JP2006084852A - カラーフィルタ、カラーフィルタを備えた液晶表示装置およびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ、カラーフィルタを備えた液晶表示装置およびカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インクジェット方式にて作成されたカラーフィルタ、あるいはカラーフィルタ部が湾曲形状を有するカラーフィルタにおいて、コントラストの低下を抑制する。
【解決手段】 カラーフィルタ12は、インクジェット方式により、ガラス基板11上の対向する両ブラックマトリクス34の間に塗布された液体材料を硬化させてカラーフィルタ部31が形成される。ブラックマトリクス34の内壁面を通りガラス基板11表面に垂直な線とカラーフィルタ部31の外面とが交わる位置を外端位置とし、この位置からガラス基板11表面と平行に両ブラックマトリクス34同士の対向方向へ1μmだけ入った幅をaとし、この幅aの内端位置からカラーフィルタ部31の外面に達する、ガラス基板11表面と垂直な方向のカラーフィルタ部の高さをbとし、幅aを底辺とする高さbの直角三角形の斜辺の傾斜角度をcとした場合に、この傾斜角度cが11度以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示装置等の表示装置に使用されるカラーフィルタ、カラーフィルタを備えた液晶表示装置およびカラーフィルタの製造方法に関するものである。
従来、カラー液晶表示装置等の表示装置では、カラー表示を行うためにカラーフィルタを備えている。このカラーフィルタは、通常、赤(R),緑(G),青(B)の3原色の着色パターンを1組とし、この1組の着色パターンが面方向に多数並設されたものである。R,G,Bの各1個のカラーフィルタ部は表示装置の1画素に対応し、R,G,Bの3個1組のカラーフィルタ部は表示装置の1絵素に相当する。したがって、例えば液晶表示装置では、1組をなすR,G,Bのカラーフィルタに対応する画素のうち、例えばR(赤)のカラーフィルタに対応する画素を光の透過状態とすることにより、その絵素において赤色表示を行う。
従来、カラーフィルタの製造方法としては、例えばスピンコート法が知られている。このスピンコート法は、ガラス基板上にクロム等のメタルからなるブラックマトリックスを、フォトリソグラフィおよびエッチングによって形成した後、上記ガラス基板の全面に、所定の色の顔料を分散させた感光性樹脂をスピンナーによってコーティングして乾燥させ、その後、この感光性樹脂を露光・現像して、所定の色の色画素パターンを得る。この工程を、3回、即ちR,G,Bの3色について繰り返し、カラーフィルタパターンを形成する。
しかしながら、上記の方法では、本来カラーフィルタを形成しない箇所にもカラーフィルタ材料を塗布しなければならず、材料費が嵩んでいた。さらに、フォトリソグラフィ工程は生産設備が高価であるとともに、設計変更にフレキシブルに対応できないなど、生産コストの点で望ましくなかった。
このような問題を解決するものとして、例えば特開平9−21910号公報、特開2000−227513号公報および特開2001−74928号公報には、インクジェット法によるカラーフィルタのパターン化の手法が開示されている。その技術は、ガラス基板上の所定の位置のみにRGBのインクを印刷して色画素パターンを形成するというものである。具体的には、ガラス基板上におけるカラーフィルタ部の形成位置にノズルからカラーフィルタ材料の液滴を吐出させ、その液滴を硬化させてカラーフィルタ部を形成する。
上記のインクジェット法では、R,G,Bの3原色の各カラーフィルタ部を同時に形成することができ、生産時間の短縮が可能である。また、色画素位置にのみインク(液滴)を乗せるので、上記スピンコート法より顔料の使用量が少なくて済み、材料費を大幅に低減可能である。さらに、手間のかかる露光・現像工程がなく、現像装置が不要であるため、製造コストを低減可能である。その上、常温、常圧下での作業が可能となり、生産性の向上効果、生産設備の簡略化が可能である。
特開平9−21910号公報(平成7年7月7日公開) 特開2000−227513号公報(平成11年2月5日公開) 特開2001−74928号公報(平成11年10月1日公開)
しかしながら、上記のように、カラーフィルタをインクジェット方式にて形成した場合、各カラーフィルタ部の表面は、平坦面ではなく、表面張力により湾曲面となり易い。即ち、インクジェット方式によるカラーフィルタの製造方法において、各カラーフィルタ部は、表面が表面張力により湾曲面となった場合、そのままの形状を維持して硬化されることになる。
ここで、例えば液晶パネルは、カラーフィルタが設けられたカラーフィルタ基板と対向基板との間に液晶層を配して作成される。したがって、各カラーフィルタ部の表面が湾曲面となっている場合、液晶パネルでは、液晶の配向乱れが生じ、これによりコントラストが低下するという問題点を招来する。この点について図20および図21を参照してさらに詳細に説明する。
図20には、液晶パネルの概略構成を示す。この液晶パネルは、偏光板101、カラーフィルタ基板102、液晶層103、TFT等が設けられたアクティブマトリクス基板104、偏光板105、およびバックライト106を備えている。この液晶パネルでは、液晶層103の液晶分子107が垂直配向となっている。このように垂直配向を用いた液晶パネルでは、一般に、対向配置された偏光板101と偏光板105との光軸を直交させておき、電圧無印加時に黒表示、電圧印加時に白表示を行う。このような垂直配向方式では、黒表示において、基板界面の液晶分子107も含めた全ての液晶分子107が垂直に配向しており、偏光板のクロスニコルと同等の黒表示が可能となる。したがって、一般にコントラストを高くすることができる。
