JP2006087967A - 集塵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】線状電極と対向電極板で構成された従来のイオン化手段は粉塵が通過する一瞬において粉塵を帯電させる必要があるので、イオンをより多く生成するために大きな放電電流を伴うコロナ放電を起こす必要があり、また粉塵が通過する面に対して均一に線状電極と対向電極板を設ける必要があるため構造が複雑となるという課題がある。
【解決手段】空気をイオン化して粉塵を帯電させるイオン化手段4と、帯電した粉塵を電場の力で捕集する集塵部104と、粉塵を含む空気を装置内に取り込むための本体送風機2とを備えた集塵装置において、イオン化手段4が粉塵を帯電させる場として装置前方の空間を用いることを特徴とする集塵装置。
【選択図】図1
【解決手段】空気をイオン化して粉塵を帯電させるイオン化手段4と、帯電した粉塵を電場の力で捕集する集塵部104と、粉塵を含む空気を装置内に取り込むための本体送風機2とを備えた集塵装置において、イオン化手段4が粉塵を帯電させる場として装置前方の空間を用いることを特徴とする集塵装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気清浄の分野において空気中の浮遊粒子状物質を除去することができる集塵装置に関する。
空気中に存在する粒子状浮遊物質、すなわち粉塵は喘息などの疾病の原因として知られており従来から除去の対象となる物質であったが、近年の研究において粒子径2.5マイクロメートル以下の粉塵(いわゆるPM2.5)が肺ガンなどの疾病を誘起する可能性があるとの報告があり、捕集技術の更なる向上が求められている。その中で電気集塵技術を用いた集塵装置は粒子径がマイクロメートル以下の小粒径の粉塵を捕集することに優れており、また低圧損な特性を持つことから注目を集め、更なる性能向上が求められている。
従来、この種の集塵装置として、放電によって粉塵を帯電するイオン化手段を前段に設け、平板電極を積層し、交互に異なる電圧を印加して電場を形成して帯電した粉塵を捕集する構成を持つものが知られている。この構成を応用した例として、特許文献1には積層する片方の極性の平板電極を絶縁体である樹脂製のフィルムで被覆した集塵装置が示されている。以下、その集塵装置について図8を参照しながら説明する。図8に示すように、荷電部101は線状電極102とアース平板電極A103とからなり、荷電部101の通風方向下流側に電圧印加平板電極105とアース平板電極B106とからなる集塵部104を設けている。通常、荷電部101においては線状電極102とアース平板電極A103の間に5〜15kV、また、集塵部104の電圧印加平板電極105とアース平板電極B106の間に2〜6kVの電位差を持つように高圧電源107によって線状電極102および電圧印加平板電極105にそれぞれ電圧が印加されている。
上記構成において、荷電部101では線状電極102に高い電圧がかかっており、アース平板電極A103はアースに接続されて0Vとなっている。したがって線状電極102とアース平板電極A103の間には線状電極102に近づくにつれて強くなるという不均衡な電場が形成されており、そして線状電極102近傍では非常に強い電場が作られている。そのため空気中の電荷をもつ物質が空気分子と衝突を起こし、空気分子から電子が分離したり、分離した電子が他の空気分子に付着したりして空気イオンとなる。これを空気のイオン化と呼ぶことにする。そして、アース電極の間にある絶縁体である空気が絶縁破壊を起こし、一定の大きな放電電流を伴いながら空気のイオン化が起こる放電現象をコロナ放電というが、コロナ放電によって作られた空気イオンが、荷電部101を通過する粉塵に付着し、粉塵を帯電させる。この時粉塵が荷電部を通過するのにかかる時間は荷電部の奥行き寸法に依存し、荷電部の寸法を30mm、通過風速を0.5m/sと一般的な構造の場合では、60msと非常に短い。帯電した粉塵は送風の流れにそって集塵部104に導入され、電圧印加平板電極105とアース平板電極B106との電場の力を受けて両電極板のどちらかに付着して取り除かれ、清浄な空気が集塵部104後方から吹出される。電圧印加平板電極105は絶縁体である樹脂フィルムで被覆されており、アース平板電極B106と接触しても短絡を起こさない工夫が施されているものもよく知られている。
