JP2006090201A - 灯油エンジン - Google Patents

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琢盛 吉田
Hiromitsu Matsumoto
廣▲満▼ 松本
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Abstract

【課題】 取り扱いが煩雑で、変質し易いガソリンを燃料として用いることなく、始動から運転続行に至るまで、燃料として灯油を用いることで足りるようにする灯油エンジンを提供する。
【解決手段】 灯油エンジン1は、シリンダ2cと、このシリンダ2cの突出端に取り付けられるシリンダヘッド2eと、燃焼室2jに燃料として灯油7を供給可能とする燃料供給装置5と、シリンダヘッド2eに取り付けられて燃焼室2jに放電部13が臨む点火プラグ14とを備える。シリンダ2cとシリンダヘッド2eとにおける少なくともいずれかの部位を加熱可能とするヒーター27を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、始動から運転続行に至るまで、燃料として灯油を用いることで足りるようにした灯油エンジンに関するものである。
上記灯油エンジンは、燃料費が安価である等の理由から、従来より用いられている。このようなエンジンには、下記特許文献1,2に示されるものがある。
上記公報のものによれば、エンジンは、燃料としてガソリンと灯油とを燃焼室に供給可能する燃料供給装置を備えている。
上記エンジンの始動時には、まず、上記燃料供給装置によりガソリンが燃焼室に供給される。一般に、ガソリンは気化性が高いため、エンジンが低温であるとしても、このエンジンの始動が簡単にできることとされる。そして、エンジンが始動されることにより、ガソリンの燃焼により加熱されると、次に、上記ガソリンの供給が停止させられる一方、燃料供給装置により灯油が供給される。一般に、灯油は気化性が低いが、上記加熱されたエンジンの熱により、灯油の気化が促進される。よって、その後、上記エンジンは灯油を燃料とする運転が続行可能とされる。
特許第2636358号公報 特開平11−241658号公報
ところで、上記したように、従来のエンジンは燃料の一部としてガソリンを用いることとされている。しかし、上記したようにガソリンは気化性が高いため、第1に、このガソリンへの引火防止の点で、燃料の取り扱いが煩雑になりがちである。また、第2に、ガソリンは、その長期保存により変質し易いという問題点もある。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、取り扱いが煩雑で、変質し易いガソリンを燃料として用いることなく、始動から運転続行に至るまで、燃料として灯油を用いることで足りるようにする灯油エンジンを提供することである。
請求項1の発明は、シリンダ2cと、このシリンダ2cの突出端に取り付けられるシリンダヘッド2eと、燃焼室2jに燃料として灯油7を供給可能とする燃料供給装置5と、上記シリンダヘッド2eに取り付けられて上記燃焼室2jに放電部13が臨む点火プラグ14とを備えた灯油エンジンにおいて、
上記シリンダ2cとシリンダヘッド2eとにおける少なくともいずれかの部位を加熱可能とするヒーター27を設けたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記エンジン1を2サイクルエンジン1としたものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明に加えて、上記シリンダ2cとシリンダヘッド2eとのうち、少なくともいずれか一方に冷却水通路18を形成した灯油エンジンにおいて、
上記ヒーター27が、上記冷却水通路18内の冷却水21を加熱するようにしたものである。
請求項4の発明は、特に、図5−7に例示するように、請求項3の発明に加えて、上記ヒーター27が、上記点火プラグ14よりも下側における上記冷却水通路18の冷却水21を加熱するようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項1の発明に加えて、上記点火プラグ14をほぼ中心としてその周りに上記ヒーター27を複数配置したものである。
