には、第2の隙間としての第2連通部C2が設けられる。そして、第2連通路24aから送出された冷却液は、図3中矢印方向に示すように、第2連通部C2を介してポンプ側連通路25aに流れる。即ち、この第2連通部C2により、第1熱交換流路8の流量が最大になった場合でも、第2連通路24aとポンプ側連通路25
aとが連通し、第2熱交換流路9に対し最小量の流量(第2の流量)を確保できる。また、第1及び第2弁板31,32が拡開部27,28と対峙することで、第2連通部C2の開口面積(流路面積)は、第1連通部C1の開口面積S1よりも大きい、開口面積S2となっている(即ち、開口面積S2>開口面積S1)。このため、弁体30が第1開弁位置に配置された際に、第2熱交換流路9に対して確保される第2の流量は、弁体30が第2開弁位置に配置された際に第1熱交換流路8に対して確保される第1の流量よりも大きくなる。
ここで、第1及び第2連通部C1,C2の開口面積S1,S2は、各熱交換器10,11の通水抵抗と、車両条件とに基づいて決められている。車両条件は、冷却システム1が搭載される自動車の空調装置に要求される能力等の各種条件や、各熱交換器10,11の導入口側に加わる圧力等の冷却システム1自体の構成に関する条件である。例えば、各熱交換器10,11の通水抵抗に大きな差がなく、空調装置への熱分配比を多くする場合には、本実施形態のように、第2連通部C2の開口面積S2を、第1連通部C1の開口面積S1よりも大きくし、第2熱交換流路9への流量が多くなるように、実験等によって面積比(=S2/S1)を決定する。これにより、ヒータ用熱交換器11に対して必要最小限の流量を確保することができる。
次に、制御弁20を制御する制御装置CUについて図1に従って説明する。制御装置CUは、油水熱交換器10及びヒータ用熱交換器11の優先順位を判断し、制御弁20のステータ部36の通電及びその方向の切換えを行う。制御装置CUは、空調装置の動作制御を行う空調用制御装置AC、自動変速機の動作制御を行う変速機用制御装置TCとの間で各種信号を送受信可能に構成されている。
空調用制御装置ACには、外気温、室内温、水温等の温度情報や、ブロア風量設定等のブロア設定信号等の空調装置の動作条件となる各種信号が入力される。そして、空調用制御装置ACは、それらの入力信号に基づいた演算を行い、熱交換要求信号、風量調節信号を出力する。出力された熱交換要求信号は、制御装置CUに入力される。
例えば、空調用制御装置ACが、「外気温が5℃未満」かつ「室内温5℃未満」かつ「ブロア風量設定=最大量」であると判断すると、空調用制御装置ACは、「要求度3」の旨の信号を制御装置CUに送信する。また、暖房の要求が無い夏季等、空調用制御装置ACが、「外気温25度超」又は「ブロア風量設定=0」であると判断すると、「要求度1」の旨の信号を制御装置CUに送信する。それ以外の場合には、空調用制御装置ACは、「要求度2」の信号を送信する。
変速機用制御装置TCには、変速機の油温等の温度情報、車速、エンジン回転数等の速度情報等、変速機の動作条件となる各種信号が入力される。変速機用制御装置TCは、入力された信号に基づいて演算処理を行い、熱交換要求信号等を出力する。出力された信号は、制御装置CUに入力され、制御弁20の制御が行われる。
例えば、変速機用制御装置TCが、「オイル温度130度超」と判断すると、作動油を直ちに冷却する必要があるため、「要求度3」の熱交換要求信号を制御装置CUに送信する。また、例えば、「オイル温度70度未満」であると判断すると、作動油を加熱する必要があるため「要求度2」の信号を制御装置CUに送信する。また、変速機用制御装置TCが、「オイル温度が70度以上、130度以下」と判断すると、熱交換の必要が無いため「要求度1」の信号を制御装置CUに送信する。
制御装置CUは、空調用制御装置AC及び変速機用制御装置TCから熱交換要求信号を受信すると、要求度等に基づいて制御弁20を制御する。本実施形態では、制御装置CU
は、「要求度」が高い方の熱交換要求信号を優先し、その熱交換器10,11への冷却液への流量を大きくするように、制御弁20のステータ部36を所定の方向に通電する。また、空調用制御装置AC及び変速機用制御装置TCの両方から同じレベルの要求信号を受信した場合、自動変速機の故障の可能性、燃費の悪化を考慮して、第1熱交換流路8への流量を多くするようにステータ部36を所定の方向に通電する。
