以下、本発明に係る電気泳動表示媒体を具体化した画像表示媒体1の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態として例示する画像表示媒体1は携帯用の電子機器に具備可能な小型の表示パネルである。
まず、本実施の形態の画像表示媒体1の構成の概略について図面を参照して説明する。図1は、画像表示媒体1の概略断面図である。なお、図1に示す画像表示媒体1において、上方向が正面方向、下方向が背面方向である。
まず、画像表示媒体1の概要について説明する。図1に示すように、画像表示媒体1は、一例として正面視縦長の直方体形状をなし、その下面部分に設けられる下部基板10と、その上面部分に設けられる上部基板20とが対向配置され、下部基板10と上部基板20との間に表示部30を備える。
下部基板10は、下部電極12に絶縁材料を塗布等して形成した絶縁膜である下部電極保護膜11と、下部電極保護膜11の下面側に設けられて表示部30に電界を発生させる下部電極12と、下部電極12の下面側に設けられて画像表示媒体1を支持する筐体支持部13とを備える。下部電極保護膜11は、ポリエチレンテレフタレートやシリカ等の樹脂フィルムやガラスなどの無機材料等の高い絶縁性を発揮可能な材料により構成される。なお、本実施の形態では、下部電極保護膜11及び筐体支持部13は、可撓性のあるポリエチレンテレフタレートにより構成されたプラスチック基板(樹脂フィルム)である。また、下部電極12は、一定の電圧が印加されるように線状の電気導電体が画像表示媒体1の縦方向(図1の前後方向)に平行に配設された、複数の電極を具備する基板である。
下部基板10の上方向(図1上方向)には、下部基板10に対向して、かつ平行に所定間隔を空けて上部基板20が設けられる。上部基板20は、上部電極22に絶縁材料を塗布等して形成した絶縁膜である上部電極保護膜21と、上部電極保護膜21の上面側に設けられて表示部30に電界を発生させる上部電極22と、透明な部材により構成されて表示画面として機能する表示層23とを備える。上部電極保護膜21はポリイミド,ポリエチレンテレフタレート,ガラスなどの高い透明性を発揮可能な材料により構成される。また、上部電極22は、一定の電圧が印加されるように線状の電気導電体が画像表示媒体1の横方向(図1の左右方向)に平行に配設された、複数の電極を具備する基板であり、かつ高い透明性を発揮可能な材料により構成される。本実施の形態では、上部電極保護膜21はポリエチレンテレフタレートにより構成されたプラスチック基板(樹脂フィルム)である。また、下部電極12及び上部電極22は酸化インジウムすず(ITO)により形成された透明電極であり、表示層23はガラス基板である。つまり、上部基板20は透明体であるから、利用者は上部基板20の上方向(図1上方向)から表示部30を視認可能な表示基板として機能する。
次に、表示部30について説明する。対向して設けられる下部基板10及び上部基板20と、スペーサー31とで形成される間隙が、表示部30である。スペーサー31は、下部基板10及び上部基板20との間隙に架設され、その間隙を格子状に均等に分割して複数の小区画セルを形成するとともに、下部基板10及び上部基板20を支持する。スペーサー31は、格子状に複数の貫通孔が形成された板状部材として構成された可撓性部材であり、例えばポリイミドやポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂で構成されればよい
また、表示部30の内部では、スペーサー31により形成された複数の小区画セルの各々に、複数の板状粒子33が分散された液体分散媒34である表示液32が充填されている。板状粒子33は、液体分散媒34中において帯電可能な材料が用いられた帯電粒子であり、両面が同一色を有する平板状の形状をなす。本実施の形態の表示液32(板状粒子33及び液体分散媒34)は、層状遷移金属酸化物をアルキルアンモニウムイオン溶液中で層剥離して作製されるが、その詳細は後述する。
板状粒子33の両面は、4辺以上の辺で構成された矩形をなすが、各板状粒子33は形状及び大きさは統一されておらず、表示液32には多種多様な矩形及び大きさの板状粒子33が含まれている。また、板状粒子33は白色を有するが、光透過性を有する半透明体であるため、単体ではその白色を明確には認識することはできず、複数の板状粒子33が積層することではっきりとした白色が形成される。また、板状粒子33は柔軟性のある素材により構成されて可撓性を有しており、外部からの圧力に応じて撓むようになっている。本実施の形態では、アルキルアンモニウムイオン溶液中に分散された層状遷移金属酸化物からの剥離層が、板状粒子33にあたる。
