JP2006084917A - 光学ユニット、投射光学コンポーネントおよび画像投射装置 - Google Patents

光学ユニット、投射光学コンポーネントおよび画像投射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 外乱ノイズ等の影響を受けにくく、外部回路基板までのフレキシブル基板の引き回しの自由度を高めて、画像形成素子に余計な外力が加わらないようにした光学ユニットを提供する。
【解決手段】 光学ユニットは、光源からの光を画像形成素子に導き、該画像形成素子からの光を投射レンズに導く光学系βと、該光学系を保持する部材であって、光源および投射レンズが取り付けられる光学筐体6内に収容される保持部材72と、該光学筐体内で保持され、画像形成素子に第1のフレキシブル基板90Gを介して接続された電気回路基板84Gとを有する。
【選択図】 図4A

Description

本発明は、プロジェクタ等の画像投射装置に関するものである。
画像投射装置には、液晶パネル等の画像形成素子に光源からの光を導き、さらに画像形成素子からの光を投射レンズに導く光学系を筐体内に収容した光学エンジン等と称される投射光学コンポーネントが設けられている。
このような投射光学コンポーネントにおいて、画像形成素子から画面の上方(画面の短辺方向)に延出したフレキシブル配線基板が、投射光学コンポーネントの筐体の外部、例えば装置の内側天面に配置されたメイン回路基板(外部回路基板)に直接接続されることが多い。また画像形成素子から画面の側方(画面の長辺方向)にフレキシブル配線基板が延出する例も少数ではあるが提案されている(特許文献1参照)。
特開平11−305674号公報(段落0015、図1〜3等)
投射光学コンポーネント内の画像形成素子から画面の上方に延出したフレキシブル配線基板を、該投射光学コンポーネントの外部に配置されたメイン回路基板上のコネクタに直接接続する場合、フレキシブル配線基板の長さが長くなり易い。このため、該フレキシブル配線基板を介して画像形成素子に画像信号であるアナログ信号を送る場合、外乱ノイズ等を拾って画像の乱れを発生させる原因となっていた。
また、フレキシブル配線基板をいわゆるコシの強い方向に曲げて装置内でフレキシブル配線基板を引き回すと、フレキシブル配線基板に画像形成素子に対するこじり力が発生する。そして、このこじり力によって画像形成素子が本来配置されるべき所定位置からずれるおそれがある。このような画像形成素子の位置ずれにより、いわゆるコンバージェンスずれ(赤、緑、青色間での画素ずれ)を引起す可能性がある。
本発明は、画像形成素子に繋がるフレキシブル基板をできるだけ短くして、外乱ノイズ等の影響を受けにくくするとともに、外部回路基板までのフレキシブル基板の引き回しの自由度を高めて、画像形成素子に余計な外力が加わらないようにした光学ユニット、投射光学コンポーネントおよび画像投射装置を提供することを目的の1つとしている。
1つの観点としての本発明の光学ユニットは、光源からの光を画像形成素子に導き、該画像形成素子からの光を投射レンズに導く光学系と、該光学系を保持する部材であって、光源および投射レンズが取り付けられる光学筐体内に収容される保持部材と、該光学筐体内で保持され、画像形成素子に第1のフレキシブル基板を介して接続された電気回路基板とを有する。
本発明によれば、光学筐体内において保持部材(つまりは光学系)とともに電気回路基板が保持されるので、画像形成素子から延出した第1のフレキシブル基板を該電気回路基板に接続し、さらに該電気回路基板をフレキシブル基板等を介して外部回路基板に接続することが可能となる。したがって、画像形成素子に直接繋がるフレキシブル基板を短くすることができ、外乱ノイズ等の影響を受けにくくすることができる。しかも、外部回路基板までのフレキシブル回路基板の引き回しの自由度を高めることができ、画像形成素子に余計な外力が加わらず、コンバージョンずれの発生を抑えることができる。
さらに、光学筐体内に電気回路基板を配置し、従来外部回路基板に搭載されていた回路の一部を電気回路基板に搭載することで、外部回路基板を小型化したり、外部回路基板を従来に比べて大型化することなく他の機能を有する回路を搭載したりすることができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
<全体構成>
図1には、本発明の実施例1である光源装置を備えた画像投射装置(プロジェクタ)の構成を示している。 図1において、1はランプユニット、2はランプユニット1を保持するランプホルダー、3は防爆ガラス、4はガラス押さえである。
αはランプユニット1からの光が入射する照明光学系、βは照明光学系αからの射出光を色分解してRGB3色用の液晶パネル(画像形成素子)に導く色分解合成光学系である。
