JP2006088100A - 板状ホルムアルデヒド捕捉材 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、建材あるいは家具等の接着剤に含有され、シックハウス症候群の原因物質とされている、ホルムアルデヒドによる空気汚染を軽減するための板状ホルムアルデヒド捕捉材に関するものである。
より詳しくは、本発明は、箪笥内、壁、ピアノ上あるいは箪笥上等に配置し、シックハウス症候群の原因物質とされているホルムアルデヒドをキトサンを用いて捕捉することにより空気汚染を軽減するものであり、キトサンによるホルムアルデヒド捕捉状況を把握し、交換時期を簡便に認識できる板状ホルムアルデヒド捕捉材に関するものである。
より詳しくは、本発明は、箪笥内、壁、ピアノ上あるいは箪笥上等に配置し、シックハウス症候群の原因物質とされているホルムアルデヒドをキトサンを用いて捕捉することにより空気汚染を軽減するものであり、キトサンによるホルムアルデヒド捕捉状況を把握し、交換時期を簡便に認識できる板状ホルムアルデヒド捕捉材に関するものである。
[先行技術文献]
特開平11−128329号公報
特開2003−207498
特開平8−199497号公報
特許第2717635号公報
建材あるいは家具等には接着剤等の各種有機化合物が使用されており、その結果人体等に悪影響を及ぼす虞のあるVOC(揮発性有機化合物、以下同じ)が発生して室内空気を汚染することになり、最近それがシックハウス症候群ということで取り上げられ問題になっている。
特に、VOCの中でもホルムアルデヒド(化学式:HCHO)は、例えばフローリング材等に用いられる合板材あるいは家具の製造に用いられるフェノール系、尿素系またはメラミン系を主成分とした接着剤に多量に含有されていて、室内空間に多量に放出されるため室内空間を汚染する主要物質になっている。
特に、VOCの中でもホルムアルデヒド(化学式:HCHO)は、例えばフローリング材等に用いられる合板材あるいは家具の製造に用いられるフェノール系、尿素系またはメラミン系を主成分とした接着剤に多量に含有されていて、室内空間に多量に放出されるため室内空間を汚染する主要物質になっている。
このようなことから、最近シックハウス症候群に対処するということで各種提案がなされているが、この問題への対処については、このシックハウス症候群が問題になる以前から多くの対策のための提案がなされており、それには次のようなものがある。
(a)ホルムアルデヒドを含有しない接着剤あるいはホルムアルデヒドの少ない接着剤を使用して建材や家具を製造する方法。
(b)ホルムアルデヒドを吸着または反応固定する何らかの物質を合板類に塗布してホルムアルデヒドの放出を抑制する方法。
(c)ホルムアルデヒドを触媒反応により分解する物質を基布に展着したシート又は壁紙を室内面に設ける方法。
(d)空気清浄器を使用して活性炭により空気中のホルムアルデヒドを除去する方法。 (f)室内換気によって室内のホルムアルデヒド濃度を低減させる方法。
(a)ホルムアルデヒドを含有しない接着剤あるいはホルムアルデヒドの少ない接着剤を使用して建材や家具を製造する方法。
(b)ホルムアルデヒドを吸着または反応固定する何らかの物質を合板類に塗布してホルムアルデヒドの放出を抑制する方法。
(c)ホルムアルデヒドを触媒反応により分解する物質を基布に展着したシート又は壁紙を室内面に設ける方法。
(d)空気清浄器を使用して活性炭により空気中のホルムアルデヒドを除去する方法。 (f)室内換気によって室内のホルムアルデヒド濃度を低減させる方法。
しかしながら、これら提案には、次のような問題がある。
すなわち、(a)のホルムアルデヒドを含有しない又はホルムアルデヒドの含有量が少ない接着剤は、ホルムアルデヒドを含有している接着剤に比べて、接着性能に劣る上、極めて高価であるため、大幅なコスト増を招くという問題があった。
しかも、既設の建物には、大規模な改修工事を行わない限り、実施することができず、抜本的な解決策とは言えない。