また、板状粒子33は、表示液32において0.2wt%〜1.2wt%の濃度で含有されており、好適には0.3wt%〜1.0wt%含有される。また、板状粒子33の辺の長さで示される大きさは10nm〜10μmであり、好適には100nm〜1μmであって、板状粒子33を構成する全ての辺の長さがこの値の範囲内にある。また、板状粒子33の両面間の幅長である厚みは約0.5nm〜100nmであり、好適には約0.5nm〜10nmである。
一方、液体分散媒34は、高絶縁性を発揮可能でかつ粘性が低く、複数の板状粒子33を分散させて保持できる液体であって、着色体が混合されて黒色に着色されている。本実施の形態では、層状遷移金属酸化物からの剥離層が分散されたアルキルアンモニウムイオン溶液に、水,アルコール(10wt%),色素を含む着色液体が混合されたものが、液体分散媒34にあたる。
また、上部基板20の上面(下部基板10と対向しない面)には、正面視、小区画セルが存在しない表示部30の周縁部を、利用者が視認できないように隠蔽するためのマスク部40が設けられる。マスク部40は、上部基板20の四辺に沿って一定幅で設けられ、表示部30を利用者が視認できるように貫通孔が設けられたロの字型形状の板状部材であり、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂を着色したものを接着したり、表示層23の表面に印刷したインク層で形成すればよい。
画像表示媒体1をその上方からみると、マスク部40に設けられた貫通孔から、表示部30を視認することができる構成となっており、下部電極12と上部電極22とが交差する領域で1ドットの表示が行われる。本実施形態では、表示部30にスペーサー31で仕切られた複数の小区画セルが存在し、各小区画セルで1ドットの表示が行われる。なお、図1では横方向に2つの小区画セルの断面が示されている。
また、図1に示すように、画像表示媒体1の横方向における断面では、表示部30の内部において、上部電極22が画像表示媒体1の横方向の両端にわたって設けられていることが示され、一方、下部電極12の断面が示されている。同様に、図示しないが、画像表示媒体1の縦方向における矢視方向断面では、表示部30の内部において、上部電極22の断面が示される一方、下部電極12が画像表示媒体1の縦方向の両端にわたって設けられていることが示される。
次に、画像表示媒体1における画像表示動作を説明する。上述した構成の画像表示媒体1では、互いに対向するように設けられた下部電極12及び上部電極22の各々の電気導電体が直交するねじれの位置で格子状をなし、これらの各電気導電体に各々所定のタイミングによって電気信号が送られると、正面視、各電気導電体が交差する位置で電圧が印加される、いわゆる単純マトリックス駆動方式による表示動作が実行される。すると、表示液32が充填された各小区画セル内では、正あるいは負に帯電した板状粒子33がその反対の極性の電位が印加された電極側に向かって、表示液32内を移動する。具体的には、板状粒子33が正に帯電している場合、下部電極12が陰極、上部電極22が陽極であれば、板状粒子33は下部電極12の方向へ移動する。逆に、下部電極12が陽極、上部電極22が陰極であれば、板状粒子33は上部電極22の方向へ移動する。なお、板状粒子33が負に帯電している場合は、板状粒子33は極性が陽極の基板の方へ移動する。
ここで、板状粒子33の泳動態様を説明する。図2乃至図5は、上部基板20側に板状粒子33が移動した場合の表示部30の側面拡大図である。図6は、画像表示中の画像表示媒体1の概略断面図である。図7は、白色(板状粒子33)が表示された表示面の正面拡大図である。図8は、黒色(液体分散媒34)が表示された表示面の正面拡大図である。
以下では、板状粒子33が表示液32内を上部基板20側に移動して、上部基板20の内側面(上部電極保護膜21)に付着する場合を例示する。そして、上部基板20の内側面(上部電極保護膜21)のうち、板状粒子33により被覆可能な領域を「表示面」とよぶ。なお、板状粒子33が下部基板10側に移動して、下部基板10の内側面(下部電極保護膜11)に付着する場合も、その泳動態様は同じである。
図2に示すように、上部電極22及び下部電極12に電圧が印加されて表示液32に電界が発生すると、その電界の方向に応じて板状粒子33が上部基板20側に移動する。このとき、板状粒子33は平板状の形状を有することから、その移動方向に対して表示液32の抵抗が最も小さくなるように、板状粒子33の両面が移動方向(電界の方向)に対して平行となるように傾いて移動する。ここでは、上下方向に設けられた上部電極22及び下部電極12の間で電界が発生するから、板状粒子33もその両面が垂直となるように回転傾斜して上方向に移動する。