5は色分解合成光学系βからの射出光を図示しないスクリーン(被投射面)に投射する投射レンズ鏡筒である。投射レンズ鏡筒5内には、後述する投射レンズ光学系が収納されている。
6はランプユニット1、照明光学系αおよび色分解合成光学系βを収納するとともに、投射レンズ鏡筒5が固定される光学ボックスである。該光学ボックス6には、ランプユニット1の周囲を囲むランプケース部6aが形成されている。
7は光学ボックス6内に照明光学系αおよび色分解合成光学系βを収納した状態で蓋をする光学ボックス蓋である。8は電源、9は電源フィルタ、10はランプユニット1を点灯させるバラスト電源、11は電源8からの電力により、液晶パネルの駆動やランプユニット1の点灯を制御する回路基板であり、以下これを親基板と称する。
12は後述する外装キャビネット21の吸気口21aから空気を吸い込むことで色分解合成光学系β内の液晶パネル等の光学素子を冷却する光学系冷却ファン、13は光学系冷却ファン12により発生した冷却風を色分解合成光学系β内の液晶パネル等の光学素子に送るファンダクトである。
14はランプユニット1に対して冷却風を吹き付け、ランプユニット1を冷却するランプ冷却ファンであり、ランプユニット1と投射レンズ鏡筒5との間に配置されている。
15はランプ冷却ファン14を保持するファン保持部材である。16はファン押さえ板、17は後述する外装キャビネット21に設けられた吸気口21bから空気を吸い込むことで、電源8内に冷却風を流通させ、かつバラスト電源10に吹き付け風を流通させることで電源8およびバラスト電源10を同時に冷却する電源冷却ファンである。
18は排気ファンである。この排気ファン18は、ランプ冷却ファン14から吹き出されてランプユニット1を通過した熱風およびバラスト電源10を冷却した熱風を、後述する外装側板24に設けられた排気口24aから画像投射装置外に排出する。
19はランプ放熱板である。20はランプ排気/遮光マスクであり、ランプユニット1の放熱機能およびランプ1を冷却した熱風を通過させる通風ダクトの機能を有し、さらにランプユニット1からの光が装置外に漏れないようにする遮光機能を有している。
21は光学ボックス6等を収納する外装キャビネット(外装下部ケース)であり、この外装キャビネット21には、上述した吸気口21a,21bが形成されている。22は外装キャビネット21に光学ボックス6等を収納した状態で蓋をするための外装キャビネット蓋(外装上部ケース)である。23は投射レンズ鏡筒5の前方から見て左側に配置される外装側板であり、24は同右側に配置される外装側板である。外装側板24には、上述した排気口24aが形成されている。
25は色分解合成光学系βを構成する偏光素子等の光学素子を冷却するための素子冷却ファンである。この素子冷却ファン25は、外装キャビネット21の図示しない吸気口からの空気を、外装キャビネット21に形成された図示しないダクト部を通して上記光学素子に吹き付ける。
26は外装側板23の内側に取り付けられたインターフェース補強板である。27は外装放熱板であり、ランプケース6aに取り付けられて、ランプユニット1からの熱を放熱する。
28はランプ蓋である。このランプ蓋28は、外装キャビネット21の底面に着脱自在に設けられており、図示しないビスにより固定される。また、29は外装キャビネット21に固定されたセット調整脚であり、このセット調整脚29は、その脚部29aの高さを調整可能となっている。脚部29aの高さ調整により、画像投射装置の傾斜角度を調整できる。
<光学構成>
次に、図2を用いて、前述したランプユニット1、照明光学系α、色分解合成光学系β、反射型液晶表示素子(液晶パネル)および投射レンズ鏡筒5内の投射レンズ光学系70により構成される画像表示光学系の構成について説明する。
図2において、41は連続スペクトルで白色光を発光する超高圧水銀ランプ等の発光管、42は発光管41からの光を反射して所定の方向に集光するリフレクタである。発光管41とリフレクタ42によりランプユニット1が構成される。γは画像投射光学系の光軸であり、ランプユニット1からの光の進行方向を示す。
43aは図2の紙面に対して垂直な方向(以下、単に垂直方向という)において屈折力を有するレンズアレイで構成された第1のシリンダアレイ、43bは第1のシリンダアレイ43aの個々のレンズに対応したレンズアレイを有する第2のシリンダアレイである。44は紫外線吸収フィルタ、45は無偏光光を所定の偏光方向の光に揃える偏光変換素子である。
