JP2006084562A - 液晶光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高品質の液晶光学装置を提供する。
【解決手段】 550nm以下の波長の光を出射する光源と、光源から出射される光の光路上に配置されたホメオトロピック配向型液晶素子であって、第1の基板と、第1の基板の一方の面上に形成された第1の透明電極と、第1の基板の一方の面上に、第1の透明電極を覆うように形成され、80°より大きく89.5°以下のプレティルト角が付与された第1の配向膜と、第1の基板に略平行配置される第2の基板と、第2の基板の第1の基板に対向する面上に形成された第2の透明電極と、第2の基板の第1の基板に対向する面上に、第2の透明電極を覆うように形成され、80°より大きく89.5°以下のプレティルト角が付与された第2の配向膜と、第1の基板と第2の基板との間に挟持された液晶層を備えるホメオトロピック配向型液晶素子と、液晶素子を出射した光が入射する対物レンズとを有する液晶光学装置を提供する。
【選択図】 図9
【解決手段】 550nm以下の波長の光を出射する光源と、光源から出射される光の光路上に配置されたホメオトロピック配向型液晶素子であって、第1の基板と、第1の基板の一方の面上に形成された第1の透明電極と、第1の基板の一方の面上に、第1の透明電極を覆うように形成され、80°より大きく89.5°以下のプレティルト角が付与された第1の配向膜と、第1の基板に略平行配置される第2の基板と、第2の基板の第1の基板に対向する面上に形成された第2の透明電極と、第2の基板の第1の基板に対向する面上に、第2の透明電極を覆うように形成され、80°より大きく89.5°以下のプレティルト角が付与された第2の配向膜と、第1の基板と第2の基板との間に挟持された液晶層を備えるホメオトロピック配向型液晶素子と、液晶素子を出射した光が入射する対物レンズとを有する液晶光学装置を提供する。
【選択図】 図9
Description
本発明は、液晶素子を含んで構成される液晶光学装置に関する。
液晶素子を、光学素子、たとえば光学的情報処理や、実時間ホログラフィ、光学的な演算、光波面の補償等に用いる光空間変調素子として、利用する試みが活発である。殊に、近年、DVDの光ピックアップに適用し、液晶素子内の屈折率を場所により電気的に制御し、収差補正(チルト補正、球面収差補正など)する提案が注目されている。(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)これらの提案においては、液晶素子に入射させる光の光源として、レーザ等の高出力光源を用いることが多く、青色光や紫外線を出射するレーザ光源を用いた例も提案されている。
図10(A)〜(D)は、光学素子として用いられる液晶素子を説明するための図である。
図10(A)を参照する。光学系50は、たとえば液晶素子51と複数のレンズ52a,52b,52cを含んで構成される。液晶素子51は、透明電極を備える2枚の基板と、それらの間に挟持される液晶層とを含んで構成される。透明電極は、たとえば分割された複数の領域を有する。複数の領域には、相互に独立に電圧が印加され、それと対応する液晶層部分の液晶分子の配向状態が独立に制御される。
液晶層の液晶分子の配向状態を場所によって変えることにより、当該配向状態の異なった液晶層の部分ごとに、たとえば屈折率nを変化させることができる。したがって光学系50に、レーザビーム53が入射した場合、光が液晶層内を透過する時間を制御することが可能である。
図10(B)〜(D)に、液晶素子に形成される透明電極のパタン例を示す。透明電極の分割された複数の領域には、それぞれの領域を透過するレーザビーム53に対して所定の目的に適合した屈折率を得られるような電圧が印加される。
短波長、たとえば紫外領域の強い光を、長時間液晶素子に照射した場合、有機物である液晶が分解され、液晶層に入射する光の透過率の低下、及び液晶の機能の劣化という問題が生じることがある。液晶機能の劣化は、殊に環境温度が高い場合に顕著に認められる。
光学素子として利用されない液晶表示素子(Liquid Crystal Display,LCD)には通常、偏光板が備えられている。偏光板には紫外線カット機能をもたせることができるため、紫外領域の光は、ほとんど液晶層に入射せず、上記問題は発生しにくい。しかし光学素子として用いられる液晶素子は、偏光板を備えない場合が多く、液晶層に入射した短波長光が引き起こす液晶層の機能の劣化が問題となっている。