そして、図3及び図4に示すように、上部基板20側に移動した板状粒子33が、表示面に接触すると、電界の作用を受ける板状粒子33は、上部電極保護膜21と当接した板状粒子33の端部を軸に右側あるいは左側に回転して、板状粒子33が表示面に面接触する。すると、表示面と面接触する板状粒子33の白色が、上部基板20を介して表示される。
板状粒子33は、その全ての周縁部(側面部)に向けて厚みが小さくなるように先端が形成されている。そのため、板状粒子33の断面形状は、上辺と下辺の長さが異なり、かつ高さが非常に小さい台形状をなす。これにより、板状粒子33が上部基板20側に移動して、板状粒子33の先端(側面部)が表示面に当接しても、その接触面積は非常に小さいため、板状粒子33は電界の作用を受けて表示面に向かって倒れやすい不安定な状態におかれる。このように、板状粒子33は表示面に向かって回転しやすい形状を有するため、電気泳動された板状粒子33は確実に表示面と面接触する。
上記のような形状を有する板状粒子33は、表示面に接触する角度、電界の作用、画像表示媒体1の傾き、他の板状粒子33との接触等の諸条件により、両面のいずれが表示面に面接触するかが異なる。一方、板状粒子33は両面が同一色を有しているため、いずれの面が表示面に面接触しても、同じ白色が上部基板20を介して表示される。
さらに、板状粒子33の端部(側面部)が先鋭化されていると、電気泳動時における表示液32の抵抗が小さくなり、板状粒子33の移動をより速くすることができ、また板状粒子33を小さな電界で移動させることができるという作用もある。
また、板状粒子33は柔軟性のある素材により構成されて可撓性を有するため、先に表示面に面接触した他の板状粒子33の上に積層する場合(図4参照)、電界の作用を受ける板状粒子33は、他の板状粒子33や小区画セルの内面形状などに合わせて撓むことができる。そのため、複数の板状粒子33は他の板状粒子33又は小区画セルに面接触して、表示面に隙間なく積層する。
そして、図5に示すように、各小区画セルにおいて表示液32に含まれる複数の板状粒子33の全てが、電気泳動により上部基板20側に移動して、表示面に複数の板状粒子33が積層していき、表示面が複数の板状粒子33により被覆される。その結果、この小区画セルに対応する1ドットに、板状粒子33の白色が表示される。
なお、板状粒子33は光透過性を有する半透明体であり、複数の板状粒子33が積層することで色を形成するところ、各小区画セルでは均等に電界が発生するため、この電界の作用によって複数の板状粒子33は、表示面に対して均等に積層することになる。そのため、各小区画セルでは、均等に積層した板状粒子33によって、全体的に均等な白色が形成される。
そして、図6に示すように、表示する画像に応じて電界の発生が制御されて、小区画セルごとに板状粒子33が表示面(上部基板20側)又は背面(下部基板10側)に積層される。図6では、断面が示されている2つの小区画セルのうち、左側の小区画セルでは板状粒子33が表示面に積層され、右側の小区画セルでは板状粒子33が背面に積層されたことを示す。
図7に示すように、左側の小区画セルでは、表示画面である表示層23を介して、板状粒子33の白色が上方向に表示される。すなわち、複数の板状粒子33は、個々の形状は統一されていないものの、表示面に積層して全体的に均等な板状粒子33の白色が利用者に対して表示される。一方、図8に示すように、右側の小区画セルでは、板状粒子33が背面に積層しているから、背面に付着した複数の板状粒子33は液体分散媒34の背後に隠蔽されて、利用者に対して液体分散媒34の黒色が表示される。
先述のように、画像表示媒体1では、下部電極12が縦方向に、上部電極22が横方向に、各々の電気導電体がねじれの位置で配設され(図1参照)、この各電気導電体が交差する位置に各小区画セルが各々対応するように設けられている。そして、互いに対向する電極1組を単位として、表示する画像に応じて表示部30(各小区画セル)における電界の発生が各々制御されて、表示部30(各小区画セル)において板状粒子33が移動して画像が形成され、利用者は上部基板20側からその画像を視認することができる。
次に、画像表示媒体1の製造方法について、表示液32の作製工程(板状粒子分散液作成工程及び混合液体作製工程)と、画像表示媒体1の作製工程とに分けて説明する。図9は、表示液32の作製工程(板状粒子分散液作成工程)を説明するための図である。図10は、表示液32の作製工程(混合液体作製工程)を説明するための図である。図11乃至図15は、画像表示媒体1の作製工程を説明するための図である。
まず、表示液32の作製工程(板状粒子分散液作成工程)について説明する。板状粒子分散液作成工程は、層状遷移金属酸化物からの剥離層がアルキルアンモニウムイオン溶液に分散された板状粒子分散液を得るための工程である。図9に示すように、まず炭酸セシウムと酸化チタンを原料50として、この原料50を焼成して作製された層状チタン酸粉末を層状遷移金属酸化物51として得る。層状遷移金属酸化物51は、厚さ1nm以下の酸化物の結晶層が積み重なり、負に帯電した層と層間の電荷補償陽イオンからなる積層構造をもった無機固体化合物である。