請求項6の発明は、請求項1の発明に加えて、上記ヒーター27自体が有する雄ねじ30により、上記シリンダヘッド2eに上記ヒーター27をねじ止めしたものである。
請求項7の発明は、請求項3の発明に加えて、上記冷却水21の温度に基づき、上記冷却水通路18を流動する冷却水21の温度を調整するサーモスタット24を設け、このサーモスタット24よりも上側に上記ヒーター27を配置したものである。
請求項8の発明は、請求項1の発明に加えて、上記シリンダヘッド2eの温度を検出する温度検出センサー34を設け、この温度検出センサー34による検出値が所定温度以上のときに、上記エンジン1を始動可能とさせたものである。
請求項9の発明は、請求項1の発明に加えて、上記ヒーター27により加熱される部位をその外方から覆う保温材36を設けたものである。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、シリンダと、このシリンダの突出端に取り付けられるシリンダヘッドと、燃焼室に燃料として灯油を供給可能とする燃料供給装置と、上記シリンダヘッドに取り付けられて上記燃焼室に放電部が臨む点火プラグとを備えた灯油エンジンにおいて、
上記シリンダとシリンダヘッドとにおける少なくともいずれかの部位を加熱可能とするヒーターを設けている。
このため、上記エンジンが低温であるとき、このエンジンの始動に際し、上記シリンダとシリンダヘッドとにおけるいずれかの部位を上記ヒーターにより加熱すれば、これに伴い、上記燃焼室の内面や点火プラグが加熱される。すると、上記燃焼室に供給された灯油は、その圧縮熱に加え上記燃焼室の内面や点火プラグの熱により加熱されてガス化される。よって、上記点火プラグの放電部の放電により、上記エンジンは、より確実に始動させられる。
また、上記エンジンの始動後は、灯油の燃焼熱により、エンジンが加熱される。このため、その後、エンジンは上記ヒーターによる加熱を不要として、運転が続行可能とされる。
つまり、上記エンジンによれば、始動から運転続行に至るまで、ガソリンを用いることなく灯油を用いることで足りる。
請求項2の発明は、上記エンジンを2サイクルエンジンとしている。
ここで、2サイクルエンジンは動弁機構を有しないため、4サイクルのものに比べて、シリンダやシリンダヘッドの熱容量が少ない。このため、上記シリンダやシリンダヘッドをヒーターで加熱するとき、このヒーターの容量は小さくて足りる。
請求項3の発明は、上記シリンダとシリンダヘッドとのうち、少なくともいずれか一方に冷却水通路を形成した灯油エンジンにおいて、
上記ヒーターが、上記冷却水通路内の冷却水を加熱するようにしている。
このため、上記ヒーターにより上記冷却水を加熱すると、この加熱による上記冷却水各部の温度差により、この冷却水は上記冷却水通路内を対流して、上記シリンダとシリンダヘッドが全体的に加熱される。
よって、上記燃焼室の内面や点火プラグが加熱されて、上記灯油がガス化され、これにより、エンジンは、より確実に始動させられる。
請求項4の発明は、上記ヒーターが、上記点火プラグよりも下側における上記冷却水通路の冷却水を加熱するようにしている。
このため、上記ヒーターにより冷却水を加熱すると、この加熱により、より高温となった冷却水の部分は、上昇するよう対流して上記点火プラグ側に向かわされる。
よって、上記点火プラグと、この点火プラグ周りのシリンダヘッドの部位とは上記冷却水の部分により、効果的に加熱される。このため、上記点火プラグの放電部周りの灯油が効果的にガス化され、これにより、エンジン1は、より確実に始動させられる。
請求項5の発明は、上記点火プラグをほぼ中心としてその周りに上記ヒーターを複数配置している。
このため、上記点火プラグ周りのシリンダヘッドの部位が、上記各ヒーターにより、より効果的に加熱される。よって、上記点火プラグ周りの灯油がより効果的にガス化されて、エンジンは更に確実に、かつ、迅速に始動させられる。