ロータリーソレノイド39に正方向の電流を流し、弁体30を図3に示す第1開弁位置に配置させると、第1熱交換流路8の流路抵抗が小さくなり、油水熱交換器10に冷却液が優先的に流れる。このとき、第2熱交換流路9に対しては、必要最小限の流量が確保される。
ロータリーソレノイド39が逆方向の電流を流し、弁体30を図2に示す第2開弁位置に配置させると、第2熱交換流路9の流路抵抗が小さくなり、ヒータ用熱交換器11に冷却液が優先的に流れる。第1熱交換流路8に対しては、第2熱交換器の最小限の流量よりも少ない、最小流量が確保される。即ち、第2熱交換流路9に比較的多くの流量を確保するという車両条件に対応することができる。
また、弁体30は、内部空間26内を流れる冷却液からの圧力を受けているが、ステータ部36は、その圧力を上回る吸引力で弁体30を第1又は第2開弁位置に固定している。詳述すると、例えば、図2に示すように、弁体30が第2開弁位置に配置されている場合、弁体30によって区画された内部空間26において、第1連通路23a側の空間と、第2連通路24a側の空間との間で差圧が生じている。また、これらの空間は、第1連通部C1によって連通されているため、第1連通部C1を設けない場合よりも差圧が小さくなっている。このため、ロータリーソレノイド39は、弁体30を固定する際に、この差圧を解消できるだけの大きさの吸引力を出力すればよい。また、差圧を小さくすることにより、弁体30が回動する際の回転トルクも小さくなる。
第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態では、制御弁20の第1カバー21の内側面であって、第1開弁位置に配置された弁体30の先端に対峙する位置に、各拡開部27,28を形成した。また、弁体30が、冷却液の熱を有効利用する第1及び第2熱交換流路8,9の流量を最大に開路する第1及び第2開弁位置にそれぞれ配置された際に、弁体30と第1カバー21の内壁面との間に設けられた第2連通部C2及び第1連通部C1により第2熱交換流路9及び第1熱交換流路8を連通状態にして、第2の流量及び第1の流量を確保するようにした。さらに、第1及び第2連通部C1,C2の開口面積S1,S2を互いに異なるようにした。このため、簡単な構成で、第1及び第2熱交換流路8,9のいずれか一方に冷却液を優先して流した場合にも、他方の熱交換流路8,9に対しての必要最小限の流量を確保できる。また、第1及び第2連通部C1,C2の開口面積S1,S2を調整することで、各熱交換器10,11の通水抵抗や車両条件に応じて、その最小量の流量を第1及び第2熱交換流路8,9によって適宜変更することができる。さらに、弁体30が第1及び第2開弁位置に配置された際に、第2連通部C2及び第1連通部C1を介して冷却液を流すことにより、弁体30の両側で発生する差圧を小さくすることができるので、回転トルクを小さくすることができる。従って、ロータリーソレノイド39の大型化を防止することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図5及び図6に従って説明する。尚、第2の実施形態は、第1の実施形態の制御弁20を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図5及び図6に示すように、流量制御弁としての制御弁40に設けられた、第1カバー41の周壁部41cには、第1ポート42、第2ポート43、ポンプ側ポート44が突出形成されている。第1ポート42は、接続部を構成する第1連通路42aを備え、第1熱交換流路8と連通している。第2ポート43には、接続部を構成する第2連通路43aを備え、第2熱交換流路9と連通している。ポンプ側ポート44は、接続部を構成するポンプ側連通路44aを備え、前記サーモスタット5を介してウォーターポンプ7と接続されている。
第1カバー41の内側面であって、第2連通路43aの吐出口の周囲には、拡開部46が凹設されている。拡開部46は、第1カバー41の軸線方向に沿って溝状に形成されている。
