JP2006089780A - 原料気化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気化すべき原料を収容する容器110と、容器110を加熱する加熱ユニット120とを有し、容器110内で気化された原料を成膜チャンバ1へ供給し得る原料気化装置において、容器110の底面113から上方に向けて突出する複数の環状の突起114を形成し、突起114を下方に向けて末広がる傾斜面114aを画定するように形成する、構成を採用した。これによれば、原料と容器110との接触面積が拡大して単位時間当たりの気化量を増加させることができるとともに、傾斜面114aの作用により原料の移動、崩落が促されて安定した気化量を継続して得ることができる。
【選択図】 図1
Description
上記の原料気化装置では、成膜速度を向上させるために、短時間により多量の成膜原料を気化するとともに、安定した量の原料ガスを供給できるようにすることが求められている。このため、上記の特許文献1は、容器にヒータを内蔵することにより原料を効率よく加熱する技術を開示しており、上記の特許文献2は、容器内にフィンを設けて外部からの熱を効率良く原料に伝達する技術を開示している。
また、原料に粉末状の原料を用いた場合には、容器に直接触れる原料が気化したのちに容器と原料との間に隙間が形成されやすく、この隙間が形成された領域では気化量が低下し、粉末状の原料が崩落して隙間がなくなるまでは気化量が回復しない。このため、気化量が低下するとともに、気化量がばらつき、安定した成膜を行えない。この問題は、容器内に上記のフィンを設けた場合にも原料とフィンとの間で同様に発生し得る。
この構成によれば、容器内に収容した原料の容器との接触面積が複数の突起により増大するので、原料の単位時間当たりの気化量は増大する。すなわち、加熱手段によって加熱される容器に原料が直接触れる面積が増加するので、単位時間当たりの気化量を増加させることができる。
また、突起の傾斜面は、粉末状の原料の気化が進むのに伴って原料の自重による移動、崩落を促すように作用する。すなわち、原料が気化した後の傾斜面には、未だ気化していない原料が自重による移動、崩落により新たに供給される。このため、原料と傾斜面との接触状態を安定的に保つことができ、単位時間当たりの気化量を一定レベルに維持することができる。
この構成によれば、突起の形状を環状にすることにより、各突起における温度のむらの発生を防ぐことができ、突起内において気化量がばらつくのを防ぐことができる。また、複数の突起を、同心をもつ環状に配列したことにより容器に収容した原料に対して容器の外周側から中心部にわたって効率良く熱を伝えることができる。
この構成によれば、複数の突起を円錐状または角錐状に形成することにより、突起の表面積を大きくすることができると同時に、原料の自重による移動、崩落を促す傾斜面を形成することができる。
構成を採用できる。
この構成によれば、高熱伝導率をもつ伝熱部材は、加熱手段からの熱を突起の表面に効率良く伝達するため、加熱手段を容器に内蔵することなく突起の表面に十分な熱量を伝達することができる。
この構成によれば、容器の内壁面から離れた容器の中心部に存在する原料に対しても効率良く熱を伝えることができて単位時間当たりの気化量を増加させることができるとともに、容器内における気化量にむらが生じるのを防ぐことができる。
この構成によれば、容器をむらなく加熱することができ容器内における気化量のむらの発生を防ぐことができるとともに、加熱手段による制約を受けずに容器を形成することができ、複数の突起を容器に一体的に形成することが容易となる。
構成を採用できる。
この構成によれば、粉末状の原料の崩落をさらに促進させることができる。
この構成によれば、容器内にキャリアガスを導入することにより、原料の気化が促進され、単位時間当たりの気化量を増大させることができる。
図1ないし図4は、本発明に係る原料気化装置の一実施形態を示すものであり、図1は本発明の原料気化装置を備えた成膜システムの概略構成図であり、図2は原料気化装置の内部構造を示す断面図、図3(a)は容器の蓋を取り外した状態の原料気化装置の上面図、図3(b)は容器における突起の斜視図、及び図4は容器内の突起の作用を説明するための図である。
成膜チャンバ1は、原料気化装置100から供給される原料ガスを内部に設置した基板5に吸着させて薄膜を形成する成膜処理を行うためのものであり、成膜チャンバ1の内部は大気から遮断されている。排気ポンプ4は、成膜チャンバ1内を必要に応じて排気、減圧する。
キャリアガスCGは、容器110内に収容される原料の気化を促進させる等の役割を果たす。キャリアガスCGには、例えば、窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。
この原料気化装置100は、図1ないし図3に示すように、容器110、加熱手段としての加熱ユニット120、加熱ユニット120の外周を囲繞するカバー20等から構成される。
突起114は、それぞれ同心をもつ環状に配列して形成されていると共に、下方に向けて末広がる傾斜面114aを画定するように形成されている。尚、これらの突起114は、略同じ突出高さになるように形成されている。
また、各突起114のもつ2つの傾斜面114aは、上方に向かって先細りとなるように傾斜しており、各突起114の上端部はエッジ状に形成されている。
また、隣接する傾斜面114a間及び最外周に位置する傾斜面114aと容器110の内壁面112との間には、断面形状がV字状の溝が形成されている。
なお、本実施形態では、加熱ユニット120を容器110の外側に配置し、加熱ユニット120と容器110とを別体としているが、このように構成することで、加熱ユニット120による制約を受けることなく容器110を形成することができるので、容器110に複数の突起114を一体的に形成することが容易にでき、また、突起114の形状や寸法を任意に設定することができる。
容器110の内部に、薄膜を形成するのに用いる原料30を収容する。原料30は、例えば、粉末状の固体原料であり、加熱により昇華する性質を有する。
原料30を容器110に収容すると、図4に示すように、複数の突起114間の溝や突起114と容器110の内壁面112との間の溝に粉末状の原料30が満たされる。
領域Rに存在する原料30は、昇華することにより上昇し、蓋部215に接続された原料ガス送出管2を通じて成膜室1へ送出される。
