JP2006086617A - フラフープアンテナ及び無線通信機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フラフープアンテナ1が無線通信機の回路基板11に取り付けられている。フラフープアンテナ1は、矩形状の放射電極2と切替スイッチ回路3と周波数可変回路4−1,4−2とで構成されている。切替スイッチ回路3は、放射電極2の両端部21,22のいずれかに給電線30を電気的に接続する回路である。周波数可変回路4−1,4−2は、そのリアクタンスを調整することで放射電極2の共振周波数を変化させることができる回路であり、それぞれが放射電極2の端部21,22に近設されている。なお、各周波数可変回路4−1(4−2)は、チップコンデンサ部品40とチップインダクタ部品41とバラクタ42とで構成されている。
【選択図】図1
Description
これにより、周波数可変回路のリアクタンス成分を変えることによって、放射電極の電気長を変化させ、放射電極の共振周波数を変えることができるようになっている。
また、上記フラフープアンテナでは、放射電極を回路基板の非グランド領域に導体パターンで形成した構成であるので、アンテナの指向性が固定パターンとなる。このため、このフラフープアンテナを携帯電話などの無線通信機に用いる場合には、異なる指向性を持つ別のアンテナと共にダイバーシチアンテナを構成する必要がある。しかし、携帯電話などの小型の無線通信機に2種類のアンテナを装着するには、スペース上の制約があり、実装することが困難であった。
かかる構成により、切替スイッチ回路によって、放射電極の両端部のいずれか一方の端部と給電線とを電気的接続すると、放射電極に導通した電流の分布が給電線と接続した当該一方の端部側で最も大きく、開放状態の他方の端部でほぼゼロの状態になり、当該放射電極の電気長に対応した共振周波数で電波を送受信する。このとき、周波数可変回路を用いてリアクタンスを調整し、放射電極の共振周波数を変化させることで、広範囲な帯域での送受信が可能となる。
かかる構成により、給電線と接続している放射電極端部側で電流分布が最も大きいので、当該端部側に位置する周波数可変回路を用いてリアクタンスを調整すれば、より効果的に且つより広範囲に共振周波数を変えることができる。
かかる構成により、1対の周波数可変回路の一方の周波数可変回路の共振周波数可変範囲が、他方の周波数可変回路の共振周波数可変範囲とずれるため、共振周波数可変範囲が同一な1対の周波数可変回路を用いた場合に比べて、切替スイッチ回路の切替によって、より広い周波数範囲での調整が可能となる。
かかる構成により、1対の周波数可変回路のうち切替スイッチ回路と接続した端部側に位置する周波数可変回路を調整することで、基本波の共振周波数を広範囲で変化させることができる。このとき、高調波の共振周波数はほとんど変化しない。また、高調波による電流分布が最も大きな放射電極の略中央部位に設けられた別体の周波数可変回路を調整することで、高調波の共振周波数を広範囲で変化させることができる。このとき、基本波の共振周波数はほとんど変化しない。
特に、請求項3の発明によれば、さらに広い周波数範囲での調整が可能となる。
また、請求項4の発明によれば、基本波と高調波の共振周波数をそれぞれ独立に広範囲で変化させることができるので、異なるシステムの電波も送受信可能となる。
さらに、請求項5の発明によれば、周波数可変回路において、それぞれ独立してリアクタンスの調整が可能であるので、各周波数可変回路において共振周波数の微調整が可能となる。
特に、請求項10の発明によれば、携帯電話やテレビという異なるシステムにおける電波も送受信可能な単一のフラフープアンテナを備えているので、小型で且つ多機能な無線通信機を提供することができる。
図1に示すように、この無線通信機は、ケース10内に収納された回路基板11にこの実施例のフラフープアンテナ1を取り付けた構造になっている。
具体的には、回路基板11の表面(図1の手前側面)にグランド領域11aと非グランド領域11bとが設けられ、一点鎖線で示すように、無線通信に必要なBB部(ベースバンド部)12とRF部(高周波送受信部)13とがグランド領域11aに実装されて、フラフープアンテナ1への給電部をなす。
図2は、フラフープアンテナ1の平面図であり、図3は、フラフープアンテナ1の等価回路図である。