さらに、(b)のホルムアルデヒドを吸着又は反応固定する従来の物質は、ホルムアルデヒド捕捉効果や持続性、又は家具や建材等に与える材質面での影響や質感の面で、あまり優れているとは言えない。
すなわち、(a)のホルムアルデヒドを含有しない又はホルムアルデヒドの含有量が少ない接着剤は、ホルムアルデヒドを含有している接着剤に比べて、接着性能に劣る上、極めて高価であるため、大幅なコスト増を招くという問題があった。
しかも、既設の建物には、大規模な改修工事を行わない限り、実施することができず、抜本的な解決策とは言えない。
さらに、(b)のホルムアルデヒドを吸着又は反応固定する従来の物質は、ホルムアルデヒド捕捉効果や持続性、又は家具や建材等に与える材質面での影響や質感の面で、あまり優れているとは言えない。
そして、(c)の触媒反応により分解する物質は、分解生成物として新たな別のガス状物質が生成されて空気中に放出されるという問題があった。
さらに、(d)の活性炭は、ホルムアルデヒドを物理的に吸着除去するものの、温度の影響を受けやすい上、あまり大きな吸着容量を備えていなかった。
その上、活性炭は、色彩や加工の面で問題があり、壁紙を始めとする仕上材等への応用が難しかった。
また、(f)の方法は、手軽な方法である反面、換気に空調等を用いなければならず、大きなエネルギーロスを招くという問題があった。
さらに、(d)の活性炭は、ホルムアルデヒドを物理的に吸着除去するものの、温度の影響を受けやすい上、あまり大きな吸着容量を備えていなかった。
その上、活性炭は、色彩や加工の面で問題があり、壁紙を始めとする仕上材等への応用が難しかった。
また、(f)の方法は、手軽な方法である反面、換気に空調等を用いなければならず、大きなエネルギーロスを招くという問題があった。
以上のとおりであるから、ホルムアルデヒド等のVOCに対する従前の対策は、充分なものではなく、これを解消することのできるホルムアルデヒド対処技術の開発が望まれており、そのようなことからホルムアルデヒドの捕捉性能に優れ、家具や建材等に与える影響が少なく、かつ仕上材等他への応用が容易な新しい捕捉物質としてアンモニウム塩を用いるホルムアルデヒド捕捉材が最近提案された(特許文献1)。
しかも、この提案においては、捕捉物質とホルムアルデヒドとにより生成した酸性物質を検知して発色する指示薬を用いることにより捕捉状況を視認し、交換時期を認識できること、及びその指示薬としてpH指示薬が利用できることも開示している。
しかも、この提案においては、捕捉物質とホルムアルデヒドとにより生成した酸性物質を検知して発色する指示薬を用いることにより捕捉状況を視認し、交換時期を認識できること、及びその指示薬としてpH指示薬が利用できることも開示している。
また、前記指示薬とは別に、シックハウス症候群の原因物質とされるホルムアルデヒドを手軽に検知する技術の必要性も急速に増しており、これに対処することができる、ホルムアルデヒドと接触することにより発色する検知物質も最近提案されており(特許文献2)、それは下記一般式(1)で示される化合物であり、特に好ましくは下記一般式(2)で示される化合物である。
前記のとおりではるが、前者のホルムアルデヒド捕捉材においては、ホルムアルデヒド捕捉物質が水溶性であり、抄紙時に紙中にアンモニウム塩を簡便に内填することは難しく、かつ使用時に容器からこぼれた水に捕捉材が接触した場合には、化学物質が溶出するという難点がある。
そこで、本発明者らは、この問題を解消すべく鋭意研究開発に努め、その結果、抗菌及び防臭性能を有することが知られている(特許文献3及び4)キトサンにホルムアルデヒド捕捉性能があることを見出し、その知見に加えて更なる工夫を行うことにより開発に成功したのが本発明である。
そこで、本発明者らは、この問題を解消すべく鋭意研究開発に努め、その結果、抗菌及び防臭性能を有することが知られている(特許文献3及び4)キトサンにホルムアルデヒド捕捉性能があることを見出し、その知見に加えて更なる工夫を行うことにより開発に成功したのが本発明である。
