JP2006086052A - 平面型表示装置 - Google Patents

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Satoru Oishi
哲 大石
Yoshie Kodera
喜衛 小寺
Takaaki Matono
孝明 的野
Yuichi Kijima
勇一 木島
Toshimitsu Watanabe
敏光 渡辺
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Abstract

【課題】 スペーサからの圧力による配線の断線や配線間の短絡での画面上の点あるいは線状の光らない欠陥を生じさせないスペーサと配線との導電接続が可能な構造を有する平面型表示装置を提供する。
【解決手段】 絶縁性基板上に電子を放出する冷陰極素子が多数形成された背面基板1と、背面基板1に対向して配置された透光性基板上に冷陰極素子からの電子線によって励起され発光するマトリクス状に配設された蛍光体が形成された表示基板10と、間隔を維持する複数の支持体30と、枠部材116とを備えるとともに、背面基板1は複数の直交する行方向配線と列方向配線の交差部に前記冷陰極素子を有し、背面基板1と表示基板10と枠部材116とで囲まれた空間が真空雰囲気とされる平面型表示装置において、支持体30は、行方向配線に対して垂直で、かつ、列方向配線間に配設される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、平面型表示装置であり、特に電子を放出する多数の冷陰極素子をマトリクス状に配設した電子源を気密容器内に収容した平面型表示装置であるフィールドエミッションディスプレイ(以下、「FED」と記す)に関する。
近年、冷陰極素子の電子放出素子をマトリクス状に配設した電子源を気密容器(真空容器)内に収容した平面型表示装置であるFEDは、低消費電力でブラウン管並みの輝度、コントラストを有する自発光型の平面型表示装置として注目されている。電子放出素子としては、表面伝導型放出素子(以下、「SED型」と記す)、電界放出型素子(以下、「FE型」と記す)や金属/絶縁膜/金属型放出素子(以下、「MIM型」と記す)などが知られており、また、FE型には主にMoなどの金属やSiなどの半導体物質で作られたスピント型やカーボンナノチューブ(CNT)を電子源としたCNT型がある。SED型に関しては、例えば特許文献1で開示されており、MIM型に関しては、例えば特許文献2で開示されている。
特開2000−164129号公報 特開2001−101965号公報 特開2003−308728号公報 特開2003−226858号公報
FEDはその表示パネルの対角サイズが、5インチを超えると、大気圧を支持するため、補強材として絶縁物質からなるスペーサを表示基板と背面基板との間に数ミリメートル間隔で複数配置する必要がある。これらのスペ−サには、電子源素子から出た電子の一部が衝突し帯電を引き起こす。これを防ぐために、スペーサに高抵抗膜を設けて僅かな導電性を付与し、スペーサ表面の帯電を除去するようにしている。このため、スペーサは、表示基板側のメタルバックと背面基板側の金属膜に、電気的に接続する必要がある。
また、背面基板側で、接地電位を与える金属膜は、厚さが10nm以下の薄膜であるため、スペーサからの圧力が掛かると、容易に断線が生じ易い。また、走査線(下部電極ライン)上に絶縁薄膜を介して設けた信号線(上部電極ライン)上にスペーサからの圧力が加わった場合には絶縁薄膜が壊れて配線間が電気的短絡を生じて画面に点あるいは線状に光らない点あるいは線欠陥が生じ問題となる。また、上記配線とは独立した第3の配線を、スペーサ用の接地配線としてスペーサの圧力に壊れない強度の表面保護膜の上に設ける必要があった。