内部空間45には、弁体47が回動可能に軸支されている。弁体47は、回転軸48と、回転軸48に連続して形成された、断面扇状の弁部49を備えている。弁部49は、その幅(軸線と直交する方向の長さ)が、内部空間45の半径よりも所定の長さだけ短くなるように形成されている。また、弁部49の周方向の大きさは、第1及び第2連通路42a,43aを閉塞可能な大きさに形成されている。
そして、制御弁40に設けたロータリーソレノイド39(図4参照)に正方向の電流を流すと、弁体47は図6に示す第1開弁位置に配置される。また、ロータリーソレノイドに逆方向の電流を流すと、弁体47は図5に示す第2開弁位置に配置される。
図5に示すように、弁体47の第2開弁位置は、弁部49が第1連通路42aに対峙するように配置される位置であって、第2連通路43aの吐出口の開口面積は最大にしている。従って、第2連通路43aの吐出口から、ポンプ側連通路44aまでの流路抵抗が最小になる。また、第1連通路42aから送出された冷却液は、弁部49と第1カバー41の内側面との間に設けられた、第1の隙間としての第1連通部C1を介して、ポンプ側連通路44aに流れる。このため、第2開弁位置では、第2熱交換流路9の流量は最大になり、第1熱交換流路8に対しては最小量の流量(第1の流量)が確保される。また、この第1連通部C1の開口面積は、開口面積S1となっている。
図6に示すように、弁体47の第1開弁位置は、弁部49が第2連通路43aに対峙するように配置される位置であって、第1連通路42aの開口面積を最大にしている。即ち、第1連通路42aの吐出口から、ポンプ側連通路44aまでの流路抵抗が最小になる。また、第2連通路43aから送出された冷却液は、弁部49と周壁部41cの内側面との間に設けられた、第2の隙間としての第2連通部C2を介して、ポンプ側連通路44aに流れる。このため、第1開弁位置では、第1熱交換流路8の流量は最大になり、第2熱交換流路9に対しては最小量の流量(第2の流量)が確保される。また、この第2連通部C2の開口面積S2は、前記した第1連通部C1の開口面積S2よりも大きい、開口面積S2となっている。
このため、作動油が高温になったとき等、第1熱交換流路8に冷却液を優先して流す場合にも、空調装置に対して熱分配比を多くする必要がある等の条件に応じて、第2熱交換流路9に必要最小限の流量の冷却液を常に流すことができる。
従って、第2の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(2)第2の実施形態では、制御弁40の第1カバー41の内側面であって、第2連通路43aの周囲に各拡開部46を形成した。また、弁体47が、第1及び第2熱交換流路8,9の流量を最大にするための第1及び第2開弁位置にそれぞれ配置された際に、弁体47と第1カバー21の内側面との間に設けられた第2連通部C2及び第1連通部C1に
より第2熱交換流路9及び第1熱交換流路8を連通状態にして、最小量の流量を確保するようにした。さらに、第1及び第2連通部C1,C2の開口面積S1,S2を互いに異なるようにした。このため、制御弁40を簡単な構成とし、しかも、第1及び第2連通部C1,C2の開口面積S1,S2を調整することで、各熱交換器10,11の通水抵抗や車両条件に応じて、その必要最小限の流量(第2の流量及び第1の流量)を適宜変更することができる。さらに、弁体47が第1及び第2開弁位置に配置された際に、第2連通部C2及び第1連通部C1を介して冷却液を流すことにより、弁体47の両側で発生する差圧を小さくすることができるので、回転トルクを小さくすることができる。従って、ロータリーソレノイドの大型化を防止することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図7に従って説明する。尚、第3の実施形態は、第1の実施形態の制御弁20を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