図1及び図2に示すように、フラフープアンテナ1は、放射電極2と切替スイッチ回路3と1対の周波数可変回路4−1,4−2とで構成されている。
これら第1及び第2のFET31,32は、MESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor )であり、第1のFET31のドレインDが給電線30に接続されると共にソースSが放射電極2の端部21に接続されている。また、第2のFET32のドレインDも給電線30に接続されているが、そのソースSは放射電極2の端部22に接続されている。かかる構成により、第1及び第2のFET31,32のいずれかのゲ−トGに所定のゲ−ト電圧を加えることで、ドレインDとソースSとの間を開閉する。
具体的には、第1のFET31のゲ−トGに0ボルトのゲート電圧を加えると、第1のFET31のドレインD−ソースS間インピーダンスが低くなってON状態となり、第2のFET32のゲ−トGにピンチオフ電圧以上のゲート電圧を加えると、第2のFET32のドレインD−ソースS間インピーダンスが高くなってOFF状態となる。この結果、給電線30からの電流が、矢印Lで示すように、放射電極2内を左回りに通電する。
また、第2のFET32,第1のFET31のゲ−トGにそれぞれ0ボルト,ピンチオフ以上のゲート電圧を加えると、第2のFET32のドレインD−ソースS間インピーダンスが低くなり、第1のFET31のドレインD−ソースS間インピーダンスが高くなって、給電線30からの電流が、矢印Rで示すように、放射電極2内を右回りに通電する。
そして、OFF状態のFETに浮遊容量が発生して、放射電極2の開放端部における結合容量が形成される。例えば、第2のFET32がON状態の場合には、第1のFET31がOFF状態であるので、破線で示すように、第1のFET31のドレインD−ソースS間に浮遊容量33が発生することとなる。
各周波数可変回路4−1(4−2)は、この実施例では、チップコンデンサ部品40とチップインダクタ部品41を放射電極2に直列に接続し、バラクタ(バラクタダイオード)42をこれらチップコンデンサ部品40及びチップインダクタ部品41の直列接続体に並列接続した構造になっている。かかる構造により、バラクタ42に印加する制御電圧Vを変えることで、バラクタ42の容量成分の大きさが変化し、この容量成分の変化に応じて、バラクタ42の通電量が変化する。この結果、チップインダクタ部品41のインダクタンス成分(リアクタンス成分)の大きさが変化するので、放射電極2の電気長が変わって、放射電極2の共振周波数もリアクタンス成分の変化に対応して変化することとなる。なお、この実施例では、1対の周波数可変回路4−1,4−2の両チップインダクタ部品41のリアクタンス成分を等しく設定して、周波数可変回路4−1による共振周波数可変範囲と周波数可変回路4−2による共振周波数可変範囲とが異ならないようにしている。
図4は、フラフープアンテナ1の回路基板11に対する配置関係を示す平面図である。
図4に示すように、フラフープアンテナ1は、回路基板11の一辺11cが切替スイッチ回路3と放射電極2の中央部位とを通るように、回路基板11に取り付けられており、放射電極2の中心線Mが一辺11c上に位置する。
図5は、電流が左回りの場合における電流分布を示す概略平面図であり、図6は、電流が左回りの場合における放射パターンを示す概略側面図である。また、図7は、電流が右回りの場合における電流分布を示す概略平面図であり、図8は、電流が右回りの場合における放射パターンを示す概略側面図である。そして、図9は、放射パターンの切替状態を示す概略側面図である。
図3に示した切替スイッチ回路3の第1のFET31をON状態にすると、放射電極2の端部21と給電線30とが第1のFET31を介して電気的接続されると共に、OFF状態の第2のFET32のドレインD−ソースS間に浮遊容量が発生する。これにより、図5の矢印Lで示すように、電流が放射電極2内を左回りに通電する。かかる状態では、電流分布Iは、放射電極2の端部21において最も大きい(図5のImax)。そして、電流分布Iは端部21から端部22に向かうに従って小さくなり、開放状態の端部22でほぼゼロの状態になる(図5のImin)。このことは、端部22側における電界が最も強く、端部21側における電界が最も弱いことを意味する。したがって、BB部12やRF部13の電子部品と作用する電界は弱く、電子部品が放射パターンP1に影響を与えることはない。このため、放射パターンP1は、図6に示すように、中心線Mに関して対称な形状になる。