46は水平方向(図2の紙面の面内方向)において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたフロントコンプレッサ、47は光軸γを90度方向変換するミラーである。48はコンデンサーレンズ、49は水平方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたリアコンプレッサである。以上により照明光学系αが構成される。
58は青(B)と赤(R)の波長領域の光を反射し、緑(G)の波長領域の光を透過するダイクロイックミラーである。59は透明基板に偏光素子を貼り付けた緑用の入射側偏光板であり、S偏光光のみを透過する。60はP偏光光を透過し、S偏光光を反射する第1の偏光ビームスプリッターであり、一対の三角柱形状のガラスブロックの間に偏光分離面(偏光分離膜)を有する。
61R,61G,61Bはそれぞれ、入射した光を反射するとともに画像変調する赤用の反射型液晶表示素子、緑用の反射型液晶表示素子、青用の反射型液晶表示素子である。該液晶表示素子61R,61G,61Bには、これらを駆動する駆動回路110が接続されており、該駆動回路110には、パーソナルコンピュータ、DVDプレーヤー、ビデオデッキ、テレビチューナー等の画像情報供給装置120が接続されている。駆動回路110は、画像情報供給装置120からの映像(画像)情報を受け、該映像情報に応じて液晶表示素子61R,61G,61Bに原画を形成させる。
62R,62G,62Bはそれぞれ、赤用の1/4波長板、緑用の1/4波長板、青用の1/4波長板である。64は透明基板に偏光素子を貼り付けた緑および青用の入射側偏光板であり、S偏光のみを透過する。
65は青光の偏光方向を90度変換し、赤光の偏光方向は変換しない第1の色選択性位相差板である。66はP偏光光を透過し、S偏光光を反射する第2の偏光ビームスプリッターであり、一対の三角柱形状のガラスブロックの間に偏光分離面(偏光分離膜)を有する。67は赤光の偏光方向を90度変換し、青光の偏光方向は変換しない第2の色選択性位相差板である。
68は赤および青用の射出側偏光板(偏光素子)であり、S偏光光のみを透過する。69はP偏光光を透過し、S偏光光を反射する色合成光学部材としての第3の偏光ビームスプリッターであり、一対の三角柱形状のガラスブロックの間に偏光分離面(偏光分離膜)を有する。
以上説明したダイクロイックミラー58から第3の偏光ビームスプリッター69により色分解合成光学系βが構成される。
<光学作用>
次に、上記画像表示光学系の光学的な作用について説明する。発光管41から発した光はリフレクタ42で反射して所定の方向に集光される。リフレクタ42は放物面形状を有しており、放物面の焦点位置からの光は放物面の対称軸に略平行な光束となる。但し、発光管41からの光源は理想的な点光源ではなく有限の大きさを有しているので、集光する光束には放物面の対称軸に平行でない光の成分も多く含まれている。これらの光束は、第1のシリンダアレイ43aに入射する。
第1のシリンダアレイ43aに入射した光束は、それぞれのシリンダレンズに応じた複数の光束に分割および集光され、水平方向に延びる帯状の複数の光束となる。そして、該複数の光束は、紫外線吸収フィルタ44を介して第2のシリンダアレイ43bを経て、偏光変換素子45の近傍に焦点を形成する。
偏光変換素子45は、偏光分離面と反射面と1/2波長板とからなり、上記複数の光束は、各光束の列に対応した偏光分離面に入射し、透過するP偏光成分と反射するS偏光成分とに分割される。反射したS偏光成分は反射面で反射し、P偏光成分と同じ方向に射出する。一方、透過したP偏光成分の光は、1/2波長板を透過してS偏光成分と同じ偏光成分に変換される。これにより、偏光方向が揃った光が偏光変換素子45から射出する。
偏光変換された複数の光束は、フロントコンプレッサ46を介してミラー47にて90度反射され、コンデンサーレンズ48およびリアコンプレッサ49に至る。フロントコンプレッサ46、コンデンサーレンズ48およびリアコンプレッサ49は、これらの光学的作用により、上記複数の光束の矩形像を相互に重ね、矩形の均一な照明エリアを形成する。この照明エリアに反射型液晶表示素子61R,61G,61Bが配置される。
偏光変換素子45によりS偏光とされた光は、ダイクロイックミラー58に入射する。ダイクロイックミラー58は、青(430〜495nm)と赤(590〜650nm)の光は反射し、緑(505〜580nm)の光は透過する。
次に、緑光(以下、G光という)の光路について説明する。ダイクロイックミラー58を透過したG光は入射側偏光板59に入射する。なお、G光はダイクロイックミラー58によって分解された後もS偏光となっている。そして、G光は、入射側偏光板59から射出した後、第1の偏光ビームスプリッター60に対してS偏光として入射し、該第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面で反射され、G用の反射型液晶表示素子61Gへと至る。