そして、層状遷移金属酸化物51を塩酸や硝酸等の酸溶液中でイオン交換させると、その層間内の成分が水素イオンに置換されて、層状遷移金属酸化物51がプロトン化したプロトン体52を得る。このプロトン体52をアルキルアンモニウムイオン溶液53に加えて、所定時間振盪する。アルキルアンモニウムイオン溶液53は界面活性剤としての機能を有しており、振盪によってアルキルアンモニウムイオン溶液53中で層状遷移金属酸化物51の結晶層が剥離する。そして、この剥離された結晶層の一枚一枚がアルキルアンモニウムイオン溶液53に分散したコロイドである板状粒子分散液54を得る。なお、層状遷移金属酸化物51を層剥離させて薄膜を作製する技術は、各種の手法が公知となっており、詳細は省略する(例えば、特許第3505574号公報など)。
なお、層状遷移金属酸化物51としては、チタン系層状酸化物(AMTiO4(ここで、「A」=Na,K,Rb,Cs;「M」=Mn,Coなどの遷移金属化合物)、三チタン酸塩(Na2Ti3O7)、四チタン酸塩(K2Ti4O9)、五チタン酸塩(Cs2Ti5O11)等)のほか、ニオブ系層状ペロブスカイト型複合酸化物(AM2Nb3O10(ここで、「A」=K,Rb,Cs;「M」=Ca,Sr,Ba,Pb,Bi)、A1−XM2−XM´XNb3O10(ここで、「A」=Na,K,Rb,Cs;「M」=Ca,Sr,Ba,Pb,Bi;「M´」=ランタノイド元素)等)や、レピドクロサイト型チタン酸塩(CsXTi2−X/4O4(ここで、0.5≦X≦1)、AXTi2−X/3LiX/3O4(ここで、「A」=K,Rb,Cs;0.5≦X≦1)等)や、その他のニオブ系層状酸化物やタンタル系層状酸化物等の層状化合物を用いることができる。
ここで、層状遷移金属酸化物51より剥離された結晶層は、その状態ですでに負に帯電していることから、結晶層の帯電処理工程なしで本実施の形態における板状粒子33として利用できる。すなわち、板状粒子分散液54を画像表示媒体1における表示液として利用することができる。さらに、本実施の形態の板状粒子33は白色であるところ、一般的な電気泳動方式の表示媒体では帯電粒子の着色材料として酸化チタンが用いられていることから、この酸化チタンに近似した色の板状粒子33を生成することができるチタン系層状酸化物が好適である。すなわち、チタン系層状酸化物より剥離された結晶層は白色を有するから、結晶層の着色工程なしで本実施の形態における白色の板状粒子33として利用できる。
また、層状遷移金属酸化物51は、酸溶液中でイオン交換することで層間内の成分「A」が水素イオンに置換されてプロトン体52になる。このプロトン体52が加えられるアルキルアンモニウムイオン溶液53としては、テトラブチルアンモニウムイオン溶液を用いるのが好適である。そして、層状遷移金属酸化物51からの剥離層が分散されたアルキルアンモニウムイオン溶液53は、本実施の形態における液体分散媒34として利用できる。
次に、表示液32の作製工程(混合液体作製工程)について説明する。混合液体作製工程は、板状粒子分散液54へ着色等の処理を施して混合液体56(表示液32)を得るための工程である。図10に示すように、まず水に水溶性染料である色素が添加された着色液体55を用意する。添加される色素は着色する色によって材料が異なり、例えば、Y(イエロー)に着色する場合はモノアゾ系水溶性染料が、M(マゼンタ)に着色する場合はモノアゾ系水溶性染料が、C(シアン)に着色する場合はフタロシアニン系水溶性染料が、K(ブラック)に着色する場合はサルファー系水溶性染料が用いられる。
また、混合液体作製工程では、層状遷移金属酸化物51からの剥離層を、アルキルアンモニウムイオン溶液53中で泳動できるようにするために、泳動潤滑剤としてアルコールを板状粒子分散液54に添加する。泳動潤滑剤用のアルコールとしては、メタノール又はエタノールが用いられ、水に10wt%混合される。
そして、板状粒子分散液54に着色液体55及び泳動潤滑剤(アルコール)を添加及び混合して、混合液体56を得る。本実施の形態の混合液体56では、水,メタノール(10wt%),サルファー系水溶性染料が混合されている。その結果、混合液体56は、アルキルアンモニウムイオン溶液53に着色液体55の色素が分散して黒色が着色される一方、この着色されたアルキルアンモニウムイオン溶液53中に白色の剥離層が分散している。このように混合液体56を作製して、黒色の液体分散媒34と白色の板状粒子33とを含む表示液32を得る。
次に、画像表示媒体1の作製工程について説明する。なお、図11乃至図15は、縦方向に5ドット、横方向に7ドットの計35ドットにより画像を表示する画像表示媒体1を例示して、その作製過程を斜視図で示したものである。