特開平6−31200号公報
このような従来の集塵装置の荷電部においては、粉塵が荷電部を通過する僅かな時間において粉塵を確実に帯電させる必要があり、この僅かな時間で粉塵を確実に帯電させるためには線状電極を荷電部の全面に均一に備える構造にすると同時に放電電極がイオンを大量に放出する必要がある。そのため構造が複雑で高コストになると同時に放電エネルギーが大きくなってオゾン発生量が増えるという課題があり、簡単な構造で、かつオゾンを発生させないで取り込む粉塵を帯電した状態にすることが要求されている。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、構造が簡単でオゾンをほとんど発生させずに取り込んだ粉塵を帯電させることが可能な集塵装置を提供することを目的としている。
本発明の集塵装置は上記目的を達成するために、空気をイオン化して粉塵を帯電させるイオン化手段と、帯電した粉塵を電場の力で捕集する集塵部と、粉塵を含む空気を装置内に取り込むための本体送風機とを備えた集塵装置において、イオン化手段が粉塵を帯電させる場として装置前方の空間を用いることを特徴としたものである。
また、上記イオン化手段で生成したイオンを、装置前方の空間に供給することを特徴とする請求項1記載の集塵装置。
また、1対以上の針状電極と対向電極を備えた上記イオン化手段が、装置の前面に設けられたことを特徴としたものである。
この手段によれば、粉塵とイオンが接触する空間を広く取ることができ、粉塵がイオンと接触してから集塵部に取り込まれるまでの時間を長くすることができる集塵装置が得られる。
また、イオン化手段の針状電極の先端が、装置前方の空間に向けられたことを特徴としたものである。
この手段によれば、装置前方の空気をもイオン化すると同時に針状電極の先端で生成したイオンを装置前方の遠い位置まで弾き飛ばすことができる集塵装置が得られる。
また、イオン化手段で生成したイオンを含む空気を、装置前方の空間に供給するイオン供給用送風機を備えることを特徴としたものである。
この手段によれば、イオン化手段で生成したイオンを確実に装置前方に存在させることができる集塵装置が得られる。
また、本体送風機から送られる吹出し空気の一部もしくは全部を吐出するための吹出し口を装置の前面に備え、イオン化手段を本体送風機の風下側に備えることを特徴としたものである。
この手段によれば、1つの送風機を備えることで、イオン化手段で生成したイオンを確実に装置前方に存在させることができる集塵装置がえら得る。
また、イオン化手段の針状電極に、パルス状の電圧を印加することを特徴としたものである。
この手段によれば、放電エネルギーおよび接触による感電時に受けるショックを小さくすると同時にイオンを安定的に生成することができる集塵装置が得られる。
また、集塵部が、一定間隔に保持された平板電極の1枚おきに交互に異なる電圧が印加された構造であることを特徴としたものである。
また、集塵部が、分極した微細繊維で形成された濾材で作られたフィルタであることを特徴としたものである。
この手段によれば、装置前方で帯電した粉塵を集塵部で確実に捕集することができる集塵装置が得られる。
本発明によれば、イオン化手段の構造を簡単にすると同時に、小さな放電エネルギーで取り込む粉塵を帯電させることができるという効果を持つ集塵装置を提供することができる。
本発明の集塵装置は、空気をイオン化して粉塵を帯電させるイオン化手段と、帯電した粉塵を電場の力で捕集する集塵部と、粉塵を含む空気を装置内に取り込むための本体送風機とを備えた集塵装置において、イオン化手段が粉塵を帯電させる場として装置前方の空間を用いることを特徴としたものである。具体的には1対以上の針状電極と対向電極を備えた上記イオン化手段が装置の前面に設けられた構造となっており、このような構造にすることでイオンを装置前方の空間に供給することが可能となっている。