しかし、この様に背面基板側に信号線、走査線及び独立した第3の配線という3層配線構造を採用した場合、2層配線に比べて必然的に製造工程が長くなり、歩留まりの低下や製造コストの増加が問題となる。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたもので、その目的は、上記の課題を解決し、スペーサからの圧力による配線の断線や配線間の短絡での画面上の点あるいは線状の光らない欠陥を生じさせないスペーサと配線との導電接続が可能な構造を有する平面型表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、絶縁性基板上に電子を放出する冷陰極素子が多数形成された背面基板と、該背面基板に対向して配置された透光性基板上に前記冷陰極素子からの電子線によって励起され発光するマトリクス状に配設された蛍光体が形成された表示基板と、前記背面基板と前記表示基板との間に垂直に配設されてその間隔を維持する複数の支持体と、枠部材とを備え、前記背面基板と前記表示基板と前記枠部材とで囲まれた空間が真空雰囲気とされる平面型表示装置において、前記背面基板は複数の直交する行方向配線と列方向配線の交差部に前記冷陰極素子を有し、前記支持体は前記行方向配線と垂直でかつ列方向配線間に設けられるか、前記列方向配線と垂直でかつ行方向配線間に設ける構成としている。
また、本発明では、平面型表示装置において、冷陰極素子は、行方向と列方向にマトリクス状に配設され、配置する間隔が異なる配置を含む構成としている。
すなわち、本発明は、絶縁性基板上に電子を放出する冷陰極素子が多数形成された背面基板と、該背面基板に対向して配置された透光性基板上に前記冷陰極素子からの電子線によって励起され発光するマトリクス状に配設された蛍光体が形成された表示基板と、前記背面基板と前記表示基板との間に垂直に配設されてその間隔を維持する複数の支持体と、枠部材とを備えるとともに、前記背面基板は複数の直交する行方向配線と列方向配線の交差部に前記冷陰極素子を有し、前記背面基板と前記表示基板と前記枠部材とで囲まれた空間が真空雰囲気とされる平面型表示装置において、前記支持体は、前記行方向配線に対して垂直で、かつ、前記列方向配線間に配設される平面型表示装置である。
また、本発明は、絶縁性基板上に電子を放出する冷陰極素子が多数形成された背面基板と、該背面基板に対向して配置された透光性基板上に前記冷陰極素子からの電子線によって励起され発光するマトリクス状に配設された蛍光体が形成された表示基板と、前記背面基板と前記表示基板との間に垂直に配設されてその間隔を維持する複数の支持体と、枠部材とを備えるとともに、前記背面基板は複数の直交する行方向配線と列方向配線の交差部に前記冷陰極素子を有し、前記背面基板と前記表示基板と前記枠部材とで囲まれた空間が真空雰囲気とされる平面型表示装置において、前記支持体は、前記列方向配線に対して垂直で、かつ、前記行方向配線間に配設される平面型表示装置である。
そして、本発明は、前記支持体は、該支持体が垂直に交わる配線と電気的に接続してなる平面型表示装置である。
更に、本発明は、前記支持体を設ける位置における冷陰極素子の間隔が、他の冷陰極素子の間隔と異なり、該支持体の厚さよりも幅広い平面型表示装置である。
また、本発明は、前記支持体と垂直に交差する配線を異方性の導電性接着材で接着した平面型表示装置である。
そして、本発明は、前記異方性の導電性接着材の直交する2方向の抵抗値が10倍以上異なる平面型表示装置である。
本発明によれば、スペーサからの圧力による配線の断線や配線間の短絡での画面上の点あるいは線状に光らない点あるいは線欠陥を生じさせずにスペーサと配線との導電接続が可能な構造を有する平面型表示装置を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
以下、本発明の平面型表示装置の実施例について、図を用いて説明する。なお、各図において、共通な機能を有する構成要素には同一符号を付して示し、一度説明したものについては、煩雑さを避けるために、その繰り返した説明を省略する。また、走査線と上部電極給電配線とは同じものであり、以下では特に疑義が生じない限り、上部電極給電配線を走査線と呼ぶものとする。