G用の反射型液晶表示素子61Gにおいては、G光が画像変調されて反射される。画像変調されたG光(反射光)のうちS偏光成分は、再び第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面で反射し、光源側に戻されて投射光から除去される。一方、画像変調されたG光のうちP偏光成分は、第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面を透過し、投射光として第3の偏光ビームスプリッター69に向かう。このとき、すべての偏光成分をS偏光に変換した状態(黒を表示した状態)において、第1の偏光ビームスプリッター60とG用の反射型液晶表示素子61Gとの間に設けられた1/4波長板62Gの遅相軸を所定の方向に調整することにより、第1の偏光ビームスプリッター60とG用の反射型液晶表示素子61Gで発生する偏光状態の乱れの影響を小さく抑えることができる。
第1の偏光ビームスプリッター60から射出したG光は、第3の偏光ビームスプリッター69に対してP偏光として入射し、第3の偏光ビームスプリッター69の偏光分離面を透過して投射レンズ光学系70へと至る。
一方、ダイクロイックミラー58を反射した赤と青の光(以下、それぞれR光、B光という)は、入射側偏光板64に入射する。なお、R光とB光はダイクロイックミラー58によって分解された後もS偏光となっている。そして、R光とB光は、入射側偏光板64から射出した後、第1の色選択性位相差板65に入射する。第1の色選択性位相差板65は、B光の偏光方向を90度回転する作用を持っており、これによりB光はP偏光として、R光はS偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射する。S偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したR光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射され、R用の反射型液晶表示素子61Rへと至る。
また、P偏光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したB光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過してB用の反射型液晶表示素子61Bへと至る。
R用の反射型液晶表示素子61Rに入射したR光は画像変調されて反射される。画像変調されたR光(反射光)のうちS偏光成分は、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射されて光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたR光のうちP偏光成分は第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過して投射光として第2の色選択性位相板67に向かう。
また、B用の反射型液晶表示素子61Bに入射したBの光は画像変調されて反射される。画像変調されたB光(反射光)のうちP偏光成分は、再び第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたBの反射光のうちS偏光成分は第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射して投射光として第2の色選択性位相板67に向かう。
このとき、第2の偏光ビームスプリッター66とR用,B用の反射型液晶表示素子61R,61Bの間に設けられた1/4波長板62R,62Bの遅相軸を調整することにより、G光の場合と同じようにR,B光のそれぞれの黒の表示の調整を行うことができる。
こうして1つの光束に合成され、第2の偏光ビームスプリッター66から射出したRとBの投射光のうちR光は、第2の色選択性位相板67によって偏光方向が90度回転されてS偏光成分となり、さらに射出側偏光板68で検光されて第3の偏光ビームスプリッター69に入射する。また、B光はS偏光のまま第2の色選択性位相板67を透過し、さらに射出側偏光板68で検光されて第3の偏光ビームスプリッター69に入射する。射出側偏光板68で検光されることにより、RとBの投射光は第2の偏光ビームスプリッター66とR用,B用の反射型液晶表示素子61R,61B、1/4波長板62R,62Bを通ることによって生じた無効な成分をカットされた光となる。
そして、第3の偏光ビームスプリッター69に入射したRとBの投射光は第3の偏光ビームスプリッター69の偏光分離面で反射し、前述した該偏光分離面にて反射したG光と合成されて投射レンズ光学系70に至る。これにより、合成されたR,G,Bの投射光は、投射レンズ光学系70によってスクリーンなどの被投射面に拡大投影される。