このイオン化手段において針状電極に高電圧を印加し、対向電極をアースに接続することで針状電極の先端近傍の空気が電離されイオンが生成される。このイオン化手段を装置の前面に設けて、イオン化手段で生成したイオンを装置前方の空間に供給する。装置前方の空間に存在する粉塵は、装置吸込み口に取り込まれて集塵部に到達するまでの長い時間においてイオンと接触し、帯電する。例えば装置前方の半径1mの範囲における空間に50万個/ccとなるようにイオンを散布し、平均0.5m/sの速度で粉塵を装置吸込み口に取り込むとした場合、粉塵がイオンと接触して吸込み口に到達するまで2秒の時間を有する。この2秒の間に粉塵はイオンと接触して帯電し、装置に設けられた集塵部に捕集される。このときイオンと粉塵の接触時間は、線状電極とアース対向電極板で構成された従来の荷電部と比較するとおよそ30倍以上となる。これだけ接触時間を長くすることができるにも関わらず、本発明のイオン化手段は従来の荷電部よりも簡単かつ小さな構造にできることから、装置全体のサイズも従来以下にすることができる。また、従来の荷電部の放電電流は線状電極の線のあらゆる部分でコロナ放電を起こしていることから概して100μA以上となるのが一般的であるが、本発明のイオン化手段の放電電流は針状電極の先端付近の空気のみをイオン化することから多くても4μA程度であり、従来の荷電部と比較して1/20以下となる。このことから本発明のイオン化手段のオゾン発生量を従来の荷電部に比べて極めて小さくすることができるという作用を有する。
また、上記イオン化手段の針状電極の先端が、装置前方の空間に向けられたことを特徴としたものである。針状電極の先端を装置前方の空間に向けた構造とすることで、針状電極の先端付近で生成したイオンは針状電極の先端方向に向けられた強力な電場によって、針状電極の先端が向いている向きに加速される。その結果、装置前方の空間により多くのイオンを供給することができ、そのため粉塵を帯電させることを容易たらしめるという作用を有する。
また、上記イオン化手段で生成したイオンを含む空気を、装置前方の空間に供給するイオン供給用送風機を備えることを特徴としたものである。イオン化手段で生成したイオンを含む空気をイオン供給用送風機で装置前方の空間に供給することによって、装置前方の空間に存在する粉塵を確実に帯電させることができるという作用を有する。
また、上記本体送風機から送られる吹出し空気を吐出するための吹出し口を装置の前面に備え、上記イオン化手段を本体送風機の風下側に備えることを特徴としたものである。汚れた空気を装置に取り込むと同時に装置前方の空間へイオンを供給することが1つの送風機を備えることで可能となることから、装置の構造を簡単にすることができるという作用を有する。
また、イオン化手段の針状電極に、パルス状の電圧を印加することを特徴としたものである。パルス状の波形となるように針状電極に間欠的に電圧を印加することによって万一指先などが接触して感電したときに受けるショックを低減することができる。また、一旦減圧して針状電極近傍のイオンを減少させることにより、イオンによって作られる反作用の電場を弱めた後、瞬間的に針状電極を昇圧することで空気の電離を起こしやすくしている。そのためイオンを安定的に生成することができるという作用を有する。
また、上記集塵部が、一定間隔に保持された平板電極の1枚おきに交互に異なる電圧が印加された構造であることを特徴としたものである。平板電極の1枚おきに交互に異なる電圧を印加することにより、平板電極の間に設けられた空間に電場が作られる。イオン化手段によって装置前方の空間で帯電した粉塵はその後上記集塵部に取り込まれ、平板電極間に作られた電場の力によってクーロン力を受け、粉塵は平板電極上に付着し捕集されるという作用を有する。
また、上記集塵部が、分極した微細繊維で形成された濾材で作られたフィルタであることを特徴としたものである。そのため濾材の内部は分極した微細繊維が3次元に絡まった構造となっており、微細繊維の間で電場が作られている。イオン化手段によって装置前方の空間で帯電した粉塵はその後上記フィルタに取り込まれ、フィルタ内部の微細繊維の間を通過する際にこの電場の力を受けて微細繊維上に付着し捕集されるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の集塵装置は、空気をイオン化して粉塵を帯電させるイオン化手段と、帯電した粉塵を電場の力で捕集する集塵部を備えた集塵装置において、イオン化手段が粉塵を帯電させる場として装置前方の空間を用いることを特徴としたものである。代表的な構造を、図1を用いて説明する。図1に示された集塵装置は風上側から順に装置吸込み口1、集塵部104、集塵部104に空気を取り込むための本体送風機2、装置吹出し口3が設けられており、また装置の前面にはイオン化手段4を備えている。