JP2006087763A - データ収集方法およびmri装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏極キセノンガスのガス相および溶解相の両方からのデータを同時収集し、且つ、溶解相からのNMR信号の取得効率を向上する。
【解決手段】偏極キセノンガスのガス相を励起するための周波数fgの第1RFパルスを印加し、続いて偏極キセノンガスの溶解相を励起するための周波数fdの第2RFパルスを印加し、続いてガス相および溶解相からのNMR信号を同時受信する。
【効果】ガス相を励起するための第1RFパルスと溶解相を励起するための第2RFパルスとを順に印加するため、ガス相のフリップ角を小さくし且つ溶解相のフリップ角を大きくでき、減偏極を抑えて溶解相からのNMR信号を強くすることができ、その取得効率を向上することが出来る。
【選択図】図2
【解決手段】偏極キセノンガスのガス相を励起するための周波数fgの第1RFパルスを印加し、続いて偏極キセノンガスの溶解相を励起するための周波数fdの第2RFパルスを印加し、続いてガス相および溶解相からのNMR信号を同時受信する。
【効果】ガス相を励起するための第1RFパルスと溶解相を励起するための第2RFパルスとを順に印加するため、ガス相のフリップ角を小さくし且つ溶解相のフリップ角を大きくでき、減偏極を抑えて溶解相からのNMR信号を強くすることができ、その取得効率を向上することが出来る。
【選択図】図2
Description
本発明は、データ収集方法およびMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置に関し、更に詳しくは、偏極キセノンガスの溶解相(血液に溶解している状態:dissolved phase)からのNMR(Nuclear Magnetic Resonance)信号の取得効率を向上すると共にRF電力増幅器に負担をかけずに且つSAR(Specific Absorption Rate)を増大させずに、ガス相(血液に溶解していない状態:gas phase)および溶解相の両方からのデータを同時収集しうるデータ収集方法およびMRI装置に関する。
従来、偏極キセノンガスを被検体に吸入させ、肺において偏極キセノンガスを溶解した血液が臓器に浸潤した状態でRFパルスを印加して同位体キセノンを励起し、同位体キセノンが発するNMR信号を受信し、同位体キセノンの密度画像を生成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
偏極キセノンガスのガス相からのNMR信号と溶解相からのNMR信号とを同時に受信することは、灌流動態を定量化する上で必要である。このためには、ガス相および溶解相の両方を同時に励起すればよい。
しかし、ガス相と溶解相とを同時に励起すると、ガス相からのNMR信号に比べて溶解相からのNMR信号が非常に小さくなり、溶解相からのNMR信号の取得効率が悪くなる問題点がある。また、ガス相を励起するための周波数fgと溶解相を励起するための周波数fdには大きな差があり(例えば静磁場強度1.5Tにおいて12.77kHz)、両方を同時に励起するには大きなピークRFパワーが必要になり、RF電力増幅器に負担がかかる問題点がある。また、SARが増大し、被検体にとって好ましくない問題点がある。
そこで、本発明の目的は、溶解相からのNMR信号の取得効率を向上すると共にRF電力増幅器に負担をかけずに且つSARを増大させずに、偏極キセノンガスのガス相および溶解相の両方からのデータを同時収集しうるデータ収集方法およびMRI装置を提供することにある。
しかし、ガス相と溶解相とを同時に励起すると、ガス相からのNMR信号に比べて溶解相からのNMR信号が非常に小さくなり、溶解相からのNMR信号の取得効率が悪くなる問題点がある。また、ガス相を励起するための周波数fgと溶解相を励起するための周波数fdには大きな差があり(例えば静磁場強度1.5Tにおいて12.77kHz)、両方を同時に励起するには大きなピークRFパワーが必要になり、RF電力増幅器に負担がかかる問題点がある。また、SARが増大し、被検体にとって好ましくない問題点がある。
そこで、本発明の目的は、溶解相からのNMR信号の取得効率を向上すると共にRF電力増幅器に負担をかけずに且つSARを増大させずに、偏極キセノンガスのガス相および溶解相の両方からのデータを同時収集しうるデータ収集方法およびMRI装置を提供することにある。
第1の観点では、本発明は、偏極キセノンガスのガス相を励起するための周波数fgの第1RFパルスを印加し、続いて偏極キセノンガスの溶解相を励起するための周波数fdの第2RFパルスを印加し、続いてFID(Free Induction Decay)信号を受信することを特徴とするデータ収集方法を提供する。