請求項6の発明は、上記ヒーター自体が有する雄ねじにより、上記シリンダヘッドに上記ヒーターをねじ止めしている。
このため、上記シリンダヘッドに対しヒーターは直接に接合するため、このヒーターにより上記シリンダヘッドは効果的に加熱される。よって、上記灯油は、より効果的にガス化され、これにより、エンジンは更に確実に、かつ、迅速に始動させられる。
請求項7の発明は、上記冷却水の温度に基づき、上記冷却水通路を流動する冷却水の温度を調整するサーモスタットを設け、このサーモスタットよりも上側に上記ヒーターを配置している。
ここで、上記ヒーターにより冷却水を加熱すると、この加熱により、より高温となった冷却水の高温部分は上昇するよう対流する。このため、この冷却水の高温部分は、上記サーモスタットから離れるよう流動して、上記サーモスタット側に向かうことは防止される。
ここで、仮に、上記冷却水の高温部分が上記サーモスタット側に向かうことにより、このサーモスタットを通る冷却水が高温になったとすると、このサーモスタットは上記冷却水を冷却させるよう働く。すると、この冷却水により、上記シリンダとシリンダヘッドは冷却させられ、上記灯油のガス化が阻害される。
しかし、上記したように、冷却水の高温部分が上記サーモスタット側に向かうことは防止されるため、上記サーモスタットの働きにより、シリンダとシリンダヘッドが冷却されるということは防止される。
よって、上記ヒーターにより、上記点火プラグ側のシリンダヘッドの部位が、より確実に加熱され、灯油のガス化が促進される。
請求項8の発明は、上記シリンダヘッドの温度を検出する温度検出センサーを設け、この温度検出センサーによる検出値が所定温度以上のときに、上記エンジンを始動可能とさせている。
ここで、上記温度検出センサーによる検出値が所定温度未満であるとすると、上記点火プラグ周りの灯油はガス化し難い。このため、上記状態で、点火プラグの放電によりエンジンを始動させようとしても、所望の着火性能は得られず、エンジンは始動不能となりがちである。
そこで、上記したように、シリンダヘッドの温度が所定温度以上のとき、つまり、上記点火プラグ周りの灯油がガス化し易いときに、エンジン1を始動可能とさせている。これによれば、上記点火プラグの放電により、上記エンジンを、より確実に始動させることができる。
請求項9の発明は、上記ヒーターにより加熱される部位をその外方から覆う保温材を設けてある。
このため、上記ヒーターによる加熱時、熱エネルギーロスが生じることは、上記保温材によって、より確実に抑制される。よって、エンジンを、より確実に、かつ、迅速に始動させることができる。
本発明の灯油エンジンに関し、取り扱いが煩雑で、変質し易いガソリンを燃料として用いることなく、始動から運転続行に至るまで、燃料として灯油を用いることで足りるようにする灯油エンジンを提供する、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、灯油エンジンは、シリンダと、このシリンダの突出端に取り付けられるシリンダヘッドと、燃焼室に燃料として灯油を供給可能とする燃料供給装置と、上記シリンダヘッドに取り付けられて上記燃焼室に放電部が臨む点火プラグとを備えている。上記シリンダとシリンダヘッドとにおける少なくともいずれかの部位を加熱可能とするヒーターが設けられる。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1,2に従って説明する。
図1,2において、符号1は、予圧縮式2サイクルの灯油エンジンであり、このエンジン1は、例えば、無人ヘリコプターの駆動源として、このヘリコプターに搭載される。
上記エンジン1のエンジン本体2はアルミ鋳造製である。このエンジン本体2は、ヘリコプターの機体に支持されるクランクケース2aと、このクランクケース2aに回転可能に支持されるクランク軸2bと、上記クランクケース2aから上方に突出するシリンダ2cと、このシリンダ2cの突出端に締結具2dにより取り付けられるシリンダヘッド2eと、上記シリンダ2cの軸心2f上に位置してこのシリンダ2cのシリンダ孔2gに対し軸方向に摺動可能に嵌入されるピストン2hと、上記クランク軸2bと上記ピストン2hとを互いに連動連結させる連接棒2iとを備えている。