イオン化手段4の構造は図2に示したとおり、1対以上の針状電極5と対向電極6とで構成されている。集塵部104は電圧印加平板電極105とアース平板電極B106を備え、両電極間に2〜6kVの電位差を持つよう構成されている。図1には内部に電場を作ることが可能な集塵部の代表として、図8に示した集塵部104を示している。イオン化手段4は針状電極5と対向電極6を備え、針状電極5に高電圧を印加し対向電極6をアースに接続することで、針状電極の先端近傍の空気が電離されイオンが生成される。このイオン化手段4を装置の前面に設けて、イオン化手段4で生成したイオンを装置前方の空間に供給する。粉塵は、吸込み口1に取り込まれて集塵部104に到達するまでの間に、装置前方の空間においてイオンと接触し、帯電する。この時図1に示すように針状電極5の先端を装置前方の空間に向けた構造とすることでより多くのイオンを装置前方の空間に供給することが可能となる。
本発明の集塵装置は、空気をイオン化して粉塵を帯電させるイオン化手段と、帯電した粉塵を電場の力で捕集する集塵部を備えた集塵装置において、イオン化手段が粉塵を帯電させる場として装置前方の空間を用いることを特徴としたものである。代表的な構造を、図1を用いて説明する。図1に示された集塵装置は風上側から順に装置吸込み口1、集塵部104、集塵部104に空気を取り込むための本体送風機2、装置吹出し口3が設けられており、また装置の前面にはイオン化手段4を備えている。イオン化手段4の構造は図2に示したとおり、1対以上の針状電極5と対向電極6とで構成されている。集塵部104は電圧印加平板電極105とアース平板電極B106を備え、両電極間に2〜6kVの電位差を持つよう構成されている。図1には内部に電場を作ることが可能な集塵部の代表として、図8に示した集塵部104を示している。イオン化手段4は針状電極5と対向電極6を備え、針状電極5に高電圧を印加し対向電極6をアースに接続することで、針状電極の先端近傍の空気が電離されイオンが生成される。このイオン化手段4を装置の前面に設けて、イオン化手段4で生成したイオンを装置前方の空間に供給する。粉塵は、吸込み口1に取り込まれて集塵部104に到達するまでの間に、装置前方の空間においてイオンと接触し、帯電する。この時図1に示すように針状電極5の先端を装置前方の空間に向けた構造とすることでより多くのイオンを装置前方の空間に供給することが可能となる。
(実施の形態2)
また、上記イオン化手段で生成したイオンを含む空気を装置前方の空間に供給するイオン供給用送風機とイオン吹出し口を備えることを特徴とした集塵装置について図3を用いて説明する。
また、上記イオン化手段で生成したイオンを含む空気を装置前方の空間に供給するイオン供給用送風機とイオン吹出し口を備えることを特徴とした集塵装置について図3を用いて説明する。
図3に示された集塵装置は、粉塵を含む空気を取り込んで集塵部104に送り込み、粉塵が捕集されてきれいになった空気を装置の外に送り出すための本体送風機2とは別に、イオンを含んだ空気を装置前方の空間に送り出すためのイオン供給用送風機7が設けられている。装置の前面に設けられたイオン吹出し口8の手前にはイオン化手段4が設けられ、イオンを含んだ空気をイオン吹出し口8から装置前方の空間へ供給している。
ここで図3に示した実施例としての集塵装置と、図8に示した比較例としての集塵装置を作成し、それぞれの集塵装置の集塵効率と放電電流およびオゾン発生量を測定した。実施例および比較例として作成した集塵装置の構造について以下具体的に記述する。実施例としての集塵装置は図3に示すとおり、風上側から装置吸込み口1、集塵部104、本体送風機2、装置吹出し口3の順で構成されており、装置前面に設けられた装置吸込み口1から粉塵を含む空気を風速0.5m/sとなるように取り込んで集塵部104に送り込み、集塵部2で粉塵が捕集された後のきれいな空気を装置吹出し口3から送り出している。集塵部2は1.5mmの間隔を開けて交互に保持された高圧印加平板電極105とアース平板電極B106で構成され、それぞれ−6kVおよび0kVとなるよう電圧を印加して高圧印加平板電極105とアース平板電極B106の間に電場を形成している。また、本体送風機2とは別に装置前方の空間にイオンを含んだ空気を供給するためのイオン供給用送風機7と、装置前面に設けられたイオン吹出し口8と、イオン吹出し口8の手前に設けられたイオン化手段4とを備え、イオンを含んだ空気を装置前方の空間に供給している。イオン化手段4は1対の針状電極5と対向電極6で構成され、また針状電極5と対向電極6の距離を15mmに設定した。この針状電極5に−6kVの電圧を印加し、対向電極6をアースに接続して0kVにすることでイオンを生成した。ちなみにこの時装置の前方1m離れた位置のイオン量をイオンカウンターで測定したところ約80万個/ccであった。