流量制御弁としての制御弁50は、第1カバー51を備え、第1カバー51の周壁部51cには、第1ポート52,第2ポート53、ポンプ側ポート54が突出形成されている。第1ポート52には、油水熱交換器10と連通する接続部を構成する第1連通路52aが形成され、第2ポート53には、ヒータ用熱交換器11と連通する接続部を構成する第2連通路53aが形成されている。ポンプ側ポート54には、接続部を構成するポンプ側連通路54aが形成され、前記サーモスタット5を介してウォーターポンプ7と接続されている。
第1カバー51の内側面であって、ポンプ側連通路54aの導入口の周辺には、拡開部56が形成されている。拡開部56は、ポンプ側連通路54aに向かって拡開し、かつ軸線に沿って溝状に形成されている。その結果、拡開部56は、ポンプ側連通路54aに近づくにつれて、弁体57の軸線からの距離が大きくなっている。
弁体57は、回転軸58と、第1及び第2弁板59a,59bとを備え、第1の実施形態の弁体30とほぼ同じ構成に形成されている。弁体57は、第1カバー51内に設けられた、接続部を構成する内部空間55内に回転可能に軸支されている。第1及び第2弁板59a,59bは、第1カバー51の内壁面と離間するような長さに形成されている。これにより、第1及び第2弁板59a,59bと第1カバー51の内壁面との間には、隙間としての連通部C3,C4がそれぞれ設けられる。
制御弁50に設けられたロータリーソレノイド39(図4参照)が逆方向に通電制御されて、弁体57が、図7中実線に示すように第2開弁位置に配置されると、第2熱交換流路9に冷却液が優先して流れる。また、第1連通路52aが連通部C3,C4を介してポンプ側連通路54aに連通されることにより、第1熱交換流路8には、最小量の流量が確保される。
そして、ロータリーソレノイド39に対し正方向に電流が供給されると、弁体57が、図7中、端側の2点鎖線で示すように、第2開弁位置から第1開弁位置まで回動する。このとき、第2弁板59bが、第1開弁位置と第2開弁位置の中間である中間位置(図7中、2点鎖線で示す中央の位置)に向かって回動するに従って、第2弁板59bの先端と、拡開部56との間に設けられた連通部C4が徐々に大きくなる。このため、第1連通路52a側からの流量が次第に多くなり、第2弁板59bの両側面で受ける圧力の差が徐々に小さくなる。つまり、拡開部56を設けない場合には、第2弁板59bは、内部空間55内に発生した大きな差圧に抗して回動しなければならないが、第1連通路52aからの流量を増加させることで弁体57で区画される内部空間55の差圧を小さくできる。このた
め、ロータリーソレノイド39の回転トルクを小さくできる。
第3の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(3)第3の実施形態では、弁体57が、第1及び第2熱交換流路8,9の流量を最大にするための第1及び第2開弁位置にそれぞれ配置された際に、第1及び第2弁板59a,59bと第1カバー51との間に設けられた連通部C4,C3を介して、他方の第1及び第2熱交換流路8,9に必要最小限の流量を確保するようにした。このため、制御弁50を簡単な構成とし、しかも第1及び第2熱交換流路8,9に対して必要最小限の流量を確保できる。さらに、弁体30が第1及び第2開弁位置に配置された際に、連通部C3,C4を介して冷却液を流すことにより、弁体57の両側で発生する差圧を小さくすることができる。従って、弁体57の回転トルクを小さくすることができる。
(4)第3の実施形態では、第1カバー51の内側面であって、ポンプ側連通路54aの周囲に拡開部56を形成した。このため、弁体57が、第1開弁位置及び第2開弁位置の間を回動する際に、弁体57と拡開部56との間に設けられた連通部C4の大きさが徐々に大きくなる。従って、弁体57によって区画された内部空間55の差圧が、弁体57が中間位置に近づくにつれて小さくなる。このため、弁体57の回転トルクを小さくすることができる。従って、制御弁50のロータリーソレノイド39の大型化を防止することができる。また、連通部C4が徐々に大きくなることにより、内部空間55内での急激な圧力変化を防止し、冷却液を安定して供給することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明を具体化した第4の実施形態を図8及び図9に従って説明する。尚、第4の実施形態は、第1の実施形態の制御弁20を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