すなわち、本発明者らは、安定性及び安全性に優れ、かつ水に不溶性で、天然物由来の物質であって、ホルムアルデヒドの捕捉性に優れた物質を開発すべく、各種物質に関しホルムアルデヒド捕捉性能を試験したところ、ズワイガニの甲殻を酸及びアルカリで処理して得られるキチンを更に脱アセチル化して得れるキトサンに優れたホルムアルデヒド捕捉性能があることを見出した。
さらに、そのキトサンは前記したとおり水に不溶性であることから、抄紙技術により、それを内填した紙を比較的に簡便に製造できることが既知であり(特許文献3及び4)、そのことも本発明の開発に良好な結果をもたらすことになる。
さらに、そのキトサンは前記したとおり水に不溶性であることから、抄紙技術により、それを内填した紙を比較的に簡便に製造できることが既知であり(特許文献3及び4)、そのことも本発明の開発に良好な結果をもたらすことになる。
また、本発明においては、ホルムアルデヒドの捕捉は、先行技術において使用されるアンモニウム塩により行われるものではなく、ホルムアルデヒド捕捉後に酸性物質が生成するものではないから、pH指示薬等の発色する指示薬により捕捉状況を視認し、交換時期を認識できることはできないが、最近開発された前記一般式(1)で示される化合物等のホルムアルデヒド検知用発色剤がをシートの片面に塗布又は含浸させることにより捕捉状況を視認し、交換時期を簡便に認識できることも判明した。
さらに、ホルムアルデヒド検知用発色剤が塗布又は含浸された表面に透明樹脂をコーティングすることにより、捕捉状況をより的確に視認でき、より的確な交換時期を簡便に認識できることも判明した。
さらに、ホルムアルデヒド検知用発色剤が塗布又は含浸された表面に透明樹脂をコーティングすることにより、捕捉状況をより的確に視認でき、より的確な交換時期を簡便に認識できることも判明した。
以上のとおりであるから、本発明は、安定性及び安全性に優れ、かつホルムアルデヒド捕捉物質を内填した板状ホルムアルデヒド捕捉材を、抄紙技術等により比較的簡便に製造でき、しかもホルムアルデヒド捕捉状況を的確に視認でき、より的確な交換時期を簡便に認識できる板状ホルムアルデヒド捕捉材を提供することを発明の解決すべき課題、すなわち目的とするものである。
本発明は、前記課題を解決する板状ホルムアルデヒド捕捉材を提供するものであり、その捕捉材は、キトサンを内填するシートであって、そのシートの片面にホルムアルデヒド検知用発色剤層が形成されていることを特徴とするものであり、好ましくはホルムアルデヒド検知用発色剤が塗布又は含浸されている表面に樹脂がコーティングされているのがよい。
また、ホルムアルデヒド検知用発色剤は下記一般式(1)で表される化合物、その中でも特に一般式(2)で示される化合物がよく、透明樹脂は低密度ポリエチレンがよく、シートは紙がよい。
また、ホルムアルデヒド検知用発色剤は下記一般式(1)で表される化合物、その中でも特に一般式(2)で示される化合物がよく、透明樹脂は低密度ポリエチレンがよく、シートは紙がよい。
本発明の板状ホルムアルデヒド捕捉材は、箪笥内、壁、ピアノ上あるいは箪笥上等に配置し、シックハウス症候群の原因物質とされているホルムアルデヒドを捕捉することができ、簡便に利用できる。
また、ホルムアルデヒドの捕捉は、ズワイガニの甲殻を処理して得られる天然物由来のキトサンであって、水に不溶性のものであるから、ホルムアルデヒド捕捉材としてアンモニウム塩を用いる場合のように水によりホルムアルデヒド捕捉物質が溶出することもなく、箪笥内、壁、ピアノ上あるいは箪笥上等の子供の目に留まる場所に配置して利用した場合においても、安全性及び安定性に優れたものである。