図21には、液晶層103と接している一方の基板面が平坦面でない場合の液晶パネルを示す。図21では、カラーフィルタ基板102における液晶層103と接する面が凸形状、凹形状あるいは台形状等の不連続な表面形状となっており、その面上に垂直配向膜108が設けられている。一方、アクティブマトリクス基板104における液晶層103と接する面、即ち対向面は平坦面であり、その面上に垂直配向膜108が設けられている。基板界面付近の液晶分子107は、基板表面形状に対して垂直方向に配向しようとする。したがって、カラーフィルタ基板102の表面において、アクティブマトリクス基板104の対向面と平行ではない部分、即ちアクティブマトリクス基板104の表面に対して傾斜している部分が存在すると、その部分との界面付近の液晶分子107はアクティブマトリクス基板104の表面に対して斜めに配向される。この結果、その部分において液晶パネルのコントラストが低下する。
したがって、本発明は、インクジェット方式にて作成されたカラーフィルタ、あるいは各カラーフィルタ部が湾曲形状を有するカラーフィルタにおいて、コントラストの低下を抑制できるようにすることを目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明のカラーフィルタは、インクジェット方式により、基板上の対向する両遮光部の間に塗布された液体材料を硬化させてカラーフィルタ部が形成されているカラーフィルタにおいて、前記カラーフィルタ部が接する前記遮光部の内壁面を通り前記基板表面に垂直な線とカラーフィルタ部の外面とが交わる位置を外端位置とし、この外端位置から前記基板表面と平行に両遮光部同士の対向方向へ1μmだけカラーフィルタ部内に入った幅をaとし、この幅aの内端位置からカラーフィルタ部の外面に達する、前記基板表面と垂直な方向のカラーフィルタ部の高さをbとし、幅aを底辺とする高さbの直角三角形の斜辺の傾斜角度をcとした場合に、この傾斜角度cが11度以下であることを特徴としている。
また、本発明のカラーフィルタは、基板上の対向する両遮光部の間に外面が凸形または凹形の湾曲形状を有するカラーフィルタ部が形成されているカラーフィルタにおいて、
前記カラーフィルタ部が接する前記遮光部の内壁面を通り前記基板表面に垂直な線とカラーフィルタ部の外面とが交わる位置を外端位置とし、この外端位置から前記基板表面と平行に両遮光部同士の対向方向へ1μmだけカラーフィルタ部内に入った幅をaとし、この幅aの内端位置からカラーフィルタ部の外面に達する、前記基板表面と垂直な方向のカラーフィルタ部の高さをbとし、幅aを底辺とする高さbの直角三角形の斜辺の傾斜角度をcとした場合に、この傾斜角度cが11度以下であることを特徴としている。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、インクジェット方式により、基板上の対向する両遮光部の間に液体材料を塗布して硬化させ、カラーフィルタ部を形成するカラーフィルタの製造方法において、前記カラーフィルタ部が接する前記遮光部の内壁面を通り前記基板表面に垂直な線とカラーフィルタ部の外面とが交わる位置を外端位置とし、この外端位置から前記基板表面と平行に両遮光部同士の対向方向へ1μmだけカラーフィルタ部内に入った幅をaとし、この幅aの内端位置からカラーフィルタ部の外面に達する、前記基板表面と垂直な方向のカラーフィルタ部の高さをbとし、幅aを底辺とする高さbの直角三角形の斜辺の傾斜角度をcとした場合に、この傾斜角度cを11度以下とすることを特徴としている。
上記の構成において、カラーフィルタの製造においてインクジェット方式を使用すれば、各色のカラーフィルタ部を同時に形成することができ、カラーフィルタを容易かつ低コストにて製造することができる。インクジェット方式にてカラーフィルタを製造した場合、カラーフィルタを構成するR,G,Bの各カラーフィルタ部は、通常、外面が湾曲形状となる。この場合、カラーフィルタ部の端部の傾斜角度が大きければ、前述のように、そのカラーフィルタを使用する液晶表示装置において、液晶分子の配向乱れが生じ、コントラストが低下する。
本願発明者は、鋭意研究の結果、インクジェット方式にて形成されたカラーフィルタおよびそれを使用した液晶表示装置における上記のような課題を見出し、かつその課題を解決するための構成を見出した。
即ち、カラーフィルタ部における上記の傾斜角度cを11度以下とすれば、カラーフィルタ部の、遮光部と接する端部領域におけるコントラスト比の低下をカラーフィルタ部の中央部におけるコントラスト比の50%以下に抑制することができることを見出した。
この場合、カラーフィルタ部の端部領域は、カラーフィルタ部の外面の傾斜角度が最も大きくなっている領域、即ち最も液晶分子の配向乱れが大きくコントラスト比が低下する領域である。一方、この端部領域から中央部に近づくほど、上記傾斜角度は小さくなり、これに伴ってコントラスト比は大きくなる。したがって、傾斜角度cを11度以下とした範囲においても液晶表示装置全体としてはコントラスト比が良好な表示状態を維持することができる。即ち、本発明の構成では、カラーフィルタを容易かつ低コストにて製造することができ、かつそのカラーフィルタを使用した液晶表示装置においてコントラスト比が良好な表示状態を維持することができる。
さらに、外面が凸形または凹形の湾曲形状を有するカラーフィルタ部が形成されているカラーフィルタでは、このカラーフィルタを使用した液晶表示装置において、カラーフィルタ部の凸形もしくは凹形の湾曲形状により、各画素領域においてセルギャップが連続的に変化することになる。この場合、セルギャップが狭い領域では液晶層の応答速度が速くなり、この動作に追従してセルギャップの広い領域でも液晶層の応答速度が速くなる。これにより、液晶表示装置の応答速度が速くなる。
上記のカラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法は、前記傾斜角度cが7度以下である構成としてもよい。
上記の構成によれば、カラーフィルタ部の、遮光部と接する端部領域におけるコントラスト比の低下をカラーフィルタ部の中央部におけるコントラスト比の10%以下に抑制することができる。これにより、カラーフィルタを容易かつ低コストにて製造することができ、かつそのカラーフィルタを使用した液晶表示装置においてコントラスト比がさらに良好な表示状態を維持することができる。