上記シリンダ2cの突出端部、シリンダヘッド2e、および上死点近傍のピストン2hとで囲まれた空間が燃焼室2jとされている。また、上記クランクケース2a内のクランク室から燃焼室2jに連通する掃気通路2kが上記シリンダ2cに形成されている。
上記エンジン1は、上記クランクケース2aに連設されるリード弁4と気化器である燃料供給装置5とを備えている。これらリード弁4と燃料供給装置5とは、上記エンジン1の駆動に伴いその外部の空気6を上記クランクケース2a内に吸入させる。また、上記燃料供給装置5により、燃料である灯油7が上記空気6に混入されて混合気が生成される。この混合気は、上記掃気通路2kを通して、上記燃焼室2jに供給可能とされる。
上記エンジン1は、上記シリンダヘッド2eに取り付けられ上記燃焼室2jに放電部13が臨む点火プラグ14と、上記クランク軸2bと連動連結されて、クランキングを可能とする電動式の始動装置15とを備えている。上記点火プラグ14は、上記シリンダ2cのほぼ軸心2f上に配置されている。上記点火プラグ14は、この点火プラグ14が有するねじにより、上記シリンダヘッド2eに直接ねじ止めされている。
上記エンジン1は水冷式の冷却装置17を備えている。この冷却装置17につき、説明すると、上記エンジン本体2のシリンダ2cとシリンダヘッド2eの突出端側とには、それぞれそのほぼ全体にわたり、冷却水通路18が形成されている。上記シリンダ2cの軸方向の中途部に入口部19が形成され、上記シリンダヘッド2eに出口部20が形成されている。上記冷却装置17は、上記クランク軸2bに連動連結されて上記冷却水通路18の入口部19から出口部20側に向かって冷却水21を流動可能とさせる水ポンプ22と、上記出口部20からの冷却水21を流入させる一方、上記水ポンプ22を通し上記入口部19に冷却水21を流動させてこの冷却水21を空冷するラジエータ23と、上記冷却水通路18における冷却水21の温度を調整するサーモスタット24とを備えている。
上記サーモスタット24は、このサーモスタット24を通る冷却水21の温度が所定温度以上になると、上記ラジエータ23で冷却された冷却水21を上記水ポンプ22と入口部19とを通し上記冷却水通路18に供給し(図1中矢印A)、上記冷却水21の温度が過高温になることを防止する。一方、上記サーモスタット24は、このサーモスタット24を通る冷却水21の温度が上記所定温度未満になると、上記出口部20からの冷却水21を上記ラジエータ23で冷却させることなく、上記出口部20から直接に上記水ポンプ22と入口部19とを通し上記冷却水通路18に供給し(図1中矢印B)、上記冷却水21の温度が過冷却されることを防止する。
上記シリンダヘッド2eを加熱可能とする複数(4つ)のヒーター27が設けられている。これら各ヒーター27はシーズタイプの電気ヒーターである。これら各ヒーター27は棒形状をなして、互いに同形同大、かつ、同じ容量を有している。また、これら各ヒーター27はほぼ上記点火プラグ14(軸心2f)を中心としてその周方向にほぼ等間隔に配置されている。
上記ヒーター27は通電により発熱するヒーター本体部28と、このヒーター本体部28を支持する支持部29とを備えている。この支持部29には雄ねじ30が形成されている。一方、上記シリンダヘッド2eには、その外部から上記冷却水通路18にまで貫通し雌ねじを有するねじ孔31が形成されている。上記ねじ孔31に上記支持部29の雄ねじ30がねじ付けられて、上記シリンダヘッド2eにヒーター27が直接に取り付けられている。つまり、上記ヒーター27により、上記ねじ孔31近傍のシリンダヘッド2eの部位が直接に加熱されている。上記ヒーター27とねじ孔31の各軸心32は、上記シリンダ2cの軸心2fと互いに平行とされている。このため、上記ねじ孔31の成形は容易にできる。
また、上記シリンダヘッド2eを介して上記点火プラグ14が間接に加熱される。上記シリンダヘッド2eの冷却水通路18内に上記ヒーター本体部28の他部(突出端部)が位置して、上記冷却水21が直接に加熱されている。この冷却水21を介して上記シリンダヘッド2eと点火プラグ14とが間接に加熱されている。