まず、図11に示すように、筐体支持部13に下部電極12を形成する。ここでは下部電極12は、縦方向に平行に配設された7本の電極により構成されており、これが筐体支持部13の上面に形成される。そして、図12に示すように、この下部電極12を下部電極保護膜11で被膜して、下部基板10を形成する。次に、図13に示すように、下部基板10上にスペーサー31を設ける。このスペーサー31には、表示するドット数に対応して、格子状の貫通孔が35箇所形成されている。一方、図示しないが、上部基板20も同様に、表示層23に形成した上部電極22を上部電極保護膜21で被膜して形成する。なお、表示層23に形成される上部電極22は、横方向に平行に配設された5本の電極により構成されている。
そして、図14に示すように、下部基板10とスペーサー31とで格子状に形成される複数の凹陥部に、先述の工程により作製された表示液32(混合液体56)を注入する。すなわち、スペーサー31に形成された35箇所の格子状の貫通孔について、その一方の開口端部が下部基板10により閉じられて、35箇所の格子状の凹陥部が形成される。そして、表示液充填装置60から射出された表示液32(混合液体56)が、全ての凹陥部に充填される。その後、図15に示すように、上部基板20をスペーサー31に載置して固定することで、複数(35箇所)の凹陥部を上部基板20により密閉して、複数(35箇所)の小区画セルに表示液32(混合液体56)が充填された表示部30を形成する。
最後に、マスク部40を上部基板20の表面側に設けて、画像表示媒体1が完成する(図1参照)。なお、上記の画像表示媒体1の作製工程は従来技術と同様であるので詳細は省略するが、表示液32(混合液体56)を用いた画像表示媒体1を適切に作製することができるのであれば、いずれの作製方法によってもよい。
以下、実施例を掲げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)表示液32の作製工程では、板状粒子33の両面を構成する辺の長さで示される大きさが1μm,厚み約0.5nmの板状粒子33であって、表示液32における板状粒子33の濃度を0.05,0.1,0.2,0.3,0.4,0.6,0.8,1.0,1.2,1.4,2.4(単位はwt%)の各値とした複数の表示液32を得た。そして、この複数の表示液32を用いて、それぞれ画像表示媒体1を製造した。
(実施例2)表示液32の作製工程では、厚み約0.5nmの板状粒子33であり、表示液32における板状粒子33の濃度が0.6wt%であって、板状粒子33の両面を構成する辺の長さで示される大きさを10nm,100nm,1μm,10μm,100μmの各値とした複数の表示液32を得た。そして、この複数の表示液32を用いて、それぞれ画像表示媒体1を製造した。なお、大きさが10nmより小さい、又は100μmより大きい板状粒子33は、その製造が困難であるため実施していない。
(実施例3)表示液32の作製工程では、板状粒子33の両面を構成する辺の長さで示される大きさが1μmの板状粒子33であり、表示液32における板状粒子33の濃度が0.4wt%であって、板状粒子33の厚みを約0.5,1,10,100(単位はnm)の各値とした複数の表示液32を得た。そして、この複数の表示液32を用いて、それぞれ画像表示媒体1を製造した。なお、厚みが約0.5nmより小さい、又は100nmより大きい板状粒子33は、その製造が困難であるため実施していない。
(評価)実施例1〜3で製造した画像表示媒体1について、各実施例ごとに画像品質の評価を以下の方法により行い、その結果をそれぞれ表1〜3に示した。
(1)実施例1において製造された、板状粒子33の濃度が異なる複数の画像表示媒体1の品質評価は、「隠蔽性」と「分散性」の項目を検査して行う。「隠蔽性」は、表示面が板状粒子33により隠蔽される割合を示す指標である。「分散性」は、表示液32中の板状粒子33が均等分散しているか否かを示す指標である。
「隠蔽性」は、表示面に板状粒子33を積層させた後、上部基板20側からみた場合に、表示面に積層した板状粒子33をその背後の液体分散媒34の色が透過する程度を示す透過率に基づいて評価され、評価基準は次のとおりである。○・・・透過率が50%未満である。△・・・透過率が50以上、80%未満である。×・・・透過率が80%以上である。
「分散性」は、所定時間の経過後に、板状粒子33が表示液32内に均等分散しているか、あるいは板状粒子33が表示液32内を沈降しているかに基づいて評価され、評価基準は次のとおりである。○・・・1週間以上分散している。△・・・1日以上、1週間未満分散している。×・・・1日以内に沈降する。