上記のカラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法は、前記傾斜角度cが3度以下である構成としてもよい。
上記の構成によれば、カラーフィルタ部の、遮光部と接する端部領域におけるコントラスト比の低下をカラーフィルタ部の中央部におけるコントラスト比の10%以下に抑制することができる。これにより、カラーフィルタを容易かつ低コストにて製造することができ、かつそのカラーフィルタを使用した液晶表示装置においてコントラスト比がさらに良好な表示状態を維持することができる。
上記のカラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法は、前記カラーフィルタ部の外面形状が凸形もしくは凹形の湾曲形状である構成としてもよい。
インクジェット方式によりカラーフィルタ部を形成した場合には、例えば遮光部の高さ、インクの吐出量、あるいは遮光部の内壁面における親液性等を調整することにより、カラーフィルタ部の外面形状を適宜凸形もしくは凹形の湾曲形状とすることができる。
この場合、このカラーフィルタを使用した液晶表示装置では、カラーフィルタ部の凸形もしくは凹形の湾曲形状により、各画素領域においてセルギャップが連続的に変化することになる。この場合、セルギャップが狭い領域では液晶層の応答速度が速くなり、この動作に追従してセルギャップの広い領域でも液晶層の応答速度が速くなる。これにより、液晶表示装置の応答速度が速くなる。
上記のカラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法において、前記傾斜角度cが0度以上である構成としてもよい。
上記の構成によれば、カラーフィルタ部の外面は、前記傾斜角度cが0度以上であり、平坦面ではないので、外面形状が凸形状もしくは凹形状となっている。したがって、このカラーフィルタを使用した液晶表示装置では、カラーフィルタ部の凸形状もしくは凹形状により、各画素領域においてセルギャップが連続的に変化することになる。この場合、セルギャップが狭い領域では液晶層の応答速度が速くなり、この動作に追従してセルギャップの広い領域でも液晶層の応答速度が速くなる。これにより、液晶表示装置の応答速度が速くなる。
上記のカラーフィルタにおいて、前記遮光部の内壁面は親液性を有している構成としてもよい。
上記の構成によれば、基板上の対向する両遮光部の間にカラーフィルタ部の液体材料を塗布した場合に、遮光部の内壁面の親液性により、カラーフィルタ部の傾斜角度cを抑制し易くなる。
本発明の液晶表示装置は、上記何れかのカラーフィルタを備えている構成である。
したがって、この液晶表示装置では、カラーフィルタを容易かつ低コストにて製造することができ、かつコントラスト比が良好な表示状態を維持することができる。
上記の液晶表示装置は、液晶層の液晶分子が垂直配向されている構成としてもよい。
上記の構成によれば、液晶層の液晶分子が垂直配向されているので、上記のカラーフィルタが備える、コントラスト比の低下に対する抑制機能を十分に享受することができる。
以上のように、本発明のカラーフィルタは、インクジェット方式により形成されたカラーフィルタ部を有し、前記カラーフィルタ部が接する前記遮光部の内壁面を通り前記基板表面に垂直な線とカラーフィルタ部の外面とが交わる位置を外端位置とし、この外端位置から前記基板表面と平行に両遮光部同士の対向方向へ1μmだけカラーフィルタ部内に入った幅をaとし、この幅aの内端位置からカラーフィルタ部の外面に達する、前記基板表面と垂直な方向のカラーフィルタ部の高さをbとし、幅aを底辺とする高さbの直角三角形の斜辺の傾斜角度をcとした場合に、この傾斜角度cが11度以下である構成である。
また、本発明のカラーフィルタは、外面が凸形または凹形の湾曲形状を有するカラーフィルタ部を有し、前記カラーフィルタ部が接する前記遮光部の内壁面を通り前記基板表面に垂直な線とカラーフィルタ部の外面とが交わる位置を外端位置とし、この外端位置から前記基板表面と平行に両遮光部同士の対向方向へ1μmだけカラーフィルタ部内に入った幅をaとし、この幅aの内端位置からカラーフィルタ部の外面に達する、前記基板表面と垂直な方向のカラーフィルタ部の高さをbとし、幅aを底辺とする高さbの直角三角形の斜辺の傾斜角度をcとした場合に、この傾斜角度cが11度以下である構成である。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、インクジェット方式によりカラーフィルタ部を形成し、前記カラーフィルタ部が接する前記遮光部の内壁面を通り前記基板表面に垂直な線とカラーフィルタ部の外面とが交わる位置を外端位置とし、この外端位置から前記基板表面と平行に両遮光部同士の対向方向へ1μmだけカラーフィルタ部内に入った幅をaとし、この幅aの内端位置からカラーフィルタ部の外面に達する、前記基板表面と垂直な方向のカラーフィルタ部の高さをbとし、幅aを底辺とする高さbの直角三角形の斜辺の傾斜角度をcとした場合に、この傾斜角度cを11度以下とする構成である。
これにより、カラーフィルタを容易かつ低コストにて製造することができ、かつそのカラーフィルタを使用した液晶表示装置においてコントラスト比が良好な表示状態を維持することができる。
本発明の実施の一形態を図面に基づいて以下に説明する。
図3には本実施の形態のカラーフィルタを備えた液晶表示装置の一例の縦断面図を示す。同図に示すように、液晶表示装置は、カラーフィルタ基板1とアクティブマトリクス基板2との間に液晶層3が充填された構成である。なお、ここでは、液晶表示装置は、アクティブマトリクス型とし、アクティブマトリクス基板2を備えた構成としているが、これに限定されることなく、カラーフィルタを使用するものであればよい。