また、ホルムアルデヒドの捕捉は、ズワイガニの甲殻を処理して得られる天然物由来のキトサンであって、水に不溶性のものであるから、ホルムアルデヒド捕捉材としてアンモニウム塩を用いる場合のように水によりホルムアルデヒド捕捉物質が溶出することもなく、箪笥内、壁、ピアノ上あるいは箪笥上等の子供の目に留まる場所に配置して利用した場合においても、安全性及び安定性に優れたものである。
そして、本発明では、キトサンを内填するシートの片面に前記一般式(1)で示される化合物等のホルムアルデヒド検知用発色剤層が形成されており、その発色剤によりホルムアルデヒド捕捉状況を視認でき、的確な交換時期を簡便に認識できる。
特に、ホルムアルデヒド検知用発色剤が形成された表面を透明樹脂でコーティングすることにより、捕捉状況をより的確に視認でき、より的確な交換時期を簡便に認識できる。
さらに、シートに内填するキトサンは、前記したとおり水不溶性のものであるから、板状ホルムアルデヒド捕捉材は、抄紙技術によって比較的簡便に製造できる。
特に、ホルムアルデヒド検知用発色剤が形成された表面を透明樹脂でコーティングすることにより、捕捉状況をより的確に視認でき、より的確な交換時期を簡便に認識できる。
さらに、シートに内填するキトサンは、前記したとおり水不溶性のものであるから、板状ホルムアルデヒド捕捉材は、抄紙技術によって比較的簡便に製造できる。
以下において、本発明を実施するための最良の形態を含む、発明の実施の態様に関し詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
本発明の板状ホルムアルデヒド捕捉材は、前記したとおりキトサンを内填するシートであって、そのシートの片面にホルムアルデヒド検知用発色剤層が形成されていることを特徴とするものであり、好ましくはホルムアルデヒド検知用発色剤層が形成されている表面に透明樹脂がコーティングされているのがよい。
また、ホルムアルデヒド検知用発色剤は前記一般式(1)で表される化合物がよく、その中でも前記一般式(2)で示される化合物が特によく、透明樹脂は低密度ポリエチレンがよく、シートは紙がよい。
本発明の板状ホルムアルデヒド捕捉材は、前記したとおりキトサンを内填するシートであって、そのシートの片面にホルムアルデヒド検知用発色剤層が形成されていることを特徴とするものであり、好ましくはホルムアルデヒド検知用発色剤層が形成されている表面に透明樹脂がコーティングされているのがよい。
また、ホルムアルデヒド検知用発色剤は前記一般式(1)で表される化合物がよく、その中でも前記一般式(2)で示される化合物が特によく、透明樹脂は低密度ポリエチレンがよく、シートは紙がよい。
本発明においてホルムアルデヒド捕捉物質として使用するキトサンは、ベニズワイガニの甲殻等を酸及びアルカリで処理して、炭酸カルシウム、タンパク質、その微量成分を除去して得られるキチンを脱アセチル化処理して得られる物質である。
そのキトサンは、前記したとおり水不溶性の物質で、抗菌及び防臭性能を有し、分子構造がセルロースと極めて類似した構造となっているため、紙の基材であるセルロースと親和性がよい。
そのため、パルプなどのセルロースを用いて抄紙することにより、キトサンを内填した紙等の板状体とすることができるので、キトサンは、それに適した粒径25〜150μmのものがよい。
そのキトサンは、前記したとおり水不溶性の物質で、抗菌及び防臭性能を有し、分子構造がセルロースと極めて類似した構造となっているため、紙の基材であるセルロースと親和性がよい。
そのため、パルプなどのセルロースを用いて抄紙することにより、キトサンを内填した紙等の板状体とすることができるので、キトサンは、それに適した粒径25〜150μmのものがよい。
板状体を形成するシート形成材料としては、シートが形成することができる材料であれば特に制限されることはなく、それには、パルプなどのセルロース、合成繊維形成材料、合成繊維混抄紙原料、無機繊維原料あるいは不織布原料等が例示できるが、ホルムアルデヒド捕捉用物質であるキトサンとの親和性からして、パルプ等のセルロースが好ましい。
