JP2006087388A - 核酸増幅分析法および装置 - Google Patents

核酸増幅分析法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】2種類以上の異なる配列を含む初期標的核酸から、初期標的核酸の存在比と比例した標的核酸を分取でき、信頼性が高く、再現性のある核酸検出または分析方法を提供すること。
【解決手段】それぞれ一塩基以上が異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸試料から、該標的核酸の一部を分取し、分取された核酸試料を検出または分析する方法であって、初期標的核酸試料の核酸濃度から、初期標的核酸試料のコピー数を求める工程、及び上記初期標的核酸試料から所定数以上のコピー数の標的核酸を分取する工程を含む核酸検出または分析方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、標的核酸中のDNA中に含まれる特定の配列の増幅、検出、および遺伝子の多型性の検出、一塩基多型分析等に関する。
遺伝子多型を分析する方法としては、Invader法(Lyamichev, et al:Science260:778−783(1993))、一本鎖DNA高次構造多型解析法(SSCP法)等がある。
Invader法は、異なる2つの対立遺伝子に特異的な塩基配列を持つ核酸断片に異なる蛍光体を標識し、検査対象の対立遺伝子と完全に一致した核酸断片の蛍光標識を検出できる検出法である。非特許文献1では本方法において反応槽の微小化および、分析反応の微量化に成功し、反応に用いるゲノムDNA量を0.2ng(約40コピー)としている。
SSCP法は、増幅した2本鎖の核酸断片を一本鎖にした後に変性させ、電気泳動を行うことで、一塩基の違いを高次構造の違いとして分離し、分析する方法である。また、SSCP法を用いて、遺伝子多型を含む対立遺伝子の量比を測定し、標準試料と検査対象の試料における2つの異なる対立遺伝子量比の測定結果を比較し、染色体の欠失(LOH)を検出することもできる。
また、シングルセル分取システム(CLONIS/OL)(オリンパス社)や、 Laser Capture Micro dissection (LCM) Systems(ビーエム機器株式会社製)を用いて、微量の癌細胞を分取し、この細胞から抽出した微量の核酸の遺伝子を増幅して分析することもできる。
また、非特許文献2に示される従来技術では、マイクロサテライト多型の対立遺伝子を分析する場合、核酸を分取したとき、確率的な現象により、分取したコピー数が少ないほど、分取によるバラツキの大きさが大きくなり、染色体増減の分析結果の再現性が低くなることを明示した。本従来技術では、この解決方法として、低コピーの核酸でも増幅可能なtime−release PCRを用いて、微量核酸の分取・分注を行わずに直接分析する方法を用いることを提案している。
第26回日本分子生物学会年会 要旨集 p778 2PC−104 Slebos et al, Laboratory Investigation (2004) 84, 649−657
非特許文献2に示される従来技術を用いれば、確かに分取・分注による再現性低下の原因を抑えることが可能である。しかし、この方法では分取・分注ができないため、同じ検体に対して複数の遺伝子の分析が困難であることや同じ検体を用いた再分析が不可能であるといった課題がある。また、このような分取および分注による再現性の低下はマイクロサテライト多型のみではなく、あらゆる異なる2種類以上の核酸を含む溶液から、分取および分注して、分析する場合にも起こり得る問題であることを発明者は実験および統計論理式により明らかにした。したがって、本発明の課題は、複数の異なる核酸をそれぞれ信頼性が高く、再現性のある核酸検出方法または核酸分析方法ならびにそれらに有用なコンピュータプログラム及び装置を提供することである。
上記の問題について、鋭意検討した結果、上記の課題を解決するためには、初期標的核酸試料から分取する標的核酸コピー数を統計学的に決定されたコピー数以上にすることで、必要な精度を満たす分析が可能であることを統計学的に証明し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の基本的な構成は、それぞれ一塩基以上が異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸試料から、該標的核酸の一部を分取し、分取された標的核酸試料を検出する方法であって、初期標的核酸試料の核酸濃度から、初期標的核酸試料のコピー数を求める工程、及び上記初期標的核酸試料から所定数以上のコピー数の標的核酸を分取する工程を含む核酸検出または分析方法にある。
本発明は更に、上記初期標的核酸試料から分取する標的核酸のコピー数が所定数を超えるときは、上記初期標的核酸試料を希釈し、該コピー数が所定数に満たないときは、上記初期標的核酸試料を濃縮する工程を含む核酸検出または分析方法を提供する。更に、上記核酸検出または分析方法は、分取する標的核酸コピー数が所定の範囲になるように調整できない核酸試料を、次工程に用いないか、用いてもその結果を用いないか、もしくは結果に警告を表記または記号を付加する工程を含むことができる。
標的核酸の分取後、次工程として核酸増幅反応もしくは、分析反応を行う核酸検出または分析方法が提供される。前記初期核酸試料がヒトゲノム又は植物ゲノムなどのゲノムDNAを含むものであるときに本発明は特に有効である。
本発明において、初期標的核酸のコピー数から2項分布を用いた統計的手法により分取すべき標的核酸のコピー数を決定することが特に好ましい。しかし、2項分布を用いることは、しばしば複雑かつ膨大な準備と演算を必要とする場合があるので、2項分布に近似した計算式を用いてコピー数を決定することは実際的である。この計算式については追って説明する。
本発明はまた、それぞれ一塩基以上が異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸試料を、一塩基以上の異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーまたはそれぞれ異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーを用いて同時に増幅し、該標的核酸における標的遺伝子部位の増幅核酸量の比率を分析する核酸検出または分析方法であって、
a)該標的核酸を含む増幅反応液を用いて核酸増幅を行う工程、
b)核酸増幅量または核酸増幅の経過から増幅反応液中の標的核酸のコピー数および、初期標的核酸のコピー数を推定する工程、
c)推定された初期標的核酸コピー数から、2項分布を用いた統計的手法によりまたは2項分布に近似した式により、増幅反応液中に必要な標的核酸コピー数濃度を決定する工程、
d)決定された必要なコピー数値と推定された増幅反応液中の標的核酸コピー数とを比較する工程、
を含む核酸検出または分析方法を提供するものである。