一方、領域Rに存在する原料30が気化すると、領域Rに存在していた原料30がなくなるが、突起114の表面である傾斜面114aが粉末状の原料30の自重による下方への移動や崩落を促すので、原料30が気化したのちにも継続的に新たな原料30が領域Rへ供給される。これにより、突起114の表面と原料30との間の接触状態が継続して安定的に保たれる。この結果、単位時間当たりの気化量が安定し、一定量の原料ガスを安定的に供給することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、複数の突起114の上端部をエッジ状に形成したので、このエッジ状の上端部のせん断作用により粉末状の原料30の崩落をさらに促進することができる。
本実施形態に係る原料気化装置200と上述した原料気化装置100との間で異なる構成は、容器内に形成する突起の形状である。
複数の突起214は、それぞれ同心をもつ環状に配列して形成されているとともに、下方に向けて末広がる傾斜面214aを画定するように形成されている。
また、複数の突起214は、容器210の中心に向かうに連れて突出高さが増加するように形成されている。すなわち、容器210の中心に最も近い突起210の突出高さが最も高く、容器210の中心から最も離れた突起210の突出高さが最も低くなるように形成されている。
原料気化装置300と上述した実施形態に係る原料気化装置100との間で異なる構成は、容器の突起の内部に容器の形成材料よりも熱伝導率の高い材料からなる伝熱部材を埋め込んだ点である。
複数の突起314は、それぞれ同心をもつ環状に配列して形成されているとともに、下方に向けて末広がる傾斜面314aを画定するように形成されている。
伝熱部材140は、容器310の形成材料よりも高い熱伝導率を有する材料で形成されている。容器310の形成材料がステンレススチールの場合には、伝熱部材は、たとえば、銅合金などのステンレススチールよりも熱伝導率の高い金属材料で形成される。
伝熱部材140の下端面は、容器310の下端面から露出しており、加熱ユニット120に直接接触している。これにより、伝熱部材140は加熱ユニット120により直接加熱される。
原料気化装置400と上述した実施形態に係る原料気化装置100との間で異なる点は、容器内に形成する突起の形状である。
また、複数の突起414の上端部は尖鋭に形成され、この尖鋭な上端部が容器410内に収容された粉末状の原料30を貫くことで原料30の崩落をさらに促進することができる。
さらに、突起414は、容器210の中心に向かうに連れて突出高さが増加するように形成することにより、図5において説明した実施形態と同様に、容器410の中心部に存在する原料30への熱の伝達量を増加させ、単位時間当たりの気化量をさらに増加させることが可能となる。
また、上述した実施形態では、原料として粉末状のものを用いた場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、本発明は固体状態(固形状態)あるいは液体状態の原料にも適用可能である。
また、上述した実施形態では、環状の突起を3重に配列した場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、2重または4重以上の環状の突起とすることも可能である。
また、上述した実施形態では、原料気化装置を成膜処理に用いた場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、原料気化装置をエッチング処理に用いることも可能である。
また、上述した実施形態では、加熱ユニットと容器とを別体としたが、これに限定されるわけではなく、容器に加熱手段を内蔵することも可能である。
また、上述した実施形態では、成膜チャンバに1台の原料気化装置を接続した場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、それぞれ異なる原料を気化する複数台の原料気化装置を接続することができる。
2…原料ガス送出管
3…キャリアガス導入管
4…排気ポンプ
30…原料
100,200,300,400…原料気化装置
110,210,310,410…容器
113,213,313,413…底面
114,214,314,414…突起
114a,214a,314a,414a…傾斜面
120…加熱ユニット(加熱手段)
130…カバー
140…伝熱部材
G…原料ガス
CG…キャリアガス
Claims (8)
- 気化すべき原料を収容する容器と、前記容器を加熱する加熱手段と、を備え、前記容器内で気化された原料を所定の処理領域に供給し得る原料気化装置であって、
前記容器は、その底面から上方に向かって突出する複数の突起を有し、
前記複数の突起は、下方に向けて末広がる傾斜面を画定するように形成されている、
ことを特徴とする原料気化装置。 - 前記複数の突起は、それぞれ同心をもつ環状に配列して形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の原料気化装置。 - 前記複数の突起は、それぞれ円錐状または角錐状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の原料気化装置。 - 前記複数の突起は、前記容器の中心に向かうに連れてその突出高さが増加するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の原料気化装置。 - 前記複数の突起には、前記容器の形成材料よりも高い熱伝導率をもつ材料からなりかつ前記加熱手段により加熱される伝熱部材が埋設されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の原料気化装置。 - 前記加熱手段は、前記容器の外壁面を加熱する加熱ユニットである、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の原料気化装置。 - 前記複数の突起は、その上端部がエッジ状または尖鋭に形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の原料気化装置。 - 前記容器は、その内部にキャリアガスを導くための導入口を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の原料気化装置。
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