実施例1を説明する。本発明の第1の実施例は、走査線上でその長手方向に垂直にスペーサが配置されていることに特徴がある。図1は、実施例1の平面型表示装置の背面基板と表示基板間に配設されたスペーサの概略配設構成図である。図1(a)は正面図、図1(b)は側面図、図1(c)は上面図である。図1において、平板形状のスペーサ(支持体)30は、一方の端面が表示基板101のメタルバック113上に導電性接着剤114で接続され、スペーサ30の対向する別の端面が背面基板1に形成した走査線12上にその長手方向に垂直に複数配置されている。スペーサ30は、行方向配線12と垂直で、列方向配線11間に設けられており、スペーサ30が垂直に交わる列方向配線12と電気的に接続している。そして、冷陰極素子は、行方向配線12と列方向配線11の交差部に設けられているため、スペーサ30を設ける位置における冷陰極素子の(列方向の)間隔が、他の冷陰極素子の間隔と異なり、スペーサ30の厚さよりも幅広くなっている。
スペーサ(例えば平板形状)30は、電子源である電子放出素子から蛍光体に至る電子の軌道を妨げないように、表示基板側はコントラストを向上させるために画素を構成するR,G,Bの蛍光体間に設けられた黒色の光吸収層例えばマトリックス状のブラックマトリックス内のメタルバック上に配置され、背面基板側は例えば上部電極ラインの表面保護膜上に形成された金属膜上に、かつ平行に配置される。
また、スペ−サ30は、電子放出素子からの電子の作用により帯電する。このため、スペ−サ近傍では、電子放出素子から放出される電子の軌道が曲げられ、画像が歪む現象が生じる。これを防ぐために、従来よりスペーサ表面に高抵抗膜の酸化スズ、或いは酸化スズと酸化インジウム混晶薄膜や金属膜である帯電防止の導電性膜を形成し、スペーサ表面に微小電流を流すようにしている。そのため、スペーサはメタルバックと上部電極ライン間の金属膜とに導電性接着材で電気的に接続されている。
これにより、メタルバックに印加されているアノード電圧(例えば5〜10KV)がスペーサを通って背面基板の上記金属膜に流れ込む。走査線12は、走査回路(図示せず)を介して接地電位に接続されており、高電圧のアノード電極からの電流は、接地電位へ流れ込むようになっている。体積抵抗率は、抵抗が小さいと高電圧の漏れ電流が大きいと効率が悪く、また、抵抗が大き過ぎると電流が小さすぎるので、10〜1011Ω−cmの範囲内が特に良い。
導電性接着材114は、例えば金属等の導電材を混合した導電性フリットガラスであって、表示面基板1のスペーサ接合部に導電性接着材114を塗布して、400℃〜450℃で焼成してスペーサを固定するようになっている。ここで、固定した導電性接着材114は、平面型表示装置の組み立て時の加工温度に対して軟化してスペーサが傾いたり、溶け出すことのないように配慮する必要があって、例えば、固定後は結晶化ガラスとなる材料とするのがより良い。ここで、接続抵抗は、スペーサの抵抗より小さい必要があるが、およそ2桁(100倍)以上低ければスペーサを通過する電流を流すことができる。
以上のようにしてスペーサが固定された表示面基板101と背面基板1は、支持枠116を介して図2のように平面型表示装置に組み立てる。図2において、表示基板101は、透光性の基板110と、その内面上に塗布されたR,G,Bの蛍光体111と、各蛍光体間に設けられた黒色光吸収体であるブラックマトリクス112と、蛍光体111とブラックマトリクス112の上に形成されたメタルバック113とからなる。
背面基板1は、絶縁性基板10上に層間絶縁膜13を介して複数の直交する走査線(行方向配線)12と信号線(列方向配線)11を設け、その交差部に電子を放出する冷陰極素子(図示せず)を設けてなる。
平面型表示装置は、表示基板101と支持枠116の接合部、背面基板1と支持枠116の接合部にはフリットガラス115を塗布して、またスペーサ30と表示基板101の接合部には導電性接着材114塗布して、400℃〜450℃で焼成して封着固定し、内部を10−5〜10−7torr程度の真空気密状態としたものである。表示基板101と支持枠116と背面基板1で囲われた空間を真空気密状態とするため表示基板と背面基板は大気圧で引き合うように押されるためスペーサ30の一端は走査線12と密着し電気的接続される。