上記方法において、該標的核酸における標的遺伝子部位の増幅核酸量の比率を分析し、標準試料として分析した標的核酸と検査対象として分析した標的核酸の存在比率を比較して、予め設定された閾値を元にピーク比率の変化に差があるかないかを判定する工程を含むことができる。上記方法において、初期標的核酸のコピー数からポアソン分布(Poisson Distribution)を用いた統計的手法により増幅反応液中の標的核酸コピー数を決定することができる。
上記方法において、一本鎖DNA高次構造多型解析法(SSCP法)を用いることができる。また、2種類以上の異なる標的核酸に、それぞれ2色の異なる蛍光を標識し、これらの蛍光の発光量の差から標的核酸の増幅量の違いを分析する方法として、2色蛍光核酸マイクロアレイを用いることができる
上記の方法により、2種類以上の異なる配列を含む初期標的核酸試料から、初期標的核酸の存在比と比例した標的核酸を分取できる。また、初期標的核酸試料中に含まれる微量の核酸を確実に検出するための分析に用いる標的核酸のコピー数を決定できる。また、分析後の結果に対して、統計学的な信頼区間を求めることにより、より精度の高い分析結果の判定ができる。
以下、上記及びその他の本発明の新規な特徴と効果について、図面を参照して説明する。
まず、本発明の概略について説明する。図1は本発明の代表的な実施形態である。図1のフロー図に示すように、初期核酸濃度を測定し、その結果から初期核酸コピー数を算出もしくは推測し、分取すべき核酸コピー数を決定する。分取するコピー数が決まったら、初期核酸試料中のコピー数が所定の値よりも大きいときは希釈し、コピー数が所定の値よりも小さいときは濃縮して、分取に好都合な濃度に調整する。このように調整された試料から、所定のコピー数だけ分取する。これを反応液に添加し、反応液を調整して、増幅反応が必要なときは増幅反応を行い、必要でないときは、核酸検出のための反応を行う。反応の結果得られた試料を用いて核酸検出又は分析を行う。
図2は初期核酸試料中の核酸コピー数を算出する方法を示すもので、試料の二重鎖核酸の長さ(塩基数)、核酸濃度、核酸の総重量を求め、図2に示す要領で、初期核酸のコピー数を計算する。
また、分取1回あたりのコピー数を決める方法を図3に例示した。(4)式、(5)式、(8)式、(9)式は詳細な説明に示したものと同じで、これらの式を用いてコピー数が100,000未満の場合と、100,000以上の場合の計算方法を示した。また、より厳密な計算を求めるときは、2項分布である(1)式を用いた手法で計算する。以下に説明する(2)式〜(14)式は本明細書においては、2項分布に近似した式として定義される。なお、基本的には2項分布の思想を利用すればよいわけで、必要ならば、(1)式〜(14)式を変更、修正してもよいことは言うまでもない。
更に、図4においては、初期標的核酸のコピー数が、分取すべきコピー数との差が正か負か、あるいは差がないかで、試料の調整法をどうするかを示した。分取すべき標的核酸のコピー数と、初期核酸試料中のコピー数が、ほぼ同じであれば、そのまま分取を行い、反応液の調整を行う。初期核酸試料中のコピー数が、分取すべきコピー数よりも小さいときは、初期試料の濃縮を行う。また、初期標的核酸試料中のコピー数が、分取すべきコピー数よりも大きいときは、初期標的核酸試料の希釈を行う。
図5は本発明において用いられる核酸検出または分析装置の装置構成を示す線図であり、制御・解析部において、濃度測定部、サンプルアーム分注アーム部、遺伝子増幅部、及び検出部の制御を行い、その他サンプル及び試薬保持部を持つ。図6は、本発明の核酸検出または分析装置の制御・解析部、その他の機構との関係を示し、制御・解析部で濃度測定部により測定された初期標的核酸の測定値を受け、測定値を元に分取する標的核酸のコピー数を決定し、決定された値を分取するようにサンプル分注アーム部を操作する。その後の工程である、遺伝子増幅部、及び検出部の制御を行う。メモリはコンピュータにより読み出し可能な媒体であり、後述するプログラムが記憶され、コンピュータ(CPU)によって一連の操作が制御実行される。また、入力部から操作者が必要な指令、条件を入力し、操作結果及び現状、警告等を表示部に表示する。それらの結果を元に、核酸を検出部により検出し、必要な情報を表示する。したがって、本発明は、サンプル分注装置と、試料中の核酸濃度を測定する装置と、入出力装置と、核酸検出部と、コンピュータを、それぞれ一塩基以上の異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸を検出する際に、a)初期核酸濃度からコピー数を決定するための初期標的核酸の長さ、または核酸の由来を初期条件として入力する手段、b)初期核酸濃度を測定した結果を元に、初期標的核酸中のコピー数を算出する手段、c)算出した初期標的核酸コピー数から、分析反応液中に必要な標的核酸のコピー数を決定する手段として機能させるプログラムを格納した記憶装置と、該記憶装置のプログラムを読み出し、かつ検出または分析装置を制御するコンピュータと、少なくとも演算結果を表示する表示装置とを有する核酸検出または分析装置を提供する。
本発明における、それぞれ一塩基以上の異なる塩基配列を持つ2種類以上の初期標的核酸試料を用いて同時に増幅し、該標的核酸における標的遺伝子部位の増幅核酸量の比率を分析し、初期標的核酸と同じ量比の増幅核酸量を得る方法は、面1に示される以下のステップで構成される。
1)該標的核酸の濃度を測定する。
2)初期標的核酸コピー数を決定する。
3)統計論理式を用いて初期標的核酸から分取し、増幅反応液中に投入する標的核酸コピー数を決定する。
4)該標的核酸を増幅する際の反応液中の該標的核酸コピー数が所定の値にできるように初期標的核酸を希釈または濃縮し、核酸増幅反応液を調整する。
5)核酸増幅を行う。
6)核酸を分析し、低コピー数の試料に警告を意味する表記または記号を付加する。
なお、本発明における初期標的核酸試料とは生物試料から抽出された核酸または生物試料から抽出された核酸の目的の領域を含む一部から複製された核酸または人工的に合成された核酸を意味する。生物試料とは、あらゆる生物の細胞、正常組織、血液や尿中の細胞、腫瘍組織自体も含む意味である。腫瘍組織は手術や生体検査などにより採取することもできる。
標的核酸の抽出方法は、特に限定されず、従来公知の方法である、フェノール・クロロフォルム抽出法またはQIAampDNA Blood mini kit(キアゲン社製)等を用いることができる。また、例えば、尿中に存在する細胞から核酸を抽出することもできるし、その他検査対象の組織から採取した細胞や尿中の細胞から核酸を抽出することもできる。検査対象から組織を採取した場合は、検査対象本人から採取した細胞由来の核酸を含む組織であれば如何なる組織でもよく、例えば、病理学検査に使用された、標本サンプルの一部を用いても良い。また、検査対象から尿を採取した場合には、尿中に脱落してきた本人の細胞由来の核酸を含むものであれば何でもよく、通常、尿中に脱落した新陳代謝された正常細胞及び/又は癌細胞由来の核酸を、上記の種々の方法で効率よく抽出することができる。