また、上記ヒーター27の少なくとも一部(雄ねじ30)は、上記サーモスタット24よりも上側に配置されている。
上記シリンダヘッド2eの温度を直接に検出する温度検出センサー34が設けられている。この温度検出センサー34は、上記点火プラグ14と共に上記シリンダヘッド2eに共締めされており、上記シリンダヘッド2eの外面に直接に接合させられている。
上記シリンダ2cとシリンダヘッド2eの外面であって、上記ヒーター27により加熱される部位をその外方から覆う保温材36が設けられている。具体的には、この保温材36は、上記シリンダ2cの上部とシリンダヘッド2eとをそれぞれその外方から全体的に覆っている。上記保温材36は、セラミック断熱塗料を塗布したものや、耐熱材を被覆したもの等である。
上記点火プラグ14、始動装置15、水ポンプ22、ヒーター27および温度検出センサー34と電気的に接続され、これらを電子的に制御する制御装置38が設けられている。また、これらに電力を供給するバッテリ39がスイッチ40を介し設けられている。上記制御装置38には、上記温度検出センサー34の検出信号に基づき温度を可視的に表示する温度表示部41が設けられている。
上記エンジン1を運転する場合には、まず、上記始動装置15によりエンジン本体2をクランキングさせてエンジン1を始動させる。すると、上記燃料供給装置5とリード弁4とを通してエンジン1の外部の空気6がクランクケース2aの内部に吸入されると共に、上記燃料供給装置5を通して灯油7が上記クランクケース2aの内部に吸入される。そして、上記空気6と灯油7とによる混合気が上記クランクケース2aの内部で予圧縮された後、掃気通路2kを通り燃焼室2jに吸入される。ここで、上記点火プラグ14の放電により、上記混合気が着火されて燃焼させられ、これにより、上記クランク軸2bから駆動力が出力される。上記燃焼室2jにおける燃焼ガスは、上記排気通路2lを通り排出される。以下、上記作動が繰り返されて、エンジン1の運転が続行させられる。この場合、上記サーモスタット24の働きにより、前記したように冷却水21が過高温になることや、過冷却になることが防止される。
ところで、上記エンジン1の始動の際、寒冷地などにおいて、上記エンジン1の始動開始時の温度検出センサー34による検出値が所定温度(例えば、75℃)未満であるとすると、上記点火プラグ14の放電部13周りに供給された灯油7はガス化(超微粒化を含む)し難い。このため、上記状態で、上記点火プラグ14の放電部13による放電によりエンジン1を始動させようとしても、所望の着火性能は得られず、エンジン1は始動不能となりがちである。
そこで、上記したように、温度検出センサー34による検出によるシリンダヘッド2eの温度が所定温度未満の場合には、上記制御装置38の制御によりヒーター27がオンされて、上記シリンダヘッド2eと冷却水通路18内の冷却水21とが加熱される。そして、この加熱により、上記燃焼室2jの内面と点火プラグ14とが加熱される。
上記ヒーター27による加熱により、シリンダヘッド2eの温度が上記所定温度以上になれば、上記点火プラグ14の放電部13周りに供給された灯油7がガス化し易くなって所定の着火性能が得られる。よって、上記点火プラグ14の放電により、上記エンジン1をより確実に始動させることができる。そこで、上記制御装置38の制御により、上記温度検出センサー34の検出値が所定以上になれば、初めて、エンジン1が始動可能とされている。
なお、上記所定温度は80−85℃であることが、より所望のガス化を得る点で好ましい。一方、上記所定温度が85℃を越えると、ヒーター27による電力消費が無用に大きくなって、好ましくない。また、上記エンジン1の始動は、上記温度検出センサー34による検出値が上記所定温度に達したとき自動的に開始されるようにしてもよい。また、エンジン1が始動されたこと、もしくは、温度検出センサー34の検出による温度が上記所定温度以上のある設定値になったことに基づき、上記ヒーター27を自動的にオフさせるようにしてもよい。