表1に示したように、実施例1の各画像表示媒体1のうち、板状粒子33の濃度が0.2wt%よりも小さいものは、「隠蔽性」が「透過率が80%以上」である。すなわち、板状粒子33の濃度が0.2wt%よりも小さいと、表示液32に含まれる板状粒子33の割合が低すぎて、板状粒子33を表示面に積層させても、表示面を十分に覆うほどの層の厚みを形成することができない。そのため、背後に存在する液体分散媒34の色が板状粒子33の層を透過して、液体分散媒34の色も不要に表示されてしまい、色ムラ発生やコントラスト低下の問題を生じる。
また、板状粒子33の濃度が1.2wt%よりも大きいものは、「分散性」が「1日以内に沈降する」である。これは、板状粒子33の濃度が1.2wt%よりも大きいと、表示液32に含まれる板状粒子33の割合が高すぎて、板状粒子33間に適当な距離を確保することができずに、板状粒子33が凝集して沈降してしまうことによる。そのため、表示液32内での板状粒子33の円滑な移動が妨げられてしまい、色ムラ発生やコントラスト低下の問題を生じる。
これらのことから、表示液32における板状粒子33の濃度は、0.2wt%以上、1.2wt%以下とすべきことが判明した。さらに、板状粒子33の濃度が0.3wt%以上、1.0wt%以下のものは、「隠蔽性」が「透過率が50%未満」であり、かつ「分散性」が「1週間以上分散している」であり、ともに良好な結果となっている。そのため、表示液32における板状粒子33の濃度は、0.3wt%以上、1.0wt%以下が好適であることが判明した。
(2)実施例2において製造された、板状粒子33の両面を構成する辺の長さで示される大きさが異なる複数の画像表示媒体1の品質評価は、「隠蔽性」と「泳動性」の項目を検査して行う。「隠蔽性」は上述したものと同一である。「泳動性」は、電圧印加から画像表示までの速さ(表示液32中の板状粒子33の移動速度)を示す指標である。
「泳動性」は、電気泳動時の板状粒子33の泳動速度に基づいて評価される。具体的には、電圧印加に応じて即座に画像表示される場合は、泳動速度が速いと判定され、電圧印加から画像表示の完了までの時間差を肉眼で把握できる場合は、泳動速度が遅いと判定される。その評価基準は次のとおりである。○・・・泳動速度が速い。△・・・泳動速度が遅い。×・・・泳動せず。
表2に示したように、実施例2の各画像表示媒体1のうち、板状粒子33の両面を構成する辺の長さで示される大きさが10μmよりも大きいものは、「隠蔽性」が「透過率が80%以上」であり、かつ「泳動性」が「泳動せず」である。これは、板状粒子33の大きさが10μmよりも大きいと、表示液32に含まれる板状粒子33が大きすぎるため、板状粒子33が重くなることに加え、電気泳動時に板状粒子33の両面が受ける表示液32の抵抗が大きくなる。そのため、本実施の形態で下部電極12及び上部電極22が発生させる電界の強さでは、板状粒子33を表示面まで移動させることができない。さらに、板状粒子33が移動できなければ、表示面を板状粒子33で十分に被覆することもできないから「隠蔽性」も悪化する。よって、画像の表示速度が悪化するのみならず、液体分散媒34の色も不要に表示されてしまい、色ムラ発生やコントラスト低下の問題を生じる。
また、先述のように、大きさが10nmより小さい板状粒子33は製造が困難である。さらに、板状粒子33の大きさが小さすぎると、表示面に積層させた場合に板状粒子33の重なり部位に生じる隙間が大きくなり、表示面を十分に被覆できず、色ムラ発生やコントラスト低下の問題を生じる。
これらのことから、板状粒子33の大きさは、10nm以上、10μm以下とすべきことが判明した。さらに、板状粒子33の大きさが100nm以上、1μm以下のものは、「隠蔽性」が「透過率が50%未満」であり、かつ「泳動性」が「泳動速度が速い」であり、ともに良好な結果となっている。そのため、板状粒子33の大きさは、100nm以上、1μm以下が好適であることが判明した。
(3)実施例3において製造された、板状粒子33の厚みが異なる複数の画像表示媒体1の品質評価は、「強度」と「泳動性」の項目を検査して行う。「泳動性」は上述したものと同一である。「強度」は、板状粒子33の物理的強度を示す指標である。
「強度」は、電気泳動による板状粒子33の磨耗や破損等の状態に基づいて評価される。具体的には、電気泳動後の板状粒子33が破れたり傷ついたりしているか、折り目や亀裂が生じているか、微細化しているか等により、板状粒子33の強度が判定される。その評価基準は次のとおりである。○・・・磨耗や破損等がない。△・・・磨耗や破損等がある。