本発明の目的は、高品質の液晶光学装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、550nm以下の波長の光を出射する光源と、前記光源から出射される光の光路上に配置されたホメオトロピック配向型液晶素子であって、第1の基板と、前記第1の基板の一方の面上に形成された第1の透明電極と、前記第1の基板の一方の面上に、前記第1の透明電極を覆うように形成され、80°より大きく89.5°以下のプレティルト角が付与された第1の配向膜と、前記第1の基板に略平行配置される第2の基板と、前記第2の基板の前記第1の基板に対向する面上に形成された第2の透明電極と、前記第2の基板の前記第1の基板に対向する面上に、前記第2の透明電極を覆うように形成され、80°より大きく89.5°以下のプレティルト角が付与された第2の配向膜と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された液晶層を備えるホメオトロピック配向型液晶素子と、前記液晶素子を出射した光が入射する対物レンズとを有する液晶光学装置が提供される。
この液晶光学装置は、光源が出射する550nm以下の波長の光の透過率が高く、また、透過率の経時変化の小さい高品質の液晶光学装置である。
本発明によれば、高品質の液晶光学装置を提供することができる。
図1は、実施例による液晶光学装置に用いることの可能なホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子(以下、実施例による液晶素子と呼ぶ。)の概略を示す断面図である。液晶素子は、一対の基板(上側基板32及び下側基板31)と、その間に挟持される液晶層39とを含んで構成される。一対の基板(上側基板32及び下側基板31)は、配向膜37,38が向き合うように略平行配置され、両配向膜37,38間に、液晶層39が挟持される。上側基板32及び下側基板31は、それぞれ、たとえば平板なガラス基板である透明基板33,34、透明基板33,34上に、透明導電材で形成され、所定のパタンを有する透明電極35,36、透明電極35,36上にそれらを覆うように形成される配向膜37,38とを含んで構成される。
本実施例においては、透明基板33,34として、透明な青板ガラスを用い、透明電極35,36を形成する透明導電材にはITO(Indium Tin Oxide)を用いた。また、液晶層39を、負の誘電率異方性(Δε<0)をもち、ネマティック−アイソトロピック相転移温度が90℃であるネマティック液晶39aを用いて形成した。更に、配向膜37,38には、配向処理として、アンチパラレル配向となるようにラビング処理を施したポリアミック酸系の材料で形成された、表面自由エネルギ37〜38N/mの垂直配向膜(JALS−688)を使用した。ラビング処理は、コットン系のラビング布を用いて行い、約89°(基板法線方向から約1°)のプレティルト角を与えた。なお、セル厚が4μmとなるように液晶素子を作製した。
透明電極35,36間には、電圧印加手段40が接続されており、電圧印加手段40により両透明電極35,36間の液晶層39に任意の電圧を印加することができる。たとえば透明電極35,36は、互いに独立に印加電圧が制御される複数の領域に分割されている。
配向処理により、配向膜37,38に接する液晶層39の液晶分子は基板(上側基板32及び下側基板31)に対してほぼ垂直な、かつ基板面内方向からプレティルト角だけ傾く方向に配向される。また、液晶層39に電圧が印加されたときには、プレティルト角により液晶分子の倒れる方向が規定される。
本願発明者らは、比較例による液晶素子(比較セル)を作製し、これと比較して図1に示す実施例による液晶素子の信頼性を調べた。
図2は、比較例による液晶素子(比較セル)の概略を示す断面図である。
比較例による液晶素子(比較セル)は、水平配向型の液晶素子である点が実施例による液晶素子とは異なる。配向膜37,38として、アンチパラレル配向となるようにラビング処理を施した水平配向膜(SE−410)を用いた。コットン系のラビング布によるラビング処理により、約1.5°のプレティルト角を与えた。その他の構成要素は、実施例による液晶素子と同一の材料を用い、セル厚も同じく4μmとした。
本願発明者らは、図1及び図2に示した両液晶素子を約70℃に加熱した状態で、低圧水銀ランプを用いた短波長光を、両液晶素子に基板の法線方向から照射した。
図3は、水銀ランプの発光スペクトルである。横軸は、波長を単位「nm」で表し、縦軸は、波長254nmの出力強度を1として、他の波長における相対出力強度を「任意単位」で表す。
本願発明者らは、水銀ランプを用いて、図1及び図2に示した2つの液晶素子に、420nmの光を約2mW/cm2で、350nmの光を約0.4mW/cm2で、310nmの光を約0.4mW/cm2で、250nmの光を約3mW/cm2で照射し続け、10時間後と100時間後に、各液晶素子に入射する光の透過率を測定した。
図4は、図1に示したホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子、及び図2に示した水平配向型の液晶素子について、液晶素子に入射する光透過率スペクトルである。横軸は、入射光の波長を単位「nm」で表し、縦軸は、当該波長の入射光の透過率を、単位「%」で表す。
各々の液晶素子について、低圧水銀ランプを用いた短波長光の照射前(初期状態)、照射後10時間、照射後100時間の透過率スペクトルを示す。