上記第1の観点によるデータ収集方法では、ガス相を励起するための第1RFパルスと溶解相を励起するための第2RFパルスとを順に印加するため、ガス相のフリップ角を小さくし且つ溶解相のフリップ角を大きくできる。これにより、減偏極を抑えて溶解相からのNMR信号を強くすることができ、その取得効率を向上することが出来る。また、一時に大きなピークRFパワーが必要にならず、RF電力増幅器に負担がかからない。また、SARも増大しない。
なお、第2RFパルスを印加する時間だけガス相からのFID信号を受信するタイミングが遅れることになるが、ガス相からのFID信号は溶解相からのFID信号よりも強大であるため、データ収集に支障はない。これを逆にすると、溶解相からの元々小さいFID信号が減衰してしまい、好ましくない。
上記第1の観点によるデータ収集方法では、ガス相を励起するための第1RFパルスと溶解相を励起するための第2RFパルスとを順に印加するため、ガス相のフリップ角を小さくし且つ溶解相のフリップ角を大きくできる。これにより、減偏極を抑えて溶解相からのNMR信号を強くすることができ、その取得効率を向上することが出来る。また、一時に大きなピークRFパワーが必要にならず、RF電力増幅器に負担がかからない。また、SARも増大しない。
なお、第2RFパルスを印加する時間だけガス相からのFID信号を受信するタイミングが遅れることになるが、ガス相からのFID信号は溶解相からのFID信号よりも強大であるため、データ収集に支障はない。これを逆にすると、溶解相からの元々小さいFID信号が減衰してしまい、好ましくない。
第2の観点では、本発明は、上記第1の観点によるデータ収集方法において、前記第1RFパルスの振幅Agを前記第2RFパルスの振幅Adより小さくすることを特徴とするデータ収集方法を提供する。
上記第2の観点によるデータ収集方法では、第1RFパルスによるガス相の励起を、第2RFパルスによる溶解相の励起より抑制することになるが、ガス相の励起を抑制することにより減偏極を抑制でき、溶解相からのFID信号を増強できる。また、ガス相からのFID信号は溶解相からのFID信号よりも強大であるため、ガス相の励起を抑制してもデータ収集に支障はない。
上記第2の観点によるデータ収集方法では、第1RFパルスによるガス相の励起を、第2RFパルスによる溶解相の励起より抑制することになるが、ガス相の励起を抑制することにより減偏極を抑制でき、溶解相からのFID信号を増強できる。また、ガス相からのFID信号は溶解相からのFID信号よりも強大であるため、ガス相の励起を抑制してもデータ収集に支障はない。
第3の観点では、本発明は、上記第1または第2の観点によるデータ収集方法において、前記周波数fgと前記周波数fdの中間の周波数frにより前記FID信号を検波することを特徴とするデータ収集方法を提供する。
上記第3の観点によるデータ収集方法では、周波数frの両側に、ガス相のスペクトルと溶解相のスペクトルとを分離することが出来る。
上記第3の観点によるデータ収集方法では、周波数frの両側に、ガス相のスペクトルと溶解相のスペクトルとを分離することが出来る。
第4の観点では、本発明は、偏極キセノンガスのガス相を励起するための周波数fgの第1RFパルスを印加し、続いて偏極キセノンガスの溶解相を励起するための周波数fdの第2RFパルスを印加し、続いてリード傾斜磁場を印加しながらエコー信号を受信することを特徴とするデータ収集方法を提供する。
上記第4の観点によるデータ収集方法では、ガス相を励起するための第1RFパルスと溶解相を励起するための第2RFパルスとを順に印加するため、ガス相のフリップ角を小さくし且つ溶解相のフリップ角を大きくできる。これにより、減偏極を抑えて溶解相からのNMR信号を強くすることができ、その取得効率を向上することが出来る。また、一時に大きなピークRFパワーが必要にならず、RF電力増幅器に負担がかからない。また、SARも増大しない。
なお、第2RFパルスを印加する時間だけガス相からのエコー信号を受信するタイミングが遅れることになるが、ガス相からのエコー信号は溶解相からのエコー信号よりも強大であり、ガス相からのエコー信号のT2*も溶解相からのエコー信号のT2*に比べて長いため、データ収集に支障はない。これを逆にすると、溶解相からの元々小さいエコー信号が減衰してしまい、好ましくない。
上記第4の観点によるデータ収集方法では、ガス相を励起するための第1RFパルスと溶解相を励起するための第2RFパルスとを順に印加するため、ガス相のフリップ角を小さくし且つ溶解相のフリップ角を大きくできる。これにより、減偏極を抑えて溶解相からのNMR信号を強くすることができ、その取得効率を向上することが出来る。また、一時に大きなピークRFパワーが必要にならず、RF電力増幅器に負担がかからない。また、SARも増大しない。