表3に示したように、実施例3の各画像表示媒体1のうち、板状粒子33の厚みが10nmよりも大きいものは、「泳動性」が「泳動速度が遅い」である。これは、板状粒子33の厚みが10nmよりも大きいと、板状粒子33の厚みが大きすぎるため、板状粒子33が重くなることに加え、電気泳動時の板状粒子33の厚み部分(側面部)が受ける表示液32の抵抗が大きくなるため、厚みが小さい場合と比して移動しづらくなるからである。そのため、若干ながら画像の表示速度が悪化するという問題を生じる。
言い換えれば、板状粒子33の厚みが10μmよりも大きい場合、若干ながら画像品質に悪影響があるものの、画像表示媒体1に利用することは可能である。しかしながら、先述のように、厚みが約0.5nmより小さい、又は100μmより大きい板状粒子33は製造が困難である。
これらのことから、板状粒子33の厚さは、約0.5nm以上、100μm以下とすべきことが判明した。さらに、板状粒子33の厚さが約0.5nm以上、10nm以下のものは、「強度」が「磨耗や破損等がない」であり、かつ「泳動性」が「泳動速度が速い」であり、ともに良好な結果となっている。そのため、板状粒子33の厚さは、約0.5nm以上、10nm以下が好適であることが判明した。
以上、本実施の形態の画像表示媒体1及びその製造方法によれば、上部基板20及び下部基板10の間隙に配置される表示液32に含まれる帯電粒子として、両面が同一色を有する平板状の帯電粒子である複数の板状粒子33を用いるようにしたので、表示面の隠蔽率を向上させて画像の色ムラやコントラストを改善することができる。
また、複数の板状粒子33は可撓性を有するので、表示面に対して隙間を形成することなく面接触して、表示面の隠蔽率を向上させることができる。
また、複数の板状粒子33は光透過性を有し、積層して色を形成するようにしたので、表示面で積層した複数の板状粒子33によって均等な色が形成され、画像の色ムラやコントラストを改善することができる。
また、複数の板状粒子33は、その板状粒子33を構成する全ての周縁部に向けて厚みが小さくなるように先端が形成されるので、板状粒子33が表示面に確実に面接触して、表示面の隠蔽率を向上させることができる。
さらに、表示液32における板状粒子33の濃度を0.2wt%〜1.2wt%(好適には、0.3wt%〜1.0wt%)とすれば隠蔽性及び分散性を良好にすることができ、板状粒子33の大きさを10nm〜10μm(好適には、100nm〜1μm)とすれば隠蔽性及び泳動性を良好にすることができ、板状粒子33の厚みを約0.5nm〜100nm(好適には、約0.5nm〜10nm)とすれば強度及び泳動性を良好にすることができ、画像品質を向上させることができる。
また、本実施の形態の画像表示媒体1の製造方法によれば、層状遷移金属酸化物51からの剥離層がアルキルアンモニウムイオン溶液53に分散した表示液32を得て、この表示液32を用いて画像表示媒体1を作製するようにした。よって、両面が同一色を有する平板状の帯電粒子である複数の板状粒子33を含む表示液32を用いた画像表示媒体1を、複雑な製造工程を要せずに簡易に作製することができる。
また、表示液32の作製工程(混合液体作製工程)では、層状遷移金属酸化物51からの剥離層をアルキルアンモニウムイオン溶液53で泳動させるための泳動潤滑剤として、アルコールが板状粒子分散液54に混合されるので、板状粒子分散液54を簡易な加工で表示液32とすることができる。また、着色液体55は、水及び水溶性染料である色素の混合液であるので、板状粒子分散液54を確実に任意の色に着色することができ、板状粒子分散液54を簡易な加工で表示液32とすることができる。
特に、ニオブ系層状ペロブスカイト型複合酸化物、チタン系層状酸化物又はレピドクロサイト型チタン酸塩といった最適な層状遷移金属酸化物や、テトラブチルアンモニウムイオン溶液のような最適なアルキルアンモニウムイオン溶液を用いた場合は、より画像品質の優れた表示液32を具備する画像表示媒体1を、容易に作製することができる。
次に、本発明に係る電気泳動表示媒体を具体化した画像表示媒体1の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態として例示する画像表示媒体1は、第1の実施の形態のものと基本的に同一の構成であるが、スペーサー31の構造が異なる。図16は、第2の実施の形態における、画像表示媒体1の概略断面図である。
図16に示すように、本実施の形態の画像表示媒体1において、下部基板10及び上部基板20との間隙に架設されるスペーサー31aは、下部基板10及び上部基板20に接合される両端部に向けて、格子状に組み合わされた部材の厚み(横幅)が徐々に大きくなるような構成となっている。そのため、スペーサー31aの両端部に下部基板10及び上部基板20が接合されると、その接合部位ではスペーサー31aの表面と、下部基板10及び上部基板20の内側面とでなだらかな曲面が形成される。