白丸を実線で繋いだ透過率スペクトルは、図1に示した、実施例によるホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子の初期状態における透過率スペクトルを示す。白四角を実線で繋いだ透過率スペクトルは、照射後10時間を経たその液晶素子、また、白菱形を実線で繋いだ透過率スペクトルは、照射後100時間を経たその液晶素子の透過率スペクトルを示す。
黒丸を点線で繋いだ透過率スペクトルは、図2に示した、比較例による水平配向型の液晶素子の初期状態における透過率スペクトルを示す。黒四角を点線で繋いだ透過率スペクトルは、照射後10時間を経たその液晶素子、また、黒菱形を点線で繋いだ透過率スペクトルは、照射後100時間を経たその液晶素子の透過率スペクトルを示す。
約550nm以下(最大ピーク波長が約550nm以下)の波長範囲の光については、実施例によるホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子が、比較例による水平配向型の液晶素子よりも、高い透過率を有することがわかる。また、短波長の光を照射することによる透過率の経時変化も小さいことがわかる。更に、450nm以下(最大ピーク波長が450nm以下)の波長範囲の光については、それらのことが顕著に認められることもわかる。
次に、本願発明者らは、短波長光の照射時間に対する、液晶素子の波長405nmの光透過率の変化について調べた。波長405nmの光は、青色レーザ等で用いられることの多い光である。
図5は、図1に示した実施例によるホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子と、図2に示した比較例による水平配向型の液晶素子について、波長405nmの光透過率の照射時間依存性を示すグラフである。
横軸は、短波長光照射時間を単位「時間(hour)」で表す。ここで照射した短波長光は、図4のグラフに示した透過率を測定した際に照射した波長及び強度の光である。縦軸は、液晶素子の405nmの光透過率を単位「%」で表す。白丸を実線で繋いだグラフは、実施例によるホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子、黒四角を点線で繋いだグラフは、比較例による水平配向型の液晶素子についての、405nm光透過率の、短波長光照射時間依存性を示す。
実施例による液晶素子は、比較例による液晶素子よりも、初期状態以降、すべての短波長光照射時間において、405nm光の透過率が高いことがわかる。また、透過率減少の経時変化(の割合)が小さいことがわかる。
なお、実施例によるホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子は、初期状態において、405nm光の透過率が約86%である。しかし、本願発明者らは、実施例による液晶素子に液晶を注入する前の段階の空セルを用い、405nm光の透過率を調べたところ、ほぼ同じ約87%という値を得た。このことから、波長405nmの光は、実施例による液晶素子の液晶層においては、ほとんど吸収されないということができるであろう。また約86%という405nm光透過率は、たとえば、ITOで形成される透明電極等の条件の最適化により向上させうるであろう。液晶素子に入射させる光のピーク波長に応じて、ITOの厚さ、配向膜の厚さ等を最適化することにより、液晶素子の透過率を向上させることが期待できる。
更に、本願発明者らは、実施例による液晶素子及び比較例による液晶素子について、電圧印加手段により透明電極間に電圧を印加した状態で同様の実験を行い、同様の結果を得た。
実施例による液晶素子においては、配向膜としてポリアミック酸系の材料で形成された垂直配向膜を用いた。ポリアミック酸系の材料は、垂直配向LCD用の配向膜として実績があり、配向の安定性及び信頼性に優れている。ポリアミック酸系の材料に限らず、無機系、たとえばポリシラン系の材料で垂直配向膜を形成することもできる。これらポリシラン系等無機系の材料で形成された垂直配向膜は、紫外領域の光をほとんど吸収しないため、実施例による液晶素子に好ましく用いることができ、より信頼性の高い液晶素子を実現することができる。
また、実施例による液晶素子においては、コットン系のラビング布を用いてラビング処理を施したが、レーヨン系のラビング布を用いてラビング処理を行ってもよい。
図6は、ラビング処理におけるラビング強度と付与されるプレティルト角との関係を示すグラフである。横軸は、ラビング強度を「任意単位」で表し、縦軸は、付与されるプレティルト角を単位「度(°)」で表す。異なる屈折率異方性の液晶を用いて、4つのホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子を作製し、プレティルト角を測定した。LC−A、LC−B、LC−C、及びLC−Dは、それぞれ屈折率異方性(Δn)が0.25、0.1、0.15及び0.2の液晶を用いて作製した液晶素子である。