カラーフィルタ基板1はガラス基板11を有する。このガラス基板11には、アクティブマトリクス基板2との対向面に、カラーフィルタ12、透明電極13および配向膜14がこの順に設けられ、反対側の面に偏光板15が設けられている。
アクティブマトリクス基板2は、ガラス基板21を有し、このガラス基板21には、カラーフィルタ基板1との対向面に、透明電極22および配向膜23がこの順に設けられ、反対側の面に偏光板24が設けられている。
本実施の形態において、配向膜14,23は液晶層3の液晶分子を垂直配向させる垂直配向膜であり、偏光板15,24は光軸が互いに直交している。したがって、この液晶表示装置では、電圧無印加時に黒表示、電圧印加時に白表示を行う。
カラーフィルタ12は、光が透過したときに発色するものであり、三原色であるR(赤),G(緑),B(青)のカラーフィルタ部31,32,33を1組としている。図3では、簡略化のため、1組のカラーフィルタ部31〜33からなる構成について示している。
カラーフィルタ部31〜33はそれぞれ液晶表示装置の各画素に対応する位置に設けられ、各カラーフィルタ部31〜33同士の間には遮光部となるブラックマトリクス34が設けられている。
カラーフィルタ部31〜33は、インクジェット方式により形成され、外面が湾曲面となっている。インクジェット方式は、ノズルからカラーフィルタ部31〜33の材料である液滴をカラーフィルタ部31〜33の形成位置に吐出させた後、その液滴を硬化させてカラーフィルタ部31〜33を形成する。したがって、この方式によって形成されるカラーフィルタ部31〜33は、通常、表面張力により表面が湾曲面となる。また、インクジェット方式では、多数のノズルを使用して同時に多数のカラーフィルタ部31〜33を形成することができるので、効率よくカラーフィルタ12を形成することができる。
次に、カラーフィルタ12におけるカラーフィルタ部31〜33の形成領域から見た場合の異なる2例を図4および図5に示す。図4(a)および図5(a)はカラーフィルタ12の平面図、図4(b)および図5(b)はそれぞれ図4(a)および図5(a)におけるA−A’線矢視断面図、図4(c)および図5(c)はそれぞれ図4(a)および図5(a)におけるB−B’線矢視断面図である。
図4(a)のカラーフィルタ12は、マトリクス状のブラックマトリクス34を有し、カラーフィルタ部31〜33が長方形のドット形状に形成されている。また、図5(a)のカラーフィルタ12は、ストライプ状のブラックマトリクス34を有し、カラーフィルタ部31〜33がストライプ状に形成されている。
ここで、先述したように、液晶層3の液晶分子が垂直配向されている液晶表示装置では、液晶層3に接する基板との界面付近において、基板の表面に対して垂直に液晶分子が配向される。したがって、図6に示すように、液晶層3に接する基板表面(カラーフィルタ基板1の表面もしくはアクティブマトリクス基板2の表面)が例えば凹凸形状である場合、その凹凸形状に応じて液晶分子4の配向乱れが生じる。
このような問題は、図7に示すように、カラーフィルタ12のカラーフィルタ部31〜33が湾曲面を有する場合も同様であり、カラーフィルタ基板1との界面付近の液晶分子4はカラーフィルタ部31〜33の湾曲面に応じて配向乱れが生じ易くなる。また、この配向乱れは、上記湾曲面の曲率が大きくなるほど増大し、その結果、コントラストの低下が大きくなる。
そして、インクジェット方式にてカラーフィルタ12を形成した場合には、図8に示すように、領域Aにおいて図6に示す凹凸形状の一部と図7に示す湾曲形状とが生じ、領域Bにおいて図7に示す湾曲形状が生じる。この場合、液晶表示装置のコントラストに最も影響するのは領域Aにおけるカラーフィルタ部31〜33の湾曲形状である。即ち、カラーフィルタ部31〜33では、湾曲形状の端部において最も曲率が大きくなり、したがって、この部分において液晶分子4の配向乱れが最も大きくなり、最もコントラストが低下することになる。そこで、本願発明者は、鋭意研究の結果、コントラストの低下を抑制するために、カラーフィルタ部31〜33の端部の傾斜角度における好適な範囲を見出した。以下、この点について詳細に説明する。
なお、インクジェット方式にてカラーフィルタ12を形成する場合、ブラックマトリクス34の側壁面における、カラーフィルタ部31〜33材料の液体に対する親液性(濡れ性)を調整することにより、カラーフィルタ部31〜33の形状は、図9に示す凸型湾曲形状、または図10に示す凹型湾曲形状の何れの形状にも形成可能である。これら図9および図10において、5はスペーサである。
これら何れのカラーフィルタ12を備えた液晶表示装置においても、画素領域において液晶層3の厚さ、即ちセルギャップが連続的に変化していくマルチギャップ構造となっている。この場合、セルギャップが狭い領域の液晶分子の高速応答が可能となり、それに追従してその他の領域の液晶分子も変化していき、結果として全体の応答速度が向上する。
図1は、本願発明者が見出した、カラーフィルタ部31〜33の端部の傾斜角度における好適な範囲を説明するカラーフィルタ12の要部の断面図である。同図においては、各カラーフィルタ部31〜33の両側のブラックマトリクス34同士の対向方向において、カラーフィルタ部31〜33の端部を始端とする所定幅の領域を端部領域とし、aは前記端部領域の幅、bは前記端部領域の高さ、cはこれらaとbとを結ぶ三角形の斜辺の傾斜角度を表す。本実施の形態においてaは1μmである。
図2は、上記傾斜角度cとコントラスト比との関係を示すグラフである。なお、図2において傾斜角度がプラスの領域は、カラーフィルタ部31〜33が凸形状のカラーフィルタ12を使用した場合を示す、傾斜角度がマイナスの領域は、カラーフィルタ部31〜33が凹形状のカラーフィルタ12を使用した場合を示す。ここで、本実施の形態において、液晶表示装置は、液晶分子4が垂直配向のノーマリーブラックのものであり、電圧無印加時に黒表示、電圧印加時に白表示を行う。したがって、コントラストは、
コントラスト比=白表示の輝度/黒表示の輝度
とする。