以上述べたように、本実施例によれば、スペーサとスペーサが配設される行方向配線である走査線との導電接続で走査線と信号線が交差していない部分にスペーサを設けているため、スペーサからの圧力による配線の断線や配線間の短絡が生じないようにできる。これにより、従来、スペーサからの圧力による配線の断線や配線間の短絡での画面上の点あるいは線状の光らない欠陥を良好に低減することができる。また、平面型表示装置は、画面を垂直にして使用されるが、その際、スペーサの配設方向は上下方向となるため、例えばメタルバックのかす等がスペーサにたまらずに落下することとなり、悪影響を防ぐことができる。
実施例2を説明する。本実施例は、走査線とスペーサが導電性接着材で導電接続された個所において、導電性接着材として、導電性接着材の厚み方向の抵抗値に対して、厚み方向と直交する面方向の抵抗値すなわち走査線の長手方向に沿う抵抗値が1桁以上大きい異方性の導電性接着材を用いることに特徴がある。
図3は、本発明の別の一実施形態を示す平面型表示装置の背面基板上に形成された走査線とスペーサの概略接続構成図である。その(a)図は正面図、その(b)図は側面図、その(c)図は上面図である。図3において、平板形状のスペーサ30は走査線12上にその長手方向に沿って垂直に複数配置されており、走査線12と異方性の導電性接着材20で接続されている。
異方性の導電性接着材とは、熱硬化性樹脂を主体とした絶縁性の接着剤中に導電性粒子を分散させたもので、例えばフィルム状に成形した異方性導電膜(Anisotropic conductive film、通常「ACF」と省略される)として用いられる。異方性の導電性接着材は、圧力がかかる厚み方向に導電性を示し、加圧方向と直交する面方向に絶縁性を示すもので、例えば特許文献3に開示されている。
図4は図3(b)で異方性の導電性接着材の走査線間の面方向抵抗値R1と、走査線長手方向に直交する導電性接着材の厚み方向抵抗値の関係を示す模式図である。図4おいて、本発明に用いる異方性の導電性接着材20は、走査線12に沿う方向である面方向の抵抗値Rがスペーサ30と走査線12の接続部の厚み方向の抵抗値Rに対して1桁以上大きいものである。また、配線間抵抗は配線抵抗より1桁ほど高ければ回路動作上支障なく走査できる。そのため、ここで、例えば対角30インチの平面型表示装置の場合の走査線の配線抵抗100Ωとすると、抵抗値Rが1kΩ、抵抗値Rが100Ωとなり、スペーサに流れる電流を問題なく流すことができる。
上記異方性の導電性接着材127は、熱硬化性接着剤に類似した硬化挙動を示す接着剤中に、金属性粒子または金属コートプラスチック粒子を分散させ、厚み方向に導電性を示し、面方向に絶縁性を示す異方性を発現させたものである(特許文献4参照)。すなわち、基材となる接着剤は、少なくともフェニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン及び2,6−シス−ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサンを含むシリコンレジンから成り、200℃〜400℃の温度で熱硬化されるものである。通常FEDは、表示基板と背面基板を表示パネルとして組み上げた後、400℃〜450℃で熱処理工程が行われので、本接着剤は好適に用いることができる。
以上のようにしてスペーサが固定された表示面基板101と背面基板1は、支持枠116を介して図5のように平面型表示装置に組み立てる。
表示基板101は、透光性の基板110と、その内面上に塗布されたR,G,Bの蛍光体111と、各蛍光体間に設けられた黒色光吸収体であるブラックマトリクス112と、蛍光体111とブラックマトリクス112の上に形成されたメタルバック113とからなる。
背面基板1は、絶縁性基板10上に層間絶縁膜13を介して複数の直交する走査線(行方向配線)12と信号線(列方向配線)11を設け、その交差部に電子を放出する冷陰極素子(図示せず)を設けてなる。