核酸のコピー数を測定する装置としては、具体的には吸光波長測定装置、蛍光波長測定装置、UV波長測定装置等が挙げられるが、核酸コピー数の測定が可能であれば如何なる装置でもよく、上述したような装置に限定されない。
核酸を増幅する装置としては、増幅方法にPolymerase Chain Reaction(PCR)法を用いる場合、具体的にはサーマルサイクラー、より具体的には核酸を増幅する装置であるMJ Research (MJ Research社製)、等が挙げられるが、PCR法を用いた核酸増幅が可能であれば如何なる装置でもよく、上述したような装置に限定されない。このようなPCR法を利用した核酸増幅装置の場合、核酸増幅用試薬調整液を満たした微小容器に対して加温と冷却を繰り返して、核酸を増幅する。また、定温で行う核酸増幅法を用いる場合、具体的にはサーモヒーター、インキュベーター等が挙げられるが、核酸増幅が可能であれば如何なる装置でもよく、上述したような装置に限定されない。
以下、図1に示すフローの中で重要な工程について詳しく説明する。
工程1)は初期標的核酸濃度を測定し、初期標的核酸の長さを元に初期標的核酸のコピー数を決定する。本工程について以下詳細に記述するが、本工程では、初期標的核酸コピー数が算出できればよく、後述の具体例に限定されない。
初期標的核酸の濃度は前述した核酸濃度測定装置を用いて測定する。この測定法としては、UV測定法、蛍光式測定法などが挙げられる。これらの例に限定されず、初期標的核酸の濃度が測定できれば如何なる方法を用いてもよい。
工程2)において、測定により得られた濃度からコピー数を算出する方法としては、初期標的核酸の塩基数を与えれば、例えば、バイオ実験イラストレイテッド3(p26−33)に示される公知の方法で算出することができる。また、初期標的核酸のコピー数測定が困難な場合は、例えば、特開2001−314194号公報に示されるような、公知の方法等を用いて核酸増幅の経過または、核酸増幅後の増幅核酸量から増幅前の増幅反応液中の標的核酸コピー数を推定することもできるが、初期標的核酸のコピー数を測定する方法としては、これらの例に限定されず、初期標的核酸のコピー数が測定できれば如何なる方法を用いてもよい。
工程3)は初期標的核酸のコピー数から統計論理式を用いて分析反応または増幅反応に必要な最低限のコピー数を決定する(分取すべきコピー数を決める)工程である。具体的には、初期標的核酸から測定する、または上述したような核酸増幅量または核酸増幅の経過から推定した、初期標的核酸コピー数を用いて、増幅または分析反応液に最低源必要な該標的核酸コピー数を統計論理式により決定できる。以下、統計論理式を用いた、増幅または分析反応液中の標的核酸コピー数の決定方法について詳細に述べる。
本発明の原理は、低コピー数において2種類以上の標的核酸を含む溶液を分取して増幅反応液を調整する場合、分取または希釈により、各標的核酸の存在比が変化する現象を回避するものである。従って、初期標的核酸中の核酸の総量を1とし、核酸分析に用いる核酸の存在比をpとした場合、その他の核酸の比率は1−pで表すことができ、これは2項分布に従う。これより、nコピー分取したときに、分取液中にbコピー含まれる確率P(b)は、(1)式で表すことができる。
Figure 2006087388
P(b):分取液中にkコピー含まれる確率
p:初期標的核酸中のある一種類の標的核酸の割合
n:初期標的核酸から分取するコピー数
b:分取液中に含まれる分析に用いる核酸のコピー数
また、分取する核酸のコピー数をnとし、np>5かつn(1−p)>5を満たす時、これは近似的に平均p、分散p(1−p)/nの正規分布従う。従って、以下のように分取すべき標的核酸コピー数値を統計学的に求めることができる。
初期標的核酸Nが十分大きいコピー数、好ましくはN>100,000のコピー数を持つ複数の種類の標的核酸溶液がpの割合で存在しているある一種類の標的核酸を含むとき、該標的核酸溶液からnコピー分取する場合、分取した標的核酸中のある1種類の該標的遺伝子の割合Rは、統計学的にnp>5かつn(1−p)>5を満たすとき、ある信頼度の信頼区間において統計量Tを用いて、(2)式で表される範囲を取りうる。好ましくは信頼度95%を用いて、統計量T=1.96を与えるのがよく、より好ましくは99%の信頼度を用いて、統計量T=2.58を用いるのがよい。また、その他の信頼度を設定する場合は正規分布表より統計量Tを求めることもできる。
Figure 2006087388
p:初期標的核酸中のある一種類の標的核酸の割合
n:初期標的核酸から分取するコピー数
T:nが正規分布を取る場合の統計量
R:pの信頼区間(取りうる値の範囲)
また、np>5かつn(1−p)>5を満たさない場合、Rの取りうる区間はt分布の統計量tn−1を用いて(3)式で表すことができるが、より好ましくは2項分布である(1)式を用いて算出するのがよい。
Figure 2006087388
p、n、R:(2)式の定義と同じ
n−1:nがt分布を取る場合の統計量
(2)及び(3)式より、初期標的核酸が十分大きい時、95%の信頼度でコピー数によるRの取りうる値を%に換算したとき、表1のように示すことができる。
Figure 2006087388
表1は、95%の信頼度において上限と下限に挟まれた区間では、統計学的に有意な差を見出すことが不可能なことを意味する。従って、この区間が狭いほど、統計学的に初期の標的核酸と同じ量比の増幅核酸を得る確率が高い。このことから、ある信頼度の信頼区間においてnp>5かつn(1−p)>5を満たすとき、常にkの割合だけ信頼区間を許す時、所定の値nとは、統計量Tを用いると、(4)式で示すことができる。好ましくは信頼度95%を用いて、統計量T=1.96を与えるのがよく、より好ましくは99%の信頼度を用いて、統計量T=2.58を用いるのがよい。また、その他の信頼度を設定する場合は正規分布表より統計量Tを求めることもできる。
Figure 2006087388
p、n、T:(2)式の定義と同じ
k:分取液中に許される標的核酸比率の信頼区間
また、np>5かつn(1−p)>5を満たさないとき、t分布の統計量tn−1を用いて好ましくは(5)式で示すことができるが、より好ましくは2項分布である(1)式を用いて算出するのがよい。
Figure 2006087388
p、n:(2)式の定義と同じ
n−1:(3)式の定義と同じ
k:(4)式の定義と同じ
また、初期の標的核酸のコピー数が少ない場合、この初期の標的核酸のコピー数をNとすると、(2)および(3)式に有限母集団修正項を乗じて(2)式は(6)式で、(3)式は(7)式で表すことができる。
Figure 2006087388
p、n、T、R:(2)式の定義と同じ
n−1:(3)式の定義と同じ
N:初期標的核酸のコピー数
従って、初期標的核酸のコピー数が統計学的に小さい、好ましくは100、000より小さいとき、初期標的核酸のコピー数をNとすると、ある信頼度の信頼区間においてnp>5かつn(1−p)>5を満たすとき、本発明における所定の値nとは、(4)式で示した右辺をXとすると、次に示す(8)式により表すことができる。好ましくは信頼度95%を用いて、統計量T=1.96を与えるのがよく、より好ましくは99%の信頼度を用いて、統計量T=2.58を用いるのがよい。また、その他の信頼度を設定する場合は正規分布表より統計量Tを求めることもできる。