なお、第2RFパルスを印加する時間だけガス相からのエコー信号を受信するタイミングが遅れることになるが、ガス相からのエコー信号は溶解相からのエコー信号よりも強大であり、ガス相からのエコー信号のT2*も溶解相からのエコー信号のT2*に比べて長いため、データ収集に支障はない。これを逆にすると、溶解相からの元々小さいエコー信号が減衰してしまい、好ましくない。
第5の観点では、本発明は、上記第4の観点によるデータ収集方法において、前記第1RFパルスの振幅Agを前記第2RFパルスの振幅Adより小さくすることを特徴とするデータ収集方法を提供する。
上記第5の観点によるデータ収集方法では、第1RFパルスによるガス相の励起を、第2RFパルスによる溶解相の励起より抑制することになるが、ガス相の励起を抑制することにより減偏極を抑制でき、溶解相からのFID信号を増強できる。また、ガス相からのエコー信号は溶解相からのエコー信号よりも強大であるため、ガス相の励起を抑制してもデータ収集に支障はない。
上記第5の観点によるデータ収集方法では、第1RFパルスによるガス相の励起を、第2RFパルスによる溶解相の励起より抑制することになるが、ガス相の励起を抑制することにより減偏極を抑制でき、溶解相からのFID信号を増強できる。また、ガス相からのエコー信号は溶解相からのエコー信号よりも強大であるため、ガス相の励起を抑制してもデータ収集に支障はない。
第6の観点では、本発明は、上記第4または第5の観点によるデータ収集方法において、前記周波数fgと前記周波数fdの中間の周波数frにより前記エコー信号を検波することを特徴とするデータ収集方法を提供する。
上記第6の観点によるデータ収集方法では、周波数frの両側に、ガス相のイメージと溶解相のイメージとを分離することが出来る。
上記第6の観点によるデータ収集方法では、周波数frの両側に、ガス相のイメージと溶解相のイメージとを分離することが出来る。
第7の観点では、本発明は、上記第4から第6の観点によるデータ収集方法において、前記周波数fgと前記周波数fdの差の周波数Δf=fd-fgよりも、ガス相からのエコー信号の観測領域(FOV)に対する周波数幅と溶解相からの観測領域に対する周波数幅とを足したものの半分が狭くなるように、傾斜磁場を印加することを特徴とするデータ収集方法を提供する。
上記第7の観点によるデータ収集方法では、ガス相のイメージと溶解相のイメージとが重ならないように周波数軸方向に分離することが出来る。
上記第7の観点によるデータ収集方法では、ガス相のイメージと溶解相のイメージとが重ならないように周波数軸方向に分離することが出来る。
第8の観点では、本発明は、偏極キセノンガスのガス相を励起するための周波数fgの第1RFパルスを印加し続いて偏極キセノンガスの溶解相を励起するための周波数fdの第2RFパルスを印加するRFパルス印加手段と、前記第2RFパルスの印加に続いてFID信号を受信する受信手段を具備したことを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第8の観点によるMRI装置では、前記第1の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
上記第8の観点によるMRI装置では、前記第1の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
第9の観点では、本発明は、上記第8の観点によるMRI装置において、前記第1RFパルスの振幅Agを前記第2RFパルスの振幅Adより小さくすることを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第9の観点によるMRI装置では、前記第2の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
上記第9の観点によるMRI装置では、前記第2の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
第10の観点では、本発明は、上記第8または第9の観点によるMRI装置において、前記周波数fgと前記周波数fdの中間の周波数frにより前記FID信号を検波する検波手段を具備したことを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第10の観点によるMRI装置では、前記第3の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
上記第10の観点によるMRI装置では、前記第3の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