以上説明した光路は、反射型液晶表示素子が白表示状態の場合であるため、以下に反射型液晶表示素子が黒表示状態の場合での光学的作用について説明する。
まず、G光の光路について説明する。ダイクロイックミラー58を透過したG光(S偏光光)は入射側偏光板59に入射し、その後、第1の偏光ビームスプリッター60に入射してその偏光分離面で反射され、G用の反射型液晶表示素子61Gへと至る。しかし、反射型液晶表示素子61Gが黒表示状態であるため、G光は画像変調されないまま反射される。従って、反射型液晶表示素子61Gで反射された後もG光はS偏光光のままであり、再び第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面で反射し、入射側偏光板59を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。
次に、R光とB光の光路について説明する。ダイクロイックミラー58を反射したR光とB光(S偏光光)は入射側偏光板64に入射する。そしてR光とB光は、入射側偏光板64から射出した後、第1の色選択性位相差板65に入射する。第1の色選択性位相差板65は、B光のみその偏光方向を90度回転する作用を持っており、これによりB光はP偏光光として、R光はS偏光光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射する。
S偏光光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したR光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面で反射され、R用の反射型液晶表示素子61Rへと至る。また、P偏光光として第2の偏光ビームスプリッター66に入射したB光は、第2の偏光ビームスプリッター66の偏光分離面を透過してB用の反射型液晶表示素子61Bへと至る。
ここで、R用の反射型液晶表示素子61Rは黒表示状態であるため、R用の反射型液晶表示素子61Rに入射したR光は画像変調されないまま反射される。従って、R用の反射型液晶表示素子61Rで反射された後もR光はS偏光光のままであり、再び第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面で反射し、入射側偏光板64を通過して光源側に戻され、投射光から除去される。すなわち、被投射面上で黒表示となる。
一方、B用の反射型液晶表示素子61Bに入射したB光は、B用の反射型液晶表示素子61Bが黒表示状態であるため、画像変調されないまま反射される。従って、B用の反射型液晶表示素子61Bで反射された後もB光はP偏光光のままであり、再び第1の偏光ビームスプリッター60の偏光分離面を透過し、第1の色選択性位相差板65によりS偏光光に変換され、入射側偏光板64を透過して光源側に戻されて投射光から除去される。
次に、光学筐体である光学ボックス6内に収容される光学ユニットについて説明する。図3において、72は色分解合成光学系βを構成する偏光ビームスプリッター60,66,69を相互に位置決めした状態で保持する保持部材である。偏光ビームスプリッター60および66にはそれぞれ、固定金具61aが接着され、該固定金具61aは反射型液晶表示素子61G,61B,61Rを保持している。具体的には、G用反射型液晶表示素子61Gは第1の偏光ビームスプリッター60により、B,R用の反射型液晶表示素子61B,61Rは第2の偏光ビームスプリッター66により保持されている。
第1〜第3の偏光ビームスプリッター60,66,69は、高剛性部材である保持部材72により一体的に保持されているので、G,B,R用の反射型液晶表示素子61G,61B、61R間の相対位置関係を高精度に保つことができ、後述する子基板を設けることと相まって、コンバージェンスずれを防ぐことができる。そして、これら図3に示す構成要素により、色分解合成光学系βと反射型画像表示素子61G,61B、61Rとが一体的に固定された光学ユニットが構成される。
90G,90B,90Rはそれぞれ、G,B,R用の第1のフレキシブル基板であり、それぞれ画像形成素子61G,61B、61Rの側部(画面長辺方向の端部)から延出している。
このように構成された光学ユニットの保持部材72の底面には、図4Aに示すように、基板支持部材である子基板ホルダー80がビス81によって取り付けられている。82G,82B,82Rはそれぞれ、G,B,R用の子基板(電気回路基板)であり、各画像表示素子を駆動するパネル駆動回路や各画像表示素子からの出力信号をD/A変換するD/A変換回路を構成する複数の電子部品を実装したハード基板である。子基板82G,82B,82Rは、子基板ホルダー80にビス83によって取り付けられている。これにより、子基板82G,82B,82Rは、保持部材72に対して一体的に固定保持される。