液晶表示装置においては、傾斜角度cが大きくなると、黒表示の時にもカラーフィルタ部31〜33の端部領域の傾斜に沿って液晶分子4が傾いてしまう。このため、カラーフィルタ部31〜33の端部では、黒表示であるにも拘わらず、バックライトからの光が透過してしまい、透過率が上昇し、コントラストが低下する。そこで、本実施の形態の液晶表示装置では、カラーフィルタ12におけるカラーフィルタ部31〜33の傾斜角度cを制御している。
図2に示すように、
(1)コントラスト比の低下が0%の場合、傾斜角度cの上限は3°
(2)コントラスト比の低下が10%の場合、傾斜角度cの上限は7°
(3)コントラスト比の低下が50%の場合、傾斜角度cの上限は11°
となる。このうち、コントラスト比の低下は0%が最も好ましいものの、10%でも低下の影響をほとんど無視できるレベルである。また、50%は良好な表示を得るための最低限のレベルである。例えば、一般に液晶テレビは300:1以上の高コントラスト比を有しており、コントラスト比が半減値であっても、良好な表示が可能である。
なお、液晶表示装置において、セルギャップが変化していることによる液晶分子4の高速応答を可能とする上では、上記の各コントラストの低下量に対応する各傾斜角度cは0°以上であることが好ましい。
図11には、画素ピッチが変化した場合にこれに伴ってカラーフィルタ部31〜33の形状が変化する様子を示したカラーフィルタ12の縦断面図である。画素ピッチ、即ちカラーフィルタ部31〜33の幅(隣り合うブラックマトリクス34の間隔)が広くなると、傾斜角度cが小さくなり、その逆に画素ピッチが狭くなると傾斜角度cが大きくなる。したがって、画素ピッチに応じてノズルからのカラーフィルタ部31〜33を形成する液体材料の吐出量を調整する。
次に、図12および図13を用いて、カラーフィルタ部31〜33の傾斜角度cを調整するための手法について説明する。図12には、凸形状のカラーフィルタ部31〜33を有するカラーフィルタ12の一例を示す。同図において、e〜gは、
e:fの領域を取り除いた凸形状部のみの平均膜厚
f:凸形状部を取り除いた領域の膜厚
g:カラーフィルタ部全体の平均膜厚
である。
図13には、画素ピッチPと凸形状部のみの平均膜厚eとの関係を示す。この図13は、傾斜角度cの上限値を規定する上記(1)〜(3)の場合に対応し、下記の(式1)〜(式3)を示す。
e ≦ 5.333×10−8×P−4.400×10−5×P+1.238×10−2×P−2.429×10−2 …… (式1)
e ≦ 1.422×10−7×P−1.108×10−4×P+2.967×10−2×P−4.476×10−2 …… (式2)
e ≦ 2.178×10−7×P−1.719×10−4×P+4.646×10−2×P−6.857×10−2 …… (式3)
なお、(式1)〜(式3)は、
式1:傾斜角度3°以内に抑えるための凸形状部のみの平均膜厚の上限
式2:傾斜角度7°以内に抑えるための凸形状部のみの平均膜厚の上限
式3:傾斜角度11°以内に抑えるための凸形状部のみの平均膜厚の上限
をそれぞれ示す。なお、
カラーフィルタ部全体の平均膜厚g = 凸形状のみの平均膜厚e+平面の膜厚f
である。
また、凸形状部のみの平均膜厚eを、画素ピッチと傾斜角度cとの制約によって厚膜化するのが困難な場合には、図14に示すように、ブラックマトリクス34の高さを高くして、凸形状部を取り除いた領域の膜厚fを厚くすることにより容易に対応可能である。
次に、画素ピッチが狭い場合であっても傾斜角度cを小さく押さえる上で有効なカラーフィルタ12の構成について図15および図16により説明する。
図15(a)はブラックマトリクス34の高さhよりもカラーフィルタ部31〜33の端部の位置が低くなっている場合のカラーフィルタ12の平面図であり、図15(b)は図15(a)におけるC−C’線矢視断面図である。また、図16(a)はブラックマトリクス34に親水処理が施され、カラーフィルタ部31〜33の端部がブラックマトリクス34の上面に存在する場合のカラーフィルタ12の平面図であり、図16(b)は図16(a)におけるD−D’線矢視断面図である。
図15(a)(b)の構成では、ブラックマトリクス34の高さhよりもカラーフィルタ部31〜33の端部の位置が低くなっているので、カラーフィルタ部31〜33における傾斜角度cが大きくなり易い。この場合、コントラスト比が低下し易くなる。
また、傾斜角度cが大きくなり易いことにより、カラーフィルタ部31〜33はブラックマトリクス34近傍の端部の膜厚が薄くなり易い。この場合には、ブラックマトリクス34近傍の端部において光漏れが発生し易くなり、表示不良を生じ易くなる。
一方、図16(a)(b)の構成では、ブラックマトリクス34の内壁面、あるいは内壁面および上面における内壁面側の一部に親水性(親液性)が付与されている。この場合、ブラックマトリクス34の高さhが図15(a)(b)のカラーフィルタ12と同じであっても、カラーフィルタ部31〜33の液体材料を多めに付与してカラーフィルタ部31〜33の端部をブラックマトリクス34の上面に位置させることができる。したがって、カラーフィルタ部31〜33の傾斜角度cを小さくすることができる。
なお、この場合の傾斜角度cは、詳細には、カラーフィルタ部31が接するブラックマトリクス34の内壁面を通りガラス基板11表面に垂直な線とカラーフィルタ部31の外面とが交わる位置を外端位置とし、この外端位置からガラス基板11表面と平行に両ブラックマトリクス34同士の対向方向へ1μmだけカラーフィルタ部内に入った幅をaとし、この幅aの内端位置からカラーフィルタ部31の外面に達する、ガラス基板11表面と垂直な方向のカラーフィルタ部31の高さをbとし、幅aを底辺とする高さbの直角三角形の斜辺の傾斜角度である。
また、図16(a)(b)のカラーフィルタ12では、カラーフィルタ部31〜33における、凸形状部を取り除いた領域の膜厚fを厚くすることができる。したがって、カラーフィルタ部31〜33の端部において光漏れが発生し難くなる。
このように、カラーフィルタ12では、ブラックマトリクス34の内壁面および上面における内壁面側の一部に親水性を付与し、凸形状部を取り除いた領域の膜厚fとブラックマトリクス34の高さhとの関係を、