第11の観点では、本発明は、偏極キセノンガスのガス相を励起するための周波数fgの第1RFパルスを印加し続いて偏極キセノンガスの溶解相を励起するための周波数fdの第2RFパルスを印加するRFパルス印加手段と、前記第2RFパルスの印加に続いてリード傾斜磁場を印加しながらエコー信号を受信する受信手段を具備したことを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第11の観点によるMRI装置では、前記第4の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
上記第11の観点によるMRI装置では、前記第4の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
第12の観点では、本発明は、上記第11の観点によるMRI装置において、前記第1RFパルスの振幅Agを前記第2RFパルスの振幅Adより小さくすることを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第12の観点によるMRI装置では、前記第5の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
上記第12の観点によるMRI装置では、前記第5の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
第13の観点では、本発明は、上記第11または第12の観点によるMRI装置において、前記周波数fgと前記周波数fdの中間の周波数frにより前記エコー信号を検波する検波手段を具備したことを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第13の観点によるMRI装置では、前記第6の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
上記第13の観点によるMRI装置では、前記第6の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
第14の観点では、本発明は、上記第11から第13の観点によるMRI装置において、前記周波数fgと前記周波数fdの差の周波数Δf=fd-fgよりも、ガス相からのエコー信号の観測領域に対する周波数幅と溶解相からの観測領域に対する周波数幅とを足したものの半分が狭くなるように、傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加手段を具備したことを特徴とするMRI装置を提供する。
上記第14の観点によるMRI装置では、前記第7の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
上記第14の観点によるMRI装置では、前記第7の観点によるデータ収集方法を好適に実施できる。
本発明のデータ収集方法およびMRI装置によれば、溶解相からのNMR信号の取得効率を向上することが出来る。また、RF電力増幅器に負担をかけずに且つSARを増大させずに、偏極キセノンガスのガス相および溶解相の両方からのデータを同時収集することが出来る。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、実施例1に係るMRI装置100を示すブロック図である。
このMRI装置100において、マグネットアセンブリ1は、内部に被検体を挿入するための空間部分(ボア)を有し、この空間部分を取りまくようにして、X軸傾斜磁場を形成するX軸勾配コイル1Xと、Y軸傾斜磁場を形成するY軸勾配コイル1Yと、Z軸傾斜磁場を形成するZ軸勾配コイル1Zと、被検体内の原子核のスピンを励起するためのRFパルスを与える送信コイル1Tと、被検体からのNMR信号を検出する受信コイル1Rと、静磁場を形成する永久磁石対1Mとを具備している。なお、永久磁石対1Mの代わりに超電導マグネットを用いてもよい。
このMRI装置100において、マグネットアセンブリ1は、内部に被検体を挿入するための空間部分(ボア)を有し、この空間部分を取りまくようにして、X軸傾斜磁場を形成するX軸勾配コイル1Xと、Y軸傾斜磁場を形成するY軸勾配コイル1Yと、Z軸傾斜磁場を形成するZ軸勾配コイル1Zと、被検体内の原子核のスピンを励起するためのRFパルスを与える送信コイル1Tと、被検体からのNMR信号を検出する受信コイル1Rと、静磁場を形成する永久磁石対1Mとを具備している。なお、永久磁石対1Mの代わりに超電導マグネットを用いてもよい。
X軸勾配コイル1X,Y軸勾配コイル1Y,Z軸勾配コイル1Z,送信コイル1Tおよび受信コイル1Rは、それぞれX軸勾配コイル駆動回路3X,Y軸勾配コイル駆動回路3Y,Z軸勾配コイル駆動回路3Z,RF電力増幅器4および前置増幅器5に接続されている。