図10は、フラフープアンテナによる広帯域化を説明するための線図である。
切替スイッチ回路3の第1のFET31をON状態にして、放射電極2の端部21と給電線30とを電気的接続すると、図5で示したように、電流分布Iは、放射電極2の端部21側において大きい。したがって、端部21側に近設された周波数可変回路4−1を調整することで、共振周波数を効果的に変えることができる。具体的には、周波数可変回路4−1のバラクタ42に印加する制御電圧Vを変えることで、放射電極2の共振周波数を、図10に示すように、周波数f3から周波数f1,f2,f4,f5に変えることができる。このことから、周波数可変回路4−1を使用しない場合にはフラフープアンテナ1の周波数帯域幅が放射電極2が持つ狭い帯域幅hであり、これに対して、周波数可変回路4−1を使用した場合の通信可能な周波数帯は、放射電極2の共振周波数の可変幅に応じた広い帯域幅Hになり、フラフープアンテナ1の広帯域化を図ることができる。
逆に、切替スイッチ回路3の第2のFET32をON状態にした場合には、電流分布Iが大きな端部22側に近接された周波数可変回路4−2を調整することで、共振周波数を効果的且つ広範囲で変えることができる。
ところで、放射電極2の共振周波数の可変量は、周波数可変回路4−1(4−2)のバラクタ42の容量成分の可変幅に応じたものとなる。しかし、この実施例では、周波数可変回路4−1,4−2の双方のバラクタ42で容量成分を同じに設定しているので、周波数可変回路4−1を使用した場合の可変共振周波数範囲は、図10のf1〜f5であり、周波数可変回路4−2を使用した場合においても、可変共振周波数範囲は図10のf1〜f5であり、1対の周波数可変回路4−1,4−2による可変周波数範囲が重複している。
図11は、この発明の第2実施例に係るフラフープアンテナによる広帯域化を説明するための線図である。
上記第1実施例では、周波数可変回路4−1,4−2の双方のバラクタ42で容量成分を同じに設定していたので、1対の周波数可変回路4−1,4−2による可変共振周波数範囲が同一であったが、この実施例では、1対の周波数可変回路4−1,4−2の共振周波数可変範囲を異ならせる構成とした。
すなわち、周波数可変回路4−1におけるバラクタ42の容量成分の可変幅は、上記第1実施例における周波数可変回路4−1の可変幅と同様にし、周波数可変回路4−2におけるバラクタ42の容量成分の可変幅を、上記第1実施例における周波数可変回路4−1の可変幅と異ならせる。具体的には、図10に示す周波数範囲f1〜f5よりも高域の周波数範囲f10〜f15で調整することができるように、周波数可変回路4−2のバラクタ42の容量成分を設定しておく。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図12は、この発明の第3実施例に係るフラフープアンテナを備えた無線通信機を一部破断して示す斜視図であり、図13は、第3実施例のフラフープアンテナを示す概略平面図であり、図14は、フラフープアンテナの展開状態図であり、図15は、第3実施例のフラフープアンテナによる広帯域化を説明するための線図である。
具体的には、フラフープアンテナ1は、周波数可変回路4−1,4−2の他に、別体の周波数可変回路4−3を具備し、周波数可変回路4−3は、図13に示すように、放射電極2の中央部位(中心線M上)に介設されている。
すなわち、フラフープアンテナ1で送受信可能な電波として、基本波の他に高調波がある。そして、基本波においては、図14の電流分布I1で示すように、切替スイッチ回路3を介して給電線30に接続された端部21(22)側で、電流分布が最も大きい。したがって、端部21(22)に近い周波数可変回路4−1(4−2)を用いることで、基本波の共振周波数を広範囲で変化させることができる。これに対して、高調波では、図14の電流分布I2で示すように、放射電極2の中央部で、電流分布が最も大きい。したがって、周波数可変回路4−3を放射電極2の中央部に設け、当該周波数可変回路4−3を用いることで、高調波の共振周波数を広範囲で変化させることができる。