f≧e
とすることにより、傾斜角度cを小さくしてカラーフィルタ部31〜33の端部におけるコントラスト比の低下を防止することができる。さらに、ブラックマトリクス34の内壁面近傍におけるカラーフィルタ部31〜33での光漏れを防止することができる。
次に、本実施の形態のカラーフィルタ12の製造方法について説明する。
まず、カラーフィルタ部31〜33を形成するための液体材料をガラス基板11上に付与するインクジェット装置の一例を図17に示す。このインクジェット装置41は、図17に示すように、ガラス基板11を載置する載置台42を備え、この載置台42上のガラス基板11上に対して例えば液体材料を吐出するインクジェットヘッド43と、インクジェットヘッド43をX方向に移動させるX方向駆動部44およびY方向に移動させるY方向駆動部45とが設けられている。
また、インクジェット装置41には、インクジェットヘッド43に上記液体材料であるインクを供給するインク供給システム46と、インクジェットヘッド43の吐出制御、X方向駆動部44およびY方向駆動部45の駆動制御等の各種制御を行なうコントロールユニット37とが設けられている。コントロールユニット37からは、XおよびY方向駆動部44,45に対してインク吐出位置情報が出力され、インクジェットヘッド43のヘッドドライバ(図示せず)に対して吐出情報が出力される。これにより、XおよびY方向駆動部44,45に連動してインクジェットヘッド43が動作し、ガラス基板11上の目的位置に目的量のインク(液体材料)が供給される。この上記のインクジェットヘッド43は、ピエゾアクチュエータを使用するピエゾ方式のもの、ヘッド内にヒータを有するバブル方式のもの、あるいはその他の方式のものであってもよい。インクジェットヘッド43からのインク吐出量の制御は、印加電圧の制御により可能である。
図18には、凸形状のカラーフィルタ部31〜33を有するカラーフィルタ基板1の製造工程を示す。なお、ここでは、簡略化のため、R(赤)のカラーフィルタ部31のみについて示し、他のG(緑)およびB(青)のカラーフィルタ部32,33については省略する。
まず、図18(a)に示すように、ガラス基板11上にブラックマトリクス34をストライプ状あるいはマトリクス状に形成する。
次に、図18(b)に示すように、ブラックマトリクス34が形成されたガラス基板11上に光触媒含有層51を形成する。
次に、図18(c)に示すように、光触媒含有層51が形成されたガラス基板11の裏面側から紫外線を照射する。光触媒含有材料からなる光触媒含有層51は、塗布された初期状態において撥水性を示す。一方、この光触媒含有層51は、光触媒反応を励起する光(例えば紫外線等)を照射すると、励起生成した電子と正孔とが表面の吸着酸素や水と反応して活性酸素を生成し、表面改質により親水性を示す。
したがって、ガラス基板11の裏面側から光を照射することで、光触媒含有層51における画素内の部分は親水性を示し、ブラックマトリクス34上の部分は遮光されるために初期状態の撥水性を維持する。これにより、次工程でのインクの塗り分けが容易となる。
なお、インクの塗り分けは、本方式に限らず撥水性のブラックマトリクス34を用いる方法、ブラックマトリクス34の形成後に各画素の仕切りとなるバンクを形成する方法、ブラックマトリクス34の形成後にフッ素系ガスを用いたプラズマ処理を施す方法等を用いてもよい。
次に、図18(d)に示すように、インクジェット装置41を用いて、ブラックマトリクス34同士の間にインク52を吐出する。
その後、インクの乾燥、焼成により、図18(e)に示すように、カラーフィルタ部31が形成される。このような処理を各画素領域に対して行うことにより、カラーフィルタ基板1が形成される。
上記の製造方法において、吐出するインクとしては顔料分散型のインクを用いた。また、光触媒含有層51の親水部とインクとの接触角は10°、光触媒含有層51の撥水部とインクとの接触角は60°となるように、光触媒含有層51への露光量、インクの表面張力の調整を行った。
図19には、凹形状のカラーフィルタ部31〜33を有するカラーフィルタ基板1の製造工程を示す。各工程での処理は、図18に示したものと同様である。但し、ここでは、ブラックマトリクス34の高さをインク(カラーフィルタ部31)の平均膜厚(図12に示す平均膜厚g)よりも高くすることで、凹形状のカラーフィルタ部31を形成可能となる。
ここで、図19(c)に示す裏面からの光照射処理によって、ブラックマトリクス34の側壁面の光触媒含有層51は親水処理が施されている。図19(d)に示すように、ブラックマトリクス34同士の間にインクを吐出した場合、インクはブラックマトリクスの側壁面にも濡れ広がろうとする。これにより、図19(e)に示すように、ブラックマトリクス34近傍のインク膜厚が厚くなり、カラーフィルタ部31を凹形状とすることができる。
次に、光触媒含有層51についてさらに詳細に説明する。光触媒含有層51は、上記のように、エネルギーの照射により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するものである。接触角は、接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定することができる。
光触媒含有層51は、少なくとも光触媒とバインダとを含む構成としてもよい。この場合、光触媒により、バインダの一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、露光部の濡れ性を変化させて親インク性とし、非露光部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。