シーケンス記憶回路8は、計算機7からの指令に従い、記憶しているパルスシーケンスに基づいて勾配コイル駆動回路3X,3Y,3Zを操作し、勾配コイル1X,1Y,1Zから傾斜磁場を発生させると共に、ゲート変調回路9を操作し、RF発振回路10の搬送波出力信号を所定タイミング・所定包絡線形状・所定位相のパルス状信号に変調し、それをRFパルスとしてRF電力増幅器4に加え、RF電力増幅器4でパワー増幅した後、送信コイル1Tに印加する。
前置増幅器5は、受信コイル1Rで受信された被検体からのNMR信号を増幅し、位相検波器12に入力する。位相検波器12は、RF発振回路10の出力する参照信号により前置増幅器5からのNMR信号を位相検波して、AD変換器11に与える。AD変換器11は、位相検波後のアナログ信号をデジタルデータに変換して、計算機7に入力する。
計算機7は、操作卓13から入力された情報を受け取るなどの全体的な制御を受け持つ。また、計算機7は、AD変換器11からデジタルデータを読み込み、演算処理を行って画像を生成する。
表示装置6は、画像やメッセージを表示する。
表示装置6は、画像やメッセージを表示する。
偏極キセノンガス供給装置14は、被検体に吸入させるべく、偏極キセノンガスを発生し供給する。
図2は、実施例1に掛かるパルスシーケンスを示す概念図である。
(1)被検体に偏極キセノンガスを吸入させながら、ガス相を励起するための、周波数fg,振幅Agの第1RFパルスRgを送信コイル1Tから印加する。
(1)被検体に偏極キセノンガスを吸入させながら、ガス相を励起するための、周波数fg,振幅Agの第1RFパルスRgを送信コイル1Tから印加する。
(2)続いて、RF発振回路10の搬送波出力信号の周波数をfgからfdへ切り替えると共にゲート変調回路9で振幅をAgからAdに切り替えて、溶解相を励起するための、周波数fd,振幅Adの第2RFパルスRdを印加する。ここで、静磁場が1.5Tならば、fd=fg+12.77kHzである。また、第1RFパルスRgによるガス相の励起を第2RFパルスRdによる溶解相の励起より抑制するために、Ag<Adとする。これは、ガス相からのエコー信号は溶解相からのエコー信号よりも強大であるため、ガス相の励起を抑制してもデータ収集に支障はなく、むしろ、ガス相の励起を抑制することにより、減偏極を抑制でき、溶解相からのエコー信号を増強できて、好ましいからである。
(3)続いて、受信コイル1RでFID信号を受信し、そのFID信号を位相検波器12で周波数frの参照信号により位相検波する。ここで、例えばfr=(fg+fd)/2とする。また、受信帯域は、図3に示すガス相のスペクトルSgと溶解相のスペクトルSdの両方をカバーするように設定しておく。
実施例1によれば、溶解相からのNMR信号の取得効率を向上することが出来る。また、RF電力増幅器4に負担をかけずに且つSARを増大させずに、偏極キセノンガスのガス相および溶解相の両方からのデータを同時に収集し、図3に示すガス相のスペクトルSgと溶解相のスペクトルSdを得てスペクトル解析を行うことが出来る。
図4は、実施例2に掛かるパルスシーケンスを示す概念図である。
(1)被検体に偏極キセノンガスを吸入させながら、ガス相を励起するための、周波数fg,振幅Agの第1RFパルスRgを送信コイル1Tから印加する。同時に、勾配コイル1X,1Y,1Zによりスライス傾斜磁場Gaを印加して、図5の(a)に示す如きガス相励起スライスgを規定する。
(1)被検体に偏極キセノンガスを吸入させながら、ガス相を励起するための、周波数fg,振幅Agの第1RFパルスRgを送信コイル1Tから印加する。同時に、勾配コイル1X,1Y,1Zによりスライス傾斜磁場Gaを印加して、図5の(a)に示す如きガス相励起スライスgを規定する。
(2)続いて、RF発振回路10の搬送波出力信号の周波数をfgからfdへ切り替えると共にゲート変調回路9で振幅をAgからAdに切り替えて、溶解相を励起するための、周波数fd,振幅Adの第2RFパルスRdを印加する。同時に、勾配コイル1X,1Y,1Zによりスライス傾斜磁場Gbを印加して、図5の(b)に示す如き溶解相励起スライスdを規定する。ここで、静磁場が1.5Tならば、fd=fg+12.77kHzである。また、第1RFパルスRgによるガス相の励起を第2RFパルスRdによる溶解相の励起より抑制するために、Ag<Adとする。これは、ガス相からのエコー信号は溶解相からのエコー信号よりも強大であるため、ガス相の励起を抑制してもデータ収集に支障はなく、むしろ、ガス相の励起を抑制することにより、減偏極を抑制でき、溶解相からのエコー信号を増強できて、好ましいからである。
(3)続いて、勾配コイル1X,1Y,1Zにより、スライス軸にリフェーズ傾斜磁場Gcを印加し、ワープ軸に位相エンコード傾斜磁場Gwを印加し、リード軸にディフェーズ傾斜磁場Gdを印加する。