流量制御弁としての制御弁60は、第1カバー61を備え、第1カバー61の周壁部61cには、第1ポート62、第2ポート63、ポンプ側ポート64が突出形成されている。第1ポート62には、油水熱交換器10と連通し、接続部を構成する第1連通路62aが形成され、第2ポート63には、ヒータ用熱交換器11と連通し、接続部を構成する第2連通路63aが形成されている。ポンプ側ポート64には、接続部を構成するポンプ側連通路64aが形成され、サーモスタット5を介してウォーターポンプ7と接続されている。
第1カバー61の内側面であって、第1連通路62aの吐出口と第2連通路63aの吐出口との間には、拡開部66が凹設されている。拡開部66は、弁体69の回動角度とほぼ同じ角度に亘って設けられ、第1カバー61の軸線方向に沿って溝状に形成されている。拡開部66の第1連通路62a側及び第2連通路63a側の端部には、係止部としての係止突部67,68が突出形成されている。
弁体69は、第1カバー61の内部空間65に回動可能に軸支されている。弁体69は、第1の実施形態と同じ構成になっている。この弁体69の回転軸70が、第1カバー61の軸線上に支持されると、第1弁板71が、各係止突部67,68の間に配置され、第2弁板72が、ポンプ側連通路64a側に配置される。
制御弁60に設けられたロータリーソレノイド39(図4参照)に逆方向の電流が流れると、弁体69が、図8中実線に示すように第2開弁位置に配置される。第2開弁位置に配置された弁体69の第1弁板71は、係止突部68と当接する。また、第2弁板72の先端は、第1カバー61の内側面と、連通部C5だけ離間した状態になる。その結果、第2熱交換流路9の流路抵抗が小さくなり、第1熱交換流路8には冷却液が最小量の流量だ
け流れる。
そして、ロータリーソレノイド39に正方向の電流が流れると、弁体69が、第2開弁位置から図8中2点鎖線で示す第1開弁位置まで回動する。このとき、図9に示すように、第1弁板71が係止突部68から僅かに離間すると、第1連通路62aから送出された冷却液が、隙間C6を介して、ポンプ側連通路64aに向かって流れる。そして、第1弁板71が、係止突部67に向かって回動するに従って、隙間C6が徐々に大きくなる。このため、第1連通路62aからの流量が次第に多くなり、第1弁板71の両側面で受ける圧力の差が徐々に小さくなる。つまり、係止突部67,68及び拡開部66を設けない場合には、弁体69は、内部空間65で発生する大きな差圧に抗して回動しなければならないが、第1連通路62aからの流量を増加させることで弁体69で区画される内部空間65の差圧を小さくできる。このため、ロータリーソレノイド39の回転トルクを小さくできる。
第4の実施形態によれば、第3の実施形態の(3)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(5)第4の実施形態では、制御弁60の第1カバー61の内側面に、第1開弁位置及び第2開弁位置の弁体69と当接する係止突部67,68を形成した。そして、各係止突部67,68の間に、各拡開部66を形成した。このため、弁体69が、係止突部67,68の一方と当接した状態から、その係止突部67,68と離間する方向に回動する際に、弁体69とその係止突部67,68との間の隙間C6が徐々に大きくなるようにすることができる。従って、弁体69によって区画された内部空間65の差圧が、中間位置に近づくにつれて小さくなるので、弁体69の回転トルクを小さくすることができる。従って、制御弁50のロータリーソレノイド39の大型化を防止することができる。また、隙間C6が徐々に大きくなるので、急激な圧力変化を防止することができる。また、係止突部67,68を第1カバー61の内側面であって、内部空間65に設けたので、制御弁60を簡素な構成にすることができる。