また、そのシート形成についても特に制限されることなく、抄紙技術、フィルム化技術あるいは紡織技術等の各種のものが採用できるが、キトサンとの親和性からしてシート形成材料としては、パルプなどのセルロースが好ましいので、抄紙技術を採用するのが好ましい。
また、そのシート形成についても特に制限されることなく、抄紙技術、フィルム化技術あるいは紡織技術等の各種のものが採用できるが、キトサンとの親和性からしてシート形成材料としては、パルプなどのセルロースが好ましいので、抄紙技術を採用するのが好ましい。
本発明においては、キトサンを内填するシートの片面にホルムアルデヒド検知用発色剤層が形成されるが、そのホルムアルデヒド検知用発色剤としては、前記一般式(1)で示される化合物が好ましく、その中でも下記一般式(2)で示される化合物がより好ましい。
なお、発色剤については、前記一般式の化合物に特に制限されることはなく、それ以外に使用可能なものもあり それにはアセチルアセトン、クロモトロープ酸あるいはAHMT(4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール)等が例示できる。
なお、発色剤については、前記一般式の化合物に特に制限されることはなく、それ以外に使用可能なものもあり それにはアセチルアセトン、クロモトロープ酸あるいはAHMT(4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール)等が例示できる。
前記一般式の化合物としては、下記式(3)で示される化合物の3−アミノ−4−ジフェニルプロプ−2−エン−1−オン、下記式(4)で示される化合物の4−アミノ−4−フェニル−3−エン−2−オンあるいはクロモトロープ酸等が好ましい具体的化合物として例示できる。
また、その発色剤層の形成する手段については、各種の塗布又は含浸が特に制限されることなく採用でき、それには、グラビア印刷などの印刷塗布あるいはゲートロールサイズプレスなどの含浸塗工等が例示できるが、発色の鮮明性シートへの添着量の調整の点で印刷塗布が好ましい。
なお、前記発色剤層を形成するのに含浸を用いる場合には、塗布の場合と同様にシート片面にホルムアルデヒド検知用発色剤を含浸するのがよいが、全面に含浸してもよく、その場合には透明樹脂はシートの片面にのみコーティングすることが必要である。
なお、前記発色剤層を形成するのに含浸を用いる場合には、塗布の場合と同様にシート片面にホルムアルデヒド検知用発色剤を含浸するのがよいが、全面に含浸してもよく、その場合には透明樹脂はシートの片面にのみコーティングすることが必要である。
その発色剤化合物、例えば式(3)の化合物は、ホルムアルデヒドと接触すると下記式の反応により色素化合物を生成して所定の色を発色し、その発色が発色剤層が形成された面側から目視にて観察でき、その表面が樹脂コーティングされている場合にも、樹脂が透明であることから勿論観察できる。
なお、シート全面に含浸した場合については、樹脂コーティングした面に比し、コーティングしていない面の方が早期に発色するが、その場合には樹脂コーティングされた面側の発色状態によりホルムアルデヒドの捕捉状況を把握すればよい。
前記のとおりであり、この発色によりキトサンによるホルムアルデヒドの捕捉状況を目視にて判定することができる。
なお、シート全面に含浸した場合については、樹脂コーティングした面に比し、コーティングしていない面の方が早期に発色するが、その場合には樹脂コーティングされた面側の発色状態によりホルムアルデヒドの捕捉状況を把握すればよい。
前記のとおりであり、この発色によりキトサンによるホルムアルデヒドの捕捉状況を目視にて判定することができる。
キトサンを内填するシートのホルムアルデヒド検知用発色剤が塗布又は含浸された側の表面には、透明樹脂をコーティングするのが好ましく、この樹脂コーティングにより、ホルムアルデヒドの捕捉状況をより的確に視認でき、より的確な交換時期を簡便に認識できる。