Figure 2006087388
X:(4)式右辺
N:(6)式、(7)式の定義と同じ
また、ある信頼度の信頼区間においてnp>5かつn(1−p)>5を満たさないとき、(5)式で示した右辺をXtとすると、次に示す(9)式により表すことができるが、より好ましくは2項分布である(1)式を用いて算出するのがよい。
Figure 2006087388
Xt:(5)式右辺
N:(6)式、(7)式の定義と同じ
また、標的核酸中における存在比率の小さい標的遺伝子を確実に増幅するための最低コピー数も算出することができる。例えば表1より、100,000以上のコピー数を持つ複数の種類の標的核酸中に10%の割合で存在している、ある1種類の標的遺伝子を増幅する場合、統計学的に、95%の信頼度において、コピー数が35未満では検出できない可能性がある。従って、ある信頼度の信頼区間において、pの割合で含まれている標的核酸を確実に増幅するために分取すべき所定の値nとは、分取液中にbコピー含まれる確率P(b)としたときにPoisson分布より与えられる(10)式より導くのが望ましい。
Figure 2006087388
P(b)、p、n、b:(1)式の定義と同じ
e:自然対数の底
しかし、(10)式は複雑かつ難解な式となるため、2項分布を正規分布に近似し、ある信頼度の信頼区間においてpの割合で含まれている標的核酸を確実に増幅できる所定の値nとは、統計量Tを用いて(11)式で示すことができる。好ましくは信頼度95%を用いて、統計量T=1.96を与えるのがよく、より好ましくは99%の信頼度を用いて、統計量T=2.58を用いるのがよい。また、その他の信頼度を設定する場合は正規分布表より統計量Tを求めることもできるが、より好ましくは、Poisson分布を用いる。
Figure 2006087388
p、n、T:(2)式の定義と同じ
また、np>5かつn(1−p)>5を満たさないとき、t分布の統計量tn−1を用いて好ましくは(12)式で示すことができるが、より好ましくは、Poisson分布を用いる。
Figure 2006087388
p、n、T:(2)式の定義と同じ
また、初期の標的核酸のコピー数が少ない場合、この初期の標的核酸のコピー数をNとし、(11)式で示した右辺をYとすると、次に示す(13)式により表すことができる。
Figure 2006087388
Y:(11)式右辺
N:(6)式、(7)式の定義と同じ
また、np>5かつn(1−p)>5を満たさないとき、(12)式で示した右辺をYtとすると、次に示す(14)式により表すことができるが、より好ましくは、Poisson分布を用いる。
Figure 2006087388
Yt:(12)式右辺
N:(6)式、(7)式の定義と同じ
好ましくは信頼度95%を用いて、統計量T=1.96を与えるのがよく、より好ましくは99%の信頼度を用いて、統計量T=2.58を用いるのがよい。また、その他の信頼度を設定する場合は正規分布表より統計量Tを求めることもできる。
以上の方法により、それぞれ一塩基以上の異なる塩基配列持つ2種類以上の標的核酸を、プライマーを用いて同時に増幅する際に、該標的核酸量と比例した増幅核酸量を得ることができる。また、本発明における(4)(5)(8)(9)式のpの値およびkの値は、本発明を適用する検出法または検出装置により異なるが、定量性の低い分析法および装置の場合は、k値を高く設定し、定量性の高い分析法及び装置の場合、k値を低く設定するのが好ましい。P値については検出したい標的核酸の存在比率で設定する。しかし、存在比率が分からない場合、p値は好ましくは0.5を用い、より好ましくは推定できる存在比率に設定する。より詳細には、後述の工程5)において、本発明を適用する可能性のある検出法及び装置と、p値及びk値の設定について記述する。
工程7)は増幅反応液または分析反応液中の標的核酸のコピー数を調整する工程である。増幅反応液または分析反応液における該標的核酸コピー数を上記方法により決定された値にする方法について、以下詳細に記述するが、本工程は増幅または分析反応液の該標的核酸コピー数が上記方法により決定された値となればよく、以下の詳細な記述に限定されない。
初期標的核酸のコピー数を測定した結果、初期標的核酸のコピー数が十分多い場合は、まず初期標的核酸を希釈する必要がある。希釈方法は初期標的核酸を一部分取し、溶媒に混ぜることにより可能となる。希釈に用いる溶媒としては、核酸断片が溶け、次工程の核酸増幅反応または核酸分析反応に影響を与えなければ如何なる溶媒を用いてもよい。また、初期標的核酸のコピー数が決定された標的核酸のコピー数以下の場合は、初期標的核酸をエタノール沈殿法等の公知の方法を用いて濃縮することができる。
次工程において核酸増幅を行う場合は初期標的核酸溶液の上記のように希釈または濃縮したコピー数調整液を一部分取し、核酸増幅試薬を調整し、その調整液に希釈または濃縮核酸を上述の方法により決定された値になるように投入する。また、初期標的核酸のコピー数を測定した結果、初期標的核酸コピー数が低く直接調整できる場合は該標的核酸を一部分取し、核酸増幅試薬とプライマーを調整した調整液に該標的核酸を上述の方法で決定された値になるように調整すればよい。初期標的核酸コピー数が所定の値に満たない際には、試料を追加するか、試料を濃縮するか、分析に用いない。もしくは、分析後に警告を意味する表記または記号を付加する。
核酸増幅を行わずに直接分析する場合は、初期標的核酸溶液を用いて上記のように希釈または濃縮したコピー数調整液を一部分取し、分析用の反応液に投入すればよい。また、初期標的核酸のコピー数を測定した結果、初期標的核酸コピー数が低く直接調整できる場合は該標的核酸を一部分取し、分析用反応液に該標的核酸を上述の方法で決定された値になるように調整すればよい。分析用反応液の組成については、初期標的核酸から直接目的とする分析が可能であれば如何なる組成を用いてもよい。
工程8)‘は核酸増幅を行う工程である。核酸増幅を行わずに直接分析反応を行う場合は本工程を行う必要はなく、工程9)に移る。核酸増幅を行う場合について、本工程の核酸増幅を詳細に説明するが、本工程は核酸増幅が可能であればよく、以下の詳細な例に限定されない。
核酸増幅の方法は、特に限定されるものではないが、例えば、PCR法、鎖置換増幅法(SDA法)、等温遺伝子増幅法(ICAN法)、LAMP法などがある。いずれの方法においても一塩基以上の異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸を、プライマーを用いて同時に増幅が可能であればよいが、より好ましくはPCR法を用いる。核酸増幅にPCR法を用いる場合、サイクル数を決定する必要がある。本発明におけるサイクル数は核酸断片の増幅が確認できれば如何なるサイクル数を用いても良いが、好ましくは20〜40サイクル前後がよい。