尚、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、図10に示すような冷却システム75にしてもよい。つまり、第1流路としての第1熱交換流路76を、ウォーターポンプ7の吐出口とエンジンEの導入口とを連通する連通路77から分岐させ、ウォーターポンプ7の圧送する冷却液を、油水熱交換器10に直接送出してもよい。この場合には、油水熱交換器10の導入口側に加わる冷却液の圧力は、ヒータ用熱交換器11の導入口側に加わる圧力よりも大きくなるため、制御弁20は、その圧力差と、各熱交換器10,11の通水抵抗とを、車両条件に適合させるように冷却液の流量の制御(例えば、隙間C1,C2等の開口面積の調節)を行う。
・第3の実施形態では、図11に示す制御弁80のような構成にしてもよい。制御弁80の第1カバー81には、第1及び第2ポート82,83及びポンプ側ポート84が突出形成されている。そして、第1ポート82の第1連通路82a(通路)の吐出口と、第2ポート83の第2連通路83a(通路)の吐出口との間に、拡開部85が形成されている。ポンプ側ポート84には、ポンプ側連通路84a(通路)が形成されている。拡開部85は、弁体86が、第1及び第2開弁位置から中間位置に移動する際に、第1弁板87と拡開部85(内壁面)との間の隙間C7が次第に大きくなるように凹設されている。このようにしても、簡単な構成で、弁体86の回転トルクを小さくできる。
・第4の実施形態では、係止突部67,68を周壁部61cに形成したが、上壁部21a又は封止部34に形成するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、第1及び第2連通部C1,C2、連通部C3〜C5、隙間C6
は、例えば弁体30,47,57,69と上壁部21aとの間等、第1カバー21,41,51,61又は封止部34と、弁体30,47,57,69との間であれば、どこに設けてもよい。また、隙間は、弁体30,47,57,69に貫通形成された孔でもよい。
・上記各実施形態では、制御弁20,40,50,60は、通電方向を変えることによって、弁体30,47,57,69が第1及び第2開弁位置の間を回動するようにしたが、弁体30,47,57,69をいずれか一方の開弁位置にバネ等により付勢し、通電時に他方の開弁位置に配置されるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、制御弁20,40,50,60,80は、各熱交換器10,11の上流側に配置してもよい。
・上記各実施形態では、第1及び第2連通部C1,C2、連通部C3〜C5、隙間C6を、その開口面積(冷却液の流れる方向と略直交する方向の連通部の断面積)を変更することで、流路抵抗を異なるようにしたが、形状を変えることで、流路抵抗を変更してもよい。例えば、一方向に流れるときのみ、その流れを妨害する突部を形成したり、流路長を変更してもよい。
・上記各実施形態では、制御弁20,40,50,60は、ロータリー弁である場合について説明したが、スプール弁、ポペット弁等の弁装置でもよい。例えば、図12に示すように、スプール弁である制御弁100は、そのハウジング102に接続部を構成する流路101を備えている。流路101は、第1熱交換流路8に連通する第1連通路104と、第2熱交換流路9に連通する第2連通路105とを備え、第1連通路104及び第2連通路105は略平行になるように形成されている。また、流路101は、第1連通路104及び第2連通路105よりも下流に、第1連通路104及び第2連通路105が合流するポンプ側通路106を備えている。また、制御弁100は、この流路101内に弁体103を移動可能に配設している。弁体103は、弁部107とシャフト108とを備え、シャフト108の基端部にはソレノイド部109が設けられている。そして、ソレノイド部109の通電方向の制御等によって、弁体103は第1連通路104及び第2連通路105内を移動する。
例えば、ソレノイド部109が逆方向に通電されると、図12中実線に示すように、弁体103は、弁部107が第1連通路104内に配置されるように移動し、これにより、第2連通路105が最大に開路される。また、第1連通路104は、その内壁面と、弁体103の弁部107との間に第1の隙間110が設けられるように形成されている。これにより、第1連通路104(第1熱交換流路8)には、その第1の隙間110を通して第1の流量の冷却液がポンプ側通路106に向って流れるようになっている。