平面型表示装置は、予め、スペーサ30と表示基板101の接合部には導電性接着材114塗布して400℃〜450℃で焼成あるいはより低い温度で仮焼結した後、表示基板101と支持枠116の接合部、背面基板1と支持枠116の接合部にはフリットガラス115を塗布して、またスペーサ30と背面基板1の接合部には異方性の導電性接着材20を塗布して、400℃〜450℃で焼成して封着固定し、内部を10−5〜10−7torr程度の真空気密状態としたものである。スペーサ30は、背面基板1と異方性の導電性接着材20で固着され、表示基板101と導電性接着剤115で固着されるため、背面基板1と表示基板101がスペーサを介して導通される。
以上述べたように、本実施例によれば、スペーサとスペーサが配設される行方向配線である走査線との導電接続で走査線と信号線が交差していない部分にスペーサを設けているため、スペーサからの圧力による配線の断線や配線間の短絡が生じないようにできる。これにより、従来、スペーサからの圧力による配線の断線や配線間の短絡での画面上の点あるいは線状の光らない欠陥を良好に低減することができる。
勿論、表示基板101と支持枠116の接合部、および背面基板1と支持枠116の接合部にはフリットガラス115に代えて、前述した異方性の導電性接着材127の基材である少なくともフェニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン及び2,6−シス−ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサンを含むシリコンレジンから成る接着剤を用いてもよい。本接着剤を用いることにより、特許文献4で述べられているように、FEDの真空気密性をより向上させることができる。
以上述べたように、本実施例によれば、スペーサとスペーサが配設される行方向配線である走査線との導電接続に、異方性の導電性接着材を用いているので、導電性接着材の厚み方向の抵抗値Rを小さく、導電性接着材の厚み方向と直交する走査線間の抵抗値Rを大きくでき、走査線抵抗R1に対して交差する抵抗値Rの影響を無視できるようにすることができる。なお、スペーサの抵抗を大きくした場合には、導電性接着材の厚み方向の抵抗値Rを大きくできるため、導電性接着材の厚み方向と直交する走査線間の抵抗値Rも大きくなるため、異方性の導電性接着材でなくても、走査線抵抗R1の1桁以上の抵抗となる導電性接着剤でも良いことは言うまでもない。
実施例3を説明する。実施例1、2では、行方向配線である走査線上に、かつ走査線に直交する方向にスペーサを配設するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実施例3は、図6に示すように、列方向配線である信号線上に、かつ信号線に直交する方向にスペーサを配設する場合の例である。実施例1と比較して相違するのは、スペーサ30の配設方向の違いである。スペーサ30は、行方向配線14と垂直で、列方向配線15間に設けられており、スペーサ30が垂直に交わる行方向配線14と電気的に接続している。そして、冷陰極素子は、行方向配線15と列方向配線14の交差部に設けられているため、スペーサ30を設ける位置における冷陰極素子の(行方向の)間隔が、他の冷陰極素子の間隔と異なり、スペーサ30の厚さよりも幅広くなっており、画面の縦方向の画素の間隔も、その部分で幅広となる。
平面型表示装置において、絶縁性基板上に多数形成された冷陰極素子は、行方向と列方向にマトリクス状に配設されているが、配置する間隔がスペーサを設けるには十分な幅を有している場合は、等しい間隔で配置する。しかし、画面の大きさが小さいときなどには、冷陰極素子を等しい間隔で配置すると配置する間隔がスペーサを設けるには十分な幅を取れない場合が生じる。そのような場合には、スペーサを設ける部分の冷陰極素子の間隔を、スペーサを設けるには十分な幅にし、それ以外の間隔は狭くするようにして、配置する間隔が異なるマトリクス状配置に構成すればよい。このとき、幅広い間隔と幅狭い間隔の差が大きすぎると判別できるが、赤青緑のサブピクセルを明滅させて幅の違いを視認したところ、スペーサを設けるには十分な幅である1サブピクセルでもほとんど確認できず、3個のサブピクセルでも幅の違いを容易に確認し難くいことが判った。