(4)続いて、勾配コイル1X,1Y,1Zによりリード軸にリード傾斜磁場Grを印加しながら、受信コイル1Rでエコー信号を受信し、そのエコー信号を位相検波器12で周波数frの参照信号により位相検波する。ここで、例えばfr=(fg+fd)/2とする。また、受信帯域は、図6に示すガス相のイメージIgと溶解相のイメージIdの両方をカバーするように設定しておく。
図2,図4ではRFパルス波形をSINC関数型で示してあるが、非対称SINC関数型や矩形やガウシアン形など任意の波形を用いてよい。
SINC関数型のような時間軸に対称なRFパルス波形の場合、スライス傾斜磁場による位相ズレを補正するため、スライス傾斜磁場Gaの勾配強度×時間幅の面積は、スライス傾斜磁場Gbの勾配強度×時間幅の面積の2倍とし、スライス傾斜磁場Gcの勾配強度×時間幅の面積の4倍とする必要がある。ガス相と溶解相の励起パルス帯域が同じでスライス厚も同じである場合は、スライス傾斜磁場強度を変える必要はない。時間軸に非対称なRFパルス波形の場合、その位相ズレに対応する分の傾斜磁場面積合計が0になるように勾配強度×時間幅の面積,励起パルス帯域,スライス厚を設計する必要がある。
SINC関数型のような時間軸に対称なRFパルス波形の場合、スライス傾斜磁場による位相ズレを補正するため、スライス傾斜磁場Gaの勾配強度×時間幅の面積は、スライス傾斜磁場Gbの勾配強度×時間幅の面積の2倍とし、スライス傾斜磁場Gcの勾配強度×時間幅の面積の4倍とする必要がある。ガス相と溶解相の励起パルス帯域が同じでスライス厚も同じである場合は、スライス傾斜磁場強度を変える必要はない。時間軸に非対称なRFパルス波形の場合、その位相ズレに対応する分の傾斜磁場面積合計が0になるように勾配強度×時間幅の面積,励起パルス帯域,スライス厚を設計する必要がある。
RFパルス帯域は、例えば400kHzとする。このとき、1cmのスライシングが可能であり、十分実用的である。なお、RFパルス帯域をガス相と溶解相とで独立に設定可能である。また、ガス相と溶解相のスライス厚も独立に変更可能である。意図的にガス相のスライスを薄くして減偏極を抑えることも可能である。
リード傾斜磁場Grは例えば0.5mT/mとする。周波数方向のFOV幅を40cmとするとき、FOVの周波数方向の両端の周波数差は5.13kHzとなる。静磁場強度1.5Tでの周波数fgと周波数fdの差は12.77kHzであるため、ガス相のイメージIgと溶解相のイメージIdが干渉することはない。なお、静磁場強度が3Tなら、ガス相と溶解相の周波数差が2倍になるので、両者の分離がさらに容易になり、より大きな傾斜磁場を使えるなど、パルスシーケンスの自由度が高まる。
データの受信帯域は例えば±32kHzとする。これによって、ガス相と溶解相の両方のデータを収集できる。
実施例2によれば、溶解相からのNMR信号の取得効率を向上することが出来る。また、RF電力増幅器4に負担をかけずに且つSARを増大させずに、偏極キセノンガスのガス相および溶解相の両方からのデータを同時に収集し、図6に示すガス相のイメージIgと溶解相のイメージIdを得て画像解析を行うことが出来る。
溶解相内の小さいケミカルシフトにより、溶解相のイメージId中に位置ズレを生じることがある。これは、静磁場強度1.5T,受信帯域±32kHz,Mat64のとき、位相エンコード方向に1ピクセル程度であるため、通常は問題にならない。
しかし、問題になる場合は、受信帯域を高くすればよい。あるいは、図6と図7とに示すように、位相軸と周波数軸とを入れ替えてもよい。
しかし、問題になる場合は、受信帯域を高くすればよい。あるいは、図6と図7とに示すように、位相軸と周波数軸とを入れ替えてもよい。
図2,図4ではRF発振回路10の搬送波出力信号の周波数をfgからfdへRECT型に急峻に切り替えているが、ハードウエアのスペックに合わせて、なだらかに切り替えてもよい。
本発明のデータ収集方法およびMRI装置は、偏極キセノンガスをトレーサとして脳梗塞や慢性肺疾患などの診断に利用できる。
1T 送信コイル
1X X軸勾配コイル
1Y Y軸勾配コイル
1Z Z軸勾配コイル
4 RF電力増幅器
9 ゲート変調回路
10 RF発振回路
12 位相検波器
100 MRI装置
g ガス相のスライス
d 溶解相のスライス
1X X軸勾配コイル
1Y Y軸勾配コイル
1Z Z軸勾配コイル
4 RF電力増幅器
9 ゲート変調回路
10 RF発振回路
12 位相検波器
100 MRI装置
g ガス相のスライス
d 溶解相のスライス
Claims (14)
- 偏極キセノンガスのガス相を励起するための周波数fgの第1RFパルスを印加し、続いて偏極キセノンガスの溶解相を励起するための周波数fdの第2RFパルスを印加し、続いてFID信号を受信することを特徴とするデータ収集方法。
- 請求項1に記載のデータ収集方法において、前記第1RFパルスの振幅Agを前記第2RFパルスの振幅Adより小さくすることを特徴とするデータ収集方法。