G,B,R用の第1のフレキシブル基板90G,90B,90Rはそれぞれ、対応する子基板82G,82B,82Rの側部に接続されている。
さらに、子基板82G,82B,82Rには、図1に示す光学ボックス6の外側であって該光学ボックス6と外装キャビネット蓋22の天面との間のスペースに配置される親基板(外部回路基板)11に接続される第2のフレキシブル基板84G,84B,84Rが接続されている。ここで、第2のフレキシブル基板84G,84B,84Rはそれぞれ、子基板82G,82B,82Rの上部(画像形成素子の画面短辺方向における端部)に接続されている。
このため、図4Bに模式的に示すように(但し、図にはR用のみ示す)、画像形成素子61G,61B,61Rの側部から延出した第1のフレキシブル基板90G,90B,90Rと子基板82G,82B,82Rの上部から延出した第2のフレキシブル基板84G,84B,84Rとは互いに略直交する方向に延びていることになる。このため、第1のフレキシブル基板90G,90B,90Rをその幅方向に変形させることなく、第2のフレキシブル基板84G,84B,84Rを親基板11に下側から接続することができる。
第1のフレキシブル基板90G,90B,90Rは直接、画像形成素子61G,61B,61Rに繋がり、かつ幅方向にある程度強いコシを有しているため、これを幅方向に曲げて親基板11に向かわせようとするとかなり大きな変形力が必要であり、その変形力が画素形成素子に伝わって偏光ビームスプリッター60,66に保持された画像形成素子61G,61B,61Rに位置ずれ(コンバージョンずれ)を生じさせるおそれがある。しかし、本実施例によれば、第1のフレキシブル基板90G,90B,90Rを幅方向に変形させることなく、第2のフレキシブル基板84G,84B,84Rを親基板11に接続するので、第1のフレキシブル基板90G,90B,90Rの無理な曲げに起因したコンバージョンずれを防止することができる。
さらに、本実施例では、図3および図4Aに示すように、第1のフレキシブル基板90G,90B,90Rをそれぞれ2箇所で可撓性が良好な方向に反転させてS字形状に曲げた状態で画像形成素子61G,61B,61Rと子基板82G,82B,82Rとを接続するようにしている。このため、仮に子基板82G,82B,82R側から第1のフレキシブル基板90G,90B,90Rに外力が作用しても、その外力は第1のフレキシブル基板90G,90B,90Rによって吸収され、画像形成素子61G,61B,61Rにはほとんど伝わらない。このことによっても、コンバージョンずれを防止することができる。
そして、このように構成された光学ユニットは、色分解合成光学系β、画像形成素子61G,61B,61R、子基板82G,82B,82R、第1のフレキシブル基板90G,90B,90Rおよび第2のフレキシブル基板84G,84B,84Rを含んでユニット化されているため、光学ボックス6への収納作業やメンテナンス時等の取り出し作業を容易に行うことができる。
図5には、光学ボックス6内に、図4Aに示した光学ユニットと、ランプユニット1と、照明光学系αとを収納し、さらに投射レンズ鏡筒5を取り付けた状態を示している。図4Aの光学ユニットは、光学ボックス6に紙面手前側から光学ボックス6内に落とし込み、ビス85で3箇所を締め込むだけで光学ユニットの光学ボックス6内での固定が完了する。
図6には、図5に示した状態の光学ボックス6に、光学ボックス蓋7を取り付けてビス締めした状態を示している。この状態でいわゆる光学エンジンの組み立てが完了する。この状態では、光学ボックス蓋7に形成されたスリット状の開口部を通して、G,B,R用の第2のフレキシブル基板84G、84B、84Rが光学ボックス6内から引き出されている。そして、この第2のフレキシブル基板84G、84B、84Rの先端に設けられたコネクタ(図示せず)が親基板11に接続される。
本実施例では、画像形成素子61G,61B,61Rに接続された第1のフレキシブル基板90G,90B,90Rおよびこれが接続された子基板82G,82B,82Rが光学ボックス6内に収容されているので、光学ボックス6に対する機械的外乱や電気的外乱からこれらをある程度防御できる。また、光学ボックス6から露出した第2のフレキシブル基板84G,84B,84Rのコネクタ端子から静電気が入り込んでも、子基板82G,82B,82Rにはコンデンサや抵抗等の静電破壊防御機能を有する電子部品が組み込まれているので、画像形成素子61G,61B,61Rの正常な動作が保証される。