また比較例として図8を元に作成した従来型の電気集塵装置について以下説明する。風上側から装置吸込み口1、荷電部101、集塵部104、本体送風機2、装置吹出し口3で構成され、粉塵を含む空気は吸込み口4から取り込まれた後に荷電部101を通過する。荷電部は0.15mmφのタングステン線を用いた線状電極102と、線状電極102を挟むように設けられたアース平板電極A103から構成されており、線状電極102とアース平板電極A103の距離は13mmに設定されている。線状電極102に+6kVの高電圧を印加し、アース平板電極A103をアースに接続して0kVとした。荷電部101を通過した粉塵は、線状電極102の近傍で起こるコロナ放電によって生成したイオンと接触して帯電した状態となる。帯電した粉塵はその後集塵部2に取り込まれ、集塵部2内部の電界の力によって捕集される。そして粉塵が捕集された後の空気を装置吹出し口3から装置の外に送り出している。集塵部104は実施例の集塵装置で用いた集塵部と同じものを用いたが、このとき電圧印加電極板105に印加する電圧は+6kVとした。
集塵効率、発生オゾン量の測定方法を以下に示す。装置吸込み口1の手前と装置吹出し口3の下流側の空気をレーザーパーティクルカウンターで採取し、採取した空気中に含まれる粉塵濃度を測定して以下の計算式を用いて集塵効率を求めた。
また、オゾンモニターを用いて装置吹出し口3から送り出される空気中のオゾン濃度を測定した。表1に測定結果を示す。
表1に示すとおり、比較例の集塵装置は高い集塵効率を持っているが反面荷電部の放電電流が大きくオゾン発生量も大きいのに対し、実施例で示した構造とすることで従来とほぼ同等の集塵効率でありながら放電電流を極微小とし、オゾン発生量を検出限界以下の濃度まで低減することが可能となる集塵装置が得られることがわかった。
また図3の集塵装置の派生的構造を図4に示す。図4に示す集塵装置は上記2つの送風機を動かすためのモーターを1つにしたものである。集塵部に空気を取り込むための本体送風機2の上に、装置前方の空間に送風するためのイオン供給用送風機7を重ね、空気の吸込み口をそれぞれ別々に設けることにより、それぞれが独立した送風路を形成している。
本実施例において、イオンをより効率よく装置前方の空間に供給するために、装置の前面に設けられたイオン吹出し口8の手前にイオン化手段4を設けたが、本体送風機2の風下側であれば、イオン化手段4を設ける位置をどこにしても同様の効果を得られる。
(実施の形態3)
上記本体送風機から送られる吹出し空気を吐出するためのイオン吹出し口を装置の前面に備え、上記イオン化手段を本体送風機の風下側に備えることを特徴とした集塵装置について図5を用いて説明する。
上記本体送風機から送られる吹出し空気を吐出するためのイオン吹出し口を装置の前面に備え、上記イオン化手段を本体送風機の風下側に備えることを特徴とした集塵装置について図5を用いて説明する。
図5に示された集塵装置は、本体送風機2と装置の前面に設けられたイオン吹出し口8が送風路によって接続されており、そして針状電極5とアース対向電極6を備えたイオン化手段4がイオン吹出し口8の手前に設置されている。このような構造とすることにより、粉塵を含む空気を装置に取り込むことと装置前方にイオンを含む空気を確実に供給することとを1つの送風機で同時に行うことができる。
本実施例において、イオンをより効率よく装置前方の空間に供給するために、装置の前面に設けられたイオン吹出し口8の手前にイオン化手段4を設けたが、本体送風機2の風下側であれば、イオン化手段4を設ける位置をどこにしても同様の効果を得られる。
なお、図5において、本体送風機2から送られてくる吹出し空気の一部だけをイオン吹出し口8から装置前方の空間に送り出しているが、吹出し空気の全てを装置の前面に設けられたイオン吹出し口8から供給しても同様の効果が得られる。
(実施の形態4)