なお、以上は図示の例によるが、上記エンジン1は4サイクルエンジンであってもよく、車両や船に搭載されたり、産業機械に用いられたりするものであってもよい。また、上記シリンダ2cの軸心2fは鉛直線に対し傾斜していてもよく、直交していてもよい。また、上記燃料供給装置5は燃料噴射により灯油7を噴射して、上記燃焼室2jに直接もしくは間接に供給するものであってもよい。また、上記冷却水通路18は上記シリンダ2cとシリンダヘッド2eのいずれか一方にのみ形成されたものでもよい。
また、上記ヒーター27はシリンダ2cの突出端側とシリンダヘッド2eとのうち、少なくともいずれか一方のみを加熱するものであってもよく、エンジン本体2と冷却水通路18のうち、少なくともいずれか一方のみを加熱するものであってもよい。また、上記温度検出センサー34は、上記シリンダ2cとシリンダヘッド2eの冷却水通路18のうち、少なくともいずれか一方の冷却水通路18における冷却水21の温度を検出し、この検出に基づき、上記シリンダヘッド2eの温度を間接に検出するようにしてもよい。
上記構成によれば、シリンダ2cとシリンダヘッド2eとにおける少なくともいずれかの部位を加熱可能とするヒーター27を設けている。
このため、上記エンジン1が低温であるとき、このエンジン1の始動に際し、上記シリンダ2cとシリンダヘッド2eとにおけるいずれかの部位を上記ヒーター27により加熱すれば、これに伴い、上記燃焼室2jの内面や点火プラグ14が加熱される。すると、上記燃焼室2jに供給された灯油7は、その圧縮熱に加え上記燃焼室2jの内面や点火プラグ14の熱により加熱されてガス化される。よって、上記点火プラグ14の放電部13の放電により、上記エンジン1は、より確実に始動させられる。
また、上記エンジン1の始動後は、灯油7の燃焼熱により、エンジン1が加熱される。このため、その後、エンジン1は上記ヒーター27による加熱を不要として、運転が続行可能とされる。
つまり、上記エンジン1によれば、始動から運転続行に至るまで、ガソリンを用いることなく灯油7のみを用いることで足りる。
また、前記したように、エンジン1を2サイクルエンジン1としている。
ここで、2サイクルエンジン1は動弁機構を有しないため、4サイクルのものに比べて、シリンダ2cやシリンダヘッド2eの熱容量が少ない。このため、上記シリンダ2cやシリンダヘッド2eをヒーター27で加熱するとき、このヒーター27の容量は小さくて足りる。
なお、空冷式のエンジン1では、シリンダ2cやシリンダヘッド2eに空冷用の放熱フィンを有している。このため、上記のようにヒーター27で加熱しても、上記放熱フィンからの放熱ロスが大となる。そこで、上記のようにヒーター27を設けるエンジン1は、前記のように水冷式エンジン1であることが好ましい。
また、前記したように、シリンダ2cとシリンダヘッド2eとのうち、少なくともいずれか一方に冷却水通路18を形成し、この冷却水通路18をその入口部19から出口部20に向かって冷却水21を流動可能とする灯油エンジンにおいて、
上記ヒーター27が、上記冷却水通路18内の冷却水21を加熱するようにしている。
このため、上記ヒーター27により上記冷却水21を加熱すると、この加熱による上記冷却水21各部の温度差により、この冷却水21は上記冷却水通路18内を対流して、上記シリンダ2cとシリンダヘッド2eが全体的に加熱される。
よって、上記燃焼室2jの内面や点火プラグ14が加熱されて、上記灯油7がガス化され、これにより、エンジン1は、より確実に始動させられる。
また、前記したように、点火プラグ14をほぼ中心としてその周りに上記ヒーター27を複数配置している。
このため、上記点火プラグ14周りのシリンダヘッド2eの部位が、上記各ヒーター27により、より効果的に加熱される。よって、上記点火プラグ14周りの灯油7がより効果的にガス化されて、エンジン1は更に確実に、かつ、迅速に始動させられる。
また、前記したように、ヒーター27自体が有する雄ねじ30により、上記シリンダヘッド2eに上記ヒーター27をねじ止めしている。