ここで、冷陰極素子の間隔を異ならせるとき、スペーサを設けるには十分な幅を増やした場合には、画面全体の幅が所定の幅より長くなるので、これを防止するために、スペーサを設けない部分の冷陰極素子の間隔を所定の幅より狭くして全体の幅を所定の長さにするよう調整できる。その際、蛍光体の間隔も調整するのが好ましい。
また、スペーサが平板状ではなく、2枚の平板状スペーサが組み合わさったL字形状やT形状の場合でも、上記した本発明を好適にも用いることができる。例えば、一方のスペーサは走査線上に、かつ並行に配設され、他方のスペーサは複数の走査線を横断するように配設される場合、横断方向のスペーサは、スペーサ表面に形成された抵抗膜が高抵抗(例えば特許文献1の段落番号0121記載では比抵抗が1×10〜1×10Ω・cm)なので、スペーサが走査線を横断しても、スペーサを介する隣接走査線間での干渉は無視することができる。他方、走査線方向のスペーサは、前記異方性の導電性接着材の抵抗が高いので走査線の配線抵抗むらが生じず、輝度ムラがほとんど発生しない。
勿論、同様に、複数のスペーサが組み合わさった格子形状(箱形状)の場合でも、本発明が好適に適用できることはいうまでもない。
実施例1の平面型表示装置におけるスペーサの概略配設構成図。 実施例1の平面型表示装置の説明図。 実施例2の平面型表示装置におけるスペーサの概略接続構成図。 実施例2における異方性の導電性接着材の面方向抵抗値と厚み方向抵抗値の関係を示す模式図。 実施例2の平面型表示装置の説明図。 実施例3の平面型表示装置におけるスペーサの概略配設構成図。
符号の説明
1 背面基板
10 絶縁性基板
11、14 下部電極給電配線(信号線)
12、15 上部電極給電配線(走査線)
13 層間絶縁膜
20 異方性の導電性接着材
30 スペーサ
101 表示基板
110 透光性基板
111 蛍光体
112 ブラックストライプ
113 メタルバック
114 導電性接着材
115 フリットガラス
116 支持枠

Claims (6)

  1. 絶縁性基板上に電子を放出する冷陰極素子が多数形成された背面基板と、該背面基板に対向して配置された透光性基板上に前記冷陰極素子からの電子線によって励起され発光するマトリクス状に配設された蛍光体が形成された表示基板と、前記背面基板と前記表示基板との間に垂直に配設されてその間隔を維持する複数の支持体と、枠部材とを備えるとともに、前記背面基板は複数の直交する行方向配線と列方向配線の交差部に前記冷陰極素子を有し、前記背面基板と前記表示基板と前記枠部材とで囲まれた空間が真空雰囲気とされる平面型表示装置において、
    前記支持体は、前記行方向配線に対して垂直で、かつ、前記列方向配線間に配設されることを特徴とする平面型表示装置。
  2. 絶縁性基板上に電子を放出する冷陰極素子が多数形成された背面基板と、該背面基板に対向して配置された透光性基板上に前記冷陰極素子からの電子線によって励起され発光するマトリクス状に配設された蛍光体が形成された表示基板と、前記背面基板と前記表示基板との間に垂直に配設されてその間隔を維持する複数の支持体と、枠部材とを備えるとともに、前記背面基板は複数の直交する行方向配線と列方向配線の交差部に前記冷陰極素子を有し、前記背面基板と前記表示基板と前記枠部材とで囲まれた空間が真空雰囲気とされる平面型表示装置において、
    前記支持体は、前記列方向配線に対して垂直で、かつ、前記行方向配線間に配設されることを特徴とする平面型表示装置。
  3. 前記支持体は、該支持体が垂直に交わる配線と電気的に接続してなる請求項1又は2に記載の平面型表示装置。
  4. 前記支持体を設ける位置における冷陰極素子の間隔が、他の冷陰極素子の間隔と異なり、該支持体の厚さよりも幅広い請求項1〜3のいずれか1項に記載の平面型表示装置。
  5. 前記支持体と垂直に交差する配線を異方性の導電性接着材で接着した請求項1〜4のいずれか1項に記載の平面型表示装置。
  6. 前記異方性の導電性接着材の直交する2方向の抵抗値が10倍以上異なる請求項5に記載の平面型表示装置。
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