分極した微細繊維で形成された濾材で作られたフィルタを集塵部として用い、装置前方の空間にイオンを含む空気を供給する集塵装置について図6を用いて説明する。フィルタ9に用いられた濾材10の内部は、図7に示すように分極した微細繊維11が3次元に絡まった構造となっており、微細繊維11の間で電場が作られている。微細繊維11の代表的な原料としてポリプロピレンが挙げられる。ポリプロピレンは融点が低く流動性も高いと同時に電場にさらすことによって容易に分極させることができるため、加工しやすく分極させやすい材料として好適である。また図6に示すように微細繊維11で形成された濾材をプリーツ状に折り曲げた形に加工することで空気の通過面積を大きくすることができ、フィルタ9の通風抵抗を減らすことができる。
分極した微細繊維で形成された濾材で作られたフィルタを集塵部として用い、装置前方の空間にイオンを含む空気を供給する集塵装置について図6を用いて説明する。フィルタ9に用いられた濾材10の内部は、図7に示すように分極した微細繊維11が3次元に絡まった構造となっており、微細繊維11の間で電場が作られている。微細繊維11の代表的な原料としてポリプロピレンが挙げられる。ポリプロピレンは融点が低く流動性も高いと同時に電場にさらすことによって容易に分極させることができるため、加工しやすく分極させやすい材料として好適である。また図6に示すように微細繊維11で形成された濾材をプリーツ状に折り曲げた形に加工することで空気の通過面積を大きくすることができ、フィルタ9の通風抵抗を減らすことができる。
本実施例では代表的な原料としてポリプロピレンを挙げているが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリアミドなど微細加工かつ分極が可能な材料であればどのようなものを用いても効果に差を生じない。
なお、図6にはプリーツ状に折り曲げ加工が施されているが、プリーツ加工を行わない平板状のフィルタを用いても通風抵抗を低減するかどうか以外の効果に差を生じない。
本発明の集塵装置は、簡単な構造で、かつ、イオン発生に必要な放電電流を極微小にすることができることから、低コストかつ小型にできると同時に人体に有害なオゾンの発生がほとんど無くせるという効果を有し、室内外での空気質を向上させる用途として有用である。
1 装置吸込み口
2 本体送風機
3 装置吹出し口
4 イオン化手段
5 針状電極
6 対向電極
7 イオン供給用送風機
8 イオン吹出し口
9 フィルタ
10 濾材
11 微細繊維
2 本体送風機
3 装置吹出し口
4 イオン化手段
5 針状電極
6 対向電極
7 イオン供給用送風機
8 イオン吹出し口
9 フィルタ
10 濾材
11 微細繊維
Claims (9)
- 空気をイオン化して粉塵を帯電させるイオン化手段と、帯電した粉塵を電場の力で捕集する集塵部と、粉塵を含む空気を装置内に取り込むための本体送風機とを備えた集塵装置において、イオン化手段が粉塵を帯電させる場として装置前方の空間を用いることを特徴とする集塵装置。
- イオン化手段で生成したイオンを、装置前方の空間に供給することを特徴とする請求項1記載の集塵装置。
- 1対以上の針状電極と対向電極を備えたイオン化手段が、装置の前面に設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の集塵装置。
- イオン化手段の針状電極の先端が、装置前方の空間に向けられたことを特徴とする請求項1、2または3記載の集塵装置。
- イオン化手段で生成したイオンを含む空気を、装置前方の空間に供給するイオン供給用送風機を備えることを特徴とする請求項1乃至4記載の集塵装置。
- 本体送風機から送られる吹出し空気の一部もしくは全部を吐出するための吹出し口を装置の前面に備え、上記イオン化手段を本体送風機の風下側に備えることを特徴とする請求項1乃至4記載の集塵装置。
- イオン化手段の針状電極に、パルス状の電圧を印加することを特徴とする請求項1乃至6記載の集塵装置。
- 集塵部が、一定間隔に保持された平板電極の1枚おきに交互に異なる電圧が印加された構造であることを特徴とする請求項1乃至7記載の集塵装置。
- 集塵部が、分極した微細繊維で形成された濾材で作られたフィルタであることを特徴とする請求項1乃至7記載の集塵装置。
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