また、図2に示すように、本画像投射装置の光学系は、上面(紙面上方)から見た場合にU字形状を有しており、その中央の余裕空間を利用して子基板82B,82Rを配置しているので、光学ボックス6の外回りの大きさを増加させず、画像投射装置の大型化を防止している。また、子基板82Gに関しても、投射レンズ鏡筒5のマウント背面に形成される余裕空間を利用して配置しているため、光学ボックス6の形状を単純化でき、光学ボックス6の成形性を良好とするとともに、構造上の強度を高めることができる。
以上説明したように、本実施例の画像投射装置においては、画像形成素子は電気的ノイズの影響を受けにくく、またコンバージェンスずれが少ない高画質な投射画像を得ることができる。
以下、本実施例の特徴についてまとめる。本実施例では、第1のフレキシブル基板を画素形成素子(パネル)から横方向(画面の長辺方向)に延出させ、該第1のフレキシブル基板を一旦子基板に接続し、該子基板に接続された第2のフレキシブル基板を親基板に接続するので、子基板にD/A変換回路やパネル駆動回路を設けることで、画像形成素子から子基板までを最小限の長さのアナログ信号線とすることができる。このため、外乱ノイズの影響を極力少なくすることができる。また、子基板と親基板とを繋ぐ第2のフレキシブル基板はデジタル信号線であるので、外乱ノイズの影響を受けにくい。さらに、このような構成とすることで、親基板までのフレキシブル基板の引き回しの自由度を高めることができる。
また、画像形成素子と子基板との間の第1のフレキシブル基板をS字状にカーブさせるように2箇所で曲げることにより、画像形成素子と子基板に搭載されるコネクタとの位置ずれによって発生するこじり力を第1のフレキシブル基板で吸収することができる。これにより、画像形成素子に上記こじり力は伝達されず、コンバージェンスずれを防止することができる。
また、本実施例では、色分解合成光学系に対して子基板を一体化させている。従来、画像形成素子はコンバージェンスずれを最小限に抑えるために、色分解合成光学系に一体的に保持させるるが、この色分解合成光学系に一体的に子基板を取り付けることで以下のような利点がある。まず、色分解合成光学系に画像形成素子を取り付けた状態で、子基板の周辺に障害物がなく、子基板への第1のフレキシブル基板の接続(コネクタの差込み)が容易である。次に、第1のフレキシブル基板を接続した子基板を、色分解合成光学系を保持した保持部材にビスなどで一体的に固定することで、全体が1つのユニットとなり、取り扱いが容易となる。この子基板を固定する作業(例えば、保持部材の底面に子基板ホルダーをビス止めする作業)に関しても、障害物がないので容易である。
また、本実施例では、ランプユニットと照明光学系を収容する光学ボックス内に、色分解合成光学系と画像形成素子と子基板とを含む光学ユニットを組み込む構成としている。子基板が光学ユニットに一体的に保持されることで、簡単に光学ボックス内に組み込むことができる。さらに、子基板が光学ボックス内に収容されているので、画像形成素子と子基板とをつなぐフレキシブル基板を通すための開口を光学ボックスに形成する必要がない。このため、光学ボックスの筐体としての強度を確保することができる。高い強度を有する光学ボックスにより、光学的な精度の維持も容易である。
また、子基板が光学ボックス内に収容されていることで、子基板上に搭載されている集積回路を静電破壊から保護し、その他リード部品等をも機械的又は電気的外乱から保護することができる。また、ランプユニットと照明光学系と色分離合成光学系と画像形成素子と子基板とが光学ボックス内に収容され、投射レンズが光学ボックスに取り付けられた1つのユニットを投射光学コンポーネント、すなわち光学エンジンユニットとして取り扱えるので、画像投射装置の外装ケース内への組み込みや、ユニット検査、サービスパーツとしての扱いが容易となる。
また、特に液晶パネルは静電気に弱く、液晶パネルに直接繋がるフレキシブル基板の先端が光学ボックス外に露出していると、フレキシブル基板のコネクタ端子から静電気が入込み、液晶パネルの正常動作を妨げる可能性があるが、本実施例によれば、光学ボックスから露出しているフレキシブル基板は子基板に接続されているので、ここから静電気が入り込んでも子基板で吸収され、画像形成素子の正常動作を妨げることがない。
なお、本実施例では、色分解合成光学系を保持する保持部材(より詳細には、保持部材に固定された子基板ホルダー)に子基板を保持させる場合について説明したが、子基板が光学ボックス内に収容される形態であれば、他の保持形態によって子基板を保持してもよい。例えば、光学ボックスの内壁部によって子基板を保持するようにしてもよい。