- 請求項1または請求項2に記載のデータ収集方法において、前記周波数fgと前記周波数fdの中間の周波数frにより前記FID信号を検波することを特徴とするデータ収集方法。
- 偏極キセノンガスのガス相を励起するための周波数fgの第1RFパルスを印加し、続いて偏極キセノンガスの溶解相を励起するための周波数fdの第2RFパルスを印加し、続いてリード傾斜磁場を印加しながらエコー信号を受信することを特徴とするデータ収集方法。
- 請求項4に記載のデータ収集方法において、前記第1RFパルスの振幅Agを前記第2RFパルスの振幅Adより小さくすることを特徴とするデータ収集方法。
- 請求項4または請求項5に記載のデータ収集方法において、前記周波数fgと前記周波数fdの中間の周波数frにより前記エコー信号を検波することを特徴とするデータ収集方法。
- 請求項4から請求項6のいずれかに記載のデータ収集方法において、前記周波数fgと前記周波数fdの差の周波数Δf=|fd-fg|よりも、ガス相からのエコー信号の観測領域(FOV)に対する周波数幅と溶解相からの観測領域に対する周波数幅とを足したものの半分が狭くなるように、傾斜磁場を印加することを特徴とするデータ収集方法。
- 偏極キセノンガスのガス相を励起するための周波数fgの第1RFパルスを印加し続いて偏極キセノンガスの溶解相を励起するための周波数fdの第2RFパルスを印加するRFパルス印加手段と、前記第2RFパルスの印加に続いてFID信号を受信する受信手段を具備したことを特徴とするMRI装置。
- 請求項8に記載のMRI装置において、前記第1RFパルスの振幅Agを前記第2RFパルスの振幅Adより小さくすることを特徴とするMRI装置。
- 請求項8または請求項9に記載のMRI装置において、前記周波数fgと前記周波数fdの中間の周波数frにより前記FID信号を検波する検波手段を具備したことを特徴とするMRI装置。
- 偏極キセノンガスのガス相を励起するための周波数fgの第1RFパルスを印加し続いて偏極キセノンガスの溶解相を励起するための周波数fdの第2RFパルスを印加するRFパルス印加手段と、前記第2RFパルスの印加に続いてリード傾斜磁場を印加しながらエコー信号を受信する受信手段を具備したことを特徴とするMRI装置。
- 請求項11に記載のMRI装置において、前記第1RFパルスの振幅Agを前記第2RFパルスの振幅Adより小さくすることを特徴とするMRI装置。
- 請求項11または請求項12に記載のMRI装置において、前記周波数fgと前記周波数fdの中間の周波数frにより前記エコー信号を検波する検波手段を具備したことを特徴とするMRI装置。
- 請求項11から請求項13のいずれかに記載のMRI装置において、前記周波数fgと前記周波数fdの差の周波数Δf=fd-fgよりも、ガス相からのエコー信号の観測領域(FOV)に対する周波数幅と溶解相からの観測領域に対する周波数幅とを足したものの半分が狭くなるように、傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加手段を具備したことを特徴とするMRI装置。
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-
2004
- 2004-09-27 JP JP2004278764A patent/JP2006087763A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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EP2068709A4 (en) * | 2006-10-03 | 2010-03-31 | Univ Duke | SYSTEMS AND METHODS FOR EVALUATING MRI PULMONARY GAS TRANSFER WITH HYPERPOLARIZED 129XE |
US10261151B2 (en) | 2006-10-03 | 2019-04-16 | Duke University | Systems and methods for assessing pulmonary gas transfer using hyperpolarized 129Xe MRI |
US10895620B2 (en) | 2006-10-03 | 2021-01-19 | Duke University | Systems and methods for assessing pulmonary gas transfer using hyperpolarized 129XE MRI |
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