本発明に用いる核酸増幅試薬は限定されるものではなく、核酸増幅が可能であれば如何なる試薬を用いてもよい。また、プライマーは検出したい核酸配列部位に対して特異的な遺伝子配列になるように設計する。プライマーは核酸増幅法による増幅が可能であれば如何なる設計でも良い。さらに、後述する増幅核酸断片の検出を容易にする目的等で、プライマーを標識することもできる。また、核酸増幅を実施する際に標識した塩基成分(例えば燐の放射性標識塩基)を用いる方法、又は、核酸増幅を実施した後に標識する方法により、核酸断片を標識することもできる。標識処理方法としては、検出し易いものであれば特に制限はなく、放射性物質、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン(酵素標識アビジンで検出)を用いた標識方法を挙げることができる。プライマーに対しては、例えば、プライマーの末端を予めA.L.F red(Cy5、登録商標)amidite試薬(ファルマシア社製)で蛍光標識したものを用いることもできる。また、蛍光ラベルとしてはアプライドバイオシステムズ社のFAM、TET、HEX、TAMRA、ROX(以上、登録商標)なども使用できる。これらの場合、プライマーの5’末端または3’末端のどちらか一方を標識すればよく、好ましくはプライマーの5’末端を標識したものを用いる。
工程10)は標的核酸を分析し、2つの異なる標的核酸の量比を測定する工程である。増幅または分析反応液中の2種類以上の異なる配列を持つ核酸を検出する方法として、具体的には、一本鎖DNA高次構造多型解析法(SSCP法)、2色蛍光DNAアレイ法、Mass Array法、Invader法、Bamper法等が挙げられる。しかし、本工程では、SNPsや2つの異なる対立遺伝子、複数の異なる核酸が含まれた溶液中から目的の標的核酸を検出できればよく、これらの具体例に限定されない。
一本鎖DNA高次構造多型解析法(SSCP法)とは標的核酸中の相同だが一塩基以上の異なる配列を含む部位を核酸増幅し、得られた増幅核酸を変性させ、塩基配列の違いを高次構造の違いとして分離し、電気泳動により異なる2本のピークの量比で検出する方法である。この分析法を用いる臨床的検査法としてはLOH法、MSI法等が挙げられる。
このように異なる2本のピークの面積比や高さ比等を用いた量比で検出及び測定が可能な分析法の場合、検出および測定された量比は、初期核酸と一致率が高く、分析にも高い定量性が必要となる。このため、このような場合、一般的に信頼区間(上限と下限の差)10%以内の定量性が求められ、このときk=0.05を与えることができる。
2色蛍光DNAアレイ法を用いた場合、蛍光色素の赤もしくは緑への変化からDNAの違いを検出するため、原理的に高い定量性を要する検出は難しく、一般的に大まかな検出が可能であればよい。この分析法を用いる検査法としてはCGH法、各種SNP検出法等が挙げられる。このような場合、一般的に信頼区間30%程度の定量性が求められ、このときk=0.15を与えることができる。また、これらの分析法のような標的核酸がヘテロ接合体であることを分析する場合は、初期核酸中の2つの異なる標的核酸の割合1:1である。従って、p=0.5を与えることができる。
増幅した核酸を検出し、分析する装置には、具体的にはキャピラリー電気泳動装置、ゲル板電気泳動装置、質量分析装置、核酸マイクロアレイ等が挙げられる。より具体的には核酸の塩基配列を決定するジェネティックアナライザー(ABI社製)、金属イオン、核酸、蛋白等の様々な物質を電気泳動により分析できるキャピラリー電気泳動システム(Agilent Technologies社)、キャピラリーと質量分析システムを結合させたCE/MSシステム(Agilent Technologies社製)、ゲル板により核酸の配列を決定できるBaseStation(登録商標)100DNA Fragment analyzer(MJ Research社製)、遺伝子多型における塩基の違いを質量の違いとして分析可能なmicroflex(BrukerDaltonics社製)、検出したい遺伝子領域の塩基配列を合成されたプローブをチップ上に配列させ、検出したい核酸とチップを反応させる核酸マイクロアレイ等が挙げられるが、核酸を検出可能であれば如何なる装置でもよく、上述したような分析装置に限定されない。
具体的な分析方法として16本キャピラリー電気泳動装置用い、一本鎖DNA高次構造多型解析法を利用したヘテロ接合性の消失(以下LOH)の測定法を述べるが、本発明では(4)、(5)、(8)、(9)式を用いて所定の値を決定し、該標的核酸の割合において目標とする信頼区間での増幅が確認できればよく、後述する測定法に限定されるものではない。該分析法を用いた場合、増幅核酸の電気泳動結果として1本または2本のピークを得ることができる。LOHの測定法においては、標準となる標的核酸と検査対象となる標的核酸をそれぞれ増幅し、それぞれの核酸に対して2本のピークの高さを測定し、その比率を算出し、一方のピークの減少率を算出し、標準となる標的核酸と検査対象となる標的核酸とのピーク比率の差を比較し、これらの差が小さければ陰性、差が大きければ陽性として判定する。また、これらの差が判定の閾値周辺の場合は、判定無効とすることもある。
以下、核酸増幅前に標的核酸コピー数を調べるか、もしくは、増幅経過または増幅後に標的核酸コピー数を調べ、低コピー数であっても分析を行う場合について詳細に記述するが、本工程では最終的な測定結果において、測定した標的核酸が低コピーであることが分かればよく以下の具体例に限定されない。
統計学的論理式より決定された値以下のコピー数の標的核酸を増幅し、LOH検査を行った場合、測定した初期標的核酸コピー数と増幅反応液中標的核酸コピー数及び得られたピーク比率から、(2)、(3)、(6)、(7)式を用いて、得られたピークの信頼区間を求めることができる。得られた信頼区間が閾値を含む範囲に及んだ場合、この時の検査結果は陽性・陰性のどちらの判定も取りうるため、好ましくは、この検査の結果は低コピー数による解析のため警告を意味する表記または記号を付加する。より好ましくは、この検査の結果は低コピー数による解析のため判定保留、または判定無効として扱う。また、得られた信頼区間が判定閾値を含まない範囲の場合は、陽性または陰性の判定結果を表示する。より好ましくは、合わせて低コピー数で増幅・解析を行った警告を意味する表記または記号を付加する。上述したように低コピー数による信頼区間の広がりを測定結果に反映させることで、より精度の高い測定結果を得ることが可能となる。
また、本発明において、一塩基以上の異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸検出に使用するプログラムが提供される。すなわち、それぞれ一塩基以上の異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸を、一塩基以上の異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーまたはそれぞれ異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーを用いて、分析する際に、コンピュータを機能させるための以下の手段を含むものである。