どの液晶についても、ラビング強度の増大に伴って、付与されるプレティルト角が減少し、ラビング強度によるプレティルト角の制御が可能であることがわかる。付与されるプレティルト角は、ラビング強度により、概ね70°〜90°の範囲で、自在に制御可能である。
本願発明者らは、ラビング強度を変化させることにより、図1に示すホメオトロピック(垂直)配向型液晶素子と構造、材料の等しい液晶素子であって、実施例による液晶素子とは異なるプレティルト角の付与された複数のホメオトロピック(垂直)配向型液晶素子を作製した。複数の液晶素子には、70°〜90°の範囲でプレティルト角を付与した。
これらの液晶素子について、図4及び図5のグラフを得るために行った実験と同様の実験を行ったところ、80°より大きく89.5°以下のプレティルト角の付与された液晶素子において、実施例による液晶素子(プレティルト角89°)とほぼ同じ結果(図4及び図5に示す結果とほぼ同じ結果)を得ることができた。プレティルト角が80°以下になると、若干、初期状態における光透過率の低下、及び、光透過率の経時変化が認められた。ただし、プレティルト角が80°以下の液晶素子であっても、この2点において比較例による水平配向型の液晶素子よりも優れていた。
図7は、ホメオトロピック(垂直)配向型液晶素子の欠陥を示す顕微鏡写真である。
ホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子においては、配向膜の材料、ラビング布の材料、及びラビング強度の組み合わせが適切でない場合、ラビング筋が発現することがある。図7に示した顕微鏡写真は、ラビング筋を撮影したものである。ラビング筋の発現した液晶素子は、光学素子として用いるには適当ではない。
実施例による液晶素子、及び、実施例による液晶素子と構造、材料が等しく、プレティルト角が異なる液晶素子(図4または図5のグラフを得るために行った実験と同様の実験の対象とした液晶素子)は、ラビング筋を発現させることなく作製することができた。
なお、実施例による液晶素子においては、ラビングにより配向処理を行ったが、光配向処理でプレティルト角を付与してもよい。
図8は、光配向処理における配向膜の焼成温度と付与されるプレティルト角との関係を示すグラフである。横軸は、焼成温度を単位「℃」で表し、縦軸は、付与されるプレティルト角を単位「度(°)」で表した。図8のグラフを作成するに当たり、垂直配向膜としてSE−1211を用いた。また、光配向処理は、透明電極の形成された基板に塗布、焼成した垂直配向膜に、基板の法線方向と45°をなす方向から、照射量1.5J/cm2で直線偏光の紫外線を照射することにより行った。
LC−1、LC−2、LC−3、及びLC−4は、屈折率異方性(Δn)の異なる液晶を用いて作製した4つの液晶素子を示す。それぞれ順に、屈折率異方性(Δn)が、0.2、0.15、0.1及び0.25である液晶を用いて作製した。
屈折率異方性(Δn)の違いにかかわらず、配向膜焼成温度の上昇に伴い、付与されるプレティルト角が減少し、配向膜焼成温度によるプレティルト角の制御が可能であることがわかる。付与されるプレティルト角は、光照射条件や配向膜焼成温度等により、概ね74°〜90°の範囲で、自在に制御可能である。
なお、光配向処理によりプレティルト角の付与を行う場合には、垂直配向膜を形成する材料として、ポリイミド系の材料を用いるのが好ましい。これは、紫外線領域の320nm以下の波長の光を吸収しやすく、良好な光配向処理が可能なためである。
実施例によるホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子と同構造、同材料の液晶素子であって、プレティルト角が80°より大きく89.5°以下の液晶素子は、初期状態も含め、短波長域の光透過率が高い液晶素子である。また、高温下で、強い短波長光を長時間入射しても、高い耐光性(高光透過率及び高信頼性)を備える高品質の液晶素子である。
なお、本願発明者らは、特願2004−043953号において(殊に[発明を実施するための最良の形態]中、[0015]〜[0072]、及び図1〜図10において)垂直配向膜の表面自由エネルギを35N/m以上39N/m以下に選択することにより、ラビング筋の抑制等を可能とし、表示品質の高い垂直配向型の液晶表示装置を提供できることを開示した。
本願においても、実施例によるホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子と同構造、同材料の液晶素子であって、プレティルト角が80°より大きく89.5°以下の液晶素子に、表面自由エネルギが35N/m以上39N/m以下の垂直配向膜を採用することで、ラビング筋の発現等を抑制することが可能となる。
このような液晶素子を用いて以下のような液晶光学装置を作製することができる。
図9は、実施例による液晶光学装置を示す概略図である。