また、本実施例では、反射型画像形成素子を用いた画像投射装置について説明したが、透過型画像形成素子を用いた画像投射装置の光学ユニットにも適用することができる。
本発明の実施例である画像投射装置の分解斜視図。 実施例の画像投射装置の光学構成を示す図。 実施例の光学ユニット(子基板の未装着状態)を示す底面図。 実施例の光学ユニット(子基板の装着状態)を示す底面図。 実施例のフレキシブル基板の延出方向を示す模式図。 実施例の光学エンジンユニットを示す底面図。 実施例の光学エンジンユニットを示す底面図。
符号の説明
1 ランプユニット
5 投射レンズ鏡筒
6 光学ボックス
7 光学ボックス蓋
8 電源
9 電源フィルタ
10 バラスト電源
11 親基板(外部回路基板)
21 外装キャビネット
22 外装キャビネット蓋
60,66,69 偏光ビームスプリッター
61G,61B,61R 反射型画像形成素子
72 保持部材
82G,82B,82R 子基板(電気回路基板)
84G,84B,84R 第2のフレキシブル基板
90G,90B,90R 第1のフレキシブル基板

Claims (14)

  1. 光源からの光を画像形成素子に導き、該画像形成素子からの光を投射レンズに導く光学系と、
    該光学系を保持する部材であって、前記光源および前記投射レンズが取り付けられる光学筐体内に収容される保持部材と、
    該光学筐体内で保持され、前記画像形成素子に第1のフレキシブル基板を介して接続された電気回路基板とを有することを特徴とする光学ユニット。
  2. 前記電気回路基板は、前記保持部材によって保持されていることを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
  3. 前記保持部材に基板支持部材が取り付けられており、該基板支持部材に前記電気回路基板が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の光学ユニット。
  4. 前記光学系は、前記光源からの光を色分解する機能および複数の前記画像形成素子からの色光成分を合成する機能のうち少なくとも一方を有する光学素子を含み、
    前記保持部材は、前記光学素子を位置決め保持することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の光学ユニット。
  5. 前記電気回路基板は、複数の電子部品を実装したハード基板であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の光学ユニット。
  6. 前記第1のフレキシブル基板は、少なくとも2箇所で曲げられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の光学ユニット。
  7. 前記電気回路基板は、前記光学筐体の外部に設けられた外部回路基板に接続するための第2のフレキシブル基板を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の光学ユニット。
  8. 前記画像形成素子から前記電気回路基板への前記第1のフレキシブル基板の延出方向と前記電気回路基板からの前記第2のフレキシブル基板の延出方向とが互いに略直交することを特徴とする請求項7に記載の光学ユニット。
  9. 前記電気回路基板上の電気回路は、前記画像形成素子を駆動する機能を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の光学ユニット。
  10. 前記電気回路基板上の電気回路は、前記画像形成素子からの出力信号をD/A変換する機能を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の光学ユニット。
  11. 請求項1から10のいずれか1つに記載の光学ユニットと、
    前記光学ユニットを収容する光学筐体と、
    該光学筐体に取り付けられた光源と、
    該光学筐体に取り付けられ、前記光源からの光により照明された画像形成素子からの光を投射する投射レンズとを有することを特徴とする投射光学コンポーネント。
  12. 請求項11に記載の投射光学コンポーネントと、
    該投射光学コンポーネントを収容する外装部材とを有することを特徴とする画像投射装置。
  13. 前記光学筐体の外部に配置され、前記電気回路基板に接続される外部回路基板を有することを特徴とする請求項12に記載の画像投射装置。
  14. 請求項12又は13に記載の画像投射装置と、
    該画像投射装置に画像情報を供給する画像情報供給装置とを有することを特徴とする画像表示システム。
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