a)初期核酸濃度からコピー数を決定するための初期標的核酸の長さ、または核酸の由来を初期条件として入力する手段、
b)初期核酸濃度を測定した結果を元に、初期標的核酸中のコピー数を算出する手段、
c)算出した初期標的核酸コピー数から、分析反応液中に必要な標的核酸のコピー数を決定する手段、
d)初期標的核酸コピー数と分析反応を行うために必要な標的核酸コピー数を比較し、分析反応液中の該標的核酸コピー数を決定した値以上に調整できない初期標的核酸を分析に用いない、もしくは分析してもデータとして用いない、もしくは分析データに警告を意味する表記または記号を付加する手段。
また、他のプログラムの例として、それぞれ一塩基以上の異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸を、一塩基以上の異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーまたはそれぞれ異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーを用いて同時に増幅し、分析する際に、以下の手段を含むプログラムがある。
a)初期核酸濃度からコピー数を決定するための初期標的核酸の長さ、または核酸の由来を初期条件として入力する手段、
b)初期核酸濃度を測定した結果を元に、初期標的核酸中のコピー数を算出する手段、
c)算出した初期標的核酸コピー数から、増幅反応液中に必要な標的核酸のコピー数を決定する手段、及び
d)初期標的核酸コピー数と増幅反応を行うために必要な標的核酸コピー数を比較する手段。
更にまた、それぞれ一塩基以上の異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸を、一塩基以上の異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーまたはそれぞれ異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーを用いて同時に増幅し、該標的核酸における標的遺伝子部位の増幅核酸量の比率を分析し、標準試料として分析した標的核酸と検査対象として分析した標的核酸の存在比率を比較して、予め設定された閾値を元にピーク比率の変化に差があるかないかを判定する方法において、以下の手段としてコンピュータを機能させるプログラムが提供される。
a)初期核酸濃度からコピー数を決定するための初期標的核酸の長さ、または核酸の由来を初期条件として要求する手段、
b)初期核酸濃度を核酸濃度測定装置を用いて測定、または増幅の経過及び核酸増幅量から推定した結果を元に、初期標的核酸中のコピー数を算出する手段、
c)該標的核酸の存在比率を分析した結果から、2項分布またその近似式を用いて、この結果の信頼区間を算出する手段、及び
d)差があると判定する閾値と信頼区間の重なりを調べ、閾値と信頼区間が重なっていなければ差がある、又は差がないと判定し、閾値と信頼区間が重なっている場合は判定無効とする手段。
更にまた、上記プログラムを記録し、コンピュータにより読み出し可能な記録媒体が提供される。
(実施例1)SSCP解析法を用いた低濃度核酸のヘテロ接合体対立遺伝子の存在比率
1.試料の調整と一塩基多型部位の増幅
血液より抽出したヒト由来核酸における対立遺伝子の存在比について、初期標的核酸中の対立遺伝子の相対比率と増幅後の異なる2つの対立遺伝子の相対比率について、A)2%以内の精度を求める場合、B)5%以内の精度を求める場合、C)15%以内の精度を求める場合、D)40%以内の精度を求める場合、において必要なコピー数を表2に示した。それぞれのコピー数に分注した4種類の標的核酸増幅液それぞれに対して、表3に示す組成で調整した。すなわち、高い精度を期待する場合ほどコピー数が大きくなることが明らかである。これらの調整は8回の試行で行われた。
Figure 2006087388
Figure 2006087388
各調整液に対して、ヘテロ接合の対立遺伝子の一塩基多型部位を標的として、PCR増幅を行った。PCR増幅の条件は、95℃で2分間の初回変性の後、95℃で30秒、57℃で30秒及び72℃で30秒を1サイクルとして30サイクル、その後、72℃で7分間の伸長反応を行う条件とした。
2.SSCP解析
上記の増幅反応後、Klenow Fragment(タカラバイオ社製)を用いて表4の組成により、温度37℃で30分間反応させ、末端平滑処理を行った。
Figure 2006087388
末端平滑処理後の試料とTAMRA Size Standard(ABI社製)およびFormamid(ABI社製)を用いて、SSCP解析用試薬を表5に示す組成に調整後、92℃で2分間の熱変性後、表6に示す条件にてSSCP解析を行った。
Figure 2006087388
Figure 2006087388
3.対立遺伝子の相対比率
SSCP解析では、ヘテロ接合体である対立遺伝子の増幅量をクロマトグラムにおいて2つの波形で検出できる。これら2つの波形の相対比率を求めることで、本来、等量含まれる対立遺伝子が核酸増幅後における変化を調べることができる。本実験においては8回の試行におけるピーク比率の変化の割合を調べた。この結果を表7に示す。
Figure 2006087388
表7の結果では、試行回数が少ないため、バラツキの範囲は小さくなったが、確かにコピー数の減少により、バラツキの範囲が増大する傾向がある。この結果より、初期標的核酸から分取する核酸量を調節することで、要求する精度の範囲内における解析が可能あることがわかる。
(実施例2)SSCP解析を用いたLOH検査
1.測定条件の決定
LOH検査とは、核酸中の2つの異なる対立遺伝子の量比を核酸中の一塩基の違いを利用して測定し、標準の所期標的核酸の該量比と比較して検査対象の該量比の変化を調べることである。従って、2つの異なる対立遺伝子の量比は、一般的には動物ゲノム核酸で1:1であり、2つの異なる対立遺伝子の一方を検出するとしたとき、この検出したい初期標的核酸の割合は50%のため、p=0.5が与えられる。これに対して、対立遺伝子の量比に変化があるかどうか検査する検査対象の該量比は、解析するまで、分からないため、仮に、標準と同じp=0.5を与え、解析後に補正する。また、本解析法は10%以上の核酸を検出する必要があることから、95%の信頼度において信頼区間を10%(±5%)以内に抑える必要があるため、T=1.96、k=0.05を与える。
本実施例では、患者の血液から抽出された核酸を標準の初期標的核酸、患者の癌組織や尿等から抽出された核酸を検査対象の初期標的核酸として、10種類の遺伝子検査領域を増幅して検査を行う。
2.初期標的核酸のコピー数決定および、増幅反応液中のコピー数決定