すなわち、この透明樹脂コーティングが形成されていない場合には、キトサンがホルムアルデヒド捕捉性能に関し、必要な性能を保持している段階において、ホルムアルデヒド検知用発色剤が発色することが本発明者らの実験の結果判明した。
すなわち、この透明樹脂コーティングが形成されていない場合には、キトサンがホルムアルデヒド捕捉性能に関し、必要な性能を保持している段階において、ホルムアルデヒド検知用発色剤が発色することが本発明者らの実験の結果判明した。
その結果、ホルムアルデヒド捕捉性能に関し、必要な性能を保持している段階において、捕捉性能が低下したと誤認させることになり、必要以上に早めに板状ホルムアルデヒド捕捉材を新規なものと交換することになるが、透明樹脂コーティングが形成されている場合には、発色剤とホルムアルデヒドとの接触を抑制することができ、キトサンの捕捉性能の低下を適切な時期に検知することができることが実験の結果判明した。
以上のとおりであるから、前記透明樹脂コーティングにより、ホルムアルデヒドの捕捉状況をより的確に視認でき、より的確な交換時期を簡便に認識できる。
以上のとおりであるから、前記透明樹脂コーティングにより、ホルムアルデヒドの捕捉状況をより的確に視認でき、より的確な交換時期を簡便に認識できる。
その樹脂コーティングに使用する樹脂については、透明な樹脂膜を形成できるものであれば特に制限されることなく各種のものが採用でき、それには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドあるいはPET等が例示できるが、気体透過防止の点でポリエチレンが好ましいが、中でも熱融着性、防水性の点で、特に低密度ポリエチレンが好ましい。
また、その樹脂コーティング手段についても特に制限されることなく各種のものが採用でき、それには、ラミネート加工、ブレードコーターあるいはフィルムコーティング等が例示できるが、紙基材への結合性、接着剤不使用の点でラミネート加工が好ましい。
そのラミネート加工により樹脂コーティングを行う場合には、熱融着で、低密度ポリエチレンをを用いて行うのがよい。
また、その樹脂コーティング手段についても特に制限されることなく各種のものが採用でき、それには、ラミネート加工、ブレードコーターあるいはフィルムコーティング等が例示できるが、紙基材への結合性、接着剤不使用の点でラミネート加工が好ましい。
そのラミネート加工により樹脂コーティングを行う場合には、熱融着で、低密度ポリエチレンをを用いて行うのがよい。
以下において、本発明の実施例及び比較例の板状ホルムアルデヒド捕捉材を用いて、ホルムアルデヒド捕捉試験を行い、その試験結果を示すが、本発明はこれら実施例、比較例及試験結果によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
本発明については、2種の態様の板状ホルムアルデヒド捕捉材、すなわちキトサンを内填するシートの片面にホルムアルデヒド検知用発色剤が塗布又は含浸されている第1の態様のもの、及びその発色剤表面に樹脂コーティングした第2の態様のものを用いてホルムアルデヒド捕捉試験を行った。
本発明については、2種の態様の板状ホルムアルデヒド捕捉材、すなわちキトサンを内填するシートの片面にホルムアルデヒド検知用発色剤が塗布又は含浸されている第1の態様のもの、及びその発色剤表面に樹脂コーティングした第2の態様のものを用いてホルムアルデヒド捕捉試験を行った。
[板状ホルムアルデヒド捕捉材の作製方法]
その試験に使用した板状ホルムアルデヒド捕捉材は以下の方法で作製した。
パルプ285kgに対し、キトサン15kg(粒径100μm)を加え水でスラリーとして、抄紙機により製紙し、それを乾燥してキトサンが10質量%内填されたシートである紙を作製した。
得れた紙の片面にホルムアルデヒド検知用発色剤である式(3)の化合物のメタノール溶液(5g/L)を4mL/m2の量でグラビア印刷を用いて塗布し、第1の態様の板状ホルムアルデヒド捕捉材を作製した。