このように、スペーサー31aと下部基板10及び上部基板20とで、緩やかに接合するように曲面が形成された結果、スペーサー31aの表面と下部基板10の内側面及び上部基板20の内側面とで形成される複数の小区画セルの内面は、凹凸した部位が存在しない断面形状で形成される。すなわち、小区画セルのふち部分が丸みを帯びた曲面となっているため、板状粒子33が小区画セル内に形成される凹凸部位に引っかかったり、落ち窪んだりすることがない。
また、第1の実施の形態のように、スペーサー31と下部基板10及び上部基板20とが垂直に結合されている場合、この直角に狭窄する接合部位(小区画セルのふち部分)には板状粒子33が移動しづらいため、表示面の周縁部を板状粒子33で被覆できない問題があった。しかし、本実施の形態のように接合部位をなだらかにすることで、小区画セルのふちに相当する部分にも板状粒子33を積層することができる(図16参照)。
なお、スペーサーと基板とが緩やかに接合するように曲面が形成されるのであれば、他の手法を用いてもよい。例えば、接合部位に対応して、下部基板10及び上部基板20の厚みが大きくなるようにしてもよい。また、スペーサーと基板との接合部位(小区画セルのふち部分)を埋めるように、接着剤や干渉部材などの他の部材を設けてもよい。
以上、本実施の形態の画像表示媒体1及びその製造方法によれば、スペーサー31aと下部基板10及び上部基板20とが接合される接合部位では、緩やかに接合するように曲面が形成されているので、小区画セルのふちに板状粒子33がつまることがなく、表示面の周縁部も板状粒子33で被覆することができる。また、スペーサー31aは接合部位に向けて厚みが大きくなるように端部が形成されているので、スペーサー31aと下部基板10及び上部基板20との接合部位で緩やかに接合するような曲面を容易に形成することができる。
ところで、上記第1及び第2の実施の形態において、下部基板10及び上部基板20が、それぞれ本発明の「第1の基板」及び「第2の基板」にいずれかに相当する。また、表示液32の作製工程(板状粒子分散液作成工程)が、本発明の「酸処理工程」及び「層剥離工程」に相当し、表示液32の作製工程(混合液体作製工程)が、本発明の「表示液作製工程」に相当し、画像表示媒体1の作製工程が、本発明の「表示媒体作製工程」に相当する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能なことはいうまでもない。
例えば、板状粒子33の両面の形状は、平板状であれば、長方形状、正方形状、台形状等を任意の矩形を利用可能であり、また円形状、三角形状、五角形状などの任意の多角形状を利用可能である。また、表示液32において、複数の板状粒子33は全てが同一形状又は同一サイズに統一されていてもよい。また、板状粒子33の色は任意の色を用いることができるし、板状粒子33は非可撓性であってもよい。
また、液体分散媒34も任意の色で着色すればよく、着色する色に応じた最適な着色体(色素)を用いればよい。着色体は、着色液体である必要はなく、固体の色素を用いてもよい。また、液体分散媒34に混合される添加剤としては、着色体や泳動潤滑剤の他、必要に応じて、粘性や絶縁性を調整するためにアルコール類やケトン類やエステル類などの有機溶剤や、板状粒子33の分散性を高めるためのノニオン性やアニオン性やカチオン性や両性の界面活性剤や、ポリビニルアルコールなどの樹脂類を添加してもよい。さらに、電解質、荷電制御剤、腐食防止剤、摩擦調製剤、紫外線吸収剤などを添加剤として任意に混入してもよい。
なお、表示液32(板状粒子33や液体分散媒34)の色,形状,大きさ等の特性に応じて、原料となる層状遷移金属酸化物や分散媒となるアルキルアンモニウムイオン溶液が異なるため、任意の特性を有する表示液32(板状粒子33や液体分散媒34)を得る場合には、その特性に応じて最適な層状遷移金属酸化物やアルキルアンモニウムイオン溶液を選択すればよい。
また、スペーサー31の形態も任意に構成できる。図17は、画像表示媒体1の他の概略断面図である。図17に示すように、下部基板10及び上部基板20との間隙に架設されるスペーサー31bは、画像表示媒体1の周縁部を固定するロの字型部材として構成されたギャップスペーサーであり、表示部30に小区画セルを形成しない。この場合、先述のような接合部位(小区画セルのふち部分)が生じないため、小区画セルのふちに板状粒子33がつまることがなく、表示面の周縁部も板状粒子33で被覆することができる。
また、上記実施の形態の画像表示媒体1では、下部基板10に下部電極12が、上部基板20に上部電極22がそれぞれ設けられているが、これらの基板に電極が設けられている必要はなく、外部の電極によって画像表示媒体1に電界を発生させるような構成にしてもよい。また、電気泳動の駆動方式も問わず、単純マトリックス駆動方式の他、アクティブマトリックス駆動方式等の公知の手法を適用できることはいうまでもない。