ヒト由来血液より、フェノール・クロロフォルム抽出法により抽出した膀胱癌患者のヒト血液由来核酸を標準の初期標的核酸として用い、該患者の尿より上記方法で抽出したヒト尿由来核酸を検査対象の初期標的核酸として用いた。これらの初期標的核酸の濃度をUV吸光測定装置を用いて測定し、細胞1個あたりのゲノムDNAの長さを4.0×10kbpと仮定して換算したコピー数を表8に示した。
Figure 2006087388
この時、増幅反応液中の標的核酸コピー数の計算式は、血液および組織由来ゲノムDNAは100,000以上のコピー数を持つため、母集団は十分大きいとして(4)、(5)式を用いる。また、本実施例において尿由来ゲノムDNAの初期コピー数が少かったため、初期コピー数N=1575を与え(8)、(9)式より求める。以上の条件より、表8に示す増幅反応に必要なコピー数が与えられる。
Figure 2006087388
本検査では10種類の遺伝子検査領域を増幅する必要があるため、10種類の反応液を準備する。従って、各反応液に増幅に必要なコピー数濃度の初期標的核酸を1μlずつ分注する場合、最低でも10μlの初期標的核酸を容易する必要がある。しかし、ゲノムDNAの全コピー数が非常に少なく、分析に必要量に満たない場合、信頼できる検査結果を得ることができないことが考えられる。この場合、本実施例では分析を行い、最終結果に判定に警告を意味する表記または記号を付加する。
3.核酸増幅反応液の調整と核酸増幅
反応液中の標的核酸のコピー数は、表9において決定された値以上の濃度(コピー数/μl)であればよく、初期標的核酸コピー数が十分存在する場合において、好ましくは10,000コピー程度に調整すると良い。従って、表10のように血液および組織由来ゲノムDNAを希釈し、10,000コピー/μlの希釈液を調整し、尿由来ゲノムDNAは少しでも濃度を高めるために、総量15μlの初期標的核酸溶液に対してエタノール沈殿法を用いて、総量を10μlに濃縮し、初期標的核酸濃度を157コピー数/μlとした。
Figure 2006087388
そして、これらの本実施例では核酸増幅法としてPCR法を用い、核酸増幅試薬組成として表11に示す組成と濃度で10種類の増幅反応液を調整した。
Figure 2006087388
これらの調整液に希釈または濃縮した初期標的核酸を1.0μl分注し、尿由来標的核酸以外は増幅反応液中の標的核酸中のコピー数を表2に示された値以上にして、以下の条件でPCR増幅を行った。PCR増幅の条件は、95℃で2分間の初回変性の後、95℃で30秒、57℃で30秒及び72℃で30秒を1サイクルとして30サイクル、その後、72℃で7分間の伸長反応を行う条件とした。
4.SSCP解析法を用いたピーク比率測定
分析用サンプルの調整では次に示す順に試薬とサンプルを添加したが、添加する順序はこの例に限定されない。分析用の微量容器にDNAの変性剤であるFormamid 36μlにサイズ標準マーカとなる4nM TAMRA size standard(ABI社)を1.0μl添加し、DNA増幅産物の原液を3.0μl加え、総量40μlに調整した。調整サンプルに対してサンプル導入条件として電圧20kV時間5秒、泳動条件として電圧15kV、時間70分間でSSCP電気泳動を行った。この時、増幅したA〜Jの10種類の遺伝子検査領域に対して得られた2本のピークから、2つの異なる対立遺伝子のうち検出したい標的核酸の存在比率を測定した結果を表12に示す。
Figure 2006087388
5.ピーク比率からの信頼区間の再検定とLOH判定
表12の結果および(2)、(6)式から、各遺伝子検査領域の持つ判定の閾値と、それぞれの遺伝子検査領域における組織および尿の比率の推定できる上限値と下限値示した、そしてこれらを考慮した判定を行う。この場合、判定の判断方法としては、比率上限が判定閾値よりも下であれば陽性、比率下限が判定閾値よりも上であれば陰性、上限と下限の間に判定閾値が入っている場合は判定無効と判断できる。これらの結果を表13に示す。
Figure 2006087388
このように、検査によって測定された比率をもとに、(2)、(3)、(6)、(7)式を用いて、再検定を行うことにより、統計学的に95%の信頼度を持った検査結果を得ることが可能となる。本実施例は統計学的に95%の信頼度を元に結果を判定したが、より好ましくは99%を用いる。
(実施例3)血液中のウイルス核酸の検出
1.測定条件の決定
血液中に微量に含まれるウイルス核酸を検出する方法として、患者の血液から抽出した初期核酸に対してウイルスの持つ遺伝子配列に特異的なプライマーを用い、遺伝子増幅を行うことでウイルス核酸を検出できる。本実施例では、遺伝子増幅を行う際に、この初期核酸から一部核酸を分取して増幅試薬中に投入する場合、初期核酸中に0.01%以上存在するウイルス核酸を99%の信頼度で分取できる核酸コピー数を決定する実施例について以下に述べる。このとき、0.01%以上のウイルス核酸を検出したいため、p=0.0001が与えられ、99%の信頼度における統計量T=2.58を与えることができる。
初期標的核酸のコピー数決定および増幅反応液中のコピー数決定
ヒト由来血液より、フェノール・クロロフォルム抽出法により抽出した患者のヒト血液由来核酸を標準の初期標的核酸として用い、初期標的核酸の濃度をUV吸光測定装置を用いて測定し、細胞1個あたりのゲノムDNAの長さを4.0×10kbpと仮定して換算したコピー数を表14に示した。ただし、ウイルス核酸のコピー数は不明のため、ゲノム核酸のコピー数から決定することとする。
Figure 2006087388
この時、増幅反応液中の標的核酸コピー数の計算式は、血液由来ゲノム核酸は100,000以上のコピー数を持つため、母集団は十分大きいとして(11)式を用いる。以上の条件より、表15に示す増幅反応に必要な核酸量またはコピー数が与えられる。
Figure 2006087388
この結果、患者Aについては、初期核酸を一部希釈し、分取することで、検査を行うことができる。しかし、患者Bの場合はゲノム核酸の全コピー数が少なく、分析に必要な量に達しないため、信頼できる検査結果を得ることができないことが考えられる。この場合、分析に用いないか、分析後の最終結果の判定に警告を意味する表記または記号を付加する。
本発明の核酸検出または分析方法の主要部を示すフロー図。 初期核酸のコピー数を算出方法を示すフロー図。 標的核酸から分取するコピー数を決定する方法を示すフロー図。 初期核酸のコピー数調整方法を示すフロー図。 本発明が適用される核酸検出または分析装置の構成を示す概略図。 本発明が適用される核酸検出または分析装置の制御・解析部及びその他の機構を示す概略図。
符号の説明
1…サンプル分注アーム部、2…アーム可動部、3…濃度測定部、4…遺伝子増幅部、5…原液サンプル保持部、6…調整試薬保持部、7…分析用サンプル保持部、9…検出部、10…制御及び解析部。

Claims (21)

  1. それぞれ一塩基以上が異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸試料から、標的核酸の一部を分取し、分取された核酸試料を検出または分析する方法であって、
    初期標的核酸試料の核酸濃度から、初期標的核酸のコピー数を求める工程、及び