その試験に使用した板状ホルムアルデヒド捕捉材は以下の方法で作製した。
パルプ285kgに対し、キトサン15kg(粒径100μm)を加え水でスラリーとして、抄紙機により製紙し、それを乾燥してキトサンが10質量%内填されたシートである紙を作製した。
得れた紙の片面にホルムアルデヒド検知用発色剤である式(3)の化合物のメタノール溶液(5g/L)を4mL/m2の量でグラビア印刷を用いて塗布し、第1の態様の板状ホルムアルデヒド捕捉材を作製した。
また、そのホルムアルデヒド検知用発色剤が塗布された紙の表面にラミネート加工により、低密度ポリエチレンをコーティングして第2の態様の板状ホルムアルデヒド捕捉材を作製した。
さらに、低密度ポリエチレンをコーティングした反対側のシート面、すなわちホルムアルデヒド検知用発色剤が塗布されていない表面にも低密度ポリエチレンをコーティングして比較例の板状ホルムアルデヒド捕捉材を作製した。
さらに、低密度ポリエチレンをコーティングした反対側のシート面、すなわちホルムアルデヒド検知用発色剤が塗布されていない表面にも低密度ポリエチレンをコーティングして比較例の板状ホルムアルデヒド捕捉材を作製した。
[ホルムアルデヒド捕捉試験方法]
前記した方法で作製した本発明の実施例及び参考例の板状ホルムアルデヒド捕捉材を、容量100Lのポリフッ化ビニル製容器に収容し、濃度が2ppmになるようにホルムアルデヒドを供給し、その状態で7日間保持し、7日後に容器を開放する。
これを1回の捕捉サイクルとし、このサイクル終了後、新たに2ppmになるようにホルムアルデヒドを供給し、その状態を同様に7日間保持し、これを第2回目の捕捉サイクルとする。
この捕捉サイクルを多数回繰り返し、この繰り返し回数と、ホルムアルデヒド検知用発色剤の色の変化を目視にて観察し、ホルムアルデヒドの捕捉状況と、ホルムアルデヒド検知用発色剤の色の変化の関係を観察する。
前記した方法で作製した本発明の実施例及び参考例の板状ホルムアルデヒド捕捉材を、容量100Lのポリフッ化ビニル製容器に収容し、濃度が2ppmになるようにホルムアルデヒドを供給し、その状態で7日間保持し、7日後に容器を開放する。
これを1回の捕捉サイクルとし、このサイクル終了後、新たに2ppmになるようにホルムアルデヒドを供給し、その状態を同様に7日間保持し、これを第2回目の捕捉サイクルとする。
この捕捉サイクルを多数回繰り返し、この繰り返し回数と、ホルムアルデヒド検知用発色剤の色の変化を目視にて観察し、ホルムアルデヒドの捕捉状況と、ホルムアルデヒド検知用発色剤の色の変化の関係を観察する。
[ホルムアルデヒド捕捉試験結果]
その試験結果は、図1及び図2に示すとおりである。
なお、図1において、(A)は第1の態様の試験結果、(B)は第2の態様の試験結果をそれぞれ図示する。
それらの試験結果より、本発明の好ましい態様である、ホルムアルデヒド検知用発色剤が塗布された紙の表面に透明の低密度ポリエチレンをコーティングした第2の態様の板状ホルムアルデヒド捕捉材においては、繰り返し回数4回以降で検知用発色剤が淡黄に変化し、更に8回以降で黄色に変化することが判明した。
さらに、黄色に変化すると、ホルムアルデヒドの捕捉性能が急激に低下することもわかった。
この結果から、本発明の第2の態様の板状ホルムアルデヒド捕捉材は、長期に亘りホルムアルデヒドの捕捉性能を発現でき、検知用発色剤も適切に検知能力を発現することがわかった。
その試験結果は、図1及び図2に示すとおりである。
なお、図1において、(A)は第1の態様の試験結果、(B)は第2の態様の試験結果をそれぞれ図示する。
それらの試験結果より、本発明の好ましい態様である、ホルムアルデヒド検知用発色剤が塗布された紙の表面に透明の低密度ポリエチレンをコーティングした第2の態様の板状ホルムアルデヒド捕捉材においては、繰り返し回数4回以降で検知用発色剤が淡黄に変化し、更に8回以降で黄色に変化することが判明した。