ソレノイド部109が正方向に通電されると、弁体103は図12中2点鎖線に示すように、弁部107が第2連通路105内に配置されるように移動する。第2連通路105は、その内壁面と、弁体103の弁部107との間に、第1の隙間110よりも大きい第2の隙間111が設けられるように形成されている。これにより、第2連通路105(第2熱交換流路9)には、第2の隙間111を通して第2の流量の冷却液がポンプ側通路106に向って流れる。この第2の流量は、前記した第1の流量よりも大きくなっている。
さらに、図13に示すように、ポペット弁である制御弁120は、接続部を構成する流路121が形成されたハウジング122を備え、この流路121内に弁体123を移動可能に配設している。流路121は、第1熱交換流路8に連通する第1連通路124と、第2熱交換流路9に連通する第2連通路125とを備え、第1及び第2連通路124,125は、ハウジング122内に形成された収容室126に連通している。収容室126には、ポンプ側通路127が連通されている。弁体123は、テーパ状に形成された第1弁部
128及び第2弁部129と、第1弁部128及び第2弁部129を軸支するシャフト130とを備えている。第1及び第2弁部128,129の端部には、第1及び第2切り欠き部131,132がそれぞれ設けられ、第2切り欠き部132は第1切り欠き部131よりも大きく形成されている。また、シャフト130の基端部には、ソレノイド部133が設けられている。
ソレノイド部133が、例えば、逆方向に通電されると、弁体123は、図13に示すように右側に移動し、第1弁部128が第1連通路124の吐出口に当接する。このとき、第2連通路125は最大に開路し、第1連通路124は、第1弁部128の第1切り欠き部131と、第1連通路124の内壁面との間の第1の隙間134を介してポンプ側通路127に連通している。これにより、第1連通路124には、第1の流量の冷却液が第1の隙間134を通してポンプ側通路127に向って流れる。ソレノイド部133が、例えば、正方向に通電されると、弁体123は、図13中左側に移動し、図14に示すように、第2弁部129が第2連通路125の吐出口に当接する。このとき、第1連通路124は最大に開路し、第2連通路125は、第2弁部129の第2切り欠き部132と、第2連通路125の内壁面との間の第2の隙間135を介してポンプ側通路127に連通する。このため、第2連通路125には、第2の隙間135を通して、第2の流量の冷却液がポンプ側通路127に向って流れる。この第2の隙間135は、前記した第1の隙間134よりも大きいため、第2の流量は、前記した第1の流量よりも大きくなる。
・上記各実施形態では、エンジン始動時の暖機性を向上するために、サーモスタット5に連通する連通路12の開閉を行うバルブを設けてもよい。
・上記各実施形態では、冷却システム1は、その他の駆動源又は駆動装置を冷却する装置であってもよい。例えば、蓄電器(燃料電池)を用いた車両に搭載され、該蓄電器を冷却するシステムであってもよい。
・上記各実施形態では、油水熱交換器10は、エンジンオイル等、他のオイルの温度調節を行うものであってもよい。また、ヒータ用熱交換器11は、空調装置以外の装置に用いられるものであってもよい。さらに、油水熱交換器10及びヒータ用熱交換器11は、冷媒を用いる熱交換器であればよく、冷媒(被熱交換流体)は、水に限定されることなく、油等の液体、空気等の気体等、流体であればよい。さらに、冷却システム1は、車両以外の装置に搭載されるものであってもよい。
本発明の第1実施形態の冷却システムの模式図。 同冷却システムの制御弁の断面図。 同制御弁の断面図。 同制御弁の要部断面図。 本発明の第2実施形態の制御弁の断面図。 同制御弁の断面図。 本発明の第3実施形態の制御弁の断面図。 本発明の第4実施形態の制御弁の断面図。 同制御弁の断面図。 本発明の別例の冷却システムの模式図。 本発明の別例の制御弁の断面図。 別例の制御弁の模式図。 別例の制御弁の模式図。 別例の制御弁の模式図。