また、光触媒含有層51は、少なくとも光触媒とフッ素とを含有し、さらにこの光触媒含有層表面のフッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するものであってもよい。この場合には、容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これは、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親インク性領域となっていることを意味する。光触媒含有層51中におけるフッ素含有量の測定は、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定する方法により可能である。
光触媒含有層51に使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸化鉄(Fe23)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
光触媒含有層51に使用するバインダは、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
インクジェット方式によりカラーフィルタ部を形成するためのインクとしては、水性もしくは油性のものを使用可能であるものの、本実施の形態においては、表面張力の関係から水をベースとした水性のインクが好ましい。
水性インクには、溶媒として、水単独または水および水溶性有機溶剤の混合溶媒を用いることがきる。一方、油性インクにはインクジェットヘッド43のつまり等を防ぐために高沸点の溶媒をベースとしたものが好ましく用いられる。このようなインクジェット方式のインクに用いられる着色剤は、公知の顔料、染料が広く用いられる。また、分散性、定着性向上のために溶媒に可溶・不溶の樹脂類を含有させることもできる。その他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤;防腐剤;防黴剤;pH調整剤;消泡剤;紫外線吸収剤;粘度調整剤:表面張力調整剤などを必要に応じて添加しても良い。
また、通常、インクジェット方式のインクは適性粘度が低いためバインダ樹脂を多く含有できないが、インク中の着色剤粒子を樹脂で包むかたちで造粒させることで着色剤自身に定着能を持たせることができる。このようなインクも本実施の形態において用いることができる。さらに、いわゆるホットメルトインクやUV硬化性インクを用いることもできる。
なお、以上の実施の形態においては、インクジェット方式にて製造したカラーフィルタ12を液晶分子4が垂直配向となっている液晶表示装置に使用した場合について説明した。しかしながら、本実施の形態のカラーフィルタ12は、例えばTN方式の液晶表示装置に使用した場合であっても、液晶分子4の配向乱れを防止して良好コントラストを維持可能な点、およびカラーフィルタ部31〜33等によるマルチギャップ構造により液晶分子の応答速度を速くできる点などにおいて同様に有効である。
また、本実施の形態においては、カラーフィルタ12をインクジェット方式にて製造する場合について説明した。しかしながら、これに限定されず、液体材料が塗布後の形状を維持して硬化し、これによってカラーフィルタ部31〜33が形成されるような簡単な手法によりカラーフィルタ12を製造する場合も本願発明の範囲に含み得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の構成は、カラーフィルタを使用する種々の表示装置に利用可能であり、インクジェット方式にてカラーフィルタを形成することにより、カラーフィルタの製造を容易にした液晶表示装置において特に有効である。
本発明の実施の一形態におけるカラーフィルタに関し、カラーフィルタ部の端部の傾斜角度における好適な範囲を説明するカラーフィルタの要部の断面図である。 図1に示した傾斜角度と液晶表示装置のコントラスト比との関係を示すグラフである。 本実施の形態のカラーフィルタを備えた液晶表示装置を示す縦断面図である。 図4(a)はマトリクス状のブラックマトリクスを有するカラーフィルタの平面図、図4(b)は図4(a)におけるA−A’線矢視断面図、図4(c)は図4(a)におけるB−B’線矢視断面図である。 図5(a)はストライプ状のブラックマトリクスを有するカラーフィルタの平面図、図5(b)は図5(a)におけるA−A’線矢視断面図、図5(c)は図5(a)におけるB−B’線矢視断面図である。 液晶層に接する基板表面が凹凸形状である場合に、カラーフィルタ基板との界面付近の液晶分子に配向乱れが生じている状態を示す説明図である。 カラーフィルタのカラーフィルタ部が湾曲面を有する場合に、カラーフィルタ基板との界面付近の液晶分子に配向乱れが生じている状態を示す説明図である。 インクジェット方式にてカラーフィルタを形成した場合に、図6に示した凹凸形状の一部と図7に示した湾曲形状とが生じる状態を説明するカラーフィルタの概略の断面図である。 カラーフィルタ部が凸型湾曲形状であるカラーフィルタを備えた液晶表示装置を示す概略の縦断面図である。 カラーフィルタ部が凹型湾曲形状であるカラーフィルタを備えた液晶表示装置を示す概略の縦断面図である。 図3に示したカラーフィルタにおいて、画素ピッチが変化した場合にこれに伴ってカラーフィルタ部の形状が変化する様子を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態における凸形状のカラーフィルタ部を有するカラーフィルタの一例を示す縦断面図である。 図12に示したカラーフィルタに関し、傾斜角度cの各上限値における、画素ピッチPと凸形状部のみの平均膜厚eとの関係を示すグラフである。 図12に示したカラーフィルタに関し、凸形状部のみの平均膜厚eを画素ピッチと傾斜角度cとの制約によって厚膜化するのが困難な場合に対応した構成を示すカラーフィルタの縦断面図である。 図15(a)はブラックマトリクスの高さよりもカラーフィルタ部の端部の位置が低くなっている場合のカラーフィルタを示す平面図、図15(b)は図15(a)におけるC−C’線矢視断面図である。 図16(a)はブラックマトリクスに親水処理が施され、カラーフィルタ部の端部がブラックマトリクスの上面に存在する場合のカラーフィルタを示す平面図、図16(b)は図16(a)におけるD−D’線矢視断面図である。 