さらに、黄色に変化すると、ホルムアルデヒドの捕捉性能が急激に低下することもわかった。
この結果から、本発明の第2の態様の板状ホルムアルデヒド捕捉材は、長期に亘りホルムアルデヒドの捕捉性能を発現でき、検知用発色剤も適切に検知能力を発現することがわかった。
また、低密度ポリエチレンをコーティングしていない第1の態様の板状ホルムアルデヒド捕捉材においては、繰り返し回数1回で検知用発色剤が淡黄に変化し、3回で黄色に変化しており、この黄色の状態においても、相当のホルムアルデヒドの捕捉性能があり、ホルムアルデヒドの捕捉性能に関しては、この態様においても長期に亘り発現できことがわかったものの、検知用発色剤の検知能力については、第2の態様に比し、劣ることが判明した。
さらに、参考例の板状ホルムアルデヒド捕捉材については、実施例の板状ホルムアルデヒド捕捉材に比し、ホルムアルデヒドの捕捉性能が遙かに劣ることが判明した。
すなわち、ホルムアルデヒドが一番捕捉されている1回目のサイクルの捕捉試験後においてすら出発濃度の1/2程度しかホルムアルデヒドが減少しておらず、繰り返し回数3回以後においては7日間経過後でもホルムアルデヒド濃度は出発時点の殆ど変化がなく、ホルムアルデヒドは事実上減少しておらず、キトサンのホルムアルデヒド捕捉能が発現できないことがわかる。
すなわち、ホルムアルデヒドが一番捕捉されている1回目のサイクルの捕捉試験後においてすら出発濃度の1/2程度しかホルムアルデヒドが減少しておらず、繰り返し回数3回以後においては7日間経過後でもホルムアルデヒド濃度は出発時点の殆ど変化がなく、ホルムアルデヒドは事実上減少しておらず、キトサンのホルムアルデヒド捕捉能が発現できないことがわかる。
Claims (6)
- キトサンを内填するシートであって、そのシートの片面にホルムアルデヒド検知用発色剤層が形成されていることを特徴とする板状ホルムアルデヒド捕捉材。
- キトサンを内填するシートであって、そのシートの片面にホルムアルデヒド検知用発色剤層が形成されており、更にその表面に透明樹脂がコーティングされていることを特徴とする板状ホルムアルデヒド捕捉材。
- ホルムアルデヒド検知用発色剤が下記一般式(1)で表される化合物である請求項1又は2に記載の板状ホルムアルデヒド捕捉材。
但し、前記一般式(1)において、R1は水素、炭素数1〜10の直鎖若しくは分枝アルキル基又はフェニル基(該フェニル基上の各水素原子は、炭素数1〜10の直鎖若しくは分枝アルキル基、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基若しくはアミノ基(4級アンモニウム塩も含む)で置換されていてもよく、該フェニル基上に前記置換基が複数存在する場合には、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい)、R2は、水素又は炭素数1〜10の直鎖若しくは分枝アルキル基、Arはフェニル基、ナフチル基又はアントラセニル基(これらの基上の各水素原子は、炭素数1〜10の直鎖若しくは分枝アルキル基、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基又はアミノ基(4級アンモニウム塩も含む)で置換されていてもよく、これらの基上に前記置換基が複数存在する場合には、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい。
- 透明樹脂が低密度ポリエチレンである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の板状ホルムアルデヒド捕捉材。
- シートが紙である請求項1ないし5のいずれか1に記載の板状ホルムアルデヒド捕捉材。
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2004
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