実施例による液晶光学装置は、たとえば波長(最大ピーク波長)450nm以下の光を含む波長(最大ピーク波長)550nm以下の光を出射可能な高輝度光源である光源45、必要に応じて光源45から出射される光の光路上に配置されるコリメートレンズ47、コリメートレンズ47を出射した光の光路上に配置される液晶素子51、液晶素子51を出射した光の光路上に配置される対物レンズ48を含んで構成される。液晶素子51は、ホメオトロピック(垂直)配向型の液晶素子であって、80°より大きく89.5°以下のプレティルト角が付与されている。また、配向膜の表面自由エネルギは35N/m以上39N/m以下の範囲である。更に、配向膜は、たとえばポリアミック酸系、ポリシラン系、またはポリイミド系の材料で形成されている。
光源45から、波長550nm以下の光46が出射する。光46は、コリメートレンズ47で平行光とされた後、液晶素子51に入射する。液晶素子51は、たとえば分割された透明電極に印加される電圧により液晶層の液晶分子の配向状態を場所によって異ならせ、配向状態の異なった液晶層の部分ごとに屈折率(n)を異ならせることができる。液晶素子51を出射した光46は、対物レンズ48を経て、光照射対象物49、たとえばDVD等の情報記録媒体に入射する。配向状態の異なった液晶層の部分ごとに屈折率(n)が異なるため、たとえば光が液晶層を透過する時間を制御することが可能となる。
これまで述べてきたように、液晶素子51は、550nm以下の波長の光に対しても透過率が高く、短波長光を照射し続けた場合であっても透過率の経時変化の小さい液晶素子である。また、450nm以下の波長の光に対してもこれらのことがいえる点において特徴的である。
したがって、図9に示す液晶光学装置は、光源45が出射する450nm以下の波長の光を含む550nm以下の波長の光の透過率が高く、また、透過率の経時変化の小さい高品質の液晶光学装置である。
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
光学的情報処理、実時間ホログラフィ、光学的な演算、光波面の補償等に用いる光空間変調素子全般に利用することができる。また、通信用光学素子、液晶を用いた光ピックアップ、レーザ発振器の位相または振幅変調素子、液晶チルトセンサ、レーザ印字用液晶マスク等に利用可能である。
31 下側基板
32 上側基板
33,34 透明基板
35,36 透明電極
37,38 配向膜
39 液晶層
39a 液晶
40 電圧印加手段
45 光源
46 光
47 コリメートレンズ
48 対物レンズ
49 光照射対象物
50 光学系
51 液晶素子
52a,b,c レンズ
53 レーザビーム
32 上側基板
33,34 透明基板
35,36 透明電極
37,38 配向膜
39 液晶層
39a 液晶
40 電圧印加手段
45 光源
46 光
47 コリメートレンズ
48 対物レンズ
49 光照射対象物
50 光学系
51 液晶素子
52a,b,c レンズ
53 レーザビーム
Claims (6)
- 550nm以下の波長の光を出射する光源と、
前記光源から出射される光の光路上に配置されたホメオトロピック配向型液晶素子であって、第1の基板と、前記第1の基板の一方の面上に形成された第1の透明電極と、前記第1の基板の一方の面上に、前記第1の透明電極を覆うように形成され、80°より大きく89.5°以下のプレティルト角が付与された第1の配向膜と、前記第1の基板に略平行配置される第2の基板と、前記第2の基板の前記第1の基板に対向する面上に形成された第2の透明電極と、前記第2の基板の前記第1の基板に対向する面上に、前記第2の透明電極を覆うように形成され、80°より大きく89.5°以下のプレティルト角が付与された第2の配向膜と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された液晶層を備えるホメオトロピック配向型液晶素子と、
前記液晶素子を出射した光が入射する対物レンズと
を有する液晶光学装置。 - 前記光源が、450nm以下の波長の光を出射する請求項1に記載の液晶光学装置。
- 前記第1及び第2の配向膜の表面自由エネルギが、35N/m以上39N/m以下である請求項1または2に記載の液晶光学装置。
- 前記第1及び第2の配向膜が、ポリアミック酸系材料で形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶光学装置。
- 前記第1及び第2の配向膜が、ポリイミド系材料で形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶光学装置。
- 前記第1及び第2の配向膜が、ポリシラン系材料で形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶光学装置。
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- 2004-09-14 JP JP2004267160A patent/JP2006084562A/ja not_active Withdrawn
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