本実施の形態のカラーフィルタの製造に使用するインクジェット装置の一例を示す斜視図である。 図18(a)は、凸形状のカラーフィルタ部を有するカラーフィルタ基板の製造方法における、ブラックマトリクスの形成工程を示す縦断面図、図18(b)は光触媒含有層の形成工程を示す縦断面図、図18(c)は光触媒含有層に対する露光工程を示す縦断面図、図18(d)はカラーフィルタ材料であるインクの吐出工程を示す縦断面図、図18(e)は、前記インクの乾燥、焼成により形成されたカラーフィルタ基板を示す縦断面図である。 図19(a)は、凸形状のカラーフィルタ部を有するカラーフィルタ基板の製造方法における、ブラックマトリクスの形成工程を示す縦断面図、図19(b)は光触媒含有層の形成工程を示す縦断面図、図19(c)は光触媒含有層に対する露光工程を示す縦断面図、図19(d)はカラーフィルタ材料であるインクの吐出工程を示す縦断面図、図19(e)は、前記インクの乾燥、焼成により形成されたカラーフィルタ基板を示す縦断面図である。 従来の液晶パネルの概略構成を示す縦断面図である。 図20に示した液晶表示装置において、液晶層と接している一方の基板面が平坦面でない場合の液晶分子の配向状態を示す縦断面図である。
符号の説明
1 カラーフィルタ基板
2 アクティブマトリクス基板
3 液晶層
4 液晶分子
11 ガラス基板
12 カラーフィルタ
13 透明電極
14 配向膜
15 偏光板
21 ガラス基板
22 透明電極
23 配向膜
24 偏光板
31〜33 カラーフィルタ部
34 ブラックマトリクス(遮光部)
41 インクジェット装置
51 光触媒含有層

Claims (14)

  1. インクジェット方式により、基板上の対向する両遮光部の間に塗布された液体材料を硬化させてカラーフィルタ部が形成されているカラーフィルタにおいて、
    前記カラーフィルタ部が接する前記遮光部の内壁面を通り前記基板表面に垂直な線とカラーフィルタ部の外面とが交わる位置を外端位置とし、この外端位置から前記基板表面と平行に両遮光部同士の対向方向へ1μmだけカラーフィルタ部内に入った幅をaとし、この幅aの内端位置からカラーフィルタ部の外面に達する、前記基板表面と垂直な方向のカラーフィルタ部の高さをbとし、幅aを底辺とする高さbの直角三角形の斜辺の傾斜角度をcとした場合に、この傾斜角度cが11度以下であることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 基板上の対向する両遮光部の間に外面が凸形または凹形の湾曲形状を有するカラーフィルタ部が形成されているカラーフィルタにおいて、
    前記カラーフィルタ部が接する前記遮光部の内壁面を通り前記基板表面に垂直な線とカラーフィルタ部の外面とが交わる位置を外端位置とし、この外端位置から前記基板表面と平行に両遮光部同士の対向方向へ1μmだけカラーフィルタ部内に入った幅をaとし、この幅aの内端位置からカラーフィルタ部の外面に達する、前記基板表面と垂直な方向のカラーフィルタ部の高さをbとし、幅aを底辺とする高さbの直角三角形の斜辺の傾斜角度をcとした場合に、この傾斜角度cが11度以下であることを特徴とするカラーフィルタ。
  3. 前記傾斜角度cが7度以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記傾斜角度cが3度以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
  5. 前記カラーフィルタ部の外面形状が凸形もしくは凹形の湾曲形状であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  6. 前記傾斜角度cが0度以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
  7. 前記遮光部の内壁面は親液性を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載のカラーフィルタを備えていることを特徴とする液晶表示装置。
  9. 液晶層の液晶分子が垂直配向されていることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
  10. インクジェット方式により、基板上の対向する両遮光部の間に液体材料を塗布して硬化させ、カラーフィルタ部を形成するカラーフィルタの製造方法において、
    前記カラーフィルタ部が接する前記遮光部の内壁面を通り前記基板表面に垂直な線とカラーフィルタ部の外面とが交わる位置を外端位置とし、この外端位置から前記基板表面と平行に両遮光部同士の対向方向へ1μmだけカラーフィルタ部内に入った幅をaとし、この幅aの内端位置からカラーフィルタ部の外面に達する、前記基板表面と垂直な方向のカラーフィルタ部の高さをbとし、幅aを底辺とする高さbの直角三角形の斜辺の傾斜角度をcとした場合に、この傾斜角度cを11度以下とすることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  11. 前記傾斜角度cが7度以下であることを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 前記傾斜角度cが3度以下であることを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 前記カラーフィルタ部の外面形状が凸形もしくは凹形の湾曲形状であることを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタの製造方法。
  14. 前記傾斜角度cが0度以上であることを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタの製造方法。
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