このため、上記シリンダヘッド2eに対しヒーター27は直接に接合するため、このヒーター27により上記シリンダヘッド2eは効果的に加熱される。よって、上記灯油7は、より効果的にガス化され、これにより、エンジン1は更に確実に、かつ、迅速に始動させられる。
また、前記したように、冷却水21の温度に基づき、上記冷却水通路18を流動する冷却水21の温度を調整するサーモスタット24を設け、このサーモスタット24よりも上側に上記ヒーター27を配置している。
ここで、上記ヒーター27により冷却水21を加熱すると、この加熱により、より高温となった冷却水21の高温部分は上昇するよう対流する。このため、この冷却水21の高温部分は、上記サーモスタット24から離れるよう流動して、上記サーモスタット24側に向かうことは防止される。
ここで、仮に、上記冷却水21の高温部分が上記サーモスタット24側に向かうことにより、このサーモスタット24を通る冷却水21が高温になったとすると、このサーモスタット24は上記冷却水21を冷却させるよう働く。すると、この冷却水21により、上記シリンダ2cとシリンダヘッド2eは冷却させられ、上記灯油7のガス化が阻害される。
しかし、上記したように、冷却水21の高温部分が上記サーモスタット24側に向かうことは防止されるため、上記サーモスタット24の働きにより、シリンダ2cとシリンダヘッド2eが冷却されるということは防止される。
よって、上記ヒーター27により、上記点火プラグ14側のシリンダヘッド2eの部位が、より確実に加熱され、灯油7のガス化が促進される。
また、前記したように、シリンダヘッド2eの温度を検出する温度検出センサー34を設け、この温度検出センサー34による検出値が所定温度以上のときに、上記エンジン1を始動可能とさせている。
ここで、上記温度検出センサー34による検出値が所定温度未満であるとすると、上記点火プラグ14周りの灯油7はガス化し難い。このため、上記状態で、点火プラグ14の放電によりエンジン1を始動させようとしても、所望の着火性能は得られず、エンジン1は始動不能となりがちである。
そこで、上記したように、シリンダヘッド2eの温度が所定温度以上のとき、つまり、上記点火プラグ14周りの灯油7がガス化し易いときに、エンジン1を始動可能とさせている。これによれば、上記点火プラグ14の放電により、上記エンジン1を、より確実に始動させることができる。
なお、上記シリンダヘッド2eの温度の検出は、このシリンダヘッド2eの近傍における冷却水通路18の冷却水21の温度を検出することにより、上記シリンダヘッド2eの温度を間接的に検出するものであってもよい。
また、前記したように、ヒーター27により加熱される部位をその外方から覆う保温材36を設けている。
このため、上記ヒーター27による加熱時、熱エネルギーロスが生じることは、上記保温材36によって、より確実に抑制される。よって、エンジン1を、より確実に、かつ、迅速に始動させることができる。
なお、上記エンジン1は、有人、無人を問わず車両、船、飛行機などの乗り物の駆動源としてもよく、産業機械などの駆動源としてもよい。
以下の各図は、実施例2−4を示している。これら各実施例は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図3,4に従って説明する。
図3,4において、上記ヒーター27とねじ孔31の各軸心32は、上記シリンダ2cの軸方向で、このシリンダ2cから離れるに従いこのシリンダ2cの軸心2fから離れるよう傾斜している。このため、上記点火プラグ14の周りの作業空間を大きくできて、この点火プラグ14への保守、点検作業など、作業性が向上する。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例3を添付の図5,6に従って説明する。
上記シリンダ2cの軸心2fは、ほぼ水平に延びている。上記各ヒーター27の軸心32は互いにほぼ平行に、かつ、それぞれほぼ鉛直方向に延びている。
また、上記各ヒーター27の全てが、上記点火プラグ14よりも下側における上記冷却水通路18の冷却水21を加熱することとされている。