また、図12に示すRF部13とフラフープアンテナ1とを接続し、図15の範囲H3で示すように、周波数可変回路4−3を用いて、高調波を周波数f21〜f25の範囲で調整することで、携帯電話の無線信号を送受信することができる。このとき、周波数可変回路4−3は基本波の電流分布があまり大きくないところに位置しているので、周波数可変回路4−3を調整すると、基本波の共振周波数はほとんど変化せず、高調波の共振周波数のみが変化する。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
例えば、上記実施例では、図4に示したように、回路基板11の一辺11cが切替スイッチ回路3と放射電極2の中央部位とを通るように、フラフープアンテナ1を回路基板11に取り付け、放射電極2の中心線Mが一辺11c上に位置するように設定した。即ち、放射電極2が一辺11cに関して線対称になるように設定したが、放射電極2が一辺11cに関して線対称であることに限定するものではない。放射電極2の取り付けは、BB部12,RF部13等の部品のレイアウトを含めて設計するため、放射電極2を一辺11cに関して非対称に取り付ける場合も多々ある。
また、上記実施例では、放射電極2を、矩形状のワイヤーで形成したが、矩形以外の多角形又は円形のワイヤーで形成しても良い。
また、上記実施例では、各周波数可変回路を、チップコンデンサ部品とチップインダクタ部品とバラクタとで構成した例を示したが、バラクタのみを備え、その容量成分を変化させて周波数範囲を変えることができる周波数可変回路を用いることもできる。
Claims (10)
- 両端部が開放されたループ状の放射電極と、
この放射電極の両端部のいずれか一方の端部と給電線との電気的接続を可能にする切替スイッチ回路と、
上記放射電極上に介設され且つそのリアクタンスを調整することで当該放射電極の共振周波数を変化可能な1以上の周波数可変回路と
を具備することを特徴とするフラフープアンテナ。 - 上記周波数可変回路を1対設け、一方の周波数可変回路を上記放射電極の両端部の一方の端部側に近設すると共に、他方の周波数可変回路を他方の端部側に近設した、
ことを特徴とする請求項1に記載のフラフープアンテナ。 - 上記1対の周波数可変回路の共振周波数可変範囲を異ならせた、
ことを特徴とする請求項2に記載のフラフープアンテナ。 - 高調波による電流分布が最も大きな上記放射電極の略中央部位に別体の周波数可変回路を追加した、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のフラフープアンテナ。 - 上記周波数可変回路は、それぞれ独立してリアクタンスの調整が可能である、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のフラフープアンテナ。 - 上記放射電極を、多角形又は円形に湾曲したワイヤーで形成した、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のフラフープアンテナ。 - 上記切替スイッチ回路を、ドレインが上記給電線に接続されると共にソースが上記放射電極の一方の端部に接続され且つゲート電圧で当該ドレインとソースとの間を開閉する第1のFETと、ドレインが上記給電線に接続されると共にソースが上記放射電極の他方の端部に接続され且つゲート電圧で当該ドレインとソースとの間を開閉する第2のFETとで構成した、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のフラフープアンテナ。 - 上記上記周波数可変回路は、上記放射電極に直列に接続され且つ印加電圧の大きさに対応して容量成分の大きさを変えるバラクタダイオードを備える、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のフラフープアンテナ。 - 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のフラフープアンテナを備える、
ことを特徴とする無線通信機。 - 携帯電話機能とテレビ機能とを少なくとも備え、請求項4に記載のフラフープアンテナを用いて、上記高調波の共振周波数で携帯電話信号の送受信を行うと共に、基本波の共振周波数でテレビ信号の受信を行う、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信機。
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