    上記初期標的核酸試料から所定数以上のコピー数の標的核酸を分取する工程、
    を含む核酸検出または分析方法。
  2. 更に、上記初期標的核酸試料から分取する標的核酸のコピー数が所定数を超えるときは、上記初期標的核酸試料を希釈し、該コピー数が所定数に満たないときは、上記初期標的核酸試料を濃縮する工程を含む、請求項1記載の核酸検出または分析方法。
  3. 更に、分取する標的核酸コピー数が所定の範囲になるように調整できない核酸試料を、次工程に用いないか、用いてもその結果を用いないか、もしくは結果に警告を表記または記号を付加する工程を含む請求項1記載の核酸検出または分析方法。
  4. 標的核酸の分取後、次工程として核酸増幅反応もしくは、分析反応を行う請求項1記載の核酸検出または分析方法。
  5. 前記初期標的核酸試料がゲノムDNAを含むものである請求項1記載の核酸検出または分析方法。
  6. 分取された核酸試料を核酸分析反応し、所望の手段により標的核酸を検出する工程を含む請求項1記載の核酸検出または分析方法。
  7. 標的核酸のコピー数から2項分布を用いた統計的手法または2項分布に近似した式により、分取すべき標的核酸のコピー数を決定する工程を含む請求項1記載の核酸検出または分析方法。
  8. 一塩基以上の異なる塩基配列部位が遺伝子多型であることを特徴とする請求項1に記載の核酸検出または分析方法。
  9. 一塩基以上の異なる塩基配列部位が一塩基多型であることを特徴とする請求項1に記載の核酸検出または分析方法。
  10. 一塩基以上の異なる塩基配列部位がマイクロサテライト多型であることを特徴とする請求項1に記載の核酸検出または分析方法。
  11. それぞれ一塩基以上が異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸試料を、一塩基以上の異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーまたはそれぞれ異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーを用いて同時に増幅し、該標的核酸における標的遺伝子部位の増幅核酸量の比率を分析する核酸検出または分析方法であって、
    a)該標的核酸を含む増幅反応液を用いて核酸増幅を行う工程、
    b)核酸増幅量または核酸増幅の経過から増幅反応液中の標的核酸のコピー数および、初期標的核酸のコピー数を推定する工程、
    c)推定された初期標的核酸コピー数から、2項分布を用いた統計的手法または2項分布に近似した式により増幅反応液中に必要な標的核酸コピー数濃度を決定する工程、
    d)決定された必要なコピー数値と推定された増幅反応液中の標的核酸コピー数とを比較する工程、
    を含むことを特徴とする核酸検出または分析方法。
  12. 2つの異なる核酸の増幅量を定量することにより検出または分析する方法として、一本鎖DNA高次構造多型解析法を用いることを特徴とする請求項11記載の核酸検出または分析方法。
  13. 2種類以上の異なる標的核酸に、それぞれ2色の異なる蛍光を標識し、これらの蛍光の発光量の差から標的核酸の増幅量の違いを分析する方法として、2色蛍光核酸マイクロアレイを用いることを特徴とする請求項11記載の核酸検出または分析方法。
  14. 上記標的核酸における標的遺伝子部位の増幅核酸量の比率を分析し、標準試料として分析した標的核酸と検査対象として分析した標的核酸の存在比率を比較して、予め設定された閾値を元にピーク比率の変化に差があるかないかを判定する工程を含む請求項11記載の核酸検出または分析方法。
  15. 2項分布を用いた統計的手法により、測定した該標的核酸の存在比率の信頼区間を算出する工程を含む請求項11記載の核酸検出または分析方法。
  16. 差があると判定する閾値と信頼区間の重なりを調べ、閾値と信頼区間が重なっていなければ差がある、又は差がないと判定し、閾値と信頼区間が重なっている場合は判定無効とする工程を含む請求項11記載の核酸検出または分析方法。
  17. それぞれ一塩基以上が異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸を、一塩基以上の異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーまたはそれぞれ異なる塩基配列部位に対して特異的な2種塁以上のプライマーを用いて、含まれている標的核酸の中で比率の最も少ない標的核酸を増幅する工程を含む請求項11記載の核酸検出または分析方法。
  18. 初期標的核酸のコピー数からポアソン分布(Poisson Distribution)を用いた統計的手法により増幅反応液中の標的核酸コピー数を決定する工程を含む請求項11記載の核酸検出または分析方法。
  19. 増幅または分析反応液中の標的核酸コピー数が所定の値以上になるように、初期標的核酸試料を希釈・濃縮し、増幅または分析反応液を調整する工程、
    増幅または分析反応液中の該標的核酸コピー数を上記所定の値以上に調整できない初期標的核酸試料を分析に用いない、もしくは分析してもデータとして用いない、もしくは分析データに警告を意味する表記または記号を付加する工程、
    を含む請求項11記載の核酸検出または分析方法。
  20. 核酸検出または分析装置のコンピュータを、
    a)それぞれ一塩基以上の異なる塩基配列を持つ2種類以上の標的核酸試料を、一塩基以上の異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーまたはそれぞれ異なる塩基配列部位に対して特異的な2種類以上のプライマーを用いて検出または分析する際に、初期核酸濃度からコピー数を決定するための標的核酸の長さ、または核酸の由来を初期条件として入力する手段、
    b)初期核酸濃度を測定した結果を元に、初期標的核酸中のコピー数を算出する手段、
    c)算出した初期標的核酸コピー数から、分析反応液中に必要な標的核酸のコピー数を決定する手段、
    として機能させるための核酸検出または分析プログラム。
  21. サンプル分注装置と、試料中の核酸濃度を測定する装置と、入出力装置と、核酸検出部と、それぞれ一塩基以上の異なる塩基配列を持つ2種類以上の初期標的核酸試料を検出する際に、コンピュータを、a)初期核酸濃度からコピー数を決定するための初期標的核酸の長さ、または核酸の由来を初期条件として入力する手段、c)初期核酸濃度を測定した結果を元に、初期標的核酸中のコピー数を算出する手段、b)算出した初期標的核酸コピー数から、分析反応液中に必要な標的核酸のコピー数を決定する手段として機能させるためのプログラムを格納した記憶装置と、該記憶装置のプログラムを読み出し、かつ検出または分析装置を制御するコンピュータと、少なくとも演算結果を表示する表示装置とを有する核酸または分析装置。
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