符号の説明
1…冷却システム、2…冷却回路、8,76…第1流路としての第1熱交換流路、9…第2流路としての第2熱交換流路、10…第1熱交換器としての油水熱交換器、11…第2熱交換器としてのヒータ用熱交換器、20,40,50,60,80,100,120…流量制御弁としての制御弁、30,47,57,69,86,103,123…弁体、67,68…係止部としての係止突部、23a,42a,52a,62a,82a,104,124…接続部を構成する第1連通路、24a,43a,53a,63a,83a,105,125…接続部を構成する第2連通路、25a,44a,54a,64a,84a,106,127…接続部を構成するポンプ側通路、C1…第1の隙間としての第1連通部、C2…第2の隙間としての第2連通部、C4…隙間としての連通部、C6…隙間、100,121…接続部を構成する流路、110,134…第1の隙間、111,135…第2の隙間、E…熱源としてのエンジン。

Claims (6)

  1. 第1熱交換器を有する第1流路と第2熱交換器を有する第2流路とが互いに並列に接続される冷却回路に配設され、
    該冷却回路の前記第1流路と前記第2流路との接続部に設けられて、前記第1熱交換器内と前記第2熱交換器内とを流れる冷媒の流量を制御する流量制御弁であって、
    前記接続部内において移動可能に支持される弁体を有し、
    前記接続部の前記第1流路への流路を最大に開路した第1の開弁位置において、前記弁体と前記接続部の内壁との間を通して前記第2流路を流れる前記冷媒の第2の流量と、
    前記接続部の前記第2流路への流路を最大に開路した第2の開弁位置において、前記弁体と前記接続部の内壁との間を通して前記第1流路を流れる前記冷媒の第1の流量とが異なるように形成されていることを特徴とする流量制御弁。
  2. 前記第1熱交換器は、前記冷媒と作動油との間で熱交換する熱交換器であり、前記第2熱交換器は、前記冷媒と空気との間で熱交換する熱交換器であって、
    前記流量制御弁は、前記第1の開弁位置における前記冷媒の第2の流量が、前記第2の開弁位置における前記冷媒の第1の流量よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の流量制御弁。
  3. 前記流量制御弁は、前記第1の開弁位置における前記弁体の端部と前記接続部の内壁との間に形成される第2の隙間が、前記第2の開弁位置における前記弁体の端部と前記接続部の内壁との間に形成される第1の隙間より大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の流量制御弁。
  4. 第1熱交換器を有する第1流路と第2熱交換器を有する第2流路とが互いに並列に接続される冷却回路に配設され、
    該冷却回路の前記第1流路と前記第2流路との接続部に設けられて、前記第1熱交換器内と前記第2熱交換器内とを流れる冷媒の流量を制御する流量制御弁であって、
    前記接続部内において移動可能に支持される弁体を有し、
    前記弁体が、前記接続部の前記第1流路又は前記第2流路への流路を最大に開路した第1の開弁位置又は第2の開弁位置から、該第1の開弁位置と該第2の開弁位置との間の中間位置へ移動するにつれて、前記第2の流路又は前記第1の流路を流れる前記冷媒の流量が増大するように形成されていることを特徴とする流量制御弁。
  5. 前記流量制御弁は、前記弁体が前記第1の開弁位置又は前記第2の開弁位置から前記中間位置へ移動するにつれて、前記弁体と前記接続部の内壁との間に設けられる隙間が拡大するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の流量制御弁。
  6. 前記冷却回路は、車両の駆動源及び駆動装置の少なくとも一つを冷却するための冷却回路であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の流量制御弁。
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