このため、上記ヒーター27により冷却水21を加熱すると、この加熱により、より高温となった冷却水21の部分は、上昇するよう対流して上記点火プラグ14側に向かわされる。
よって、上記点火プラグ14と、この点火プラグ14周りのシリンダヘッド2eの部位とは上記冷却水21の部分により、効果的に加熱される。このため、上記点火プラグ14の放電部13周りの灯油7が効果的にガス化され、これによりエンジン1は、より確実に始動させられる。
なお、図5中一点鎖線で示すように、温度検出センサー34により、シリンダヘッド2eの近傍における冷却水通路18の冷却水21の温度を検出するようにして、この検出により、上記シリンダヘッド2eの温度を間接的に検出するようにしてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例4を添付の図7に従って説明する。
図7において、上記各ヒーター27は上記シリンダ2cの軸心2fを中心として放射状となるよう配置されている。
他の構成は、前記実施例3と同様である。
実施例1を示し、エンジンの側面断面図である。 実施例1を示し、エンジンの平面部分図である。 実施例2を示し、図1の一部に相当する図である。 実施例2を示し、エンジンの平面部分断面図である。 実施例3を示し、図1に相当する図である。 実施例3を示し、シリンダヘッドの正面部分断面図である。 実施例4を示し、図6に相当する図である。
符号の説明
1 エンジン
2 エンジン本体
2a クランクケース
2b クランク軸
2c シリンダ
2e シリンダヘッド
2f 軸心
2j 燃焼室
5 燃料供給装置
6 空気
7 灯油
13 放電部
14 点火プラグ
15 始動装置
17 冷却装置
18 冷却水通路
19 入口部
20 出口部
21 冷却水
22 水ポンプ
23 ラジエータ
24 サーモスタット
27 ヒーター
30 雄ねじ
34 温度検出センサー
36 保温材
38 制御装置

Claims (9)

  1. シリンダと、このシリンダの突出端に取り付けられるシリンダヘッドと、燃焼室に燃料として灯油を供給可能とする燃料供給装置と、上記シリンダヘッドに取り付けられて上記燃焼室に放電部が臨む点火プラグとを備えた灯油エンジンにおいて、
    上記シリンダとシリンダヘッドとにおける少なくともいずれかの部位を加熱可能とするヒーターを設けたことを特徴とする灯油エンジン。
  2. 上記エンジンを2サイクルエンジンとしたことを特徴とする請求項1に記載の灯油エンジン。
  3. 上記シリンダとシリンダヘッドとのうち、少なくともいずれか一方に冷却水通路を形成した灯油エンジンにおいて、
    上記ヒーターが、上記冷却水通路内の冷却水を加熱するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の灯油エンジン。
  4. 上記ヒーターが、上記点火プラグよりも下側における上記冷却水通路の冷却水を加熱するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の灯油エンジン。
  5. 上記点火プラグをほぼ中心としてその周りに上記ヒーターを複数配置したことを特徴とする請求項1に記載の灯油エンジン。
  6. 上記ヒーター自体が有する雄ねじにより、上記シリンダヘッドに上記ヒーターをねじ止めしたことを特徴とする請求項1に記載の灯油エンジン。
  7. 上記冷却水の温度に基づき、上記冷却水通路を流動する冷却水の温度を調整するサーモスタットを設け、このサーモスタットよりも上側に上記ヒーターを配置したことを特徴とする請求項3に記載の灯油エンジン。
  8. 上記シリンダヘッドの温度を検出する温度検出センサーを設け、この温度検出センサーによる検出値が所定温度以上のときに、上記エンジンを始動可能とさせたことを特徴とする請求項1に記載の灯油エンジン。
  9. 上記ヒーターにより加熱される部位をその外方から覆う保温材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の灯油エンジン。
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